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【本スレ】魔法検定試験【祝初>>1000】
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・荒らしはスルー
・他キャラの向こう側には自キャラと同じようにプレイヤーが居ます、思いやりの心を忘れずに
・自分の不快感は分身である自キャラの不快感、嫌だと思ったらキャラクターの行動として出してみよう
・一人じゃ出来ないと思ったら他のプレイヤーに助力を求めてみよう
・長いイベント、遅いレスは他PCを長期間拘束している事を知っておきましょう、イベントを幾つかに区切るのがお勧めです
・上記のイベント、レスは長期化すればするほどグダグダになりやすいので覚えておきましょう
・カップル成立等キャラ同士の恋愛は禁止していませんが、利用規約の範囲内で、節度を持って行動しましょう
・キャラ、組織は成長します。発生しないことが一番ですが、もし矛盾が生じた場合、後付けの設定を優先します
・疑問に思ったらその時に空気を気にせず聞きましょう。聞かずに禍根を残したり他スレへ行って争う方が空気を悪くしています
まとめwiki:ttp://www40.atwiki.jp/mahoken/
うpろだ:ttp://www6.uploader.jp/home/mahoken/
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>>1乙
前回までのあらすじ
三年間日干しにされた日干し太郎は余命五日となった。
日干し太郎を救うために鬼が島の指導者、アルティメットオーガは
伝説の金棒『仇砕頑貌』を執り、爺城へ攻め上った。
婆軍の再三の奇襲によってアルティメットオーガは鬼が島への後退を余儀なくされる。
日干し太郎の余命が残り五時間となったとき、アルティメットオーガは最後の演説を、そして鬼の軍隊は各々の武装を握り直す。
「今が、鬼の本性を見せるとき」
そして、爺城からトドメを刺すべく爺軍が城門を上げ、侵攻を開始。
鬼は壮絶な死を選び、一人が一〇〇人を倒す奮戦ぶりを見せ、そして、爺軍を壊滅させた。
今お爺さんと最後の鬼、アルティメットオーガが対峙し、その鉈と金棒をぶつけ合う。
だが、婆軍主将、「お婆さん」はかつて世に聞こえたその神の弓執りを見せつけ――
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前>>999
「うーん……質問ができるみたいだから色々聞いて確認しておこうか
何がなにやら」
前>>>1000
「あの柑橘系な匂いは、まあ献上品として……うぅ
“餌”が献上品だったりしないだろうなぁ……」
と、頭の中を整頓したのち、
「どうやって帰るの?」
一番聞きたいようだったことを聞いた。
「徒歩か?」
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>>3
「徒歩だ」
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>>4
「……報酬の半分は徒歩なせいな気がしてきたよ……だるい」
めんどうくさがりな本性を吐露した。
「私からの質問は以上……まあ、個人的興味で聞いていいなら、もう一つ
何しにきたの?ネイティブで話せてるかどうかの確認とかかね?」
答えられる範囲で、という前提で聞いた。
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前>>1000
「残らなくても交渉の材料にはなると思うのですけど。
というよりも人を食べる種族なのになんでこんなところに住んでいるのですかね?
町で働いてクローン培養食材なりで生活した方が文明的な暮らしができると思うのですが」
カフェのある町は吸血鬼など人に害をなす生態を持つ知的生命体との共存に意欲的です。
がそれは世界から見たら明らかに一般的ではないということをこの少女は忘れている。
>>3
「……」 道具を使った転移で帰れる人がここに一人。
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>>5
「そう言うな、僕も馬が襲われるまでは想定してなかった」
頑張れば、朝までには戻れるだろ、と楽天的。
「ああ、コネだよ」
「亜人には亜人の文化がある、彼らに取り入っておけば何かと便利だからね」
質問にはそう答えた。
>>6
「人の思考は理解されないさ・・・というかそれは一般的な人間の思考に当たるのか?」
首をかしげる。
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>>6
「……?なにさ?」
何か言いづらそうな顔をしているように思えたので、不思議がって聞いた。
>>7
「頑張って歩こう。いまどきダイエットだって筋トレと魔法薬で何とかなる時代だってのに……」
庶民には低効果魔法薬と実際の運動の併用が実用的な金銭効率である。
「はぁあ〜」
やっぱり相当だるい気分らしい。
「コネね。うん、納得した」
と返答。
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>>7
「あまり長時間でないなら砂でゴーレムも作れるのですけど・・・」 馬代わりにできるだろうか。
「? だって無駄に敵を作るよりも種族を養うのでしたらそれが一番ですよね?
一般的な常識かはわからないですけど、長というのはよりベターな選択が必要だと教わりましたが」
この少女もカフェの変人達の立派な仲間。
>>8
「あれですよ、馬車を破棄して人だけなら私の砂のゴーレムで軽い移動ならできますよ?」 ごまかした。
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>>8
「無計画だな。後悔するくらいならば、最初から制限をつければいいもの・・・」
ブツブツ言っている。
>>9
「よし、それで行こう」
即決。
出来れば歩きたくはなかったのである。
帰途の準備は少女に任せることにした。
「急激な変化は毒だ。面白い考えだとは思うが、万人に受け入れられるとは思わないよ」
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>>10
「毒も使い方で薬になるのですよ。 現に抗癌剤の効果は体の細胞に満遍なくダメージを与えること、つまり毒です。
ですが死に至る病を回避するための毒の服用ってそんなに非一般的ですかね?
確かに受け入れられない人もいるでしょう。 でも重大な理由もなしに死を選ぶことはよくないとも私は思います」
「・・・あと、ゴーレムの出力的に馬車は引けないですからね? 馬車を引くなら私達は乗れません」
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>>11
「君は本当に面白い脳みそを持っているな」
少し感心した表情。
「決めるのは本人だ。つまりそういうところに話は落ち着く」
「なんにせよ、偏った物の見方は宜しくない」
「三人抱えて運べないか?道は僕がナビする」
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>>12
「可能だ」
クオンの口は全く動かないのに誰かの声
クオン瞳の中に誰かが映っている
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>>12
「そうですか? ん〜・・・確かに最終的には本人達の自由ですけど。
討伐依頼、単身で受けられる実力者があの町には大勢いるのですよね・・・」
どことなく、目の前の亜人種達を悲しそうな目で見る。
「ゴーレムの魔法は得意じゃないので形は基本犬型です」 ゴーレムは人を作るために発展した技術だというのになのに人型じゃない。
「なのでゴーレムに砂で固定する形が楽なので、そちらの方が長時間持つのですが」
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>>13
「嗚呼、それじゃあ頼むよ」
何の気なしに返事を返した、が。
>>14
「本気で何かをしようと考えているなら、余計なお世話だと言っておくよ」
「彼らを哀れだと思うのは流石に傲慢すぎる」
「ん?今出来るって」
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>>14>>15
「ふっふっふ・・・」
クオンの目玉から光の点滅と共に姿を現す全裸毛玉
目玉から分離するとつま先だけでフラフラと立っている
「お困りのようでっ しかしこのドロシー様の発明品におまかせあれ」
何やら秘策がある様子
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>>16
「いや、誰だよ」
最もなツッコミ。
眼鏡もズレる。
「とにかく話を聞こう。採用するか否かは、別として」
×裕二である。
○有事である。
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>>13>>16
「・・・?」
>>15
「行動を決めるのは自分自身だと言ったじゃないですか、それこそ的外れな忠告です。
依頼だって『行き帰りの護衛』だけであなたの目的の成否への罰則も定められていない。
私が誰かを哀れむことに対してあなたが意見を言うことと、私の主張、一体どう違うというのですか?
命が失われるかもしれない選択をする人をみて悲しむなと言うのでしたら、宗教家の人はとっても困ってしまいますね。
――相手の意見を尊重することと相手の意見をただ受け入れることは違うと言うことを知らないと、いらぬ矛盾に出会いますよ」
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>>17
「ドロシー様だっつってんだろうが!犯すぞ!」
言葉とは裏腹に全く起こった様子ではない
懐から長さ20cm程度の針のようなものを取り出す
「これでぶっさせばどんな物でもペラペラにできるのよ
人間でもタンスでも
ただ戻すときに結構な肺活量が必要になるわ」
解説すると・・・すごく長くなるのでやめた
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>>18
「その考え方が傲慢だと言っているんだ。他人の生殺与奪を偉そうに語れる資格が君にはあるのか?」
「矛盾と屁理屈を履き違えるな。忠告は・・・受け取っておこう」
>>19
「犯ッ!?」
ツッコミが追いついていない様子。
「そんな胡散臭い方法が採用できるか!誰が戻すんだよ」
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>>20
召喚したソファの上でゴロリとひっくり返る
「そりゃ刺した人がフーっとやるのさー」
重力に逆らった逆さまのグラスに注がれた逆さまのジュースをストローを使って飲み始める
「どうしても信用出来ないならまずあんたで試してやるけど?」
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>>20
「ありますよ、私は錬金術師。 生み出した物が世界に悪影響を与える可能性と常に共にある。
私は私の意図しない所で命を救い、また命を奪う存在であるから、考える全てを諦めるということはしてはいけない。
そしてそれは生命を持つ全てにいえることでもあります。
もし私に語る資格がないならあなたにだってその資格はない、あなたに語る資格があるなら私にだってある。
私の主張とあなたの主張が、共に相手の思想の否定である限りあなたが私を否定できる道理はない」
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>>21
「じゃあ、その針を貸してくれ」
手を差し出す。
「僕がお前に試そう」
肺活量には自信ありません。
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>>23
「そうきたか・・・」
「ならばどうぞっ」
やたら素直に腕を差し出す
「あ、針の後ろの穴から息を入れるのよ?」
同時にソランの頭の上に赤い稲妻のリングが現れる
「そのリングは約束のリング・・・ちゃんと戻してくれないと脳みそが爆発して死ぬから気をつけて」
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>>22
「僕は言語学者だ。言葉の重みを知っている」
「君の言葉が現実になればそれは奇跡だ。だがもしそれが成されなかったとき、君の言葉は何になる?」
「出来もしない言葉に力を持たせるな」
否定よりかは、それは拒絶に近かった。
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>>24
「いや!さっきまでこんなペナルティなかったろ!?」
「え?なにこれ消えないの?」
針は貰った。
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>>26
「さあさあ 早く約束を遂行しないと爆発するよー
なんたってC国産のリングだからね」
【爆発の国】産だと・・・ッ!?ソランに衝撃走る
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>>27
男は針に口をつけて・・・・
「なあ、これ吸ったらどうなるんだ?」
ざわ・・・ざわ・・・
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>>27
「って待った待った 刺すときはそのままでいいのよ
戻すときに吹くの」
「あと吸えません 逆流防止弁付きなんで」
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>>29
「意外とよく出来てるな・・・JISか?」
そんな筈はなかった。
「じゃあ、刺すぞ」
針を構え・・・
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>>25
「言葉は重いですよ。 でもだから『それができたら奇跡』『成されなかったら』で実行しないならいくら重くとも意味などないです。
あなたの今回の目的、人食いの種族とコネを作る。 できたら凄いですね、成されなければ死んでいたかもしれませんね、で、あなたは止めましたか?
確証がなければ行動に移せませんか? 護衛を雇ってまで、しかも自分を囮にしてまで目標を達成したあなたが?
はっきりと言いましょう。 成されなければ私の言葉なんて何にもなりませんよ。 なんていったって向けられる種族がなくなるのですから。
そしてそれは行動しなかった場合でも同じですよ。 言葉の重みだけを見て未来の重みを忘れてどうするのですか」
「何もしなくてもゼロ、失敗してもゼロ、成功すれば奇跡、言葉の重みをどけて残るのはこのパターンです。
言葉の重みを知るあなたが何故私の感情を否定できたのですか?
言葉の重みが向けられる対象が彼らから私に変わるだけの言動をとったのですか?
――言葉の痛みに麻痺したあなたに、言葉の重みを十分に語れているとは思えませんが」
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>>30
針が刺さるとドロシーが空気の抜けた風船のようになってしまった
内蔵などはどうなっているのだろうかという不安がよぎるがとりあえずコンパクトにはなった
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>>31
「――」
男は押し黙った。少女の言い分も最もだ、だが・・・男には引けぬ理由があった。
だが、その理由は突き詰めれば己自身だ。少女にぶつけるのは筋違いだった。
「済まない・・・」
乾いた声。
どうして自分には力がなかったのだろう、と。
>>32
「うん、すごいぞ!」
最早、棒読みだった。
「これなにどうなってるの?」
伸ばしてみた。
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>>33
ゴムのような弾力性を持っているがあまり長くは伸びないようだ
頭のリングがチカチカと点滅を始めた
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>>34
「あっはい、やります直ぐやります」
差して、吹く。
だが、その時・・・一つの奇跡が起きた。
口角から漏れ出した空気が、奇しくもメロディを奏でたのである。
それは、ひろみ郷の「ゴールデンフィンガー99」であった。
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>>35
息を吹き込むごとに皺がなくなり
活力がみなぎり
爬虫類のような顔が復元される・・・
ってこれヌア族じゃねーか!
ドロシー「今頃あいつらパニックだぜwwww」
隠れて様子を見ていたドロシー様
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>>33
「はい、 ――私の言葉だって受け入れる必要なんてないんですよ。
私は重要な理由がない場合の選択としての個人的意見を言ったに過ぎません。
あなたが『どんな理由であろうとも命は大切にするべき』と主張するのもその逆を主張するのも自由です」
「あなたに私の感情を否定させないように、私があなたの感情を否定する道理だってないです。
究極的に単純に言えば『規律以外は全て個人の自由意志』です。 あなたが彼らへの哀れみを不快に思うこと自体は自由です。
ただ一言、否定じゃなくて主張をして欲しかったのですよ、私は」 少女にとっては、それは大きな違いであったようだ。
「矛盾していることを承知で主張を掲げ続けた王なんて珍しくもないです。
だけどそれを相手に強制させるにはそれだけでは不足だというだけです」
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>>36
「パニックだぜw、じゃないだろ!どうするんだこれ!」
ヌア族は投げつけるもの。
「・・・・あれ?」
これ成功じゃね?
>>37
「それでも、僕の考えは変わらない。君の背理となって存在し続ける」
拳を握り締め、男は尋ねる。
「それでも僕は、君を受け入れよう。君も、僕を受け入れてくれるのか」
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>>38
「スタッフ(私)が美味しく頂きます」
人喰いをさらに食うつもり
「で 針は使うの?」
もう一本の針でヌア族を再び萎ませる
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>>39
「お腹壊しても知らんぞ」
でも無添加。
「別の方法でお願いします」
DO☆GE☆ZA
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>>40
「しょうがねえなあ・・・じゃあこれやるよ」
っキムラのつばさ
「キムラさんがどこにでも届けてくれる素晴らしい翼だ」
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>>41
「キムラさん?え?誰それ」
じっとりと湿っている。
どんだけ多汗症なんだキムラさん
「やだ・・・鰹節の匂いがする・・・」
香り高い本物だ。
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>>38
「・・・? えっと、何で受け入れるとか受け入れないって話が出てきたんですか?」 さも不思議そうに。
「一つのことに対しての意見を出し合ってそれでその人を判断するというのは変じゃないですか?
人となりなんて時間をかけてお互いに見ていくものだと思うのですが」
今までの論議はこの少女からすれば『ただこの問題に対しての話で、相手に対してのどうこうという意図はなかった』らしい。
なので『人物を受け入れるかどうか』という言葉に対して困惑している様子。
これだけ話しておいてまだ相手を知らないから受け入れるかは時間をかけるべきだと主張するらしい。
まるで、相手に対しての害意が粉々になってしまっているかのような、歪な価値観をこの少女は垣間見せた。
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>>42
「使い方はキ○ラのつばさと同じだ!
ただ翼の生えたヒゲマッチョの男性が来るだけの違いだけ」
翼ヒゲマッチョの男性に運ばせるつもりらしい
「じゃ私は自分の羽で帰るわ」
毛皮の一部が羽毛に変化し、足でヌア族を掴むと飛んでいってしまった
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>>43
男は絶句した。
そうして気がついた。
「ああ・・・そういうことか」
この感覚、前にもあった。
「君が、クーの友達か・・・」
そうだと言ってくれ。
こんな歪な人間が、そうそういる訳がない。
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>>44
「絵面的にどうなの?」
翼ヒゲマッチョに運ばれるらしい。
「あ、嗚呼・・・あり、がとう?」
「・・・・お前はマッチョで帰らないのかよ」
合掌。
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>>45
「あれ? クーちゃん知っているのですか?」
友達どころか平行世界の同一存在である。 ある種こちらの方がたちが悪い。
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>>47
「一度・・・会った事がある」
やっぱりか、と溜息を吐く。
「君が家族ということは、二人は姉妹なのか?」
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>>48
「家族・・・とはちょっと違うと思います。 平行世界の同一存在なのですよ。
その割には髪と瞳の色は違うし、でも瓜二つ、なのに種族は違うし魔法属性はほぼ対極ですし・・・」
どうやらクーの言う『たった一人の家族』はクオンではないようだ。
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>>49
「確かに・・・同じ顔だ」
何故忘れていたのだろう。
何故、この少女と出会ったとき、クーの名前が出てこなかったのだろう。
「取り敢えず、戻ろう」
「なんにせよ、依頼は達成だ。残りの報酬もカフェで渡すよ」
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>>50
「了解です」 鞄から大量の砂を出し犬の形にしていく。 キムラの翼とどちらがいいだろうか。
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>>51
「ゴーレムで帰ろう、そう決めたじゃないか」
翼を投げる勇気はなかった。
「・・・なんだか今日は疲れた」
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>>52
「できました〜」 犬型ゴーレムが三体、砂の手綱やらも丁寧に作られている。 一応カフェまで持つはずだとのこと。
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>>53
「・・・リームステイム、此処にも無かったか」
ポツリと男は呟いた。
「嗚呼、助かる」
男は複雑な表情のまま、少女の造り出したゴーレムにまたがった。
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>>54
「・・・?」 声は聞こえた。 しかしその内容を聞き取れていなかった。
クオンは直感の鋭いほうではない、だがその因果が告げていた。
――言葉を口にできない、訊ね返そうとしたのだろうか、自分でも困惑するように沈黙。
カフェについても、きっとその質問をすることはできないのだろう。
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>>55
リームステイム。
それは絶大なる力。全てを可能とする大いなる力。
男はそう伝え聞いた。
全ては復讐のために――
中:お付き合いありがとうございました。カフェで報酬を貰ったということにして、どうぞ(^ω^)
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>>56
(「こちらこそありがとうございました〜変な話題にしてしまいすみません・・・」)
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【棄てられた図書館】
かつてロビーであった広間。書籍を蓄え、整然と並んでいた本棚達は中身を失い、端に寄せられている。
ポッカリと開いた空間に、大きなデスクが一つ。雑然と積まれた書類。散らばった紙片。
デスクに足を乗せ、男は溜息をついた。
何時何処で、自分はその話を知ったのだろう。
書という媒体でない事は確かだ。いくら探しても特定の単語にすらぶつかる事は無かった。
口伝。恐らくはそうだ。
だが、誰から聴いた話なのか全く覚えがない。顔も、名前も、思い出せない。
犠牲の杖の話は、ソランの手記に記されていた。
全く覚えのない情報が、明らかに自分の筆跡で、さらに言うなれば――〝何故か、竜の言語で記されていた〟
手記は乱暴な字体で、こう締められていた。
〝狂わされて事の出会う晩刻の悪しき渦巻〟
そう読めなくもないが、単語で見ても文章としても破綻している。
ヒトの言葉で無理やり發音するとするならば。
「〝夜禍(ヤカ)〟・・・」
どうしても、これだけは意味が解らなかった。
勿論、今でも、それは解らない。
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【草原】
「露を祓っても、祓っても。
雨を凌いでも、この頭蓋に有りっ丈注がれる雨滴は減りようがない
されば梅雨よ。貴女が心から望む景色は、きっとこういう、苦渋の末に光を見出す
心意気のある男の表情であろう。わずかばかりの水群に紫陽花と豊作を祈るあらゆる農家と貴族と手向けであろう
さあ、存分にその潮を掻き発てるがいいっ その見事さこそ私の詩だ!!」
両手を広げ、雲を仰ぐ。その男の景色は、今もって完成をしている。
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前>>811
切っ先が、その体に触れる。 ただ鋭い、その刃は肉を切る感触など一切伝えずにその肌に食い込み――
直後、刀を置き去りに自らの体が後ろに引かれるように、いや前面から押される明確な感覚を覚える。
人を押しやるだけで傷つけないその爆風は獣眼の体を大きく後退させる。
いや、その爆風が傷つける力を持たないのは先ほどまでの話であっただろうか。
その左目に収まった犠牲の杖が、光を放つ。 その光景、それを以前に見たものであれば直感するであろう。
砕けた、あの時の犠牲の杖と同じ輝き。 胸に宿るそれと同じことが起ころうとしていると。
「マダ未完成ナのだ……」
その右目にはもはや研究という言葉以外は見えていない。 己の炎に焼かれもう原形を留めていない瞳は光を失っているだろう。
しかし、左目が放つ不完全な輝きは、完成させてはいけないと本能が訴える。
あの瞳が完成したら、あらゆる攻撃が反射される。 打つ手がなくなると直感できる。
まるで尻尾のようにその背中で揺らめく魔力は、魔法という形を成す前から既に炎の魔法のような熱量を持っていた。
あの瞳は、完成される前に砕かなければならない。 獣眼以外のこの場にいる全ての者の脳裏にその言葉がよぎった。
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>>60
「ちっ」
敗けた。ならば、戦術的に活路を拓くッ!
「はぁッ!小松菜――」
明智は跳び上がり、獣眼の真上へと跳躍する。
「蔓で引き寄せてくれ、どれだけ強引でも構わんッ!
殺すつもりで敵に刺し寄せてくれッ」
空中で言い放った瞬間、切っ先を頚動脈に照準を合わせた。
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>>61
小松菜「炎相手に荒すぎだろ!?」 蔦を強く引くのであれば竜の腕で行うのがベスト。
だがそうするとどうあっても自分に向かって引き寄せることしかできない。
しかしこの空間の中で燃やされながらも力強く引く手段は他にない。
そんな中目に入ったのは、先ほどまで獣眼がいた場所に突き刺さった槍の姿。
小松菜「捕まれ!」 伸ばされた蔦、燃やされながらも伸びるそれは槍の場所から上へと伸びた。
そしてそれを一気に引く。 蔦は急激に垂直に落ち、槍に擦れながら水平方向に切り替わる。
地面スレスレで急激に方向転換されるようなものだが、その勢いは燃える勢いを凌いだ。
獣眼「反射、ソレガ黄金ノ毛皮カ」 既に反射は犠牲の杖のマナを反射しつつ同時に魔法を反射する領域に達していた。
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>>62
アツ
熱い。暑い。熱い。炎い。
自分の中で構築されていく犠牲の杖の炎耐性。
爆炎を掠れ焦げで済ましてすり抜ける。
「――――やぁあああああっ!!」
魔法剣たる二又の剣が反射によって吹き飛ぶ。
が、明智はそれを意に介さなかった。
「殴るっ」
爆発が荒れる炎のオートガードを突破する小松菜の蔓をもって、
右拳を握り締め、拳を獣眼の男に突き出した。
その拳は、重い。ただの男の拳だったが、当たれば首ぐらいは折れる。
同時。左手で剣を握りなおす。反射して吹き飛んだ剣をとっさに掴んでいたのだった。
剣から魔法を解放する。左手(そこ)に握られていたのは、一本の樫の杖。
解放された光と、闇の魔力が吹き荒れる。闇は燃え、周囲は炎と光の塵で包まれる光景の中。
――――武将の腕をもって、樫の杖を頭蓋に降り下ろした。
左手の樫の杖のとどめは、保険だった。
だが、殴る程度で死ぬ相手だとも、思えなかった。
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>>63
獣眼の体は既に一部が炭化しているというのに、その動きはより鋭くなっている。
いや、それは炭なのだろうか。 最上級の備長炭は白くとても硬いという。
だがその体から生まれる炭は黄金色をしていた。 まるで純金で作られた精巧な炭のオブジェのようであった。
心なしか体を覆う魔力の中で炭化した部分の周囲がより活性しているようにも見える。
色が山吹色に変化し始めている瞳は、今にも犠牲の杖とは呼べない代物になってしまいそうな程に不安定な輝きを見せる。
獣眼は、咄嗟に引き戻される蔦を掴む。 当然瞬時に焼けてしまうが、その一瞬は引き戻される方向に体を動かすに十分な時間。
もちろん慣性があるため加速はそこまででもない。 しかし、殴るという行為の進行方向に体を引くことは威力の軽減に直接繋がる。
そして拳があたれば、その分吹き飛ばされ保険で振るわれる樫の杖も避けられる。 そう本能で判断していた。
小松菜「だが、数は暴力だ!」 タートの電磁加速により小松菜が射出された。
回復能力の働かない炎に焼かれるが、竜の生命力は強い。 一時的な接触、体当たり程度なら可能だ。
杖の振るわれる範囲内に、獣眼が押し出された。
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>>64
明智にとって、杖は小太刀と大差ない武器だった。
明智にとって、切れ味を高めることは唯一の決め技だった。
明智にとって、杖(Arietta)は――剣(Arietta)だった。
「大、斬、撃―――ッ」
とても堅く、重く、鋭い。
必殺奥義を、Ariettaを持って叩き込んだ。
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>>65
鋭い、完全に頭頂部を捕らえたその一撃は、あまりにもあっけなく獣眼の頭部を、肉体を両断した。
犠牲の杖から切り離された右半身が燃えて灰になる。 明らかな致命傷。
だというのに、何故獣眼はそこに伏せているのだろうか。
かなり衰弱しているようではあるが、命に別状はないように見える。
右半身はどうしたというのか、まるで黄金の炭がそのまま毛皮になったかのようなもので覆われている。
いや、あの時魔女筋が自分の体の欠損を補った現象と、同じようなことが起きている。
違うところといえば、絶滅した金狐はほぼ精霊存在であり物理的生物から転生するという手順を踏んだところであろうか。
地に伏せて動かない獣眼、しかしその体に纏う魔力が、物質的力を持つように我武者羅に振るわれる。
ただの悪足掻きで時間を稼ごうとしているのか、時間が経てば犠牲の杖が完全に変質すると本能で理解しているのだろうか。
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>>66
弓の弦から放たれたかの如く吹き飛ばされる身体。
明智が地面へ頭蓋を沈めた。
(視界が暗い。まだ、死んでない。二回死んだから、理解できる、けれど。
ならば。何を手遅れだと考えているのか。――まだ、いや、まだ、いや、まだ。もう終焉だ。――いいや、まだ、まだ生きているなら。
最も愛するものが大義なら。最も愛する女が大義なら。最も喜ばせたい者が、たいぎなら)
「よお、そろそろ本気の勝負にしようか……」
何を言うのか。
明智の身体はヒビ入りで、明智の魔力は底をつき、明智の剣は――――いまだ剣として輝いている。
起き上がらせた体は血塗れで、睨む瞳は充血し、髪は泥に塗れている。
であっても。そこでまだ、立っていた。
「命懸けなんだよな?いや、いい。俺の中で九を守るための捨て石の一だと、お前は認められた
その九は全て私情で決めてみた。今の俺はただの暴漢でしかない
だから、だからお前を斬るのを愉しもうと思う」
距離詰め?一〇年早い。
斬撃?一〇〇年早い。
武士(もののふ)を止めたなら。 大義も 覚悟も 剣も 想いの全てを 改めつくさねばらない。
杖を放り捨てる。杖が地面に突き立った。ここが墓標と告げるように、突き立った。
明智の喚声。振るわれた拳は獣眼が振るう魔力を殴る。そうだ、この悪霊は。闇の魔力体だ。灼き祓われないのは、胸に犠牲の杖を融合させているからだ。
獣の魔力と暴漢の魔力が殴り合う。その腕前は、対等に。当然だとも、魔力(むけい)相手に、人体(かくとう)相手が通じる訳がない。
ゆえに、殴り合う。殴り合うのが全て。殴り合うのが私情の暴漢のあるべき姿と示すみたいに。
偶数:明智の殴りが競り勝つ
奇数:獣眼の魔力が競り勝つ
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>>67
ただただ、暴れまわるだけの最後。 それはどんな結果を導くというのか。
霧散する魔力、募るダメージ、限界を超えたら後はどちらが死の先を越えてしまうかのデスレース。
妄念のみに生きた男は既に妄念を燃やし尽くしていた。 空白の中、生きる心を持つか、持たないか。
獣眼の男は、後者であった。 体が左目から広がるように灰になる。 犠牲の杖は元の紅色に戻っていた。
広がるように末端までが肺になると、後は燃え残った骨のように黄金の炭が少量残るのみとなった。
――獣眼の扇動者、打倒。
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>>68
「よいか。貴様らの命は俺が奪いつくす。受け入れろ
限りある命だ。せいぜい死ぬことに意味があると信じろっ」
振り返り、声を張り上げる。言葉の剣は、衰弱しきった王狐へと。
「ときに貴様ら、死ぬ前にやって貰うことがある」
犠牲の杖を拾い、王狐へと近づいていく。
「何、簡単な死霊術だ。せいぜい、滅びの前に安息をくれてやる」
空いた片方の手の平に樫の杖を収めて、その杖が本来使えた魔法を発動する。
イビルコンソレーション【解放に慰撫と詠みあげる呪詛】。
悪霊を憑いた物から引き剥がし慰め普通の霊体に戻す、教会の司祭が使う霊体攻撃魔法である。
その魔法で、王狐に集まった銅狐の霊を引き剥がし、普通の霊体へ戻す。
「科学は、こうやって使うものさ。ま、俺の独断と偏見に塗れた運用だ、が……せいぜい犬畜生の生はまっとうしてみろよ」
宙に梵字を書き上げ、【式神】へ霊体を昇華する。
「主人はおらん。繁殖もできん。とんと使えぬ式神だな」
愉快そうに笑いかけ
「精霊に戻ってみろ。式神と精霊は、実際大差ない。式神ではなく、精霊だ
嘘を一〇〇ほど言えば真実になるのだ。さあ、生きよ」
明智は一つだけ式神の設計図に制約を課した。
食う必要もなく、子もできぬのだから、争いごとに力を使わぬように。
だた、一文の規則だ。それでも、それは狐の【精霊】に永劫の思考の枷となるだろう。
○
中)よし、確定ロールしまくったから土下座する!...出←これ土下座な
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>>69
銅王は既に意識もなく、ただ生命活動が止まる寸前の状態であるだけであった。
犠牲の杖の親和性、それが霊的式神への変質を促す。 元は精霊に近い種族、きっと不自由はないだろう。
だが、その変化に幼い精神が耐えるというのは、無茶が過ぎる話であった。
肉体という物が変化したため記憶もない、心も変質し枷すらはめられた。 肉体も精神も種族も違う、それは果たして同一存在といえるだろうか。
命は失われなかった。 だがその存在が生きているということになるのだろうか。
どちらにしろこの先種族としては銅狐や銀狐は絶滅してしまうであろう。
だがそれでもこの存在は、種の寿命を超え存在し続ける。 それは救いであったのだろうか。
しかし、どちらにしろ滅ぶのであれば、どんなに低くとも可能性のある未来を選択する。 その意思を間違いと断ずるものはいない。
眠りから覚めたとき、彼は一体何を思い、何を行うのだろうか。 未だ彼は、眠ったまま。
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>>70
己が偽りでないのなら、決めていくことができる。その答えが偽りには、なることがない。
ならば、明智は意志ある者が連綿と続くことを肯定するしかない。
何も捨てずに、10を得るのは知恵者の手法。1を斬り捨て9を齎すのが人殺しのやり方なのだから。
「さあ、帰還するぞ。俺は早く帰って、眠りたいよ
魔力が殆どないだけではない。殺しすぎた。それが、疲れた」
ユリカゴノシオリに、手を触れた。
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>>71
見慣れない、しかし見覚えはあるその場所。 お馴染みの雰囲気の伝わる場所でお茶を飲むその存在を確認できた。
「お帰り、今回は随分と大勢が関わったね〜」 変わらぬ様子で話す。
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>>72
「ただいまもどった。が、流石に堪えたぞ
犬畜生にも親子の情はあるからな……ま、とんとそれは、だ。酒に流しでもして、俺の中にしまっておく
時々、自分の猪突ぶりに冷水や折檻をいただきたくなるのだよ」
握った杖を腰に差し、犠牲の杖の宝石を先生に捨てるように渡した。
「剣はまあ、魔力が戻り次第元通りだが……さて、犠牲の杖は全て集めたぞ」
中)明日用事あるので1時にいったん遣り取り止めて後日また続きからでいいかなー?
