したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

オリロワZ雑談スレ

1名無しのゾンビ:2022/11/30(水) 21:22:55 ID:K3ISRne.0
雑談スレです

2名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:40:49 ID:rmEFJRGE0
感想

OP1.はじまり
OP2が出たとたんに一気にうさんくさい放送になってしまったが、これは扇動されそうな放送だなーって思った。
オリロワVパイロット版のころ、このロワは憎まれ役のいないロワになるのかなーと思ってしまったので。
後々この放送の裏側が公開されるとして、どんな仕込みをしてるのか、次の裏側を座して待ちたくなる、そんな放送。
嬉しい誤算になるのかもだけど、人口1000人の典型的な田舎村設定がいきなり倒れたのは笑った。
将来投票の流れを見ずにいきなり読み始めた人は困惑するんだろうなw

OP2.ようこそ!山折村へ
あー出た妖怪ジジイ。
もう言葉遣いからしてマッドなサイエンティストなこと隠す気がないし、憎まれ役の主催者要素全部引き受けてくれそう。
定例会議で奥津隊長あたりからヘイトをこれでもかと溜めてくれそうだ。
こんだけのうさんくささと、良すぎる準備を見せておいて、本当に地震によるただの事故だったほうが驚く。

まだまだ序盤なんで語られてないことなんかいくらでもあるんだろうけど、
Bウイルスはないんですかとか所長どこにいったのとか、もっと深いところがいくらでも掘り出されそう。
くっそどうでもいいんですけど、キャラシートで村長も前村長も怪異もバンバン投下されていったなか、所長は投下されなかったあたりにみんなの一線を感じられるw

2.輝かしき夢の結末
郷田のオヤジ、最初は融通の利かない村の頑固オヤジかと思ってたんだけど、
村に侵入してくるよそ者にあまりにも害悪が多いので、郷田のオヤジも別に間違っとらんよね? という方向にシフトしてしまう。
限界集落山折村をここまで発展させられる現村長は功罪あれど間違いなく偉大だったし、そことバチバチやり合うほかのデュアル一郎が人格的に劣ることはないわなーって。
郷田のオヤジってよそ者には容赦なくいけそうだけど、知り合いのゾンビに囲まれたらどうするんだろ? あたりはちょっと気になる。

3.匣の奥底に見えるもの
エージェントと天才研究員の組み合わせは、それだけで事態解決の有力なコンビなんだよなあ。
最初だけちょこギスだったけど、そのあとは考察もできるしわちゃわちゃもできる、いい組み合わせだぜここ。
本人たちこそ学校から少し離れたとはいえ、ここに向かってる人が結構多いのもポイントなんだろうなあ。
最初の訪問者が珠っちなので天原は両手に華だな、両腕に絡みつかれてガチガチになりそう。
あと女性がやたら学校に向かっているので天原はガチガチにならないようにがんばれ。

3名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:43:57 ID:rmEFJRGE0

4.レディハザード
オリロワZは成り立ちが成り立ちだけに、登場話から重いのが多くて当たり前だと思ってたので、ギャップが大きすぎる。
めっちゃコメディタッチなのは、まあ茶子姉本人が強いし余裕あんだろなーって。
遠藤は天原にダブルスコア付ける勢いでいじられまくってる、とりあえずがんばれと言いたくなる。

ロワにハズレ支給品は付き物だけど、チートアイテムなんかは望めない今作でハズレ異能というかマイナス異能はかなりつらそう。
本人たちに危機迫ってないから笑えるけど、結構深刻っぽい?
武器の攻撃力自体も練度自体も高いんだろうけど、そもそも人殺すためにチェーンソー使うのはジェイソンだけだし、ナタに負けるんで無理するなよーって言いたい。

5.光に手を
漂う郷愁感。
親父の若いころと比べるとこの年齢で人生を半分悟ってて、なんかすごく大人びてるなあ。
恋人いたかどうかあたりが落ち着きの差異なんだろうか。
守る者がすぐそばにあるからか、感情的に突っ走るような選択肢は取れてなくて、情緒ぐっちゃぐっちゃって感じ。

> 頷いたのか、頷かせたのか。
> 圭介にはもう分からなかった。
もうこれがすべて、この自我の見失い方がほんと好き。

6.それでもまだ賭けてみたい
小田巻みたいなタイプのマーダーってあんまり見ない気がするんだけど、温度差やばないです?
茜のほう涙ぽろぽろしてそうなのに、小田巻のほうがドタバタコメディチックなの寒暖差で乱気流ができそう。
小田巻のドジっぷりは何度読んでも笑うんで、そのたびに目にちらちら入ってくる茜の独白がいたたまれなくなってくる。
放送からのノータイム締め落としと、多少情に揺れようが仕留めるために動くのはまぎれもないSSOG。
というか明らかに奥津隊長より判断が早いので大物ですわ。

7.黄金の至福
千紗にかーずーゆーきーって言わせたかったやつ。
深夜に千紗一人で来るわけないし、暁一家も当然避難してるはずなので、ついでに和幸まわり全部言及しとくか、くらいでほぼ全員が登場した感じ。
和幸は暁一家のおじいちゃんになってる気がする。
リアルなこと言えば七歳児ってこの時間パタンと寝てそうだけどそこは野暮ということで。

うさぎ気に入ってるのは、かわいくてごはん作ってくれてめちゃくちゃかまってくれる女の子とかオークなら気に入るやろくらい。
実は初めてネームドのゾンビが死んだんだけど、前例がなかったので死亡表記入れていいのか迷ったところはある。

4名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:45:51 ID:rmEFJRGE0

8.刹那の夢
清子の独白がもはや依存に等しい痛々しさ。
熊田清子とクマカイは、VHなくてもいつかこうなったんだろうなあ、と。
清子はたぶん数少ないVHに遭遇して救われた例だと思う。クマカイの現状を知らんで済んでるので。
曜子→クマカイへの一方通行の想いがかなりしんどい、クマカイ自身は姉妹だと認識すらしていないのが余計にしんどい。

9.Spy×Doctor
田中花子という消え去ってしまいそうなほど地味な偽名だったせいか、バリバリのカッコよさげなエージェントキャラになってたのがある意味衝撃だった。
逆に与田センセはだいたいイメージ通りだった。
与田センセの三下の下っ端描写がダメ男臭しかしなくてすごい。
田中に引き回されて危険個所に連れ回されたとしてもまるで哀れみを感じない男、いいキャラをしている。

10.行方知れず
初話ながら、キャラクターの完結話かと思うくらいに哀野の背景がっつり書いてるなあ。
哀野パートのほう、哀野の動きを直で追っているというより、哀野のぶつ切りの記憶の集合体を後から追っていってる感じがする。
徹底して短文の連続で区切ってるからそう錯覚するんだろうとは思ってるのだけれども。
これだけがっつり背景から想いから行動まで書かれてるのに、
愛原殺害後の彼女から、何か決定的なピースが抜け落ちてしまってるように感じるのは気のせいなのか、狙い通りなのか。

成田パートは、ゾンビとはいえ幼女の女の子を平気で踏み殺す人間性と、父親として妻と娘を愛する人間性が同居する人間性の同居。
同じくらいヤバいキャラはこの村にはいっぱいいるんだけど、成田は家族想いの父親としての面ががっつり書かれてるのでかなり悍ましく感じる。
けど、ラストの哀野よりはまだ成田のほうがまだ行動原理も価値観も理解できる気がするんだわ。

11.鬼の刃
一文一文からして修羅道を征っている。
日常が地獄に変わった、という印象を受ける話が多い中、
この話は明確に日常の中に潜んでいた地獄が顕現した、という印象を受けたなあ。
冷え冷えとした気迫が一文字ごとに伝わってくるような、そんな凄みのある文章だ。
藤次郎は他を警戒してるけど、勝てる人そうそういないんじゃない? と思わせるには十分な強者ぶり。
次話のカナタの話とはジャンルからして違ってそう。

カナタのヒーロー観見た後に広川のヒーロー観見ると、何もしてなくてもカナタの株が上がるのは事故だわ。

5名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:49:14 ID:rmEFJRGE0
12.天宝寺アニカの華麗なる事件簿-山折村の厄災編
場面がかなりころころ変わっていながら、二人の軽妙なトークが小気味よくてとても読みやすい。
それでいて、八柳まわりの事情や茶子姉との関係も触れられてて、多方面に布石張ってる重要話って感じ。

カナタとアニカのキャラ付けと設定まわりが、ジャンプあたりの新連載一話か読み切りに出てきそう。
カナタの身体能力とか修行とかもろに少年漫画だからなあ。
特にカナタは王道って感じのキャラに仕上がってる。異能とか人間関係含めて、この時点では圭介以上に少年漫画の主人公っぽい。

アニカの英単語キャラが想像以上にインパクトあるんだわ。キャラ作りと分かっていても、これはかわいいさすがアニカママ。
話の主導権握ってるようでカナタに主導権奪い返されたり、コイバナに逸れてゲンコツくらうあたりが三枚目探偵っぽくて好き。
まだ小学生なのに大量の護身用のアイテム持ってるあたり、やばい犯人に殺されかけたか、気喪杉みたいなやつに何度も追い回されたんだろなあってのが垣間見えるんだよな。

13.偽りの記憶は時に真実よりも甘美で
WSSくんどんなドロドロなキャラになるんだろうと思ってたらとんでもない方向に吹っ飛んだ。
これは女王感染者、バイオハザードにインフォハザードが重なってしまって超カオス。
向かう先が学校、これ日野珠がいるうえに異能無効化までそろってるのででかい爆弾になりそうで怖いなあ。
ここのパート、まるで先が読めないです。

14.「ごめんね」
起承転結がきれい。
恵子の袋小路ぶりとそこから抜け出す道を提示しておいたうえで、恵子をどん底に落として落として、
最後に布石をきれいに回収していく技法、とてもきれいにまとまってて美しい。
最後まであきらめないやつがヒーローみたいなの聞いたことあるけど、この話の範囲だとひなたがもうヒーローそのもの。
VHという最悪の状況にいながら、生きたいって心の底から思えた、という独白が救われる感じがして好き。
てか、逆説的にこれまでの日常よりもVHの今のほうが幸せなんだろうなあと考えるとかなりきついものがあるな。

15.逢いたくて
ダムの底(笑)
なんだろう、殺しても死ななさそうな勢いがある。
表紙で高笑いしてる勝子と、後ろで漫画汗流しながらドタバタしてるはすみの絵が浮かびそう。
キメるときはビシッとキメる!のキャラっぽいけどどこか三枚目の勝子、にぎやかで楽しいけれどはすみは大変そうだなあ。
はすみのキャラで、『ぐばぁッ!!』が初セリフになってるの、笑ってしまうんだよな。
はすみ様の今後のご活躍をお祈り申し上げます状態。

6名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:51:19 ID:rmEFJRGE0
16.滅びゆく村…それでも希望を諦めない
閉じ師って風水師の親戚みたいな仕事だと思ってた、一応架空のお仕事だったのね。
特殊なお仕事やってるだけあって、めちゃくちゃしっかりしてる子よなあ。
覚悟決めてそうで、ゾンビはできるだけ無力化しようとする姿勢は山折村訪問者としてはまぎれもない善性。
震度7の地震を人為的に起こせるのかは疑わしいんだけど、何かしら出来すぎてるところはあるので、謎に近づいていってほしい。

千歩果ちゃんめっちゃいい子なんだけど、山折村の内情見た後だとこの子騙されて呼び水やってるように見えてしまう。
エンディングあたりでめちゃくちゃ情緒破壊されてそうだわ。
鈴奈はうさぎに会えるように祈ろう、円華はダメだ。

17.Normal×Anomaly
乃木平の苦労人属性がいきなり発揮されててウケる。
ワニ吉A〜Cを一蹴する実力はさすがのSSOGなんだけど、正気度はごそっと持っていかれた感じがあるなあ。
合コンではすみあたりと一緒になったら意気投合しそうなキャラをしてるわ。
そして診療所には既に美羽がいるの、苦労しそう。これ美羽命令聞き漏らしたのでは?w

絵に起こせば明らかに命を懸けた死闘なのに、トンチキな展開と軽妙な文章とで、気楽に読めてしまう。
もはや崩壊している正常感染者という単語といい、次から次へと出てくるワニといい、ほんとワケ分からん状況が面白かった。

18.Village Queen
ミステリアスかつ得体の知れない美女巫女枠のはずが、
オヤジがトリプル一郎で出自割れてて、本人は神社でアルバイトしててこのエラそうな言動は、もうネタキャラに両足突っ込んでる気がします。
巫女服・宝剣・本人の容姿のコーディネートにヘルメット付け足すだけでかっこよさ補正にマイナスを乗算してるのがまた笑ってしまう。
うさぎのあしらい方が堂に入ってるのもおもしろい。
真っ暗な村の風景とか空を飛び廻るドローンとか、裏側は不穏な感じなのに最後まですっとぼけた感じが面白かった。

19.性(SAGA)
こいつならやってくれるという妙な信頼感があった朝影、予想通り最低の鬼畜だった。
温和な態度を崩さない上にリンが心から懐いてるのがまた外道。
外には紳士で通してたんだろうし、一方でヤクザの事務所の裏手に邸宅構えてるのもなんというか抜け目がないんだよなあ。

リンは今のところ目立った害は見せてないけど、サークルクラッシャーよろしく爆弾そのものだと思うんだよな。
異能の名称があまりにも不穏なので男たちは食い散らかされないようにがんばれ。
閻魔はとりあえず威圧が誰にもまったく聞いていないのが涙をそそるわ。

7名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:54:29 ID:rmEFJRGE0
20.死せぬ者に迫る手
これ文章と情景描写がとにかくすごい。
いかにもサスペンスドラマかミステリーのプロローグって感じの語り口になってて、謎に包まれた得体の知れない村、山折村って雰囲気が余すところなく描写されてる。
斉藤がジャーナリストなのもあって、山折村が杉沢村みたいなホラー舞台に思えてくるので没入感ばっちり。セル画が似合いそう。
かつ、主人公九条和雄くんと謎の美少女ゲストヒロイン哀野雪菜、いかにも怪しいおっさん斎藤のキャスト三人の雰囲気がバツグンすぎる。
連続ドラマだと斎藤はレギュラーになるやつだよ。

> 「なんだよこれ……なんなんだよ。カメラカメラ……」
ここらへん最高に都市伝説追及系のテレビ番組。
ほんと雰囲気すごいですわ。

21.薩摩巡査長の異常な愛情(または、彼は如何にして)
『絶句』に至るまでの描写がすごいです。ほんと『絶句』するしかない。

特殊部隊員殺害を画策する村人の発想はなかった。まさに発想の勝利。
銃撃ちたいぜーの欲望全振りで、大儀とか成功率なんかは全部後付けのガバガバなのがとてもよい。
外面整えてるけど、たぶんこいつ気喪杉と思考レベル変わらんで。

他の人の感想見てるとテロリスト扱いされてたりするけど、テロリストだってもうちょっとマシな理由あるだろと思ってたんだよな。
しかもこの人銃の横流ししてもらってヤクザとズブズブだったんでしょ?
正義のヤクザのほうがまだ正義がありそうなのがほんとどうしようもないですわ。
そして大田原の人外っぷり見ると、巡査部長の計画の無謀さがひしひしと……。

22.『「今が最悪」と言える間は、最悪ではない』
PS5転売で即パブリックエネミーと化したクローネ、かわいそうというよりざまあ感しかない。
地の文もそこはかとなくネットのネタ使っててコメディチックなので、彼女の意気消沈ぶりをにこにこと読めてしまう。

彼女って村の住人でもないし、知り合いもいないし、ゾンビに実際に遭ったわけでもないのでいまいち危機感ないんだろうなあ。
それよりも目の前の惨状どうすりゃいいんだ、に意識取られてるし、正常性バイアスかかりきってそう。
どうせゾンビになるんなら、なるようになれって気持ち、正直かなり分かる。

23.そして訪れる最悪
銃弾着払い、お勘定はお命で、みたいなフレーズが浮かんだ。
まあ、クローネはそりゃそうなるでしょというか、与田センセ二号みたいなことになってたなw
SSOGの中に正道任務とか少し違ったのがいる、というのはトリッキーな動きをしそうなので面白そうなんだよな。
黒木の性格、ノリ良さそうに見えるし、ハヤブサIIIと遭ったらいい感じに掛け合い期待できそう。

8名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:56:26 ID:rmEFJRGE0
24.禁色モザイク
マリオカートでロケットスタートキメたクッパのようなかっとばしぶりがやばい。
ツッコむ前に次のツッコミどころがやってくるんでツッコミが追い付かないやばい。
スピードデブが地を揺らし天を震わせながら大暴れしてるビジュアルがありありと浮かんできてやばい。
人好のキャラシートめちゃくちゃ悲惨なのにほかの追随を許さないおもしろゾンビに大変身してるのやばい。
気喪杉の行動に余計な説明など無粋! とばかりに隣家侵入女児わからせ盗難下着自慰ショットガン登場ブロック塀破壊の疾走感めちゃくちゃやばい。
下着使ってマウストゥーマウスだの自分の1/3しか生きてない女児をママ呼ばわりは最高にキモくてやばい。
何が言いたいかというと大笑いして元気になりました。

25.「いただきます」
ひなたは前作だと善性が押し出されていたけれど、今作は好奇心旺盛の面が押し出されてる感じ。
この好奇心の火の玉は親父ゆずりなんだろうなあ、というのが垣間見える。
好きなことを早口でしゃべって、興味ないとすぐ忘れて、見られ方が比較的無頓着なあたりが研究員たちのイメージと重なっててさ、
けれどほかの人への気遣いとか自身の識り方も本物で、光方向の研究員よね。
恵子は今、一生分の笑顔を使い切るんじゃないかってくらいにこにこしてるのが想像できるのよね。
熊を除いて、最後の最後まで希望に満ち溢れた元気の出る話だった。熊を除いて。

> ※【注意】人肉の味を覚えました!!【警告】
これほんと好き。端的な表現でブザー鳴りまくってるのが分かるのほんと匠の表現。

26.最強の男
さらっと出てきた正義のヤクザは笑うんだけど、この話はすごい。
強キャラ臭ぷんぷんの八柳藤次郎に最大の難敵と言わしめた沙門。
その無双ぶりを存分に描写した後、大田原が縛りを何重にも付けた上で沙門を正面から撃破。
日本最強の暴力装置の名に恥じない最強ぶりと底知れなさを存分に見せつけてくれてる。
こりゃ成田がなんか尊敬してそうな物言いなのも、小田巻が絶望するのも、薩摩巡査長の計画が無謀に見えるのも納得の強さ。
真の必要悪を知らしめてくれた男。
それはそれとして、今回の相手は正義のヤクザなので気持ちよく殺せてはいそう。

白兵戦最強とあるけど、真に怖いのは対応力だなー。
剣士キャラ結構多いけど、ほとんど全員が八柳流なので大田原に型がバレてるのやばいよね。
まさに八柳流の逆初見殺しになっているので、剣士キャラは大田原に出会ったらがんばってほしい。

27.逆流
聖河代表がくっそウザくてなんか笑ってしまった。
こんなのが来りゃ当然保守派は怒るし警察は面倒くさがるだろうなあ。話通じねーもん。
何より一周回ってこの代表の言ってることが間違ってないのがまた笑えてしまう。

臼井くん過剰防衛ですアウトです。
聖河の顔を十何発踏み付けるの、絶対クソ勧誘にイラついてたからでしょ?
あれだけボコって『とりあえず会社戻るか』はかなりいい性格してると思いますわ。

宵川も出ているんだけど、聖河と臼井の濃さに上書きされて影がかき消えたのがキャラシート通りだなとかひどいこと思いました。

9名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 01:59:07 ID:rmEFJRGE0
28.君と一緒にいられるなら僕は何もいらない
気喪杉とは別ベクトルで閻魔おもしろすぎる。

・同行者の月影と宇野がリンを狙って裏でバチバチ
・リンの異能で庇護欲を植え付けられててリンを捨てられない
・まわりにいるのは大田原、気喪杉、独眼熊のいかにも強キャラ臭のする人物ばかり

これで本人なにも気付いてない上にイキりまくってるのおもしろすぎるんだよな。
地雷原のうえで気持ちよくタップダンスしてる閻魔、キミの明日はどっちだ?

