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【本スレ】魔法検定試験【祝初>>1000】
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・荒らしはスルー
・他キャラの向こう側には自キャラと同じようにプレイヤーが居ます、思いやりの心を忘れずに
・自分の不快感は分身である自キャラの不快感、嫌だと思ったらキャラクターの行動として出してみよう
・一人じゃ出来ないと思ったら他のプレイヤーに助力を求めてみよう
・長いイベント、遅いレスは他PCを長期間拘束している事を知っておきましょう、イベントを幾つかに区切るのがお勧めです
・上記のイベント、レスは長期化すればするほどグダグダになりやすいので覚えておきましょう
・カップル成立等キャラ同士の恋愛は禁止していませんが、利用規約の範囲内で、節度を持って行動しましょう
・キャラ、組織は成長します。発生しないことが一番ですが、もし矛盾が生じた場合、後付けの設定を優先します
・疑問に思ったらその時に空気を気にせず聞きましょう。聞かずに禍根を残したり他スレへ行って争う方が空気を悪くしています
まとめwiki:ttp://www40.atwiki.jp/mahoken/
うpろだ:ttp://www6.uploader.jp/home/mahoken/
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>>899
「…………人間に戻る…………か、それもありかもねー」
と、手をぽんとして言ってます
「お兄さんありがとー、なんか新しい発想だわー……そしたらもう紋章もないから不老不死でもないしー」
と、ちょっと嬉しそうに言ってます
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>>900
…見ず知らずの俺に言われて気付く前に、そんぐらい自分で思い付けってんだ
(照れ隠しなのか、それとも本心か)
(踏み潰した吸殻を拾い、先程破壊しかけた人形へと歩き出す)
やっぱくたばる前に、色々やる事ありそうだな?
ちゃんとココ使え、ココ( ^^ω)
(彼女に背を向け、頭を指差す)
(こんな脳筋に言われたくはないだろうが、彼なりのエールなのかもしれない)
(億劫そうに、人形と吸殻をゴミ箱に放り棄て)
(首をコキコキ鳴らしつつ、後ろ手を振り、男はその場を後にした)
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「ま、目から鱗だったわー、んじゃそっち方面の研究もしてこかなー、今後は」
と、ニッコリして言って
「お兄さんまったねー」
と手をふりふりして見送ります
「さて、私も帰りますか」
と言うと、豪勢な飾りついた杖を出して、それに乗って上へ上へ、上空へと飛んで行きました
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850>>851
「特別嫌われてる訳じゃないんなら安心だ、
やっぱり、嫌われるのは色々と辛いしな」
「エリンもありがとう、我が儘を貫いたんだ、罵詈雑言の一つ二つくらいは覚悟していたよ……それと、買い被り過ぎだ、俺はきっとエリンよりも、彼女よりも弱いから」
好かれたい訳ではないが嫌われたくない、その言葉は本心だったのだろう、二人の対応に小さく笑んで安心した様子を見せる。
思えば―――こんな気分に成れたのは何時以来だろうか、そう考え、慌てて思考を断ち切る。
今は、今だけは、この時間を見なければいけないから。
「誰が怖いのかは後でじっくり話すとして、格好いい役を独占されるのは勘弁だな、何かあったら俺も動くよ」
「仕事の現場じゃないんだ、一人で気負いすぎる必要は無いだろう?」
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>>851>>903
『私は兎も角、天月もお化けみたいなもんだけどねぇ』
『…っふふ、そうね』
エリンの狼狽っぷりを見て、二人の精霊のクスクスといった笑い声が、時計塔の中で、姿無き声として響く。
「…ん、そうだな、お前の力を侮ってる訳じゃないんだ、ごめんな。頼りにしてるよ、ベルン」
後ろを振り返りつつ返答した青年の表情は、その口調に反して、少し強張っていた。
「(…後が怖いな、あれ)」
時計塔の入口。少し前に語らっていた頂上は頭上高く、街に聳えるそれを照らす灯りは、下までも届いて、彼らをも照らす。
「さって、それじゃ歩きますかね。行こうか、二人とも」
気ままに街を歩き出す、"人間"と"屍人"と"半天使"と、それから精霊。
この奇妙な組み合わせが、最初に向かったのは──?
1〜3なら【大通り】
4〜6なら【噴水広場】
7〜9なら【商店街】
0なら【ここ…どこなんですかね…】
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>>903 >>904
(奇妙な組み合わせの人間担当は、にこにこと嬉しそうにしながら歩いております)
(行き着いた先の大通りを歩きながら、周りに並んだ店舗や民家をゆっくり眺める)
(改めて見ると懐かしいような気持ちになる、さまざまな店ぶれ)
「ここは、魔道具屋さん…ここは、本屋さん…ここは、銭湯で…、
ここは…らー、めん屋さん?…、……??」
(『龍鼓軒』と書かれた看板を見かけて、どう読むのかと首をひねったりしている)
0:アッ!いかにもチンピラっぽい奴とエンカウントだ!
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男は、そう言って口の端を三日月に吊り上げた。
愉悦。憧憬。そして狂気。
「小僧が随分と言う様になったものだ」
全ての種は蒔かれた。
しかし、収穫に至はごく僅か。
可能性。可能性。可能性。
必ず何れかが辿り着き、答えを出す。
「では、どれほど“使える”様になったのか?」
私の与えた“カタチ”
私の与えた“チカラ”
そして、お前が強く望んだ“ネガイ”
「そろそろ魅せてもらおうか。本物の、お前が扱う、お前だけの――」
赤黒いスーツの右手が握られ“――が舞う”
「来い、“絶壊四炎”」
その炎に、その剣に
「グラルダ」
あろうことか、男は娘の名を付けた。
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>>904>>905
「気にするなって、嫌味じゃないのは承知しているさ“そっちに関しては”な」
「言いたい事が伝わってくれたなら、何も詫びる事はないよ」
微妙に根に持っている気がしなくもないが、その敵意が冗談の範疇から出ないものなのは口調から察する事が出来るだろう。
「らーめん、でいいんじゃないか、何か中華な雰囲気だし間違ってはいない、と思う」
「しかし、こうして見ると、此処は何も変わって―――」
紡ぐ言葉は途切れ、足が止まる、青年の眼に映るのは極々普通な花屋の小さな看板。
だが、きっと、青年にはそれだけでは無かったのだろう、何かに囚われるように、暫し、其を見つめ続けて。
「――どうも、駄目だなあ、やっぱり意識してしまうよ」
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>>905>>907
「あっはは…了解」
苦笑いを浮かべつつも、ベルンへと返事をして夜の大通りの風景へと、眼を向ける。
──ふと、こうやって誰かに軽口を叩いたのがとてもとても久しぶりだと気付く。
そうすると急に懐かしさが込み上げてきて。カフェで出逢った友人達の顔がぽつぽつと、記憶の水底から沸き上がってきて。
その中でも特に"彼"は、強くて優しくてお互い多忙で再会のタイミングの合わない"彼"は、元気にしてるのかと、強く思った。
それでも、今隣を歩いてるのは彼らではなく、自身の新しい友人で。今は彼らとの時間を大切にしようと、懐かしさを振り払うように、エリンが示した街並みへと、再び眼を向けた。
「お、龍鼓軒だ。二人とも知ってるか、ここはえびせんラーメンを出してくれる超優良店なんだぞ!」
読み方を知っているということは、ある程度馴染みがあるのだろう。えびせんラーメンの件は嘘のような本当の話であるが、それが好印象に繋がるのは少数派なのではないだろうか。
「銭湯かぁ…そういやグレストさんのとこには世話になったなぁ、色々とトラブルもあったけども…」
『男湯と女湯の仕切りなくなったりとか媚薬流されたりとかね』
今現在ホレイトの肩の辺りに止まっているアクエリアが言葉を続けるが、ホレイト自身はあまり浮かない顔。
「嬉しい云々とか言ってる場合じゃなかったようなそうでもないような…」
と、ベルンが足を止め、眼を向けている花屋の方向に、此方も眼を向けて。
「んん…?何処にでもありそうな花屋だな。流石にこの時間にはやってないみたいだけど、彼処は馴染みの店だったとか?」
彼は、知らない。
知らないから、分からない。
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>>905>>907-908
「何してやがんだこのクソバイトォォォォォォォ!!!!!」
絶叫。咆哮。3人の少ししんみりした雰囲気をぶち壊すかのように、『龍鼓軒』と書かれた店の中から怒鳴り声と轟音が響き渡る。
『クソバイトって!俺はただ頼まれたものを出しただけでだな!!』
「ラーメンの中にハンバーガーぶち込むバカがどこに居るってんだよ!!」
『ハンバーガーラーメンって注文だったんだよ話し聞いてろチビ店長!!!』
「誰がミジンコゾウリムシドチビだこの金もやしがァ!!」
『そこまで言ってなばるろぐっ!?』
ガシャン、と。
ガラスが割れる音が響いたかと思えば、金髪痩身の青年が店内から吹き飛ばされる。
『痛――本気でやりゃあがったなクソ店長!』
「本気だァ?この程度が本気だと思ってんのか、おめでてぇ頭だなナナフシ野郎!」
後を追うように、ゆっくりと踏み出してきたのは白髪の少年。
みしり、と音がしたかと思えば、両腕が異形の――漆黒の龍のそれへと変貌していく。
『んなろ、ナナフシだのもやしだの好き勝手言いやがって!』
「なら棒人間とでも言ってやろうか、あァ!?」
ばちり。金の青年の前髪から紫電が弾ければ、
劫、と。白の少年の口の端から灼炎が漏れる。
高まる一触即発の空気に、店内ではいつものことかと呆れたように見る者も有り、声援を飛ばす者有り、果てはどちらが勝つか賭ける者有り。
あっという間に、即席闘技場の完成である。
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「バイトが勝っても負けても煮玉子」
店の片隅、ラーメンをすする二人。糸目の青年は黙って咀嚼するだけ。
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>>907-
「ええ、えびせんラーメンなんてあるんですね、初めて聞きました!