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>>73
「集め終えて、あちらの世界にはもう犠牲の杖は存在していないということになった。
それを利用して世界の門を規制する。 因果が安定したなら私の力の及ぶところ。 因果の一は閉じられるよ」
(「はい、了解です」)
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>>74
「ああ、わかった
次は何だったかな。兄貴と話すんだったか?」
首を傾げる。イベントの進行手順の確認だ。
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>>75
「そうだね。 しっかりと話し合って因果を安定させてきてね。
ただし、今回の場合はリナの問題により直接的に関わる事になるからね、
そこだけは心に留めておいて」
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>>76
「……う、うむ。殴って話が通じる相手なら好いんだがなあ……」
脳筋ここに極まれりだ。
中)では、おやすみなさい。
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>>77
「そこは、彼にも守ってきたという自負があるしね。 頑張ってもらうしかないかな」
(「はい、お相手ありがとうございました〜おやすみなさ〜い」)
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【時計塔・頂上】
街の中で最も夜空に近い場所。
その片隅に立てかけられた一本の笹。
結びつけられているのは紫色の短冊。
“彼女が幸せになれますように”
出来れば共に在りたかった。
出来れば側に居たかった。
でも叶わない、叶ってはならない願いだから、ただ、幸せだけを祈って書き上げた。
彼女は、自分の落命を泣いてくれたただ一人の存在で。
自分にとって、掛け替えのない、大切な存在だったから。
「……これでよし、と」
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>>79
「なんの願いか知らないけれど
叶えてあげようその想い!」
全身から純白の毛が生えている有翼人が現れた
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>>80
「ああ、じゃあ、目の前の変なのを跡形も無く消し去りたい、って願いを叶えて貰えるか?」
「出来ないなら素直にそう言ってくれ―――天になんか頼らず、俺が直接殺すから」
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>>81
「ちょお!なんで私が殺されなきゃいけないのよ!
まだなにもしてないでしょー」
折角願を叶えに来た天使?に対する扱いとしてはあんまりだろうか
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>>82
「場の空気を読めず、七夕に現れる天使モドキにどうにか出来るような問題じゃないんだよ」
「だいたい、その場のノリで人の願いに関わろうとする根性が何よりも気に入らない―――ふざけるのも、大概にしろ」
刹那、閃く紫色、一部の人が見れば、抜刀術にも見える動作。
腕を振り抜く動作と共に、虚空を焼いて現れ、抜き打ちを放ったのは、かつて幽世の王から渡された魔剣。
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>>83
「そうまで言われちゃ私のアマノジャク回路がぴんぴん反応しちゃうぜぇ
短冊に願ったって誰も叶えちゃくれねえよ!そんな紙より今ここにいる神にでーんと相談してみなさいよっ」
向けられた剣の切っ先を指で跳ね退ける
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>>84
「“触れた”なら“終わり”だ、そのまま跡形も無く、その命諸共燃え尽きろ」
紫炎剣―――死炎剣の炎は、炎にして炎に非ず、その形を語るなら、死そのものと呼ぶのが相応しいもの。
それにわざわざ指で触れたなら、どうなるかなど分かり切った話。
即死はせずとも、その指先が死に犯され腐り落ちるのは想像に難くない。
「お前如きに叶えて貰う願いなんて、無い、仮に全てが真実でも、そんなものに叶えて貰った願いに価値は無い」
「どうしても叶えたくて仕方ないなら、さっさと最初の願いを叶えろよ」
「さっさと死ねって、言ってるだろ?」
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>>85
「まったく乱暴だこと」
指先はグズグズと言う音はすれど何も起こっていない
彼女は肉体が情報を保有しているわけではなく情報が肉体を生成している
全身に致命的な傷を負ったとしても残機(保有する細胞の数)が減るだけなのだ
「私じゃなかったら今頃ひどいことになってるところよ!」
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>>86
「言わなかったっけか、殺す、って、こっちは最初から酷い事にする気満々なんだよ」
「しかし……これを受けてそれだけ、か、成る程、侮っていたのは反省しないと」
「まあ、取り敢えず今日はこの辺りでお開きにさせてもらうかな、正直、願いを汚された気分で、萎えて仕方ないんだ」
その言葉を残し、青年は消える。
正確には、幽世に移動しただけなのだが。
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>>87
「あーあ 結局お願い叶えられなかったなー・・・」
ベルンの背中を眺めながら
「たまには良いことがしたいよう
詐欺50件連続成功したんだから1回くらい良い事したっていいじゃないの・・・」
そう独り言を言うと時計塔から身を投げて街から消滅した
結果的に願いは聞き届けられたようだ
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【町の広場】
普段から軽やかな賑わいを見せるこの町の広場。 いつもなら少ないながら出店などがちらほらと見えるがこの日は違った。
何故かは知らないが人通りが少なめの様子。 不思議だなと思う少女だが、それでも気楽な雰囲気を崩していない。
ふと、少女の存在感の薄さからか、少女の目の前で二人の少年が衝突し、お互いに謝りながら落とした文房具を拾い集めていた。
少女も手伝ったがどうにも二人の少年は気がついていない様子で自己紹介を始めていた。
小柄な少年「ぼ、ぼ、くは、『胡桃田 春彦(クルミダ ハルヒコ)』といいます。 お、おおかみ男です、月のイラストを見ただけで、変身しちゃったりします」
活発な少年「俺は『高坂 当夜(タカサカ トウヤ)』だ。 普通の人間だけどよろしくな」
友情が育まれつつあった。 目の前の少女を置き去りに。
クオン「……学校でもここまで華麗にスルーされることは少なかったのに……」
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>>89
「らん らん ららん」
謡う金髪青年。
「ららん らら ……月のイラストを見ただけで変身ですか!!やってみたいですっ」
両手を胡桃田の眼前に突き出し
電気で円状の黄色を掌に浮かべて見せつける。
いい迷惑である。
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>>90
小柄な少年「あえっ!?」 少年の体から桃色の爆煙が生じ極短時間少年の姿を隠す。 そして、
60は過ぎているように見える着物の女性「私が大女将の『胡桃田 春日子』にございます――」
活発な少年「……え? お、狼?」
クオン「(そういえばさっき、ちゃんと『おおおかみ男』と、大女将男だったのですか。 ただどもってしまったわけではなかったのですね)」
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>>91
「ナイスガッツだ、少年」
親指を立てて高坂の肩をもう一方の手で包んだ。
「ん、おお」
クオンの背後に林檎飴が売っていた。
「二つくださいな。……さあさあ、お二方お食べ」
胡桃田と高坂に一本ずつ渡す。
クオン……には気づいてない。
「……ご休憩はあちらで。」
ささっ、と噴水の方を指し示す。
どうやらリンクはご休憩の俗な意味は知らないようだった。悪意はないらしい。
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>>92
春日子「ご説明させていただきますと、魔法女将としての力を振るう三日月を見ることで、私は若女将の姿となります」
当夜「どんな体質だよ」 林檎飴を受け取りながら。
春日子「ありがとうございます。 おいしそうな林檎飴ですこと」
当夜「というよりあんた誰」
クオン「……珍しくはありますが、まあ、あることですよね〜」 クオンはカフェの非常識に汚染されている。
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>>93
「誰だろう?ま、気にしちゃ駄目だワン。なっ!」
にぃとへつらい笑いを浮かべてその場を立ち去った。
中)ごめんよー、タイムリミットだー。寝るよー
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>>94
クオン「とうとう、誰にも気づかれなかった」
(「お相手ありがとうございました〜おやすみなさ〜い」)
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考えても始まらない。
しかし、一つところにこうして腰を落ち着けていると、どうしても考えてしまうものである。
空っぽになったグラスを傾けてみたはいいが、はて?
自分はどうして空っぽのグラスを手にしているのだろうという、まったくもって馬鹿馬鹿しい質問を、何度となく繰り返すのである。
よって――
よって男は街に出た。
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>>96
「え? 肉類を食べないことによる寿命の変化はサプリメントなどでのカバーが難しい?」
何やらスポーツ科学から外れる何かが載っている胡散臭い本を読んでいる脳筋っぽい男がいた。
しかも読みながらぶら下がり健康器に足首を結んで足で懸垂運動のようなことをしている。 馬鹿っぽかった。
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>>97
誰に言っているんだ?と思ったが、恐らく自問自答なのだろう。
まったくもってタイミングが悪いと考えながら、不機嫌そうなメガネの男がすれ違い――足を止めた。
「肉を食べないのか?」
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>>98
「肉類は力は出るがそれはムラのある力で長期的に見れば力が安定しない分ペース配分が困難になる。
そしてモヤシとヒジキはうまい。 よってあまり肉は食べないな。 全く食べないわけではないが」
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>>99
「聞こえによっては貧乏人の貧困な食生活の正当化のように聞こえなくもないが、どうやら貴方はそうではないらしい」
「しかし、ペース配分とは…食事に?」
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>>100
「スポーツを行う上では食事もとても重要だぞ? 対戦系のスポーツのほうが食事制限はメジャーかもしれないが。
個人競技であろうとも自分の食事には気を使う。 それが真のマラソンランナーというものだ」
無駄に断言するように。 演出なのか自分で軽く火属性の爆発魔法を背後に出してきて非常にうるさい。
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>>101
「それが苦になったりはしないのか?」
それ、というのは食事制限のことだ。
答えは容易に想像できたが、ありきたりとは言っても本人の口から聞かねば思い過ごしになる。
男は一歩後ずさりした。少し、目の前の相手から距離を置きたくなったのだ。
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>>102
「? そうだな、お前さん生きていて苦しいと思ったことはないか?
それなら生きているのが苦しいのに死んでいない、という状況から俺の感覚も理解できるやも知れない。
それで理解できないなら、そうだな。 基本走ることが一番だからな、食事制限くらいそう嫌でもないぞ?
旅であまり食事のグレードを上げられないのは普通のことだし、普段の生活でも最近は菜食料理でも中々美味いしな」
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>>103
「何故生きているのだろうと問いかけたことはあるが、生憎と苦しいと感じたことは無いな」
メガネの男は腕を組んで「ふむ」と頷いた後に続けた。
「食事を自己快楽的な手段としてではなく、何かを為すための手段として持ち合わせていると言うならば、理解できる」
「さらに言うなれば、それを許容できている時点でかなりの実力者と見た。いや、お見それする」
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>>104
「そうは言うが現実問題旅の途中美味い料理を作るというのは難しくもある。
食べられる食材を覚え、調理法を覚えるだけではそこそこの料理にするのも難しい。
そして菜食主義者のためのレストランなどは案外肉がなくとも侮れない味というのもある。
美味い料理は確かに好きだが、それに拘り夢を諦めるのは流石に嫌だと普通は思うだろうさ。
そんなことは大したことではない。 走りだ。 むしろ褒めるなら走りだろ」
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>>105
「日持ちする物では、どうしても味気なくなってしまうしね」
男は同意した。男にも旅の経験はある。
それに、グルメではないが美味い物を美味いというだけの舌は持っているつもりだ。
「夢、か」
「褒めるも何も、僕は貴方の懸垂もどきしか目に入れていないんだぞ?アスリートというよりはファイターに見えても文句は言われないと思う」
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>>106
「……実は軽く魔法の手ほどきをしてもらったのと、槍の持ち方を教えてもらったのを除けば特に戦闘技術を学んだことはないんだ」
完全に実戦での独学だった。 しかもそのほとんどが走るためにただ突破するだけのもので戦闘というよりは当て逃げだった。
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>>107
「戦う術は、既にヒトが持ち合わせている。現に世の中だってそうだろう」
男は溜息を吐いた。
「関わるか、関わらないか」
「目を閉ざすか、見開くか」
ほんの少し、悲しそうな表情を浮かべ。
「必要がないなら、それに越したことはない」
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>>108
「しかしあれだ。 走るのに役立つなら頑張るのだが。 あれだ、それを言ったら殴られた。
『全属性の適正が悪くないのだから頑張れよ勿体無い』と、走るのに役立つ分で十分なのだが。
……人それぞれいろいろあるからな。 俺は走れればいいしその他もある程度は頑張ろうとは思っているが」
色々と馬鹿だが馬鹿なりに色々考えたりはしたらしい。 しかし結論は走ること優先。
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>>109
「でも、走るのが矢張り一番なんだろ?」
そうまでして言う、この男の走りを、ソランは見てみたくなった。
「なあ、競争しないか」
だから、ごくごく気楽に、その言葉は口を吐いて出た。
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>>110
「よろしい、ならば競争だ!」 もう反射的に返事した感がある。
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>>111
「カフェの場所は分かるな?…丁度、この通りを真っ直ぐ行った先だ」
既に知っているものとして話を進める。
通りを指差しながら、ソランの表情は笑っていた。
「とは言っても、ろくに鍛えてもいない僕が、果たして君を満足させるだけの相手たるや?」
「答えは、YESだ」
男は、道端に落ちていた程よい大きさの木切れを拾い上げた。
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>>112
「マラソンとは本来己との戦いであり、時との戦い。 ゆえにその走りはどのような形でも走りだ。
その木片が落ちてからスタートか!?」 暑苦しいほどに張り切っている。
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>>113
「いいや」
その木切れは、大きさ的に――そう、スケートボードを連想させた。
「これは、“こう使う”」
男は、ポケットからナイフ(それほど大振りではない)を取り出すと、板に何かを刻み始めた。
板を浮かせる魔術
物を吸着させる魔術
簡単な重力制御の魔術
加速の魔術
ただの板切れが、魔術の産物へと変わる瞬間。
男が手を離すと、それは地面から僅かな距離を浮かせ、ピタリと宙に浮いた。
「君は君の実力で、僕は僕の実力で走る。卑怯だと言うなよ」
「断言しよう、足の速さでは僕は君に大きく劣る。だが、かと言って―」
「君ががっかりするような結果を、僕も、そして君も望んじゃいないだろう?」
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>>114
「……別に全力が出せればなんでもいいんじゃね?」 特に何も考えていなかったらしい。 さすが脳筋。
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>>115
「こんなことは初めてでね、君を楽しませることが出来るかどうかは分からないが」
勝敗はソランにも未知数だった。勝てるという確信も正直なかった。
だが手を抜くつもりもなかった。これは彼との戦いであり、己との戦いでもあった。
「スタートの合図は貴方の呼吸でいい。いつでも、どうぞ」
シャツの袖を捲り、男は板切れに、左足を乗せた。
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>>116
「じゃあ槍を投げるからそれが地面に刺さったらスタートで」 背中の槍を構え、後ろに振りかぶる。
そしてぶら下がり健康器にぶつかり間抜けな音が出る。 振り返る。
「……」 ぶら下がり健康器を無言で解体して端っこのほうに纏め寄せた。 そして何食わぬ顔でまた槍を構える。
「準備はいいな!?」 なかった事にしたらしい。
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>>117
「嗚呼、一応片付けるんだな」
私物だったのか…と呟く。まったくどうなっているんだこの街は。
「ああ!」
思わず熱く返事をしてしまった。
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>>118
「片付けないと他の人の邪魔になるからな」 なら何故こんな場所で組み立て使用していたというのか。
「そぉい!」 投げた。 一応素人ではない程度には様になった投げ方で突き進み、地に着き刺さった。
「ヒートラン!」 爆発魔法の補助による急加速。 槍に向かい突き進む。 走りながら回収するつもりらしい。
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>>119
「ッ!!」
合図と同時に、右足で地面を蹴る。
爆発的な加速――などは行われず、それなりの加速でソランはスタートした。
「初速では競り負けたか!」
男の背中が見える。
重心を傾け、障害物を縫うように“滑る”
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>>120
「通行人の皆さん、ご迷惑はおかけしません!」 槍を回収し風魔法で跳躍、氷魔法のスパイクで建造物の壁を走る。
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>>121
「いや!十分に迷惑だろう!通報されないことを―ッ!祈るしかないな!」
それは短距離走というより、障害物走だった。
ルートの選択が異なるため、並走はほぼ不可能だったが。
「言うだけあって速いな――」
何より身にしみついてる力の差という奴だろう。
「あとは…スタミナの問題か、こっちはそれほどッ!キツくはないぞ!」
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>>122
「マジで!? じゃあ郵便配達のバイトが首になったのってこれのせい!?」 実はほぼこれのせい。
「えっ、じゃあ、ちょっと、降りる!!」 風魔法の大ジャンプで人のいないところに落ち、再び爆発による加速。
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>>123
「ご愁傷様!次は宅配便でもやったらどうだ!」
段差を使って、人の頭上をジャンプで越える。
「そろそろゴールか!」
カフェの輪郭が、そろそろ見えてくる頃だ。
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>>124
「断られた!」 既に行ったらしい。 その時のは荒い走り方から割れ物を運べないだろうと言って断られたそうな。
「屋根の上も駄目だというのか! よく全裸の男が走っているこの町も交通規制は厳格か!」 風魔法による空中移動中は地味にスピードが落ちていたので勝負がわからない。
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>>125
「だろうな・・・」
これは相手への配慮もあってか、呟きに終わった。
「それは常識の問題だろう!全裸が走っていたら他の物事にも敏感になるさ!」
「しまったな、減速を考慮していなかった」
カフェが見えてきた。
しかし、このままの速度でぶっちぎれば、最悪の結果になりかねない。
「クッ!!」
ソランは右足に重心を傾け、板で地面を擦るようにして減速をかけた。
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>>126
「くそっ、警察組織め。 全裸男を追いかける暇があったら俺に注意してくれればよかったのに」 無茶なことを言っている。
「ドライ!」 水分を吸収する紙を生み出す地属性魔法、スパイクに使った氷属性や飲み水を生み出す魔法と組み合わせて摩擦を調整しズサーっと滑り込む。
流石になれているのか摩擦調整で比較的安全に減速できる手段をいくつか用意しているらしい。
それほどまでに手が充実するとは、この男は今までどれだけ減速事故を起こしてきたのだろうか。
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>>127
結論から言うと、ソランの負けだった。
だが、内容としては悪くない、とソランは思った。
「その結果が解雇なわけだろう?」
身体に付いた土埃を落としながら、ソランは答えた。
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>>128
「……」 ズサーっと滑り込んだ状態のまま、泣いている。 案外解雇は悲しかったらしい。
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>>129
「お見事だったよ。使い道はともかく、実力は本物だ」
一応褒めているようだ。
僕の負けだな、と首をすくめると、手を上げて背を向けた。
「久しぶりに体を動かして気分が良かったよ、ありがとう」
またな、と男は言った。
中:お相手ありがとうございました、今日はこれにて退散致します。
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>>130
「おう、またな!」 一応勝負のけじめはつけるらしい。 引き摺らずに返事をした。
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【元海竜洞窟】
海の中にできた海中の洞窟、それは竜が住まう場所とされ財宝が眠るとされていた。
しかし今では魔法文明が発展し地上から管を通し洞窟内部に空気を送り続ける事により普通の洞窟のような有様に。
竜も実は特に棲んでおらず何故か大量の亀がいただけであった。
そんな洞窟でも一応資源の宝庫ではあったようだ、何故かこの洞窟ではいい鉄が取れるという。
だがいい鉄など地上の鉱山と錬金術で賄えるためさほど重要視されずに一般開放されマイナーな観光地に成り果てていた。
「そんな場所に何をしにきたのか。 何か鉄以外の資源が眠っていないかもう一度調査して欲しいと往生際の悪い人から依頼があったためです」
本来は魔法薬系錬金術師の仕事ではないのだが、何故か仕事が回ってきたらしい。
他の人員がこの場所の調査を嫌がっただけかもしれないが、一応鉄をいくらか貰えるということで調査をしているようだ。
新たな資源を見つければ成功報酬もあるということで一応丁寧に調べて回っている。
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>>132
「あら、クオンちゃんじゃないの?
こんなとこで会うなんて偶然ねぇ」
洞窟内でもハッキリ目立つ金の体毛で覆われたドロシーが後ろから話しかける
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>>133
「あれ? あっ、こんにちは〜偶然ですね〜」
この場所での仕事が回ってきたのは本当に偶然だと思っている。 押し付けられたとかは思っていないらしい。
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「クオンちゃん この辺に鉱石資源調査に来てるって人見なかった?
約束ではこの時間にはもう来てるはずなんだけど・・・」
辺りを見渡すが人の気配は特に感じない
「別に来ないなら来ないでいいんだけどさァ・・・」
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>>135
「鉱石資源調査員ですか? 私以外の人ではまだ見かけていないです」
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「あれ?なんでクオンちゃんが来てるの?」
依頼したつもりはなかったので少し驚いた様子
もちろん押し付けられていることも知らない
「あなた専攻は薬学よね?まあいいか・・・
依頼者のドロシーです、今日は宜しく」
依頼者の存在が調査に影を落とす
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>>137
「はい、機構系ではなく魔法薬系の錬金術です。 なんで私に回ってきたのでしょうね・・・?」
「あれ? 依頼者は洞窟の管理者の上の人かと思っていたのですけど・・・奇妙なめぐり合わせもあるものですね〜」
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「さあ?私はただ単に地質学専攻の学生や学者を集めたつもりだったんだけどどうしてこうなったのやら
ちなみに今日のアルバイトは他に二人だけいるけどもう別の場所で調査してるわ
あなたが3人め、これで全員確認がとれたわけ」
羽毛に覆われた尻尾をパタパタと振っている
「まあ募集かけた範囲が今回は狭かったからこういうこともあるわな」
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>>139
「では、改めまして私は何をすればいいですか?」
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「この鉱石を見てくれ」
黒く表面が濡れた鉱石を取り出す
「この謎の鉱石から採取できる油を研究してるんだけど
この洞窟で同様のものが手に入ると私の計算では出ているんだよ
だから何度も調査してるんだけど結果がいまいちでなくてね・・・
その・・・まだ成果はないんだ・・・」
バツが悪そうに言う
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>>141
「そうなのですか、ん〜・・・」 手で扇いで臭いを嗅いでみようとする。
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無臭・・・だが
「おいおい 何やってんだい!
まだ調査中だと言ってるだろう!
まだ未知の物質なんだぞ?
私が素手で触ってるように見えるけどそれは・・・いろいろ説明するとめんどくさいけど手の形をした手袋が作れるからなんだよ」
-
>>143
「本当に危険かもしれないくらい道の物質ならそもそも目の前に出しちゃ駄目ですよ〜
探すのであればどの道接触する事になりますし、そもそも知らない物質を調査で探すのは難しいです。
普通の人の目の前に出して安全だと確認したからこそこうしてサンプルとして持ってきているのですよね?」
なんだか妙に変な方向に肝が据わった考え方をしている。
「鉱石なのに油が採取できるということは化石か何かなのですかね・・・?」
-
「チッ・・・少しは危機感持ってくれよなぁ・・・
とりあえず私の調査では
1.毒になりうる成分は入っていないと思われるが不確定
2.油を包み込むようにして鉱石が作られてる
3.表面を削ることで油を採集できるって事がわかってるのよ
ただ完全に安全なわけじゃなく直接触ったら痒くなる程度の変化は起こるから気をつけてね」
といってゴム手袋のようなものを手渡す
「化石・・・とは言いがたいわね
でも採集方法は化石とほとんど同じでOKよ」
-
>>145
「危機感については、はい、仰るとおりです・・・」 オートガード+自己修復持ちはどうにも危機感が薄くなる。
「鉱石の中に油が生じたのか油の周囲に鉱石が精製されたのか、なんとも言えない感じですね。
化石ではないのですか・・・なんとなく感覚的に同じ物は探せなくもない気も無きにしも非ずといったところですね〜」
ゴム手袋を着用しながら物凄く曖昧な表現でとりあえず魔法的な地質探査から始めるらしい。
-
「あ、このサンプルは持ってていいわよぉ
同様の鉱石を見つけたら表面を5ミリほど研磨すれば本物かどうかわかるから」
たしかに油の出ている箇所は削り取られた跡がある
「いい忘れたけど飲むと普通は死ぬって事は確定だから
・・・さすがに無いだろうけど念のためね」
言い方から察するに前例があるようだ
-
>>147
「油を飲む・・・?」 クオンは飲むラー油を一般的なものとは思わないタイプらしい。
「とりあえずは了解しました〜」
探索魔法によりとりあえず周囲を調べてみる。 サンプルと照らし合わせ地属性のマナの揺らぎから探すらしい。
124578では無反応
369ならこの辺りでは珍しい質の悪い鉄
0なら何かの屍骸らしきもの
-
>>148
反応は特になかった
この辺りには無さそうだ
「じゃあ私は他のバイトのところ見てくるから」
と言い残してドロシーはどこかへ行ってしまった
裸足のはずなのにカツカツと靴音のようなものが聞こえたのは気のせいだろうか
-
>>149
音に関してはあまり気にしていない。 とりあえずどの辺りから調べようかとうろついてみるらしい。
「探索範囲が他の人と被らないようにしたほうがいいですよね」 そんなことを言いながら突き進む。
-
>>150
石同士がぶつかり合う音とパラパラと欠片が落ちる音
どうやら他の探索者とぶつかってしまったようだ
-
>>151
「あれ? 他の調査員の方ですか?」 一応確認する。
-
「ええ、あなたもですか?ここは僕が担当してるので大丈夫ですよ」
彼の周りは少し埃っぽい
依頼された鉱石は・・・一つだけあるようだ
-
>>153
「了解です、では〜」 特に何もなしに別れ突き進む。
147258では反応なし
369ではサンプルとは違うけどよくわからない何か
0なら妙に目つきの悪い亀に遭遇
-
反応なし
やはりこの洞窟にあるという計算自体が間違っていたのだろうか
そもそもドロシーが渡したサンプルはこの洞窟で採集した物だとは言われていない
-
>>155
「ないですね〜」 しかし調査するのは仕事であるためとにかく隈なく探さなければならない。
「今度は類比呪術ラインの探索を試してみましょうか」 探索方を魔術から呪術に変えた。
-
123何かが見つかる
456特に何も見つからない
789カメを踏み潰す
0見たことのないおじさんが足から血を流してry
-
>>157
「あれ? これは・・・」 サンプルっぽいけど色の違う鉱石を見つけた。 魔法で手元まで持ってきたが。
「・・・油は、でるみたいですけど・・・」 色が違う。 黒ではなく形容しがたい暗い色がマーブル模様に混じっている。
-
持っておくか捨てておくかは自由判断
ドロシーを無線機で呼ぶこともできます
あといつもの残り時間が迫っているので気をつけてください
-
>>159
「よし、雇われの身ですから細かいことも報告しましょう」 無線機で呼ぶことを選んだ。
-
『ホイホイ ドロシーちゃんですよ
あれ?クオンちゃん?なんかみつかったー?』
仕事なのに無線機の向こうの依頼主はやたら空気が軽い
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>>161
「呪術的反応は同一なのですけど色が違う鉱石を見つけましたので報告をと思いまして」 こっちも結構軽い。
-
『ほほう 色違いか!興味深い
もう私が着く頃だろう』
「ついてるぞ私!」
無線機の相手とは別のドロシーが現れる
分身でもできるのだろうか
「どれ、その色違いを見せてみてくれ」
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>>163
「これです」 暗い色のマーブル模様の鉱石を差し出す。 削ったところを見ると一応油もあるようだ。
-
>>164
「どれどれ・・・黄色とかピンクとかじゃないの?
