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蠱毒〜12人の平野源五郎〜

1第一話:2018/12/19(水) 23:53:10 ID:Nyo8oJag
(深夜、自室でパソコンに向かっているキモオタ平野)
キモオタ「……やっぱりバーチャルYoutuberは面白いなぁ。このキャラもか゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛」
キモオタ「……まぁ、だいちくんのかわいさには敵わないんだけどね」
キモオタ「ん、なんだこの記事。『バーチャル蠱毒』?」
キモオタ「……最強バーチャルタレントオーディション。同じ顔と名前のバーチャルキャラクターを与えられた12人の候補者が活動を行う。ライブ配信の獲得ポイントなどで競い合い、負けたものはバーチャルの肉体を奪われ消滅する。『デスゲームかよ』『闇が深すぎる』『虫同士を共食いさせる「蠱毒」の呪いに似てて草』などと言われつつ注目を集めている」
キモオタ「……なんか悪趣味だな」
キモオタ「あっ、そんな事してるうちにもうこんな時間だ。撮り溜めただいちくんの映像を編集しようと思ってんだけど……いいや、今日はもう寝よう」

(就寝するキモオタ)
(しかし気がつくとそこは見慣れない地下室だった)

キモオタ「クォクォハ……?」
マネージャー「あら、目を覚ましたようね」
(目の前にいるのはスーツを着たマネージャー平野。他にも緊縛師平野や院長平野、チンコルなど総勢12人の平野がいる)

キモオタ「えーと、あなたは確かウリセンのマネージャーをやってる平野さん……」
マネージャー「そうよ。あんたの方こそカメラもってだいちくん追いかけ回してる平野ね。会うのは初めてだけど、なんとなく存在は知ってたわ」
キモオタ「ど、どうも……。あの、他の方も、もしかして……?」
マネージャー「そう、おんなじ平野よ」
(マネージャー、それぞれの平野を紹介していく)
マネージャー「あっちでふんぞり返ってコーヒー飲んでるのは警官平野。アクシード仮面2号とか言われたりもするけどね」
マネージャー「あの台車の上で正座してるのは緊縛師平野」
マネージャー「向こうの端っこでオドオドしながら服の袖いじってるのは教師の平野先生」
マネージャー「和風の調理服を着てるのは料亭平野の板長をやってる平野よ」
マネージャー「あとは変態女教師のあららレミと、旅館平野の主人。それとネットカフェの店長に、平野病院院長と書道家と……あの緑色なやつはチンコルっていう平野だけど無視していいからね」
キモオタ「は、はぁ……」

???『やっと全員、目が覚めたようじゃな』

(ボイスチェンジャーの声に皆が振り向く)

???『お集まりいただきありがとうございます。みなさんの中でどの平野がいちばん優れているのかを、最後の一人になるまで決めてもらおうと思います』
???『専用の配信サイトでライブ配信を行い、視聴者から与えられる無料ポイント・有料ポイントの合計で人気を競ってもらいます。そして予備選考・本選考の二回の選考を行う中で、脱落者には消えてもらいます』

(ざわつく室内)

警官「俺は、警察だ。世の中の不逞な輩を見逃すわけにはいかねぇんだ。消えるっていうのはどう事か、説明してもらおうか」
???『文字通り存在が消滅するという意味です。この世には、生きていない人間となります。みなさま、死にたくなかったらリスナーの方々に愛されるような平野を目指して頑張ってください。最初の予備選考では、この中から5人の平野に脱落してもらいます。それでは、選考期間が終わってからまたお会いしましょう……』
(それだけ言い残して切れてしまうボイスチェンジャーの声)

(騒ぎ始める平野たち)
レミ「ぽ〜よよ〜ん! やだーちょっとやだー! なんなのー!? 聞いてないんだけど〜! さいあく〜! 背負い投げ〜!」
緊縛師「……まるでデスゲームのようじゃあ……」
書道家「デスゲームだかなんだか知らないが、こんな勝手な事をしてただで済むと思ってるのか!? わたしは警察とも、財界とも繋がってるんだぞ!」
警官「俺は、警察だ」
板長「そんなこと誰も聞いてないぞ」
ネカフェ「な゜に゜や゜ら゜面゜白゜い゜こ゜と゜に゜な゜っ゜て゜ま゜す゜ね゜ぇ゜〜゜」

キモオタ「マネージャーさん、どうしよう。ぼく、ライブ配信なんてできないよぉ……」
マネージャー「ったく、できないよぉじゃないでしょ。甘ったれた子なんだからっ!」
キモオタ「ひぇっ! ど、怒鳴られた……」

教師「……………………」
(そんなキモオタを遠巻きに睨みつける平野先生)

キモオタ(ん? あの人は確か学校の先生の……)
(教師、キモオタの目線に気がつくとすぐに目をそらしてしまう)

マネージャー「ほら、なにぼさっとしてるの。あんたも早く帰って配信の準備でもなさい!」
キモオタ「う、うん…………」

(すごすごと帰って行くキモオタと他の参加者たち)

2第二話 1/2:2018/12/19(水) 23:54:28 ID:Nyo8oJag
(帰宅後、ライブ配信をしているキモオタ平野)
キモオタ「じゃ、じゃあ皆さん、おつかれさまでした〜……。これで終わりま〜す……」
コメント『コメントぜんぜん拾えてなくて笑った』
コメント『もっとリスナーぶっ倒すつもりでIKEA』
コメント『陰キャ丸出しで草も生えない』
コメント『今後に期待 +1145141919810点』
(不慣れなせいか、配信の評価は芳しくない)
キモオタ「うぅっ、みんな手厳しいよぉ……」
キモオタ「あっ、そうだ。他の人はどんな事してるのかなぁ。……このサイトに中間結果やそれぞれのSNSへリンクが貼ってあるのか」
キモオタ「あぁ、やっぱり緊縛師がぶっちぎりの人気だなぁ。その次は院長さんやマネージャーさん辺りが競ってるのかぁ……。旅館の人は票数が妙に低いけど、このサイトに反映されるまでタイムラグがあるのかな?」
キモオタ「あっ、録画があれば他の人の配信も観れるのか。じゃあ、えっと……」
(キモオタ、他の参加者の動画を見始める)

平野院長「……そうそう、チンコの形でオナニーの仕方はわかるかもな。右曲がりだとだいたい左利きもしくは右に、こう自分自身で力強く反らしているパターンが右曲がりになりやすい。で左が、あのー……」

板長平野「で、雑煮作ってな。作り方は簡単なんだが、具材は鳥肉・ゴボウ・ニンジン。それだけ。……ちwくwわwがw入wっwてwなwいwやwんwwwww ……そう、餅を生かすように味つけるんで……」


キモオタ「わぁ、二人ともリスナーさんからたくさんコメントもらってるなぁ。すごいや」
キモオタ「ん? ライブ通知……?」


(キモオタが通知を開くと、マネージャー平野とあららレミが『なかよしオネェコンビ』と題してコラボ放送を行っていた)
レミ「あらぁ〜! やだぁ〜! どんだけぇ〜!!」
マネージャー「ちょっとアンタうるさいわよぉ、リスナーさんドン引きじゃない、んもぉ〜!」


キモオタ「……にぎやかで楽しそうだなぁ。僕もあんな風に誰かといっしょに放送したいなぁ……あっ、そうだ」
(キモオタ、平野先生の事を思い出す)

