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o川*゚ー゚)o ハッピーエンドを求めるようです

1ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:13:45 ID:AF0ccToc





「せめて最後くらい、幸せな気分のまま終わりたかったなぁ」




そんなことを呟きながら、私は一人、マンションの屋上に立った。






o川*゚ー゚)o ハッピーエンドを求めるようです




http://livedoor.blogimg.jp/colored_pencil/imgs/e/e/ee9f037a.jpg

2ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:17:45 ID:AF0ccToc


夏も間近に迫ったこの季節。しかし、屋上という場所はなかなかに肌寒い。
強めの風が通っていく度に、私の体温はガンガン低下していった。


挫けることなく歩を進め、落下防止の為に作られたであろう柵に腰を掛ける。
鉄サビでボロボロになったそれに乗るのは、とても不安定。
しかし、例えその柵が崩れて私が放り出され落下したところで撿撿撿。


別に、どうでもいい。
ただ、早いか遅いか。それだけの違いだ。




ぼんやりと、前方を見る。
この高さから見た私が住む街というのは、何とも殺風景なものだった。


一面に敷き詰められた雑多な建物。
景観なんて言葉を一切排除し、ただひたすらに自身の居場所を押し付けてる有り様は、かえって人間の小ささを引き立てているようにしか見えない。


少なくとも、今の私にはそう見える。
厚ぼったく、鉛のように重そうな、この曇天の空。
そんな風景と心情が一致している、今の私には。

3>>2訂正:2014/03/23(日) 23:20:48 ID:AF0ccToc


夏も間近に迫ったこの季節。しかし、屋上という場所はなかなかに肌寒い。
強めの風が通っていく度に、私の体温はガンガン低下していった。


しかし私は挫けることなく歩を進め、落下防止の為に作られたであろう柵に腰を掛ける。
鉄サビでボロボロになったそれに乗るのは、とても不安定。
しかし、例えその柵が崩れて私が放り出され落下したところで*鼹鼹顗*


別に、どうでもいい。
ただ、早いか遅いか。それだけの違いだ。




ぼんやりと、前方を見る。
この高さから見た私が住む街というのは、何とも殺風景なものだった。


一面に敷き詰められた雑多な建物。
景観なんて言葉を一切排除し、ただひたすらに自身の居場所を押し付けてる有り様は、かえって人間の小ささを引き立てているようにしか見えない。


少なくとも、今の私にはそう見える。
厚ぼったく、鉛のように重そうな、この曇天の空。
そんな風景と心情が一致している、今の私には。

4ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:23:10 ID:AF0ccToc
今の私は、とてもブルーだ。
とてもブルーで、同時にモノトーンでもあった。全てが色褪せて見える。


自分で言うのもなんだけれど、いつもの私はこんなに暗くない。
明るくて、楽しいことしか見えていないような、能天気な、そんな私だった。そうだったように思う。


それが、今となってはこうだ。
冷えきっている。
世の中の、今まで隠れていた、たくさんの嫌な部分を、一気に見つけてしまうくらいに。


別に普段、無理して明るい性格を作っていたとか、そんなつもりも無いのに。


こんな気持ちにさせられた理由を、そのきっかけの出来事を思い出す。
思い出したくないけれど、勝手に頭の中でリピートされるのだから、どうしようもない。


あれは、そう。
私、素直キュートは、学校の、学年が一つ上の先輩に恋をしていて、そして必死の思いで呼び出して、告白をした。
それが……、それが原因。



5ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:25:35 ID:AF0ccToc
######




o川*゚ー゚)o『あの……、私! 先輩のことが、好きですっ!』


『えっ!? あ……、素直が、僕を?』


o川*゚ー゚)o『……はい』


『え、えっと……、その……、な、何て言ったらいいか……』




『その、あー……、ご、ごめん』




o川* ー )o『!!!』


『えっ、あっ、ちょっと! 待って、素直!!』



######

6ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:26:32 ID:AF0ccToc
「ごめん」と。
そう言われた瞬間。

身を貫く激しい衝動に私は犯されてしまって、どうしようもなくなって、逃げ出してしまった。


学校から飛び出して。
走って。
走って。
何処にも行き場所なんて無い癖に、当てもなく走り回って。


o川* ; ー )o


涙も流して。


本当に、好きだった。
先輩のことを。

気が小さくて、男らしくなくて。

でも、とても、とても優しかった。



本当に、大好きだった。

そんな先輩に、私は拒否されてしまった。

7ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:28:17 ID:AF0ccToc
だから私は、今こうやってマンションの屋上に居る。


失恋なんて、つまらない理由だと人は言うんだろうか?