・・・これ普通のアタリだよ
この色違いはただの誤差だね」
重要なのは油であって外殻の鉱石は割とどうでもいいらしい
「じゃあ発見した場所と探知方法を纏めておいてね
お給料は振り込んでおくから後で確認してね」
お給料=上質な鉄
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>>165
「そうでしたか、変なものを見つけたわけでなくてよかったです」
「では後で纏めて洞窟の管理者の人に渡しておきますね〜」
-
“人間嫌い”
という説明では、些か語弊があるかも知れない。
どちらかというと、それは“異種への憧れ”
ソランはヒトという種族というよりも、ヒトであるという自分自身の矛盾が嫌いだった。
ヒトとして生まれ、ヒトとして死ぬ以上避けられぬジレンマ。
だからこそ愛し、焦がれた。
今となっては、どうしようもない過去であったが。
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>>167
さて、そんな中種族とか特に気にしていないが自らの奇妙な血により様々な不便を抱えている少女がいた。
吸血鬼とエルフのハーフでありそのための体質的な弊害に悩まされ、他者に種族を説明するときどう説明するか迷うという有様。
そんな彼女はただ今、
「おぶろろ……」 輸血パックの血を一気飲みした直後の嘔吐中であった。
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>>168
「・・・」
情緒的なシーンはあっさりと終わりを迎えた。
ソランは眼鏡を外し、眉間を軽く揉みながら、今自身が置かれている状況を“確認した”
少女と嘔吐、中々にいい語呂だ。
「少しは躊躇いとか無いのか、君は」
見るからに、豪快だった。
-
>>169
「うぇ・・・?」 少し混乱しているのか状況把握に一呼吸。
「あぁ、えっと。 体質的なものですし仕方がないですよ。
確かに戻しちゃうもは苦しいですし気分も悪いですけど、そうしないと余計体調を崩しますし」
難儀すぎる体質だが案外なんでもないような雰囲気。 本人がそこまで致命的とは考えていないからだろうか。
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>>170
「病気か?」
眼鏡をかけ直し、先ほどよりも若干心配そうな表情を向けるソラン。
ソランは誤解をしていた。
「てっきり飲み過ぎて、嘔吐しているものと」
酔っ払いに手を差し伸べる気はないが、どうやらそうではないらしい。
ソランは自身が“苦手”と判断する少女に近づいた。
-
>>171
「病気というわけではないですよ? 一応医学的には先天的障害に含まれるのかもですが。
ただ吸血鬼とエルフの特徴がお互い邪魔しあって悪い方向に向いているのですよ。
なので血を飲まないと体調を崩すのに血を飲んでも拒絶反応が出るのです。 というわけで定期的に飲んで吐いています」
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>>172
「僕がエクソシストでなくて良かったな」
驚きはした。だが、口から出たのは、それを包み隠すような冗談だった。
「・・・先天性だって?」
ソランが驚いた原因。
ありえるのjか?いや、可能性はゼロではない。
“この世界に、絶対などというものは存在しない”
「ほら」
そう言いながら、ソランは少女に小振りの水筒を差し出した。
日中の暑さの事も有り、常備していたのだ。
-
>>173
「一応薬もありますし体調が悪くなる程度で済むのですけどねー
結構長い期間自分の種族すら知らなかったくらいですから」 それはそれでおかしい。
「あっ、ありがとうございます」 一度水で口を濯いでから水を飲む。
-
>>174
「君たち姉妹、いや・・・位相同一体だったか」
ソランは彼女達の事を位相同一体と呼んだ。
「出自も思考も、僕の許容限界を超えている」
呆れにも似たため息は、一連の邂逅の所為もあってだろう。
それは不快ではなかったが、正直ソランの手に余る出来事だった。
「それで、君はどうしたいんだ?」
-
>>175
「? どうしたいって・・・何のことですか?」 思い切り不思議そうな表情。
-
>>176
「異なる位相の人間が、いつまでも一緒に居るわけにもいかないだろう」
それを彼女たちがどう思っているのか。無論、自身の出自も含めて。
「異常だとは感じないのか?現状をどうにかしようと・・・まさか、思っていないのか?」
こちらは不思議というより困惑している表情。
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>>177
「特には・・・思うところはないですね」 あっさりと言ってのけた。
「なんだか一緒にいても特に問題もないみたいですし、同一人物と言うには結構違っている部分もありますし、
元の世界にもそんなに未練を生むようなつながりはないですし、というよりも行き来できますから定期的に帰れますし、
・・・問題ないと思いませんか?」 何故困惑されているのかよくわかっていないレベルでこちらも困惑顔を見せる。
-
>>178
「思わんね。尤も、これは外からの見解だ」
キッパリと否定したが、それはあくまで僕の考えだ、と念を押し。
「君達が問題ないというならば、問題ないんだろう」
男は観念したように肩を下げた。
それは、彼女達に対する考え方を改めた結果だ。
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>>179
「んー・・・一応参考までに何故問題があると思うのか教えてもらっていいですか?」
本気でわかっていない様子。 でもそこまでこの問題に固執しているようにも見えない。
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>>180
「君が、現状しか見ていないからだ」
彼女自身はどうかわからない。
それは違います、と否定されるかもしれない。
だが、ソランの目には事実そう写った。
「今はいいかも知れないが、明日以降がどうなるかの保証は無いわけだろう?」
この子には、過去と未来が無い。
そんな不安さえ起こさせるような不安定さが、この子にはある。
「不安じゃないか?」
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>>181
「・・・? 不安なのって当たり前なんじゃないですか?」 何かもう根本的なところが間違っていそうな発言が飛び出した。
「大抵の人は未来が見えないですし、何かをすればその結果をドキドキしながら見守ったり、もっと頑張ったりします。
明日の保障ができる人なんて早々いないです。 もしかしたら死んでしまうかもしれない、そう思っても多くの人は日の下を歩むじゃないですか。
だからそんなの別に私達に限っての話でもないと思うのですけど」
人は皆常に不安を抱えて未来を知らないまま生きている、それと何が違うという意見、のようだが・・・
-
>>182
「君の場合は、心当たりがあるだろう。僕が危惧しているのは、そういう僕然とした話じゃないよ」
ソランは押し黙った。
それは傍から見ても分かるほどの躊躇い。
ソランは決心したように口を開いた。
「君が――君達が、何のために“造り出されたか”」
ツクリダサレタ。
それは暴言に近い言葉だった。
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>>183
「あっ、それなら軽くなら先生さんから教えてもらえました」 不自然なほどに気にしていない様子。
「『犠牲の杖、リームステイムを使用できる個体としての失敗作であり、とある切欠から彼らにとって完全に不要となったから捨てられた』そうです。
自分でも何であんな歳で森を彷徨っていたのか疑問に思っていたのでそれが解決してスッキリしました」
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>>184
「吸血鬼側かエルフ側か、どちらの切り札だったのかは知らないが、酷い話だ」
嫌悪を隠そうとしないソラン。
少女の口から杖の単語が出てから、ソランの態度は急変した。
謎の出自、吸血鬼とエルフ、そして杖、疑惑は確証へと変わった。
「先生?」
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>>185
「吸血鬼側の研究だったみたいですよ? エルフの切り札に犠牲の杖以上の物はなかったですし、エルフは普通に犠牲の杖を使えましたから。
犠牲の杖を使えない吸血鬼が、犠牲の杖を奪い使用するために、ということだったそうです。 詳しい事情までは教えてもらえませんでしたけど」
「はい、クオンさんの先生さんです。 凄く変わった人ですけど色々頑張っているみたいです」
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>>186
「――そうか」
静かな怒り。だが、その矛先はソラン自身にもまだ見えてはいない。
少女の境遇など、今のソランには“どうでもいい事”だった。
「詳しいのか?杖にも?」
眼鏡越しの瞳が、鋭く細められる。
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>>187
「私は大まかに知っている程度です。 闇に属する存在には扱えない、とか。
あと精神的側面の強い種族なんかはエルフと同じレベルで力を引き出せるけど火のマナの侵食を受けて自滅してしまうとか。
どちらにもあてはまらない、人間なんかだとそれよりは弱い力を比較的リスクなしに使える。
ただしエルフ以外が使うなら原則は木行竜さんの作った鍵が必要とか、全部で四本あるとか」
「先生さんならもう少し詳しく知っているかもしれませんけど・・・よくわからないです」
-
>>188
「僕自身・・・よく分からない。何故こんなにも怒りが込み上げてくるのか」
「どうして――どうして・・・涙が止まらないんだ」
男は涙を流していた。それは悲しみの涙。後悔の涙。
「助けられなかった・・・」
誰を?
「助けてあげられなかった・・・」
ワカラナイ。
-
>>189
「……大丈夫そうではないですね、どうしたんですか?」 いつも浮かべている笑顔が曇り、心配の表情が浮かぶ。
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>>190
「――僕も、記憶が無いんだ」
男は涙を零さぬように、空を見上げた。
「その無くした記憶が言っている。杖を探せ――杖に関わった全ての者に報いを、と」
だから――
「大丈夫だ」
頼りなさげな声で呟いた。
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>>191
「、そうなのですか。 お揃いですね」 ただ、笑顔を見せる。
「大丈夫です。 もうこの世界の四本も、私の世界の四本も回収されています。
ただこれからを歩むだけです。 持ち主次第の道を、歩んでいくだけです。
いつでも諦められますし、いつかは報いを受けるべき存在が目の前に現れるかもしれません。
誰にもわからない未来、他の人と何も変わりませんよー」
-
>>192
「なんとも皮肉な話だ」
ぎこちない笑顔だったが、涙はもう流れていない。
「その因果が、どこかで繋がることを祈るよ」
溜息。そして。
「君達との会話はいつも驚かされてばかりだが」
「それでも笑顔だったんだな・・・僕よりよっぽど強い」
-
>>193
「でも強くなくても別の部分で勝負することができているじゃないですか」 ニコニコと悪意が欠落したかのような笑みを浮かべる。
「それでも気になるなら先生さんに相談すれば何かあるかもしれませんよ?」 だけどその表情は、不思議と狂気的には感じなかった。
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>>194
「してたか?勝負なんて」
首を傾げる。本気で悩んでいるようだが、答えは出そうにない。
「そうだな、よかったら紹介して貰えないか?」
「何に繋がるかは分からないが、何もしないよりはずっといい」
憑き物が落ちたような表情。以前のソランの顔だ。
-
>>195
「……勝負しないで強さってわかるんですか? 今回の勝負は……勝負は、どんな勝負だったのでしょう?」 台無しである。
「はい。 えっと……どう紹介すればいいのでしょう?」 関わった人も本気で悩む。
「……闘技場で叫んだりすれば出てきますかね? たまにカフェに出没するみたいですけど……」
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>>196
「それは僕が聞きたんだが・・・」
真剣な表情で聞き返す。意外と抜けたところもある男だ。
「この街にいるのであれば、その内出会うだろうが・・・特徴とかはあるのか?外見とか」
-
>>197
「あれですよ。 心の強さ勝負?」 物凄く曖昧な勝負だった。 しかも疑問系。
「特徴ですか・・・んー・・・美形っぽいですけど不思議と美形というより普通って印象です。
・・・あと、中性的、かもしれません。 でもたまに性別が変化しているっぽいです。 全体的に灰色っぽいかもしれません。
・・・よく、わからない人です」 駄目だった。 特徴を上手く伝えることができない様子。
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>>198
「いや、それは僕の負けだ・・・と思うんだが」
ソランもよく分からなくなってきた。
「あ、嗚呼・・・あんまり無理しなくていいから・・・」
自分で聞いておいてなんだが、失敗した、とソランは思った。
「ん?そうだ、名前は?“先生”ってのは通り名みたいなものだろう」
思いついたように訊ねた。
-
>>199
「心の強さ勝負にも色々あるのですよ。 心の強さ以外とか」 もうそれは既に心の強さ勝負の範疇ではない。
「名前・・・あっ! また訊くの忘れていました!」 本気で駄目だった。
「うぐぐ・・・でも、たぶんきっと呼べば出てきます。 にょきにょきと」 若干涙目、珍しい事に。
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>>200
「なんかもう、言った者勝ちだな」
呆れている。ようやく話が逸れていることに気がついたらしい。
「にょきにょき出られても困る」
モヤシか何かなのだろうか。
「まあ、いいさ。なるようにしかならないだろう、そんな気がする」
一応、慰めているようだ。
-
>>201
「この前はグラグラボトっと出てきました」 どんな出現方法だったのだろうか。
「何故か名前を訊くのを忘れてしまうのですよねー」
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>>202
「・・・へぇ」
凄く興味がなさそうな声だった。
「僕が聞いておくさ。君達はどこか抜けているからな」
一言余計だったが、悪気はない・・・多分。
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>>203
「面目ないです・・・」 先生に対しての思考誘導という存在があることすら知らないためこのような反応に。
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>>204
「なんだ、噛み付いてくると思ったのに」
悪気はあったようだ、笑みを浮かべている。
「兎も角、それらしい人物にあったら訪ねてみるよ。ありがとう」
-
>>205
「忘れてしまったのですから仕方がありません」 でもどことなく不満そうではある。 すぐに笑顔になってしまったが。
「いえいえ、どういたしましてー」
-
>>206
「それじゃあ、クー。クオンにも宜しく伝えてくれ」
この前は、些細なことで口論になってしまった、と頭をかく。
正直、あれは不本意だったと後悔するソラン。
「また」
手を上げて挨拶を、した。
中:そろそろ更けてまいりましたので、この辺で失礼いたします〜、お相手ありがとうございました。
-
>>207
「クオンさんにですか? わかりましたー さようならー」 見送る。 ついでに自分も帰路に着くようだ。
(「こちらこそお相手ありがとうございました〜おやすみなさ〜い」)
-
【海】
白い砂の海原。
「って、砂の向こうに本当に海が広がってるんだから
このたとえは妙ですねぃ」
右手で遮光を手をつくり眉に押し当てる。
「いや何とも清々しい」
白地に青いラインの入った海パン、上半身には撥水素材のパーカーを着ているようだった。
すると、海開きを始めたばかりの砂浜に来ているようだ。
-
>>209
青い海、どこまでも続いて見えるその海、いや何かが浮かんでいるのが見える。
海だというのに服を着たまま、うつ伏せに力なく浮かんでいる人型のその物体、
水死体のようなそれは明らかに爽やかな風景に異質な雰囲気を持ち込んでいるように見える。
-
>>210
なんだ。
ドド・・・
「なんだ、あれは。人か!っ?」
清々しい気分を台無しにされた怒りに震える拳を空に掲げ、雷球を小松菜にぶち込む。
「電気マッサージ、ですっ!ってああ!順番間違えましたッ
人命はなによりも優先する、でした」
漫画みたいなノリで片手にどこから取り出したのか薬剤師任免書を片手に3ページ目を読んで、
さっとどこかにやってから小松菜へと走っていく。
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>>211
「いてぇえええええっっ!!?!?」 普通に雷球が命中し堪らず翼で飛び上がり叫んだ。 そして再び落ちた。 暴れている。
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>>212
「人はねっ
痛みを乗り越えてっ
生きていくんだ!!」
びしっと飛んでる小松菜に指を突きつけたのち、落下した小松菜の救援に向かう。
が、海際で止まった。
「ドウシヨウ。私の責任になるのだが……
人を抱えて泳ぐ筋力は私にはない
カナヅチではないので、一応ターゲットに近づいて、近づいて、どどどどうすれば!?」
頭を抱えて「うわあぁー」と呻き声をあげながら海際で両膝をつく。
-
>>213
「おまっ、っ前! 何しやがる!」 何か綿のようなものが生じて小さな足場のようなものになる。
とりあえず浮き輪のように掴まり竜の尻尾を出しワニのように進む。
-
>>214
菩薩のような穏やかな表情で――
「サマーバカーション♪なんちって」
(あ、これ完全に滑った。滑った以上に殺意的な何かが膨れ上がってる……)
ばしゃっ!
水の中に顔を突っ込んで土下座している。
「こひぇがこぼごぼ、ぢっぞぐどげがはぁっ」
これが窒息土下座です許してください、と言っているようだ。
-
>>215
「……」 近づいて水面に完全に顔を沈めて近距離で見る。 呼吸? 植物ですから。
「……ところで水中で声なんて聞こえるのか? 許したとして」
-
>>216
ごぼごぼと音が鳴る。
(泣きたい……ここで)
「ごぼぉっ・・・」
(こんな格好で死ぬのは)
「がばがばごぼっ」
「嫌だッ!」
ばしゃあっ、と顔を水から引き上げた。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・あれ?なんて顔沈めてるんですか?あぁー、成程」
「これが、死体ごっこをしていたのはボクですすみませんでしたって意味の窒息土下座ですか、あはは
何か泣きそうになって」
自分の目尻を指で撫でる。
「損しちゃいました」
立ち上がって腕を組んで小松菜を見下ろす。ついでにどや顔も決めてるあたりぬかりない。
-
>>217
「……」 とりあえず尻尾で絡めとろうとしてみる。 一度水面に叩きつけてチャラにしようとか考えている。
-
>>218
どごぉ!
水面に金色と茶色の毛束が浮かぶ。
ばしゃっ!
「禿げると思ったじゃないですかっ!!」
狐耳が髪の隙間から出ていたが、何かと薄毛に見えてくる辺り、ショックで結構毛が抜けたらしい。
「禿げたら、責任とってくれま――いえやっぱいいです死体ごっこする子とは結婚してあげませんっ」
誰もそんなこと望んでないのです。誰も幸せにならない。
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>>219
「いや雷撃ち込まれたならそれでアイコってのは優しいほうだろ?」
普通に言う、回復力が相当であるからこそこんな軽くいえるのかもしれない。
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>>220
耳が垂れる。無自覚あざとい。
「だってー……
楽しみにしてた海に死体みたいなのが……ぐすっ」
ぺたんと座った状態で、潤んだ瞳のまま小松菜を見上げる。
「許してくれますか……?」
-
>>221
「死体って、ただ光合成していただけだろうが」 なんだか色々と違う。 しかし一応許してはいるらしい。
-
>>222
ジト目に変わる。
(あぁーこの人ってそういう価値感なんだ)って瞳に変わる。
「光合成ですかぁ!いいですねぇ!!
でもここじゃなくて砂浜でして欲しいですっ
サラダ油マシマシで塗って差し上げますからして」
まぁ最後のは冗談にしても、右指で砂浜を指し示してぶんぶん振ってみせる辺り、砂浜で光合成しろというのは本心らしい。
-
>>223
「光合成って水が必要だから水上のが楽なんだがなぁ」
砂浜を掘って波により水が入るように寝そべる場所を作ろうとしている。 最初からそうすればいいのに。
-
>>224
「み、見間違えちゃいますよ……あんなのってないよ」
すーっとパーカーのタグを下げていき、半開きにして寝そべった隣に寝そべる。
「ある日ある日、森の中で妖怪が人を食べていました
妖怪は食べる途中、もう肺腑もない人間に《おまえだけはゆるさないぞ、勇者メンソレータム》と罵られました
妖怪は言い返します、《いや、我輩は魔宰相ウナクールだが。それはともかく、お前はなぜ喋ることができる!?》
人間はこう言い返しました《俺はお前の命だ。今まで殺してきた人間の怨みが募って生まれた、お前を殺せる人間の子だ》」
「……涼しいですか?私はちょっとあんまり。清涼感だそうと思ってオキシドールみたいな名前にしておいたんですけどネ」
よく分からないが夏の怪談を始めていたらしい。
-
>>225
「怪談か。 怪談なら一つ聴かされたものがあったな。 確か理不尽な電話の話だ」 少し食いついた。
-
>>226
「なんですかそれっ!?」
こっちもこっちで超食いついた。
-
>>227
「あぁ、怪談で最後死んでしまう落ちとかだと誰がその話を広めたんだ? って話になるだろ?
つまり怪談を後に語れる人物が生き残っていることが実話であると主張できる怪談の第一条件なわけだ。
それを踏まえての話だが、ある男がネットで怖い話について調べていたそうだ。 だが大抵の話はありふれた物。
だからその男は怪談を題材にした二次作品を探して回っていたんだ。
で昔に読んだ覚えのある作品を探したんだが、どうも模倣犯的な犯罪が起きて公開停止になったそうだ。
それでも完結していると知りどうしても続きが知りたくなってインターネットアーカイブで当時の文章を読んだんだよ」
なんだか近代的な怪談話が始まった。
-
>>228
「それでそれで!」
食い入るように小松菜の口を見ている
-
>>229
「でその内容は一方的な勘違いから相手を呪ってしまった奴の呪いが成功しちまって〜って話。
呪いについては無言電話が続いた後に電話線を切っちまうと繋がっていないはずの電話が鳴って呪われる的なありがちなもの。
これでスッキリしたとまた新しい作品をあさりだしたんだよ。
でもしばらくすると急に非通知の無言電話が増えた。 仕事の都合上非通知を着信拒否にできないしでだんだん怖くなってきた。
アレはフィクションだ。 そう自分に言い聞かせたんだがあまりにも無言電話がしつこくてうんざりしてきた。
だから内心怖がりながらも電話線を引っこ抜いたんだよ。 そしたら電話はピタリと鳴り止んだ。 鳴る気配はない。
それでようやく安心してそのことを友人に話したんだよ。 自宅に招いて」
-
>>230
「ん、んと」
ふるふる震えだした。
「続き、お願いします…」
怖いようだ。
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>>231
「でだ、話した後友人は『一応電話線の繋がっていない電話が鳴ったのを聞いて無事なんだからそりゃ笑い話だ』って。
当然電話線抜いたら鳴り止んだんだからそんなことにはなっていない、鳴るわけないだろうって言い返したんだが。
『ん? 電話線抜いた後受話器一度取ったんだろ?』って訊いてきた。
当然男はそんな気持ち悪い電話もう処分しようと思って受話器どころか線を抜いた後は本体も触っていない。
だけどよ、友人が言うには『仕組み的には鳴っている最中に電話線抜いても一度受話器取るまで電話は鳴りっぱなしだぞ』と。
そんな馬鹿な、現に鳴り止んでいる。 ガセネタだろうと笑い飛ばした。
そして、その場で、電話線の繋がっていない電話が鳴り始めた。
……相談された友人『は』無事帰れたらしいが、その状況から警察に捕まり、短い期間ではあるが服役、ってことになったそうな。
って話だ。」
-
>>232
「……こえぇ!」
がたがた震えて、「ちょっと暖かい飲み物貰ってきます!」と言って店に駈け出した。
-
>>233
「ん? おぉ。 ・・・俺は聞いたときあまり怖い演出もない投げやりな怪談だなと思ったものだが・・・」
-
時々自分が解らなくなる。
考え過ぎだと笑われるだろうか?