キモオタ「あの人なんだか僕に似てるし、もしかしたら一緒に放送してくれるかもしれない。SNSアカウントに、えっと……『コラボ放送しませんか 携帯の番号も載せておきますね キモオタ平野より』っと……」
キモオタ「これで仲良くなれるかなぁ……」

携帯『♪』
キモオタ「あっ、携帯……きっと先生からだ……」

(平野、電話にでる)
教師平野「もう勘弁してくれ……」
キモオタ「えっ?」
教師「お前、キャラがかぶっているうえ知名度で圧倒的に負けている私をあざ笑いにきたんだろう」
キモオタ「そ、そんなつもりじゃ……」
(教師平野、喧嘩腰で食ってかかる)
教師「リスナーに『だれ? キモオタじゃないの?』とか『キモオタと間違って投票した、訴訟』とか『か゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛た゛い゛ち゛く゛ん゛って言ってよwwwww』とか言われる私の気持ちはお前にはわからないだろうな」
キモオタ「……ぼ、僕はただ、先生となかよくなろうと……」
教師「仲良くだって? ふざけるな! どうせ生き残れるのは一人だけなんだぞ!?」
キモオタ「で、でも……」
(キモオタの言葉は教師の怒りに油を注ぎ続ける)
教師「覚えておけよ! 私はなんとしても、お前にだけは勝ってやるからな!!」
(教師、乱暴に電話を切る)

キモオタ「……うぅ……うぅっ……」
キモオタ「なんであんなに怒鳴るんだろう……ひどいよぉ、うぅ……」
(泣き出すキモオタ)

キモオタ「……………………」
キモオタ「とりあえずニコニコのランキングでも見よう……ん?」

(例のアレランキングには本編改造キモオタ平野がちょくちょく入っている)
コメント『だいちくん are おりこうさんだね』『草』『相 葉 雅 紀』『承太郎VSンドゥール』『犯すだよ〜』『キモオタ平野おうえんしてます!』『ホモコロリ』『空前のキモオタ平野ブーム』『キモオタがんばれよ!』

キモオタ「み、みんな……うぅ、う……う……」
(一転、喜びの涙を流すキモオタ平野)

3第二話 2/2:2018/12/19(水) 23:54:59 ID:Nyo8oJag
(一方その頃ほかの参加者)

書道家平野「性 欲 旺 盛」
コメント『は?』
コメント『は?』
コメント『なにこれ?』
コメント『は?』


旅館平野「これ聞こえてんのかな……え、聞こえない? うーむ……菊池、きくちー! これマイクはどうなってるんだ、おーい! あとこのツイッターっていうのもどうやって更新すればいいんだ? おーい! この、ハゲーッ!」
(うまくいっていない様子の旅館平野)


ネカフェ平野「ふぉーっふぉっふぉっふぉ……それじゃ、いきまっしょい」
コメント『これネカフェで配信してるの?』
コメント『向こうでクレーマーっぽい客の怒鳴り声が聞こえるけどこの店だいじょうぶか』
コメント『仕事しろ』


コメント『おれ未成年だけどタバコ吸ってるwwwwwうはwwwww』
警官平野「おい、彼まだ未成年じゃないかね? けしからん、私が渇を入れてやる」
コメント『視聴者に正義の鉄槌を下すのは草』
コメント『リスナーを取り締まっていくのか……(呆れ)』


チンコル「……………………」
コメント『は?』
チンコル「……………………」
コメント『なんか言えや』
チンコル「…………、『20ルピーあげるからオジサンに投げ銭しない? なのだ!』…………」
コメント『は?』
コメント『もしかしてこいつ、語録がないから字幕じゃないと話せないのか?』
チンコル「…………………………………………」

4第三話 1/2:2018/12/19(水) 23:56:43 ID:Nyo8oJag
(そして予備選考期間が終了、そわそわとパソコンに向かうキモオタ平野)

キモオタ「ライブ配信はあんまりうまくできなかったけど……」
キモオタ「でもコメントもたくさん拾えるようにがんばったし……Twitterのリプライにも返事を書くようにした……」
キモオタ「今日の正午にサイト上で結果発表をするっていってたけど、どんな風にするんだろう……」
キモオタ「それに負けた人は消滅する、って言ってたけどほんとうにそんな事があるのかな……?」


???『みなさま、お疲れさまでした。リスナーからの人気を掴むためにどの平野も一生懸命でしたね。下位の5名は、残念ながらここで脱落してしまいます』
???『え? こんな中継をするなんて、残酷だって? でもその残酷な光景が見たいから、この放送をご覧になっているんですよね』
???『では、さっそく結果発表と参りましょう』


1位:緊縛師 2位:マネージャー 3位:院長 4位:警察 5位: 教師 6位:板長 7位:キモオタ

8位:書道家 9位:レミ 10位:ネカフェ 11位:旅館 12位:チンコル

(結果発表後、脱落した平野をそれぞれ映していく)

【あららレミの死亡シーン】
レミ「えっ、うそっ、ちょっと、やだぁ〜! なんなの〜! まだ死にたくないんだけど〜! やだ〜うっそ、意識が遠くなっていくんですけどぉ〜! いやいやいやいや〜っ! 死にたくない、消えたくない! やだ、やだあぁぁぁっ!!」
(レミ、叫びながら絶命する)

【書道家平野の死亡シーン】
書道家「ぐっ、このわたしがこんな所で……はっ、お前は!?」
筆使いのさとし「僕は、仕置き人さ。とある少年にあんたを始末するように依頼されてたけど、この無関係なゲームが始まってくれたおかげで僕が手を下す手間が省けて助かったよ」
書道家「し、仕置人だか、仕事人だか知らないが、人の命を好き勝手にもてあそびおって……う、ぐぅっ!」
(書道家平野、さとしに見下されながら絶命する)

【ネカフェ平野の死亡シーン】
ネカフェ「なんだか面白い事に……なってはいないな。他人をこき使っていたワシが、まさかこんな所で命を落とす羽目になるのはな…………ふふ、はは、ははは…………は…………」
(ネカフェ店長、諦めた顔をしながら絶命する)

【旅館主人平野の死亡シーン】
旅館平野「そうか、わしもここまでか……慣れないライブ配信に振り回されたり投票の結果が反映されずに一喜一憂したが……」
旅館「だが悔いはない。どうせ病で弱った老い先短い身じゃ。わしが死んだ後のこともすべて菊池に任せておる」
旅館平野「これからの旅館平野を頼んだぞ、菊池」
幸人「はい、旦那様」
旅館「最期の時をお前と過ごせて、わしは幸せじゃ……」
(おだやかな表情を浮かべる平野。だが、ふと今までの事を振り返る)
旅館(なかなか解消されなかった放送の遅延、反映されない投票……そしてこの身体を蝕んでいた原因不明の病)
旅館「菊池、まさか、お前…………!?」
(死の瞬間、幸人の企みにすべて気付いた旅館主人平野)
幸人「はやく死ねジジイ!」
旅館「菊池ぃ…………!!」
(幸人の裏切りを知って絶望しながら死んでいく)

【チンコルの死亡シーン】
チンコル「……………………」
チンコル「…………『死にたくないのだ! まだまだやりたいことがたくさんあるのだ! おいしいもの食べたり楽しいことしたり、若い男の子に20ルピー渡してイイコトしたりしたいのだ! まだ消えたくないのだ! まだ死にたく』…………」