29.みんな仲良し山折高校第一学年
仲良しにお目目ぐるぐる。
難産。円華を何年生にして、誰をクラスメートにして、誰のゾンビを出すのかの塩梅が難しかった。
友達候補は宮馬、御手洗、鐘内、浅見、八雲、明石。
山岡伽耶筆頭に、山上美々子、田辺秀一、蛇茨楓(←この辺反社)と仲良くなるのは無謀なので一年、
男子ばかりだとただのヲタサーの姫なので、浅見と八雲を友人に。
そして別に実家太くもないガチクズがトップ層に九年も君臨できんやろと考えたら、変に努力して立場築き上げた打算女子になり、
せっかく考えた大量の暴言が5割ほどカットされてしまった。まあ難産。

逆に碓氷先生は天然クズなのでめちゃくちゃ書きやすい。
助けを求める女子生徒蹴り飛ばす先生はアイドルに裸踊り配信求める悪党と同等だと思うんだよ。
碓氷先生のカスっぷりを色々と考えたけど、やはり悪役先生は女子生徒に迫るか蹴り飛ばしてこそよ。

30.霧の中
ホラー映画『独眼熊』のプロローグみたいな鬼気迫っててる雰囲気が好き。
嵐山主役回なんだけど、六紋達人の通常モードとマジモードのギャップや、彼のヒグマ対策の本気度合い、最期の慟哭の無念さとか色々合わさって、六紋の好感度が上がったわ。
トリプル一郎の呼び方とかめっちゃ好き。歳とか近いしいい関係保ってたんだろうなって推察できる。
この好感度高い人がウイルスに正常感染したら人狩りになってたの考えると、本当にどっちがよかったんだろうなあって思ってしまう。
独眼熊本人はまったく出番がないのに、なんか災厄度だけがモリモリ上がっていってません? とか思ったり。

10名無しのゾンビ:2023/01/01(日) 02:05:58 ID:rmEFJRGE0
31.同志の絆 〜無限爆破編〜
・高潔なテロリスト ←New!
・テロリズムという手段に訴えかけるに足るそれなりの理想と、それなりの良識 ←New!
その首気持ちよく刎ね飛ばせそうだわ。

物部同志の主張は読まなくていいやつだと分かりつつ読んだ。
一個一個はSNSで変なタグと一緒に見たことあるからイヤなリアリティがあるなーという印象はあったものの、やはり読まなくていいやつだった。
これ調べるのげんなりしてそう、ほんとお疲れ様です。
革名すっごい悲壮感溢れてるけど何もかも根本から何からおかしいし、
テロリスト天国をさらっとめちゃくちゃにディスってる書きっぷりと、耐火スーツボンバーマンの誕生と、
これギャグとして読んでいいんですよね? みたいな思いがこぽこぽと湧いてくる。
SSOG案件がひそかに触れられてるけど、こういうやつの処理ばっかりだったら正義のヒーローなのになあ、とかちょっと思った。

32.Danger Zone
ヒーロー気取りで村民ゾンビを笑って虐殺してる広川と、吐きながら村民ゾンビを剣に盾にしてる圭介、善悪イメージ入れ替わり系のバトルだわあ。
分かりやすくチートな異能が多い中、ゾンビを従え操るとしか書いてない圭介の異能がここまで強いのは予想外だったんだけれど、描写うまいのでするっと理解できる。
というかゾンビがオリンピック選手並の速さで複数突っ込んでくるだけで、結構なキャラに優位取れそう。

一話死亡ながら、広川の存在感すごいなあ。
挑発くさい挨拶→圧倒的な実力の披露→遊ぶ→遅れて本気出す→足元掬われる→命乞い→死亡の流れがあまりに鮮やかでにこにこしてしまった。
自分が死ぬとは微塵も思っていないヒロイズム、ヘタな暴言よりもヘイト溜まっていくのすごいな。
ひなたとかカナタがちゃんとヒーローやった後でこれは紛れもないクソヒーロー。
最初に撃破されるにふさわしい敵幹部って印象で、鮮烈なインパクトを残していったと思う。

33.深夜病棟廻
イエーイ! 特殊部隊員君見てる〜? いまー、私たち、ロッカールームに隠れてま〜す笑笑笑
↑連想したのだいたいこれ、美羽にめちゃくちゃ効いてるの笑っちゃった。
圧倒的な力の差があるパワーキャラ相手に機転で足元掬うのは楽しいし、
それに対してキレ散らかすリアクションしてくれる美羽は貴重なキャラだと思うんだよなあ。
たとえば大田原が罠にかかったとして、淡々と処理するだけだと、仕掛けた側がかわいそうになるので。

氷月めちゃくちゃ頼りになるし、院長から色々重要なキーとか地図とかもらってて、他の人との接触次第では一気に話が動きそう。
ただ、診療所の周囲3マスにSSOG3人はヤバいし洋子の異能の裏にいる何かも不穏、逃亡劇ほんとがんばれ。

11名無しのゾンビ:2023/01/09(月) 21:22:52 ID:q/wBWfOo0
34.豪華客船潜入作戦
海外産のアクション映画やゲームのごとき潜入作戦、これすごく雰囲気いいなあ。字幕ついてそう。
外交官の人なんかは碓氷先生あたりと声同じなんじゃない? とかすごくどうでもいいことまで考えてしまった。
キャラシートでも少し触れられていた花子と真珠の因縁、一気に掘り下げられてきたけれど、
思った以上にがっつり因縁できててキャラが深まってる。
真珠はハヤブサIIIを意識しまくってるけど、花子は花子で真珠を意識しまくってるのとても好き。
しれっと出てきた魔改造された警備兵。この世界やっぱそういうのあるんですかw

35.Losers
洋子とか海衣とかめちゃくちゃ頑張ったんだけど、立地に運がなかったなあ。
異能の把握も間に合わないまま、特殊部隊員二人に続けて遭遇はどうしようもない。
乃木平隊員が凡人ゆえに驕りがなかったからこそ、二人無事とはいかず、けれど一人助かったという感じがある。

その乃木平隊員は、ワニに続いて独断専行先輩隊員とのかち合いでのストレスがマッハなのウケる。
隊員の沙汰の執り成しとか、診療所探索で垣間見せた几帳面さを見るに、この人貴重な隊長候補だと思うんだよなあ。
一人取り逃したのは失態にも見えるけれど、超人にはなれないことを自覚したうえできっちり任務をこなす仕事姿勢は好感持てるのよね。

36.光に惑う
リンちゃんお姫様サークルのほかに、ケイミカ応援女子団という新たな爆弾が誕生しました。
みかげにマグマみたいなドロドロした情念が見え隠れするせいで大変不穏。
マグマ溜まりをヘタに刺激すれば大噴火間違いなしで、ものすごく怖いことになってるね。

みかげの危なさの裏に隠れて、この話創がめちゃくちゃ面白いんだわ。
文学部のゼミで孤立する男子みたいなことになってるのが哀愁を誘う。
珠と密着して顔を真っ赤にする創とか、茜に握手拒否られてショックな創とか、女子中高生ズに冷たい人扱いされてヘコんでそうな創とか、出るたびに笑ってしまう。
女子中高生を説得できなくて、索敵も劣ってて、と創の一流の看板に泥が塗られまくってるのほんと好き。
花子に手玉に取られそうなエージェントNo1。

12名無しのゾンビ:2023/01/09(月) 21:23:51 ID:q/wBWfOo0
37.Behavior observation
このデブ出る作品間違ってないです?
一番最初の壁に穴開けてブロック塀ぶっ壊してる描写、あれ性欲由来のパワーアップと考えるとほんと汚いんだよな。
まあここまではパワー系異能で理解できたんだけど、ジャンプでいつの間にか背後にまわってる機動力は想定外すぎて笑ってしまった。

こんなのに勝算ありとして立ち向かっていける哉太の精神力もすごいんだけど、
即落ち二コマみたいな返り討ちぶりと、元ネタがあるらしいとはいえ、その理由の汚さには苦笑するしかないでしょ。
まさに最低最悪の蹂躙者にふさわしい。キモいし読んでるだけで酸っぱい臭いがしそうで起床時に読みたくないw

父親からのDV受けてた恵子の更生を見守るひなたの前でファミリービンタ発言。
的確にひなたの地雷を踏み抜くワードチョイスのセンスはすごいね。
バトロワじゃなければ100%ここでボコボコにされる悪役のセリフなんだけど、さて、これバトロワだからどう展開するのかな。

38.郷愁は呪縛に転ず
春姫の気持ちによりそって考えた結果、VHは神楽家滅亡計画であるという新概念が爆誕してしまった。
ウイルスが動物に感染するかとか畜生に運ばれるのかとか、春姫はそんなの全然知らないんだけれど、
彼女のツラと態度と見た目で堂々と言い切られるとなんか説得力ありませんか?
謎ヘルメットかぶってこんなこと言ってるのは仰々しさの概念が狂いそう。

妾は女王とか何言ってだこいつでしかないんだけれど、剛一郎にだけは致命傷を与えてしまうピタゴラスイッチ。
後ろを剛一郎に任せて前に進んでいく神楽。任せるとは?
彼の誓いも覚悟も矛先が全部裏返ってくるところから摂取できる感情、好きです。

13名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 21:52:17 ID:ImCQ95S20

39.対特殊部隊撃退作戦「CODE:Skadhi」
乃木平絶対死んだと思ったら生き延びた、ここでちゃんと撤退できるのは個人的にポイント高いです。
SSOGでは一段実力劣るといっても参加者内だと上澄みなので、高い実力と的確な判断力を持ち合わせた厄介すぎるキャラに仕上がってる気と思うのよ。
彼の特徴を少ない情報から引き出して、撃退プランを複数立案したうえで罠にハメる花子の対応力はお見事の一言。

与田センセは、どれだけぞんざいに扱っても、まあ与田センセだし、で飲み込めてしまうようなキャラに仕上がってるのが好き。
土下座のスキルレベルが高すぎて笑ってしまった。これ大田原と野生勢以外には通用しそうな気すらする。

花子の一流エージェントぶりとコミカルさのバランスいいよね。
冷静で的確なミステリアスロールやってるのに、洋子から出てきた何かを見てロールぶん投げたところ笑う。
与田センセの後出し情報ぶりにめちゃくちゃイラっとしてるのが人間の範疇に収まっててすごく笑う。

40.太陽を背中に僕らは進む
鈴菜とうさぎの話に見えて、裏にあるのは千歩果の話なんだろうな。
彼女の『陽』を燃料に村の危機に立ち向かっているって感じがある。

この後の話でもそうだけど、鈴菜って一人考えた結論に全振りして突っ走っていくタイプなんだな。
そういえば山折村に来たのも風の向くままにって感じだった。
ブレーキ役いないとガス欠してそうなんでうさぎと出会えたのは僥倖だったんだろうなあ。

逆にうさぎは遺伝か環境か、バランス取りとフォローにも長けてるんで、妙に噛み合う。
鈴菜のこと年上だと思ってるし、すごい人だとは思ってそうだけど、それはそれとしてたまにおかん気質が見え隠れしてて、
鈴菜のポンコツ面を本能で感じ取ってそうなのがちょっと草。

41.JUST THE WAY I AM
元ネタ知らなかった僕が何の違和感もなくすらりと読めて、元ネタ知ってる人がにやりとできるのは使い方のうまさ。
光になぁれええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇは広川に汚染されたのでは?
昔から知ってたのかもしれないけど、でも今も使うのはあいつの影響でしょ。

風雅のやってることはめちゃくちゃなんだけど、彼女の遍歴を思うと嫌いになれない。
いつ死ぬかも分からない仕事だし、だったら悔いのないように思いっきり楽しもうぜみたいな感じに見えてしまう。
元アウトローというが、この人やたらと娯楽のレパートリー広いもんなあ。
マイムマイム踊ってみたいとか考えてるけど同僚にダンスを見られたら絶対キレそう。

そんな感じで二回目の人生を密に生きてる風雅と、空っぽになった征子、
本人たちは何も思ってなくても、読者としてはビターな対比、そんな雰囲気になってる感じがする。

42.可能性の獣たち
和幸、お前しゃべれたの!? というのが一番の驚きw
そして正体不明の和幸に対する鈴菜の辛辣な評価にちょっと笑ってしまう。
彼女は今後に向けてよく考えてるキャラだけど、今回は明らかに脳が理解を放棄したがってるよなあ。

和幸の正体を『学校で飼ってる豚さんです』と素面で言ってくるうさぎはやはり天然。
普段のうさぎが戻ってきた感じだし、動物が消えるたびに動揺するうさぎがかわいすぎる。
『めっ!』が好きです。

14名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 21:54:45 ID:ImCQ95S20
43.ボーナスタイム
薩摩巡査長がイカれすぎてネタキャラになっている、どんだけミームを連発しているのだ彼はw
テンション高すぎて精神残機が増えてそうだ。
巡査長に話を合わせる二人に遠藤がドン引きして、巡査長のイカれっぷりに浩志と茶子がドン引きして、
ラストは薩摩が遠藤に引いてるドン引き三すくみの構図になんか笑ってしまう。

異能で大ハッスルしてたのに遠藤には無表情っぽく実銃使うそのテンションの落差は間違いなく狂人。
浩志の豹変ぶりといい、遠藤の断末魔といい、テンション落差が激しくて、ボーナスタイムのごとくブーストかけたまま突っ走っていったなあ。

山折村関わってはならないリストってなんだよ!? と、このときは思ってた。
真っ当な意味で関わってはいけないのは範沢とか木更津組メンバーなのだろうけれども、
そこを抑えてトップに君臨する気喪杉はちょっとすごいな。

44.心という名の不可解
共感の話が書かれてるところ悪いのだけれど、
キスの味について食いつかれるのは共感性羞恥を感じ取ってしまう。
仮説の実証のためでもこの話聞くの恥ずかしいのだが……w
いやでも、みかげに共感したうえで彼女の歪みを正したのは、名ばかりじゃなくてちゃんと先生やってていいなあ。

みかげの異能の打ち破り方はいかにも研究者、
そしてその異能の伝え方はまさにエージェントと秘密研究所の元職員で雰囲気が出ていて好き。

自力ではたどり着けなかったのだけれど、主任はあの人だったのか。
投下時点では所長か副所長が黒幕でこの人が放送主かと思ってたんだけど、
今時点ではどこまで関わってるのか分からなくなってきたなあ。
ところで未名崎って遠藤の遠縁じゃないです?