えびせんがしなっとしてそうでちょっとおいしそうですね!」
(超ほがらか)
(ふと、足を止めたベルンの視線の先を見る)
「あ…、お花屋さんですね、久しぶりに見たなあ…。
…リリアさんはまだお元気でいr(ガシャーン)」
「(** )」
(こういう顔で固まってる)
「…えっ あっ 人が えっ…」
(きょどってる)
(賭けますか?賭けませんか?)
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>>みんな
「馴染みの店だったよ、此処で色々と会話したり、戦争したり、懐かしい思い出が沢山有る」
「そう、沢山有るんだ、絶対に忘れられない思い出が……だから、今は顔を出しにくくてね」
そうしたら、彼女が消えた世界に、それでも廻る世界に一歩近付いてしまうから。
そして、自分はそれを受け入れられないと理解できるから。
「まあ、それは置いといて、折角の乱闘だ、エリン、ホレイト、あの馬鹿二匹のどっちが勝つか賭けないか?」
知らない二人を馬鹿扱いである、これで彼等が此方に敵意を向けてきたら――それはそれで面白い。
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>>909-912
『え、アンタそこはドン引きしてもいいトコよ?ぶっちゃけ気持ち悪いわよねぇ、えびせんラーメンもホレイトのどうしようもない嗜好もさ』
「おいコラ」
現在、エリンの近くを浮遊している蒼の精霊のさらっと吐く毒に、主はあからさまな不機嫌顔を作る。
とはいえ、もう慣れたものである。すぐに元通りの表情に戻り、ベルンの方へと顔を向ける。
「なんかさらっと物騒な単語が紛れてた気がしたんだが…まあいいや、兎に角、お前にとって大切な場所、なんだな」
自分にとってのSC本部のようなものなのだろうか、そう思考を動かす。
「いつかまた、胸を張って顔を出せるようになればいいな。その時はきっと、お前が全てのしがらみから開放された時なんだろうからさ」
と、その時。龍鼓軒から響く怒声と轟音がその一帯を支配する。それに対して二人と同じようなタイミングで、目を向けて。
「あー…またやってる…本当蟒蛇さんもバイト君もしょうがないな」
以前にも似たような光景は見たことがある。しかしホレイトは未だに宗魔の名前を知らなかった。もしくは、忘れてしまっていた。
続けて、ベルンの提案に、苦笑を浮かべて。
「俺もああいうのは嫌いじゃないし、まあよくあることなんだけど、悪いなベルン、ちょっとその誘いには乗れないな」
挙動不審な身振りを見せるエリンと何かを期待するようなベルンを尻目に、ホレイトは一触即発は二人の方へ、足を向ける。
「はい、お二人ともそこまで。」
蟒蛇と宗魔の間に、突如聳え立つのは水の障壁。それは二人を別つ様に。
「時間も時間ですし、近所迷惑になります。それに正直貴方がたの"それ"は遊びでも洒落にならないのは存じてますので。ぶつかり合いたいなら闘技場にでも行かれては如何ですか、蟒蛇さん」
それは先に言った通り、"いつものこと"であるし、常連客にとってもそれは当然のことであろう。だからこそ青年の行動は随分と無粋に映るかもしれない。
「皆さんも下手に煽ろうとするのは自重していただきたい、何度も言いますが迷惑です」
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【闘技場】
闘技場の一角で青年と動物が向かい合う。 宿命を解決した竜は今、新しい道を学ぶため自分を磨いていた。
この世界で生きていくには、この世界の力が強すぎる。 少しでも力を磨かなければならない。
その中で様々な手段を考え、今こうしてここに立っている。 その竜にとって少しだけ特別な、しかしこれから幾度と体感するであろう経験の一つとして。
「……いくぞ!」 掛け声と共に青年が駆ける。 竜の翼すら広げ一直線に。
『甘いぞ!』 その文字が空中に浮かび上がるのと同時に動物は空へと弾き飛ばされていった。
「……だよな、そうだよな」
『うむ』
竜である青年は空も飛べる。 しかし大型のタヌキであるとはいえ質量差による機動力が違いすぎる。
推進力も魔法による電磁加速と素の飛行とでは違いすぎ、また空中戦で相手の機動力を削ぐ手段を青年は持ち合わせていなかった。
「……一撃あてられれば絶対勝てるのに」
『幻術で撹乱するから早々あたる気はないがな』
この青年はどうしても「小柄」「高機動」「幻術」「空戦」と相性が悪いらしい。
攻撃手段が優秀な身体能力と植物操作と水の砲撃しかなく、それ以外で特筆すべきは回復力と飛行可能なことくらい。
明らかに相性の悪い者を相手にする武器を何一つ持ち合わせていなかった。
近づこうにも相手の機動力をどうすることもできない。 遠隔攻撃や設置攻撃も空中に置くのは難しい。
逆に相手はこちらの回復力を突破できないかもしれないが、麻痺による拘束など可能性はある。
今、ほとんど時間をかけずに、竜がタヌキに敗北する瞬間が訪れてしまった。
「――」
『……あれだ、まずはもっと然るべき相手を探し出そう』
世界の力の差の壁以前に何かがおかしい対決は終わり、タヌキはカフェへ新たな対戦者を探しに行った。
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>>914
「そして連れてこられたのが俺だ!」
「事情は説明したとおり、適当に戦ってみて欲しい」
改めて対峙する竜とランナー。 一方は槍を構え一方は底が銃口になった消火器のような水大砲を構える。
そして何の合図もなく、地面が爆ぜ戦いが始まった。
「ドライ!」 爆発魔法による急加速で接近、迎撃のため打たれた水の砲撃は地属性の紙飛行機を投げつけられ吸収される。
二人の距離が一気に縮まる。 ランナーは舞う紙を追い越し槍を突き出そうとし、その槍に絡みつく蔦に気付いた。
水の砲撃に仕込まれていた植物の種。 咄嗟に槍から氷の棘を生み出し蔦を切断し、その場から飛びのく。
一瞬の拘束時間を狙った竜の拳を間一髪で回避するが、間一髪の回避だけでは足りない。
飛びのいたその状態から風の魔法により自分を吹き飛ばし更に距離を開けると、その鼻先を鋭利な植物の刃が掠めていく。
――仕切り直しだ。 お互いの手の内が入り乱れた攻防は戦闘の緊張感をより高めていく。
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>>915
次に動いたのは竜の青年。 先ほどの先制攻撃をある程度余裕を持って捌けたことから次は自分の番ということだろう。
先ほどの攻防で切断された蔦だが、少々切断された程度では蔦は死なない。 再び水を吸収した紙から伸びる蔦が蠢く。
「スパイク! ヒートラン!」 しかしその紙は元々ランナーが作り出した紙、ランナーの魔法基点に成り得る。
紙から無数の氷の刃が発生し蔦を切断、その後紙が小規模の爆発を起こし炎上。
蔦に対処するだけでなく氷の刃を撒き散らす。 だがそれらは本人から離れた場所に発生させた魔法だ。
本職の魔法使いでもないランナーが、ただ魔法名を発音するだけでは少々効力が弱まることを避け得ない。
そして離れた場所に魔法を発現させるために二度魔法名を発音することは、隙に成り得る。
「捕まえたぞ!」 竜の翼を盾にそのまま水大砲を構え突進、氷の刃は翼に突き刺さるのみに留まった。
突進を避けなければ、流石にこの身体能力の相手に大ダメージは避けられず、また植物により拘束される可能性が高い。
だがここまで近づかれたなら咄嗟に逃げようにも水大砲を避けられず植物に拘束されるだろう。
かといって白兵戦を仕掛けるには脚力以外の身体能力で負けているため分が悪い。
が、ランナーは進む。 槍から氷の刃を伸ばし槍を振るい、水大砲の銃口を逸らし逆方向へ転がる。
竜は突進の勢いのまま通り過ぎ、蔦を地面に突き刺しアンカーのように使い無理やり動きを止め方向転換し追撃に迫る。
「捕まらねぇ! 俺の脚は止まらねぇ!」 無理に体の動きを止めるということは瞬時には行えない。 その瞬間を狙い氷の刃を伸ばした。
竜は翼に氷の刃が刺さっており翼を使った無理な軌道修正はできない。 そのまま蔦を縮め地を這うような機動に変更し追撃を続行。
「今度は俺が王手だ、スパイク!」 しかし、頭上を過ぎた氷の刃からさらに氷の刃が伸び、背中から腹部を貫き竜を磔にする。
「この程度は王手じゃねぇ!」
「ッ!?」
木行竜の生命力はその程度では致命傷となりえない。 新たに現れた竜の尻尾が氷の刃を叩き折り竜が駆ける。
一瞬意表を突かれたランナーは、それでも今までの経験故に反応して見せた。
氷の刃と槍を切り離し、ただ魔力を籠めただけの槍を突き出す。 その槍は竜の肩を貫くが、その程度でも竜は止まらない。
竜が、至近距離から蔦を生み出し槍から肩までを拘束する。 そして――
「……」
「……」
竜の青年は体の内側から無数の氷の刃が突き出た状態で、ランナーは体の前面に植物の刃を突きつけられた状態で、停止していた。
このまま槍を基点に内部から氷の刃を生み出し続けられれば流石の木行竜といえども致命傷となっただろう。
しかし竜の体から突き出る無数の植物の刃も、人間であるランナーにとっては致命傷になりえる。
――勝負は何故か、引き分けに終わった。
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>>916
「病院ってスゲェ」
あれほどの戦いの後であるというのにお互いに完全回復している。 医療の発展とは素晴らしい。
お互いに健闘を称えるがこの戦いで多くを学んだのはやはり竜の青年であろう。
ランナーは旅の間に多くの経験を積んでいるが故にこの戦いで改めて得たものは少なかった。
しかし竜は、身体能力の劣る人間が、回復力をもってしても、様々な魔法を用いて互角に戦う様を見てそれぞれに関心を抱く。
「ありがとうよ、でも次は負けないからな」
「竜というのは強いな、もう俺はあまり戦いたくないけど」
竜はこうしてまた新たな経験を積んだ。 しかしそれを見ているタヌキはこうも思った。
戦闘が本職でない人間相手に引き分けに終わる竜というのは、流石にどうなのだろう、と。
木行竜の修行はまだまだ続きそうである。 目標は、打倒クオン。
アルカリ金属による爆破と銃弾の雨と砂のオートガードと自己修復による一方的な試合でのトラウマを克服できるのだろうか。