5第三話 2/2:2018/12/19(水) 23:57:59 ID:Nyo8oJag
???『……さて、敗者の方々が消滅してしまいました。かわいそうでしたねwwwww みなさんのお気に入りの平野は、生き残っていますでしょうか』
???『比較的ご高齢の平野の脱落が目立ちましたね。純粋なキャラ人気もさる事ながら、SNSを使ってファンの方と交流する事もポイントを稼ぐ大きな手段だったのでご年輩の方には少々難しかったのかもしれません』

???『一番人気はやはり緊縛師の平野ですが、まだまだ他の平野にもチャンスは残っています』
???『料理動画を上げてらっしゃる板長さんは固定層以外の票も期待できそうですね』
???『マネージャーさんもSNSを活用しているおかげかなかなか健闘しています』
???『キモオタさんはギリギリでの予選通過となりましたが、この空前のキモオタ平野ブームに乗りたいところですね』

???『次の本選考では、最下位の方から脱落していくサドンデス方式で競っていただきます』
???『票数の伸び率なども加味していくので下位の平野さんにも充分に猶予はありますよ』
???『また、一日に30分以上の配信を行わない方はその時点で脱落とさせていただきますのでご注意ください。毎日配信を聴けるようになるので、リスナーさんにとっては嬉しいルールですね』
???『それでは平野のみなさま、がんばってください』
(主催者の言葉で放送が終わる)



キモオタ「……う、うえぇぇぇぇぇっ!」
(キモオタ、平野たちの断末魔を目の当たりにして嘔吐する)
キモオタ「……な、なんでぼくが……僕たちがこんな目にぃ……うっ、うっ、うっ……ひっく、ひぐ……っ」



(同じように自室で放送を見ていた緊縛師平野)
緊縛師「……………………」
(台車に座りながら冷たい表情を浮かべている)



板長「これからどうしようか。若い料理人にイタズラするだけの生活を送っていたせいで、料理の腕前が鈍ってしまっていたからな。和食のレパートリーも尽きてしまったし……ううむ……」
(難しい顔をして考え込む)


警官「……俺は警察だ、世の中の不逞なデスゲームに負けるわけにはいかねぇんだ……!」
(拳を震わせている)


(院長平野、勝利を確信しているのか思惑があるのか医者の仕事に勤しんでいる)
婦長さとし「院長回診で〜す、院長回診で〜す。平野院長の、総回診で〜す」


マネージャー(……まずは一安心ね。レミの奴にこのまま居座られて票を食い合われると困るもの。さて、と……)
(ライブ配信を開始するマネージャー)
(さっきまでとは一転して目には涙を浮かべている)
マネージャー「…………みんな、さっきの配信みた…………?」
マネージャー「レミちゃんが……あたしの親友だったレミちゃんが……あんな……」
マネージャー「ひどいよぉ、うぅ……ぐすっ……」
コメント『マネージャーさんかわいそう』
コメント『平野さん泣かないで!』
コメント『いままでレミちゃんファンだったけどこれからはマネージャーさんを応援します』



教師「……………………」
教師「もう、勘弁してくれ……」
(教師、憔悴しきった様子でうずくまっている)

6第四話 1/2:2018/12/19(水) 23:59:40 ID:Nyo8oJag
(キモオタ平野、やつれた表情でコンビニ袋を下げて街を歩いている)

キモオタ(本選考では最下位から順番に脱落、って言ってたけど……)
キモオタ(やだよ、死にたくないよ……)
キモオタ(……せめてあともうちょっと生きられるように、えっと、どうしよう……まずはSNSをこまめに更新して……家に帰ったら、苦手だけど配信もがんばらなきゃ……)
キモオタ「ん?」

(キモオタ、街を歩くマネージャー平野をみつける)

キモオタ(あっ、あのスーツの人はたしかマネージャーさんだ……そうだよ、僕たちは同じ平野なんだから住んでいる場所や行動範囲が似通ってても不思議じゃないんだ)
キモオタ「あ、あのー……」
マネージャー「……あら。オタクくんの平野じゃない」
キモオタ「う、うん……。あの、マネージャーさん。その、……えっと、あのぉ……」
マネージャー「なに? なんか用?」
キモオタ「……いや、その、用事ってほどじゃないんだけどぉ……」
(言葉に詰まるキモオタ)
キモオタ(ううう、ついつい声を掛けちゃったけど……どうしよぉ……)
キモオタ(ショタが相手だったら『お母さんのお友達だよ』って言って自宅に連れ込めるのに……うぅ……)
(もじもじするキモオタ)
マネージャー「……………………」
マネージャー「はぁ〜(クソデカため息)、あんたね……ナンパもロクにできないの?」
キモオタ「えっ、な、ナンパ? いや、その、そのそんなつもりじゃ……」
(慌てるキモオタを見てマネージャー笑う)
マネージャー「ついてらっしゃい。ケーキのおいしいお店がこの先にあるのよ」

(キモオタとマネージャー、喫茶店にはいる)
キモオタ「……………………」
マネージャー「……………………」
キモオタ「あの、結果発表……見ましたよね、あなたも……」
マネージャー「……えぇ。あんまり気分のいいものじゃなかったわね」
(沈むキモオタと険しい顔をするマネージャー)
キモオタ「僕もショックで……あの……マネージャーさんはレミさんとも仲良しでしたよね?」
マネージャー「……………………そうね」
キモオタ「僕も、おふたりを真似しようと思って教師の平野先生とコラボしませんかって、声をかけたんだけど……なんだかとっても嫌われてて、すごく怒られちゃって……」
マネージャー「……ふーん……」
(少し考え込むマネージャー)
マネージャー「まあいいんじゃない? キモオタちゃんの事だからどうせコラボしても利用し尽くされてポイっと捨てられるだけよ。逆にラッキーだったわね」
キモオタ「えぇっ、利用? そ、そんなぁ……僕はただ、友達になれそうだなって思っただけで……」
マネージャー「あのね。あんたそんな甘っちょろい事ばっかり言ってるとすぐに足元すくわれちゃうわよ」

7第四話 2/2:2018/12/20(木) 00:00:23 ID:lQOujU0w
キモオタ「で、でもぉ……」
(マネージャー、身を乗り出して声を荒くする)
マネージャー「でももへちまもないの! ほかの参加者を町中で見かけても声なんてかけちゃダメ、むしろ気付かれないうちに逃げ出すくらいでいなさい!」
(口調を強めるマネージャー)
マネージャー「あんたの仲間なんてどこにもいないのよ。だれにも心を開いちゃだめ! いい、わかった?」
キモオタ「…………はい…………」
(しょんぼりするキモオタ。しかし、意を決して口を開く)
キモオタ「……ところで、あの……その……実は、お願いがあって……」
マネージャー「ん? なにかしら」
キモオタ「その……連絡先、交換しません……」
マネージャー「…………は?」
(呆れるマネージャー)
マネージャー「……あんた、あたしの話きいてた……?」
キモオタ「ご、ごごごごめんなさい……! で、でもマネージャーさんなら、その、いい人そうだなぁって、思って、えっと……」
マネージャー「はぁ〜(クソデカため息)……仕方ないわ。今回だけ特別だからね。……こんな風に簡単に自分の携帯教えちゃダメよ」
キモオタ「あ、あの、実はもう……平野先生にはツイッターのDMで送ってるんだよね、僕の番号……」
マネージャー「はぁ!? ったく、隙だらけなんだから……はい、これ。言っとくけど、あんたが掛けてきてもあたしは出ないわよ」
キモオタ「……う、うん。それでもいいんだ。マネージャーさんのアドレスがあるってだけで、なんとなく安心できるから……」
(連絡先を交換する二人)
マネージャー「……………………」
マネージャー「あっそ、勝手になさい。あたしはもう帰るわよ」
(マネージャー、キモオタの分まで代金を払う)
キモオタ「ご、ごちそうさまです。お、おいしかったです、ここのケーキ……」
キモオタ「……また、来たいな……」
(マネージャー、複雑な顔をする)
マネージャー「……そうね。お互い、せいぜい頑張りましょ」
(店の前で別れる)