45.秒針を噛む
雪菜のまわりだけホラーテイスト。
壊れたテープみたいに同じセリフを吐き続けて、物を溶かして、傷ついても肌を焼きながらにじり寄ってくるこの娘、ゾンビらしい気がしてならなかった。
どういう方向に転がるのかまったく読めなかったなあ。
これ見せつけられる親友、負のエネルギーをぐいぐい溜めてるでしょ。
すごく話がそれるんだけど、ちゃんと霊魂がある世界観ということは、
圭ちゃんと藤次郎は顔の形変わるまでグーパンで殴られそうな気がしてきたな。


46.魔人戦線――絶望への抗い
ティーンエイジャーやってるなあ。
若者たちの瑞々しい決意と覚悟を引き立てるのが、はすみの包容力と気喪杉の悪役ぶり。
安易な自己犠牲を嗜めて、そのうえで絶対生還のエールを送りつつ哉太を見送ってくれるはすみは、いい意味で大人をやってる。
力だけは持ってて、自己を顧みることも人を思いやることもない気喪杉は撃ち破るべき悪い大人だよね。
それとは別軸から攻めてきた独眼熊、こっちは怖かった。
チャイム連打と、『ダダイマ、ケイコチャン』はホラーそのもの、これは怖い。

大ピンチに、ヒーロー二人が駆け付けるのは物語の王道。
ラストシーンの哉太とひなたが駆け付けるところなんて、週間少年漫画の大トリそのものなんだよなあ。
見開きページで二人のそれぞれの全身画が鏡写しに描かれてそうで鳥肌ものだよ。

15名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 21:57:44 ID:ImCQ95S20
47.山折村の明日
藤次郎は意外と饒舌だった。
大田原クラスと言われつつ、ロボットのような無感情さがないあたり、この時点ではギリギリ人間側。
嵐山くんという二人称使ってるの、ちゃんと相手を人として見てるような気がしてなんか好きで、
そのうえで迷いなく殺しに行ってるあたり、相反する要素を持ってるなあという感じ。
ただ、後の方の話まで見ていくと別の意味もあるかもな、くらいには思うので、その辺は今後の掘り下げに期待したい。

真理は破滅願望の持ち主とかめちゃくちゃ嫌ってそう。
自分たちが汚れ役という自覚があるからこそ、そこすら台無しにする輩は許せなさそう。

女王ウイルス隔離案は、企画主のネタバレより先に思いついたのはすごい。
鳥とか虫がウイルス運んだらどうするんだよ、までは自分も思ってたんだけど、
そこから一歩二歩三歩踏み込んで、なぜその可能性には言及されなかったのか、
なぜ問題ないのか、ではどういう原理が考えられるかを次々掘り下げていけるのは、理系センスを持ってるか、頭いいんだろうなあ。

48.お前はウソをついている
円華は友達多いので高校の内情はだいたい語ってくれるが噂ベースなので真偽はかなり適当。
寝室に碓氷先生乗り込んでもらって返り討ちに遭う展開も考えたんだけれど、あの先生がそんな真面目に殺し合いがんばるワケないだろと思ったので全スルー。
寝袋とか酒とかガソリンとかくくり罠なんかは全部その辺の名残。彼女が上振れすれば小屋を燃やせるラインナップ。
先生速攻で逃げて円華は完全に骨折り損なのでキレていい。

実際は元から人間観察やってた円華が異能込みの碓氷先生に読み負けた構図。
どっちも他人を利用しまくる人生レール選んでるけど、
そのためにまじめに下準備やってる努力の方向性がおかしい女の円華とめんどくさくなったら全部捨てる人間断捨離の体現者の碓氷先生。
碓氷先生、絶対ほかの女の子でもこういうの繰り返したんだろうけど、見事藤次郎とかいう死亡フラグから逃げたのは笑うわ。

49.追跡者
SSOGの内情公開。
三樹康がきっちり先のことを考えられるキャラなのは、野良殺人鬼じゃなくて合法的に人を殺せるルートを選んだということからもそうだし、
大前提として娘にご飯を届けるパパなのだから職場での効率と成果を重視するのは当然なのか。

クマカイをフリーにしたのはいいが、位置だけ見ると一番近いのが天くんな上に近くに他人がいないのは、全員にとってちょっと事故すぎたよね。
この配置になったとき、いたずらしたくて仕方なかった。

16名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 21:59:21 ID:ImCQ95S20

50.かつて未来だった僕たちから君たちへ
新世代への代替わりを示唆するタイトルも話の流れも好きすぎる、次話も50話という区切りも含めてすごく好き。
なんなら47話-50話-51話が一連の流れになっていて美しい。
美しい思い出から、なぜか一筋の希望が見えるラスト。
この企画のエンディング次第でまた評価変わる作品なのかもしれない。

大田原が心技体の『心』に優れると自負するなら、
剛一郎は情理、合理、法理のうちの情理? 別に三要素じゃないけど。
ついでに言えば、『心』だけなら春ちゃんは大田原すら上回ってそうなので戦闘描写皆無なのに謎の強キャラに見えてしまうw

剛一郎って村外限定マーダーでありながらゾンビも含めて一人も殺害していない、というか腐れ縁とのケンカ以外やってないんだけど、
だからこそ説得力を以って人をこそ守護るにチェンジできたのがしんみりする。
サラマンダーは改心可能理論の体現。

> 友達を大事にしなよ。一生の宝だ。
ここは剛一郎が言うからこそ、いいよね。響くなあ。
そして次の話でも偶然なのか、そういう流れが出てきたのがすごい好き。

51.朝が来る
50話に村を守る大人の話、51話に村を背負う子供たちの話、この対比が最高にすぎる。
ラストがどうなるかは分からないのだけれど、ここの二話で希望が持てそうな感じになってきたんだよね。
大田原とか藤次郎とかどうやって撃破するのかは全然分からないんだけれど、撃破できそうな根拠のない灯火がある。

正直な話をすると、絶対誰か死ぬと思ってた。
真剣勝負の少年少女たちが、敵をナメきってる強大な二大野獣を打ち倒す面白さ。
哉太ピンチ→圭介の助っ人→新技披露→和解の流れは王道すぎて、これをストレートに書けるのがすごい。
哉太は設定的にも人間関係的にも主人公っぽくなってきたなあ。圭介はライバルキャラっぽい。

気喪杉は異能を存分に使い倒したけれど、独眼熊は今のところ異能がマイナスにはたらいてそう。
特に『素人の銃が当たるわけない』を何度も実証した話のラストで、弾数に制限のある銃に興味を持つのはとても危ういぞw

52.だいすきが繋ぐ良縁
鈴菜ガス欠の巻。
あらためて荷物見るに、彼女のリュックは通勤とか通学で使うリュックじゃなくて登山家が使う50Lくらいあるやつなのか。
背負ってる姿を想像したらこれは目立つし、そのまま歩き回るのはそりゃ疲れるでしょう。
なんか鈴菜が隠れポンコツキャラから、くっころキャラに見えてきた。隣にオークいるし。

うさぎの異能は安定性には欠けるけど、いろんな使い方を考えられて書きがいはありそう。
蛇の熱探知で正常感染者を探し出すのはなるほどと思った、ゾンビは体温低いので確実に探せるいい方法。
大田原が来てなければ姉貴のところに合流してたのかなどうだろう。

53.山折村血風録・序
円華はこれまで他人を利用してきた報い――ではなくどう見てもただの交通事故なのでご愁傷様です。
つま先からてっぺんまで完全メタ張ってるジジイが猛追してくるの、暴走老人か?

岳のほうはすごく名残惜しい無念の最期って感じだし、彼の誇り高い生き方の締めにふさわしい。
そして円華は威勢がいいので、岳の無念さで沈んだ空気が、あー残念乙でしたで緩和できちゃってるのがなんだかなあw
ついでに碓氷先生の逃げっぷりと、真理隊員のごめんね砲のはた迷惑ぶりが光る。

ところで、藤次郎の地獄で会おうって言葉はとんでもないヘイトスピーチだよね?
無差別に村人殺しまくってる藤次郎と、山に生き山に生けるものの範疇で殺生してる岳とでは業の深さと徳の桁が違うってば。

17名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 22:03:07 ID:ImCQ95S20

54.諦めの理由を求めて
いいなあ。自分本位にも他者優先にもなりきれず、保身と親身の狭間で揺れ合ってるのがすごくいい。
殺人という取り返しのつかないミスと、そうするしかなかったろという葛藤の狭間で揺れ合ってるのとかすごく好き。

> 冗談じゃない! こんなゾンビだらけの村にいられるか!
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

俺この任務が終わったら結婚するんだ級の特大死亡フラグ!
最も逃亡禁止ルールに抵触できる男、胡散臭い記者という属性からしていかにもというキャラが吐き捨てたこのセリフ。
拓臣には悪いけれどテンションが上がってしまったわ。

55.predator's pleasures
狩人の醍醐味みたいなタイトルにしようと思ったんだけどDeepLにかけてみたらpleasureって言葉が出てきたんで、
じゃあ韻を踏めるなとこのタイトルに。
なので英語としてはたぶん間違ってるんだわ。
DeepLで日本語翻訳したら『捕物帖』って出てきた。捕物帖ってなんだよ?

自分がバトルを書く場合だいたい厳しい時間制限付きで、今回のタイムリミットは成田がクマカイを確実に殺せる距離に到達するまで。
50メートルまで近づいたら皮を盾にしようがクマカイの額に穴が開くと思ったので、カタログスペックの1.5倍以上の距離で発砲させる想定で書いた。
その結果、乃木平は15秒でクマカイに敗北を喫した。ごめんね。
悪いことを言ってしまうと、プロでありつつも単騎で飛び抜けた強さを持たない乃木平は、勝利も敗北も自由に任せられて書きやすいね。

成田が任務に真摯なのは、彼は合法的な殺人者かつ娘を養う父親だからの解釈だなあ。
娘のためなら土下座してる人の頭踏み付けられるでしょこの人。

56.パニックハウス
閻魔の威圧誰にも効いてねーじゃんはみんな薄々感じてたと思うけれど、
まさかのパッシブ異能であることが明かされたことで、もう一発ダメ押しくらったのは笑ってしまう。
哀れ極まりないんだけど、まあ瓦解のフラグ立ちまくってたし閻魔なので仕方ねえかーになるのはここまでのキャラ立ちそのもの。
閻魔なりに頑張ってて、それなりに好感持てるほうではあったんだけど、まあ、なんてーか、仕方ないですよね……ってなる。

リンが消えたのが和義の異能だということに気付くまで、
ネタばらしよりは先に気付いたけど、多少時間がかかった。和義に負けた気がした。
見張りしてる間なんか、そんなに雰囲気悪くはない気がしたんだけど、
最初に家に入ったときから準備してたのもあって、彼、腹芸うまいんだなーって。
あと五感封じられてもおねしょしながら寝てるリンはすごい図太いわ。案外大物かもしれない。

57.LOSS TIME&FREE TIME
女王感染者殺したら事態収まるので破綻するケースは、僕の中では完全に盲点だった。
これ藤次郎あたりにも流れ弾当たってそうだな? あの人は異能消えても村人殺すんだろうけど。

薩摩圭介、この村で最も自由な男が最も不自由な男に化けた瞬間、なイメージ。
元から穴だらけの計画だったけど、そろそろ穴と地面の比率が逆転しそうだ。

しかし茶子を二回も逃がすあたり、薩摩は本当に話を聞かないし周りを見ないなw
興味がセックスじゃなくて銃に向いてるだけで、たぶん気喪杉と同類なんだわ。

18名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 22:04:55 ID:ImCQ95S20

58.失楽園(ワニの場合)
ワニ吉、ウイルスに感染する前から頭良くないか?w
あのギャグキャラ筆頭のワニ吉を、どこか物寂しいほろ苦い味わいのキャラクターに造り替えた手腕がすごい。
異能は割とパーソナリティから来てるものが多いと考えれば、ワニワニパニックの意味がまた塗り替わっていくのよな。
ワニ吉への好感度が上がっていったところで巣くう者に乗っ取らせてくる展開、容赦ないなあ、と思う。
ほほえましい家族ごっこが無機質な人形操作に変わっていくところはとてもグロテスクで、無念極まりない感じがしてくる。
ワニ吉のパーソナリティが死んでしまって、巣くう者にすごいヘイトが溜まっていく気がする。この時点では。

59.逃げ出すよりも進むことを
うさぎはちゃんと和幸食うこと認識してたのか……。
和幸もオーク時代は人間飼って食ってただろうからお互い様か。

大田原の対戦相手が順当に強くなってる気がする。
そして大田原の中にはちゃんと人間が入っていたんだってちょっと驚く。
和幸はタイマンなら大田原にすら勝ってた可能性があるが、足手まといがいたのが勝敗の分け目っぽいなあ。
機転を利かせた鈴菜は、あの大田原に一矢報いるのは素直にすごい。
次話を知ってるとどよーんってなるんだけど、ここでの啖呵は素直にかっこいい。

大田原って基本的に死神なんだけど、ずっと糞真面目にシリアスやってるせいで常識外の出来事に固まるだけで笑ってしまうんだよな。
和幸に二度見するだけで面白いし、SSOG最強が気喪杉の確かな強さを保証したという事柄だけで笑えてしまうんだわ。

60.かつて人だった獣たちへ
茶子が知り合いと会うたびに、○○くんじゃないっすか。って言ってるの、たぶんこの人の口癖なんだな。
割と謎だった茶子の備考欄が明らかになって、八柳流の門下生で光属性なのは哉太だけなのでは? ってなってくる。

茶子つよない? これで25点なら、100点なら異能抜きの藤次郎超えてそう。
と思ったら本当に異能抜きの藤次郎は超えてたのね。
茶子はスタンスを殺害前提に切り替えてはいるものの、一応セクハラ絡みしかしてない拓臣も助けてくれるので、
ちゃんと悪党になりきるのかそうでないのかはなにぶん微妙なところ。
確かに当初よりはだいぶ物騒なスタンスに移ったのだが……。
行動だけ見れば圭ちゃんなんて何十倍もゾンビ使いつぶしまくって殺してるので茶子はまだまだ善寄りなんだわ。

61.野獣死すべし
日本人かどうかは思想で判断→分かる→ワニは日本人→???wwww
ワニ相手に応戦してる天国、思ったよりもやるじゃんみたいな感じだったのに、ワニに日本人と言い出して目を疑った。
地の文が『信じられないでしょうが』とばかりに何回も念押ししてくるのがさらに腹筋にダメ押ししてくるw

春姫は春姫で天国と正反対の狂人になって遠い国に行ってしまった気がする。
この人、元から異能持ってませんかね?
ワニの頭ぶっ刺してるのにうさぎに憚るとか言い出すの、春姫のほうは春姫のほうで笑ってしまった。
抜き身で持っていなかったところに憚る要素があった、とか読み直して分かったけど、まあ、うん……、って感じですわ。

巣くう者が正常な人間に一番近い思考してるのはもはや事故そのものでない?
初登場の得体の知れない不気味さはいずこへ、前話で溜めたヘイトが一気に解消され、なんとかなりそうな気がしてくるのが大事故である。

62.ギザギザチャートの信頼口座
碓氷先生と真理が村人ひしめく高級住宅街を突っ切るせいで、
閻魔組・哉太組・藤次郎組・うさぎ組の全イベント&茶子のタイムウォッチを書き出して、矛盾がギリギリ出ないタイムテーブル作らざるを得なかった難産。エクセルは友達。

ギザギザチャートは、信頼度が上下にふれてるなあってイメージでまあ問題なし。
ギザギザハートの子守唄が元ネタだと思ってるがいつからそう言い出したのかは知らない。

アニカに失言させるために特大のおねむデバフ、それに伴って全員にメンタルデバフかかりまくった中、
騒ぎの渦中から速攻で離れ、一人だけ心身ともに健康な碓氷先生のクズの味を噛み締めろ。
次話の先生の告白がよりいっそう白々しくなるわ。

なお、投下時点で薩摩か黒木かみかげが放送すると思ってたのでここで止めたんだけど、放送流れなかったな。
けれどはすみは藤次郎が岳殺したよとちゃんとメモ取ってるし、
うさぎや茶子が近くにいるし、威圧駄々洩れ+男性に苦手意識の恵子がいたりするしと、
ものすごい数の地雷が埋まっているので寝てる組もがんばれ。

19名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 22:08:47 ID:ImCQ95S20
63.End Dream→Starting Nightmare
> 『主任! どういう事ですか!?』
> ■■■■を見つけて
> 『分かってやっているんですか!? そんな事したら、最悪、この村が滅びますよ』
> 誰かが叫んでいた
> 『それに主任、娘さんがいるんですよね!?』
> 『それがなんなのだね?」
> 『娘も未来のための人柱に捧げられるのなら本望だろう」
> 『――! 主任、それ本気で言っているのならば、私はこのことを政府に伝え――』

虫食いメモリの空白埋め、だいたい合ってる?

みかげの異能が強引に記憶をいじくったせいで珠の封印が解けてしまったのか。
恋バナは発狂するような話か? って最初なったけど、冒頭読むに過去が今を形作るような描写がされてるから、
知らない過去がしれっと混じってくると、今の自分が何なのか分からなくなって気持ち悪いんだろうな。
崩壊見えてたパーティがついに崩壊、悪い人など一人もいなくて、全部異能がマイナスに働きまくった結果というのがまた難儀。
薩摩も雪菜がタイミング悪いよね。

64.導かれしモノたち
天国の日本人殺害って、あれ救済のつもりだったんだ……。
それでも天国の思考のほうが春姫よりはまだ理解できそう、春姫はなんか思考の癖のスケールが違っているのでちょっと困惑する。
天国も狂人だけど春姫もたいがいで、そんな狂人対決だった。

春姫絶対元から異能持ってるでしょ。
春姫の行動は絶対に春姫に都合のいい結果を与えるみたいな超強力なやつ。
巣くう者が一番まともに見えるし、こんなぶっ飛んだ思考ならたぶん悪魔もハントできるわ。
総一郎は教育失敗したのかなーって思ってたけど、これで春姫はちゃんと善寄りに育っているので、教育のかじ取りはがんばったのでは?