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【闘技場】
今再びの闘技場イン木行竜。 今回の相手は共に宿命へと立ち向かった、同じ宿命を背負っていた者。
どこか吹っ切れたような雰囲気の青年に対して、その少女は笑顔ながらもどこか表情を曇らせていた。
「……同じような立場だったから言っておくけどよ、今は無理でも嫌でも折り合いってつくもんだぜ」
「そう、でしょうか? そうなのですかねー」
苦笑いを浮かべる二人。 これより模擬戦が始まるというのに、二人は戦いのことなど考えていなかった。
些細なことなのかもしれない。 力を得るために戦うということ自体が。
そう思わせるほどに二人は自然体であり、またその戦いの始まりも唐突に思えるほどに自然であった。
「闇よ!」
少女の声により二人の間の空間が虫食いのように球体状の闇に包まれ視界を遮る。
竜の青年はその闇から離れるように翼を出して飛び上がる。 その音を追いかけるようにして闇から飛び出す炎の線を水大砲で撃ち消しながら。
羽ばたく音を気にし滑空でその場を離れると大雑把に闇の中へと水大砲を撃ちこむ。
すぐさまその軌道をなぞるように炎の線が空を走ってくるが、避けるだけの距離があるためそれも滑空で避ける。
空を飛べる竜に対して少女は明らかに不利、に思える。
今も水大砲に仕込んだ植物の種が闇の中を暴れまわっているのだから。
「……やっぱり飛ぶと勝負にならないんじゃ」
「捕まえました」
声が、竜の青年の真下から聞こえた。
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>>918
まずいと青年が思う間にその体が炎に包まれる。 相手の影と自分の影を重ねることで使用する対象指定型の着火魔法。
生き木は水分を多く含むから簡単に燃えず、竜として上位に属する回復力もある。 しかし強い精霊の炎を浴び続けるのは危険が過ぎる。
保存されている水の大半を一気に放出することで無理やりに日をかき消しその場から離れる。
「いつの間に真下に!? 闇の中から出てきたら見逃さないはず!」
「羽ばたきの音は消したみたいですけど水大砲の射程距離からして闇から単に遠ざかるより旋回するように移動すると思いまして、
なので羽ばたきの音が消えた方向を目指して走り抜けて、観客席に飛び込めば闇で視線が遮られて――」
「まさかの場外活用!?」 流石にそこまでされたら、闇の中に居ると思い込んだ相手に注意を向けている以上不意打ちも許すだろう。
次に観客席を活用されないように大量の種を飛ばし茨を作り出し隔離する。
茨は切り裂かれたり燃やされたりしても木行竜にはそれが伝わり、奇襲の成功率は大幅に下がる。
それを見た少女は中央部の巨大な闇を消し去り刀を構える。
「火を飛ばしてきても距離があるなら避けられるし対象指定攻撃に気をつけるだけでもう攻撃は受けないぞ?」
「はい、ですが何故あの時『昼間でもないのに真下に影ができていた』のだと思いますか?」
その言葉に反応し竜は急降下。 視線を自分の居た方向に向けるとその近くには白く輝く炎が浮いていた。
これは一度見た覚えのある色、マグネシウムが焼けるときに発する光だ。 竜の影の位置が真下であったのはこれが原因か。
「火線を飛ばした後その場で停止させる事を覚えまして、あとは精霊に制御任せてマグネシウムの粉末を乗せて飛ばせば強めの光源です」
火は水で消せばいい。 しかしそこを狙って火が飛んでくるだろう。 また撃ち消せば動きは止まりいずれ影をつかまれる。
ついに竜は空の利を捨て地上で戦うことを決心した。 地上で至近距離なら光源を用意した傍から弾き飛ばせる。
地上で距離を置き戦うなら光源を利用し影を重ねること自体が難しくなってくる。 地上で戦う方が安全だ。 水にも限りがあるのだから。
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>>919
「その対象指定攻撃強すぎじゃね?」
「この前これ使って負けましたよ?」
なんとも軽いやり取りではあるが現に二人ともそこまでの消耗は無い。
竜は回復力により消耗を抑えており少女にいたってはまだ攻撃を受けていない。
それこそ消耗は竜の保存していた水と少女の魔力くらいなものであろう。
「なんていうか、お互い強くなったよな」
「そうですねーとってもよくしてもらってます」
距離をとったまま二人は昔を振り返るような言葉を口にする。
しかし、その二人の中にある感情にはあまりにも差がありすぎた。
「近づかせやしないぞ」
近距離では身体能力の差が武器になるだろうか火が怖い。
避けられる距離を保ちながら遠距離攻撃を続ける方が持久力に優れる竜にとっては有利だ。
だがそれでも、身体能力差を埋める何かがあれば、接近を許す可能性がある。
体を沈め自由落下状態から足を動かし少ない力で移動する、縮地。
無論慣性を無視した瞬間移動にはならないが、元より竜より慣性の小さな少女の体と合わされば、十分速い。
「ヤッ!!」
足止めにばら撒かれる蠢く蔦や刃の植物が、振るわれた刀の纏う炎に焼き斬られていく。
粘着液を出す植物の粘液を仕掛けてもその足運びで即座に対応される。
恐らくは精霊に教えてもらうことで地面すら見ずにそれを踏む事を回避しているのだろう。
半端な植物では既に少女の炎に対応できない。 攻撃手段の内植物と水を失ったなら、もう近距離戦闘を選ぶより他ない。
今、お互いがお互いの間合いに踏み込んだ。
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>>920
「身体能力の高い、しかも自分よりリーチも質量も恵まれてる相手に、こうも執拗に近距離戦挑むのかよ!」
「はい!」 即答だった。 とにかく相手の優位性をことごとく潰すように近距離戦闘に持ち込んだ少女だが、その戦いはここからが本番。
竜の体から飛び出す無数の植物の刃は、鞘で地を叩くことで直前に避け、
翼の羽ばたきには刀を地面に突きたてることで耐え、
そこを狙い振るわれる竜の尻尾は突きたてた刀を基点に爆発を起こし飛び上がるように避け、
浮いた体目掛けて放たれる拳は鞘の爆発により自分の体を地面目掛け叩き落すように避けた。
「ヤベェ」
周囲の地面から蔦を出し、それを焼き払うなどの対処をしている間に竜は着地する。
攻撃を続ければまだ優位性は維持できるが少女はずっと防戦一方。
しかしこのまま戦闘が続けば火の仕込みはどんどん増え、いずれ飛び上がらなくても影をつかまれてしまうかもしれない。
「勝負ッ!!」
だからこそそれまでに勝負を決めたい。 竜は蔦を多数差し向けるのと同時に植物の刃を纏い突進する。
突進を避けるのに体勢を崩せば蔦に捕らえられ追撃を受ける、蔦に対処していれば突進を受ける、単純な力技。
それに対して少女は、別の選択を選ばずに突進を避ける選択をした。
「貰ったァ!」
「どうぞどうぞー」
少女の体が蔦に絡めとられる、その前に少女は刀を振るった。
突進から追撃に移るまでには流石に一瞬でとはいかない。 その間に少女は無理な体勢から刀を振るう。
蔦は薙ぎ払われるが、無理な体勢からの一撃は追撃を避ける時間を奪う。 それどころか刀が蔦に絡め取られ――
「ッ!?」
気付いたときには既にそれが完成していた。 蔦を焼くことなく絡め取られた刀、そこから流れた炎は鞘へと流れた。
青いリュウグウノツカイの姿をした精霊が姿を現したかと思えば、それは一瞬にして、爆発を起こした。
無理な体勢から、攻撃を避ける時間を削り体勢を整え、強く吹き飛ばされた少女の体はクロスカウンターのように竜を弾き飛ばす。
少女の体は蔦に絡めとられているため竜の体のみがはじき出されるが、弱い火を使い蔦を焼き少女は追撃に走る。
「まだだ!」
「いいえ、これがラストアタックです!」
少女は起き上がろうとした竜ではなくその上方に火を走らせた。
このまま光源が用意されれば対象指定攻撃で燃やされる。 竜は立ち上がるのを中断し転がる。
が、転がるのでは縮地を用いる少女から離れるには不足。 光源など関係なしに、本来の、自然にできる影を、踏まれた。
「グッ!? オオオオオオォォォッッ!!!」
燃やされながらも竜は少女に腕を振るい、尻尾を振るい、翼を振るう。
その攻撃を防ぐ術はないのかすぐに少女は後退するが、既に対象指定の炎を別の方向に向け流用していた。
「どうしますか?」
「……流石に降参だ」
竜の後方には光源となる明るい炎が、そして少女の足は竜の影を踏み既に魔法の発動条件を完成させていた。
まだ水の残りはあるが、後手に回ればまた同じように対象指定魔法により燃やされ続けるだろう。
――少女は、不利でありながらも竜の手を封じ勝利して見せた。
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>>921
「流石に同じ世界出身の女の子に負けるのはガチで落ち込む……」
「あれ? でも幼馴染の幻術使うドラゴンの女の子に勝てたこと無いとか」
「……それ以上言わんでくれ」
お馴染みの出張治療。医療の発展とは素晴らしい。
今回はお互いに学ぶところの多い試合だったかもしれない。
お互いがお互いの弱点をギリギリ握った状態で戦っているような状態であったが。
「ついでに訊いておくけど気分転換にはなったか?」
「――わかりません」
その表情は、試合前とさほど変わったようには見えなかった。
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「かかっ。叱られてしまったな」
「其にしても魔術の精度が上がったな……」
奥の方の席にいた女の声は、不満そうな、それでも仕方ないかと言った呟きに紛れて溶ける。
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「強くなるために手札を増やしたい」
これはそんな木行竜の回想。
【クオンの場合】
「ではまず覚えるべきなのは設置攻撃という手札だと思いますね。
自分は再生能力あるのですから半端な空対空攻撃だけよりは地上に設置した植物から地対空攻撃混ぜるべきです。
というわけで魔法における遠隔操作の自動化と種族特性の擦り合わせを使って――」
結果、少々高難易度ではあったが元々の能力を生かした技術であり現在修行中。
【クーの場合】
「えっと、水大砲だけでなく武器を用いた武術を学ぶのは駄目なのですか?