(キモオタ、帰りの道すがらスマホをチェックする)

1位:緊縛師 2位:マネージャー 3位:院長 4位:教師 5位:警官 6位:キモオタ 最下位:板長

キモオタ「あっ、僕の順位が下から二番目になってる! やったぁ!」
キモオタ「……でも、代わりに板長さんが最下位に落ちてる……このまま順位が変わらなかったら、きっと板長さんは……うぅ……」
キモオタ「でも、だからって僕も消えたくないよ……やだよ、そんなの……うぅ……」

(一方その頃、警官平野のSNS)
コメント『警官さんリスナーに媚びない所がかっこいいっすね』
コメント『でもプライド高くてムカつかないっすかこいつ』
コメント『投げ銭したのにありがとうの言葉もなしか? 人間の屑がこの野郎……』
警官「……くそっ。警察であるこの私に向かって好き勝手言いやがって……」
(警官、怒りに任せて酒をあおる)

8第五話:2018/12/20(木) 00:00:54 ID:lQOujU0w
【板長の死亡シーン】
板長「……ついにこの時がきてしまったか」
コメント『こマ? 死亡確定しても配信できるの?』
コメント『←予備選考のときも死に際までばっちり中継してたゾ〜』
コメント『私たちの応援が足りなかったせいで……ごめんなさい(語録無視)』
コメント『公開処刑と聞いて飛んできました』
板長「いろいろと試行錯誤したつもりだったが、やはり巻き返しとはならなかったか……」
板長「料理のレパートリーが尽きて新鮮味がなくなってしまった事、そして調理場では常に盛りあう男たちの声が響き清潔感を損ねてしまったのが敗因といったところか」
板長「ふっ、分析したところですべては後の祭りだな。……じゃあ、最後くらいはやっておくか。よし、では家訓!」
板長「上げ膳据え膳平野の源、男たるもの太刀勃たせ、来るもの拒まず野郎尻……」
(リスナーと共に家訓を唱和しながら息絶える)

1位:緊縛師 2位:院長 3位:マネージャー 4位:警官 5位:教師 最下位:キモオタ


(一方その頃のキモオタ、緊縛師平野のライブ配信を眺めている)
緊縛師「どうした、早く調教されたいか。言ってみろ」
コメント『あっ、店長!』
コメント『有料ポイント、あげりゅ』
キモオタ「わぁ、すごい盛り上がり。さすがトップだけあるなぁ」
(しかし不穏なコメントも散見される)
コメント『最初はぶっちぎりだったのに今は他の平野に追い上げられてきてて、ねぇどんな気持ち? ねぇどんな気持ち?』
コメント『どう? クソザコ平野に逝かされそうだけど……(笑)』
緊縛師「カチッ、カチッ」
(無表情でアンチをブロックする緊縛師)
コメント『アンチコメやめろよ!』
コメント『別の平野が嫉妬して書き込んでるんじゃない』
コメント『ありうるwwwww陰湿そうなキモオタとかwwwww』
キモオタ「えっ、えぇっ!? ひ、ひどいよぉ……」
(慌ててコメントを打つキモオタ)
コメント『えっと、キモオタは、そんな事はしないと思いますぅ』
キモオタ「これでよし、っと……」
コメント『は? お前キモオタの支持者か?』
コメント『さてはアンチだなオメー』
キモオタ「あわわわわ……! うぅ、こわいよぉ……もう他の参加者の配信を眺めるのはやめようっと……」
(落ち込んでパソコンの電源を切るキモオタ)

キモオタ「さて、それよりも……SNSのコメントに返事を書かなきゃ。僕にできることを、一つずつやっていくしかないんだから……」
(暗い表情でコメント返しをするキモオタ)

9第六話:2018/12/20(木) 00:01:27 ID:lQOujU0w
警官平野「く、くそっ、ちくしょぉ……!」
(ランキングを眺めている警官平野)

1位:緊縛師 2位:院長 3位:マネージャー 4位:教師 5位:警官 最下位:キモオタ

(下位だった教師に抜かれ、キモオタにもじりじりと差を詰められている)
警官「ついに教師の野郎に抜かれた。キモオタに蹴落とされるのも時間の問題だ。……俺はいつ最下位になる? くそっ、くそっ、くそぉ……っ!」


(数日後)
キモオタ「か゛わ゛い゛ぃ゛な゛ぁ゛ピカチュウくん……お菓子も、回復アイテムもいっぱいあるよ?」
コメント『えぇぞ! えぇぞ!』
コメント『なんだこのポジモンは、たまげたなぁ』
キモオタ「今日もお集まりいただきありがとうございました、えへへ……それじゃ、さよなら〜……おやすみなさ〜い」
コメント『おやすみナス!』
コメント『いんゆめを』

キモオタ「……ふぅ、疲れたけど楽しかったなぁ……どうかな、順位は上がってるかな……あとちょっと頑張れば警察さんを追い越せそうなんだよなぁ……えーっと……」
(公式サイトをみるキモオタ)
1位:緊縛師 2位:マネージャー 3位:院長 4位:教師 最下位:キモオタ

キモオタ「……え? け、警察さんが……消えてる……? あれ、これなんだろ。『運営から皆様へ大事なおしらせ』……?」
(キモオタがリンクをクリックするとボイスチェンジャーの掛かった声が聞こえる)
『運営から皆様へ大事なおしらせ』
『このたびは、当イベントを応援してくださっている皆様に残念なお知らせがございます。参加者のひとり、警官平野氏がなんと……自殺してしまいました〜wwwww 警官平野を支援してくださった皆様、参加者同士の競い合いを楽しみにしてくっださった皆様、誠に申し訳ございませんでした。ですが、最期の瞬間をカメラがばっちりと捉えておりました。ぱちぱちぱちぱち〜! では皆様、どうぞご覧ください』

(画面に映し出される警官平野。うつむいてコーヒーを飲んでいる)
警官「……………………」
警官「……俺は、警察だ……あいつらとは違うんだ……」
(さめざめと泣き始める警官)
警官「……………………」
(警官、無言のまま薬瓶を手にとって見つめる)
(蓋を開けた後に少しためらうような仕草をするが、すぐに首を振って錠剤を一気に酒と共に口の中へ流し込む)
警官「……………………」
(警官平野、そのまま眠るように突っ伏して動かなくなる)


キモオタ「……ひっ、ひ……っ! ひ……っ、う……!」
(怯えるキモオタ)

