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第三外典:無限聖杯戦争『冬木』

53名無しさん:2019/05/20(月) 20:16:24

――――――――ともあれ、情報は入手するに越したことはない。

妙な接触はあったものの、とりあえず廊下を歩くことにする。
「聞くならば運営側の上級AIがいい」。セイバーがそう言っていた通りに探す……ぱっと思いつくのは、一之瀬先輩だった。
つい先日まで『先輩と後輩』という関係性……を、与えられていたと言えばいいのだろうか。ならば説明のときの、どこか冷たく感じる感覚は、役目から解き放たれたからこそか。
……正直、あれを思い出すと少々憚られるが、それでも思いつくのは彼女と、もうひとり、担任教師という設定だった如月先生くらいだ。
あの二人ならば、保健室にいると、そこらにいたNPCに聞いて、こうして教室の前にやってきたわけだが……。

「あーーーーーー!! 痛い痛い痛い、違うんです陽炎さん!! 私はただ女の子に紳士的に対応しただけで!」

「うふふふ、それ毎回言ってないかしら? 今日という今日は許しません!」

保健室の扉の奥からは、断末魔とミシミシという妙な音が聞こえてくる。
……上級AIともなると、やはり挙動というのは人間に近くなるのだろうか。ともあれこうなると、どうにもこの扉を開きにくい……運営としてどうなんだ。
赤霧火々里は微妙に元先輩への評価を落としながらも、困った顔をする……どれか他の上級AIに聞くのが得策か。そう考えていたところに。


「ん、なんだ。今は取込中かな?」


背後から掛けられた声に振り向いた。
そこに立っているのは、一人の男だった。黒い髪に、ヘーゼルの瞳を持った……純粋な外国人と言うよりは、亜細亜との混血だろうか。
予選では見たことがないか、覚えがないか……どちらだっただろうか。記憶は混濁しているが、少なくともあまり関わりはなかった、と思う。


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