身体能力に恵まれているのですからそれを活かす動きをとか」
結果、素の身体能力が高く竜の姿も考慮すると合う武術が少なく身につき辛かった。
【タートの場合】
『ふむ、植物操作というのは汎用性が高いのであろう?
確か植物から油が取れたりするそうではないか、燃えやすい植物と合わせれば火も攻撃手段になりえよう。
だから火種を持ち歩くだけでも攻撃の幅は広がるのではないか?』
結果、一番手っ取り早く身についた。
【そして現在闘技場】
「……俺も元野生、ということか」 タヌキ相手が一番わかりやすい結果が出たということにどこか複雑な表情。
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>>910-914
「…あん?あァ、お前かホレイト」
『ごぼばがぼがぼ』
タイミング悪く、というか何というか。
踏みとどまった少年と対照的に、青年は水壁に頭から突っ込んで溺れていた。
「近所迷惑、ねぇ」
『がぼばごぼぼぼ』
くるり、と体の向きを変えて。
紫の瞳が、邪魔者たるホレイトを射抜く。
「………ま、今回は引くとするか」
溢れ出していた怒気と、龍の爪をその身の内に抑え込んで。
「宗魔、明日の昼にでも闘技場来いや」
『ごぼごぼごぼごぼ』
背を向けて店内へと去る店主と、水壁でもがくバイトと。
ようやく青年が水壁から脱出した時には、既に少年の姿は見えなくなっていて。
『えーっ、と…ごめんなさい?』
びしょ濡れの青年が、一行に向けて頭を下げた。
-
(店内乱闘と双腕の竜を前に、わあ…竜だ…スゴイなー…アスールさんも確か腕に竜が…とか冷静な回想をしながら身体は硬直している)
(が、仲裁に入ったホレイトの様子とやり取りを聞いて再起動した)
「あれ?ホレイトさん、お知り合いなんで…ああっ人が!人が何か映画の拷問シーンとかでありそうな水責めに!」
(うわあうわあと顔面蒼白でおたおた)
(ベルンの賭けに乗れるような度胸が、残念ながら微塵も持っていなかったらしい)
(助けた方がいいのか、しかし助けたら助けたでまたドンパチの火種になるまいかと優柔していた矢先)
(さっきまで溺れていた、そして今は普通にこちらに向けて謝罪している少年に、また我に返る)
「はっ…、い、いえいえっあのっええとっだっ大丈夫ですか?
あ、そっそうだここのお店ってつけ麺はありますか?!」
(気が動転し過ぎて無理してナチュラルな会話しようとして逆に不自然な文章を作っている系女子になっているッ!哀れッ!)
-
「物騒だけれど大切な思い出だからね、それに、その気になれば大騒動が有った事、俺が関わってた事は簡単に調べられる」
「なら、正直に吐いた方が誤解とか生まなくて良いだろう……ああ、何だか良い感じにエリンのSAN値が持っていかれてる!?」
一般人だなー、とか、良識人だなー、とか思うがそんな事を言ってられる状態ではなさそうだ。
どうにかしてフォローしてあげたいが、何の台詞も思い付かない―――ホレイトに全部任せようと決めるまで、時間は掛からなかった。
「……そうだな、そんな日が来たなら、成仏出来る……かは解らないが、相当救われるんだろう」
「まあ、散々やってきた俺が救われるような世界なんて、それはそれで“救えない”とも思うけどね」
自分の邪魔になる相手は問答無用で殺してきた、その可能性があれば、年端もいかない少女だって“取り敢えず”剣を向け“念の為”に貫いた。
その事に罪悪感なんて感じるほどの良識は持ち合わせていないが、こんな自分に救いが有ったなら、神様は下界に無関心過ぎると思う。
「恨まれ役を買って出るのか、正義の味方は大変だね……禿げるなよ、ホレイト、それとエリンは落ち着いて、食い意地張ってるアホの子だと思われるから!」
「ああ、店員さんはお気になさらず、少なくとも俺は楽しんでいたからね」
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>>925-927
「お久しぶりです、蟒蛇さん。突然の無礼、お許し頂きたい」
す、と、軽く一礼。水壁に突撃した宗魔のことは、頭を冷やせと言わんばかりに一度放置しておいた。とは言え、危ない状態なら何時でも障壁を散らす用意はしているが。
ホレイトを捉えるは未だ怒気を含んだ黒龍の視線。耐性の無い者からすれば正に"蛇に睨まれた蛙"になるであろうそれを受けながらも、凛とした態度で、漆黒の瞳はそれに合わせ、退くことも無く。
…少し見下ろす風になるのは仕方ない、仕方ないんです
「お気遣い感謝します。苛つきを発散したいときは、俺で良ければ然るべき場所で、何時でもお相手致しますよ」
店の中に去り行く背中に、そう語りかけ。それから、手をゆっくりと降り下ろす様な動作をすると同時に、水壁は"還り"、宗魔の全身も、いつの間にかすっかりと乾いていた。
「いいや、今回は俺みたいなのは偶然通りかかったから…まあ運が悪かったってことで。むしろ、貴方に此方が感謝したいくらいで。」
『やっぱあんた一人じゃ、"水壁"の出来もまだまだあんなもんってよく分かったでしょ?』
「わりと本気だったんだけどなぁ」
そんなやり取りの後、ベルンとエリンの元へと再び歩みより。
「まあまあエリン、落ち着け、取り敢えず深呼吸だ、深呼吸」
原因の一人は慣れた様子で、慌てるエリンに笑いかける。それから、龍鼓軒の方を見て。
「今の人が黒乃蟒蛇。元革命軍の幹部で、なんだろうな…特攻隊長みたいな、そんな感じ。一応知り合いではあるけど、そこまで話をしたことはないんだよなぁ…で、そっちは龍鼓軒のバイトの人。」
宗魔の扱いが若干酷い気がするが、ホレイトの認識はそんなもんである。
「…その口振りからして、あんまり真っ当なことじゃないんだろうな。それはちょっとだけ悲しいよ」
ベルンの話を聞き、思ったことを包み隠さず、彼に伝える。変に擁護するのは、むしろ逆効果であるし、そんな考えもなかった。
「救われるさ。お前が以前どんなことをしていたのかはまだ分からないけど、今のお前は少なくとも無闇に"負"をばら蒔いたりしてないだろ?だから、きっと。勿論、何もしないでただ時間を費やすだけじゃダメだぞ」
それはとても都合のいい言葉に聞こえるだろう。けれども、彼ははっきりとベルンに、そう告げた。
だが、彼の放った一声により、ホレイトの表情は一変する。
「禿げる?誰が?まさか俺?いやいやベルンそれはない。断言してもいいがそれはない。禿げるってことはつまりこの俺の女神の紡ぐ羽衣の糸よりも繊細で海に煌めく{これから5分間ほど自慢話が続くので省略}そんな俺の銀髪が一部だとしても無くなるってことだろ?いやいやいやあり得ないあり得ない。だって想像できないし、きっと謎パワーでなんとかなるし、いや間違いないし、ベルンも変な冗談が好きだよな、仲良くなってる証拠だよな。ほら見ろよ地肌なんて一つも見えてないだろ?ん?兎に角そういうことだからな?次そういうこと言ったら冗談や戯れでも少し怒っちゃうかなーって思うんだ、分かった?」
ここまで真顔である。
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ちなみに。
『あーっはっは!!ひっ、ひぃーひっひ!!やっば、あいつやっぱりおっかしいわ!!ほんっとえびせんとアレに関してはビョーキよ!ビョーキ!ほんっと外側も中身も成長しないわね!あ、あいつあんなだけど一応悪いやつじゃないのよ、多分。』
アクエリアはエリンの側で大笑いしたりエリンへ一応主の擁護っぽいことをしていた。
『あら、彼はむしろ貴方の事を心配して言ってくれたのだから、その態度は良くないと思うわ。条件反射なのは考えものね』
天月はベルンの傍らに着き、主を冷ややかな目線で貫いていた。
どっちにしろこの二人がかなり手際よく主の側から離れたのは間違いなかった。
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>>926-929
「然るべき場所、か」
鼻で笑うような仕草を見せた、その後に。
「…まァ、また今回みたいに邪魔されても興が削がれるだけだかんな。カフェか闘技場にてめぇがいりゃ、頼む事もあるかもしれねぇや」
僅かばかり見上げるように、僅かばかり笑みを浮かべて。
今度こそ店主は店内へと歩み去った。
『え、俺はそりゃ大丈夫で--え、つけ麺?頼まれりゃ何だろうと出すのがウチの流儀ですぜ』
(……そういう事を、言うから…店長、が、怒る……んだろう)
『うるせぇよ幽鬼』
一片幽鬼。宗魔の片割れ、もう一つの人格だが、表に出ていない人格の声は他人には聞こえないので端から見たら完全に危ない人である。
『楽しんでくれたんなら…まあいいんですかね。今度来てくれた時は煮玉子でもおまけしましょうかい』
(そして……給料から、天引き…され、る)
『おいやめろバカシャレにならねぇだろうが』
『あー、はい。バイトの一欠宗魔です。えーっと…馬鈴薯さん?』
(馬鹿か、お前は…)
『というか銀髪って遠目から見たら--っ』
『そこまでに、して…おけ、宗魔』
(いきなり主導権持ってくんじゃねぇよ幽鬼!!)