(同じく映像を見ていたマネージャー)
マネージャー「……プライドの高そうなあの子がね……」
(顔を背けながらブラウザを閉じる)

緊縛師「…………フン」
(冷酷な顔で見ている)

院長「これは……私も研究を急がないといけないですねぇ」
(平野院長、深く考え込みながら映像を切る)

教師「……………………」
(思い詰めた顔をしながら映像を見つめている)

10第七話 1/3:2018/12/20(木) 00:03:24 ID:lQOujU0w
キモオタ(……僕は死にたくない。でも、僕が生き残るには他の人を犠牲にしなくちゃいけない)
キモオタ(どうして、どうして……)

(キモオタ、落ち込みながらもSNSのチェックをする)
キモオタ「……ん、これ……?」
(教師からDMがきている)
教師『こんにちは、平野くん。もしよろしければいっしょにお茶でもしませんか? もちろんコラボも大歓迎です♪ 平野より』
キモオタ「これって、あの平野先生……。僕のことあれだけ嫌ってたのに、どうして急に……」
キモオタ「き、きっと先生も寂しくなって、それでお友達が欲しくなって……?」
(すると突然電話が鳴り始める)
キモオタ「あっ、も、もしかして先生!?」
(画面も見ずに慌てて電話にでるキモオタ)
キモオタ「……も、もしもしっ! 平野ですけど、平野先生ですかっ!?」
マネージャー「……そう、やっぱりアンタも受け取ってたのね」
キモオタ「へっ!? ま、マネージャーさん?」
(ため息をつくマネージャー)
マネージャー「あいつ、たぶん参加者全員に同じの送ってるわよ。あんた携帯番号も教えちゃってるから心配になって掛けたのよ」
マネージャー「あのね、よく聞きなさい。あいつから電話がきてもぜったいに出ちゃだめよ!」
キモオタ「……え、え……?」
(うろたえるキモオタを諭すマネージャー)
マネージャー「あいつきっと裏があるわ。あたしのオカマの勘が言ってるの。早いところ着信拒否しちゃいなさい!」
キモオタ「え、えぇ〜……?」
マネージャー「えーじゃないの! 電話掛かってきても出ちゃダメよ、わかったわね!?」
キモオタ「う、うん…………」
(それだけ言い残して切れる電話)
キモオタ「……マネージャーさん、すごい剣幕だった……僕には平野先生、そんなに悪い人には見えないんだけど……うーん……」
(すぐに鳴り出す電話。画面には先生と表示されている)
キモオタ「…………!!」
電話「♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」
キモオタ「どうしよう……どうするのが正解なんだろう……」
キモオタ「……………………」
キモオタ「……………………………………………………」
(キモオタしばらく無言で固まるが、電話が切れると急いで教師の番号を着信拒否に設定する)

(一方、教師平野)
教師「……ふーん。そっか、そうなんだぁ……まぁいいや。どうせこいつも先は長くないしね」
(鼻で笑いながらキモオタから手を引く)
教師「いまはそれよりも……」
(教師、ネットの地図を使って平野病院の位置を検索している)

11第七話 2/3:2018/12/20(木) 00:04:30 ID:lQOujU0w
(その頃の院長、ライブ配信をしている)
院長「……早漏の場合は普段やってるオナニーが10分未満の人は早漏になりやすい。逆に、普段やってるオナニーが30分以上の人は遅漏になりやすい、っていう……」
(生放送を続けていると来客用のインターホンが鳴る)
婦長さとし「院長、お客さんみたいですよ〜。あたくしが対応しましょうか?」
(遠くからさとしの声が掛かる)
院長「いやいや、わしが出るぞい。さてなんじゃろう、いなりの出前かな〜♪」
(明るく言いながら内心では冷静な院長)
院長(どうせ通販か診療時間を間違えた患者かなんかじゃろ。どちらにしても生放送中の来客ハプニングはオイシイぞい)
(入り口までやってきて自ら来客を迎え入れる院長)
院長「……ん? 君は……」
院長「……なんじゃ、会いに来てくれたのか。さ、こっちに来なさい」
(院長に連れられて教師平野がカメラの前にやってくる)
院長「すまないなぁ、DMは届いておったんじゃがちょうど放送を始めるところだったからの。しかし直接来てくれるとは、そんなにわしに会いたかったのか? ふぉっふぉっふぉ……」
コメント『おっ、コラボやんけ』
コメント『先生つながりだ!』
コメント『平野同士のコラボなんてオネェコンビ以来だから楽しみ〜』
教師「……………………」
(教師平野、無言で院長に近付いていく。そして隠し持っていたナイフを院長に突き立てる)
院長「……え……あ……あ……」
(血を吐く院長)
コメント『え? なに?』
コメント『これ本物の血?』
(教師、ひたすら無言で院長をナイフでメッタ刺しにしていく)
コメント『うわっ、グロっ!』
コメント『ついに教師のやつがやりやがったな!』
院長「……っ、……っ!!」
コメント『消される、消される!』
コメント『グロ中尉』
コメント『ヴォエ!』
コメント『平野先生が見れると聞いて飛んできました』
(大量のリスナーが流入してコメント欄は大混乱に陥る)
教師「……くっ、うぅ、う……!!」
コメント『あーもうめちゃくちゃだよ』
コメント『オーバーキルすぎる』
コメント『院長応援してたのにざっけんなテメェ!』
コメント『これ院長に貢いでたポイントってどうなるの?』
コメント『←運営から詫び石でもでるんじゃねーの』
コメント『やっぱり平野先生がナンバーワン!』
(教師が半狂乱になりながら刺していると物音を聞きつけたさとしがやってくる)
さとし「ちょっと院長、なんの音です? お客様だったんですかぁ? 院長……院長?」
(教師、呆然とするさとしを突き飛ばして血塗れのまま逃走する)

(教師平野、興奮状態のままで家に帰り着く)
教師「……はは、やった、やってしまった……」
教師「なんだ、思ったよりあっけないじゃないか。ふふ、ふふふ……」
教師「……………………」
教師「……てのひらにまだ感触が残ってる……」
(うつむく教師)
教師「ちがうちがう、僕はわるくない! 悪いのはあんな無防備だった院長と、そして……」
教師「あの、僕を見下すキモオタのせいなんだ……!」
(キモオタへの歪んだ憎しみを顕わにする教師)

(教師、震えながら朝を迎える)
教師「……僕は……いつのまにか寝てたのか……」
(日課のランキングチェックを行う)
教師「僕の順位は…………え、こ、これ…………!?」

1位:緊縛師 2位:マネージャー 3位:キモオタ 最下位:教師

教師「な、なんでキモオタがここにいるんだ!? 昨日までは僕の下にいたのに……っ!」
(慌ててネットを見る)
(そこでは有志の手によって教師を蹴落とす運動が行われていた)
『ゲームの趣旨を理解せず、公平な投票制度を破壊する教師平野に徹底抗戦いたしましょう』
『院長の支援者だけでなくこのゲームへ少しでも票を投じたすべての方にとっても他人事ではありません』
『公正な手段を使って教師をゲームから脱落させる為にキモオタへ票を集めましょう。 →キモオタ平野の投票ページはココ!!←』
教師「なんだよ、なんなんだよこれは!?」