65.掃き溜めの戦狼
口では広川を突き放してるがなんだかんだで情の深い、あるいはそうでなくとも情があるように描かれる風雅。
登場話から一貫して、理より感情って感じのキャラ。

風雅って広川とか天のこと、気に入ってるのでは?
まわりの人間から見下されるド底辺の人生だったからこそ、対等に接してきたり自分を求めてくれる人間には一定以上の情を持ってるというか。
逆にいきなり見下してきたり、ナメた態度とってる相手には激昂するというか。
ジョーカーという作品全体の立ち位置からすると、身内にやさしい敵役なんだけど、嫌いじゃない。

にしても広川は回想が描かれれば描かれるほど、こいつ早死にしそうだな〜ってなるんだわ。
こいつ絶対任務ナメてるでしょ。
絶対まわりからもてはやされてきて、挫折とかしてこなかった天才タイプでしょw

66.false call
最初の放送はなんと正体不明だった、第一章の最終話としてふさわしい締めだなあ。
絶対6時のキリのいいところで放送流れると思ったら、放送設備壊れてたってマジですか。
善意の告発者の評価が一気に反転したね。

真珠の潜入員らしさがしっかり描かれてて、これくらいしないと捕まえられないということで花子の格も上がる流れ。
慎重だが残念ながら見当外れ、そもそも速攻で研究員捕まえたが怪異がいたので研究所を立ち去ったとか予想するほうが無理なのだけれど。

潜入作戦の説明を読むと天ってめっちゃスパイに向いてそう。
一点を除いて工作員適正は満点じゃん。彼は単独で帰還可能かどうかってところだったんだな。


67.第一回定例会議
VH起こしたのが研究所じゃないってところ、マジですか。
絶対梁木の妖怪ジジイが裏で糸を引いてたと思ってたのに、所用で東京に来てたのも偶然ってマジっすか。
梁木が黒幕だと思って会議対応してたら黒幕じゃなくて想定外だったの、ちょっと困惑するのだが?
巡り合わせが悪ければ長谷川も梁木もゾンビになってた可能性があると考えるとちょっと面白いのだが?
まあ梁木は自分だけ助かる方法持ってそうだけど。

というか、こうなると別に元凶があるのか。
敵対組織も研究員も、ヤバそうな人はかぞえられるくらいにはいるから、どう転がるか読めないなあ。

なお、SSOGの皆さんは放送の告発で村人が殺し合いを始めたと認識してるけど、
内実を見るに元からヤバい人と野生の者どもがゾンビを見て放送関係なく殺しをおこなっているようにしか……。

20名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 22:34:38 ID:ImCQ95S20
68.此処でなく、現在でなく
日用品で情景を描いて、比喩をふんだんに用いて心情を描く手法が洗練されてて、力量あるんだなあって感想が出る。
雪菜は毎度毎度背景が重くて拗らせてるけど、今回はいい方向に進みそうだね。

創はプロのエージェントのはずなんだけど、あまりの非常事態にあたって、人生経験の少なさに足を捉われまくってる印象。
そういう意味ではスヴィア先生もまだまだ若いはずだけど、そこは挫折の経験の積み重ねなのだろうか。
曲者の大人たちに翻弄され、後悔と挫折にぶち当たりながらも再起してきた過去があるからこそ、
間違いを選んでは立ち上がる生き様に説得力があるし、雪菜の心を溶かすのも納得できる。

そして創は自己嫌悪が強くなってきてない?
非常事態にあたって皆を先導するはずが、スヴィア先生に導かれて、女学生三人を見失って、あまつさえスヴィア先生を誤射してしまって、
あまり結果を出せてないというか、雪菜とスヴィア先生のほうがまだ前を向いてるように感じるのが残酷だよなあ。

ところで、血液に触れた途端に弾丸を溶かす……
さらっと布石張ってるけど、今暴れてる強キャラたちに軒並みメタを張れる地味にヤバいスペックよねw

69.二つの覚悟
これあんまり読み返したくない、拷問描写とそれに伴う鈴菜の感情の動きが読んでいて痛くなるので……。
前回の引きから、拷問は予想の範疇といえばその通りなのだけれど、拷問のきつさは予想以上。
快楽目的の拷問官とは違って、『扉を開け』以外言ってくれないのでネタを探して心の小休止にも移れず、
ひたすら指が壊されていく描写を読み続けなければならないのでこれはきつい。
『扉を開け』は作中随一のトラウマワードになりそう。
大田原はやっぱり機械にしか思えなくなってきた。
鈴菜を和幸に殺されたのは大田原の失態、それはそうなのだがこの評価自体がストイックだなって思うよ。
ガレージから出る方法はまったく思いつかない、
というより外から開ける方法も美羽がガレージを壊す以外に思いつかないな。
本当にどうやって出るのだろう?

70.山折村血風録・破
この作品全体的に、ブラウン管の向こうで動いてそうな雰囲気がある。
単語ひとつひとつが奥ゆかしく古めかしくて、令和なのに時代背景が昭和っぽいなあって思った。
前話までは圧倒的で底知れなかった藤次郎が老人らしい老人というか、異なる価値観に交われなくなった哀れな人間って感じにも思えてくる。

藤次郎はあいが民宿に残ってたら確実に殺してるはずなのに、この状況、行動方針で『お世話になりました』はそら寒い。
ただ、これ藤次郎の認識内では村人の救済に入っていないかな?
絶対的な禁忌って筆頭候補は『巣くう者』だと思うんだけど、それ以上にヤバい何かがあるんだろうか。

根源を知る人間についても藤次郎とあと一人は誰なのだろう?
こっちは藤次郎と王仁がその情報を知れるという時点で、他にもたどり着きそうな人は何人かいそう。
根源にたどり着きそうでまだピースが足りない感じ。

茶子から男性陣への花言葉はもうそのまま受け取ればいいと思うのだけれど、
山折村の花言葉が夾竹桃なのが一番意味深で怖いなって思った。

71.旭日昇天前
旭日昇天――朝日が天に昇るように、勢いが盛んであること。
天か三木康が大暴れする前振り?

三木康は巡り合わせがあまりに悪くてロクに戦闘できていないけど、その間にどんどん強化されていく。
武器と、天が戦いまくって得た情報が万全の三木康に集まっていくせいでぐんぐんアドバンテージが高まっていく。
割と欲求不満なのもあって、次に会う人は覚悟しとけよってなりそう。

RPGのボスの取り巻きは言い得て妙だなって思った。味方にいれば重宝して、敵に回るとうざいポジション。
後の話で出てたけど、確かにスポッターとか安心して任せられそう。
武器の隠し方なんかもすっごく小器用って感じで好き。

成太の思想はヒーローというか敵方によく見られる思想なんだよなあ。
天からの評価が割と辛辣というか、ファッションヒーローという評価はド直球なのでは?
倒れるべくして倒れた感じがするよ。

21名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 22:35:53 ID:ImCQ95S20
72.Normal End
バッドというほど悲惨でもなく、当然グッドでもトゥルーでもない、どちらつかずのノーマルエンド。
おそらく全正常感染者にグッドエンディングは用意されているはず……。
分岐はお土産を与田センセに渡して、『こんな村にいられるか』という特大死亡フラグだけが残ったのでこうなるのは運命だったんだ。

彼はおそらく地震が起きたことすら気付いておらず、異能の発動にも気付いていないので、もう徹底して何も知らないまま退場がいいのかなあ、と。
なので特殊部隊も味方だと思ってるし、お土産が洋子の手に渡ったと思ってるし、哀れなんだけど本人的には満足かな、って。

睡眠ガスなんておそらく現実には存在しないんだけど、ナチュラルに条例違反してたり人間やめてる人も多いんでまあいいか……って。

73.過去の亡霊
庇護欲無限ループの恐怖、リンと茶子が出会ったらきっとそうなるだろうなあって思ってたがその通りになってしまった。
覚悟を決めてもそれを嘲笑うレベルのでかい枷に次々と囚われて雁字搦めになってしまったな。
一番汚したくないものの前で堕ちるわけにもいかず、おまけに行き先に哉太いるのでさらに呪いが増えてしまう。
こんな中で藤次郎来たらほんとどうするんだろう。
リンちゃん、何もしてないのにいるだけで周りに不和を振りまく災厄みたいな存在になってるのはなかなかひどい。

和義はこのままリンと逃避行するだけかと思ったら、リンを連れ去られてこれは面白くなってきた。
いずれ死ぬことは覚悟してて、目的のためにすべてを捨てる覚悟ができていて、殺害に一切の躊躇がない狂人は怖いだろ。
この異能も仲間がいると使いにくいのだろうけど、ソロ活動するとなればめちゃくちゃ悪用できそう。

それと本人出ていないのに名前だけで笑いが取れてしまう銃キチは好き。

74.目覚めの朝
薩摩といい閻魔といい、作者さんはどうも他人に相手にされていない独りよがりキャラの哀愁をうまく書いているように思う。
女子高生三人に無視されてることに気付かないまま、気持ちよく演説してるおっさんとか哀しすぎない?
演説そのものは力作なあたりが追い打ちをかけるように哀しい。
薩摩の言うことなんて聞かなくても分かるので、読者視点でも女の子同士の仲直りのほうに目が行ってしまうのも哀しい。
演説自体はだいぶ洗練されてきてるので、薩摩も学習はしてるんだよなw

特殊部隊に誘われていないお前が特殊部隊に勝てるワケないだろ、は当然の結果だった。
足の指から撃つしか勝ち目なさそう。

みかげは薩摩じゃないほうの圭介と会って脳みそ破壊されるんじゃないかと思ってたけど、真っ当に正気に戻ったなあ。
悪夢から醒めて、友人たちと物別れすることもなく脱落したの、生き様としては綺麗なままだった。
どちらの脱落者もSSOGを見誤っていたのが根本なのだけれど、普通に暮らしていただけの一般人に対応を期待するのは酷だよなあ。

75.情操ネゴシエーション
『情』を『操』るネゴシエーション。タイトル迷った。別候補は静動チキンレースかギルティ裁定。
複数人書くときはしばしば『経過時間に期限をつける』『全員の目的をずらす』をやりますけど、今回もこれ。

最初の構想だと、一問一答形式で真理に質問投げていく尋問形式だったのだが、
ずっとアニカと碓氷先生がしゃべって、夜帳とはすみが空気になったので今の構成に。
碓氷先生が真理をかっさらうまでの会話の展開がものすごく難しかったやつでもある。
真理が本当にアニカを人質に取る展開も考えたのだが……さすがにその展開に進めたら寝てる三人を出さないはないだろで収集つかなくなってしまった。

珠の事件は一年前、哉太の事件も一年前、なるほどねとドッキング。
整合性を取るのが地味にめちゃくちゃ難しく、記憶消した→圭介に出会った の間に色々差し込むことに。
哉太の冤罪に茶子は何も関与してないのか、研究所がハメるのを知って一枚噛んだのか、茶子が何かの目的のために逃がすことを兼ねてハメたのか、どれなんだろうね?

言葉だけ見ると先生してるように見える碓氷先生、『外面だけはいい』の設定がだいぶ拡大されている。
これスヴィア先生が言えばちゃんと先生やってるな、になるので、言動の一致は大切だよ。

22名無しのゾンビ:2023/04/16(日) 22:37:21 ID:ImCQ95S20
76.対特殊部隊撃退作戦「CODE:Aurora」
COVID-19の影響で、異能の進化って重症化にしか思えないんですけどそれでいいですかね?
花子のキャラシートにもあったのでいつか来るかなと思ってたけど、このタイミングでついに来たか、と。

今回の任務でカウンタースナイプはないと断言してたけれど、
花子への想定策を返され、獲物を狙う瞬間をクマカイに狙われると、三木康が見事に意趣返しされたのは芸術性が高いと思う。
今回花子を仕留めきれなかったのは、周辺の最高の狙撃スポットを予め警戒されていたことと、
三木康が狙った地点を必ず撃ち抜いてくる精密性、それと視線や動きで敵の思惑を察知する高い洞察力、
これら三木康自身の能力の高さを逆手に取られた形だから、あんまり三木康の格が落ちないのだよね。
花子がそこまで読み切って対応してるのは主人公してる感じがあるし、
その能力の高さの割に毎回心臓バクバクさせてるのも好感度はかなり高い。

こういう分断策は仲間と別れてそれっきりが多いけれど、花子はきっちり合流するあたりが実力高いって感じ。
けれど近くに真珠いるのでそろそろ因縁の再会が発生しそうだなあ。

77.ロイコクロリディウムの器
八尺様が出られるのだからヤマノケだって出られるストロングスタイル。
確かに身体とっかえひっかえする深山の怪異ってヤマノケだわ。
でもあいつ女の子に身体に入って嬉しげに入れた入れたって喜び出すド変態怪異なので、
史上最悪の『厄災』の意味が災厄として最悪なんじゃなくて最悪の変態災厄って意味にすり替えられそうだな?

一見野生対決でありながら、最初に強く当たってあとは流れでお願いします。
野生の皮をかぶった八百長が炸裂する。
熊は強化だけど本当にこいつ熊か? どっちが主なのか分かんなくなってきた。

> 「チクショウ!!コノヤロウ!!」
なんかこの威嚇だけでノーマルの熊は底が見えた気がするのに、
> 「あー、あー、あー。しんかとはいいものだな」
で格を取り戻したように見える技法の巧。
ダメそうだった二つを組み合わせて新生させるあたりにみらもろみがある。

78.研究所探訪
最新設備のガチガチセキュリティの研究所がついに春姫の運命を打ち破った記念回。
ここまでやらないと春姫を防げないの、こいつ本当になんなんだよとなるw

漫画にするとおそらくこの話はゆるキャラ春姫のギャグ回になる。
仮眠室に堂々入場してきたことに驚くゾンビとか絶対二頭身キャラで描かれる。
今話でやってることは単なる設定開示なんだけど、春姫の社会不適合者具合ぶりと可愛い言動が面白いのですらっと読める。
研究所への春姫の評価がころころ変わるのも、春姫をおちょくる地の文がちょくちょく出てくるのも面白いんだわ。

この娘社会人やっていけるのかと思ってたけど、割と村のおじさん連中には可愛がられてそう。
彼女の行動、椅子で一回転とかエレベータのボタン全部押すとか、行動基準は3歳児あたりのそれよね?
迷惑ながら、割とリアクションが大袈裟なのでゆるくウォッチする分には楽しい相手なのでは?

23名無しのゾンビ:2023/05/17(水) 22:50:28 ID:8wSdsLmk0
79.友の家を訪ねる
諒吾って語尾に「やんす」ってつけそう。
揉み手してる描写出る前から揉み手してるんだろうなーって思うキャラ付けなので、いざ揉み手が出ると、きたーって思ってしまった。
本音を言い合えるコテコテの腰巾着っていいキャラしてるなあ。
ついでに選挙に出馬する春姫は非常に解像度が高い、あいつが村長に立候補するの、薩摩がいつか人間を銃を撃つのと同じくらいに信頼性が担保されているw
というかまた薩摩が言いたい放題に言われている……w

さびれた村の閉塞な環境に嫌気がさした若者。
回想では圭介はそんな感じなのに、年を取ったら余所者との間に一枚壁を作る村人になるんだろうなあ、みたいな将来像が垣間見えてしまう。
厳一郎のキャラがまだ曖昧なのもあるんだけど、圭介は山折なのにどことなく剛一郎ルートに進んでる気もするんだよなあ。
非情になれない理由探しをしてるようにも見えて、ほんと進む先が先細り。
特殊部隊最強に勝てるのだろうか?

80.風雲急を告げる
あの超過密の袴田邸が周辺まるごと巻き込んで見事に分かれた。これ作るの大変だっただろうなあ。

いろんなところに場面移るけど、特に好きなのは夜帳の診療描写。『お大事に』の一言だけで本当に信頼度がぐっと上がってる。
お薬もらいに行くと絶対言われるんだけど、意識しないとこういうの覚えてないんで、こういう細かい丁寧さがとてもいい感じ。
強がる哉太に、怪我なんて大したことないと誤魔化すひなた、それを見逃さずに掘り下げる夜帳のやり取りが、まさにプロとアマチュア。
これは素人では絶対勝てないわ。

恵子が夜帳相手に硬直するのは予想通りだった。
彫像扱いは描写が半分ギャグ扱いだけどかなり危うい状況、ひなた大丈夫だろうか?
ひなた―恵子ラインとうさぎ―はすみラインが底力を発揮するのか、それとも枷となってしまうのかは気になるところ。
熊相手でも夜帳の異能が足を引っ張るからねえ。

勝子の即断即決はこの状況だと気持ちいいね。
フィクションと思っててもその精神に圧倒されてしまう。

> 『私が役に立たないとでも?』
> 『まさか。頼りにしてるさ相棒』
ここのツーカーもほんと気持ちいい。この二言に二人の関係がギュッと濃縮されてる。
そして茶子とツーカーいかないあたりが、メンタルのぐしゃぐしゃぶりをよく出てるなあ。

藤次郎が出ると時代劇とか言われてたけど、本当にここだけ目に見えて地の文の雰囲気まで変わってる……。
弟子のほうが才能豊かと言われてるけど、やっぱ藤次郎は別格で強そうな描写に見えるわ。

> 「すぺぺぺぺぺ」
> 「アガガガガガ」
??? ??? wwww

81.忸怩沈殿槽
(´・ω・`)しゃっせー
(´・ω・`)らんらんくだらない話って好きよ
(´・ω・`)らんらんたちも個性があるの。みんな声だけで個性的ね?
(´・ω・`)山折村で渋谷ハロウィンが始まったわよ
(´・ω・`)変態仮装行列よー
(´・ω・`)愛野センセは保育園のお仕事が忙しくて呼べなかったから、代わりに愉快ちゃんに来てもらったの
(´・ω・`)ゾンビはらんらんなのに、ゾンビじゃない子たちはずんずんしてるわね
(´・ω・`)哀野ちゃんがずんずんしすぎてタイトルもずんずんしちゃったのー
(´・ω・`)マスクをかぶって息するとね、ヴヴヴ〜って聞こえるの
(´・ω・`)どこも物騒ね? やんやん?