金から、黒へ。
腰まで伸びる闇のような黒髪と、鮮血の如く赤く染まった瞳。
人格の交代である。
『放って、おくと……お前は、マトモな…事、を、言わない…から、な』
(うるせーやい)
そうして、三人に視線を向けて。
『一片…幽鬼、だ。ややこしいが……宜しく頼む』
ぺこりと、頭を下げた。
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>>927-930
(二人から落ち着けと言われ、再び我に返る)
(分かりやすく取り乱してしまったことに気付き、恥ずかしそうに頬を赤らめた)
(すーはーふー、と深呼吸したあと…)
「……はげ?」
(Ha-Ge?と首をひねる)
(一瞬だけ言葉の意味がわからなかったらしいが、すぐにああっという言葉と共にぽんと掌を打った)
(そしてそれ以上は踏み込まないでおいた)
(抱腹絶倒しているアクエリアに、何ともいえない感じのやんわり笑いで答えている)
(ホレイトの人柄や人格には、すでに十分信頼していた)
(時計塔での会話や、先の店主への対応などからその誠実さを感じたためだった)
(でもNGワードって誰にでもあるよね。ハゲとか貧乳とかね。)
(と、自己紹介をしてくれたバイトくんにこちらもお辞儀)
「あ、はいっ、宗魔さんですね、ボクはエリンといいm……?」
(口調が突然変貌した相手に、きょとん)
(……この少女は、実はいわゆる色盲のような状態で、瞳と髪色の変化がわからなかったので……)
「……幽鬼、さん?はい、よろしくお願いしますっ」
(続けられた名前も繰り返しつつ、2回目のお辞儀をすることとなった)
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【カフェ――の炬燵が毎年置かれる畳のスペース】
涼しい……
(ぐてーん)
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>>932
「涼しくてもこの季節はやっぱり怪談だよね」 何かいた、いつの間にいたのだろうか。
「私はカマイタチの夜が好きでね、ホラーゲームはアクションでなければという人も多いけど私は断然ノベル派だね。
特に選択により全く別の設定の世界となる、複数の平行世界からなる物語、その分岐を自分が握っているという感覚もまた面白い。
これもまた一種の冒険だと思うんだ。 まるで守護霊のように人物の行動を左右する感覚と共に、ね」
ホラーゲームについて語り始めた。 怪談とはまた違う話だと思うのだが。
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>>933
(ごろん。サングラスの女が首から上だけを向ける。)
ホラーゲーム?お化け屋敷とは違うのか?
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>>934
「お化け屋敷よりはお手軽かもね、金銭的には逆だけど。
でも怖い物語だけでもない、というのはお化け屋敷にはない特徴かな」
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>>935
ほう
(うつ伏せになって腕枕を作る。興味を持ったようだ)
なんだ?結婚エンドとかあるのか?
(何を求めている)
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>>936
「結婚エンド? あるね」 まさかの結婚エンドありだった。
「最も手早い結婚エンドは陰陽編の序盤でのとあるエンドだね。
少々のネタばれ的表現のあるエンドだったが、陰陽編での数少ないハッピーエンドだ。
陰陽編は特に好きなシナリオだったね、好き嫌いが分かれるシナリオでもあるけど」
なおこのカマイタチの夜のシナリオの話、実話である。
ホラーゲームに結婚エンドがあるかと訊かれイエスと答えられる作品は少ないだろう。
答えながら何故か熱い紅茶を注文していた。
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>>937
ホラーゲームとはなんだったのか……
(つぶれた。)
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>>938
「ホラーだよ? 本編サスペンスなのに平行世界ではちょっと洞窟の仕掛けを解き明かしたり、
推理関係ない悪霊が犯人とかあったり、主人公交代で超能力でトリック解決する超展開あったり、
主人公含む登場人物の生き残りのほぼ全てが猟奇殺人者になったり、怪獣対怪獣の戦いが始まったりするだけだよ」
残念な事に全て実話である。 実に評価と好き嫌いの分かれる作品だ。 何故そんな作品を推しているのか。
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>>939
推理になったかと思えば推理関係無くなるんかいっ!
……いやでもそれはそれで面白そうだぞ……猟奇殺人……
ちょっと買いに行く、か
(ひょい、と起き上がる。既に食べていたのであろう、会計を済ませるとまだ空いていそうなお店を探しに出た。)
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>>940
「今いったシナリオは全て『かまいたちの夜2』のシナリオだよ。
設定が別物になるくせに妙に芯はぶれずに繋がったりするのがまた面白い」
とそこで席を立たれてしまった。
「……夏といえば『蚊〜山田家の夏〜』も面白かったな〜」 ホラーですらない。
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>>みんな
「ああ、うん、そうだな、禿げない禿げない、まだ暫くは大丈夫だよ、きっと」
めっちゃ神経質になってるし、冗談抜きでこいつは禿げるんじゃないか、そう思ったが流石に黙ることにした。
「救われないさ、罪を犯した事は認めても、俺は同じ状態であればまたそれを繰り返すだろうから」
「何故なら俺にとっては真っ当なんだよ、ホレイト、世間一般から見ればおかしいのは承知している、それを承知で血を流したのだから、自分は罪を犯したって自覚も有る、けれど」
「それは俺にとって真っ当で、当たり前の行動だったんだよ、だから実行したんだ」
「あの子にちょっかいを出した“友人の愛しい人”を殺した、それに、花屋に喧嘩を売った組織の人を殺して、泣きながらその死体に寄ろうとした“健気な少女”を殺した」
「……後者はあのカフェで見かけた事もある二人だ、もしかしたらホレイトやエリンの知り合いか友人かもしれない、グライツとリエイアって言ってたかな」
興味が無かったから記憶は曖昧だがね、と、煽るように、死者を冒涜するように青年はわざと付け加える。
それが反感を買うのは承知しているが、言わずにはいられなかった。
それが誠意だから、正面から心を隠さずに踏み込んできてくれたホレイトへの誠意なのだから。
だから、反感を恐れずに此方も本性を見せると決めた、ベルンという存在は“化け物”で、彼等とは偶々気があっているだけだ、と。
そして、エリンにも聞きたかった。
このまま自分と関われるのか、と、きっと、彼女の知っていた自分は、既に死んでいるから。
闘技場で寂しそうにしていた女の子に声を掛けたような、他人を真っ当に見て、困っていたら手を伸ばしたような“人間”の自分はもういない。
今、このアルバイトの幽鬼とやらと関わっているのも、間に二人の存在が有るからだ。
そう、本人は強く思っている。
「幽鬼、か、まあ宜しくね」
「こんな身体だから、ラーメンを食べる為に出向くことは無いと思うけど、他で縁が無いとは限らないし」
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>>930>>931>>942
『取り敢えずアンタ、皆に言うことあるでしょ?』
『…呆れたものね』
「みっともなく取り乱してホントにすみませんでした」
暴走(?)から数秒後、そこには精霊達に戒められ皆に土下座で謝罪するホレイトの姿が!