12第七話 3/3:2018/12/20(木) 00:06:40 ID:lQOujU0w
(教師、慌てて生放送を行う)
教師「み、みなさんこそ冷静になってください! だってこうしなきゃ私は死んじゃうんですよ!? 仕方ないじゃないですかっ!!」
コメント『そうだそうだ、教師は悪くない!』
コメント『人殺しのくせに配信とか余裕過ぎて草』
(教師アンチと信者がコメントで煽りあっている)
コメント『あら、違法な手段で他の参加者の足を引っ張るあなたに非難される謂われはありませんわよ』
教師「な、なんだと!? たかがリスナーの分際でっ!!」
コメント『リスナー相手に顔真っ赤にしてて草』
コメント『院長の信者? ちょっとやめてよーそれ』
教師「う、うぅ……」
コメント『院長を殺して行う配信は楽しいかしら』
教師「……………………」(カチッ、カチッ)
(強烈にアンチコメントを寄せてくるアカウントをブロックする教師)
コメント『一人ブロックしたらアンチコメ一気に減って草』
コメント『先生がんばれー、我々がついてるぞー』
コメント『こんな人殺しを擁護するとか、お前ら精神状態おかしいよ……』
(教師、そのまま無言でアンチと思われるユーザーをブロックし続ける)


(その後、どんどんキモオタに票が積まれていく)

1位:緊縛師 2位:キモオタ 3位:マネージャー 最下位:教師

教師「そんな、そんな……なんで……」


(後日。結果的に教師の脱落が決定し、最期の生放送が始まる)
教師「僕はただ、死にたくなかっただけなのに……」
教師「なんで……」
教師「……どうせ死ぬなら、人殺しなんかしなければ良かった」
教師「まだ取れないんだ、どんなに洗っても血の匂いがするし、指先には刺したときのあの感触がまだ残ってるんだ……」
教師「人殺しまでやったのに、なんで、なんでだよぉぉぉ……!」
コメント『先生……』
コメント『先生死なないで〜』
(慰めムードのコメント欄の中にトゲのある発言が舞い込んでくる)
コメント『そんな事で院長を殺した罪が消えるとでもお思いかしら?』
教師「やだ、いやだ……勘弁してくれ、あぁ、うあぁ……なんで、なんであのキモオタ野郎が僕の上にぃ……」
コメント『結果的に憎いキモオタの養分になっちゃった気分はどうかしら』
コメント『先生がんばった、おつかれ!』
教師「う、うぅ……キモオタの、あいつのせいで……」
コメント『この期に及んで逆恨みなんて見苦しいわよ』
コメント『さっきから空気読めないコメントあるけどアンチか?』
コメント『院長に詫びながら地獄で苦しみ続けるがいいわ』
教師「あぁ……うわぁぁぁああぁぁ……あ……あぁ……」
(教師、半狂乱になりながら絶命する)


(教師の最期を見ていた婦長さとし、ためいきをつきながらスマホを閉じる)
(キモオタへの投票を呼びかけるサイトを作っていたのはさとしだった)

【さとしの回想シーン。】
【1位:緊縛師 2位:マネージャー 3位:院長 4位:教師 最下位:キモオタ 警官死亡直後の時系列】
さとし「院長。もう遅いですしそろそろお休みになったらどうです?」
院長「うーん、あと少し……たぶん心疾患だと思うんじゃが、他にも考えなきゃならん事が多すぎてのぅ……。太田君はどうみるかね?」
さとし「そうですわねぇ……」
(院長とさとし、予備選考で亡くなった参加者の死亡シーンの録画を眺めている。脇には大量の医学書が積まれている)
院長「……この残酷なゲームを終わらせる為に、もっと研究を進めなくては……そのためにはまだまだ時間が必要なんじゃ……」
さとし「院長……」
院長「……太田君。もしわしが死んでしまったら、その時はわしの身体を太田君に解剖して欲しいんじゃ」
(しんみりと話し始める院長)
院長「板長の平野氏のご遺族にコンタクトをとろうとしたが門前払いじゃった。そして警官の平野氏はあんな事になってしもうた。いまは順位がもつれていて次の犠牲者が誰になるのかはまだわからんが、もしもの時は……」
さとし「……………………」
院長「…………な〜んてなっ! なにしろわしは大人気キャラじゃからな、まだまだ死なんぞい! ふぉーっふぉっふぉっふぉ!」
(明るい調子でシリアスな空気をぶちこわす院長)
さとし「ちょっと院長、急に大声出さないでくださる!? やかましいわね、あんたなんて殺しても死なないんじゃないかしら!!」
院長「あいてててて……」
(さとしに叩かれて頭を押さえて笑っている院長)


さとし「……院長。仇はとりましたわよ……」
(静かな表情で目を閉じるさとし)

13第八話 1/2:2018/12/20(木) 00:09:07 ID:lQOujU0w
1位:緊縛師 2位:キモオタ 最下位:マネージャー

(配信をしているキモオタ)
キモオタ「……もう、やめようよ……。誰かが死ぬたびに辛い気持ちになって、でも僕だって消えたくないから必死にがんばったけど……でも……」
キモオタ「マネージャーさんが死ぬなんて、やだよ……ぜったいやだよ……」
キモオタ「……たとえば僕とマネージャーさんが交互に順位を入れ替えれ続ければ、最下位が決まらないから誰も死なずに済むんじゃないかな?」
コメント『は? そんなんじゃ甘いよ』
コメント『運営も馬鹿じゃないから適当な理由つけて最下位を確定させるだけなんだよなぁ』
コメント『そんな器用なマネができるほどポイントも有限じゃないんだよ』
コメント『こっちの事情も考えてよ』
コメント『もう待ちきれないよ、はやく脱落者をだしてくれ!』
キモオタ「…………………………………………」


(公式サイトでマネージャーの脱落が発表される)
???『院長先生の尊い犠牲のおかげで、結果的にキモオタくんはまたもや命拾いでしたようです。よかったですね』
???『それではマネージャーさんの最期の配信が始まります。みなさま、どうぞお楽しみください』

(マネージャーに必死で電話を掛け続けるキモオタ)
キモオタ「やめて、やめてよぉ……マネージャーさん……!!」
(応答のない電話)

(その頃のマネージャー、最期の放送を行っている)
マネージャー「はいみなさん、どうも〜。平野よん。なんか想像してたよりもあっけなかったわね、うふふ」
マネージャー「でもここまで生き残れるとは思ってなかったわ。みんなの応援のおかげね、ありがと。チュッ!」(投げキッス)
コメント『平野さん死なないで』
コメント『ごめんねママ、力及ばなくて……』
マネージャー「ちょっとアンタたち暗くなってんじゃないわよ、最期くらいパーッと楽しまないと損よ〜?」
マネージャー「いつも通りに、明るくいくわよ!」

14第八話 2/2:2018/12/20(木) 00:10:31 ID:lQOujU0w
(マネージャー、丁寧にコメント返しをしていく)
マネージャー「えーっと、『マネージャーさんが死んじゃったらこれから先なにを楽しみにすればいいの』。ほんへでも見てればいいんじゃない?」
マネージャー「『いまどんな心境なんですか』。んー、無の境地ってカンジね。諦めがついちゃった感じかしら」
マネージャー「『マネージャーさんの死後はインディペのお店はどうなるの』。知らない、誰がかなんとかするんじゃないの」
マネージャー「『レミちゃんが死んだ時は内心でほくそ笑んでたんだろうこのアバズレめ』? そうよ、正解。よくわかったわね」
(自嘲気味にコメントを読み上げていくマネージャー)