でも、私にとってはそれが全てだった。


私の世界は、バラバラに引き裂かれた。






いらない、こんな世界。




o川* - )o「何もかも、いらない」


o川* д )o「こんな世界、溶けて無くなってしまえ!!!」

8ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:29:57 ID:AF0ccToc










( * ^ω^)b「その願い、聞き届けたお!」 ピカー



o川;*゚ー゚)o「……………………はい?」



なんか出てきた。

9ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:31:39 ID:AF0ccToc
o川;*゚ー゚)o「え? あなた、誰ですか?」


え? どっから出てきたの?
というか、いま私マンションの屋上の柵に腰掛けてるのに、なんでこの人は正面にいるの?
もしかしてこの人、空飛んでる? すごい不思議体験。


( * ^ω^)「神様だお!」 ピカー


ああ、神様ですか、そうですか。
あれ? 神様ってこんなフランクだっけ?


( * ^ω^)「なんかすっごい疑惑の目を向けられてるけど、神様だお! ほら、後光とか凄いでしょ!」 ピカー


ああ、うん。
確かに自称神様の後ろが光っている。
目が痛い。ちょっと光度上げすぎじゃない?


( ^ω^)「あ、ちょっと後光強すぎたわ」


光が弱くなった。
調整できるんだ、それ。
そもそも後光って神様じゃなくて仏様じゃなかったっけ?

10ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:32:51 ID:AF0ccToc
( ^ω^)「まあまあ、こんなところで話もなんだから、こっち来て」

o川;*゚ー゚)o「あ、はい」


ふよふよと飛行しながら、神様(仮)は柵の内側へと入っていった。
生返事をしつつ、つられて私も移動した。


o川;*゚ー゚)o「えーと、で? 神様? 何しに来たんですか?」

( ^ω^)b「だから、君の願いを叶えにきたお!」

o川*゚ー゚)o「願い?」


さっきから話が噛み合わない。
どうにもこうにも、ちんぷんかんぷんで。
知恵熱で頭が沸点を迎えつつあったのだけれど。




( ^ω^)「君は、世界を溶かして無くしてしまいたいんだろう?」


がらり、と。
今までの陽気な声とは一転、氷のように冷たい神様の言葉に、私の脳は凍結した。


o川;*゚ー゚)o「…………」

( ^ω^)「はて、違ったかお? そんな願いが、僕の所に届いたのだけれど」

11ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:34:44 ID:AF0ccToc
o川;*゚ー゚)o「あ、いや……。間違い、ないです。私は、確かにそう願った」

( ^ω^)「そう、良かったお。じゃあ叶えてあげるお」


叶える?
叶えるということは、みんな溶けて無くなる、ということなのだろうか?


o川;*゚ー゚)o「あ、あの!」

( ^ω^)「よーしパパがんばっちゃうおー…………、ん? どうかしたかお?」


早速、事を起こそうとする神様。
色々と展開が速すぎて追いついていけない。

このまま流され続けるのはヤバい。
私の知らないところで、私が大惨事の加害者になるなんて、そんなのまっぴらだ。

まずは、そう。
確認してみよう。


o川*゚ー゚)o「あなた、ホントに神様ですか? その、証明できるものとか」

( ^ω^)「…………」



( * ^ω^) ピカー



o川;*゚ー゚)o「まぶしい! じゃなくて、後光以外で!」

( ^ω^)「えー……」

12ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:36:13 ID:AF0ccToc
( ^ω^)「そしたら、こんなのはどうかお?」


神様は人差し指を下に指して、床を見ろ、というジェスチャーをする。
ここはマンションの屋上。勿論、ネズミ色のコンクリートがただ広がっているだけだ。


o川*゚ー゚)o「…………んう?」


なんだろう。
私は違和感を覚える。
気のせいか、コンクリート、もぞもぞと動いているような、波打っているようなーーー。


o川;*゚ー゚)o「って、ええっ!?」


そんな風に地面をじっと見ていたら、緑色の物体がコンクリートから這い出てきた。
これは、草だ。

しかも一ヶ所ではない。
あちらこちらから草が生えてきている。

私がポカンと口を開けているその一分の間に、ネズミ色だったコンクリートの屋上は緑色の草原へと変わっていた。


( ^ω^)「自然とは生命の源。それを産み出すことで神様の証明には……なるかお?」

o川;*゚ー゚)o「そ、そうですね……。いいと思います」

13ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:37:37 ID:AF0ccToc
( ^ω^)「それでは神様ってことも証明できたことで、いっちょやってみっか!」