記憶を無くした数年が、とてつもなく恐ろしい。
こればかりは、アルコールでも誤魔化せそうになかった。
-
>>235
「呼ばれた気がしました」 お馴染み死人蔓で使い魔の犬に巻き付いての登場。 外見にそぐわず明るい。
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>>236
「嗚呼、リz――リゼッタ、久しぶりだね」
リズ、と愛称で呼びかけようとしたが、改めて言い直した。
少し馴れ馴れし過ぎはしないかと、不安になった。
「散歩か?」
-
>>237
「お久しぶりです」 相変わらずのか細い声。 移動中はお辞儀も厳しい。
「はい、何か呼ばれた気がしましたのでお散歩です」 前の町では気軽に散歩などできなかったと考えると素晴らしい環境。
-
>>238
「呼んだ・・・って、僕が?」
どこかでホッとしている自分がいる。
病気か僕は、と心の中で皮肉った。
「座る?」
あの時と同じように、隣の椅子を軽く引く。
ソランの手には氷の入ったグラスが握られたいた。
大きめ氷と、半分位の琥珀の液体。男が逃げた証。
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>>239
「いえ、それが自分でもよくわからなくて」 なので明確な場所を目指すでもなく散歩していたらしい。
「はい、では横に失礼します」 うまく死人蔓の蔦で自分の体を椅子に固定し犬の上半身を合金トランクに戻す。
-
>>240
「呼んでたのかも、知れないな」
そう言ってグラスを傾ける。
「では、わざわざご足労願ったお詫びに、何かお飲みになりますか?」
大げさに、芝居がかった口調で訊ねた。
-
>>241
「えっと・・・じゃあ・・・それ、何を飲んでいるんですか?」 ここで迷ったからかグラスに着目。
-
>>242
「これは、まだ早い」
自分の弱さを見られた気がして、両手で隠すようにグラスを包む。
歳を食った人間は卑怯だ。それをまさか自分が行おうとは思いもしなかった。
「酒、だよ」
-
>>243
「お酒でしたか、では私には早いですね・・・」 体質的に今後飲めるかも怪しいが。
「では・・・冷たいお茶ですかね?」 色的に近いものを選んだ。 不思議と、あまり踏み込まないように気を遣うように。
-
>>244
「よし、分かった」
マスターに注文を告げる。
趣向よりも、雰囲気を優先したかのような注文が少し可笑しかった。
「・・・迷惑ならば、そう言ってくれて構わない」
オーダーが届くまでの間、会話の糸口を探して、口火を切る。
迷惑、というのは、ソランが後見人を買って出たことだ。
「何か力になってやりたい、そう思ったのは事実だが。行き着く先は自己満足だ」
-
>>245
「・・・?」 よくわからないと言いたげに不安そうな表情を浮かべる。 彼女からすれば、今までは自分が迷惑をかける側だったのだから。
だからこそ彼女は迷惑をかけられる、という部分に関する感受性が薄い。 それを経験する機会を永く失っていたから。
-
>>246
「難しかったか」
ふっ、と笑みが溢れた。
「そんな顔するな、君は何も悪くないんだから」
その表情を、どこかで見た気がして、少し胸が傷んだ。
-
>>247
「……」 無言、人生経験も大して積んでいない、いやそれどころか意識のない期間のせいで同世代より短いほどだ。
だからこそ些細なことでも、心は揺れる。 既に大きく傷ついているから、目立たないだけで。
-
>>248
「言いたいことは、口に出さないと伝わらない」
それは自身にも向けられた言葉。
「言葉が見つからないか?」
-
>>249
「、はい」 正直に、その問いに答える。 それ以外の手段を思い浮かべることもできていないから。
-
>>250
「もう少し、欲張ってもいいんじゃないか?」
この子が、特異な存在であることは聞いた。それは複雑だ。
だが、それをマイナスの要因として彼女に突きつけることは残酷だった。
彼女は少なくとも、幸福であると。そう言った。
「いつか、言葉を見つけたその時は、話してくれ」
時間はかかるだろうが、ソランは待つつもりでいた。
-
>>251
「――はい」 そう返事はしたが、迷っていた。 彼女は『その答えを探してもいいのか』すら恐れる対象にしていた。
-
>>252
「・・・」
グラスを傾ける。どう言葉をかければいいのか、ソランも悩んでいた。
彼女が今、何を考え、何を思っているのか。
答えを探すように、彼女の背中に視線を移す。
あの顔は。あの顔はどう思っているのだろう。
-
>>253
無言が続く。 普段は騒がしいカフェから音が消えてしまったかのように。 彼女は一体何を思っているのか。
「(気まずいです)」 シリアスが長く続かなかった。 普段無理して明るく振舞っている節があるからか慣れていないのだろう。
-
>>254
「(僕も、こういう子の扱いは慣れてないんだ・・・何かいい案はないか)」
藁にもすがる思いで、なんとか現状を打破すべく、もう一人のリゼッタに教えを乞う。
-
>>255
普段暗い表情を浮かべるだけのもう一つの頭部は、面倒そうな表情を見せ「知らんがな」と声を出さず口を動かす。
リゼッタはもしかしたら心の成長力が全部こちらに取られているのではないだろうか。 いや本来ただのサブ人格だから逆のはずだが・・・
-
>>256
「(薄情だな・・・)」
ジト目で睨む。頼みの綱は役に立ってくれそうにない。
「リゼッタ」
声をかける。
「どうした、腹でも痛いのか?」
そんな筈はなかった。それくらいはソランにも分かった。
だが、思いを口に出して貰わなければ、どうしようもない。
ソランは、リゼッタの事を余りにも知ら無さ過ぎた。
-
>>257
「えっ? いえ、そんなことはありませんよ?」 我に返り、何もなかったかのように明るく振舞う。
-
>>258
明らかに不自然な会話。
「ずっと黙っていたからね。具合でも悪いんじゃないかと思ったよ」
恐らく、地雷を踏んだのは自分だ。
それが何であったかは分からない。そう。
それがわからない以上、ソランは踏み込むことが出来ない。
ただ、ソランはリゼッタに拒絶されることだけを恐れていた。
「冷たいものよりは、暖かいものの方が良くなかったか?」
-
>>259
「えっと、熱いの苦手で・・・体の表面積が少ないので体温調節もしづらいですし」 会話再開。
-
>>260
「初耳だな、それは」
うーん、と腕を組み。
「それだと冷たいのも良くないんじゃないか?」
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>>261
「はい。 特に冬場に冷たいものを摂取するのはよくないです。 あまり体が動かせないから熱も作りづらいですし」
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>>262
「ふむ」
体を動かす、という単語でピンときた。
「よかったら、今度気晴らしにどこかに行かないか」
彼女は拒むかもしれないが、もっと外の世界を見る必要がある、とソランは思った。
確かに一人では厳しいかも知れない。
だが、今は自分がいる。
「どこか行きたいところがあるなら、連れて行く」
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>>263
「えっと、そうですね。 でも私あまり遠くにいけませんから・・・」 この町に来るのは転移魔法で送ってもらった。
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>>264
「背負って行くさ」
ここまで来ると、もう使命のような気がした。
「流石に君の犬は自分の足で付いてきて貰うしかないだろうけど」
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>>265
「えっと、這って行ける範疇なら、ついて来れる・・・かもしれません」 試したことがまずないので自信なさげに。
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>>266
「近場で見繕おう、場所は探しておくよ」
意地でも連れて行くつもりらしい。
「嫌か?」
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>>267
「、いえ、楽しみです」 いつもよりも柔らかい表情で微笑んでみせた。
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>>268
「僕では役不足かもしれないけれど・・・見せたいんだ」
微笑む。これは偽りのない想い。
「君が“生きている”この世界を――」
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>>269
「そうですか。 じゃあ、楽しみに待ってますよ」 あまりこういった雰囲気には慣れていないからか照れくさそうだったが。 本心なのだろう。
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>>270
「ああ、楽しみに待っていてくれ」
これが、ソランの“兄らしい事をする”初の試みとなった。
それが、例え偽りでも。
中:長くなって申し訳ありません。ひとまず、一区切りということでこの辺で失礼したいと思います。
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>>271
「……では私はそろそろ帰りますね」 晴れやかな笑顔で、再び犬に巻きつき、岐路に着く。
(「いえいえこちらこそ。 お相手ありがとうございました〜」)
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【電脳闘技場:検定受験者用規制解除フィールド第五ステージ】
闘技場の一角、ギャグ補正では対処できないであろう戦闘も体験できるように作られた電脳闘技場を利用するための端末。
カフェの住人の中でも検定を受ける者の内希望者に配られるパスによりこの端末は起動する。
しかしながら過去に検定に乱入した存在も利用し今やここは合法的に殺害衝動を満たす目的で出入りするものが多い場所に成り果てていた。
その割には衝動が満たされたことが理由であるのか、とても穏やかそうな人々が周囲に居た。
マナーを守り、法を守り、それでも殺害衝動を満たせ更には実力も上がるこの端末を喜ぶ声は多かった。
傍から見た風景もあって周囲の人はただ実力を磨きにきているだけなのではと噂されていたりもする。
そんなどこか変な働きを担っている端末に、また新たな名前で募集がかかった。
『【死合対峙者】爽やかに殺し合いをしませんか【募集中】』
そこに記されていた名前は――
147なら降龍弩「フレイロット」
258なら静寂の鈴「鈴遠(リンドウ)」
369なら侵食士「アルカンシェル」
0なら地図切り「マーティン」
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>>273
電脳化されていく意識に身を投じて、薄ら明りが目の皮膚を透して来た。眼を開くと、闘技場である。
「ここは以前、検定で来たかな……少し殺伐としているが、反面、どうも、肉々しいと思える」
つらつら感想を述べつつも、ゆったりとした風情で端末の前に立った。
「パソコンは苦手だ」
数学や科学は分かるのだが、パソコンはどうも勝手が分からない。
マニュアル通りにしているはずなのだが、得体の知れない動作を完了し、あまつさえそれを解消したころにはマニュアルの無い荒野に立たされているのだ。
「だから、パソコンは嫌いだ」
端末の募集を一つ押し間違えた。
「まぁ、負けはしないだろうし、どんな相手でもいいかな」
押したのは剣士だったが、さて、押し間違えたのはいかなる闘者か。
円形のフィールドが明智の周囲を包み、転移されたことを物語る。
外見の造りこそ電脳的であるが、地面の感触も、空気の匂いも、現実の闘技場と大差無かった。いや、それでも気づけない範囲では、多少違うのかもしれないが。
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>>274
「どうもこんにちは」 引きつった笑顔で挨拶する少年、その少年はごく普通の量産品の剣を持ち佇んでいた。
体は剣士として鍛えられているが『まだまだ未熟に見え』ある程度の努力は伺えるが『大した実力はないように見える』そう本能的に思ってしまう。
よくよく見れば剣士の才能もなし、魔力も大して感じない、ただ基礎だけが妥協点かといえるような少年。
それでも、基礎ができていれば油断できるような相手ではないはずなのに、本能的に油断してしまいそうになる。
まるで、平和ボケした思考に自分が侵食されていくような、そんな感覚を覚えた。
しかし、その感覚は簡単に振り切れる。 この少年は、決して強くない。 だが、自分を殺し得る存在だと魂で感じ取れる。
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>>275
「お前か、敵は……」
何だコイツ、という瞳を向ける。
「出直してこい……」
だが、それは。一瞬の内に憎悪へと変貌した。己の不覚悟、目測の甘さ。全てに憎悪した。
「ほう、“少しは”やれるようだな?いいだろう、俺が直々に剣を教えてやる
――ただし、魔法剣だがなあっ!」
唐突に放たれた一撃目。火焔を纏った斬撃が地面を駆ける。――俗称「足払い」
魔法協会の学校でも理論は学べるポピュラーな一撃だ。威力は弱いが、精度が高い。
明智ほどに鍛えるなら威力精度ともに高質な斬撃を飛ばすこともできるが、それ相応に魔力を支払うことになる。
これは、威力を下げることで魔力消費を抑えた魔法剣の一つ。ただし、犠牲の杖で火属性が付与されていた。
互いの距離は15メートル。
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>>276
「へぇ……」 嫌そうな顔で心底感心したような声を上げる。 そして、あまり速くない速度で動く。
「侵食術:緑」 ふと、半身にして紙一重で避けようとしていた少年の姿が掻き消える。 いや、掻き消えたように感じる。
「侵食術:藍」 決してその速度は速くない、だというのに極端に反応しづらい。
反応しづらい雰囲気で、反応しづらい動きで、踏み込んでくる。 いつの間にか距離は15メートルではなく10メートルになっていた。
いや、これだけの時間があれば相手も移動するならその距離になって当然、しかし、まるで意識が侵食されるかのように少年を知覚しづらかった。
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>>277
悔しいが、強い。
まず、緑が視覚に対する錯乱魔法。
次に藍が神経と意識の繋がりを突く作用を持つ。
一旦、そう考えて、その思考をかなぐり捨てる。
「どれほど強くとも。この俺に及ぶ者は――こんな闘技場にはいないな」
距離を詰められたなら、更に離す。
あの錯覚、この油断。全てが読み切れないうちは、「見切れ」ない。
見切るというのは、戦士にとって最終局面における勝敗の鍵である。
戦士の駆け引きは見切るために存在すると言っていい。
それが、このありさまだ。まるで雲を掴むような心理戦。この地を、踏み込ませるな――脳に距離5メートルまでの警鐘が響く。
「――お次は、そらァッ」
曲がる斬撃。足払いと同じ威力、属性付与無し。さらに魔力コストを抑えた。
ここは慎重にしすぎて不味いということはないだろう。さらに“曲がる斬撃”を放った。
左右から挟み撃ちにする格好だが、交差する地点では先の曲がる斬撃の方がいささか遠くを通る。
つまり、弓なりの山の頂点をややずらした。そのかわしかたから、新たに情報を読み取る気だ。
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>>278
「及ぶ必要はないな、だってここは殺しの場」 少年は、避けない。 いや避けようとはしていた。
しかし精度の高い斬撃を、突進しながら、二本も避ける腕は少年にはない。
少年の戦場はただただ相手の意識を侵食し、まるで戦いの最中に相手を暗殺するような戦い方。
剣士としては未熟であり、魔法など全然使えない、基礎のみで体術すら半端、だから、避けられない。
手に持つ量産品の剣を犠牲にし、それでも足りない分は自分の体を引き裂かせて、無理やりに前進する。
「侵食術:紫」 切り裂かれた体から滴る血を折れた剣の刃に塗り、折れた刃を投げる。
単純であり簡単に避けられるであろう攻撃、だというのに反応しづらい。
殺気に反射的な反撃を行うような感覚を覚えない、しかし、頭では少し移動するだけでこんな苦し紛れの攻撃は避けられると理解できる。
『刃にまとわりついた血液』で目を潰されなければそれで十分避けられる。
だが、飛び散る血液は飛来する刃本体よりもなお反応しづらいものであった。
-
>>279
――――俺がここで切り拓くべき戦場は何だ。それを見誤るな――ッ!
数瞬。茫然としていた。
結果論から言えば、明智の前髪を切り払い、剣の切っ先が頭蓋に刺さっていた。
額に刺さるそれを視認して。自己の体を確認して。目の痛みを抑え込むように気合いを籠める。
「ハァーーーッ」
呼気を吹きだす。それで、目の痛みを無視して瞼を開いた。
突き刺さってからここまで、コンマ5秒。
「見事」
剣に右手を乗せ、引き抜く。
「確かに、ここまで届いた。 及 ん だ ! !」
「それ以上に言うべきことはないぞ
ただ一つも無い。俺がこの場を制圧する。それ以外の結果は無用と見える
運命はいつでも己こそが持ち、己が掴み取る物。誰にも俺は阻めぬからな!」
引き抜いた剣の切っ先は遥か後方に。
この出欠、この脳への極端なダメ―ジ。薄暗い視界。
もう、『最終局面』に入らざるをえないのだ。ここで勝負を決する以外、方法はない。
「闇夜に赤子の双眸は煌めき、乳を欲するかのように切り裂くのだ
大魔法、『闇の桜吹雪』――そして」
「極限まで切れ味を高めた剣を横なぎに振るう」
「さらに――とは続かん。その詐術、有効範囲は狭いと断定させてもらった」
闇の大きな桜の花びら状の刃がアルカンシェルの周囲2メートルにドーム状の壁を築くように動く。
巨大な魔力を消費したことによる頭痛。神経などもはや用はなさぬと告げる激痛。
そして、横なぎに振るうと宣告したのちに実行されるまでに完全に黒一色と化した視界。
脳へのダメージ、そして血液のトドメ。だが、この完全に詐術の及ばぬ黒一色の世界にのみ、勝機はあるのだ、それを信じて、剣を薙ぐ。
13579なら明智の剣はあと数歩分届かない。視界がブラックアウトするのが早すぎた。そして、その距離詰めを激痛で見誤った。
それ以外なら明智の剣は距離として申し分ない。だが、反撃を受ける余地がありすぎた。
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>>280
「――侵食術:青」 まるで反応のできない後退、その動作に対しては極端に反応しづらかった。
それでも花弁の刃は退路を完全に塞いでいた。 その動きに反応する必要がないのであれば、侵食は意味を成さない。
体は深く切り刻まれ、反応の遅れのせいで右腕は闇の桜によりズタズタになった。 それでも少年は意識を保っている。
おそらくは、剣ではなく魔法で広範囲の遠距離攻撃をいくらか続けていれば少年はたやすく倒れたのであろう。
しかしそれに気づくのが遅すぎた。 いや、遅くなるように意識が侵食されていたのかもしれない。
「――殺しは強くなくてもできる、何故なら、心の弱い者の為に存在することだからね」
左手だけで剣は振るえない、むしろ剣は右腕と共に魔法に巻き込まれている。 少年にもう攻撃手段はほぼない。
だが、意識を保ち、そこに座り込んでいた。 ただ、対戦相手を見つめ、その先に遥か遠い誰かへの恋心を秘めながら。
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>>281
「まだ、終わって、ないぞぉおおおおおおおおおおッ」
怒声。ぴくりと唇が動く。
「動かぬか」
冷え切った声。
脚は、少しも動かなかった。
腕も、指先も、力を使い切った。
神経を伝う激痛に、動くという反応を返せなかった。
「殺すのは、信念に依る利益のため
弱者をあまた背負い、切り詰め、世の被害の悉くを鎮め
そして平穏を迎え入れる。そのための殺しだ」
「俺の場合は」
ゆっくりと腕が下がり、切っ先が地面を滑る。
「な」
剣が手を離れ地面を滑った。
微動だにしない。右腕以外、何とも動かない。
目は閉じられ、口は半開きで、これでもかと気合いを放っておりながら
その者は生きていると、言い切れなかった。
――強くあればよい。強く、強くあり続ければよい
平和とはより強い者に善を強いることで成り立つ
大義を押し付けて、ようやく成り立つ
強ければ、大義を信念の刃に変えることができ
信念があれば尊い命を斬り殺せる
チープにもテキストウィンドウが表れてそれだけが表示され、あくまで自分を表現しきった明智が電脳世界から退出した。
-
>>282
その言葉を少年が聞いていたかも怪しい。 未熟な少年は、腕を失い出血で既に意識が朦朧としていた。
剣術の才もない、魔法の才もない、努力の才もない、強い信念もない、ただ好きな人に振り向いてほしいというだけの子供のわがまま。
決して強くない身でありながらもどうしても追いつきたいというだけで振るわれる剣。
殺し合いという場では、二人は相打ちであったのだろう。 電脳の判定でいえば、先に脱落したものの敗北なのであろうが。
【現実の闘技場】
気がつくと端末の場所に戻っていた。 対戦相手からのメッセージが届いているとの表示があるモニターが光っていた。
『あなたにはこの現実ではない世界での殺しは合わないかもしれませんね。 僕のように逃げる必要がないから。
――現実で、幸せになってくださいね……』
-
かつては自分も“そう”だった。
偉ぶって他人に教授するのは経験したからではなく、過去になったからだろう。
そうやって何もかも、道端に置いてきてしまうのか?
いや、誰かがそれを拾うなら――それでいい。
-
>>284
「Si Si Chao〜楽しっい時間は、どうして、すぐに、過〜ぎるっんだ〜ろ〜」
何か歌っている。 楽しそうに明るく歌っているがか細い声のせいであまり歌に聞こえないしうまくない。
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>>285
時刻は夜。
少女を何処かに連れて行く、というには相応しくない時間かも知れない。
だが、昼間の視線を受ける中より、宵に紛れてゆったりと歩くほうが、良いような気もした。
それに、今晩は雲も少なく“うってつけだった”
「こんばんは、リゼッタ」
カフェで待っていた男が声をかける。
-
>>286
「あっ、こんばんは〜」 歌は中断。
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>>287
「機嫌は、良さそうだね」
「さて、続きは背中で聞かせて貰うか」
悪戯っぽく笑ってみせる。
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>>288
「えっと、ちょっと待っててください」 合金トランクを下ろし犬を出す。
「お待たせしました〜背中を近づけてくれれば自分で蔦を巻きつけられます」
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>>289
「いつでもどうぞ」
片膝でしゃがみ、少女に背を向ける。
「悪いな、レディファーストだ。お前は自分でついてくるんだぞ」
犬に向かって言う。
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>>290
「自我が全然ないので言っても伝わらないかもですけど。 私も魔力ラインで命令していますし」
死人蔓を動かし巻き付くように体を引き寄せる。 腕も脚もないため少しキツメに巻き付く。
……よくよく考えれば、リゼッタは普段の移動にもこの蔦で犬に撒きついている。 このキツメの力で巻き付く蔦で。
もしも、しばらくこの状況が続き体に痣ができるようであれば、当然リゼッタも痣が多くできているだろう。
そしてそれは別に特別なことではない。 普段の移動方法、日常で体に痣ができるということに他ならない。
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>>291
「ゆっくり歩くつもりだよ、そんなに遠くまでは行かないから」
ろくに鍛えていない僕の足だしね、と告げた。
身体に蔦が這う感覚は、想像していたよりは不快ではなかった。
しっかりと固定されているお陰か、身体にかかる負荷はそれほど感じない。
言葉や感情に共感したといっても、明確な定規があるわけではない。
寧ろ、肉体的に痛みを共有できるというのなら、望むところだった。
「しっかり掴まって」
そう注意を促すと、少女を背負い、ゆっくりと立ち上がる。
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>>292
「蔦以上に掴まる手段がないのですけど……」 か細い声だが近くから聞こえるため聞き取りやすいかもしれない。。
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>>293
「しっかり“巻きついて”が正しい言い方だったかな」
ニュアンスは違ったようだが、無事に伝わっただろうか。
ともあれ、二人と一匹はカフェを後にし、夜の街角を歩く。
「普段は・・・買い出しとかで割と外には出てるんだったか?」
いつだったか、そんな話を聞いた気がした。
その時は深くは聞き入らなかったが、いい機会だと思い訪ねてみる。
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>>294
「これ以上お腹が締め付けられるとちょっとよろしくない事態になってしまうので……」
「この町に着てからはそうですね〜自分で見て回れるのって素敵ですよ?」
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>>295
「それはよろしくないな・・・適度に頼む」
どうなるのかは想像しないし、聞かない。
それが紳士というものだ。多分。
「そうか。どうだい?視点が高くなるってのは」
ソランの身長は割と高い。肩ごしとは言え、普段と違う景色が見えていることだろう。
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>>296
「んと、順当に成長してたらこんな感じだったのかなぁと」
この町に来るまでは父親も居た。 そして犬の使い魔ができるまでは父親に運んでもらったりもした。
なのでそこまで感情を動かすことでもないらしい。 既に同じような経験があるから。
案外障害を持つ者の感性よりは一般人に近いらしい。
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>>297
「女性なら、このレベルは高身長の部類に入るな」
そんなに成長するするつもりだったのか、と呆れる。
叶う筈だったみらいだが、少し想像出来ない。
「もう、叶わない事なのか?」
湿っぽい話になるのは承知していたが、元々イレギュラーな存在だ。
何かしら手があるのではないかと、縋りたくもなる。
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>>298
「わかりません、でも可能性だけならあると思います。 隔世遺伝とか」
どうやら父親も母親も高身長な方ではなかったようだ。
「遺伝子情報が破損しているのを死霊術で補う形での生命維持ですから、難しいですね。
筋力のような成長であれば多少はしたのかもしれませんけど……」
実は死霊術を生命維持に使うという技術がそもそも結構な技術なのだがあまり前例がないらしい。
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>>299
“それは肉体的には死んでいる、と言うことだ”
ソランは事実を口に出すことが出来なかった。
生き死にの問題で答えを導き出すならば、彼女は間違いなく“生きていた”
それは外見上のみならず、ソランが強く望んでいるからでもある。
「君自身の問題で、君自身が選択する事だ。気休めかもしれないが、希望は捨てるな」
ソランは事あるごとにこの言葉を口にする。
「この世界に、絶対なんてものは存在しない」
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>>300
「お母さんが生きていたらお父さんの遺伝子も合わせて私の遺伝子を補完できたかもですけど……
あとは時間操作か、過去の物体の召喚、異常深度のサイコメトリーで遺伝子情報がわかれば、
もしかしたら高額なナノマシンで遺伝子情報を補完して正常な体に戻れるかもしれないですけど、現実的ではないです」
一応自分の体のことだ、色々調べはして、その手段についてもいくつか考えてはいたらしい。
だが、そのどれもが普通では考えられない難易度を誇っていた。
彼女自身は、肉体機能的には遺伝子情報が欠如しているだけで生存事態はしていると認識しているが故に、妥協を選びやすかったのだろう。
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>>301
「ここまで言っておきながら、なんだが」
ソランは背中越しの少女に向けて言う。
彼女が何の手段も講じないとは思っていなかった。
あるべきカタチに戻そうと、周囲も努力したに違いない。
「君の今に、物理的な事を除くハンディがあるとは僕は思わない」
「君が望む限り、君は僕らと何ら劣らない」
妥協であろうと、彼女の選択だ。
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>>302
「この町に着てからは、そう思っていました。 ですが……」 なにやら悲しそうな声色。
「今まで気づいていなかったのですが、近所の女の子達に言われたのです。
遺伝子情報の欠落ということは、好きな人ができても子供産めないということなのです」
物理的ハンデに近いが、なにやら恋愛的ハンデと言いたいらしい。 どうにもリゼッタの言葉には悲壮感に欠ける。
恐らくは既に幸せだと思っていることからくる精神状況なのだろう。 その境遇に反して不自然なほどに普通の女の子的だった。
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>>303
「(不味い。これはコメントし辛い方向に行ってしまった)」
出来るだけ表に出さないように務めるが、明らかにソランの口が重たくなった。
どう答えていいのか分からない。
恐らく知識としては備えているであろうから、下手にはぐらかせない。
「・・・相手が居るのか?」
お父さんそんなの許しません的な意味ではないのだが、そんな感じになってしまった。
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>>304
「いないですけど、結構大事なことだと思いません?」 軽い、ノリが軽い。
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>>305
「そうだね・・・今の姿の君に“子供を産んで欲しい”と思う輩が出て来ないことを祈るしかない」
恐らく、現れたならばソランが社会的に抹殺するだろう。
「冗談でなく、真面目に答えるなら。問題無い」
ソランは言い切った。
「子供が出来ない夫婦というのも存在する。しかも破綻することなく、だ」
「結局は当人たちの問題だと言ってしまえるが、子供が出来ないからといってマイナスからスタートするという考えは間違いだ」
落ち着いた声で。
「今度、友達に言われたら言い返してやれ」
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>>306
「そんなものですかね?」 恋愛経験ゼロなので普通にそんなものなのかなと思ったらしい。
「……なんだか、顔を見ないまま話を続けるのも少し違和感がありますね」 背負われているので。
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>>307
「今の話を、君の顔を見ながらしなければいけないと思うと、穏やかじゃないな」
冗談半分、本気半分で言う。
「もうすぐ着くよ」
気がついてみれば、街から離れた小高い丘に登っていた。
街の灯りは遠かったが、月明かりのせいで暗闇ではない。
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>>308
「よくある話です」 一体普段どんな話をしているのか。 この町はやはり変だ。 リゼッタが染まりかけている気がする。
「町から離れちゃいましたね、まだ這って移動できる地形みたいですけど」 犬の使い魔は疲れ知らず。
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>>309
「末恐ろしい話だ」
割と本気で、そう思った。
「ふむ」
リゼッタの目の前で、ソランの頭が動く。
後頭部が僅かに近づく感覚。
ソランは、空を見上げていた。
「見てご覧。今夜は、ちょっと凄いぞ」
ソランが見上げた先。満天の星空。
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>>310
「わぁ……あれ? この町前に居た町より夜明るいのになんで前の町より星空が綺麗なのでしょう?」
純粋じゃない感想、この怪現象に不思議そうに、そしてもう一つの頭部が「狭い」と文句を言いたげな目をしている。
無論感動はしている。 夢中になって空を見上げてはいる。 しかしどこか台無し感があった。
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>>311
「そうだな――知らん」
知らなかった。
「それで・・・満足いただけましたか、お嬢さん」
ソランがリゼッタをこの場所に連れてきたのにはいくつか理由がある。
先ず一つは、上を見ろ、という事。
もう一つは、星は死滅していてもあんなに綺麗に輝いているということ。
無論、言葉には出さなかった。
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>>312
「そうですね……そう、です。 んと、アレです。 もうちょっとで満足するかもしれません」
「だから、また機会があったらどこかに連れて行ってくださいね?」
言葉は、口に出して伝わるもの。 それでも、きっと今の状況は悪くない。
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>>313
「ちゃんと、僕はやれているか?」
それは誰へ向けた問いかけだったのだろう。
リゼッタに向けたにしては少し小さく、か細い声だった。
「連れて行くさ。約束、だからね」
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>>314
「約束、ですよ?」 それ以上は語らない。 きっと、急ぐ必要はないから。
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>>315
「嗚呼、約束だ」
この世界に絶対など存在しない。
それはソランが自分自身にかけた誓約。
それは“対照魔術”を為すためのもの。
それは理を返せば、絶対を重くする供物。
「僕の身に何が起ころうとも“絶対に守ってみせる”」
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>>316
「……でもこの町の医療技術、ちょっとおかしなくらいですから滅多なことはないかもしれないですね……」
決意に水を差すようだが、決意なんてせずに済むのであればそれがいい。
「逆に言えば約束を守りさえすればいいのですよね。 安心して、いいと思いますよ?」
遠慮からか、約束を守るだけならば、無限に近いアプローチがあると語る。 そしてそれはある程度、本心なのだろう。
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>>317
「悲恋のお伽噺ならば、この後僕は帰らぬ人となるんだろうな」
冗談交じりに笑う。
「気負い過ぎか?自分ではよく分からないんだ」
ソランは当たり前だと感じていた。
商人の息子であり、時には信頼というもので取引が成されるのを見てきた。
約束、契約、誓約。言い方は様々だが、それらに重きを置く考えが染み付いている。
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>>318
「帰らぬ人になっても私が頑張って勉強してアンデットにという選択肢もあります」 手段を選らばな過ぎ。
「約束というのは、約束をすると決めた心こそが大事だから、約束するのですよ〜」
子供特有のよくわからない理屈抜きの理想論。
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>>319
「へえ、そりゃ心強い」
まったくもって御免こうむる、という感じの表情をしてみせたが、この位置からは見えなかっただろう。
「そうだな、その通りだと思う」
この返答こそ、ソランが求めた答えだ。
「帰るか」
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>>320
「ある種お揃いになるわけですかね?」 そんな事にならないに越したことがない、その理由がまた一つ増えた。
「ですね〜今日はありがとうございました〜」
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>>321
「悪くないかも知れないな」
それは本心なのだろうか。
「街まで送ろう、君の犬が疲れてなければいいけど」
空気を読む犬に、ちらりと視線を送ってみせた。
中:それではお付き合いありがとうございました〜
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>>322
「この仔は基本的に魔力があれば大丈夫ですから」
心配無用というわけらしい。 来た道を引き返し、帰路に着く。 地を這う音の傍らに足音を響かせながら。
(「こちらこそありがとうございました〜」)
-
【カフェ】
よっすマスター、ひっさしぶり
…そそ、実家に顔出しに行っててね
食べる?ウチで作ったローストチキン
……いやぁ、身内なんてうるさいだけだって
ちょっと顔出しただけなのにさ、アレ喰えコレ喰えって
残すのも悪いしさ、平らげたら「お前太ったなー」だの何だのと…
誰のせいで食べるようになったのかとだな……
(入店早々、カウンター席に陣取り愚痴り始める男が一人)
(口喧しいだの過干渉だのと、肴にもならない話を垂れ流しつつ、ビールを呷る)
(…が、その表情には小さいながらも笑みが絶えず浮かんでいた)
-
>>324
ビール美味しいお(^ω^ )ゴッゴッゴッキュ
-
>>325
マジたまんねぇよな( *^^ω )
(太ったというのもあながち間違いではないらしい)
(ジョッキの中身を一息で飲み干し、呼び掛けに応えたその顔は)
(どうみても にくだんご でした)
-
\ _
r-''ニl::::/,ニ二 ーー-- __
ミートボールがしゃべった!!/: :// o l !/ /o l.}: : : : : : :`:ヽ 、
/:,.-ーl { ゙-"ノノl l. ゙ ‐゙ノノ,,,_: : : : : : : : : :ヽ、
ゝ、,,ヽ /;;;;;;;;;;リ゙‐'ー=" _゛ =、: : : : : : : :ヽ、
/ _________`゙ `'-- ヾ_____--⌒ `-: : : : : : : :
...-''"│ ∧ .ヽ. ________ / ____ ---‐‐‐ーー \: : : : :
! / .ヽ ゙,ゝ、 / ________rー''" ̄''ー、 `、: : :
.l./ V `'''ー-、__/__r-‐''"゛  ̄ ̄ \ ゙l: : :
l .,.. -、、 _ ‐''''''''-、 l !: :
| / .| .! `'、 | l: :
l | .l,,ノ | ! !: :
/ '゙‐'''''ヽ、 .,,,.. -''''''''^^'''-、/ l !: :
r―- ..__l___ `´ l / /: :
-
>>327
…てめー、いま俺のこの顔のこと何つった?(#^^ω)
スーパーの売れ残りのお惣菜みてーだとぉー!?
-
>>328
いやいやそんなことないっすよ、聞き違いじゃ…(^ω^ )
(平然とさっき言ったことを消し飛ばすように首を振る)
………(^ω^ )
お前太ったな!!!>三三三(^ω^ )|出口|
-
>>329
確かに聞いたぞコラァーーーッ!三三(#^^ω) |出口|
(怒り心頭、空のジョッキを片手に駆け出した)
(…が)
……うぅっ、急に走ったら下っ腹が…!
(数歩走っただけで腹部を抑えて蹲った)
(かんぜんに うんどうぶそく です)
-
>>330
仮にも吸血鬼ハンt……ホマホマンだろ!! (^ω^#|壁
こんな事でどうする!来いよホマホマン!脂肪なんか捨ててかかって来い!!
(相手が脅威でないと知ったからか、勝手に何か言い始めた)
-
>>331
そ、そうだ…俺はホマホマンだ…
実家では一番の速さでメシを食べ終えた…
鍋パーティでは鍋奉行をつとめ…
検定に出てからもみんなから笑われ、後ろ指を指されてきたからこそホマホマンになれた…
自宅に1000合の米櫃も持っている…25倍盛りの牛丼も食べきった…
カフェでも他人の50倍は飲み喰いしている!
どんなメシでも俺は食べきってきた…いずれフードファイターにもなれる!
俺は…
吸血鬼ハンターホマホマンだぞーーーッ!(#^^ω)
おめぇなんか怖かねぇーッ!!
(里帰りの最中に染み付いた無駄飯喰いの根性は抜けきっていないようだったが)
(それでも何とか立ち上がった肉団子、ジョッキを振り回しつつ再び男へ向かい駆け出し始めた)
(…駆け出すというには、あまりにも遅すぎるスピードであったのだが)
-
>>331>>332
「合意と見て問題ないな?」
突如、声が上がった。
眼鏡で細身で長身で、目つきの悪い男がそこに居た。
「横玉で大変申し訳ないが“決闘”というのならば、第三者的な役割が必要だろう」
「僭越ながら、対戦方式を提案せて貰っても構わないだろうか?」
男は言う。
“僕が取って置きを用意しよう”と。
-
>>332
(――幾らなんでも食い過ぎだろ…)(^ω^ )
いいぜ…追って来いホマホmr
>>333
え?合意ってなに?ホモなの?(^ω^;)
(急に出てきた男に驚きながら足を止めている)
…ああ、成程ね。そういうことか
とりあえず聞いてやろうじゃないの
(初対面に偉そうである)
-
>>333
…む、この俺に気配を感じ取らせないとは…(;^^ω)ゴクリ
いいだろう、まずは話を聞こうじゃあないか!