24名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:46:00 ID:O5j58pBY0

82.Zombie Corps
大田原に風雅って圭ちゃん逆立ちしても勝てないだろと思ったんだけど、殺意と射線の違う狙撃という発想は鬼才そのもの。
このレベルの狙撃はファンタジー入った世界観ですら対応できるキャラは少なそうだ。
狙撃+特殊部隊で圭ちゃんが一気に強化されてイケイケになってるなあ。すごく調子に乗ってそうなイメージがあるw
最強のゾンビ軍団とかいうけど風雅を超える精鋭ゾンビなんてそうそういないのでは?
そして彼は補給とか機械を休ませるとかの概念があまりなさそうで危うくもある。

風雅のナメられたら殺すの族ヘッドらしいケジメムーブが、らしさに溢れてる一方で、
どう考えてもゾンビ化の原因がそこなのは、間違いをおかす人間らしさに溢れてると思う。サイボーグなのに人間らしすぎる。
圭介と戦うときも楽しそうだし、圭介相手に啖呵の切りあいしてるのも好き。
一貫してSSOGでありながら情の厚さが見受けられるキャラクターなので、ラストも納得いくものだった。

一方で、大田原の描写はあまりにも機械的だなあ。
体と心の機械具合が、風雅と大田原でちょうど真逆になってて、いい対比になっている。
圭介の慟哭をまるで気にも留めず、淡々と釘とノミを振るう姿が心のない機械そのもので、鮮やかな対比だと思う。

あとMr.Oakのコードネームの『らしさ』。絶対、樫の木じゃなくて怪物を連想するナイスなネーム。
ironwoodはよく見つけてきたなあって思った。


83.catch and kill
花子の頼りになる感がすごい。
全部できるスーパーマンではないけど、優先順位と判断基準がブレないことと、意図や経緯を必ず説明してくれる、
かつ自分の考えを伝えた上で相手の意志は尊重するという三点が信頼に値する部分なんだろうな。

逆に与田センセの図太さは本当に笑ってしまうんですわ。
彼、普通は思ってもぐっとこらえることを全部口に出してしまうんだけど、その思考は共感できるし、生き方は羨ましいとすら思う。
彼が部下にいたら絶対イラッとするんだけどw

真珠の全部都合よく決めつけてしまえ方針、個人的に衝撃でした。
全部ハヤブサⅢの仕業だと都合よく決めつけることで次の方針が浮かび上がるという指針、
物語を動かす上で便利だし、優先順位を間違わないという意味で追う側の格は落ちないし、
ポカやミスがないという意味で追われる側の格も落ちないのでこういう方法があるのか、と。
確かに成田や乃木平の手に余りそうなところに食らいついていってるな、というのがよく分かる。


84.愛しの■■へ
アリスとか赤ずきんがちょくちょく言及されているのと、武器がマチェットというのもあって、雰囲気が 本当は怖い外国の童話。
ひたひた近づいてくるウノのおじさんとかひらがなだけで書かれたリンの過去の体験とか、村の暗部が次々と暴かれていくあたりとか、全体的にホラーだ。

アニカはがんばってはいたのだけれど、彼女が一番割を食ってしまったように思う。
護ろうとしたものがおぞましいナニカに成り果ててしまい、それに救われたその心境はいかほどやら。
和義の返り討ちは朝影からの虐待の連鎖みたいなものだし、ラストでアニカに庇護させようとしたあたりで一線超えてるし。
もう戻れないところに足を踏み入れようとしてしまっている感じでやるせなくなる。

愛しの対象、アリスなのかリンなのかチャコお姉ちゃんなのか。それとも異能による愛の植え付けなのか。
まあ、全部併せてるんでしょうね。

25名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:46:47 ID:O5j58pBY0

85.元凶
天国が研究所狙いだったのはそうだろうなと思ってたけど、爆破後だったというのは全然気付かなかった。
確かに彼、VH後の描写で一度も研究所に固執してなかったのでそこに価値を見出していないのだよね。
いや、でもこれは衝撃的だったなあ。

SSOGでは一番の危険人物の成田がとてもまじめに特殊部隊員やってて、不覚にもかっこいいと思ってしまった。
彼、殺人嗜好持ってるけどSSOGの範疇に収めてて秩序の側に立ってるの、なんというか真っ当にプロフェッショナルなのね。
乃木平とは方向性真逆だけど、性質自体は似てるんじゃないのかなあ、とは常々思っている。
天国の呪いを看破して利用し、片手だけで二対一の立ち回りを演じるのは、SSOGの本領発揮という感じで面白かった。
天国の異能に対する対処法が、避けられるので狙撃銃を捨てない、なのはなかなか選択できることじゃないと思う。

天国も呪い一辺倒かと思いきや、異常な精神性と爆弾の扱いでクマカイ・成田の両方に引けを取らずに渡り合っていて、
天国がなぜカリスマテロリストたるかを存分に見せつけられた。
その異常な精神性だけでクマカイに恐怖を抱かせ、あまつさえすべての元凶と明言されたのは本当に面目躍如といった感じ。
狂人を狂人として書くのって難しいと思うのだけれど、
『銃弾を爆弾で受け止める』の言葉の圧が強すぎるし、
致命的な一撃を受けておきながら、殴られたら殴り返すを程度の低い次元と言い切れるのは実に狂ってる。
野生の理を無視した信念を思い知らされた感じを受けた。
あのクマカイが逃げたというのが、狂気の度合いをしめすバロメーターとして最上だよなあ。


86.化け物屋敷
冒頭は予約に競り負けて没になった嵐山さんの出る話のリメイク。
当時、日本のライフルの所持免許の前提が散弾銃所持10年というのを知って、どうやって辻褄合わせるかを考えていたら没ったw
分かりにくいがタイトルはパニックハウスのパロディでもある。

神社の神様誰も知らないのに神様のこと知ってる村人出してしまった回があって、辻褄を合わせよう
→じゃあ怪異らしく名前と信仰を奪われて弱体化されてることにしよう
→メンツバトル極振りにして、今のメンバーで分身熊に勝てるようにしようとしたのが骨子。
信仰(メンツ)を奪われると力が落ちる、招かれないと入れない、物語化することで弱体化する、みたいなのは妖怪ものの定番ですよね。

夜帳の一人勝ち状態なのは、まあここ数話ずっと準備してきたなら勝てるだろう、みたいな感じ。
閻魔を吸い殺してその異能を収めた時点で人間ではなく怪異に判定されてるのだと解釈していますね。
あと、キルスコアがはすみ→恵子なのは、夜帳が直接殺害するよりも他キャラへの影響力が格段に強いからですね。熊含む全員に因縁ができるので。

科学と迷信が融合してるようなバトルにしたけど、科学の側も迷信の側も大嘘だらけ。
クーロン力とか新しい電極とか聖塩水なんて嘘っぱち極まりないけど異能は新しい脳の力なのでいけるのです。
正直エセ科学書くのは楽しかった。

予約した時の構想:本体熊を兵衛が狙撃して怯んだと同時に、羊に紛れ込んで身を隠していたひなたが狙撃で分身熊を倒すダブルバトル
→ひなたのライフルに弾が入ってねーじゃん、圭ちゃん組はもう猿の時間じゃん 特に後者が致命的で没

実際の投稿:袴田邸組が自力で分身熊退けられたせいで、圭ちゃん組が完全にオチ担当になる
→これで独眼熊が無眼熊になっちまったなあ
予約破棄も視野に入れたのだけれどなんとかなりました。

26名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:50:18 ID:O5j58pBY0
87.それぞれの成果
回想いっぱい挟まってる、大田原パートの探と六華は自信はなかったのだけれど、ほかは誰と話してるのかよく分かる。
各キャラの個性をピックアップして、回想という形で掘り下げと印象付けを同時におこなっていくのは実にうまいやり方。
特に二次創作のパロロワと違ってオリロワって背景が共有されてないから、こういうのが出てくると一段深まっていい感じ。
地味に探が大田原とか成田と並ぶ、頭脳面のエース級扱いになってきた気がする。

天一人だけだったら創の作戦は決まってたんですよね、敵も集団だったというのが悪かった。
そして天についに敵幹部軍団SSOGとしての風格が出てきてしまった。
部隊を運用してくる特殊部隊はこの時点では唯一無二で、これは大田原や成田とは別方向で強そう。
必殺の溶解血液を冷静に寝袋で防いだシーンの絶望感はものすごかった。
いいですねえ、ボスをやってるよボスを。
ただし、戦績的にはスヴィア先生の助け舟で情報をなんとか得られるというすごくいまいちな感じなのが涙を誘う。

スヴィア先生の自傷っぷりは心配になるくらいだったけれど、黒幕知ってるのは予想外だったなあ。
そりゃ自己犠牲全開になるわけだよ、雪菜が暴走特急のように立ち回っているが正直大好き。
特殊部隊相手に『動くな…………ッッ!!』で主導権握ってるところの緊張感が読んでて面白すぎるし、
創相手に感情大爆発したところでキャラとしての個人的な好みが一気にぶち上がってきた。
創作として見る分には楽しいけど現実だと絶対に体験したくない出来事ですねえ。


88.山折村血風録・窮
藤次郎の歪さも茶子の歪さも、絵にすると墨画かつ、顔の輪郭がノイズで歪んだような絵が出力されるんだろうなあ、と思ってしまう。
どちらも一見話が通じる得体の知れないものという感じがよく出てる、なんというか生理的に気持ち悪いので。

藤次郎の強さがあまりに強烈だったので、どうやって勝つのだろうというのが一番気になるバトルだった。
勝子の初見殺しが炸裂して戦力を削げたのもあるけど、哉太じゃなければここまで持ちこたえられなかっただろうな、とも思う。
死合は手を抜いていないのが分かるのだけれど、なんか色々発破かけたり挑発したりと、殺すだけなら不要なことを哉太相手にたくさんやってるので。
心の底では止めてほしかったんだろうか、とすら感じる。
けれどトドメを刺したのは哉太ではなく茶子であり、その手段が銃の横槍であり、最期に投げかけられた言葉が王仁の言葉と同じというあたり、侮辱度が高いと思う。
ただ、まあ彼のとった行動は独善そのものだし、末路は因果応報だと思った。
老害と罵られるのもやむなし。

勝子の死に様、本人は満足したように見えるけど、ちょっと怖かったな。
知らない間にリンの道具として使われて散り、それをお互いに認識していないのが悍ましい。
致命傷を与えたのは藤次郎だけれど、リンが殺したと解釈しても通じるんですよね。
尊厳を食い散らかすプレデターに成長していってる感じがすごい。

あと、在りし日の厳一郎が圭介みたいな性格してるの、いいですね。
あの親にしてこの子あり、みたいな言葉が浮かんでくる。
厳一郎が山折村の最も大きな闇を知ったうえで研究所を誘致したと考えると、いろいろ見方が変わってくるなあ。
藤次郎もこれを知っておきながら、47話で研究所引き込んだ欲呆けと言ってるが、ここもちょっと見方が変わってしまう……。

27名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:51:27 ID:O5j58pBY0
89.対特殊部隊撃退作戦「CODE:Elsa(仮)」
ついに来た花子と真珠の因縁の対決。
といっても、実際に因縁あるのは真珠だけっぽいけれど。花子からしてみれば、ただの勝ち逃げですからね。
この作戦、花子チームから見ればそれなりに理にかなった作戦なのだけれど、真珠視点だと屈辱だろうなあ。
立案もメイン作業も花子じゃなくて海衣だというのがきつい。
実際はだからこそ真珠にクリティカルだったわけだし、仮に天あたりが裏技使おうとしたら花子がメインで出張ったのだろうけれども。
氷の彫像として四海に広がる晒し物のオブジェと化したのもきついなあ。そりゃ行動方針に氷使い殺すが追加されるわ。

海衣はこれで四回も特殊部隊の撃退の経験を積んで、もりもり経験値を得ている。
花子のサポートありといえども、花子とだいたい同格の真珠を撃退できたのは大きいと思うんだよな。
海衣に立案と実行をメインで任せて、珠にも覚悟を促す采配をおこなう花子は実にサーバントリーダーらしい。

与田センセ、ちょっといいこととか正論とか言ったんじゃないかと思ったら毎回しょぼいオチがついてくる男。
聞き手のジト目が見えるし、花子以外からもそういう人だという雑な扱いになってきてる気がする。
彼は、ずっとこの調子で立ち回っていきそうだなw


90.未来福音
雪菜と創の間の亀裂が渓谷レベルに広がるんじゃないかと思ってたのだけれど、持ち直したなあ。
後戻りできるのは今だけなので、このタイミングで親友からの説得が来たのは納得というか、今しかないよね。
叶和は以前も出てたし、布石を昇華させるならタイミング的にはベストだと思う。

結果、雪菜が二重異能者になったけれど、熊が別ルートから疑似異能使って暴れてるわ、月影がまんま血を吸って異能増やしてるわ、花子や圭介は進化してるわ、
八柳の爺様にいたっては素で三人分くらいの強力な異能持ってるわで、全然アドバンテージを得た気はしないw
袴田の異能が夜帳にいかなかったのは、きっとサヴァン症候群を夜帳もはすみも有していないからですね。

烏宿副部長はなんかいろんなところで暗躍してるなあ。
これ、ラストのカギかっこと一人称からして、人間として生まれた烏宿暁彦に何かが憑いてるような印象を受けるけど、部下の豹顔はどこの出身なのだ……。
大量にワードが出てきたけど意外と初出は少なくて、4つ……依代は初出なのか既存なのか怪しいけど。
ただの享楽にしては保険とかいうワードがあるし、まだまだ彼らの意図は読めないね。


91.対感染者殲滅構想「OPERATION:TD」
あからさまですけどタイトルは花子の作戦名パロディ。
自衛隊というか軍隊はなんか『オペレーション』を多用するイメージがあるのでそちらで。TDはご存じタワーディフェンス。

成田が殺人嗜好を持ちながら、秩序の守護者としてその危険性をSSOGの枠内に収めているなら、
天は博愛主義でありながら、秩序の守護者としてSSOGの枠内にまで非道さを広げている、そんなイメージ。
その辺は素でぶっちぎってるのが小田巻ですかね?

せっかく彼にしか出せない成果を求められているのなら、SSOG全員にバフをかけてやろうということで今回の構想に至る。
真理のシロを確定させて味方につけられるメリットはそれなりにでかいので、真理の暗殺の密約はしたけど確約はしない。
一方でシロ判定にどれだけかかるかも不明なので、悠長に全員判別は難しいかなあ、と。
第二波リスクは情報の少ないこの段階ではかなり現実的だと思うので研究所に行かせたわけだけれど、
そのおかげでスヴィア先生が死にかけてるのに重要そうな立ち位置になってしまった。
逆に碓氷先生は本当に物語的な重要性がゼロのまま立ち回るの、ようやるよね。

春ちゃん視点だと、パスが勝手に全部そろう、研究者が勝手に送られてくる、自分に逆らった大逆人の首が届けられる、ということに。
彼女のRTAはどこまで加速するんですかね?

28名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:52:01 ID:O5j58pBY0
92.空から山折村を見てみよう
酉が鶏のイメージしかなかったので、何が出てくるのだろうと思ったら普通に鳥だった。鳥なら強いw
うさぎの動物の脳を調べるルートがひなたに引き継がれたのは驚いた。
この子外道じゃないけど血筋もあるし異能にワクワクしてたので、そのルートが開いたか、と納得。

そうなれば、恵子が殺害されてる上に下手人がうさぎの身内というのは不穏だなあ。
藤次郎→岳もだけど、仲間を身内に殺されてるパターン多いぞ。

うさぎのに限らず異能の原理は分からんのだけれど、使い魔じゃないなら本当にどこからやってきたんでしょうね?
というか竜が出た時点で異世界産なのでは、みたいな予想がよぎったりはする。ちょうど神社の真下が異世界ワームホールだし……。


93.Monster Hunter
独眼熊がついに勝った! 最強ランキングが一気にひっくり返った!
人間相手に五回も敗北したうえで、初勝利が大田原、それもまぐれではなく綿密に計算した上での勝利というのはとても大きい。
これは紛れもないターニングポイント。

知恵を得た山の王者独眼熊を、海の王者シャチに例えるのはとても巧いね。
あそこでヒグマそのものの脅威も持ち直した感がある。
大田原自身にも不自然な弱体化とかは一切なくて、これは騙されても仕方ないなあと思えてしまうくらいの鮮やかな策だった。
独眼熊は弱点も強みも盛り盛りなので、最終的には何とか落とせそうに思うんだけど、そう思えるのも独眼熊の手中なのだろうか。
でも素で異能の発現を勘違いしてるポカをやらかしてるあたり、まだ付け入るスキのある強者、といういい塩梅の立ち位置になってる気がする。

大田原が異能に適合したのはびっくりしたけど、『餓鬼』はかなりリスクの高い異能で、ジョーカーとしてシンプルに強化が入ったのかは測りがたい。
この異能のデメリットがどれくらい大田原のスタンスに受け入れられるのか、次第なんだろうね。

独眼熊にも人間関係もとい動物関係があったというのが意外だった。
孤高ではあるけど孤独ではなかったんだなというところに、少ししんみりする。まさに奇妙な友情という感じ。
勝子がスーツ着た二足歩行熊なんて知らないと言ってるけど、風さんならそれできそうというあたりがなんかもにょもにょするw


94.ヤマオリ・レポート
さりげなくお出しされる山折村住民の価値観のぶっ飛び具合。
まあ子供のころから遊んでるなら、そういうものとして受け入れるのもそりゃそうか。

色んな作者が小出しに出してきた山折村の闇、よくあれだけの断片的な情報をこうもうまくまとめられたなあ、と思う。
研究所は新興組織というけど、そこの開発トップ層こそ当事者な気がしてならないぞ……。
梁木は年齢からしても烏宿暁彦との関係からしても、実験のことは知ってるのでは……? との疑問を拭いきれない。

厳一郎たちが覆い隠すのも無理ないと思う一方で、藤次郎の山折村滅びるべしは、やっぱり若い衆は関係ないじゃん……。
そして世界を救う研究、なんか異世界のほうに厄モノを押し付けようとしてないか? くらいに思えてうさんくさいw

茶子は底の知れないキャラだったけれど、なんかいい感じに固まってきた気がしてきた。
村を狂わせる筆頭3つが完全に私怨なあたりがなんか個人的にポイント高い。
そしてそのあたりとは別個に四人の人間関係がめちゃくちゃぐらぐらしてて危ういなあ。
色恋沙汰の四角関係が合わさって、哉太の胃が死にそうだ。

29名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:53:32 ID:O5j58pBY0

95.THE LONELY GIRLS
クマカイが成田とぶち当たったことで、茜たちとの再会フラグ回避したかなー、と思ってたけど逃げられなかった……。
この一人一人のちょっとしたミスが積み重なって取り返しのつかないことになるの、運命してるなあって感じ。
海衣が暴走したときに、花子が情と利の両面で説得したりとか、過度に責任に踏み込まないで場を収めるのとか、この辺が地味にエージェントって感じがして好き。
そして海衣はまだまだ青いながらも、徐々に覚悟を固めていっているなあ、と。
なんか花子の一番弟子みたいな状態になってきてるわ。

クマカイ、地味に連敗続き。
彼女の撤退の理由はおおよそ野生にない概念で初見殺し食らっての撤退なので、淘汰の印象が強いのよね。
特殊部隊やエージェントにばかり当たってるのは本当に運がないのだが、本人が強者優先なのでそれでいいのだろうか?