o川;*゚ー゚)o「た、タンマ! だから待ってって!」

( ^ω^)「えー? まだ駄目?」


もう何なんだよこの神様は。
積極的に溶かしにいこうとしてるんだけど。


o川;*゚ー゚)o「確認なんだけど、願いを叶えてくれるとして……、その、地球まるごと溶かしちゃうの?」

( ^ω^)「いや、流石にそれは。なにこの子こわい」

o川;*゚ー゚)o「それ、私が言われるの? じゃあ、どれくらいの範囲?」

( ^ω^)「君が思う『世界』って、君が生まれ育ったこの街のことだろう?
       だったら、この街だけを溶かしてしまえば、それで願いは叶うだろう」

o川;*゚ー゚)o「…………」

( ^ω^)「どうやら悩んでいるようだおね。実際に願いが叶うと判って、尻込みしたかお?」

o川;*゚ー゚)o「神様なのに、いいの? こんな、メチャクチャな願いを叶えても」

( ^ω^)「神様だからこそ、叶えるんだお。迷える者のどんな願いも、平等に」

14ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:38:38 ID:AF0ccToc
o川*゚ー゚)o「でも、皆が皆、願いを叶えてもらえる訳ではないよね? なんで私の願いだけ叶えるの?」

( ^ω^)「君が、他の誰よりも強く願ったから」

o川*゚ー゚)o「…………」


願いの、強さ。
確かに私はあの時、今まで生きてきた中で一番強く、そして私自身を圧し潰してしまう程に重く、願った。


( ^ω^)「案外、人はみんな信仰心なんて持ってないから、叶えたい願いがあっても神様に強く願わない。
      少なくとも今この瞬間に、君は他の誰よりも強く願っていた。だから僕は来たんだお」

o川*゚ー゚)o「私は別に、神様に願った訳じゃないけど……」

( ^ω^)「それでいいんだお。叶えてほしい願いがあれば、僕はそれを叶えるだけだお」

o川*゚ー゚)o「…………」

( ^ω^)「さあ、それじゃ仕切り直しでもう一度願ってくれお」

15ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:39:34 ID:AF0ccToc













( ^ω^)「君の叶えたい願いは、何?」


o川* ー )o「…………」

16ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:41:32 ID:AF0ccToc
私の願い、とは。
改めて考えると何だろう?


さっきは全部溶けてしまえと願った。
でも、目の前の神様が、私の望むことを何でも叶えてくれるのなら。


もっと、他の願いがあるんじゃないだろうか?




例えば、そう。
先輩が、私に振り向いてくれるとかーーー。




そうだ。それが良い。
その願いが叶えば、先輩と両想いになれる。
それはきっと幸せな世界。


私は神様にお願いをした。

17ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:42:45 ID:AF0ccToc












o川*゚ー゚)o「この街を、私も、誰も彼も全て溶かしてください」










.

18ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:44:41 ID:AF0ccToc
( ^ω^)「……何故、そんな願いを?」


意外そうな顔を見せた神様は、私に尋ねる。


( ^ω^)「もっと別の願いは無かったのかお? 例えば、片想いの人と両想いになりたい、とか」

o川*゚ー゚)o「流石、お見通しなんだね神様」


どうやら神様は、私が先輩に振られたことを知っているようだ。
全て知っていた上で、私にもう一度願いを聞いた。
色々急かしていたのは、私が決断を下すことから逃げないようにさせたかったのだろう。


o川*゚ー゚)o「神様。私はね、先輩に私を好きでいてほしかったの。心の底から。本心から。
       誰かに操られて両想いになっても、それは本当の先輩の気持ちじゃない。そんなので両想いになったって、何も嬉しくないもん。
       だから、私はもうオシマイなの。やり直せないんだよ」


言葉を吐き出す。次々と溢れてくる。
こうすることで、この心が少しでも軽くなるのなら、いくらでも出してあげよう。


o川*^ー^)o「だったら要らないよね、こんな世界」


私は笑った。
なんで笑っているんだろう。
どう考えても悲しいことのはずなのに。


そうか。
これがきっと、『諦める』ということなんだろう。
先輩と付き合うこと、ではなくて。


これからの、人生の方を。

19ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:46:01 ID:AF0ccToc
( ^ω^)「……その願い、引き受けたお」