>>334
……その前に飲み物飲んでいいかな
酒入れてすぐ走ったモンだから汗かいて汗かいて…
マスター!カロリーオフのコーラちょーだい!
-
>>334
「結構。マスター例のものを二つお願いする」
横目でチラリと男を流し見て、マスターにオーダーを伝える。
男の偉そうな態度は気に留めていないようだ。
「僕は同性愛者じゃない。寝技で勝負を決めたいなら止めはしないが」
興味がありません、という表情。
>>335
「二人には文字通り、フードファイトで決着をつけて貰う」
「メニューはたった今注文した。それをどちらが“早く完食出来るか”だ、簡単だろ?」
と、男はそう言って。
「嗚呼、今のうちに飲んでおくといい。勝負が始まると“それどころじゃないぞ”」
-
>>335
しょうがない奴だな…
( ^ω^)<ほらよ、コーラだ!
(つ と彡 /
/ ./
/ ./
/ /
/ /
/ /
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| __ | ガシャン
| (__();o。|
゜*・:.。 コロコロ
>>336
寝技はショタなら歓迎するがね。あんたは違うようだ(^ω^ )
(とまぁ、こちらも大して気にしている様子はなく)
早めに完食だと……だとするならこの勝負、俺が不利なのでは…(^ω^ )
-
>>336
…え、なに?飲み喰いでいいの?
フフフ、自慢じゃあないが、このカフェのゲテモノメニューは大抵挑戦済みだぜ?
生半可なメニューは勘弁してくれよ…?(;^^ω)
(制覇したとは言わないあたり、最低限の身の程は弁えているらしい)
(冷や汗流しながらイキのいい発言をしたところで、説得力は欠片もなかった
>>337
おう、さんきゅ…
おい!ちゃんと渡せよ!勿体無いだろ!?(#^^ω)
(倒れたコーラが衣服に溢れているのだが、まるで気にする素振りがない)
(今の彼にとって大切なのは、コーラが飲めなかったことだけなのだろうか)
(駄目だこの肉団子、もうどうしようもない)
-
>>337
「うわあ、ホンマもんやでぇ・・・これ」
ソランに戦慄走る。
思わずエセ関西弁になるくらい驚いたんやでえ。
「心配ないさ、必要なのは度胸と覚悟だ」
不利がどうこうというレベルではないらしい。
>>338
「胃に全てを飲み込んだ時点で、勝敗が決定する」
「尚、口の中にモノが入っていないことをアピールする為に、完食した際は・・・」
「“燃え上がれ!俺の小宇宙(コスモ)!!”」
「と、宣言して貰う」
台詞に意味はないらしい。
>>337>>338
そうこうして居る内に、ソレは運ばれてきた。
然程大きくない深皿の器に並々と盛られた真紅の液体。
具材が微かに偏在しているが、濁りきったスープに隠され“何が入っているかは不明”
「真紅の衝撃、赤い悪魔、完全屠殺兵器・・・言い方は様々だ」
「だが、これを食した者達の間では、一定の名称で呼ばれる」
そう――
「ア○ルブレイカー・・・と」
規制音が不要なくらい、それは食べ物におおよそ相応しくない異名だった。
-
>>338
わりぃ、手元が狂った
シュッ シュッ 仕切り直しだ!受け取れ!
シュッ シュッ
( ^ω^) シュッ シュッ
(つ と彡 / シュッ
/// /
/c□ /
/旦 /
//c□ ./
/旦 Y /
| | 旦 |
|旦 ガシャーン
ガシャーン
ガシャーン ガシャーン
>>339
安心しろ、二十過ぎの男はまだだ(^ω^ )
ほう?そいつは期待できそうだな…(^ω^;)ゴクリ
(口元には笑みを。言葉には余裕を浮かべてはいるが、冷や汗から
それが虚勢であることが見て取れる。
運ばれた料理を見て、男は思わず驚愕に目を見開いた)
『○ナ○ブレイカー』だと…!まさかこれが例の…!(^ω^;)
-
>>339
おいおい…たったこれっぽっちの量でいいの?
ご大層な異名の割には大したこと……
ぐえぇっ!
(なんだこの程度、と言わんばかりのナメきった態度で匂いを嗅いだ肉団子)
(その瞬間、彼は理解した)
(その異名に恥じない、殺人的な辛味の存在にー)
>>340
や…やめろ!フツーによこせフツーに!
これあかんぞ、あかんヤツや…(;^^ω)ゴクリ
水分無しには、一口たりとも摂取できる気がしねぇ…っ!
-
>>340
「安心できるか」
冷静なツッコミ。
「○ナルブレイカーは消化が始まってからが地獄だというが、それはこの際関係ない」
※大アリです。
「しかも時間をかけると、中のコラーゲン的な何かが凝固を始め、飲むスープから齧るスープにクラスチェンジする」
※闇のクラスチェンジです。
「準備がよければ開始の合図をだすぞ」
>>341
「これが一般的な激辛料理と一線を画す点は、これが料理ではないという所だ」
「これは最早料理じゃない。肛門だけを破壊する機械だよ」
しかも脳波コントロール出来る。
※出来ません。
「じゃあ位置について・・・」
-
>>341
チッ…しょうがねぇな(^ω^ )
ほれ
(カウンターに置いたのはジョッキ一杯のルートビア。
カロリーゼロどころか糖分豊富!砂糖13杯分!)
>>342
ナンテコッタ(^ω^ )
(思わず断りたくなった。窓を割って盗んだバイクで走りだしたい。
そんな気持ちに駆られた男だったが、それでも男の勝負。男の意地がそれを邪魔して
その足を止めていた)
ま、待っ…!(^ω^;)
(思わず出そうになる言葉)
-
>>342
なんとぉー…
じ、上等だよ!やりゃぁいいんだろ!?
(やけっぱち全開だが、こんな兵器を完食しろと言われればこうもなろう)
>>343
初めっからそうしろと……て待てや!(;^^ω)
こんな糖尿推進兵器をお供にしろってのか!
(不覚である)
(既に戦いは始まろうというのに、己の生命線を他人に委ねたその甘さ)
(このルートビア的な何かを上回る、甘っちょろさである)
(彼がその事実に気付いた時)
(既にスタートの合図は切られようとしていた)
-
>>343
「さあどうした、全世界の小さいお友達(♂)が見ているぞ」
「完食して小宇宙(ア○ル)を燃やせ」
ジャーン!ジャーン!ジャーン!
試合開始の音は何故か銅鑼でした。
>>344
ジャーン!ジャーン!ジャーン!
銅鑼の音が響いた。
「安心しろ、骨は拾ってやる」
かくして死闘が始まった。
-
>>344
ふふ、最早手遅れよ!このルートビアが、貴様の地獄の案内人だ!(^ω^ )
>>345
げぇっ 関u……じゃないな(^ω^ )
クソ……始まっちまったか…。こうなったら…!!!
『コンマ』
偶数なら一気に飲み干そうとする
奇数なら少量ずつチャレンジ
0なら呑んだ瞬間即死
-
>>345
こ、こうなったらやるしかねぇ!(;^^ω)ゴクリ
まずどこから片付ける…具からか、スープからか…
(皿ごと口に運んで一気にケリをつけるか…?)
(…いや駄目だ、具材に何が入ってるか分からないうえ、一気にケツと腹がブッ壊れるかもしれない)
(ならばスプーンで少しずつ……)
(…スプーンを浸した瞬間、溶けたりしないだろうな)
(開始の合図が鳴ったものの、戦法がまるで定まらない)
>>346
クソッ!してやられた…!(;^^ω)
(…いや待てよ、このルートビアで味覚を麻痺させつつ飲み進めれば…)
(どっちにしろ口に入れれば遅かれ早かれ地獄なんだ、ならば…!)
フゥハハハーハァー!馬鹿め!このルートビアの甘味で辛味を相殺すれば…
って、なんだってぇーーッ!
(驚愕!そこには一気飲みに果敢にチャレンジしようとする相手の姿が!
)
-
>>346
「素晴らしい判断だ」
そう、この料理は一撃の重い謂わばハードパンチャー。
その一撃をいかに耐え抜くかが勝負の鍵と言える。
思い切りの大切さ、そして肛門への労りをこの料理は教えてくれる。
「相手は・・・どう出る」
ソランは対戦相手に視線を移した。
>>347
「成程、ルートビアは敵に塩を贈る形になったか」
ルートビアの甘さで辛さを相殺する戦法。
味覚を犠牲にした捨て身の手段。
「スピードでは相手が有利。だが、安定でいけばこちらの方に分がある」
「最悪、TKOの可能性も捨てきれない」
この勝負、分からなくなってきた。
-
>>347
なんだと…俺の出したルートビアをそんな形で利用するとは……!
チキショウ、肉団子の癖に!!!(^ω^;)
しかしだ! この勝負…俺が貰った!!
>>348
うおおおおおお!!!(^ω^;)
(固まる前に飲み干す、勝負に勝つ為に急ぐ。本能に従うように男は行動していた。
良い判断かどうか、それは耐えきれるかどうか。その結果によって決まることだろう)
『コンマ』
偶数なら現実は非常である。痙攣し始めた
奇数なら苦しみもがきながらも、意地で飲み続けている
0なら歯をクラゲに変えて吸い取らせた
-
>>348
しくじった…侮っていた…!
ヤツがこの勝負にかける執念をッ!
(もう、長考を続ける暇は無い)
(やるしかない、ヤツに負けない気合を見せつけるしかないのだ)
ルートビアを口に含みッ!(;^^ω)グビリ
(………甘ァ〜〜〜い!)
(吐き出したくなるほど甘ったるいそれを可能な限り口内に留め、味覚を麻痺させてから)
…ぐふっ
(緩やかに飲み干し、間髪入れず、ア○ルブレイカーを口内に流し込むッ!)
>>349
〜〜〜ッッ〜ッ!!!!
(味覚が麻痺していようが、辛いモノは辛い)
(舌が痺れ、喉が切り刻まれるような痛みに襲われる)
(安全策を取れたのかもしれないが、その分スープを飲み干す為の手順は増える)
(僅か一口を摂取する間に、強硬策を取った勇敢なる対戦相手との間に、既に差が付きつつあった)
-
>>349
「――耐えた」
ソランは目を見開く。
実のところ、ソランはこの一口で男が再起不能(肛門が)に陥ることを想像していた。
それが、思わぬ形で裏切られたのである。
「だが、問題はこの次だ!」
一口目に挑戦することは容易い。
しかし、二口目からは恐怖が付随する。
躊躇いは遅延となり、勝負に必ず影響を及ぼすだろう。
>>350
「君の姿を臆病だとは誰も思うまい」
確実に堅実に。
だが・・・
「このままのペースでいけば追いつくことは出来ない・・・自滅か、あるいは捨て身か」
「勝負に出るなら今しかない」
-
(ω )
(一口目を飲み干した時、男の顔面は赤を通り越し蒼白にさえ変わっている。
ほんの一口で大分消耗した証である。普通の人間ならばとっくに死んでいる。
アナノ レをブレイクするのも納得するだけの凄味がそこにはあった)
(一気に呑んだ分だけ、ルートビアによる味覚麻痺がない分だけ、直接的な痛みが
男を襲っていた。
それがソランの予想通り恐怖を生んでいた。躊躇いが、男の中に生まれている)
(ω )
-
つけ忘れの安価>>351
-
>>351
……ッ…!
(一口、僅か一口である)
(ルートビアを用いた防護策を取って尚、○○ルブレイカーは肉団子の喉を破壊し尽くしていた)
ッッ………ッ!
(追い詰められた肉団子の思考に、邪悪な策が浮かび上がるー)
(スプーンで跳ねた風で、相手の眼にスープを飛ばしてやれば一撃じゃないか)
(ルートビアをスープに注ぎ込んでやれば、一気に飲み干せるのではー)
(そんな思考を過ぎらせつつ、肉団子はソランへと顔を向けた)
( ^^ω)
(その表情に、最早迷いは無かった)
>>352
(裏切れない)
(食べ物だけは、裏切るわけにはいかない)
(それが喉を焼き、肛門を破壊し尽くすための兵器だとしてもー)
(皿を持ち、その内容物を口内に注ぎ込むッ!)
(追いつけないかもしれない、死ぬかもしれない)
(例え飲食物と言えない味付けだとしても、それ以外の選択肢は最早肉団子には有り得なかった)
………!?
(が)
(一気に飲み干そうと胃袋へ流し込んだ瞬間であった)
(未だ明らかにならない「具材」が、肉団子へと牙を向くー)
-
>>352
「初手ほどのペースをもう一度再現することは、現状厳しいだろうな・・・」
ソランは唸る。
失速は最悪停滞に繋がるかも知れない。
「だが、この男の闘争心・・・今だ消えず」
>>354
「(何を考えているのやら・・・)」
内心そう思いながら、ソランは男の顔を見ていた。
何か策があるのだろうか。だが、生半可な策が通じないことを男は思い知ることになる。
※入っている物
偶数:おつゆジュワッとがんもどき(激痛)
奇数:かーにーのーつーめー(硬い)
0:ダークマター(即死)
-
>>354
(^ω^;)…ふぁっ!?
(ようやく蒼白から普通に戻った男。その顔は、対戦相手が邪悪な策を
巡らせていたことを知る由もない)
(…奴は勝負に出た。それを認識した時点で、男の迷いも消えた)
――俺は……勝つんだ…!!
(スプーンを力強く握りしめ、震える手を抑えながらもその表情は引き締まり)
俺は―――!!!
(再び一気に飲み干さんとした。そのスピードは、先程の三倍にも増している。
何が男をそこまで駆り立てたか。男の意地か、それとも)
>>355
(そしてほぼ対戦相手と同じタイミングで男は具材にあたった)
こ、これは……!!?(^ω^;)
-
>>355
かはっ……!
(焼けついた喉から、悲鳴が漏れる)
(内容物を確認しないまま飲み干そうとした、致命的すぎるミス)
(含まれていた[か-に-の-つ-めー」は肉団子の喉に突き刺さり)
(その傷口に、スープが直に触れる事となる)
>>356
ぐええぇぇっ!(;。。ω)
(肉団子は勇猛であったのか、それとも無謀であったのか)
(傷口に染みていくスープは、肉団子を悶え苦しませ、のたうち回す)
(カウンター席から転げ落ち、カフェの床を転がり回る間に、更に差は開き)
(皿の中のスープに、固まるだけの時間を与えることとなる)
-
>>356
「この局面で、まだ早さが上がるのか――」
ソランは別の意味で戦慄した。
それは有り得ないことだった。
「決着は・・・近い」
ソランはそう感じた。
※中に入っていたもの
偶数:ドリアン(激臭)
奇数:えーびーのーかーらー(伊勢海老)
0:マスタードボム(即死)
>>357
「ああ!これは痛い!」
さながらそれは死神の鎌。
「“死を招き(シオマネキ)”とはよく言ったものだ・・・」
全然上手くもなかった。
-
>>357
(――もう固まり初めてやがる…!?)
(男が肉団子が転がって行く最中で、注視したのはそれである。
だとするならあまり時間はない)
>>358
伊勢海老ならば…いけるか!!
(これ直接的なダメージにはならない。男は自慢の歯を使ってそれを噛み砕き
勝負を急いだ)
(最早痛みを超えた何かが、男を突き動かしていた)
-
>>358
(ひゅー、ひゅーと呼吸音が虚しく響く)
(一度崩れ落ちながらも、腕を伸ばし、椅子からカウンターへと這い上がり)
(下半身が麻痺したのか、上半身のみで再び席へと戻ったものの)
( 。。ω)
(既にその瞳は、濁りきっていた)
>>359
(最早、意識があるのかすら疑わしい)
(ゆらりと着席し直し、震える腕を抑えこみ、固まりきったスープ(?)を口へと運ぶ)
( 。。ω)
(もう、何も感じないのだろうか)
(痛覚の限界を振りきりつつある肉団子は、口内の固形物を黙々と咀嚼し、嚥下する)
-
>>359
「硬いの多くないか!?」
悪意の篭った食材チョイスに驚く。
これらの具材は後に、出汁を取る際に誤って混入したものと判明した。
「まあ流石に食べられないものは入っていないか、そうだよな」
フラグ↑
偶数:美少女フィギュア(考えようによっては、おかず)
奇数:美男子フィギュア(考えr)
0:DX超合金(合体する)
>>360
「固まったことにより、スピードが上がったのか・・・」
意外と固形化するのを待ったほうがよかったのかも知れない。
「大丈夫か、目が死んでいるが・・・」
-
>>360
(^ω^;)ビクゥ!!
な、なんだあいつ…意識はあるのか…!?それにあの動きは…!
(人間の動きではない…男は、そう感じた)
どうやら、正念場らしいな…!!
(男は覚悟を決めて、再びスープへと挑む。最早、固形化し始めているそれを…!)
>>361
変態は歯がイノチィ――――ッ!!!(^ω^ )
伊勢海老がなんぼのものじゃーい!!
(最早ごり押しである)
ゴキンッ
(硬い音が響いた)
(^ω^ )………
(美男子フィギュアである)
(^ω^ )ゴキンバキングチャヌロミチャ
(躊躇いも無い咀嚼の音がカフェに響いた)
-
>>361
( 。。∀)
(だいじょうぶ な わけ ないだろ)
(歪んだ笑みを浮かべつつ、視線がそう語る)
(そんな意志を伝えられるのならば、まだ意識の何処かに自我が残っているのかもしれない)
>>362
(既にお互い、元スープの残量は二割を切っている)
(相手が何を噛もうが飲もうが、もうどうでも良い)
フヒッ…フヒヒ……
(気色の悪い笑いを上げつつ、肉団子も最後の一口となるであろう具材をスプーンで掬ったー)
-
>>362
「い、今何か・・・入ってたよな?」
ソランは、恐る恐る聞いた。
「(スープの)中に誰か・・・」
>>363
「アッハイ」
ソランも口を噤んだ。
もう人を超越した何かになっていた。
「これもう(勝敗が)わかんねえな」
-
>>363
(勝負は互角…最早勝敗の行方は分からない。
男の意地が勝つか。無我へと達した肉団子が勝つか)
>>364
ハハッ、ナカニダレモイマセンヨ?(^ω^ )
(変なカタコトで応答するもののその破片……足の一部らしきものが
床に落ちているのが見える)
-
>>364
( 。。∀)
(解ればいいんだよー)
(視線がそう、語った風に見えた)
>>365
(肉団子が掬った最後の食材)
(このブツが、勝敗を決するカギとなるだろう…!)
偶数→モルボルの触手
奇数→暴君ハバ○ロ
0→野獣先輩(即死)
-
>>365
「お、おう・・・」
ソランは床に転がっているソレを足で素早く隅っこへシュゥゥゥゥ!
「僕の気の所為だったな」
証拠隠滅を無事に完遂した。
>>366
デデドン!
_ ―- ‐- 、
(r/ -─二:.:.:ヽ 勝ったな…
7''´ ̄ヽ-─<:.:.', __
. 〈t< く=r‐、\:く _ ...-::‐::¬::::: ̄:::::::::::::::::::::::::::::::
∠j ` / ,j={_/ヽヽr' >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. っ Y _/ ヽ了 /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
. し イ --─¬ /::::::/:/|:::/::∧:::∧:::::::::::::::::::::::::::::::::::
f: :_: : :_:_:_└ 、 |/f|/|/ .|/ |/ ∨ ヽ|\::::::::::::::::::::::::: ああ
/-ー/: : : : : : :\ { ヘ:::::::::::::::::::::
/7: : : :r: : : : : : : : : } ', .j / } .}::::::::::::::::::::
/: : : : : :.|: :j: : : :\: : j } /_ ミ ヘ::::::::::::::::::
/: : : : : : : j: ヘ、: : : : \| /くl´::<ニ二 ̄`> ミ:::::::::/
./: : : : : : : \::::ヘ: : : : : : :ヽ {::ア{:::::::}厂¨,`_______j:::::://
{: : : : : : : : : : ヘ:::ヘ: : : : : : :', V ヘ::::ノ` ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ .{::::|ヽ
',: : : : : : : : : : : :\ヘ: : : : : :ヘ. / ヘ¨ //:}::::|/
',: : : : : : : :::::::::::::::::::〉: :_:_.r--―く >ヽ / _ノ::::{ _/
'; : : : :.::::::::::::::::::::::r</ :.:.. `ー¬\__ /::::/
〈: : : : :ー---‐‐r―'´ :.:.:. ヘ: . ヽ . . }ー、 ./::::<
〈: : : : : : : : : : 〈r-‐、:.:.:.:ヘ.:.:.:.:. ', : : ',: . .|: : 〉 /:::::::/
-
>>366
お……(^ω^ )
(一瞬見てしまった、奴が暴君を引く様を。
それと同時、奴の結末も見たような。そんな感覚が)
>>367
アア、キノセイダヨ
(構わず、スープを飲む)
(そして彼もまた最後の具へと手をつけたのだった。
勝利への確信と共に…!)
偶数:美少女フィギュア
奇数:暴君ハバネ○
0:C4
-
>>367
(死合が始まり、既に何時間が経過したのだろう)
(いや、ひょっとしたら何分かしか経っていないのかも)
(いやいや、何日か過ぎているのかもしれない)
( 。。ω)
(こんな悪魔を喰らってきたのだ、今更暴君如きが何するものぞ)
(歪みきった思考の中で、肉団子はそう思った)
>>368
(…それが、いけなかった)
( 。。∀)
(人間の一日の許容量を等に上回る辛味の中)
(肉団子は、ルートビアによる保護を忘れ、スプーンに乗ったハバ○ロを嚥下した)
(せめて、せめて糖分による保護さえあったならば)
……!?!!!?(;。。ω)
(限界を超えた辛味によるケツの痛みを)
(今にも落ちてきそうな腹部の痛みを)
(感じる前に勝ち名乗りを上げられたのかもしれないー)
(例えそれが、束の間の勝利だとしてもー)
にくだんごは こえにならないひめいをあげて おてあらいへとはしりだした!
肉団子 再起不能(リタイア)
-
>>368
「まさに暴君!」
○バネロ状態!
「じゅわっとしてそう」
ここまでくるとソランも最早、小学生並みの感想しか口に出来なかった。
NKTだった。いや・・・悪夢の始まりと言えるかも知れない。
>>369
「ああ・・・これからが本当の地獄だ」
○ナルブレイカーはその名の通りの働きを見せたということだ。
失ったものは大きかった。だが、得られたものも大きいだろう。
「素晴らしい戰いだった・・・掛け値なしに」
ソランは天井を見上げた。
-
>>369
(男も同時に限界を迎えていた。それはまさしく言い様のない痛みが
小宇宙(アナル)を通して飛来した。
結末は同じだった)
;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_, や お そ
,、,、,ミッン、,._ _,、-'゙_,、-'゙. っ て. ん
、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙ __, て あ な
}; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_| 来 ら わ
ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_ た い け
,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴ ''"_|_| の. に で
└i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴ ''"_|_ だ
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ __.|_|_
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
|エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
|エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__
-,-=''┷━━|┬ニエ ┬-- .|__|__| _|_|_
''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_ |⊥ |__
>>370
(男は何も語ることなくして、勝利も敗北も忘れてお手洗いに駆けこんでいた。
カウンターに残ったのは空の器と静寂のみだ)
-
>>370
(小宇宙は、燃えたぎるまま、肉団子の体内を焼き尽くした)
(肉団子は、勝ち名乗りはあげられなかった)
(しかしー)
>>371
…出ねぇぞ
俺は!ここを!一歩も出ねぇぞッ!
(肉団子は、死合に負けた)
(だが彼は、聖域に一手早く、辿り着いた)
(数日の間、彼がお手洗いから出てくることはなかったー)
(彼の体型が、盆以前よりももっと、痩せこけるまで、出てくることは決してなかったのだー)
-
>>371
言葉は不要だった。
ただどうしようもない現実(リアル)だけが其処にはあった
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ か み な い か
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
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___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄|
_______l -ヾ ̄ l/ l| |___|
かみは しんだ。
>>372
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ か み な い か
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
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__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
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___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄|
_______l -ヾ ̄ l/ l| |___|
時には行動よりも大切なことがある。
男たちの勇姿を我らは忘れてはならない。
――HAPPY SET――
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..,,iii,,, iiiiiiiiiiiiiiiiiiiil .iiiiiiiiiiiiiiiii .lllllllllllllllllllll
.,,iilllll!!゙゛ .゙゙゙゙゙゙lllllllll!!゙ .゙゙゙゙゙゙゙lllllll iiiiii ´゙_,liilllll!!゙゙
.,,iillllll!!゙’ ._,,,iiillllllllllliiiiiiiiiiii. .,,,,iiiillllliiii,,,lllll! ,,iiiilllllllllliiiiiiiiiiiiiiii
!llllllii,,、 lll!!!!!llllllll!!!!!!!!!! ,iillll!!llllll!!!!!!lllllllll!゙!!!!!!lllllll!!!゙゙゙゙゙゙゙゙’
.゙゙!!llllllii,,_ .llllll゙゛ llllll,,,illll!゙._,,iillll!゙″ lllllll,____,,,
.゙゙!!llllllii. .゙!!llllllllllllllll ゙!!!!!!!゙.゙!lllll!!゙’ .゙!!!!llllllllllll!
.゙!゙゛  ̄ ̄´
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l!!!!!!!!!!!!!!!!!l ,,llllllllllllllllllllll! lllllllllllllllllllllllllll ._,,, ,iiiii. ,i,,,、 .,,illlll!!!!!!!llllllll
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii _,iilllll!゙ ̄ ̄llllll′ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ゙llllli、.lllllli .llllll ,,iilllll!!’ .,illlll゙
!!!!!゙゙゙゙゙lllllll゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙!ll!!゙’ .,illlll゙ ゙!゙゙’. ̄.,llllll゙ .゙!!!゙゛ .,illlll!゙
,lllllll _,iilllll!゙゛ iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii .__,,iiilllll!′ ._,,,iiilllll!゙゛
,,iiillllll!゙ iiiiiillllllll!!゙゛ .!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!゙ .゙!lllll!!!゙゙ '!llllllll!!!゙’
゙゙!!゙゙゛ ゙゙!゙゙″ ”゛
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【カフェのスクリーン】
本日の検定内容_
‘魔法技術交換会’
〔ジャンル〕
交流・戦闘
〔開催地〕
街の闘技場、街全体
〔概要〕
この検定は、前半・後半に分かれています。
参加者には、現在協会が開発中の、
『自身の魔法適性に関係なく様々な魔法が使えるようになる』という
宝珠型の装備品のプロトタイプを配布します。
【前半】20:00-22:00 場所:闘技場
検定参加者同士で交渉して、相手の魔法をお互いに教わり合います。
宝珠があるからといって、練習ゼロで使えるようになる訳でもないので
魔法行使のコツなども教えてもらいましょう。
【後半】22:00-24:00 場所:街全域
模擬戦闘をしてもらいます。ただし『自分の魔法は使用禁止』です。
教わった魔法だけで頑張って戦いましょう。
相手に有効打(ガードされたりカスリ当たりだったりしないダメージ)を与えると
+1ポイントです。最も多くポイントを獲得した参加者には報酬があります。
〔ヒント、その他〕
Q:後半からだけ参加したい人は?
A:以下の3つの魔法を教わったものとして参加できます。
(1)ファイアボール……地面を跳ねて進む火の弾を発射する。画面上に2個まで。
(2)ウィンガーディアム・レビオーサ……物体を浮遊させる
(3)パルプンテ……何が起こるか分からない
《PRESENT》
★宝珠の予約チケット★ ポイント1位報酬
今回使用した宝珠が実用化できるレベルまで開発された時に
発売日の2週間前に購入することが出来ます。
《検定開始時刻》
20:00
《終了予定時刻》
24:00
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>>375
【闘技場】
「火と闇の魔法を教わろうとしたら何やら臭い液体が出ました」 特殊適正であるが故の弊害だろうか。
「……教わるというよりも教わっている人の横で立ち聞きしただけだというのも悲しいです」 気付いてもらえていない。
「私の魔法は適正さえクリアすれば比較的低魔力で運用できるからこの企画にはいいかんじの魔法なのですが」 しかし誰にも気付いてもらえていない。
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【闘技場付近の大通り】
「前半戦に参加していると最低学習魔法、教われないんですね。
……嗅覚への感覚攻撃のみでどうしろというのですか……」 自らの影の薄さを呪い途方にくれる。
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>>377
「……遅刻者の俺が言うのも何だけど、災難だったな」
「しかし今回の検定は模擬戦、ね―――折角だ、一戦やってみるかい?」
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>>378
「」←銃も魔法技術がそれなりに使われているため使用不可、鞄も自らの適性により扱う専用品に近いため不可、身体能力強化の道具も不可。
「……いっ、いいでしょう。 オートガードなしでも自己修復があるのですから!」 格闘の構え、しかし明らかに強くなさそう。
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>>379
「……は、予想通りと言うべきか、大した戦闘手段は無いみたいだな」
「だから、言わせて貰おう―――ぶっちゃけ俺も似たようなものなんだ、特異な体なもんで術の適性が最悪」
「おまけに、ファイアーボールなんて撃ったなら、俺が自爆して死ぬのが目に見えている……笑い話だよ、全くさ」
やれやれ、と言いながら、諦めたように、自分も戦闘の支度をする。
まずは―――近くに有った、街の看板を、おもむろに持ち上げて。
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【闘技場】
…しまった、出遅れたか(;^^ω)
今から挽回するのは厳しいか…いや待てよ
参加者同士で潰し合ってくれればワンチャンあるか?