一方で独眼熊くっそ楽しそうでほんわかするw
いやー、そりゃクマカイも軽蔑すると思うよ?

猟師は猟師でも、独眼熊が進んだのはスポーツハンティングの道だね。岳や兵衛よりも成田に近い。
人里と野生の境界を守る門番ではなくて、動物を絶滅させるほうの猟師よね。
そんな新生独眼熊に成田をずっと付け狙ってた狩人のクマカイが殺されるのは、なんともいえない皮肉が何重にも効いてるなあ。

ところで与田センセ、前の話で珠に若い白衣のお医者さんのこと聞かれて、あいついきなり主任なんでいやっすよねーって愚痴ってたのに、
今回の話ではそのこと気にも留めてないの、ほんと関係なさそうなことに興味ないんだなとにっこりしてしまう。
どんな重要情報握ってたとしても、関係ないと思ってたで通りそうだな。
スヴィア先生とバッティングしたら花子からの扱いがさらに雑になりそうw


96.ムッシュ月影の夢想食紀行
変態紳士登場。月影がとんでもなくキモくてやばいw
フルコースの解説が本格的なあたりが輪をかけてキモい、このフルコース構想って絶対一朝一夕の思いつきで作ったやつじゃないでしょw
キモさは気喪杉がぶっちぎっていたけれど、月影が猛ブーストかけて追いつこうとしている構図だと思う。
お手本のようなステルス具合で立ち回ってきたのにここでハジけだしたのは、お手本のような慢心。
少女の吸血に成功して、美女を侍らせたら、自尊心が天井知らずに上がるのは男のサガなのか……
というか月影さん過去に恋人いたのが一番びっくりだよ!

はすみも結構気持ち悪いですね、性格はそのままなのに信仰対象を月影にずらしただけでここまで印象が変わるのか……となる。
この気持ち悪さは吸血される前の人格者ぶりを知っているからでもあるのだけれど。
月影のキモさは笑えるんだけれど、はすみの気持ち悪さはどことなく嫌悪感あるね。うさぎが見たら泣きそう。

歪な二人と違って、創と雪菜の健全な関係は対照的。
偽りの信頼と真の信頼といういい感じの対比になってると思う。
創の健全ぶりを見てると真っ当に頼ってよさそうな安心感があるね。
花子組に次いで安定感のある二人だわ。

あと、遙とMs.Darjeelingの軽妙な掛け合いは好き。
次の話で最強の歴史を書いたので、その人がたぶん下の階で任務してるときに最強合戦してる二人になんかじわじわ来てしまう。

安遠の解像度がムダに高くて笑ってしまった、こういう人いそうよね……。

30名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:55:55 ID:O5j58pBY0
97.司令部へ
コードネーム、最初はお遊びで出したんですけど、拾っていただいた結果、メインは広川以外全員出ちゃいましたね。
blackpearlは黒真珠というバラの品種、forget-me-notは勿忘草、地味に天はフキタンポポ(公平な正義=天秤)とどちらにしようか迷ってた。

本当は成田も出せれば綺麗だったんだけど、司令部と連絡とる用事がまったく思いつかなかったのでスポット出演止まり。

たびたび出てる天が犠牲者を忘れないという描写、理念真逆のSSOGにいる事実、このあたりを掘り下げると彼はきっと理性の人であり、
どんなに過酷な状況でも、犠牲を伴う作戦ですら理性で判断できるのだろう、という方向に進んでいく。
カタログスペック上は一番戦闘力が低いそうだけれど、彼もまた特殊部隊の精鋭ですねえ。

真珠は年齢的にはまだ若いのに結構なベテランっぽい書き方されてるので、入隊可能な年齢で即入隊したんだろうな、と理解しての奥津や天国一派との邂逅ですね。
自省はさせたけれど、個人的に選択ミスというよりは巡り合わせの結果論でしかないとは思ってます。
本当にみかげと知り合いならば選択ミスの割合高いけれど、みかげの洗脳がまだ効いてるあたりにバグがある。
前の話で最強が出たんで、純粋な戦闘力だと花子<遙<茶子≒真珠<風雅<大田原くらいかなあ、と考えたら
遥が私は最強と言ってる村内ナンバー5以下になってしまってすごく微妙な感じになってしまったw


大田原の過去は、87話の探との会話をとっかかりに作成したもの。
自身も勝利か敗北で一皮剥けたんだろうな、とか、求められた役割を果たすための解を自力で見つけ出したんだろうな、とか。
一等陸曹昇進の激励とともに最強始動、というのは、儀式感があってかなり筆は乗った。
そしてこれだけの意志力と精神力を兼ね備えた、しかも一度は死を覚悟した精鋭が飢餓で理性は失わないだろう、とも思ってます。
ただ、あの異能は代償が危険すぎるので、まさに本人も与り知らぬところで爆弾と化してて怖いですねえ。

吉田が前最強なのは、明らかに何十年もSSOGやってそうなのと、キャラシで得体が知れない感じだったので盛っていいだろうと思ったので。
今は穏やかだけど昔はバリバリの鬼教官みたいな立ち位置を連想してしまいますね。


98.山折村の歴史
茶子の壊れ具合に戦慄させられたあとに、真の狂人をご覧あれとばかりに満を持して登場した春姫様、相変わらずスケールの違う狂人ぶりを発揮しておられる。
正面切って戦えば絶対茶子のほうが強いのに、存在そのものの格が違っている気がする。

ただ、普段モードの幼珍獣っぷりも健在で、カリスマあるのかないのかよく分からん趣深いキャラになってるなあ。
ッターン!とか絶対この人やるわ。
先達面して歴史を添削するのがかわいらしすぎるんだわ。
論文よりも絶対役に立たない歴史書を優先するあたりがフリーダムすぎるんだわ。
そろそろいっぱい集まってきてるけど、身内でも狂人でもない人たちは彼女にどう接するのだろう?

地味に気になってたHE-028-Bの正体が明らかになってたけど、48時間経った後のウイルスなのね。
信号の影響範囲が異様に広かったり、第二波が起こることはなかったりと、細かい仕様が明らかになったので突入組は荒れそうだ。
世界を救う研究の真意もまだまだ謎。

村の歴史は、なんか実際にありそうな歴史。
丸ごと流刑地な土地とか結構多いですしね。

病檻も厄檻もしっかり拾って繋げてるのはさすがの緻密さ。
水害の多い地名が漢字だけ変わって現在まで伝わってるのってよくあるし、その類な気がする……。
戦時中のアレだけは擁護できないのだけれど、江戸時代〜大正時代の平和ぶりをみると、個人的には普通の村って感じがしている。

31名無しのゾンビ:2023/09/23(土) 20:56:46 ID:O5j58pBY0

99.昼月堕ち、羽朽ちる碧い鳥
このタイトル、浅葱碧と青葉遥と上月みかげをほんのり混ぜて割ったような不思議なタイトル。

青葉はいつか圭介のゾンビ軍団に入るだろうな、という予想はしてたので、ついに来たか、と。
確実に村にいて、戦闘力的な意味でも、花子や創の関係者という意味でもおいしいので。
パワーだけなら風雅なのだけれど、剣術を知ってるという意味では碧はゾンビ軍団の中では特に強そうだなあ。

そんな感じで圭ちゃんの精鋭ゾンビ軍団がガンガン強くなってるけど、圭介の精神のほうはもう限界が近そう。
幼馴染グループの死体発見がついに来た。
みかげが誰を好きなのかという、本来墓まで持っていくはずの秘密を自分の手で暴いた結果、
恋人の前で好きな人間は圭介ですというのを知らされるの、これはきついですね。


みかげは脳破壊されることなく往生したわけだけど、そこの衝撃が数重の冒涜とともに全部圭介にぶち当たった感じ。
読者としても、ここの関係はもう大きく触れられることはないだろうと思っていたので、読んだ時衝撃でしたわ。

風雅の言葉は耳が痛くなる指摘だけど、一番聞きたくない言葉だから一番嫌いな風雅に言わせてるんだろうなあ、とか考えたり。
そして次話の展開考えると、この自問自答は深みにはまっていきそうな気配がしてて怖い。


100.正しい答えはどこにもないから
夜帳が前の話でハッスルしてたので、なんかガバい偽装工作されてるんじゃないかと思ったら、意外にも堅実で驚く。
書き置きの文体が村の状況に対してあまりに事務的で、仮に恵子の死体が見つかってもはすみを被害者側と解釈させられるのはうまい書き方だなあ、と。
この文面、絶対はすみの熟思の結果でしょw

92話じゃひなたの不穏さが出てたけれど、ワンちゃんに目を輝かせてたりサムズアップで応答するあたり、まだ精神力の限界には達してなさそうではある。
というかうさぎがいい感じに引き戻してくれてて、ひなたはずっと同行者に恵まれている。
99話と100話、守りたい人を失ったのに対して、一人ぼっちだったか同行者がいたかではからずもいい感じの対比になってそうな気がする。
なんかフラグや因縁で緩く繋がってる人たちが役場のほうに集まってて、村の南部が一気に不穏になってきたなあ。

イイ感じの話なのに、
> ――――お父さんなら、どうしたんだろう。
ここだけ絶対ロクでもない答えが返ってくるの、本当にイヤだよw

32名無しのゾンビ:2023/09/24(日) 01:58:04 ID:Ce2yN2J20
※業務報告
固有名詞の誤字をwiki内で訂正しました。

14話
字蔵誠蔵→字蔵誠司に訂正

37話
鳥宿→烏宿に訂正


44話、68話
スヴィア・リーゲンベルク
スヴィア・リーデンベルク
→スヴィア・リーデンベルグに訂正

75話
真里→真理に訂正

89話
水月さん→氷月さんに訂正

101話
興津→奥津に訂正

33名無しのゾンビ:2023/10/30(月) 02:04:17 ID:visMHG0U0
101.第二回定例会議
真田が線の細い優男から一気にインテリマッチョに化した回。
ここ数回、放送回の前出し情報をちょくちょく出したと作者さん言ってたけど、確かにその通りにまとまってるなあ、と。

医療目的という線からすると、彗星に追随して宇宙から同じ性質を持ったウイルスが地球を襲う、とかかなあ。
ウイルスに一度感染すると抗体ができるらしいので、正常感染者を増やそうとしてるとか?
ワクチン方向に決定するには、Z計画とか脳の拡張研究がその方向じゃなさそうなのでもっと別の目的はありそうだけれども。

しかしここに来て研究所とSSOGが手を組みそうになるのは予想すらしてなかった。
政府上層部も一枚噛んでるせいで、思った以上に話が広がってきて、村人個人でどうこうなる話じゃなさそうねえ。


真田とか染木の掘り下げもされてきて、得体の知れない主催ポジションからは徐々に外れてきた感じがある。
染木ですら烏宿がノーマークっぽいのは意外だったなあ。
放送の仕込みで裏でつながっているんだと思ってた。演技の可能性もゼロではないけど。
烏宿のほうは天国の一派とか人間ではない私兵らしき集団とか、研究所の二人も把握してない戦力もありそうで、力関係とかどんな感じなのだろう。

積極的に村人殺してる一部村民ってほぼ藤次郎、次点で薩摩なので、ワケの分からないヤツ扱いに草が生えてしまう。
気喪杉は進路上だけだし、ワニとか熊とかの野生組はワケ分かるほうだし……。


102.「会議を始めましょう」
怖い、怖すぎるw 僕こんな会議に招かれてたら、絶対Zoom画面の端っこで顔だけ映してる人になる自信がある。
茶子とアニカのギスギス関係もイヤだけど、リンの気まぐれもめちゃくちゃ怖くてなあ。
今でこそアニカに同情的だけど、この子は思わぬところに地雷があるのが怖すぎる。
会議に招かなかったのもやむなし。

次の話も含めて、哉太、スヴィア、海衣とメンタルブレイクしてる人たちが立ち直っていくけれど、一番純心なのはここだな。
茶子は哉太絡みだけは100%信頼できるので。

夜帳と誠吾に気を付けろとは言ってるけど、夜帳はともかく誠吾と比べれば茶子のほうが信用できないような……。
茶子は哉太絡んでない場面だと都合のいい情報のピックアップ出力と思考誘導が多すぎるんよ。
ほんと『哉太の味方』というポジションを徹底してるなあ、と。

『まず自分を疑え』の口癖の大元は晶として、テクノクラート時点だとかなり敵対寄りの関係に見えたが、今はどんな関係なのだろう?
外部の人間の素行調査してるということは、この人花子なんかも調べてそうだけど、この辺の曲者はどんなふうに見てるのだろう?
逆に元々村民の烏宿とか雇い主の烏宿なんかはどれくらい調べてるんだろうか?
隠山いのりのことまでたどり着いたのもあって、彼女何を知っていてもおかしくないポジションになってる気がする。

隠山いのりは、隠山家にとんでもない爆弾が降りかかってきたなあ。
神社関係者がカギになるのかそれとも厄災に関わるのか、いろいろ不穏な幕引きだね。

34名無しのゾンビ:2023/10/30(月) 02:04:47 ID:visMHG0U0
103.研究所へ
哉太に続いて海衣もアツい激励をもらってるなあ。
個人的に主人公格が哉太、海衣、圭介と思っているんだけど、そのうちの二人もの迷える若者が年長者に導かれるのは王道。
研究施設という敵陣に乗り込む直前にこのイベントが入ってくる流れも美しい。
スヴィア先生も被激励枠なのだが、こっちは碓氷先生の外面の取り繕い方のうまさのほうに目がいってしまう。
特殊部隊側からも村人側からも言い訳が立つ位置を確保してるのは職人芸の領域だなあ。
会うことすらなく真珠から信用できないリストに入れられてるのは笑ってしまったけれども。

スヴィア先生が錬か晶つながりのパスワード入れる展開はどこかで絶対あるとは思った。
PCのロックかなと思ってたけれどこっちだったかー。

放送スイッチかちかちがモールス信号だというのは分かったけれど、その救援要請の暗号文の作り方は、おおっと思ってしまった。
この秘密の会話はいかにも秘密特殊部隊って感じがするし、研究所のセキュリティ切り抜けと後続への諸々も、何もかもプロフェッショナル。
天の丁寧で迅速、かつ抜け目のない仕事ぶりが示されてるわけだけれど、ここに真理に真珠という駒が加わるとなれば、これは脅威そのものだなあ。
天と真珠、どちらも単独では花子にかなわなかったわけだけれど、リベンジなるのだろうか?
村人側は個々の異能が進化してるけど、特殊部隊側も異能付きの名簿に新装備という強化が施されていて、これはもうどっちが勝ってもおかしくはなさそう。

> 「――――風が動いたか」
> その呟きもいつも通りの無意味なものに終わるかと思われたが、
正直、ここの容赦ない突き放し方には笑ってしまった。
薄々思ってたけれど、春姫はオリロワZのマスコットだと思うのだ。
あと春姫どうやってセキュリティ突破したんだろうと思って読み返したら、身も蓋もなくて笑ってしまった。

104.血塗られた道の最果て
圭介は母親を登場話で地下に閉じ込めてるんですよね。
ならば、非戦闘員かつ傷つけたくない人間を誰もこない場所に隔離する手を思いつかなかったはずがない。
少なくとも珠やみかげのゾンビに会ってたならそうしたでしょう。
じゃあ、なぜ光を連れ回しているのか、特殊部隊に二度もまみえて死にかけていたのに連れ回す理由があるのかと考えると、
これから犯す罪に対する役割を求めてしまったんじゃないかなあ。
カウンセラーか母親か、それとも行動の後押しの役割か、あるいは全部か。
光を助けたかったのも本当だろうし、守ろうとしていたのも本当だろうけれど、
やっていることは村人に対するそれと同じで根本が矛盾している。

これまで強い運命力で強力な武器、元友人との邂逅、異能の進化、強力な駒とトントン拍子に進んだけれど、
みかげの死でその虚飾が剥がれてしまったなら、この運命もあるだろう、と。

成田が勝てたのは相性と時の運ですかね。
美羽の弱点を知っていた上で実際に酷使されていて、大田原と同期なら白兵戦最強との訓練も実施してて・・・みたいなところ。
あと八柳流のスリートップ(山籠もり済)の天二に大田原が二手分上回って勝てるなら、成田も碧に勝てるだろう、くらいのバランスで考えてます。
そのうえで、美羽みたいな超人的な身体能力はないまま、あくまで広川よりちょっと強いくらいの身体能力、という感じで。
洞察力とか集中力が人間か? というと怪しいのだが……。