コメント『マネージャーさん、僕です!!』
マネージャー「あら、あんたキモオタね。いらっしゃい」
(マネージャー、無記名ながらキモオタのコメントに気がついて微笑む)
キモオタのコメント『あなたに言いたいことがたくさんあるんです、なんで電話に出てくれないんですか!?』
マネージャー「そぉねぇ。死に際にあんたの声なんか聞いたら夢見が悪いかなーっと思ったのよね。うふふ」
(憎まれ口を叩くマネージャー。だが直後に思い直す)
マネージャー「……うそ。あんたと話して覚悟が鈍っちゃうのが怖かったの」
マネージャー「あぁ、やっぱダメね。未練がましいオカマはモテないわよー、ってね。うふふ」
(さっきまでとは一転してしんみりと語り出すマネージャー)
マネージャー「キモオタちゃん、アンタあたしがいなくなってもきっと大丈夫よ。……天国から見てて上げる。天国なんてあるかわかんないけど」
キモオタのコメント『マネージャーさん、僕なんかの事を……』
マネージャー「やぁねぇ、「僕なんか」なんて言い方しちゃダメじゃない。いい男が台無しよ」
マネージャー「そうね、あんたこれからは気晴らしにカラオケでもやったら? 歌ってるときは嫌な気持ちも忘れられるわよ、きっと」
(キモオタの前で努めて冷静を装うマネージャー)
マネージャー「じゃあね、キモオタちゃん。死なないでよね」
(ここでマネージャー、唐突にキモオタのアカウントをブロックする)
(そしてリスナーを相手に語り始める)
マネージャー「……あのね。あたしが死んだら、みんなにはキモオタの事を応援してあげて欲しいの」
マネージャー「あの子、とってもさみしんぼで……まぁあたしたち平野はみんなさみしがり屋だけど、あの子は特に甘ったれだから……ショタレイプしたりもするけどね、ふふふ……」
マネージャー「あぁ、なんだか頭がふわふわしてきちゃった……」
マネージャー「……最後に素敵な恋、したかったなぁ……」
(マネージャー、少し笑った後に絶命する)


キモオタ「マネージャーさん、マネージャーさん……うぅ、ぐすっ、ひぐぅ……っ、う……っ」
(キモオタ、慌てて新しいアカウントを作って放送に入り直すもすでにマネージャーは事切れていた)
(うずくまって泣きじゃくるキモオタ)

15第九話 1/2:2018/12/20(木) 00:11:47 ID:lQOujU0w
1位:キモオタ 2位:緊縛師

(マネージャーの最期の呼びかけもあり、ついにキモオタの票が緊縛師を上回る)
(緊縛師、結果を眺めてワナワナと震えるがすぐに気を取り直して配信をはじめる)
緊縛師「みなさま始まりました、平野源五郎の、オールナイト・すっぽんぽん」
緊縛師「本日は、みなさまにお願いがあります」
緊縛師「皆様の清き一票、投げ銭、広告をわたくしへいただけないでしょうか」
緊縛師「私が死ぬところなど見たくはないでしょう?」
(恥を忍んで下手に出る緊縛師。だがリスナーの反応は冷ややかだった)
コメント『緊縛師もこんな命乞いするんすねwwwww』
コメント『なんかカッコ悪い』
コメント『そんな事言わずに緊縛師さんを応援しましょうよ、平和が一番! ラブアンドピース!』
コメント『これマジ? 失望しました……NARUTO全巻売ってきます……』
コメント『最後のところが幻滅した(小学生並の感想)』
コメント『生死がかかってたらそりゃ命乞いしますよ、えぇ』
コメント『そんな情けない格好恥ずかしくないの?』

緊縛師「……………………」
(緊縛師、配信機材にガチビンタを食らわせ回線を切る)
緊縛師「今まで通りのやり方ではキモオタに抜かれてしまう。だが媚びを売ると余計に視聴者は離れる」
緊縛師「…………もう最後の手段をとるしかないのか」


(とある夕方、キモオタはカラオケで歌っている様子を配信している)
キモオタ「俺はこいつと、旅に出る♪(ヒ゛カ゛チ゛ュ゛ウ゛)鍛えた技で、勝ちまくり♪」
コメント『汚いピカチュウだなぁ』
コメント『なめる かたくなる しめつける しおふき』
コメント『ポジモン』
(だがその中に不穏なコメントが混ざっている)
コメント『キモオタ逃げろ! はやくしないと殺されるぞ!』
キモオタ「えっ? ど、どうしたの?」
(キモオタ、視聴者に促され緊縛師の配信にアクセスする)

(緊縛師、台車に乗って街中を疾走している)
緊縛師「キモオタはどこだ、どこだああぁぁぁぁっ!!」
(殺気に満ちたままキモオタを探している)
ホモガキA「あっ、あれ平野源五郎じゃね!?」
ホモガキB「FF外から失礼するゾ〜」
ホモガキC「握手してもらおwwwww」
緊縛師「どけ!!」
(ホモガキ共を爆破する緊縛師)
通りすがりのひで「あ〜今日も学校楽しかったな、はやく帰って宿題しなきゃ」
緊縛師「邪魔だ!!」
(ニコニコ本社や下北沢駅前などを走りながら有象無象の者たちをねじ伏せキモオタを探して回る)

(その緊縛師の様子を知ったキモオタ)
キモオタ「あわわわわわ……」
キモオタ「に、逃げなきゃ!!」
(カラオケの受話器を手に取る)
キモオタ「すすすすみませ〜ん! 208号室のキモオタですけど、い、いまお会計させてくださ〜い!!」
コメント『さっさと逃げようぜ! 日が明けちまうよ!』
コメント『止まるんじゃない! 犬のように駆け巡るんだ!』
コメント『自分から部屋番号をバラしていくのか……(呆れ)』
キモオタ「あっ、へ、部屋番号!?」

16第九話 2/2:2018/12/20(木) 00:14:20 ID:lQOujU0w
(緊縛師の配信)
コメント『キモオタさんはいま208号室にいますよ』
緊縛師「なにっ!? でかした!!」
緊縛師「このまま目星をつけたカラオケ屋の208号室まで一気に乗り込む!!」

(それを見て驚くキモオタ)
キモオタ「えぇっ、カラオケボックス、バレてるの……!?」
キモオタ「いや、そんなはずない、きっと当てずっぽうだよ!」
キモオタ「あ、あぁ……ひやぁああぁぁぁ〜……!」
(慌てて逃げ帰るキモオタ)



(キモオタの家。居場所が特定されないように窓を締め切った真っ暗な部屋で配信している)
キモオタ「……さっきは途中で配信を止めてしまったので、いまから続きを……やりまーす……」
(憔悴しきった様子のキモオタ)
コメント『こんな時でもライブをやめない配信者の鑑』
コメント『一日30分配信しないと死ぬっていうルールがあるから仕方なくやってるだけなんだよなぁ』
コメント『俺はお前が俺をみたのを見たぞ』
キモオタ「……………………」
(キモオタ、コメント返しする気力すらない)
ピーポーピーポー……(救急車の音)
コメント『あっ、救急車の音だ』
コメント『住所特定の材料にされそう』
コメント『←パズルのピースが埋まっていく』
キモオタ「…………うぅ、う…………」
コメント『おっやべぇ119番だな!』
(緊縛師の襲来に怯え続ける)
キモオタ「……マネージャーさんは、僕に生き残れって言ってくれた」
キモオタ「でも、それで一体どうなるんだろう」
キモオタ「僕なんかが……生き残ったところで……」
(キモオタ、ついにコメントを見ることすら辞めてしまう)