それを見届けたアクエリアは再びエリンの傍へ、天月はスゥと、帯刀している光長時の中へと、吸い込まれるように消える。
「…えーと、宗魔に幽鬼。よろしくな」
即座にキリッとした表情を作って、二人に挨拶する。
精霊と契約する者に囲まれてるお陰か、姿の見えない者と会話している様には慣れてしまっているため、なんの違和感もなく彼等に相対している。
「幽鬼は宗魔と違って落ち着いてそうだな、よければ蟒蛇さんと宗魔がぶつかり合いそうになるのをそうやって止めてくれるとありがたいんだけど」
冗談っぽい口調で幽鬼へとそう言い、龍鼓軒の方を見て。
「今日は食事の出来ない友人がいるからやめとくけど、次はえびせんラーメン食いに来るよ」
それがまた店主との争いの種になるのに彼は気付いていない。何故なら、本気で正式なメニューだと思っているからである。
「落ち着いたか?全くエリンはツッコミ体質だな」
『そう?私にはこの娘自体天然ボケだと思うけど』
今度はエリンの頭頂部にちょこんと乗っているアクエリアが、ホレイトの発言に半ば被せる様にさらっと言う。
『でも私、なんかこの娘の傍落ち着くわー。アンタから乗り換えようかしら』
「ちょっと待てそれは本当に困る」
『…冗談よ冗談。8割くらいは』
後の2割はなんだよ、と食い下がろうとしたが、アクエリアのニヤニヤ顔を見て、からかわれてると思い止めておいた。
それから、ベルンの方に改めて向き直り。
暫くは静かに、かつ表情を変えることなく、彼の告白を聞いていたが、ある言葉を聞くと、その表情は苦々しいものへと変わった。
「グライツに…リエイア。懐かしい名前だな…それだけに、ちょっとキツいな」
彼等とはそこまで深い関係にあった訳ではない。強いて言うなら、カフェでの知り合い程度であろう。
それでも、仲は悪くなかったし、二人とも悪者には見えなかった。
そして、いつの間にか見なくなっていた、彼等は──
「何回も言うけど、俺はお前の過去を殆ど知らない。だから本当のところの事情は分からないが…それでも、敢えて言わせてくれ。お前の行動はきっと"間違ってた"」
恐れることなく、臆することなく、ホレイトはベルンに真っ直ぐに向き合い、断定する。
「それに、俺はますますお前を見捨てられなくなったよ。どんなに時間がかかるか分からないけど、俺が絶対に救ってやる。お前はまだ、救われる。」
「お前にとっては償いを受けるべき理由なんてないと思う。だから俺を恨んでくれても、軽蔑してくれても構わない、だけど」
ベルンを見つめる漆黒の瞳は、夜闇を貫く様に、真っ直ぐに、動じることなく。
「俺がお前の友達でいる限り、お前に二度と過ちは犯させない。俺がお前を、きっと護ってやる」
-
【闘技場】
観客席に足組みしながら座り、ぼけーっとリング中央を見つめる女性一人
「…………あーあ、退屈だわ。なんかイタズラしちゃおかな…………なんのイタズラしちゃおかな…………うーん」
ろくでもないこと考えています
「よっし、決めた、こうしよう」
すると手に持った杖を構えて魔力を集中させる
「このレオナ様の手にかかれば、台風作るのなんておちゃのこさいさいなんだからね♪」
すると、突如現れて街を覆う台風!!
街は台風により雨と風に襲われる!!!
「…………やば!しまった〜…………家からやれば良かった!」
自分でやっといて必死に屋根の下まで走って雨宿りします、何かに捕まって飛ばされないように耐えてます
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>>944
「待てぇい!」 観客席から声が響く。 見ればそこには一人の男が立っていた。
「闘技場ならまだしも町にまで被害が及ぶその行為、見過ごすわけにはいかない!
折角参加しようとしていた肝試しマラソンが中止になっただろうが!」
そのイベントは一般の子供達が参加するイベントなのでカフェメンバーは参加を止められるのだが。
しかし中止となった今、それを知らない男は怒りに燃え上がった。
「よって、この俺が正義を執行する!」 この暴風雨の中でもしっかりと仁王立ちしたまま、宣戦布告をした。
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「ええー……ちょっとイタズラしただけじゃん」
にっこりして、てへっとしてます
「てか……私炎の精霊だから雨嫌いなの、また今度にしてくれる?」
とか自分でやっといてこんなこと言います
「ま、そのうち去るよ〜、台風だし〜、今南進中だよ〜」
悪びれて無い所が酷い
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>>946
「何でだよぉおおおっ!? 俺凄っげぇ楽しみにしてたんだぞ! ……南進? 南に行ってるのか?」
世界を走った経験からこの場所だと北に行くのではと不思議に思っている。 怒りはどうした。
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>>947
「そっか〜……ごめんね」
てへっと
「まあまた日を改めてやるでしょ〜、ほら、台風の後ってすっごい晴れるんだよ」
とか言います
「うん、南に行ってるよ〜、そう、私の魔力でできた台風だし?天の邪鬼なの」
と、笑いながら言って
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>>948
「人為的な台風でも次の日は快晴なのだろうか? 快晴だと良いな!」
相変わらず仁王立ちしている。
「物理現象に逆らうほどの力を籠めたのか? それとも常時そんな感じなのか、不便じゃないのか?」
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>>949
「物理現象に逆らうようにしたよ?私にかかればおちゃのこさいさいだから」
と、ころりと言います
「まぁ、魔力なんて腐るほどあるしねー、つってもまあこの杖のおかげだけどね」
彼女の左手には豪勢な飾りがついた、しかし年代物であるだろう杖があります
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>>950
「世にはまだまだ凄いものがあるのだな。 しかしあまり大きな迷惑をかけることは避けよう」
熱血爆走馬鹿であるのに案外普通の言い分。
「……ん? それなら今からでもこの台風を消せたりもするのか!?」
期待に満ちた目を向ける。
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>>951
「…………消せるっちゃ消せるけど」
と、そう言ってうーんとしてる
「中止決定したマラソン大会は再開しないと思うよ?」
と、こんなこと続けて言います
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>>952
「……そうだな」 今度はまた急激に落ち込み始める。 しかし脚の位置は動かない。 どうやら氷で固定しているらしい。
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>>953
「…………むー、分かった分かった、それじゃ解除するよ〜、ちょっと待ってね」
と、気迫に負けたのか、杖を構えて
「そーれっと消滅魔法っと」
すると台風は、何かに吸い込まれるようにして、消えて行きました
周囲を襲っていた台風は消えて、すっかり晴れ上がった街
「はい、これで消えたよ」
とにっこり
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>>954
「おぉ、とても素晴らしい空だ!」 そう言って見上げるが、地面は雨でぬかるんでいる。
「……仕方が無いよな、台風なんだから」 現実逃避し始めた。 風が止んだので脚を固定していた氷を砕く。
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>>955
「ま、地面に関しちゃ明日まで待つしかないねー。季節が季節だからすぐに乾くっしょー」
と、楽観的に言います
「さすがの私も地面一瞬で乾かす事は出来ないよー、一部ならともかく広範囲を乾かすのはね」
と、そんな事言います
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>>956
「そうだな、きっと大丈夫だろう。 だが今度からは気をつけてくれよ?