35名無しのゾンビ:2023/10/30(月) 02:05:17 ID:visMHG0U0
105.いのり、めぐる
茶子が墓荒らし扱いされておる……。

感情が理性を上回る大田原と、ナニカの意志を理性で抑えつけたり同調したりしてうまく付き合っていく独眼熊。
実力トップクラスの二人、色々と対比とかなぞりが入ってるよね。
過去編で熊に敗れる武士団が出てるのも、独眼熊に一度は敗れた大田原の暗喩なのだろうか。


病檻時代の山折村、シンボルとして定着した夾竹桃とかなんか出てくる熊とか、春姫っぽい口調の人とかが出てくるのとか、すっごい過去編してますねえ。
人を猿呼ばわりするのは、やっぱり神楽の血族なのでは?
そして神楽家のいう歴史もだいぶ歪曲されてるような気がする。そのあたりのベールも剥がれていくのか。

特殊部隊を朝廷から派遣された武士団と呼ぶの、言葉一つで異質な特殊部隊を山折村の世界観に取り込んでいてすごいと思う。
熊と大田原が再度対峙したときのセリフ、それぞれ既出のセリフで〆てるのがいかにもリベンジマッチって感じで好き。

36 ◆m6cv8cymIY:2023/11/30(木) 01:40:17 ID:BOfyiG2c0
※業務報告
108話の人称のブレをwiki内で修正し統一しました。

碓氷のセリフ一ヵ所
日野さん→日野

スヴィアのセリフ三か所
珠くん→日野くん

与田のセリフ一ヵ所
海衣さん→氷月さん

37名無しのゾンビ:2023/12/05(火) 00:22:13 ID:K5m1PBFk0
106.Z計画の全容及びそれに伴う世界の現状について
与田センセ、お前出生も役割もそんな重要な位置にいたんか……。
出生を予測するのはさすがに無理ゲーだけど、地下三階に行ける男だったというのは気付けたはずなんだよなあ。
与田が動物の餌やりの仕事してたことは覚えてたのに、研究所3Fをリレーすることとか当分ないやろで地図適当に見流してて気付かなかった。悔しい。
物語上じゃ最初の放送なんていう重要な役割を任されているのに、パス偽装に代表される扱いの雑さでやはり与田は与田だと再認識できてしまうのが管理のうまさ。

『敵は宇宙からやってくる』なのは前回放送で読み取れたけれど、リ・テラフォーミングまではたどり着けなかった。
宇宙由来のウイルスに対抗するためのワクチンかなんかを作ってるんだと思ってた。
でも読み返せば確かに脳が世界に与える影響と言ってる。世界観の緻密さにほえーってなるし、鈴菜が人工地震と言い出したら崩壊する理由も分かったw

花子の任務がや人愚なのは確かだけど、全部開示したことでチームの結束は固まったんじゃないかな。
花子自身が根底は善性の人だというのと、若者を導く大人として信頼を培ってきた結果だと思うの。
花子が割とおとなしい印象を受けるのだけれど、どう転んでもその先を受け入れる覚悟ができてるだけなのか、春姫の異能の影響でも受けてるのか……。

資材管理棟のネーミングにとてもセンスを感じる。そうか、資材か。
花子と錬と、どちらもロクでもない任務をしょってるのに、花子は受け入れられて、錬は見苦しく聞くに堪えないのは書き方の巧だなあ。
読んでても狂信系テロリストそのもので、どこまでも独善的。
ところで、『仕方ない』の言葉だけ数えてみたら、実は哉太にキレられる前に二回しか使ってないのに驚いたよ……。

特殊部隊組は完全に考察班みたいなことやってますね。
さすがはプロだけど圧倒的に大元の情報が足りないな、と言わざるを得ない。
真珠はあんだけフレンドリーに話しておきながらほぼ透明色なところに得体の知れなさがあって怖いなあ。
スヴィアがこの話を通じて一言もしゃべってないので、裏で何かしら考えてるんだろうとかも思ってはいた。

あと、烏宿副部長がきな臭すぎる。この人そんな世界を救うみたいなキャラなのか……?
錬の情報だって、すべて副部長から降りてきたものでしょ?
錬としては④『やらなければならない事情がある』からVH起こしたんだろうし、
梁木は①『研究所に何か大きなリターン』を得られるように放送を流してるんだろうけど、
烏宿副部長としては③『リスク自体がリターン』でも驚かない。
研究所のほうはSSOGによって救われるにしても、山折村を潰したい、があるならほぼ目的達成だしなあ。
主犯というリスクの踏み倒し方法も、なんか存在しているのでは……?

38名無しのゾンビ:2023/12/05(火) 00:27:22 ID:K5m1PBFk0
107.呉越同舟と、その先
近場で銃撃がおこなわれてる緊迫感、いいですよね。
一気に非日常に引き込まれるこの感じは好き。

天を見上げて呻く創やはすみからしか得られない栄養素がある。
誰もが、何を言いだせばいいのか分からないほどの重苦しい空気からしか得られる養分がある。
圭介のゾンビ戦法発覚からの敗走、ゲームセットの銃声二発が響き渡ったとき、
その重い空気にどれだけの感情が含まれているんだろうと思うと胸の奥が熱くなってくる。
そこからの発憤興起、恐ろしい特殊部隊相手に打って出る選択は素直に応援したくなるなあ。
哉太や圭介のところとは違って、一度は折れかけたところからの再起って感じでまた別の主人公感がある。
雪菜も最初のころからは考えられないくらい前向きになってるし、その姿を生き延びたときの恵子と重ね合わせるのがとてもいいよね。
> 銃で撃たれて
とかそりゃ心配するよ。

少年少女はアツいんだけど、夜帳はなんというか、読んでて笑ってしまった。
ひなたに詰められて、のっけから大嘘付くのも苦笑してしまうのだけれど、
和義の異能の件を持ち出してきて、読者的には確かに話の筋が通るのがうまいよなあ、と。
夜帳自身、言い訳に無理があると思ってるのに、熊の存在があまりに特異点すぎて、ひなたを黙らせる最強カードになってるのは笑っちゃったんだわ。
あの熊は本当になんなんだよw
あと出るたびにショボい醜聞がもりもり追加されていく薩摩も笑ってしまうんだよな。
薩摩ならライフル撃たせてくれ、は絶対にやるわ。

108.話の分かるあなたに
なんとなく話が通じそ〜な曲者たちが、正体不明の誰かと駆け引きをするお話。
返報性の利用だとか、Wokeさせるテクニックだとか、追い詰めて逃げ道を提示するだとか、色々それっぽく組み込んではいる。有効に活用できたかはまた別の話。

謎の敵相手に行う駆け引きは握っている情報量がすべてなので、村人の名簿や先行者の正体に見当がついてた特殊部隊組に天秤が傾く。
誠吾は元来エージェントや特殊部隊と交渉できる器じゃないはずだけど、この極限状態で立ち回り一本に全振りしてきたなら経験値も得ただろう、ということで。
海衣や天がそれぞれ成長してるのと同じようなものですね。ホントか?

この話で一番気を揉んだのは所持品。というかパスによる行動制限が思った以上に厄介だった。
神の視点ならB3Fまで一度降りて警備員の死体から拾えばいいんだけど、特殊部隊がそこでガバいのはマヌケすぎるので、結構苦心した。
所持品といえば天国の首なんかもワープしたけど、あれ偵察には不要というかむしろ邪魔だし、描写ないけど置いていってたんだよーで構わないかな、と。
あと、すっ飛ばしたのは与田先生の異能診断かな。ここでさらに駆け引きするのはちょっと冗長なので……。

スヴィア先生がどこまで聞こえるのかは明記してないけれど、とりあえずエレベーターの中にいれば廊下で話している内容は聞こえる、くらいの感覚。
物語的にこれくらいはアドバンテージあってもいいでしょ、と押し通している。お話的には地震で防音機能が劣化したのかもしれない。
実際、リアルでうちの3Fのエレベーターの中から1Fの話し声聞こえたので問題なし。

与田先生が知らぬ間に罪状積みあがるの勘弁してくれと言ってるけれど、
たぶん真理は知らぬところで、スヴィア先生の背中斬ってサンプルとして人間の生首作った超やべーやつ扱いされてそう。
あとはっきりと書いてなかったことに気付いたけれど、天の発言の根拠というのは、正常感染者の投降の受諾の根拠ではなく、そういう発言をした根拠であり、
『スヴィアの異能は聴力強化と看破していること』がその根拠、ですね。
あの異能超音波がメインなのに副次作用の聴力強化が汎用性高すぎてそっちがメインみたいになってしまっているw

39名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:30:48 ID:G74Hvjpo0
誰かが自爆列車かミサイルでも持ちこんできてくれないかと願ってたわ。


110.炎
成田強かったなあ。あまりに強いので死ぬまでは負けさせられないが、殺せないと格が落ちるのでネームドの強ゾンビをことごとく殺しまくるキャラになってしまった。
死角から放たれたカウンタースナイプを成功させる技量や、ファイナルアタックの無双ぶりの攻めの強さが一つ。
防護服縛りがあるにも関わらず異能バフもりもりの創に決定打を許さない守りの強さが一つ。
次話のアンプル使えば殺しきれたのかもだけれど、一流エージェントに見積もりを致命的に誤らせるという情報開示面の強さが一つ。
この暴れっぷりでキルスコア1とかウソやろ?
実際のところ、ひなたと美羽はほぼ成田が殺害していて、ルールの穴を突いた実質3キルのキルスコア詐欺キャラだった。
SSOGはその能力だけで選ばれた人外集団という前評判にふさわしいボスキャラだったと思う。

> 清濁併せ呑み、それを両立する天秤こそが人間だ。
> それを受け入れ居場所を用意してくれた特殊部隊にはそれなりに感謝をしている。
自分の異常性癖を知覚しているからこそ、居場所を与えてくれたSSOGに命をかけられるという解釈も、個人的なキャラ解釈と一致していて好き。


月影、ロワだと一周まわって珍しい、お手本みたいなステルスマーダーやってますねえ。
特製エナドリに苦言を呈したり、『烏宿さんは……お亡くなりになりました』の言葉だったり、
真っ当にお仕事してる面を見せることで首の皮一枚繋がってそうなのが好き。
欲と理性の二面性はコントロールできるからこその秩序であり、できないからこその殺人犯なんでしょうね。

バトルとしては次々に状況が変わっていく読み応えのあるバトル。
成田と圭介の一方的な逃亡劇から、創が到着してのタイマン、場外狙撃とカウンタースナイプ、異能のバフ切れに圭介参戦、
ガタガタ連携による不和に哉太参戦、三対一での勝利とファイナルアタック、
一戦の間に優勢劣性が目まぐるしく変わる戦いは鮮度が落ちず、面白い。
状況が変わったことで、圭介と哉太の関係性がどう変わるのかというところも見どころとして機能してる感じだなあ。

40名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:31:28 ID:G74Hvjpo0
109.巣食う影
大田原リベンジならず。
怪物に打ち勝つ術は、俺自身が怪物になることだ! と言わんばかりに、
極限まで鍛え上げた肉体のみで正義を執行しようとする大田原はものすごくかっこよかったんだけど……。

肉体と技術で上回っていても、精神が追い付いていない時代は吉田に勝てなかった。
そうであるなら、理性に不調をきたし、精神を蝕まれ、そして日本最強の称号を捨ててしまっては勝てないのは道理。
熊のほうは大敗を糧に度重なる勝利を得て精神的な弱みを払拭・克服しているだけに、この勝敗は悲しいことに自明の理だと思った。

>「………なぜ鬼神の如き強さの使い道を違えたのだ、戯け」
とか言ってる独眼熊、いきなり後方師匠面し始めるの笑っちゃった。
お前は大田原のなんなんだよw
どう考えてもお前を殺すための強さだろうw

茶子はあんなに嫌ってた藤次郎みたいな独善に染まってきている……ように見えて、何かに憑りつかれてるように見えたなあ。
が、運命に微笑まれているのかなんなのか、目的地に到着したころには手を汚す理由が消えているという謎の運の良さw
これ茶子本人と哉太にとっては救い以外のなにものでもないですよね。

山折村はサイコパスの跋扈するデッドライジングの世界だと思っていたのだが、
タイラントポジションと化した大田原と怪生物ポジションと化した熊のせいで、研究所だけバイオハザードの世界と化してしまった。
この怪物たちに勝てる方法は思いつかなかったな。
誰かが自爆列車かミサイルでも持ちこんできてくれないかと願ってたわ。

41名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:32:23 ID:G74Hvjpo0
111.いろとりどりのセカイ
名探偵アニカと、哉太VS圭介の殴り合いは、見たかったところをピンポイントで魅せてくれたと思ったなあ。
親友同士がいがみ合ったら最後は殴り合い。王道中の王道でしょう。
こんなに主人公してるのに、創と哉太にはヒロインがいて、圭介のヒロインは死んでるの、なんの悪夢なんだろう。
見せつけてきたのが他の誰でもない、子分だったはずの哉太だからこそ致命的に堕ちたんですよね。
創だけだったらこんなことにはならなかっただろうと思ってる。

月影はキャラシの段階で連続殺人犯なので、アニカに見破られるべき役割をきっちり果たしたんですよね。
推理の解決編のみどころといえば、悪あがきをする犯人をいかに追い詰めていくかにあると思うんだけど、
今回はそポジションがはすみなんだよね。
この人なんか圧があって、月影よりも大物犯人っぽいのがくすりとくる。
ここのシーンだけで、はすみのビジュアルはニコニコ糸目で固定された。
今話だと当然開いてますよね。顔に影がついてそうだし、普段の間延び口調はドスが効いてそうですね。

真犯人の夜帳も、なんか哀れっぽい過去編が挟まれたり、最後に自滅したり、とても犯人ポイントが高い。
すぐ直前に成田の生き様があったわけだけど、この二人うまいこと対比になってるというか、出会えたのが成田で出会えなかったのが夜帳なんだろうなあ。
灰しか残らない末路は自業自得、だけどどこか哀愁が残るいい最期だったと思う。

魔王。セリフのあちこちに滲み出る慢心魔王具合。
一応の真の黒幕なんだけど、自分がちゃぶ台返しされるフラグがありありと立っている。
たぶんこれが一番早いと思いますとばかりに速攻でフラグ回収されてしまったのは芸術みすらあるが……w
僕はこいつを倒す方法が無限復活春姫くらいしか思いつかなかったのだが、まあよく倒せたよと思う。

それにしても山折帝国のセンスはすごい。
この一語だけで、こいつもうダメだ感がありありと伝わってくるw

112.運命の決断を
花子と梁木博士の交渉術、安心の構成センス。
人道という言葉を引き出しておいて最後に人道で〆る流れ、物語の構成として美しくて好き。
梁木博士ってこういう粋なやり取りをするとちょっと判定甘くなるイメージがあるw

あと、個人的に、『 与(4)、田(0)、四(4)、郎(6)』が大好きだった。
読者でも速攻で普通に覚えられちゃうガバガバセキュリティ。
花子の与田への容赦ないツッコミはいつ見てもほんと好き。

女王感染者を治療する方法、ある意味シンプルだけどなるほどーっと思った。
創の異能では治らなかったからノーマークだったんだけど、自前の治癒能力との併せ技でいけるのかー、と。
そして地味ながら、この話で一番すごいと思ったのは脳の解析描写。
こういうの、どうやって取材しているのだろう? と不思議に思う。

春姫、ここに来ても一切ブレないキャラの立ち方だよね。
物部の頭蓋骨を聖剣で割るのとか、扉の鍵を聖剣でぶっ壊してるところから何も変わってないもんな。
> 全てを見届けるが妾の務めよ
とかをはじめとした、カッコいいように見えてこいつは何言ってるんだ? の雰囲気はもはや癒しではなかろうか。

42名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:33:21 ID:G74Hvjpo0

113.対魔王撃滅作戦「Phase1:Belladona」
魔王フルボッコの巻。魔王と呪いがウイルスと免疫機能みたいなことになってんな……。
魔王どうすんだこれ、だったのに、なんとかなりそうだなと一瞬でてのひら返った。

茶子は、ちょっと前までこいつやべええっ! みたいな言動してたのに、夜帳もはすみ会う前に死ぬので一切手が汚れない。
しかも魔王なんていうレイドボスのメイン盾張ってたせいで周りからの信頼も厚い。
危険対主催ルートがことごとくルート潰されてるのはなんなんだろう……?