(そして夜遅く、ついに緊縛師の最期の時が訪れる)
???『緊縛師さん、タイムリミットですよ』
緊縛師「うるさい! 私のことはもう関係ない、ぜったいに奴を殺してやるからな!」
(街中で騒ぐ緊縛師だが不思議な力でその様子が配信されている)
コメント『桃かな?』
コメント『テロでしょ。運営はこういう事態も想定できたんだから迷惑行為を放置するなよ』
緊縛師「この私にこんな屈辱を、こんな……っ! あいつは、あいつだけは絶対に殺してやる……!!」
(台車を操り走り続ける緊縛師だが、徐々に勢いが落ちていく)
緊縛師「……はぁ、はぁ、意識が遠くなってきた……」
緊縛師「……まだだ、まだ死ぬわけには……」
緊縛師「……………………」
緊縛師「……このぉぉぉおおぉぉっ!!」
緊縛師「……………………………………………………」
(緊縛師、とうとう力尽きる)

17第十話 1/2:2018/12/20(木) 00:15:32 ID:lQOujU0w
(泣き疲れたて眠っていたキモオタ、最初に集められた地下室で目を覚ます)
???「おめでとうございます」
キモオタ「あれ……ここは……」
(ボイスチェンジャーを通さない主催の直の声が聞こえ、キモオタは目を覚ます)
???「わしじゃよ」
キモオタ「あれ……あなた平野源五郎さんに似てますね……」
平野源五郎「……わしじゃ。本人じゃよ!」
(マスクをして微笑むツイキャス平野がそこには立っていた)

キモオタ「あなたが……このゲームを仕組んだ張本人……」
キモオタ「……なんでっ! どうして……っ!!」
(キモオタ、思いの丈をぶつけ始める)
キモオタ「死んでいった平野さんたちは、みんないい人たちばかりだった……!」
キモオタ「僕を助けてくれたマネージャーさんも、緊縛師さんだってライブ配信で人を楽しませることができる素晴らしい方だった」
キモオタ「学校の先生とも、もっと別の出会い方をしてたら仲良くなれたかもしれないのに……」
キモオタ「なんで……なんで……!」
平野源五郎「……ふふふ、うふふふふ……」
キモオタ「え……?」
平野源五郎「はははは……あっはっはっは……」
平野源五郎「ヒーッ、ヒーッwwwww ヒーッwwwwwwwwww」
キモオタ「……………………」
(強烈な引き笑いを見せる平野源五郎と絶句するキモオタ)
平野源五郎「いやぁ……その……前に見たバトロワの漫画の主人公も『なんでどうして』って、同じ事言ってたなぁって思って……」
平野源五郎「ふふふ、急にすまないなぁ、あははは」
平野源五郎「あっは、あははは……ゲッホゲッホ! ヒーッwwwwwwwwww」
(なんとか笑いを納めた平野、キモオタに向き直る)
平野源五郎「なんでこんな事をしているかと言えば、それはリスナーの皆様に楽しんでもらうためじゃよ」
平野源五郎「『お前が私を楽しませるんだろう』って台詞をビデオの中で言ったけど、リスナーさんを楽しませる事が本当の私の喜びなんじゃ」

平野源五郎「それにしてもキモオタが最後まで残るとはなぁ。同情票が大半だったとは言えまさか緊縛師に勝つとはな」
平野源五郎「とはいえ知名度を考えると妥当かもしれんな。さすがにチンコルやレミが優勝するよりかは順当じゃろ? まぁあいつらも賑やかし要員としては頑張った方なんじゃないかwwwww」
(嘲笑する平野源五郎)
平野源五郎「ともかく優勝おめでとう!」
平野源五郎「君はみんなの人気者だぞ」
平野源五郎「今後は一番人気の平野として、どうぞ胸を張って……」
(平野がなんとなしに言った『どうぞ』という言葉に反応してドアが開く。すると扉が強引にこじ開けられて一台の台車が乱入してくる)
平野源五郎「……なんじゃ?」
キモオタ「あ、あれは緊縛師さんの……!」

18第十話 2/2:2018/12/20(木) 00:18:13 ID:lQOujU0w
(台車は品定めするかのように一瞬だけピタリと止まるが、すぐに方向を
定めると迷わず平野源五郎の方へ突っ込んでいく)
平野源五郎「ぐああぁっ!? こ、こいつ……!! このっ、やめろっ!!」
(台車に殴打される平野源五郎を前に、キモオタは無言で突っ立っている)
(平野源五郎、台車を抑えて止めようとするが力負けしてしまう)
平野源五郎「お、おい、お前っ! いますぐ一緒にこいつを止めろっ!」
平野源五郎「オリジナルの私が死ねばお前まで消滅してしまうんだぞっ! はやくっ!!」
キモオタ「……………………」
平野源五郎「お前まで死にたいのかっ!? はやく助けろっ!!」
(それでもキモオタは微動だにしない)
平野源五郎「く、くそっ! すべての平野を支配したはずの私が……こんなところで……!」
平野源五郎「やめろ、たすけてくれっ!! 殺さないでくれぇっ!!」
(台車に命乞いをするがその勢いは止まらない)
平野源五郎「や、やめ…………うげ…………っ…………」
(平野源五郎、撲殺される)
(それと同時に胸を押さえて苦しみ出すキモオタ)
キモオタ「…………フッ、か゛わ゛い゛い゛な゛ぁ゛、台゛車゛く゛ん゛…………」
キモオタ「……………………」
(キモオタも絶命しその場に倒れる)



(すべての光景はライブ配信されていた)
(そしてうんこの擬人化のような男が笑顔でパソコンを眺めている)
???「いいねぇ〜」





(とある日)
(NONA REEVESのボーカル西寺郷太、謎の部屋で目を覚ます)
NSDR「……あれ? どこだここ……」
COWCOW多田「あっ、良かった! なかなか起きないから心配しとったんや!」
NSDR「俺はさっきまで新曲の収録をしてて、それで休憩時間にちょっとうたた寝をして……」
伊藤かな恵「やっぱり……。わたしたちもみんな気がついたらここに連れてこられていたんですよ」
アンニュイな犬「クゥ〜ン……」
(辺りを見回すと、そこには12人の男女が集められていた)

西寺郷太・COWCOW多田・インテル長友・伊藤かな恵・コカコーラ北島・今田耕司・鈴木福・アンニュイな角度の犬・後藤象二郎・アンコール王朝の仏像・消臭スプレー・マット=デイモン

???『みんなそろそろ落ち着いてくれよな〜、頼むよ〜』

(ボイスチェンジャーの声に全員が振り向く)

???『えー、本日はお集まりいただきありがとうございます』
???『これからみなさんの中でどの野獣先輩がいちばん優れているのかを、最後の一人になるまで決めてもらおうと思います』

END


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