少なくとも町でイベントが無いか確認できるならなるべく確認してくれ」
諦めを受け入れられたのかある程度立ち直ったらしい。
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>>957
「そうね〜……ごめんね?ちょっとやり過ぎたかなーって」
と、てへっと
「まぁ、気を付けるわ〜っと」
そんな事言うと
「さってと、そろそろ帰るわ〜、またね、熱血おにーさん」
箒を空間から取り出して、それに乗って飛んでいきました
//落ちます〜、ありがとうですよー
-
>>958
「おう! 気をつけて帰るといい!」 笑顔で見送る。 切り替えの早さが明らかに脳筋だった。
-
【カフェ】
「竜としての能力を生かしてスポーツ選手になろうかと思ったんだ」
「スポーツでならタートさんにも勝てますよねー」
少女と竜の青年が世間話をしている。
「でも一般競技には出場できないし異常な奴らが集まる競技では力不足だった。
結構自信があったんだけど最終的には治療能力活かした救護班扱いだな、行ってみた競技が悪かったのかもしれないが」
現実は少し厳しかった。元々スポーツは人間が生み出した人間の行うための物なのだから仕方がないのかもしれない。
「それで今度は釣りに挑戦するって言い出したんですか?」
「それも船の上で壊血病予防要因に成り果てそうだから止めた」
「……強い、ではなく便利なのですね」
-
この晩、「サテュロスの尻尾」号が駅についたのは、到着予定時刻から5時間もすぎた後の話で。
『街』の大手門前に設置された駅で降りる乗客にしこたま頭をさげた後、御者のトーマスは自分の不運を呪った。
「賊」に襲われ、馬車は傷だらけ。
しょうがないことだといって納得はしてくれたが不満を隠そうとしない乗客。
お詫びとに運賃を減らしてしまったために大幅に減った稼ぎ。
その減った稼ぎで馬車を修理しないといけないという事実。
そしてなによりも。
一番最後に馬車を降りた「お客さん」。
社交辞令的に、「賊に襲われたのなら仕方ないですから。」と御者を慰め、満額の運賃を払って雑踏に消えた『子供』
『このご時世』に『共連れもなく、一人』だけで駅馬車にのる『子供』。
街についても、だれか親しいものが迎えに来ている様子さえない『子供』。
「・・・おっかねえ。」
ぶるりと体を大きく震わせて、トーマスは「お客さん」のことを忘れようと務めた。
あっちの国にも、こっちの里にも、子供の姿のまま成長しない化け物みたいな人間が何人もいるらしいし、化け物が子供の格好をするなんてのは古今東西よく聞く話だ。
きっとあの「お客さん」もそんな化け物の一匹だと心の内決めつけ、トーマスは自分が泊まるための安宿へと足を向けた。
「・・・化け物に関わりあうなんて、ゴメンだからな。」
-
夕餉時こそ過ぎたものの、遅めの晩餐にありつこうとするものや、安くなっているであろう売れ残りを狙う者。
若い男女の二人連れや、仕事帰りの男性など。
依然として人通りの多い繁華街を、その少年は歩いていた。
肩にかけた鞄は夕餉の材料が入っているのだろう、ぽっこりと膨れ上がり。
他人からすれば、その鞄は小さい少年と比して大き過ぎるようと映るだろう。
ものを多く運ぶという観点では有利であろうそれは、また別の厄介事を引き起こすもので。
がらの悪い男性とすれちがいざま、男性がその鞄に足をぶつけ、転んでしまったのだ。
・・・通常、鞄に足をぶつけた程度で人は簡単に転びはしない。
また、周囲に人が多いとは言うものの、少年とすれ違うのに難があるほど混み合っているわけではなく。
つまるところがらのわるい男性は、少年に因縁をふっかけるため強引に少年の鞄にぶつかり、大げさに転んでみせたにすぎなかった。
・・・実際、男性が少年とすれ違うのはこれで二回目であり、一度目のすれ違いざま、品定めをした上で事に及んだのであるが、そのことを少年が知る術はない。
大声でわめきたてながら少年にくってかかる男性。
そんなことは知らない、ぶつかった貴方が悪いと抗弁する少年。
そうこうしているうちに、状況は更に悪い方向へと進む。
騒ぎを聞きつけた男性の遊び仲間が現場にやってきたのだ。
人数が増えることで気が大きくなるのは全世界のちんぴらに共通することで。
憲兵が来る前に人気のない場所で”仕事”を済ませてしまおうと、男性と遊び仲間は抵抗する少年を繁華街の路地へと連れ込もうとしている。
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>>962
【繁華街の路地】
「屋根の上を走るのは止めた方がいい、でも人混みの中を走るのも迷惑だろう。
やはり割り切って屋根を走るか? いやこの前漫画で見た走り方なら人にぶつからないかも」
何やら繁華街の路地で建物の屋根を睨みながら考え込み独り言を呟く青年が一人。
旅人とスポーツ選手の中間のような格好で槍とリュックを背負う姿は、強いて言うなら旅人に一番近い外見。
ただ、そう広くない路地で堂々と悩んでいるその姿は、控えめに表現しても邪魔であった。
元々は人通りの多い場所に立っていたら邪魔だと注意されここに移動したのだが、ここでも邪魔だった。
少なくとも人気のない路地に用のある者からすれば邪魔以外の何物でもないだろう。
-
>>963
ちんぴらの集団から、戦闘を歩いていた男が離れ、青年の方に近寄っていく。
「よぉ兄ちゃん、考え事もいいが俺達その先に用事があるんだ、そこちょっと退イてくんな。」
その後ろから飛んでくる、同意を求める下品な笑い声と罵声と
「んむ!むむんむむー!むむ!」
口元を抑えられているのであろう少年の、言葉にならない、助けを求める声。
「兄ちゃんまで怪我ァしたくねぇだろ?な?」
そういって、ちんぴらは青年の方に手をおき、力を入れて横にどかそうとした。
(※当方遅筆のため、掛け合いになると文が雑になります。ご了承ください。)
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>>964
「ん〜む。 とりあえず世界を走った経験から言うとだ」
何か語り始めた。
「もしも後ろめたくない躾であるならば俺に対してその脅し文句を吐く必要はない。
子供を叱ることは否定しないが、その態度ではそうではないと言っている様なものだ」
脳筋かと思えば少しだけ考えはするようだ。
腕で退かされるままに抵抗せず動き、そのまま少年の近くまで歩いて近寄っていく。
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「あ?」
どうやら男は、青年の言動と行動が気に入らなかったらしい。
目を吊り上げ、こめかみに血管を浮かせ、青年に対する怒りを隠そうともしない。
「痛い目見たくなかったら引っ込んでろって言ってんだよォ!」
言いつつ、青年の方を掴んでいた手で青年の肩を手繰り寄せ、
反対側の手で、思い切り青年に殴りかかった。
素人のテレフォンパンチもいいところの大ぶりの一撃だ、青年に少しでも”殴り合い”の心得があるのならば、簡単に見切ることができるだろう。
-
>>966
青年に殴り合いの心得と呼べるものがあるかと訊かれれば、その答えを出すのは難しい。
何せ彼は戦いを学ぶことはほとんどしていない。 その情熱は走ることへと向けられているからだ。
だが曲がりなりにも世界を走った経験者が戦いを一切しないまま旅を続けることができたかという問いも、否だ。
「ヒートラン!」
足元で炸裂する火の魔法は爆発を引き起こしその体を急加速させる。
肩を捕まれたまま拳を捌くよりも、拳が届くより速く体当たりで突破するほうが容易いと判断したのだろう。
高速で走る彼の動体視力なら屈むだけで避けられそうなものだが、余裕があれば走るという行動パターンが染み付いているのかもしれない。
-
>>967
「ふぐおっ!」
まともにカウンターを取られた形になった男は壁にたたきつけられる形ように吹き飛ばされ、
その勢いのまま、団子になっている後続のちんぴら集団を巻き込んで倒れた。少年ごと。
人数が災いして、お互いが絡まりあい身動きがとれないまま、乱雑な言葉で罵り合いを始めるちんぴらの集団。
落ち着いて一人ずつ起き上がれば簡単にことは住むのだが、そのことに考えが及ぶような男は、誰一人としてその中にいなかった。
白目を向いて気絶している男が目を覚まさない限り、ちんぴら集団のにっちもさっちもいかない状態は続くだろう。
その男たちの体の隙間から細い手がにゅっと伸びて出た。
体の小さい少年は、円陣を組んでいた自分よりも大きい男たち同士が絡まりあったことで出来た極小さな隙間を使い、ある程度は自由に動けたらしい。
その細い手を手がかりに、やがて頭、体。そして足をと、するするとちんぴらたちの中から抜け出てくる。
自由の効かない男たちの罵声を尻目に、騒動の原因となった鞄を引っ張りだすと、その反動で少年は大きく尻もちをついた。
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>>968
「緊急事態だし別に大丈夫だよな? 逃げるぞ! こっちにこい!」
騒ぎからして正当性は自分達にあるだろうとは思うも、それまでに被害が拡大しないとも限らない。
少年を人質に取られでもすればどうにもできないのだから。 しかし少年を抱えたまま複数を相手に無力化するのは厳しい。
そこまで考えると走ろうと結論を出し感情が燃え上がるように脳筋思考に戻った。
少年に手を差し伸べる。 槍も取り出し完全に屋根を走る気満々だ。
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>>969
「えっ?あっ・・はい!。」
さしだされた青年の手を取り、確りと握り返す少年。
全体的にゆったりとした服装のせいかはっきりとは分からないが、立ち上がる時の動作からして、倒れた時に何処かを痛めたということはなさそうだ。
鞄もしっかりと肩からかけ逃げる準備は万全といった様子。
「でも、逃げるって・・何処へですか?」
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>>970
「そうだな、どこへ逃げたい?」
そういいながら風の魔法で二人の体を舞い上げようとする。
成功すれば屋根に着陸できるまでに高く舞い上がり、そこから屋根の上を駆け抜けるまでをスムーズに行うだろう。
どこかの映画のワンシーンであるかのように、それは自然な動作で行われるはずだ。
……たぶんこのような状況に慣れているのだろう。 旅の最中に同じようなことが何度もあったことを感じさせるほどに鮮やかな逃走。
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>>971
「わわっ!」
突然の上昇に戸惑う少年、だが。
「あっちの方に5区画も走れば、僕が借りている家があるんですが・・・」
下の男たちに聞こえることを恐れたのか、声ではなく指で青年に方向を示し。
「たしか、あの辺りに広めの公園が・・・あった!」といって少年が指さした先、たしかに家の屋根が途切れている区間がある。
「あそこまで逃げれば、大丈夫だと思います!」
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>>972
「なら追われないように少しだけ大回りして進むぞ!」
少年を抱え、槍を持ちながら時に氷魔法を使って壁を走ったり再び屋根を横切ったりと器用に街を走る。
大回りといってもある程度ぐるりと別方向を走り最終的に目的地の公園に向かっただけだが。
「ホバー!」
再び風の魔法を駆使しての軟着地。 町の屋根で走ることその物にも慣れているようだ。
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>>973
「大回りってレベルじゃ・・ああ!」
少年の手を握る青年は気がついただろうか。
逃げている間、少年が手を”引かれて”居ないという事実。
少年とその体格を顧みて、少し手加減して逃げているだろう青年の手に、少年の体重分の抵抗は”無かった”。
壁を走るとき、屋根から屋根へ屋根を飛び移る時。
少年は自分の力で壁に張り付き、また跳んだのだった。
そのことに青年が気がついたのならば。
「・・・はー、はー・・・。」
今こうやって、最後の着地のあと、つんのめって前に転んだ少年の姿がいかがわしい者に見えてくるだろう。
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>>974
「……?」
何故疲れているのかサッパリ見当がついていない様子。 しかしその疲労の仕方はランナーのそれに近いとは理解できた。
少し悩み、ふと走っているときに自分以外の足音が聞こえたかどうかを思い出そうとする。
もしも足音があったのなら、少年が自力で走破したことに思い至るだろう。 しかし足音がなかったのなら、思い至らないだろう。
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>>975
足音は”有った”。少年の履いたブーツが壁や屋根を蹴った音は、たしかに。
「・・・はー・・ふー・・ふぅ・・・。」
ぱんぱんと服の裾についた埃を払い、立ち上がる少年。
ひとしきり埃を払い終わると、少年は青年に向きなおり、ぺこりと頭をさげた。
「助けてくださって、有難うございました。」
少年の長い黒髪がだらりと垂れる。
再び頭を上げた少年の、丸みを帯びた緑色の目が青年を見据える。
「歩いていたら、いきなり因縁をつけられたもので・・・。ここまで来れば、大丈夫だと思います。」
見たところ、少年の年頃は10を幾つか出たばかりといったところ。
年の割に大人びた言動と態度だが、そこを気にする人はそうは居ないだろう。
「あの・・・よければお礼をしたいのですが・・・今日は、お時間とか・・・大丈夫ですか?」
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>>976
「ん、いや。 本当に助けは必要だったか?