(人気の消えた闘技場にて、何ともゲスい笑いを浮かべる男が一人)
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>>380
「狐の落し物!」 物凄い速度で火の属性を持つ設置魔法を前方に放つ。 が、臭い液体が空中に現れ力なく滴り落ちただけであった。
「――」 諦めてサブマシンガンを構える。 撃つ事をせず盾として使うつもりらしい。
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>>382
「―――!?!?!?」
炎の属性を感じ取った瞬間に、青年は慌てて後ろに大きく飛び退いた。
それを、心の底から恐れるように。
「……不発、か?」
「なら、こっちから、動くまで、必ッ殺の―――ウィンガディ何とかっ!」
浮遊魔法(物理)
青年は手にした看板を、目の前の相手を狙い、全力で投げつけた。
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>>381
近くの通りから聞こえる、喧騒、及び、必殺とか叫ぶ声。
もしかしなくとも、検定を受けにきた人間だろう。
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>>383
サブマシンガンを体に密着させるように、そして攻撃に対して垂直にならないように体ごと傾ける。
攻撃を受け流しダメージを極力抑えようという行動自体は中々様になっているようだ。
しかし隙も多いことから恐らくは実戦ではあまり行わないことなのだろう。
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>>384
…む、おっ始めやがったな?
(宝珠のマニュアルを熟読している最中、怒号が耳朶へと響く)
(互いが疲弊した所を突くとはいえ、横槍を入れるのが遅すぎては元も子もない)
ええと、これがこうでこうなるから…?
(マニュアルを横目で眺めつつ、喧騒の場へと足を運び始めた)
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>>385
がつん、と堅い衝撃。
だが、受け流す事に成功したからか、ダメージはそれ程でもないだろう。
“それだけならば”だが。
「ウィンガーディアム―――以下略っ、と」
呪文の発動に従い、直撃した看板は、そのまま後ろに行かず、そのまま垂直に上昇し。
そして、呪文の中断によって、そのまま頭の上に落下するだろう。
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>>387
「せぇ、のっ!」 体格に恵まれないためよろけるが、そのまま座り込むように後退、座ったままサブマシンガンで落ちてくる看板を殴打。
「〜〜っ」 当然大した筋力もないため打ち返せはしない、元々打撃武器でもなくコンパクトなサブマシンガンでそんなことはできない、しかし軌道を逸らすくらいは簡単なはずだ。
>>386
「(完全に攻撃手段がないです。 投擲? 筋力ないから爆発物に頼っている投擲なんて無意味。
手持ちといえば予め取り出しておいた対魔無反応化処理されたメスくらいですけど……この状態で近距離戦なんて論外。 どうしましょう……)」
しかしそのうち片方はこのように疲弊どころか何もできないような状況になっていた。
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>>388
「流石に、あのカフェの人間、簡単にはいかないか」
「でも、力勝負なら、負けはしない―――構造上の問題で、な」
逸らされた看板の元に駆け寄って、それに向けて、全力で蹴りを放つ。
普通ならば、魔力の補助が無くては重たい看板が漫画のように飛ぶ事はない。
だが、青年は俗に言われる“屍人”であって、その体は、自壊を気にせず人間の筋力を限界まで使う事が出来る。
そんな人間が全力で看板を蹴ったなら、答えは明白。
ドゴォ、と、鈍い音と同時に、看板が勢い良く、再度クオンに襲いかかる。
>>386
「……うん、楽しいな、これ」
そして、割と一方的な展開になるのを楽しんでいる青年。
どっちが悪かは明白だった。
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【大通り】
>>387
いたな…( ^^ω)ニヤリ
スキを見て俺様の必殺、ダークインフェルノをブチかましてやるぜ…!
(ただの ふぁいあぼーる です)
>>388
今だッ!
(クオンの攻め手の無さを見て取り、好奇と考えたのか)
(小路より飛び出し、即座に詠唱を始めた)
くらえぃ!
ダークインフ……うぇっ!?(;^^ω)
(男が飛び出した付近には、先程クオンが撒き散らかした臭い液体がたっぷりと散らばっており)
(あまりの異臭に思わず、魔法を放とうと構えていた腕で鼻を抑えてしまった)
(そして、発動間際であったダークなんとやらは、なんとも小さな火球となり、腕からすっぽ抜け)
(緩やかな速度で放物線を描きつつ、ベルンの頭上へと飛んでいった)
-
>>389
身体能力強化のされていない少女がそう何度も反応できる攻撃ではない。
ましてや普段オートガードに頼ることの多い少女ではこの攻撃、防ぐ手立てはない。
飛来する看板が完全に直撃し少女の体が弾き飛ばされる。
肉を打つ音が響き何かの割れるような短い音が発せられる。 恐らく骨が砕けたのだろう。
「いだい……」 しかし魔法を全然使えない状況で、オートガードすら使っていない現場、自己修復に魔力が集中する。
魔力的ダメージがなければ簡単に回復できるようであるのだが……これでは戦闘が前に進まない。
>>390
「あっ」 まともな魔力的ダメージ源が現れた。 自己修復の天敵である。
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>>390>>391
「ふふふ、はははははッ!!」
ノリノリで悪役を演じていた為に、油断と慢心全開だった青年の頭上に落下するダークインフェルノ(仮)。
それを避ける事など叶う訳もなく、無防備な状態で青年はそれに直撃して。
「ちょ、おまっ、これはヤバ……熱ッ!?いや死ぬ、死ぬから、既に死んでても再度死ぬから!?」
そのまま大☆炎☆上。
こうかは ばつぐんだ !
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>>392
あっ、火が苦手なんだなと思い至る。 そして自分も魔力的ダメージは避けるべきという体質。
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>>391
眼に、眼にしみるっ!
臭え!臭すぎて痛え!
(完璧に有効打である)
(おめでとう!1ポイントゲットだ!)
>>392
ま、まさか俺のような横槍対策を既に講じていたってのか…!
流石だぜこいつら…俺が迂闊だった…っ!
(涙が溢れる両目を擦り、開けた視界に火達磨となったベルンが映る)
……え、なんか凄いことなってるーっ!
(がびーん、とばかりにビックリ仰天)
(やったぜ!1ポイントゲットだ!)
-
>>393>>394
あばばばばばばっ、とか口走った後、火の粉をまき散らしながら、近くに偶々存在していた噴水に頭から飛び込んでいった。
数十秒の時間が経ったあと、そこには仰向けになって、脱力しきった表情の青年がぷかぷか浮いていたとか。
「……や、やるじゃないか、乱入者、慢心していても普通に術を放たれたら気付くだろう」
「だが、ああも高度に魔術をコントロールして、頭上から狙われたら、とてもじゃないが適わない……流石だよ、ぐふっ」
-
>>394
現在の状況、全員が別の相手に対してポイントを取っているという正に三つ巴状態。 なんという接戦。
>>395
「これがマジックアロー系の弾道計算の有用性ですよね。
前から来るのなら前だけ防げばいいのですけど頭上の広い面積を守るのは集団ほど難しくなります。
ですから飛距離が伸びるにもかかわらず山形に飛ぶ魔法の需要というのは廃れないのですよね。
逆に軍以外の個人用の魔法でしたら直線軌道タイプの射撃魔法が多いですよね。 弾道変更がオミットされたバレット系とか」
何か語りだした。
-
>>395
えっ(;^^ω)
…も、もちろん狙ってやりましたよ!?やりましたとも!
(自分でもわかっているのだろう、先の一撃が完全にまぐれだと)
>>396
さぁ、次は貴様だ!
あんな風になりたくなければ必死に避けるんだなァーッ!
(噴水に浸るベルンから振り向き様に、ひっさつのだーくいんふぇるのがはなたれる!)
(発射された小指サイズの火球が、ぽよんぽよんと音を立て、クオンへと迫るー!)
-
>>397
「闇の逆さ落とし穴」 本来であれば闇の球体から魔力の刃物を落とす魔法。 しかし臭い液体が滴り落ちる。 火を消火。
「……臭っ!!?」 蒸発した液体が今まで異常の異臭を放つ。 自爆であった。
-
>>398
な…馬鹿なっ!
俺の必殺魔法をこうもあっさりと消化するとは…!(;^^ω)
(驚愕である)
(絶対の自信を込めて放ったはずの一撃が、たったの数滴で掻き消されたのだ)
…あ、チャンス
これならどうだ!死ねぃッ!
(異臭によってクオンが怯んだ一瞬!)
(全身全霊をかけた火球が、再びクオンへと放たれるッ!)
(すごいぞ!今度は親指ぐらいの大きさだ!)
偶数なら蒸発した液体に引火して自爆
-
>>399
『失敗魔法:くさい臭いの液』グルグルレベル4の魔法。 燃やすととても臭い液を召喚する。 ただし燃やさなくても臭い。
両者自爆だがこの場合ポイントはどうなるのだろうか。 どことなく泥仕合を予感させるこの状況。
-
>>400
(そりゃあなた、最後まで立っていた方の勝ちでしょう)
(元の火力が大したこと無い分自爆の威力もさほどではなかったが)
ああっ!また、また臭いッ!(;。。ω)
(自爆によって飛び火した火種が、周囲のくさい臭いの液に引火していた)
(立ち込める臭気の中、男は酷くのた打ち回っていたが)
(びくん、と大きく痙攣したのち、動かなくなった)
エース 失神により再起不能(リタイア)
-
>>401
こちらもこちらで感覚攻撃には弱いためかもういっぱいいっぱいになっている。
既に慣れていない他人の魔法を使って戦えるような状況ではない。 もともと魔法で戦えていなかったが。
-
>>401
どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
三 三三
/;:"ゝ 三三 f;:二iュ 三三三
三 _ゞ::.ニ! ,..'´ ̄`ヽノン
/.;: .:}^( <;:::::i:::::::.::: :}:} 三三
〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ←>>401
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
};;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll
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夜、静かに月が照らす中、一人の子どもが町にやってくる。
長い金髪はよく手入れがされているのか、傷が無い。背負った大太刀は子どもには聊か不釣合い。
「さて、今宵はこのあたりに宿を構えるかのう……」
子どもらしくない言葉遣いの小さな剣士は、街角の喫茶店をみつけ、その中に入る。
「ぉぉ……っ」
見慣れない西洋造りの建物に目を輝かせた。
-
>>404
「納品でーす」 何やら袋に入った大量の何かを店員に渡している少女の姿があった。
袋の中身は粉なのか結構細かいもののようだが食品にしては扱いが少々雑、
だが喫茶店であることを考慮するに食品なのだろうか。 見ると少女も少々露出が多く動きやすそうな服装に、腰に刀を差している。
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>>405
すんすん、と鼻をひくつかせると食欲がわいたのか、アラタの腹がぐうとなる。
「腹拵えといきたいが……のう」
袖に入れた小銭袋は質素な袋でしかない。一文無しだというのをすっかり忘れていた。
「ふむ……」
考えて、ちらりと目をやれば刀を携えた少女がいる。
「のう、おぬし!」
鼠のようなすばしっこさで、クーの背後から声をかけた。
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>>406
「はい? なんでしょうかー」 どうにも間延びした声でニコニコと返事をする。 全然警戒心を感じない。
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>>407
「我はちと故あっての流人でのう……追っ手から逃げるあまりに金を持たずに宿から飛び出して……」
さらりと嘘を吐き、卑屈に手を合わせる。
「そなたのたおやか美貌からさぞ清き生まれと身請けした、それで……だがのう……」
言葉に詰まらせつつ、
「すまぬ! 一晩だけでよい宿とまでは言わぬ、飯を奢ってはくれぬかのう!」
パンと手を合わせて、頭を下げる。
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>>408
「――私、人為的に、しかも戦争のために生み出されて失敗作だからと捨てられた身なのですけど……」
全然清き生まれではなかった。 しかも平然と、不思議そうにそんな重い過去を話してのけた。
「今日はこれ届けるだけの予定でしたので持ち合わせが……んと、では少し変な場所ですが問題解決できそうな場所に案内しましょうか?」
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>>409
「さようか! うれしいのう、うれしいのう!」
生まれの話よりも、助けてもらえることの方が嬉しいらしく、クーの腕を握って目を輝かせる。
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>>410
「では案内しますねー」 本人は善意。 しかし喫茶店の店員は何やら可哀想なものを見る目で見送っていた。
「これから案内する場所はカフェと呼ばれている場所でして、カフェといっても普通のカフェではないのです。
魔法検定試験という検定を受ける人たちの総本山的な立ち位置のお店なのですよ。
そして検定を受けるために訪れた人たちに無料で仮眠室を開放していまして、そこで寝泊りしている人もいるくらいです。
またカフェは様々な場所に通じていまして仕事も探しやすいと思いますよ?
カフェ自体も注文すれば大抵の飲食物が出てきますし、普通に飲食物以外も扱ってたりしますし、環境は高水準だと思います」
そのカフェの住人達の強烈過ぎる個性については語られていない。 こうしてみるととても魅力的な場所に思える。
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>>411
「まことか!」
第一声には声を張り上げる人である。
「さようなまでに尽くされるとは、およよ。鳥も泣かずにはいられまいて……」
袖を目に当て、泣いて喜ぶのであった。
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>>412
「ただ何の脈絡もなくお店が爆発したり、翌日には何事もなかったかのように元に戻ってたり、
唐突に全裸の人が窓を突き破って入店してきたり、地下がダンジョンになっていたり、
通常ではありえない演出で人が出現したり、お店のメニューが辞書よりも分厚かったり、
注文しようとしたら注文する前に注文しようとしていた料理が運ばれてきたりします」
そんな人外魔境な店の前に、到着してしまった。
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>>413
「ははっ、ならば結構! まこと愉快ではないか、飽きぬにこしたことはあるまい」
からからと笑ってみせる。
「尤も、我が懐が涼しき以上……その検定とやらで銭を稼がねばならぬ、か」
入ることに躊躇いは無い、むしろドンと来いという様子である。
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>>414
「検定に合格すると色々と貰えたりしますが大抵は金銭ではないので、
もしいらないなと思ったらカフェのマスターさんに引き取ってもらえますからそれで稼ぐのもアリです。
でも検定が行われるかどうかというのもありますから……もう少し安定した金策も必要かもしれませんよ?」
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>>415
「う……さ、さようか……はは」
当てが外れて言葉に詰まる。
「どうしたものか、流人であるゆえ長くいる事は叶うまい」
つまり定職に就けない、つーことである。
「ふーむ、また山菜でも採るかのう」
一人悩んでしまった。
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>>416
「……一応稼ぐ手段は結構沢山あるのですよ?
なるべくなら避けた方がいい稼ぎ方とかもありますけど」
言いながら分厚いメニューの後ろのほうのページを指差す。
『実験メニュー試食員体験』と書かれたメニュー、そしてその値段はマイナス、つまり収入源。 明らかに怪しい。
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>>417
「よし、それを受けようではないか! ここで引いては武士の名に恥じるであろうっ!」
決して引く事を知らない性格のようだった。
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>>418
なんでわざわざ避けるべきといった手段を選ぶのだろうと思っている。
注文の後、運ばれてきたのは何やら妙に綺麗な灰色をした、恐らく卵料理であろう何か。
カレーライスのカレーがとろとろのオムレツになったかのようなそのメニューは明らかに不自然であった。
ライスもよく見たら粒状のパスタであり一粒一粒がカラフル、それが綺麗な灰色の卵をより不気味に見せていた。
香りだけはよく、また美味しいということが想像できるのだが、明らかに一般受けしそうにない見た目である。
なお、どうやら灰色のせいで分かりづらいが卵には溶けた熱々のチーズが混ざっており、
パスタの下には米粉のホワイトソースが薄く敷かれているという手の込んだ料理でもあった。
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>>419
「ふむ……背に腹は変えられぬとも、据え膳食わぬはなんとかとも、あれこれ言うが……」
声が若干震えている。スプーンをグーで掴み、皿を掴み、かき込む姿勢を取る。
「いざ、尋常に勝負!」
誰と戦っているのか分からないが、きっと自分と。
がつがつと食べ始めるのであった。
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>>420
「……どんな、味ですか?」
思ったよりは普通の味であった。 しかしその味の輪郭が不自然なほどに強い。
卵の優しい触感、パスタの歯ごたえ、クリームソースの舌触りなどは自然だ。
しかし卵とチーズの旨みが強く、またその旨みも何故か海鮮系の旨みであった。
パスタも塩味だけではなく、キシリトールのような甘味があり白米の味に近づけられているが、明らかに不自然。
ホワイトソースのほうも、何故かバターの風味がゼロであり魚醤で味付けされ米粉によるパスタの白米化をより高めるだけの代物だった。
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>>421
「うーむ、味があるだけマシかの。山の草と茸は味気ないし、一度河豚に当たったことあったが、それに比べれば美味である」
なにより、と付け加えてスプーンをテーブルに置いた。
「そなたらの施しを拒み、無碍にするほど下種ではないよ、私は。――尤も、味があっちこっちと暴れているような気はしたがのう」
のうてんき!
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>>422
「……よかったですね、それなら多分あたりですよ。 多分マスターさんが配慮してくれたんだと思います。
もしも不死身に近かったりだととんでもない代物を出されたりしますから……」 一体どんなものが出されるというのか。
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>>423
「ならばやがて不死身となった時、また世話になろう」
対価の小銭を受け取り、袖に仕舞う。
「いや、今宵は実に世話になった……この例はいつか、返そう」
深々と頭を下げる。
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>>424
「このカフェ以外でも結構色々仕事が持ち込まれたりしますから、頑張ってくださいね。
お礼もいらないと思いますよ? このカフェにくる人は大抵ここにたどり着くべくしてたどり着くような人たちですから」
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>>425
ぱっと立ち、礼をする。
「いや、本当にありがとう――そして、ここに暫し留まろう、面白そうだ」
カフェを見回して、最後にクーと目を合わせた。
「やがて最強になる者、貴船アラタだ。よろしく頼むぞ!」
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>>426
「最強……」 流石にそのランクまでは目指す気になれないなと考えている。
「私はクーといいます。 クー・ミソラです。 よろしくお願いしますね」
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>>427
「では、我は床に就くとしようかのう」
はあ、と大きなあくびをしてむにゃむにゃする。
仮眠室へと向かおうとして、足を止める。
「ああいや、最後に一つ主に聞くべきであろう事があった」
目がきゅっと細まり、子どもらしさが抜ける。空気を冷やす感覚は意図的なのか分からない。
「戦のための生まれと言ったな、近くこの町で戦が?」
"戦"という言葉になにかを感じたらしい。
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>>428
「いえ、私平行世界の出身でして、それも私の生まれた理由というのももう既に終わった争いです」
何やら随分と複雑な事情のようだが随分と軽く話す。
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>>429
「平行……世界? うむ、分からぬがまあよい」
一人納得して――、
「戦のための身、他人とは思えなくてな、悲しいが理由は分からぬ」
こほんと、咳払い。
「つまらぬ事を聞いたな、すまぬ」
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>>430
「いえいえ、どういたしましてー」 何か違う。 この少女本気で全然気にしていない。
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>>431
「ではのー!」
大きく手を振って、仮眠室に入っていく。
「くー、みそら……ふむ、覚えておこう!」
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>>432
「はい、さようならー ……ではそろそろ帰りますのでマスターさん、あとはよろしくお願いします」
そうマスターに伝え帰って行った。
(「お相手ありがとうございました〜」)
-
【カフェ】
ふ~ん、ふ~ふ~ん♪
(刀の刀身を、着物の袖で拭いている)
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>>434
入店を知らせる音が鳴る。 しかし響くはずの足音はない。 足音が消されているのだろうか。
いやそのような暗殺者の歩き方というわけでもないらしい。 何やら地面を何かが強く這う音がする。
「こんにちは」
か細い声で挨拶をする入店してきた存在を一言で言い表すのであれば異形といえるであろう。
地を這っていたのは獣、合金トランクから出ている上半身のみが確認できる犬。
明らかにアンデットという外見の使い魔、その体に死人に寄生する蔦を操り巻き付いている少女。
腕も脚もない体でありながら使い魔に蔦を撒きつけることで移動手段を得ている少女がそこにはいた。
四肢が存在しないだけでなく脊柱が枝分かれしたように背中側にもう一つ少女と瓜二つの頭部が垂れ下がっている。
首には薄手のマフラーが巻かれているが不自然に細く見える。
そんな異形の少女が見せる表情は不自然なほどに明るい。 垂れ下がるもう一つの頭部の表情は暗い。
随分と極端な異形であるが、どうにも普通の人間と大して振る舞いは変わらないようにも見えた。
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>>435
ほー、ぬえの類かのう
(ぽーっと眺める。めずらしいようだ)
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>>436
しかしこの外見でありながら一応まだ人間に分類されるらしい。
人外よりも異形な人間という少々皮肉な状況が生まれている。
「……とろろそば?」 メニューを見る事を諦め直感で注文。 しかし謎チョイス。
テーブル席に近寄り蔦を操り器用に自分を椅子に縛り付けて座る。 妙に手馴れている。 手はないが。
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>>437
おぬし蕎麦を食うのか? そばはよいのう……
(近寄りにこにこと笑う。土と熊のにおいがする)
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>>438
「実はあまり食べたことがなくて、それで」 手がないのでフォークを蔦で扱うしかないため。
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>>439
うまいぞー! とくに月見そばはいいぞ!
付き、身、側なんて言うからの!
(口角をあげて笑う。)
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>>440
「……?」 意味が分からなかったご様子。 どういったことだろうと必死に考えている。
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>>441
ふーむ、いまいちだったかのう……
ならばそうじゃなあー
蕎麦屋の亭主とうどん屋の亭主で選ぶとしたら
蕎麦屋を選んではこーゆーのたぞ?
あなたそば(側)がいーってのう
(ドヤ顔でピンとこない話を振り続ける)
-
>>442
「私は、今のままでも十分幸せですから。 だから恋愛とかはまだ早いかなって。
この幸せが普通なんだって思えてから、駆け足ではなくゆっくり階段を上がっていきたい、そう思います」
何故かいい話っぽい流れに飛んだ。 こちらはこちらで少し変わり者のようだ。
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>>443
我もそなたと出会えてまことときめいておるぞー!
(両手を広げて喜ぶ、暑苦しいのか大げさなのか……
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>>444
「え?」 個性がぶつかって既に会話が成立していない。 しかしその原因までは自覚していない。
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>>445
出会いとは二度はないのである!
我とそなたはすでに顔を知る仲、我はそなたを良きものと思う!
それが我はたまらなく、ここちよいのだ!
(胸を張って持論を述べる、鼻から自慢の蒸気が流れる
-
>>446
「……真っ直ぐな人ですね」 この町にきてからというもの、人の温かみというものが満ち溢れるのを感じる。
「私は、リゼッタといいます。 以後機会がありましたらよろしくお願いします」
-
>>447
我はアラタ! 貴船のアラタと言うものぞ!
剣の道を極める流浪である!
(しゃきーんと刀を抜刀して自慢する
-
>>448
「私は屍骸加工屋を営んでいまして、といってもまだまだの腕なのですが」 こちらは少々控えめ。
-
>>449
ほー面白いのう、しゃれこうべを砕いて獣の餌にでもするのかえ?
(納刀、席に座る。
-
>>450
「いえ、魔物の特性を引き継いだ武器や防具、魔道具などを作っています。
まだちょっとあまり売れては居ないですし、材料の屍骸がなければ作れないですけどね」
-
>>451
さよう竜の屍は鎧になると聞くのう、人の屍はなんになるのかのう
そなたは知っておるか?
(ただの好奇心で物騒なことを聞いてくる
-
>>452
「人ですか? そのあたりは魔道具などになるのが一般的だと思います。 有名どころでは賢者の石とか。
人というのは個体差がありますから加工して道具にするよりアンデット化するほうが、という研究方向が多いそうですので」
死霊術を学ぶものとしての模範的意見。
-
>>453
ほーこれでは風が吹いても桶屋は儲からぬのう……
ところですまぬ、賢者の石とはいかなるものかの?
(頬杖をついたままストローに口を付ける、いつの間にか届いたメロンフロートを飲んでいるのだ
-
>>454
「元は錬金術の概念で、世界の法則を無視するための媒体として考えられたものです。
錬金術は今でこそ物体変質の学問ですが元は今で言う科学に近いもので生物学と神学も領分だったのです。
鉛を金に、というのは人間の魂を天使の階位まで昇華させこの世の全てを知ることを現していたんですよ。
そこから派生して賢者の石というのは『様々な分野での技術の集大成の結果である媒体』の意味を持つようになりました。
その内の一つの形として大量の人間を材料に人間の行えること全てを行うための媒体を作り上げようという目的で研究された賢者の石があるんです。
もちろん完全に国で管理されている研究で、実行したら重罪です」
-
>>455
お、おう……それはーまことーすばらしい、のう
分かるぞ、我は分かるぞ、うむ。世界がとても大変になるのよう!
うむまこと危険であるな……っ!
(目をパチパチさせて、話についてきている風を装う)
-
>>456
「実際のところそこまで万能かというとそうでもないようなのですけどね。
でも色々なタイプの賢者の石がありますから賢者の石自体は合法です。
といっても神学の『世界一つを作り出し石の形にする』なんていうのは流石に無理だと思いますけど」
何やら技術者として語っているが微妙に冷めた意見を出すお子様である。
-
>>457
ほ、ほー……
さようなものならば、うむ我の記憶ももどせたりしてのう……はは……はっ
(頭の中で鶏が回っているようだ
-
>>458
「かもしれませんね、世界に起こりえること全てを起こせる媒体だなんて言ってますから」
-
>>459
まことか!
よし、決めたぞ! 我は賢者の石を手に入れる、手に入れるぞーっ!
(身を乗り出して食いつく、どうやら本気にしたらしい)
-
>>460
「未だに作られていないどころか、研究自体全然進んでいない存在ですよ? 神学の賢者の石は。
多分普通に記憶を取り戻す努力をした方が早いと」 何やらか細い声で水を差すような発言。
-
>>461
さようか……
(落ち着いて席に座る)
ふむ、まこと手っ取り早く速やかに我が記憶を取り戻す方法とかないかのう
こうも毎日、神妙な夢ばかり見せられては居心地が悪いのでのう
我が剣の高みに迫るほど、こう閃くものはあるのだが……
いっそ荒武者にでも化けてみるかの
(腕を組んで一人悩んでしまう、フロートのアイスは溶けていた)
-
>>462
「そうですね」 少しの間悩むと何かを思いつく。
「マスターさん。 記憶を取り戻せる料理とか……材料がない? ……作れるんだ」
ただし材料が普通ではない代物ばかりのようだ。 専門医に治療してもらう方が安くつくだろう。
-
>>463
我も金はないし、医者に頼るのも阿呆らしい
ゆえに――やはりというか、この刀の道こそ我が魂なのだなっ!
(納刀された太刀の鞘に頬を擦り付けて喜ぶ。
-
>>464
「それか、記憶を読み取る魔物の屍骸なんかがあれば私がその能力を引き継いだ道具を作れるかもしれませんけど……」
作ったことがないので自信がないらしい。 それにしてもこの少女少し神経が図太いかもしれない。
-
>>465
さようか! そなたはまこと聖のような者よのう!
たのむ、礼ならいくらでもはらうぞ!
(パンっと手を合わせる
-
>>466
「それはいいのですけど、記憶を読み取る魔物に心当たりあるんですか?
屍骸持ってこられること前提ですから、あまり期待しすぎないでくださいね?」 自信なさそうに。
-
>>467
記憶を読み取る魔物と言えば鬼である!
鬼はのう、武士の記憶を読み取り家族に変ずる事ができるのだ!
なにゆえ我はかような事を知ってるのかのう……
(一応、取り戻した記憶の一部である。)
-
>>468
「そうなのですか! 初めて知りました」 おい本職。
「それなら、えっと、頑張ってください!」 相変わらずか細い声。 恐らく物理的に大声が出せないのだろう。
-
>>469
よし! そうと決まれば鬼退治に我は向かうぞ!
うおおお鬼退治じゃーっ!