それはそれとして、味方になったときの茶子の安心感がすごいなあ。
『でもアイツ聖剣から逃げたんだよな』は確かに思ったんだけど、手心なくストレートに言われると魔王が気の毒に思えてくる。
作中通して茶子の煽りレベルが高くて、魔王が煽り耐性皆無なせいか、茶子勝利のゴングがずっと鳴ってる状態だった。
魔王は魔王で一級フラグ建築士の資格でも持ってるのか、発するセリフの一つ一つが特大のフラグになってるのでかなり笑えてしまう。

> 呪いとは言っても大したことはあるまい。オレの世界では何人もの呪術師がいた。
> この世界ではコードが全く違うが、似たようなものだろう。丁度いい学習教材だ
こことかフラグがデカすぎるw

圭介、映画じゃないジャイアン級のクズっぷりを発揮していて、なんで今まで見限られなかったんだ……? とこの時は思ってた。
後編読むと、哉太を殴り殺そうとしたシーンは本当にあったことなのか怪しく思えてきた。
121話のネタばらしで、ああ、そうだよねと納得いった。

ただ、リアルタイムで読んでたときは、> 『別れましょう』の一言が強烈だったなあ。
展開としてはこうなるのは当たり前なんだけど、ここ読んでてきつかったわ。
圭ちゃん精神的に立ち直れないレベルにボコボコにされてて哀れみすら覚えてしまう。


114.裏切者に救済いの手を
いつも通り時間軸に苦労した一話。
春姫が廊下に出た時点で海衣の元に行かせないと行動指針がブレるので、廊下に出るのをギリギリまで引き伸ばさないといけなかった。
そして部屋出るだけの時間で今回の件を全部話そうとすると、お前らいいから早く避難しろよと海衣ちゃんがお怒りになるので、ルート変更は必須だったわけですね。

記憶消去薬は与田の話を引き継いだのもあるけど、他ロワでいう首輪解除の誤魔化し要素の一つ。
108話時点で考えてた、防護服以外で生き残る方法の一つとして記憶の消去によるゾンビ化。
実は他にも悪用方法はあるが……。
珠の記憶消去回だと、魔王が魔法でなんとかしたと読み取ることもできるのだけれども、
魔王の主任級の脳知識で記憶を消去できるなら、研究所の部長級の脳知識で再現できないなんてあり得ないだろうということで。

裏切者とは特殊部隊に付いたスヴィアのことであり、魔王に付いた妹ちゃんのことですね。
妹ちゃんは魔王軍、スヴィア先生はSSOG、救いたい者を救うためにそれらに手を貸す。
そして彼女ら自身はそれぞれ赦されるという構造にしたかった。
というか妹ちゃんのくだりを入れないと春姫が裏切者を許すはずがないので、構成的に彼女の掘り下げは必須なわけです。

女神転生イヌヤマ。首チョンパされておきながら転移はありえないので転生。死んだのが影武者だとそれはそれでいのりがドジっ子になるので本人。
十二支にあたる妖精だの怪異だのを探していたらちょうど牛にクダンがいる。
いのりのことを知る連絡網にクダン、元の世界に戻るために不思議の国のアリスの例のウサギでいけるやろ、と。


和幸はちゃんとうさぎを慕って村に害を為さずに死んだ。故に最初のストレート解釈自体はもう外れたし、予言の対抗策としてもきちんと機能した。未来は不定である。
ここは明記しておかないと、うさぎや春姫に生存ロックがかかってしまうため、和幸を絡ませることは必須になるのです。
別解釈で成立しそうになっているが……。

なんか必須要素は多いんですが、そんな感じでパズルみたいに詰めていったので、そこそこ書きやすい話ではあったかな。
ところで、胎内回帰ってえっちな作品か敵キャラの懲罰でしか見たことないな……。

43名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:34:17 ID:G74Hvjpo0

115.Anti-Demon King Destruction Operation「段階弐:杠葉」
読んで最初に思ったのは、魔王この状態でまだ粘れるんだ、ということだったw
その感想が浮かんだ時点で、魔王はもはや取るに足らないものであるという概念が読み手側にもしっかり植え付けられたということにほかならないですよね。

ここからどうやって盛り上げていくんだろうと思ってたら、鳥獣慰霊祭を模した退魔の儀式が始まったのは膝を打つ。
前衛三人、犬山の末裔、そしてその前衛三人の戦いを見届けるヒロインたち。
前衛三人も、剣舞の演者と狩人という替えの利かない役割が与えられてる。
全員に役割がある、一人欠ければ成り立たない。
条件がそろったこと自体は偶然でも、これをここぞとばかりに披露したその構成力には舌を巻く。
魔王の力を異能に落とすことで、最後に決めるのは魔王と因縁のある創に割り当てるという布石の回収方法も緻密。
リレー小説は、だから面白いというのを存分に発揮した一話だと思う。

英語と日本語に切り替わったタイトル、裏と表が入れ替わることが色々示唆されてたけれど、
今回に限っては僕はこれをちゃぶ台返しの暗喩かなと受け取った。
魔王がたびたび口にしていたフレーズだし、
魔王討伐自体は前半からスムーズにいったけれど、最後に何かが力を全部奪っていったことを表してると勝手に解釈。

けれど121話のネタばらしを経ると、この解釈もまた反転が加わるんだよな。
影法師の子は存在が厄いだけで一貫して味方、あるいは原型に近い鳥獣慰霊祭を披露することで守護側に取り込めた。
彼女が最後に裏切ったように見せかけて、実際はまったく別の勢力が食指を伸ばしていた、ということになるのだろうか。

茶子の挑発が魔王の格を削ぐものだったのは分かってたけど、演技とかじゃなくて素でやってるもんだと思ってた……。
読者の中に、これが素ではないと考えてた人いるんだろうかw

全然関係ないんですけど、2月中にスマホからオリロワZの本スレを読むと、
レス番関係で『※魔王の力は私のものだ』が一番上に来てたので、いきなりくひひ笑いで出迎えられたので異様なインパクトがあったんだよなw


116.Tyrant
ごめんね砲=モンスタートレイン。マナー違反です。

僕としては非常に珍しい、タイトルを最初に決めた作品であり、元ネタはご存じバイオハザードのタイラント。
見た目だいぶ違いますが雰囲気はあんまり変わらんじゃろ?
呪いも魔王もええのだが、舞台が舞台なのでバイオハザードさせたかったのだ。
なんか大ぶりなアッパーカットかましてくるのも壁ぶち破るのも特徴的な足音立てて追いかけてくるのも大体タイラントっぽくしたくて。
しゃべってるのでネメシスちょっと混じってるかも。
次話でノーマル大田原と比べて弱体化してるだろと看破されてたけど僕もそう思います。

大田原パート→誰かパート→大田原パート・・・の一人称視点繰り返し。
全パート一人称を選んだのは、誠吾が死ぬパートを一人称にしたかったため。
誠吾が一つ多いのはここで脱落するから。天が少ないのは、まあ割を食っただけですごめんね。

最初は大田原パートも七人いる登場人物視点の一つだったのだが、タイトルとそぐわなかったので全部分割。
けれど、リアルタイムで裏でなんか起こってるぞって表現はできたんじゃないでしょうか。
あとは足音が地の文にリアルタイムで割り込んでくるのも似た理由ですね。読みにくかったかもだけれど。

碓氷先生と与田センセ、両方逃げ切り or 与田センセが落ちる選択もあったのだが、
言葉で立場を築き上げた誠吾を落とすのは、話の一切通じない怪物がふさわしかろう、と。
花子と真珠を相手に失脚しなかった実績を以て株の底割れは防いだので、死に様としては割とマシなほうかな……ホントか?

大田原に最初に食われるゾンビは名無しのモブゾンビだったんですけど、
五日市が経歴的にL2関係者をやれそうだったので、ワニに食われて死体すら出てないゾンビで終わるよりは本人出したいな、と。
研究所に軸足が移ってから、出せるゾンビもほとんどいなくなりましたからねえ。

今回は花子が失策を犯しているんですが、誠吾が意図的に状況をひっかきまわすなら、真理は天然で状況をひっかきまわす子。
真理にプランをむちゃくちゃにされて情報がリセットされてしまうと、天の成長を知っているかどうか・花子の異能と強みを知っているかどうかで差がつくんですね。
花子の取れる最善手を先読みできて、手数を減らせるリベンジ組のほうに緒戦の軍配があがるのは必然、として書いています。

44名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:35:05 ID:G74Hvjpo0

117.穢れ亡き夢/其は運命を――
この段階では、女王なのか、それとも魔王の願望器が変な作用を起こしたのかが分からなかったな。
金目の描写で、こいつ魔王じゃね? とかなんとなく思った。
その後の話で魔法の特徴と確定したので、当たらずとも遠からず、というところなのかな。
ここまでがんばってきた珠にいきなり手遅れですとか出てくるのはビビるんだけど、
定例会議まで読んだ後にあらためて読み返すと、珠視点だと相当悲惨になってる気がするんだよなあ。

熊、てっきり隠山祈と同化してしまったのかと思ったら反逆の芽がふつふつと湧いていた!
珠が巻き込まれるこっちの身にもなってみろと内心キレてるとしたら、熊ってマジで何も関係ないんですよね。
ウイルス騒ぎだの呪いだのは一切関係ない、それどころか今海衣から受けてる憎悪ですら関係ない。
この挿し込まれた一話、その僅か11行の独白が独眼熊にとって大きなターニングポイントだったな、と思います。


118.対特殊部隊決死作戦「CODE:Horus」
対○○〜〜作戦「CODE:XX」シリーズ、最終章みがあるタイトルが好き。
ホルス神のくだり、花子の異能だというのはその通りなのだが、書いてあることそのものは半分くらい大田原に当てはまるのでうまいまとめ方してるなあと思う。

前話の運命の選択、本当に選択を突き付けられたのは天だったんだ。
仲間の命は大前提、そのうえで実利と情を天秤にかけられたらどちらを取るのかという究極の選択。
死をとっくに覚悟して醜態を晒す大田原の爆破スイッチを押し、助けを求める真理を選ぶほうが心情的にはよほど楽。
なのに、ここで実利を取る選択をしたというのがとてもSSOGらしい。
彼はどんな目をしているのだろう。圭介に負けず劣らずボロボロになってるように思う。

真理の三下ぶりは面白かったけど、新人は使えませんでしたを地で行くスタイル。
ここまでの失態がラストの切り捨てにつながったんだろうなあと考えてしまう。
彼女、舞台を放棄して逃げようとしてるし、肝心なところを天頼りだもんなあ……。
大田原の弱みを見抜いて暗殺食らわせたのはかっこよかったのだが、1回の勝利をここで使ってしまえば、残りの9回は全部負ける。
見事に死亡フラグを回収してしまった。

真珠と花子の決着はいかにも爽やかで泥臭くて、因縁の決着にふさわしい読み応えのある対決だった。
最初は華やかに華麗に戦っていたのが、執念とプライドのぶつかり合いになっていくのいいよね。
タイマンと混戦、白兵戦と環境利用闘法、戦場の俯瞰と個への執着、それぞれが己の領域に持ち込むためにすべてを尽くすのは
成田戦でも兵士と諜報員の差が何度か言及されていたけれども、
戦闘で殺すのが兵士であれば状況で殺すのが諜報員、この対比を見事に作り上げてまとめきった手腕がすごい。
実戦に耐えないと言ってた遠当てをお互いボロボロになる最終局面まで温存しておく胆力や、砕けた手足で敵に攻撃する原始的な闘争
成田でも跳弾を狙うことはできない世界だけど、異能の先読みを用いて跳弾のシミュレーションを試行して当てるという発想は舌を巻きました。

45名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:37:28 ID:G74Hvjpo0

119.厄災・隠山祈〜Welcome to Happy End
予約が来た時点で予想はしていたんですけど、やっぱりゴリラ&クイーンヒル VS 熊がきたか、と内心湧いた。
あのゴリラ、最初の質問に出てきた『めっちゃ動きの良いゾンビ』筆頭だし、キャラシの時点で存在感ありましたからね……w
独眼熊の野生フルスペックを引き出すのにこれ以上ない個体だけど、
『ゴリゴリパニック』からの『ゴリ八艘・二重の型』は字面が卑怯すぎるんだわ、腹がよじれるw
クイーンヒルは割と瞬殺されたけど、まあゴリラとヒルではそりゃ格が違うよ。

ラスボス候補・隠山祈 VS 熊。
洋子へのお土産踏みつぶすわ、海衣の抵抗を嘲笑って踏み躙るわと、今回の祈は輪をかけて悪役全開ですねえ。
大都市でパンデミック起こせば助けてあげるよという悪辣な取引を仕掛けてくるところなんて、悪役ポイントがストップ高なんですわ。
『自分の肉体はいっさい傷つかずに思い通りに動かせて、なおかつ一方的に敵をいたぶれる』を山折村と関係ない実験動物でやるあたりもポイント高いね。
独眼熊って割とロクでもないのに、それ以上のロクでもなさを見せつけることで、満を持して自我を取り戻した独眼熊への期待が高まる高まる。

独眼熊がクマカイとの語りを経て、知能をひとときの夢だと言い切って山を選ぶシーンは勝利フラグそのものですわ。
シンプルにぶん殴ると言い切れるのが強すぎる。そして独眼熊とクマカイが何も言わずともその結論で通じ合ってるのがエモすぎる。これぞまさに山の王。
人に恐怖を与えるはずの呪いが、人から生まれた存在であるが故に野生の恐怖に負けて心を折られるという展開は綺麗にカウンターが決まったなと思いました。
得体の知れないものから脱し、祈という真名が判明して正体バレしたからこその敗北にも思う。
この一連の作品での彼女、めっちゃ人間味ありますもんね。

得体の知れなさは珠に引き継がれた感じですね。
もう一人の祈も根源的なもののほうで別物っぽくて、この話が投下された時点ではまったく次の展開が読めない状況だった。

そして正体から何から全部分かってるのにこいつはなんなんだを更新し続ける春姫、なんか一切ブレないこの子に安心する。
奇行も多いのだけれど、祈の魂を救い出し、独眼熊を解放するシーン、山と共に生きる村の巫女の生き様が見えてとてもかっこよかった。

120.白き墓標にて〜墓標を背に、今一度運命の決断を
後半部は完全に切り離しても成り立つタイプの話。
全然動きないのにどちゃくそ長くなったなーとか思いながら書いてた。

天は重大な決断をいろいろしてるので、
珠の異能で全部見えてたんだよ〜とか言われたらイラっとするだろうなとか思ったのが始まり。
そういう切り口だと珠の異能って結構おぞましいなと思い、乃木平の心情と共に不穏さを盛った。話は進んでいない。

あと、前の話で通信機持っていってないの、たぶん入れ忘れてたんだろうなーとか察しつつ、
でもまあ持っていかないほうが珠の不穏さ増すんじゃない? と思いまして。

前半部はするっと書けたんだけど後半部どう時間稼ぎさせてやればいいかでめちゃくちゃ悩んだ。
天が、お前らちゃんと殺すわ、という結論から動いてくれない……w
結果、Z計画とか花子の接触とか総動員して、お前ここで意地張って国益守れんの? 方針で時間稼ぎさせることに。
一度会議始まれば一時間溶けますからね、リモート会議はスマホ用もあるので通信室でも直接でもなんとでもなる。
スヴィア先生が半分碓氷先生化してるような気がするが、学んだということにしておいてください。

46名無しのゾンビ:2024/03/20(水) 21:38:09 ID:G74Hvjpo0

121.幼神レクイエム
平行世界、那由多乃とフジのキャラシくらいにしか設定ないからそうそう絡むことはないだろうと思ってたら、思わぬ場所から出てきた。クリアボーナスここで来るのね。
ターニングポイントなんて今までいくつもあったけど、ここも特大のターニングポイントだ。

この話、未来への暗示がものすごく多くて、連載だったら考察祭りになってそうな気がする。
マーダーになる世界線の六紋や和真、味方になってる暮村家や和雄がいるの、IFの妄想ができて楽しいね。
そして157回目、ここの暗示が意味深だと思うの。
創の役割が遙に、スヴィアの役割が錬であったということから、他のキャラも暗示されていそうな雰囲気。
碧は茶子か哉太のどちらかっぽいし、和真は大田原、特殊部隊は天、それぞれの末路の暗示なのでは……? みたいな考察が捗る。
ホアンが謎だけどうさぎか春姫かなあ。
あとこの世界線の黒幕はスヴィア先生だったと思うの。

ついでに、那由多乃は女王感染者分かってたんだろうなあw
全那由多乃が光が女王だと言ってたんでしょ?
そして春姫が唯一の他世界線でも正常感染者やってる子。あいつ全世界線で正常感染者やってそう。
並行世界には気喪杉/薩摩ポジションなんかがいることになるのだが、誰が相応しいかと考えると飯塚が一番ふさわしそう。


予言については、魔王が滅んでいのりは封印されて和幸死んで、で回避されたと思ったら、別解釈で実現しそうになっている。
オーガがオークと呼ばれる同一視される異世界モノ、確かにたまにあるよね……というか大田原さんのコードネームがオークなので……。

157回もループして辛酸を舐め、心が壊れて解放されて、その結論が二人で生きたかったと嘆く。
思い出語りと短い最期の時間、最期によりを戻して、それでも死にたくないと慟哭する光の様子にはこみあげるものがある。
二人の心は少し救われたけれど、それ以上に救われない、報われない。悲劇として昇華されたと思う。

122.第三回定例会議
真昼間なのに魔王降臨に怪奇現象発動とか、お仕事中断してテントに帰って三時のおやつでも食べたくなるような状況。
こんなタイミングで現地司令を任された真田、どれだけ焦燥してるのかと思ったら意外と元気そうで安心した。

所長出てきた、歯が白くてキラっと光ってそうなビジュアルだわ。
その爽やかそうな見た目と違って、梁木以上に食えない相手で、なおかつすごく冷酷そうな雰囲気がある。
梁木はマッドサイエンティストながら割と人間味が覗くのだが、終里のほうは価値観が違ってそう。
梁木には欲望やら情が見え隠れしてるのに、終里のほうにはそういうのがあまり見えないのがそこの違いなんだろうと思ってる。
梁木副所長、自分の成果覚えてくれてて嬉しがるところとか、女王殺害方針に理解示しながら名残惜しそうにするところとか、邪悪寄りだけどかわいいおじいちゃんだもんな。

魔王があまりにトンチキな存在なので、この会議も魔王の話題が多かったけど、こいつ掌で転がされまくってるな。
戸籍用意してもらって、一般研究員のPC技能しかなくて、昇進するために部下の成果を奪うパワハラぶりを見せつけて、小物感がマシマシになっている。
登場時にあんなに超然とした態度取ってたのも相まって、上位存在薩摩みたいなに残念さが垣間見えるw

ここに来て人生最大の選択が突き付けられる奥津。
120話で天に色々選択が突き付けられたが、隊長の気苦労を見せてやろうと言わんばかりに、究極の選択が突き付けられたのはにっこりしてしまう。

>「―――――世界を救える」
第三回の節目に相応しいシンプルかつ力強い引きだと思いました。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板