自力でなんとかできたのならただのお節介だったとでも思っておくといいぞ?」
ランナーとしてあのコースを走破できたのなら、と少し見る目が変わった。
少なくともただ説教を受けるだけの子供というようには、見ていない。
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>>977
「お節介だなんて、そんなこと・・・。
お兄さんがきてくれなければ、上手くあそこから逃げられませんでした。
しっかり捕まえられちゃってて・・・。」
ちんぴらの集団が集まる前に逃げられたかどうかは、別として。
「それで・・・えっと・・・
時間がないのなら、お名前だけでも・・・。」
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>>978
「そうか? それならいいんだが」
着地の時にバランスを崩していたところから戦闘は苦手なのかもしれないと自己完結する。
「特に時間がないというわけでもないが、とりあえずは自己紹介だな。
俺の名はウェイデン・ラフアーチ! マラソンランナーだ!」
自信満々に堂々と自己紹介をする。 赤い髪も手伝って暑苦しい。
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「マラソンランナー・・・ですか?
・・・マラソンって、あんなところ走ったりするんです・・・」
と、少年、ここで自分が名乗っていなかったことに気づく。
「あ、すいません。名乗って頂いたのなら、名乗り返すのが筋ですよね。」
「僕はフロー、フロー・ライトです。」
「・・・それで、お時間の方は・・・。
このまま別れるのは、心苦しいので・・・。」
お忙しいのなら、これだけでも。と言って。
「少年」改めフローは、鞄のなかから買ったばかりの林檎を一つを取り出して、ウェイデンへと差し出した。
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>>980
「世界一周マラソンだからな、少なくとも水上は走れないと話にならん」
とんでもない規模の話だ。 しかし本人は大真面目。
「フローか、よろしく。 お礼なんて気にする必要もないが、貰っておく」
脳筋レベルで素直に受け取っておく。 そして槍を背負いなおし氷の魔法で小さな刃を作り半分にカット、食べ始める。
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>>981
「世界一周・・・ですか、それはまた、壮大な話ですね・・・。
ずっとお一人で走られてるんですか?」
よいしょ、と。公園に設置してある手頃な台に腰掛け。
鞄の中からもう一つ林檎とを取り出し、同じく鞄から取り出した小刀で皮を剥き始めた。
器用に、くるくると。サバイバルをやっている人間ならだれでもできることであろうが。
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>>982
「基本的にはそうだが誰とも関わらないというわけでもないからな?
規模が大きいから野宿もするし宿にも泊まる。 路銀が尽きれば働くしな。
ルートを外れればその地点に戻りまた走りなおす」
つまりは移動手段が自分の足に限定された旅のタイムアタックなのだろう。
「一度皮に近い部分に一番栄養があると教えられてな、皮ごと齧ったら腹を下したことがある。
皮ごと食べるなら洗わないと駄目だな。 そうでなければ剥かないと」
何やらアホな体験談。 そしてそれは本当にただの林檎だったのだろうか。
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>>983
「・・・んぐ。ルートまで決められてるんですか。
行き当たりばったり・・・ってわけじゃあないんですね。」
向いた林檎を飲み込みながら言う、行儀はわるいが、気にするほどのことではない。
「しかし、街から離れたところでお腹を壊したりしたら大変でしょう。
周りに頼れる人も誰も居ないでしょうし・・・。」
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>>984
「ああ、ショートマラソンだと赤道まで行って一周してスタート地点に戻る。
フルマラソンだと主要都市と陸地の外周と赤道の全てを走って戻ってくる。
ショートは完走したから今はフルの為の路銀集めだ」
走る事に完全に命をかけている。
「……周囲に誰もいないなら、羞恥心なんて捨てられるから楽だぞ」
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>>985
「はあ・・・まあ、国同士の喧嘩にだけは巻き込まれないよう注意してくださいね。」
今日の走りっぷりなら並大抵のことは大丈夫だろうが、国のトップ付近には化け物のような強さの人間がいることを鑑みて、一応の警告。
「ん、ずいぶん引き止めてしまったみたいですね、先程は本当に有難うございました。
お礼が林檎一つというのも味気ないので、これも・・・。」
といって鞄から取り出したのは繁華街にあるパン屋の名前が印刷されている小さな紙袋。
考えるまでもなく、中身はパンだろう。
「それでは、今日の所は失礼します。」
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>>986
「そこは大丈夫だ。 問題が起これば押し通る」
堂々宣言。
「ん、いや気にしなくていいのだが。 じゃあな! 縁があればまた会おう!」
そして走り去っていく。 屋根を走れたからか妙に清々しい表情を浮かべていた。
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【カフェ】
こうも日によって気温が変わると箪笥の中身に困るな……
(からりとカクテルグラスに入った氷が音を立てる)
(グラスを傾けた左手)
(右手はナツザカリマメをつまんでいる)
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【某所:箪笥の中】
(^ω^ )…ふぅ
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>>989
(カサコソ……)
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>>990
(^ω^ )………なんだただのゲジか
(意外と冷静)
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>>991
おう、新入りか?
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>>992
……!ただのゲジじゃないだと!?(^ω^;)
……はい、どうもげじさん。新入りのトームです(^ω^ )
(動揺して尚、挨拶は忘れない礼儀正しいトーム)
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>>993
おうおうおう。魔力を帯びたらなんだって喋る時代さァ
トームっつーのか。俺は毛虫のゲジ。ゲンさんちよんでくれやァ
しっかしお前さんの入り方……素人じゃァねえな?
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>>994
もうそんな時代に来ちまったんだなぁ…(^ω^ )
なぁに、簡単さゲジさん。俺は風使いだからな、潜入も楽々さ
(関係ない)
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>>995
時期に防虫剤も喋る。そうなりゃ戦争よォ
なるほど。人間の風使いってやつァ便利なもんだぜ
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>>996
ふっ…………もう訳わかんねぇな(^ω^ )
(何か台詞を言おうとしたが、とうとうぶっちゃけた)
そのうち箪笥まで喋りだしそうだな。HAHAHAHA(^ω^ )
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>>931>>942-943
「……よろしく、頼む」
再び、頭を下げる。
きょとんとした表情のエリンに、顔を向け。
「……俺達は、いわゆる--二重人格、というやつでな」
生気のない瞳で、そう言った。
「…あぁ」
ベルンに、そう返す。『こんな身体』と言うのはよく分からなかったが。
「闘技場とかで…会うことも、あるかも--しれないな」
ホレイトの方を見て。
「止めた…くらいで、どうにか--なるなら、苦労は…しないさ」
(まるで人を馬鹿のように言いやがる)
「事実、だろう…」
(んだとてめコラ)
そうして、ホレイトの発した単語に、僅かに反応して。
「…残念、だが--えびせんラーメン…は、うちの、メニューには……ない」
(頼まれたんだから出せばいいのに、店長もお前も頭固いよなー)
「そうやって…メニューに、ない物を--出すから、店長が怒る、んだろう」
踏み込んだ話には、できるだけ入らないようにした。
ほぼ初対面の自分が聞いていい話かどうか、よく分からなかったから。
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>>997
世の中わかることなんて何一つねえさ。そうだろォ?
天の声(TANSU)「そろそろ通報したいのに家主がいない」
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