(すくっと立ち上がるとカフェの外へ走って消えてしまった。メロンフロートの会計を残して……)
-
>>470
「行ってしまいました」 見送る。 当然素早く追いかけるなんて物理的に不可能。
「あっ、ありがとうございます」 話が終わるのを見計らってとろろそばが運ばれてきた。
「? この伝票は……えっ? 仮眠室に寝泊りしているからどうせ戻ってくるしツケにする? そうなのですか」
特に問題は起きないようだ。 戻ってこないなら何らかの回収手段があるのかもしれない。
「……フォークでは、食べづらいですね」 とろろそばはフォークでは食べづらかった。
-
街頭が噴水とアラタを仄かに照らす。
アラタは噴水の囲いに腰掛けながら、肩の包帯に手を当てた。
「ふむ、してやられたわ……」
着物は包帯の部分から血で滲んでいる。
その手には魔物の腕が握られていた。
-
>>472
ふと地面を見るとチラシが落ちている。 以前知り合った異形の少女の職業である屍骸加工屋の文字が。
載っているちいさな地図によると職人街の一角にあるようでここから案外近いようであった。
-
>>473
「――ん、……?」
見れば頭も負傷している、血に汚れた目でチラシを見つめ笑った。
「ふん、世は縁起によって成り立つか……」
立ち上がり、チラシを袖に仕舞うと屍骸加工屋へと向かった。
-
>>474
案外その店は簡単に見つかった。 美術系のアトリエが多く立ち並ぶ中で少々浮いた雰囲気の看板。
建物の壁にかけられたA4紙サイズの看板は珍しい事に何やら白い革で作られている。
そこには『屍骸加工請け負います』とどこか柔らかい雰囲気で書かれていた。
-
>>475
手に掴んだ鬼の腕を再度確認し、ドアを開ける。
「失礼するぞー」
-
>>476
「はい、いらっしゃいませ〜?」 何故か疑問系。
「……? あれ? っえ? え?」 その姿に見覚えがあることに驚き、さらにその怪我をした姿に驚く。
-
>>477
「人が喜ぶのを鬼の首を取ったよう、とは言うが――」
アラタは微かに笑いながら、入店すると、リゼッタに赤く大きな鬼の腕を見せた。
「そなたは腕を喜べるか?」
-
>>478
「とりあえず、先に怪我の治療をしましょう」 といっても治療用の設備はない。 しかしまずは健康。
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>>479
「はは、これしきのこと大したこと――――」
つーっと、頭から血が流れる。
「ない、ぞ……(ガクッ」
その場に倒れる。
-
>>480
「――」 四肢のない彼女には人を運ぶ手段が限られている。 移動手段は使い魔の犬、しかし蔦で巻きつかなければ。
「……」 だが人を運ぶのであれば蔦を使う必要があるだろう。 そして助けを呼ぶにも彼女の移動能力は低い。
「!!」 恐ろしくピンチな状況である事を再認識。 この場で叫ぼうにも物理的に大きな声が出せない。
「誰か助けてぇ……」
-
>>481
「――る、さい――うるさい、ぞ」 ぐぐぐ、と体を持ち上げる。
「傷なぞ、いずれ治る……わいっ」
ふん、と刀を杖に立ち上がる。
「しゃっ!」
気合を入れるが、ふらっ。
-
>>482
「死ねば治りません。 記憶なら生きていればいずれ直るかもしれません。 お医者さんに行きましょう?」
とにかく治療を優先して欲しいようだ。
-
>>483
「いや、世話をかけるな――しかし、我には医者が分からぬ」
するすると腰の紐を解き、着物が肌蹴る。
「医者まで案内してくれぬか?」
紐をおでこに巻きつける。
-
>>484
実はまだこの町の医者の場所を知らない人。
「……カフェに行きましょう。 傷の治る魔法薬膳とかあると思います」 なんでもありか。
-
>>485
「ははっ、なんだそちも分からぬのか、仕方ない」
ふらふらと歩き始める。
「では、かふぇに行くとするかのう」
-
>>486
店に鍵をかけカフェへと向かう。
「……自分の命を軽んじるほどに、記憶を取り戻すことが大事なのですか?」
ふと、地を這う犬に揺られながら問いかける。
-
>>487
「かもしれぬな――」
苦い声で、肯定する。
「我はそれほどまでに、我が過去世を渇望しておる」
カフェが見えてくる。
-
>>488
「そうですか……」 カフェに入店し、怪我の治療についてマスターに相談する。
「……記憶を取り戻す。 それはその鬼の腕があれば可能なのかもしれません。
ですけど、私にはもう一つ提案できることがあります」
「それほどまでに自分を蝕む、記憶への渇望すら、忘れ去る道具にも、きっと加工ができるのです」
それは思い出すという解決法の真逆を行く解決法。 ただ命を繋ぎ新しい人生を歩むためだけの安全策。
「無論依頼主の意向を尊重します。 ですが、よく考えてみたほうがいいですよ。
だって自分の命を脅かすほどの心なんですから……」
-
>>489
「そなたは面白いな、死を扱う者でありながら生を労わるとは――」
カフェに到着する。
「だが、我は取り戻してみせるぞ、そして剣の道を究めるぞ」
決して笑顔は絶やさなず、決心のように言い改める。
-
>>490
「当たり前です。 死を扱うのであれば生を重んじないことには未来はありません。
性を重んじないのは、死をどうでもいいと思う人ですよ」 死霊術士としての理念などが、あるらしい。
「では、わかりました。 その鬼の腕を、記憶を読み取る道具に加工すればいいのですね?」 最終確認。
-
>>491
「さようだ、頼む」
ゆっくりと、深く頷く。
-
>>492
「では、お預かりしますね」 蔦を使い鬼の腕を受け取る。 と即座に合金トランクに放り込む。
「、命を、大切にしてくださいね?」
-
>>493
「ふむ、大事ならぬようにしよう――まこと、感謝、するぞ」
ふらふらと頭をゆらす、目が半開きになったり閉じたりしてる。
-
>>494
「それでは、できましたらカフェに届けにきます」 そういって去っていった。 間もなく治療用の飲み物なりが出てくるのだろう。
-
>>495
「はは、まこと器量のよい方――だ」
治療用の飲み物を飲んで間もなく、その場で寝込んでしまった。
寝る子は育つ、というのだろう。
-
包帯を頭にぐるぐると巻いて、落ち武者みたいな格好のアラタ
興味本位で肩に触って――
「っ……!」
――まだ痛むようで、むっすーと不満そうにする。
快勝できなかったのが悔しいのだ。
-
>>497
一方その頃、鬼の腕を預けた少女は――
「臭いです……」 作業工程で何かあったのかウンザリした顔でカフェに向かっていた。
出来上がった品を届けに行く最中なのだろうが、当の本人が噴水公園に居る事を彼女は知らない。
故に、普通に歩くよりも視界の狭い彼女は、噴水公園を普通に横切っても、本人の目の前を通っても気付いていなかった。
-
>>498
ちらりと目を上げるとリゼッタが目に入った。
向かっている方向から、カフェと察するアラタ。
「〜♪」
純粋に見つけた喜びから、面白そうに後をつけた。
-
>>499
足音の変わりに犬が上半身だけで地を這う音が響く。 犬に撒きつく少女の体もゆらゆらと揺れる。
何も持っているようには見えないため恐らく製作物は合金トランクの中なのだろう。
程なくして、カフェに到着する。
-
>>500
一緒に入ると、猿のようにぱっと飛んで、前に出た。
「リゼッタ殿! 貴船アラタ、急ぎ馳せ参じた次第であるぞ!」
軍人みたいな敬礼をする。
-
>>501
「えっ? ……え? えぇ?」 困惑で全然反応できていない。 そして、二人がカフェの入り口を占領しているため、邪魔になっている。
-
>>502
「ん、すまぬな……」
察したように、道を譲る。
「夜な夜なご苦労であるな、今日は如何な訳があってこんなところに?」
こんなところと、失礼な事を言うその目は、なんだか期待しているように見える。
-
>>503
「あっ、えっと、加工の手間はともかく物は小さくなったので早めに出来上がりましたので、もってきました」
とりあえず椅子まで移動する。 犬の使い魔が合金トランクから出てきている限り中身を取り出すのが難しい。
-
>>504
「さようか!」
手を打って喜び、椅子の上で胡坐を書く。
体を左右に揺らしながら期待して待つ。
-
>>505
椅子に自分を縛り付けて、使い魔をトランクの中に戻す。 そして蔦でトランクを持ち上げ中を探る。
「えっと、これです」 出てきたのは小さな首飾り。 しかし宝石にしては全体的に随分とくすんだ色であった。
「牛兎の鏡、初めて作りましたから動作は安定しないですけど……」 それは、当然鬼の腕から作られていた。
鎖の部分等は骨で作られており、宝石のように見えたそれは鏡だ。
それも通常の鏡ではない、鬼の皮に鬼の血から作った鉄を薄く張り付け、硝子の代わりに鬼の爪で覆った鏡。
シンプルでありながら、必要以上の趣味の悪い装飾がない、しかしその存在そのものが趣味の悪さの象徴のように鈍く輝いていた。
-
>>506
目を輝かせ、それを眺める。
「驚いた、あの腕が此処まで化けるとは……曲がりなりにも鬼か」
ふむ、と悩み。
「いや、そなたの力か――とく、試したい」
-
>>507
「一応安全装置としてこれも渡しておきますね」 鬼の骨で作り爪で刃をコーティングした小さな鋏を蔦で差し出す。
「首から外すときにわざわざ鎖を外していられないという時に使ってください」
「で、使い方なのですが……首にかけて物に触れるだけです。
……それだけなんですけど、動作が不安定なようで、一応ちゃんと記憶を覗く力は引き継いでいるのですけど……」
-
>>508
鋏を受け取ると、アラタは覚悟を決めた。
緊張してるのか、言葉もなく立ち上がると、カフェの開いたところで足を止める。
深呼吸をして『牛兎の鏡』を首につけた。
「物に触れるとは、なんでもよいのか?」
手が背中に伸びる。あるのは姫切の太刀だ。
-
>>509
「はい、ですが素材となった鬼の腕と同じ部位で触れないと効果がないみたいです」
素材がとことん影響してくるようだ。
-
>>510
「なるほど、では問題ないな――」
躊躇うことなく、自然に握る。
そして目を閉じた。
一秒、二秒、三秒――五秒――――まだ目を空けない。
「………………ッ」
十秒、眉間に皺がよる。
腕が僅かに震えて――――抜刀した。
「っは……ッ……ぁ、く――ぅ」
呼吸を取り戻すが荒い。崩れそうになり、刀を突き立てる。
目を閉じたままのアラタは苦悶の表情を浮かべていた。
-
>>511
忘れるという道を選ぶ事をしなかった。 数ある方法でそれが現実的であった。
それの結果であるためにリゼッタがその使用をとめることはできない。 ただ、安全装置を持たせることしかできない。
命を大切にして欲しいから、ギリギリまで努力をする。 それでも、今は見ていることしかできない。
-
>>512
イメージは巻物、過去から未来を描く物語だ。
鬼の声が響く――兵の声が響く、勝鬨――そして凱旋。
「…………違うッ!」
もっと先へ、もっと先へ――――望めば望むほど鼓動が早くなる。
血が吸われるような感覚、肉を殺がれるような感覚。
実際の痛みなんかじゃない、これは間違いなく心の痛みだ。
「ォォォォオオオオオオオオッ――――」
刀を振り上げ、咆える。
姫切の刃が首と重なった。
――否、とアラタは否定する。
ここで『堀川』を使ってはならない、この苦悶こそが『彼』の苦悶に他ならないと本能が決めた。
――『彼』――その細い糸が、記憶を吊り上げた。
光景は、野を走る一匹の狐。
どこまでもどこまでも、一直線に走り続ける。
野を越えた。
山を越えた。
街を越えた。
大切なモノを背中に背負って。
「はあ、はあ、はあ」
呼吸を取り戻し、膝を着く。
「ッ……!」
一瞬の判断、自害一歩手前の刀を投げ捨て、鋏に切り替える。
バチン、と音を立てて『牛兎の鏡』が切断された。
-
>>513
「……」 無言で水を差し出す。 宇宙空間を彷徨う氷星の水(ろ過済み)無料サービス。
「……切れた鎖はセロハンテープで断面をつなげて牛乳に漬けていれば直ります」
セロハン脱水の技術を逆応用した自己修復機能。
-
>>514
「すまぬ、助かる……」
一気に飲み干し、一息つくと、その場に大の字になった。
「我はなんぞ!」
大量に汗をかきながら叫んだ。
-
>>515
「少し、休みましょう……」 カフェのマスターは関与せず。 窓を割り突入し爆発する客よりはよほど良心的ということなのだろう。
-
>>516
「言われなくとも、な」
手で頭を押さえる。
ふらふらと、歩きながら椅子に腰掛けた。
-
>>517
「……そういえば、テーブルに触ったりしたら大変な食べ物を食べた人の記憶とか読み取ってしまうのでしょうか……?」
このカフェでのサイコメトリーは怖い。
-
>>518
「さて、それもまた面白かろう」
ふむ、とひと息ついて――【回想】のあらすじを話す。
山を走っている狐のことと、
「――海で戦う武士をみた」
やつれた様子のアラタは、話を聞いて欲しいようだ。
-
>>519
「海ですか、私にはあまり馴染みがないのですけど、海って普通は戦場に選ばれないような場所なのではないですか?」
戦争なんてどんな場所でも攻められるということを知らない者の質問。
-
>>520
「そうかもしれぬ、だが……あれは……」
暫し、考え込んでから。
「――逃げているように思えた、狐も戦も」
-
>>521
「……何か、辛いショックを受けて記憶を失ってしまったのでしょうか……」 その言葉からの予想。 しかし、それだけで手がかりといえるのだろうか。
-
>>522
「分からぬ、ただ"視ている"だけだ……記憶だからかかも知れぬが」
腕を組んで、天井を見上げる。
-
>>523
「幸せな記憶が、戻るといいですね……」 望み薄の言葉、それでもそう願わずにはいられなかった。
-
>>524
「うむ、幸せであってほしいものだ」
そういえば、と思い出したように立ち上がる。
アラタは床に散らばった太刀を鞘に収めた。
「海の戦、はて化け物でもでるかのう」
懲りない様子で、くすくすと笑って見せた。
中
そろそろ落ちますー
-
>>525
「ではそろそろ帰りますね、ちょっと寝る時間削っちゃいましたから」
少し睡眠時間が削れたらしいがそれで出来上がるのだから仕事は速いほうだろう。
(「お相手ありがとうございました〜」)
-
>>526
「ふむ、ではのー」
大きく手を振った。
彼は未だ、カフェのツケの話を知らない。
-
あぐらをかいて瞑想しているアラタ。
「――――……」
ふらふらと頭が揺れているあたり、寝てるのかもしれない。
-
熊と戦っているアラタ、どこから連れてきたのか分からない。
「い――っ……!」
大きな爪が飛びのくアラタの腕を掠める。
そんな事を昼間から続けている。
-
>>529
闘技場の端に男が立っている。
シャツにスラックスというラフな出で立ち。
眼鏡のレンズ越しに目つきの悪い視線が特徴だ。
手にした煙草から紫煙を棚引かせながら、傍観を決め込んでいる。
-
>>529>>530
「この前の検定で魔法なしの戦闘が駄目だったから訓練しないと……」
とぼとぼと闘技場に入ってくる少女。 クーという少女に瓜二つな彼女は髪の色も黒ではなく茶色、瞳の色も赤ではなく茶色。
服装の傾向も近接戦闘を行うようには見えないローブ姿。 しかし何故そんなにも気だるそうにしているのだろうか。
-
>>530
視線に気づいたアラタ、熊に一太刀を加えてノックダウンさせる。
着物の袖で汗を拭うと、一息ついた。
「見世物ではないが、熊の肉が欲しいならくれてやるぞ」
刀を納め、ソランの方に向き直った。
-
>>531
ローブの少女にも気づき目を丸くする。
見たことがないといえば嘘になるような、その直感をアラタは無視しない。
「ふむ、見たことがあるような」
-
>>533
闘技場の端のほうの射撃用の的へと歩いていく。 そしてローブから小銃を取り出した。
「……失敗しました。 体重かけないとレバーが動きません……」 レバーアクション式のショットガンだったのだろう。 しかしレバーを動かすのに苦労している。
構えて撃つ姿は様になっているが、絶望的に体重が足りないらしく反動を殺せていない。 明らかに本人と銃器が合っていない。
「……だめでした」 試す前から分かりそうなものだが。
-
>>531
“こんな場所に”
と、一瞬驚いたようだが、色々考えてみた結果。
「まあ、そっちの方が“らしい”・・・か」
意味もなく納得した様子だった。
>>532
男は声をかけるタイミングを測っていたようだった。
「見物料でも取るか?生憎と、食事は済ませてきた。遠慮するよ」
すぅ、と紫煙を吐き出しながら、口の端を持ち上げる。
-
>>534
興味があるのはショットガンのほう。
引き金を引くと対象が吹き飛ぶことのほうが珍しいようだ。
>>535
そうかの、と呟いて頭を掻く。一緒に食べたかったようだ。
「しかしのう熊との相撲となれば金は動くゆえ、鉞は持ってないが金が入るなら喜ぼう」
にひひ、と意地悪そうに笑う。
-
>>535>>534
ショットガンを分解して鞄に入れ、鞄から新しい銃器を取り出して組み立てている。
先ほどの銃に比べると随分小柄な、しかし拳銃というには大きい代物になる。 しかし口径は随分小さい様子。
「えっと、ガスマガジンを……」 何やらマガジンが2つ。 どうやら弾とガスの両方をカートリッジ化しているようだ。
「……装填にもたつくのはちょっと……」 撃つ前から挫折していた。
-
>>536
「本気で食べさせるつもりだったのか・・・」
野営を経験したことはあるが、現在は狩りとは程遠い日常を送っている。
「金を得るために鍛えている訳じゃないんだろう?」
目の前の人物の力量はソランには計りようがない。
分かるのは“普通では無い”ということだけだ。
-
>>537
「また物騒なものを持ってきたもんだ」
呆れる。
無論、彼女が“普通では無い”事は知っていたが。
「一体どういう趣向なのか聞かせて欲しいんだが」
-
>>538
「ほう、よき慧眼の持ち主じゃ」
子どもの体躯から出る言葉は老人っぽい。
「まこと我は金より力が欲しい、もっとも金に困っているのは現実だがな」
>>537
ちらちら、と目が泳ぐ。
見捨てられない性格なのだ。
足が一歩、二歩と蟹のようにじわりじわりと近づいていく。
-
>>539
「?」 気がついた様子。
「……撃ってみます?」 何を勘違いしたのか銃を指差し声をかける。
>>540
どうやら武術の才はさほどでもない様子で気配が近づくのに気付いていない。
-
>>541
「なっ……!」
ソランに先を越されたことのほうが悔しいらしい。
つかつか、と早足で近づいていく。
「我も我も!」
と、10代半ばに満たない子どもが声を上げていた。
-
>>540
「・・・どうも(お祖母ちゃん、或いはお祖父ちゃんっ子なのか?)」
形式ばかりの謝辞。ソランは心の中で、なんとも的外れな想像をしていた。
大人の口調を真似る子供。そういう程度の認識だった。
「子供の時分から貨幣に興味を持つのは結構な事だが・・・」
ソランは口を紡ぐ。
「両親は居ません、という類か?」
>>541
「いや、そういう話じゃない」
ジト目。
「“なんで”“銃なんかを持って”“此処に居る?”」
文節を区切り、強調する物言い。
-
>>543
「我はこの世に一人である、親も子も知らんわい」
クオンの傍、小さい声で耳打つ。
-
>>542
「え? それは構いませんが、監督はさせてもらいますよ? 曲がりなりにも武器なので」
一応銃器は監督義務の生じるものが存在していたりする。 今回は別にそんなことはないのだが。
>>543
「銃については元々私はサブマシンガンを使っていましたし、以前の検定で魔法が使えないときに酷い事になったので、
魔法技術を使わない銃器の扱いも上達すればいいなと」
-
>>544
その返答に眉を顰める。
――親はともかく、子というのはおかしいだろう。
「事情は兎も角。腹が減ってるのなら言え、雨風に苦労しているなら寝床くらい提供してやる」
口調こそ疲れと呆れが見えるものの、それなりに心配しているようだ。
-
>>545
「魔法が使えない、ね」
銃器の扱いが上手くないことは、門外漢のソランでもなんとなく察した。
それよりも、ソランが驚いたのは。
「おい!子供だぞ!?」
クオンがアラタに銃を渡そうとしていることだった。
-
>>546
「その話、後で聞きたいぞ」
一応、カフェで寝泊りはしているのだが、宿を探してはいるらしい。
>>545
「うむ! 我はカントクでもテイトクでもなんでもよいぞ!」
話を聞いていない、好奇心が先走りをしてしまっている。
-
>>548
「乗りかかった船だからな・・・案内するよ、後で」
そこまで言って、気がついたかのように聞き返す。
「参考までに聞いておくけど、今までどうしてたんだ?」
-
>>547
「? 子供といっても私だって未成年ですし曲がりなりにも私の監督下ですよ?
元々銃は体格に恵まれない、子供のような戦士のために発展した側面もありますし、
第一この町で見た目の年齢なんてあてになりませんよ?」 それと年齢を確認しないことは別問題だろうに。
>>548
「……」 とりあえずセイフティーをかけ鞄からシューティンググラスを取り出す。
「まずはこの眼鏡をかけてください。 銃は安全面に気をつける必要がありますので」
-
>>549
むずかしそうな顔で、見上げるアラタ。
「ここに着てからは街のかふぇで寝ることもあるが――」
ふむ、と言葉を切って考える。
「それより前ならば山なり、丘なり……とまあ、そんなところじゃ」
-
>>550
「おお、これであの的を破壊するのだな!」
眼鏡を手に取ると、目に当てて構えてみるアラタ。
「…………?」
装着の方法も分からないようだ。
-
>>552
「安全のためと言っているでしょう? これは防具です」 眼鏡のフレームを弄って装着の仕方を実演する。
「銃は事故での死亡率が剣よりも圧倒的に高いですからね」
-
>>553
「そうか鎧であったか!」
クオンを真似して頭につける。
「〜〜♪」
早く早く、と言わんばかりにそわそわする。
-
>>550
「理解はしている!」
納得はしていない、という口調。
「現実的な状況よりも、僕が言っているのは倫理的な――」
長くなったので以下略。
この場に於いては全くお門違いの小言が続く。
>>551
「呆れたな・・・」
大きな溜息。
「子供とは言え“男だから多少活発で許されるレベルじゃないぞ”」
-
>>555
「熊より強い鬼より強い! この貴船アラタに粗相はないぞ!」
えっへんと、胸を張る。
強さのみが頭の中の是非を決めているようだ、勿論倫理はない。
-
>>554
「まず銃口、この部分は人に向けてはいけません。 自分で覗き込むのも駄目です。
こう両手で構えて、目標に向けたらこの安全装置の、この部分をずらして、目標を狙って引き金を引きます。
ここまでは大丈夫ですか?」 ここまではもなにもほぼ説明を終えているが。
>>555
「倫理……いえ、今後銃を扱うときに正しい知識がない方が倫理的にまずい気もしますが……」
クオンの感覚は一体……
-
>>556
「そこ、威張るところじゃないからな」
ズレた眼鏡を指で直しながら、少し口調を固くする。
「何故強さに固執する?強くなろうと――仮に、強くなってどうする?」
>>557
「・・・・・あるか?そんな状況」
怒る気も失せる衝撃。
-
>>557
「………………ふむ、なるほどな」
クオンの真似をして、構える。
銃床を脇でしっかり挟む、どうやら反動については見てなんとなく分かっているようだ。
「わかっておるぞー、われはー」
標準を覗き込むが声が棒なあたり話の全てを理解した訳ではないようだ。
中
SMGですか、ショットガンですか?
>>558
「さてな、我にも分からぬ! ただ、剣の道を究めたとき――我が心を取り戻せると信じておる」
標準を覗き、引き金に指が触れた。
-
>>558
「検定のレギュレーションとか? あとは難敵に対しての切り札が既に既存の物であった場合とか?」
むしろそれ以外あまりない。 しかしクオンは大真面目。 最近は物騒だからとか言っている。
「というよりも剣を使う人みたいですし、武器を持つという部分では最初から倫理観に反しているみたいですよ?」
>>559
(「実はショットガンと同じように運用する大き目の拳銃です。 それも反応ガスで射出しているのでほぼガスガンです。 ただし実銃とほぼ変わらないです」)
-
>>559
―――失ったものは力じゃ決して戻って来ない。
掠れるような声で呟く。
それこそ聞き取れるか聞き取れないかの微かな声。
「そうか。叶うといいな」
それは空っぽの言葉だった。
>>560
「戦争が無くならない訳だ」
誰に皮肉ったのか。
そういう時代なんだろう。
「護衛の為に、覚えておく程度なら。いいか」
なんか折れたっぽい。
-
>>560 >>561
「叶えるさ! この空っぽの頭、かつてなにを見て、なにを思ったのか――それ取り戻すことこそ我が本願である!」
決意と共に引き金を引くと、同時に的が炸裂する。
「……………………うっふう」
もっとも、本人は反動で転んでいた。
-
>>562
「おい大丈夫か」
手を伸ばす。
成人男性にしてはやや細く、武器なども持ったことがなさそうな頼りない手のひらだった。
-
>>561
「護衛としても武器として持つのは話が別ですよ! しっかり免許もってもらわないと!
あくまでも私は知識として教えるだけで緊急時以外で即実戦投入なんて認められません!」
そういった判断基準だったようだ。
>>562
「しっかり狙っていたらこけてもある程度あたりますから。 相手が動いていなければ。
あと使わないときは安全装置を元に戻すのですよ?」 このクオンいやに冷静だった。
-
>>563
「うー、すまぬ……」
対して掴む腕は、武器に似合わない子どもの手。
土に汚れてるあたりは、とても子どもらしいのだが。
>>564
「承知したー……うーむー」
呻りながら安全装置を入れる。
-
>>565
「色々バリエーションはありますがこのような使用感の武器ですよ〜」
本気でただ説明した〜というような態度であった。 物凄く自然すぎる態度であった。
-
>>564
「子供相手に、そんな都合が通用するか」
一度手にした“玩具”をそう簡単に手放すだろうか。
「ちゃんと責任持つんだぞ」
念押し。
>>565
「無理しない方がいいんじゃないか?」
引っ張り上げて立たせる。
「向き不向きもあるだろ」
やんわりと、銃を手放させたいようだ。
-
>>566 >>567
「我は刀でよい、もうよい」
目じりに涙を浮かべる、失敗したのが悔しいようだ。
-
>>568
「もう人より優れているものを持っているんだ、無理して他の分野を伸ばす必要もないだろう」
それに、と付け加える。
「浮気性は男子失格だ」
そういう言い回しの方が効果があると踏んだ。
-
>>567
「通用するしないではなく規則なのですから通用させないといけないのですよ。
あまりにも悪質に規則を破るようでしたら法の裁きが下ります。 そんなのは銃以外でも同じようなものですよ」
冷たいようにも聞こえるが、銃よりも隠蔽と携帯が容易な魔法というものが存在している以上、取り締まりに年齢は関係ない。
そして周囲に与える脅威も年齢とは関係ない、法を悪質に犯せばそれ相応の対応が待っている。
それは本人の心の問題でしかない。 だって社会から見れば個人など詳細には見れないものなのだから。
>>568
「自分に合った武器が一番です」 にこりと笑ってみせる。 しかし自分に合わない武器を使おうとしていた少女でもある。
-
>>569
「おのこ失格であったか、ふむ……しかし、のう?」
腕を組んで、考え込む。
「我が太刀、いかにして勝つべきかのう。己を知り相手を知れば――とは言うゆえ」
鳴いたカラスが、口角を上げて笑う。
「好みの相手は手を出さずにはいられんのじゃ」
浮気性は天性のものらしい。
遠くで雷が鳴ったのは気のせいかもしれない。
>>570
「ふむ、そうであるな! いや、面白いものだったぞ」
銃を返却する。
-
>>571
「いえいえ、楽しんでいただけたのでしたらよかったです」
そして分解して鞄にしまう。 反動的に自分にも無理だと悟ったらしい。
-
>>570
「そうだな。だから“責任を持て”と言った」
見知った相手が間違いを犯さない為に。
ただ情報を与えるだけじゃなく。
「気にかけてやれよ。もうこれっきりって訳じゃないんだから」
つまりは、仲良くなってやれと言いたいのだった。
>>571
「お前の将来が心配だ」
真剣に、そう思った。
「冗談は兎も角、僕はそろそろ引き上げる。どうする、まだ暫く残るか?」
-
>>572
「まこと世にはおもしろき物で溢れておるわい」
ぱんぱん、と腰についた埃を払う。
「そなたも面白そうだがの」
>>573
「我は暫く残る、そこに倒れた熊の始末もあろう」
振り返り、熊の死体に目を配る。
「もっとも、そなたの家まで運んでもよいがな」
熊の大きさは、アラタの体よりも格段に大きい。
-
>>573
「……? え? いえ別に間違うなら間違うで本人の意識次第だと思うのですけど。
相手に仲良くする気がないなら初対面ですし私が口出しできることじゃないです。
相手に仲良くしようと思う気持ちがあるなら自然と仲良くなっているものですよ」
価値観が独特すぎて平然としているのが不思議なくらいだった。
しかし極端に異常思想というわけでもなく、ただただ変に思えた。
>>574
「この町はいろいろなものに溢れていますからね〜……」
-
>>575
「さようか! 我は貴船アラタと申す浪人、暫しよろしゅう頼むぞ!」
-
>>576
「私はクオンですよ〜錬金術師とか学生とかやってます。 専攻は魔法薬系です」
-
>>574
「熊を丸ごと置くスペースはないからな」
念を押して、メモを渡す。
簡易ではあるが、地図と番地が記載された紙片。
その場所は街の外れにあるものの、歩いて行けない距離ではない。
その場所は、打ち捨てられた図書館だ。
「表は閉まっている」
錠と板きれと釘で、物理的に。
「入るときは裏に回ってくれ」
そう言ってスペアであろう鍵を投げる。
戸締りはしろということらしい。
>>575
「口で言わないと伝わらない事もある」
ソランはもうこの少女の事を変人だとは思わなかった。
ただ“そういう存在だ”と理解することにしている。
もっともそれは半ば人間として認知していないということになるのだが。
-
>>577
「ほう! 学生であったか、これはこれは」
深々と頭を下げる、意味を間違えてるらしい。
>>578
鍵を受け取ると、袖に仕舞う。
興味があるのは地図のほう。
「そなたはここに住んでおるのかえ?」
地図をくるくる回しながら呟いた。
-
>>578
「ん〜……確かにそうですね。 多分いつの間にか仲良くなっていると思いますけど、
一応気にかけておく事にします。 まだあまりお互いを知らないので結果についてはなんともいえませんが」
>>579
「最近は、誰にも気付かれずに欠席扱いになることも減りましたよ……」 誰もそんなことは訊ねていない。
-
>>580
「我は気づくぞ、今日のようにな!」
腕を腰に当てて胸を張った。
言葉の趣旨を理解する様子はない、マイペースというのだろうか。
-
>>579
「ああ、つい最近越してきた。近隣住民からは【棄書館】と呼ばれているのが悩みの種かな」
ソランの住む家は、廃棄された図書館の一部を居住用に改装したものだ。
だが、ソランの言う“表”は廃屋同然の図書館部分になっており、その所以で“廃棄された図書館”
皮肉って“棄書館(きしょかん)”などと呼ばれているわけだ。
>>580
「いいんじゃないか?最初が肝心とも言うしね」
物凄く軽い。完全に他人事である。
-
>>581
「それはとっても嬉しいことです……」 個性が強いのに影の薄い少女の悩み。
>>582
「……? 無論、一緒ですよね?」 何やら含みのある言い方をしてきた。
-
>>582
「きしょかん、か覚えたぞ――近く、世話になろう」
深く礼をした、男らしくない長い金髪が微かに揺れる。
「して、そなたの名は?」
>>583
「よきかなーよきかなー」
鼻歌交じりでにこにこと笑っている。
-
>>583
「僕の役目は寝床を貸す程度だな」
子守は断固しない構え。
「そうか・・・クオンのところで引き取って貰うって手もあったな」
ヤブヘビ。
-
>>584
「ソラン・マディフ。ソランでいい」
眼鏡の奥の瞳を細め、そう名乗った。
「言語学者兼翻訳家だ」
-
>>584>>585
「別にいいですけど、銃とは比較にならない危険度を誇る住居ですけど、住みたいですか?」
何やら雲行きが少しだけ怪しい。
-
>>586
「そうか、そらんか!」
目を見開いて、名前を呼んだ。
「よろしゅう頼むぞっ!」
頬の土ぼこりを袖で拭って、歯が見えるほどに笑って見せた。
>>587
「クオンの家にも行ってみたいぞ、鬼の屋敷とどちらが怖いかの?」
ザ・好奇心
-
>>588
「怖さにもよると思いますよ? 唐突に火山の噴火口に転移しても怖くないという人とかであれば怖くないです。 今度きてみます?」
転移トラップが無数に仕掛けてあるので恐ろしい事になっている他先生の理不尽な何かであちらこちらが変な家。
-
>>589
「ゆくぞ」
二つ返事である。
「なにごとにも恐れていては、剣の道は進めぬゆえな」
-
>>587>>588
「聞かなかったことにしようそうしよう」
そう言ってソランは踵を返す。
「それじゃ、またな」
あんまり遅くなるなよ、と言いながら闘技場を去っていった。
中:今日はこの辺でおいとましまする。お付き合いありがとうでしたノシ
-
>>591
「でーはーのー!」
大きな声を上げ、大きく手を振って見送った。
中
お疲れ様でした!
