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置きレスでロールをする人のためのスレ支部 5

43狗巻 棘 ◆uu7L.rG5vE:2023/03/14(火) 22:23:47
【高菜、こんぶ。(もうひとつ、お借りします)】

(月曜の放課後、狗巻棘の姿はキヴォトスの大型ショッピングモール内に在った。)
(ホワイトデーフェア最終日二日前という事もあり、限定商品や人気の菓子類は悉く完売しており)
(残っているのは如何にも義理返しで送るような量産品ばかり……参った。完全に出遅れてしまった。)
(アスナから手作りのお菓子を貰ったバレンタインはとても嬉しかったしそれ自体はよく覚えているのだが、)
(なにぶんそういったイベント事から縁遠い人生を送ってきた事もあり、ホワイトデーというものを知らなかったのだ。)
(クラスメイトの女の子が友チョコのお返し云々とか話していたので、調べてみて慌てて買い物に来てみれば――という有様である。)

……おかかぁ。
(どうしようかとモール中を歩いてみるが、服はサイズが分からない。)
(小物も考えたがアスナの趣味が分からないし何を見ても彼女のイメージがいまいち湧いてこない。)
(途方に暮れて休憩用の椅子に腰掛けると、ふといい匂いを感じて顔を上げる。視線の先には化粧品コーナーがあった。)
(遠目にぼーっと眺めているとカウンターに並んでいたあるものが目に映り、なぜかその瞬間それを持って笑っているアスナの顔がぽんっと脳裏に浮かんだ。)
(カウンターの近くを素通りするふりをして改めて横目で確認すれば、やっぱりこれがいい!これをあげたい!心からそう思った。)
(だが男の自分には化粧品の事なんてわからないので、まず店員から説明を受ける必要がある。)
(立っているのは綺麗で華やかな女性店員。男の、しかも会話でコミュニケーションができない自分にはとても敷居が高く感じた。)
(仕方ない、諦めよう……一度はそう思ってその場を後にしたがやっぱり気になって戻ってしまう。再び椅子に座ってじーっとカウンターを眺めたり、)
(カウンターの前をうろうろと行ったり来たり……意を決して向かおうとすると他のお客さんが来てしまったり。そんな行動を繰り返す事数回目―――)

「贈り物ですか?よろしければ近くでご覧になってください。この春の新色もあってご好評頂いております。」
(見かねた綺麗なお姉さん(店員)が「贈り物」という自然なワードを使って優しく声を掛けてくれた。)
(嬉しくてうんうん頷き、にこっと笑ってカウンターに走り込んだ自分を見て女性店員は「あら」と微笑みながら気になっていた商品を見せてくれる。)
(どうやらそれは艶が出るけどベタつかずナチュラルに仕上がる……口紅?リップ?らしい。)
(一見してパッケージデザインに惹かれたので本体の色を選ばなければいけない事は予想外だったが、)
(ほぼ迷うことなくベージュピンクを指差した。肌の色が白く瞳の青い彼女にきっとよく似合うだろうと思って。)
(自分が一目見て惹かれたパッケージはシンプルな円筒形で、割とありがちな艶消しのゴールド一色。だが)
(トップの部分に陶器で作られた立体的な桜の花が愛らしくちょこんとついていた。)

(こちらが言葉を一切発しない事に嫌な顔ひとつせず対応してくれた女性店員に会釈をし、ショッピングモールを後にする。)
(小物専用だろうか?ネイビーのリボンをかけて貰った白い小さな手提げ袋を何度も見つめながら)
(明日、これを渡した時のアスナの反応を想像してスヌード越しに一人笑うのだった。)

【ロールもあるし打ち合わせもあるしでどうしようか迷ったんだけど、折角だしバレンタインのお返し的な小話をひとつ。】
【返すものが増えてしまうから、これはぜひ読むだけにしておいて貰えるかな?よろしくね。】
【ダーッと書いたからおかしな所もありそうだけど……ご愛嬌、ということで(苦笑)また会おうね、アスナ。】


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