そう言って神様は、空を指差す。
あれだけ吐き出してもなお重く暗い、私の心のような曇天の空を。


( ^ω^)「あの雲から雨を降らすお。その雨が、この街にあるものを全て溶かす」

o川*゚ー゚)o「酸性雨だね」

( ^ω^)「もちろん、君が知っているそれとは規模が違うけどね。
      降り出して一分もすれば、人もビルも何もかもごちゃ混ぜにした、巨大なスープの海が出来るお」

o川*゚ー゚)o「そうなんだ。痛いのは嫌だし、そんなに早く済むんだったら良かった」

20ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:47:02 ID:AF0ccToc
( ^ω^)「そしたら僕はいつでも準備万端だけど……本当にいいのかお?」

o川*゚ー゚)o「うん。いいよ」


ここにきて神様は慎重になっている。
やっぱりこんな願いを叶えるのは心苦しいのだろうか。
私としては早く終わらせて欲しい。


( ^ω^)「溶けてしまうのは君だけじゃ無いお。この街にいる全ての人が溶けてしまうけど……、本当にいいのかお?」

o川*゚ー゚)o「もう、いいの。他人とか、そんなのは」

( ^ω^)「後悔しない?」


何度も何度も聞き直してくる。
そんなに言われてしまうと、だんだん心が揺らいでくるような気がするけど。


o川*゚ー゚)o「しないよ」


今の私は、とにかく終わらせたい気持ちで一杯なのだ。


( ^ω^)「……解った。意志は固いおね。願いを聞くお。聞くけど……」

21ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:48:16 ID:AF0ccToc
o川*゚ー゚)o「聞くけど、何? もしかして、願いを叶えてもらう為には何かしなきゃいけないとか?」

( ^ω^)「いいや、そんなのはしなくていいお。ただ……」


神様は、私の右太もも辺りを指差した。
目を向けると、制服のスカート越しに光が点滅しているのに気付いた。
どうやら内ポケットに入れてある携帯に、着信が来ているようだ。
マナーモードのバイブレーションが、脚を通して認識できた。


o川*゚ー゚)o「……別に、もう、無視しても」

( ^ω^)「確認くらいはしてみてもいいんじゃないかお?」


私としては電話に出る気は無かったのだけれど、どうにも神様がしつこいので携帯を手に取ってみる。

こんなタイミングに、いったい誰からなんだろう?

私は、名前を確認する為にディスプレイに目を落とし、そこに映る人物の名を見て。




o川;*゚ー゚)o「…………先輩から、だ」


私の心臓は鷲掴みされたかのように、収縮してしまった。

22ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:49:04 ID:AF0ccToc
( ^ω^)「取らないのかお?」


先輩の名前をじっと見つめ続けている私に、神様が聞いてくる。

取って、一体何を話すことがあるんだろうか?

何も無い。
振られてしまった相手となんて、何も話すことなんて無い。



無いはずなのに。


o川;*゚ー゚)o「……………………もしもし」


出てしまった。
結局のところ、私はまだ先輩の事が好きで、要するに惚れた弱みというものなんだろう。

最後の最後に、先輩の声が聞きたいと思ってしまったんだ。

23ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:50:51 ID:AF0ccToc
「素直!? 良かった、やっと出てくれた……!」


先輩の声。
機械を通しているから、充分では無いのだけれど。
でもこれで満足した。もう思い残すことはない。


「怒っているのは判る。本当にゴメ……ああ、違う。謝っちゃ駄目なんだ。
その……素直は何も言わないで、ただ、これだけは聞いてくれないか?」


もう電話を切ろう。
そして私も溶けてしまって、そうすれば、この悲しい気持ちも、辛い想いも、全部消えてしまうだろうから。




「僕も……、僕も素直のことが、好きだ」




o川*゚ー゚)o




o川*゚ー゚)o「えっ?」

24ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:52:35 ID:AF0ccToc
「さっき、素直に告白されて……。気が動転して、変なこと口走って、素直を勘違いさせて、傷つけてしまった。
 絶対、許されないことだと思うけど、でも、勘違いされたままじゃ、駄目だと思ったから……」


勘違い?
勘違いってどういうこと?
先輩も私を好きって、どういうこと?


私、振られたんだよね?
だって先輩、「ごめん」って言ってたし。
「ごめん」って、そういうことだよね?



ああ、でも……。
そう言えば、先輩と話す時って、何かにつけて先輩よく「ごめん」って謝っていたなぁ……。




気が小さくて、男らしくなくて、とても優しい先輩の口癖。
私は、そんなことも忘れていたーーー。


.

25ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:53:48 ID:AF0ccToc
……結局、私は勝手に思い違いをして、先走って、馬鹿やって。

一人で暴走して。



でも、ようやく気付くことができたんだ。
私と先輩はーーー。


o川* ; ー )o「ああーーー」


……神様は全て判っていたんだ。
私が何もかも勘違いしていたことすらも。

私は神様の方を見る。


( ^ω^)


神様はにっこりと笑って、そしてその体が一瞬だけ強い光を放った。

私は思わず目を閉じてーーー。

26ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:55:06 ID:AF0ccToc
すぐ、目を開けると、




( ・∀・)「…………えっ?」




目の前に、先輩が現れた。


(;・∀・)「あれっ? なんで急に……! って、素直!?」


先輩は何が起こったか判らない顔をしている。


(;・∀・)「素直、これは一体……?」


o川* ; ー )o「先輩っ!」


戸惑う先輩に駆け寄ろうと、私は泣き顔を隠そうともせずに一歩前に踏み出した。

27ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:58:24 ID:AF0ccToc
そして、








(;・∀・)





( ^ω^)





神様が、先輩の頭の上に、ポンと手を置くと。







( ・\,,,


どろり、と。




先輩の顔の左半分が、溶けて落ちた。

先輩は一切声を発することなく、糸の切れた操り人形のように倒れ伏せる。

28ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:59:25 ID:???
!?

29ブーン系の名無しさん:2014/03/23(日) 23:59:26 ID:AF0ccToc
o川* ; ー )o








o川* ; ー )o








o川* ; ー )o








o川* ; ー )o








o川* ; ー )o「あれ?」

30ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:00:42 ID:wleWeo/2












( ^ω^)「あはははははははははははははははははははははははははははははは
      ははははははははははははははははははははははははははははははは
      ははははははははははははははははははははははははははははははは
      ははははははははははははははははははははははははははははははは
      ははははははははははははははははははははははははははははははは」











.

31ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:03:04 ID:wleWeo/2
( ^ω^)「おめでとう! おめでとう! おめでとう! おめでとう! おめでとう!」


ケタケタと、神様が笑っている。
さっきまでの温和な笑顔とは似ても似つかない、人を嘲るような笑顔。


( ^ωФ)「遂に君の願いが叶うよ! ほら喜んで!
       素敵な笑顔で笑って! 大きく口を開いて、目をひんむいて、狂ったように笑ってみなよ!」


( ФωФ)「幸せだねぇ! ははは! 素晴らしい!」


神様の顔が変わっている。
怖い、顔。


( ФωФ)「さあ! これで仕上げだ!」


神様だった、知らない誰かの手が、私の頭の上に乗る。
私は何も出来ず、ただ呆然としている。


( ФωФ)「いやあ、良かったよ、君の顔。じゃ、さよなら」


そして私の体も一瞬で溶け落ちた。

32ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:05:29 ID:wleWeo/2
…………。



そうして、私の体は全て溶けきってしまったけど、まだ私の意識は残っている。

でもそれも時間の問題のようだ。
この意識も徐々に溶けていくのだろう。



それにしても、ああ。
せっかく先輩と両想いになれたというのに、何でこうなってしまったのか?

理由は判りきっている。
私の前に現れたアレは、神様なんかじゃなかったということだ。

今にして思えば、あんなに怪しいのを、なぜ私は神様だと思ってしまったのか。
絶望に溺れていた私が掴んだのは、藁どころか重しだったらしい。



まあ、でも。
もうこうなった以上はどうしようもない。

そもそも溶けてしまいたいと願っていたのは私自身だ。
神様だと詐称していたあの悪魔の言葉を借りるのはとても癪に障るけど、私の当初の願いは確かに叶っている。

先輩も、私も、溶けて一つになった。
そう考えれば、これも一つのハッピーエンドの形じゃないだろうか?



うん。良いよね?
これはきっと素敵な結末。
この幸せに浸りながら、残りわずかの時間を過ごすとしよう。

33ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:06:20 ID:wleWeo/2













「そんなわけ無いだろ。間違いなく君は、最悪の結末を迎えているよ」











あの悪魔の声が聞こえた。
うるさい黙れ。
とても不快だったので、私は即座に意識を手放した。



《END》

34ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:07:39 ID:wleWeo/2
文字化けしたり、投下期限をオーバーしたりしてしまいました。すみません。

ありがとうございました。

35ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:28:25 ID:???


36ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:31:20 ID:???
乙、騙された
イラスト使用ありがとうございました
http://i.imgur.com/GbaHcZ3.jpg

37ブーン系の名無しさん:2014/03/24(月) 00:42:47 ID:???
>>36
こちらこそ、絵を使わせていただきありがとうございました

さらに作品絵までも描いていただけるとは……。というか、その素早い行動に驚愕です


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