お相手ありがとうございました!
-
>>590
「では時間のあるときにでも言ってください。 私は結構カフェに顔を出しますので。
ただしあまり色々と物を触ったり歩き回っていると宇宙空間に転移したりしてもおかしくないですから注意してくださいね? 自己責任です」
>>591
「では『お待ちしています』ね〜」 完全に数に数えられていた。
(「はい、こちらこそありがとうございました〜おやすみなさ〜い」)
-
>>593
「宇宙でも、夢中でも我は恐れぬぞ!」
そう言ってから、一息つく。
「さて、我もお暇するかのう。あやつを荼毘に伏さねば、行儀が悪かろう」
くいっと、熊の死体に目を向ける。
-
>>594
「そうですか、では私はもう少し確認作業をしてから帰りますね〜」 結局試射はあまりできていない。
-
>>595
「ではの!」
熊の腕を背負うと、ずるずると引きながら闘技場を出て行った。
中
私もそろそろ寝たいと思います
今日はありがとうございました!
-
>>596
「さようなら〜」 鞄をごそごそと漁る姿は闘技場に似つかわしくなかった。
(「お相手ありがとうございました〜おやすみなさ〜い」)
-
【電脳闘技場:検定受験者用規制解除フィールド第五ステージ】
闘技場の一角、ギャグ補正では対処できないであろう戦闘も体験できるように作られた電脳闘技場を利用するための端末。
最近では爽やかな殺し合いをしましょうなどとテレビCМまでかかってすっかり有名になったこの端末は若干荒れていた。
人が多くなればマナーの悪い者が出てくるのは仕方のないことではあるがものがものであるだけにマナーの悪い者は調べられ調書される。
そんないつの間にか犯罪者予備軍検挙に協力という変な働きを担っている端末に、また新たな名前で募集がかかった。
『【死合対峙者】爽やかに殺し合いをしませんか【募集中】』
そこに記されていた名前は――
1357なら降龍弩「フレイロット」
2468なら静寂の鈴「鈴遠(リンドウ)」
90なら地図切り「マーティン」
-
>>598
すっかり此処の居心地の良さが気に入ってしまった明智は再び端末の前に立った。
「ふ、ふふ 雑魚ではないのが来よう。そうだ、そんな予感が、している」
端末を右手親指で勢いよく叩くと、 ――「利用規約をお読みください」―― と表示された。
「面妖な……」
流石に利用規約に素早く目を通して、もう一度スイッチを叩く。べちん。
――「個人情報ロード」――
――「武器特質再現開始」――
――「防具性能再現完了」――
――「闘技場内にアバターの内面容量を確保。使用できます」――
「使用できます……?えと、ああ、あとはこの看板みたいなもんを叩けばいいんだな」
ばちん、ドン、がん!小気味良い音を立てて、次々とタッチが認証されていく。
【闘技場:戦闘エリア】
ポニーテールの尾が前髪側に垂れている。轟、と魔力が焚きあがり、明智の裾や袖や睫毛を揺らした。
髪も、それですとんと後方にきちんと尾を垂らした。
「さあ、死にたがり屋はどいつだ?
この俺に勝てると思ってんのか!
ハッ。面倒な話は無しだ、殺し、殺される。それが世の中の最もシンプルな上下関係に違いないだろう?
そうだろう?」
剣を引き抜き、刃に手を添える。
「……殺し合い。無意味な殺傷は禁物だが……
リスクゼロで腕が上がるんだから、これは試さない訳にはいかないよねぇ、ククク」
剣を正面、正中線に構えて、左手だけ、刀身の内側に添えた。
-
>>599
「どうもこんにちは」 姿を現したのは中性的な外見の人物、いや声色からすると女性か。 体つきも女性のように見える。
「では早速ですが始めましょう。 よろしくお願いします」 妙に音を立てないように振舞っている。 暗殺術の使い手なのだろうか。
-
>>600
外見で判断はつかない。大ぶりの武器も見当たらない。すると、短中距離の魔法系か、格闘系だろうか。
どちらも相性自体は悪い。あと口ぶりが事務的なので適当になぶって多少感情的な部分を露呈させてやろうと心に誓う。
「はン。女性、女か……。なんかあんまり殺し合いって気がしねえ――」
不意打ち。上段から一気に接近して振り下ろす。狙いは右肩を切断して右腕の機能を奪うこと。
接近には身体強化スキルを使用したために魔力消費が総量の二割。また身体強化スキルであるために詠唱などは必要としなかったが、スキル発動の宣言をしなかったので――増幅量は無宣言低下分を計算に入れたために問題ないにしろ、精確性が落ちて簡単に”流し”や、”受け止め”が利く状態であった。
さらに、脚力のみを増幅したために、腕力などは剣撃の威力は、むしろ精度の控えめな接近による無茶で、通常時よりかなり低い。装甲次第ではノーアクションでも防げるほどだ。
「――な。さっそく始めてやったが、望み通りだから文句言うんじゃないぞ
俺はお前を仮にも敵として見てやっているのだからな。素人が偉そうに始めましょうなんて言うからこんな目に――」
ようやく、口上の終わりが見えかけた。だがこの口上を見るに、慢心を突くならばちょうどいい頃合いである。
暗殺を仕掛けるのに一番向いている場面の一つだ。
-
>>601
「……」 女性は無言のまま、それどころか完全に息を殺してまで、剣を受け止めようとした。
おそらくは腕に手甲でも身に着けているのだろう。 完全に受け止める気で腕をクロスさせている。
また、何故か魔力が耳に集まっているようにも見える。 もしも、その魔力の高鳴りの最中に言葉を発したのなら、
もしもその魔力の高鳴りの中剣を受け止められ金属音が響いたのなら、自分の意識に強い衝撃を受ける。
精神ダメージというよりも意識を刈り取るだけの波動。 そんな嫌な何かを耳に集まった魔力が発していた。
-
>>602
「――こんな目に遇う」
重い鉄と鉄が弾けるような音の後、甲高い余韻が鳴り響く。
「ん」
何だ……今、確かに相手の耳から魔法が放たれた。
精神攻撃魔法なのか。
視界が暗転する。一瞬暗転した。暗転した。暗転が明滅へと変わる。
今、寝そべっているのか。
「剣士であるのに――」
剣士であるのに、その両刃剣は右手を離れて数十センチ先に斜めに傾き刺った。
獲物が手元に無いことへの恐れ。それは戦場に、狩場に、冒険で、いかなる場所でも戦いを知る者ならば知っている感覚である。
”素手では、勝ち目が無い。”
そう暗に自分に告げている出来事。
「戦わなくては」
だが、まだ下肢が満足に動かず、立てない。
「戦えなくては」
けれど、両腕はまだ己のものという実感が湧かない。
「戦わないと」
それは、死へと直結するのだから。
……そうだとしても、実際に何も起きない、起こせない。完全に後の先を制された形である。
-
>>603
「相手の発した音を認識することがトリガーとなっている、邪聴覚能力ですよ」
こちらもふらついている。 当然だ、鉄と鉄がぶつかった音は防御した側の発した音でもあるのだから。
「ふぅ、ふぅ……」 調子の悪そうな呼吸を整え、顔面を目掛けて拳を振り下ろさんとする。 体術は素人に近い、がその異能が厄介だった。
-
>>604
「ごふっ」
拳を鼻面に受け止める。右目が痣となって潰れ、鼻も途中で変形していた。口の辺りも少し妙な具合になっている。
「いやー、舐めてたよ。ここまで楽しめるとはね」
ようやく、痛みによって体が覚醒したようで、立ち上がって、体術の間合いを取りながら剣を拾いに、斜めに刺さった両刃剣に近づいていく。
今度は、口をしっかり閉ざして。
-
>>605
「こんな能力しか自慢がないから。 だから戦いよりも殺し合いに向いているの」
そういって構える姿は素人だが、それでも攻撃を防御しただけで圧倒的アドバンテージを得られる能力は脅威だ。
もっとも自分が音を発してしまいそうなときには基本的に能力を解除しているようだが。
重い、体に合っていないようにも思える手甲に包まれた両腕を再び構える。
-
>>606
――まさに反撃型の極みであり、詠唱を必須とする魔法使い殺し様々である
さっきのも脳震盪していて不思議でなかったのだ。
下手な手を打って、次にとられれば九割方負けとみなしていいだろうと思う。
「”こんな”とはどういう考えだ
立派ではないか。素晴らしい能力ではないか
それを屠るのに今まで持っていた戦術全てを洗い直さなければならないほどだ
お前は確かに優れた戦士だ」
左足で地面を踏み締め、右腕を伸ばし、すっと伸ばした先で止めようとした。
籠手の寸(すん)でで止めて、相手の意識に油断が生じればよし、生じなければ剣の性質であるエネルギー材であるのを利用し、解除した瞬間にエネルギーの矢として剣を指先の合図一つで解き放つ。この手を知らなければ、あるいは似た戦術を見たことがなければ、一撃ぐらいはとれるかもしれない。
間違いなく言えることがある。この女は、”格上”だ。
-
>>607
すかさず防御しようとするが、寸止めに対してはある程度は予想していたようで動揺はしていなかった。
しかし、その先までは予想していなかった。 能力に頼りきった彼女は本来戦士ではない。
故にそれを避けることなどできず、反射的に身を捩ってもエネルギーの矢に右肩を切り裂かれることは避けられなかった。
だが、自らが傷を負ったと認識した瞬間に、左腕を剣に向かって振るう。
無論音を発する事になるが、音は防御した側も発するということは、彼女自身が自らの能力で体調を崩した様子からわかっている。
-
>>608
だが、戦績を重ねているにはそれだけの実力があるということ。
合図した指を即座に開いて剣の柄を空中で握りこむ。逆方向の回転をかけてから回転切りを狙う――
ここは精度を高めるために身体強化スキルを織り交ぜない回転斬りだった。
偶数:左腕の籠手は剣に触れられない。明智の剣は一周すればリンドウの首横を掻きにはしる。
奇数:剣は握ったが、籠手と触れ、明智が地面に仰向けに倒れる。
0:音は発したうえで、明智の手元から籠手の威力によって剣が大きく遠くへ飛んでいく。明智はしばらく気絶する。
-
>>609
「ッ!!」 苦し紛れの相打ち戦法は、ただただ当たり前のように振るわれた剣を捉えることはできなかった。
大きく吸い込んでいた空気が、脳からの信号が止んだ事により吐き出され、それが血液をより勢いよく吹き上げる。
左腕は空振り、右腕には力が入らない。 元より神経が切られ体に命令が届かない。
耳に集まった魔力が首を裂く音に反応しかけたが、それよりも血が噴出した音の方が僅かながらに大きい。
元々戦士でないものにとっては、致命傷だ。 だが、かすかにまだ意識はある様子。
-
>>610
「一撃だけだ。好きに入れてくれ」
両手で剣の柄尻を持ち、床に突き立てる。
肩をいつも通り張って、まったく好くない顔をして、すぅ、っと息を吸った。
「不意打ちしただろう。あの分だ。あの一撃の分だけ、譲ってやる」
「それで決まらなかったら、止めを俺が刺す」
「さぁ」
来 い 。
-
ズズー、と飲み干したオレンジジュースを啜る。
バテているのか、ふにゃりとカフェのテーブルに上半身を乗せる。
「なんだか、げに面白きことがありそな気がするぞ」
-
>>611
「――」 にこりと笑ってみせる。 だが、神経の切れた身では首から下は動かせない。
無論呼吸もできない。 魔法の詠唱など論外だ。 元より魔法も大して得意ではないのだから。
だから、それは無詠唱。 軽い平手打ち程度の威力しかない水の魔法。 音を発し、能力を使っても、それ以上の追撃はできない。
その頬を打つ血の鞭は、ただの敬意の証でしかなかった。
【現実の闘技場】
気がつくと端末の場所に戻っていた。 恐らくは相手はあの時点で力尽きたのだろう。
音を立て、対戦相手からのメッセージが届いたという表示がモニターに映っていた。
『私を戦士と言ってくれる人が居るから、この世界が好きなのです。
――今度、また機会があれば殺しあいましょう。 微力ながらより実力を磨いて待っています』
-
>>613
【現実の闘技場】
「はあ。さっきのは本当に一瞬の差でしか無かったな
それの連綿としたものが、戦士の生涯なのだから、武士という生前の職業も相当イカれてるな
死んでるから、こういう殺し合いを満喫する気になれるのだ」
ごちりながら、メッセージを黙読する。
「期待しておこう」
短いメッセージを返信して、闘技場の出口で歩いていく。
「今日の空は、いつもより澄んで見える
卑怯なことが、無かったからだ」
あくびをして、今度こそ闘技場の出口を出た。
-
ふらふらと、闘技場へ来る。
人の気配がするところ、人の喧騒があるところ、彼は直感的にそれを知っている。
「ふむ、気のせいかのう」
闘技場に来るが、騒がしさは感じられない。
-
受付席
直径1メートルほどありそうな植物の茎を貪り、頭を埋めている金色毛皮の人物?がいる
とはいえ顔を上げなければ獣人かもしれない
あと特徴的なのはそばに置かれたアライグマの死体だけである
-
>>616
「金の熊とは珍しいのう!」
目を見開くと、胸を躍らせながら寄ってくる。
「おぬし、なにおしておるのかー?」
アラタは後ろから、声をかけた。
-
>>617
「熊?」
左右を確認したが見当たらないので首を360度回転させてみる
が、やっぱり見つからない
「私のことじゃあるめえな?」
顔まで短い毛で覆われた人物が振り返る
-
>>618
「そなたじゃ、そなたじゃ。みれば、面白い姿をしておるのう!」
へらへらと笑う。
「こんなところでなにをしておるんじゃ?」
-
>>619
「ここにくる参加者をからかってやってるのさ
最近は全然来なかったから雰囲気も変わっちまったけどな」
体毛の中の顔は少し寂しそうな表情をしたように見えた
「そうだ、お前ちょっと相手しねえか?大丈夫!本気は出さねえよ」
受付に案内しようとする
-
>>620
「ほほう! それは面白いのう、やろうやろう!」
体を揺らして喜ぶアラタ、背中の刀が揺れてカチャカチャと音を立てた。
「そなたの寂しさを紛らわして、しんぜよう!」
-
「さて・・と お前さんが刀なら
こちらも剣を使おうか」
ズルンとぬめりけのある刀を取り出した
鞘に収められてる時点から禍々しい迫力がある
「こいつは名も無き魔剣だ、だが抜いた瞬間あらゆる者をひれ伏させる力がある・・・」
-
>>622
「ではひれ伏そうぞー!」
すっと、地面に這い蹲り、刀を抜く。
アラタは匍匐前進を始めた。
「さて、あらゆるものと言うたが、そなたもひれ伏すのではあるまいな」
-
>>623
「そのとおりだ!(キリッ」
刀を抜くとプシューという空気が抜けるような音とビチャビチャという液体音
そして遅れて・・・
ものすごい悪臭が闘技場を包む
その臭さはシュールストレミング缶の数十倍
刀を抜いたはいいが自身も屈してしまった
少しでも低い位置に!低い位置に!
「どうだグフッはじめてぬいたがゲホッゲホッ言い伝えの通りのようだなオエエエ」
-
>>624
「うう、これは香しい……」
えっちらほっちら、と間合いを詰めていく。
戦う気力だけは残っているようだ。
「衣に香が付きそうで、グホォ」
-
「剣を・・・剣を収めなくては・・・」
使ったはいいが位置の都合で自分だけがひどい目にあうことが発覚
これでは全く役に立たない!
剣がガチンと収まると周囲の匂いが一緒に剣に吸い込まれた
さすが魔剣と言われるだけのことはある
と苦戦している間に間合いを詰められていた
-
>>626
「えいっ、そこっ!」
アラタは立ち上がるところまで頭が回らない。
地面に伏したままぶんぶんと、刀を振るう。
こんな状況で戦うのは初めてで、精一杯てを伸ばす。
-
「そんな状態で当たるか!」
足が黒い円柱にのように変化する
「くらえ!シャチホコハンマー!」
今咄嗟に考えた必殺技はまさにシャチホコ
しかも射程が思ったより伸びる、まるで足がゴムでできてるかのようだ
-
>>628
「面白いっ! だが、それは貴様の足ぞ!」
蜘蛛のような姿勢を取り、切っ先を足に向ける。
「どうだ!」
-
>>629
「足であって腕でもあってピーテノイゼでもあるのだよ」
変形した足でピーテノイゾすると刀を跳ね除け、ロケットパンチを繰り出し、ステップを決めた
前、後ろ、前前前ってLetka Jenkkaをつい踊ってしまう
-
>>630
「ぴ、ぴーて?」
アラタはよくわからない、よくわからないまま体を動かす。
跳ね除けられた刀を回収すると、鉄砲玉のようにドロシーに向かって突進。
その脇腹に一太刀を加えた。
-
その一太刀が抜けない
押しても引いてもびくともしない
「つーかまーえた♪」
隣接した状態から両手で掴みかかろうとする
-
>>632
しかし、突然のことであった。
「はら、ひれ?」
不意に、アラタの両手から刀が抜ける。
ジッ、という雑音が響き、一瞬ばかり姿にノイズが掛かった。
「――――ッ……」
苦悶の表情を浮かべると、アラタの瞼が閉じてしまう。
力の抜けたアラタは、布のような軽さで地面に倒れこんでしまった。
中)
すいません、中断でお願いします。
-
【ドロシーハウス】
すべての壁面と天井を床にしたかのような重力力場にデタラメに散らかった各壁面
あちこちに自生するハーブのような植物
天井にある開いたドアから古代魚のような赤茶色い顎のない魚が出入りする
壁の一面に配置されたベッドには先ほど闘技場で拾ってきたアラタが横たわっている
「クックック・・・思いがけず戦利品をゲットしてしまった・・・」
別の壁で煮える鍋をかき混ぜながら今後戦利品をどうするかを思案する
-
>>634
「――っ、うっうー……うーん」
呻り、苦悶の表情を浮かべたアラタ。
ゆっくりと目を覚ます。
「ここは……」
-
>>635
「お目覚めかね?」
反対側の面の壁、つまりアラタからみて天井に位置する場所から声が聞こえる
「今からそっちに行くよ」
と言うと壁を歩くようにして自分の床を変えていく
声の主は先ほど戦闘をした相手のものだが見た目の違いとして毛皮がない、当然服も着てないまま
そして身長も縮んでいる
ただのベースモードなのだが毛皮がなければ隠せるとこが隠せていないのでただの変態である
元々変態だが
-
>>636
「ふぁあ、ふむ……」
あくびをして、周囲を見渡す。
「奇怪な化け物屋敷、記憶には無いが面白いな」
知識はある、という事なのだろう。
「何者だったかな」
と小さく呟いた。
-
>>637
「化け物屋敷とは失礼な」
アラタのベッドの下から這い出ようとしていた緑色の触手を足で押し込む
「具合はどうかしら?急に倒れたから運んだんだけど」
建前を伝える、普段嘘ばかりついているがまだ嘘はついていない
-
>>638
「倒れた、我が?」
目を瞬かせ、口をあける。
分からないと言った様子だ。
「まことであれば、礼を言う他ない……な」
相手の裸については寝ぼけているため、突っ込む余地が無いのだ。
-
ベッドの横の計測器に目をやる、はたから見ればなんの機械かさっぱりわからないだろう
「礼なんてとんでもないさ・・・それより」
「視覚情報の断片化に近い現象を引き起こしたことは覚えてない?」
覚えてはいないだろうとはいえ確認しておくべきだろう
「意味がわからないなら考えなくてもいいわ」
計測器が間違いでない時のために付け加える
-
>>640
「しかく、じょう……いや、すまぬが我には分からぬ」
暫し考え込んでから、
「しかし、まあ元より日々の『記憶』が曖昧なのでな、思い出せぬことに慣れている」
つまり、記憶が途切れ途切れだ、という事を伝えた。
-
>>641
「もし近い情報を思い出したら教えなさい!これは忘れないでね」
関係性があるかどうかは大した問題じゃない、問題なのは見落とすことだ
「・・・そういえばあんた名前は?まさか忘れたと言うまいな」
ドロシーの右側面の壁にくっついた棚から袋を取り寄せる
といっても魔法的な取り寄せではなく小さなリモコンで棚を操作して内容物を射出しているわけだが
-
>>642
「我が名は、アラタ……貴船アラタだ、すまぬ」
力の無い、ため息のような笑いを漏らす。
「そな他の名は、そしてここは……?」
-
>>643
「私はドロシー・・・あ、」
慌てて体毛を生やす
「すまんな、ベースモードにしていた
この毛皮きちんと意味あるんだぜ?」
戦った時の姿に戻る
「ここかぁ〜?聞いてくれたな、シャチクのマーチでも食いながら聞くが良い」
袋には様々な社畜の絵が書いてある菓子が入っていた
パッケージにはレアシャチク【仮眠10分】【残業時間3時間】等悲しくなるようなことが書いてある
しかもこれがレアだというのだ
「ここは私が開発した居住スペースだ、一般家屋にあたる床や壁の概念を吹き飛ばし自由な重力力場を作ることでスペースを5倍以上に広げることに成功したのだ
もちろん形を自在に変えることもできるしどこにでも入り口を作ることができる
今の入り口はカフェよ・・・あ、朝3時起床夜12時帰宅当たった」
-
>>644
「お、……おお! そなたであったか!」
見覚えのある姿になったことで、目に輝きが戻る。
「そなたの家は面白いのう、見てて飽きぬぞ!」
からからと笑って見せる。
「いやあ、なに……思えば確かにそなたと『戦った』なあ、我は楽しかったぞ!」
戦ったことは覚えている様子。
-
>>645
「ありがとう、私はいろいろしくじったせいで不完全燃焼なんだよねえ〜
とはいえ戦いは私の目的と少々外れている気もするが・・・」
ベッドにどかっと自分も腰掛け
「今度見つけたら気分によっては襲おうかしら・・・色んな意味で」
甘い匂いが近づく
-
>>646
「く、熊め……」
やはり体毛で覆われている状態は熊に例えるようだ。
ちらちら、と目を泳がせて困惑した。
-
>>647
「さて ここで抱きしめてやりたいところだが体にも響くだろう
ここで好きなだけ休んでいくがいい」
ベッドから降りるとまた天井へ登っていった
「ああ カフェに戻りたかったらベッドの脇の水色のレバーを右に回せばポータルが開くはずよ」
首を上に向けて天井から教えてくれた
-
>>648
「はは、いやいやまこと世話になる」
ベッドからぴょんと飛び降りて、くるくると見回す。
水色のレバーを見つけると、楽しそうに手をかけた。
「この礼はいつか返そうぞ、あるいは一戦交える形でも良いが」
くすくすと、笑ってドロシーに目を向けた。
-
>>649
ポータルが閉じたところまで見送ると
「行ったか・・・クックック・・・いい研究材料が手に入ったな・・・
もし仮に私の探してるものだとしたら・・・」
空を飛んでいた青白い軟体生物を掴み鍋に入れながら思案に耽るのであった
-
緑茶をすすりながらぼーっとするアラタ。
「中秋の名月は過ぎたが、秋の夜長は静かでよいのう」
三色団子を一口食べた。
-
>>651
「マスターさん、輸血パックくださいなー」 食欲の秋だからか発作が起きやすくなっている気がする少女が入店。
「……毎回思うのですけどなんでこんな16種類も血液がメニューに載っているのですか?」 吸血鬼用メニューと検定での医療班用らしい。
-
>>652
「みそら殿ではないか……」
ぴくんと耳を動かして反応、
「おうい!」
声を張り上げた。
-
>>653
「? あっ、こんにちはー」 相変わらずの妙にふわふわした笑みを浮かべての返事。 そしてその手にはAB(Rh+)と書かれたパックが。
-
>>654
「久しいのう!」
口角を上げて大きく笑うと、血に気づいたのか鼻をひくつかせる。
「ん? もしや、その手に持っておるのは……」
不振そうな面持ちで見つめる。
-
>>655
「これですか? もしかしたら体質に合う血液もあるかなと色々試しているんです」
言うと何故かバケツを持ち出して席に座った。
-
>>656
「ほ、ほー……」
覗きこみ驚くアラタ、吸血は鬼のするものと思っているのだ。
「そなたは、血を食べる……のか?」
目を瞬かせ硬直する。
-
>>657
「? いえ? 違いますよ? ただ定期的に血を飲まないと体調が悪くなるのですよー」
そういって勢いよく飲んでいく。 それはもう豪快に飲んで。
「……うぶろぇえっ、いえぉ」 吐いた。 飲んで、吐いた。
-
>>658
「さ、酒ではあるまい……無理をするでないぞ」
背中をさすって、心配する。
「血を飲むか……ふむ、下手なことになってなければよいが」
なにか思い当たることがあるようだ。
-
>>659
「……」 気分悪そうにしている。 嘔吐はやはり慣れないらしい。
「ちゃんと薬も飲んでいるのですけどねーやはり先天的なものは厳しいのですね……」 遠い目をしている。 珍しい。
-
>>660
「先天……そなたは、元より人とは違うものなのか?」
最初の日の会話から考えて、そう思ったらしい。
「なにゆえ、人の命を吸わねばならぬ?」
-
>>661
「吸血鬼とエルフのハーフみたいなのですけど……両方の血が悪い方向に出ているみたいで……
なので血を飲まないと体調が悪くなるのに、血を飲んでも受け付けないのですよー」
物凄い軽い口調で悩んでますと言ってのけたが相当珍しいパターンの体質だと思われる。
-
>>662
「吸血、鬼か……なんぎよのう」
変なところで区切ったアラタ、想像しているのは東洋の鬼だ。
「しかし、そなたは素晴らしいのう。世の中にはもっと下種なモノもおろうて」
野蛮な鬼と比べて、驚いているのだ。
-
>>663
「?」 不思議そうに、何故褒められたのか全然理解していない様子。
-
>>664
「そなたは『はーふ』なこともあろうが、鬼と言えば……のう」
ちょっと言葉をにごらせる、目が泳いでいるのは悩んでいる証拠だ。
「その、偉いと思ったのじゃ」
鬼は野蛮という先入観を上手く拭おうとした結果である。
-
>>665
「偉いといわれましても……?」 あまりピンとこない様子。 本人からすれば普通のことの範疇だからなのだろう。
-
>>666
「そこが偉いのじゃ、きっととっても偉いぞ!」
胸を張って褒めた、なんだか偉そうな態度を取るアラタ。
-
>>667
「そうですか? じゃあ次回の発作前は奮発してO型Rh−を頼んでみる事にします!」 そうじゃない。
-
>>668
「おう、我も応援するぞ!」
当の本人もクーの考え方を理解していない様子である。
「牛兎の鏡」から瘴気が漂う、現在は数珠のようにアラタの左腕に巻かれていた。
-
>>669
「今のところ飲んだ血液は全滅なのですよねー」 A型+−、B型+−、O型+を今まで試してきたらしい。
ふと、瘴気が何故かクーを避けているように感じた。 いや、気のせいだったかもしれない。
-
>>670
「ほー、血にも種があるのかのう」
素直に感心するアラタだが、瘴気には気づいているのか落ち着かない様子だ。
-
>>671
「その人に合わない血液が混じると血液が固まって死んじゃったりもするのですよ?
だから怪我を手当てするときは手を綺麗にしましょう」
しかし本人は全然気付いていない。 何やら変な魔力の動きはあるようだが。
-
>>672
「そなた、気づかぬか?」
真剣な面持ちになるアラタ。
手に巻いた牛兎の鏡を見せて、クーに尋ねる。
「この宝物が化生の気配を感じておるらしいのだが……」
クーの様子からいまいち自信を欠いているようすだった。
-
>>673
「? ……えっと、探査魔法とか使ってみたほうがいいですか?」 よくわからないなりに提案してみる。
-
>>674
「ふむ、頼むぞ……なんだかいやな予感がするのじゃ……」
そう言うとお茶を一口啜った。
-
>>675
「はーい」 そういうと虚空の光が蝕まれるように虫の姿をした無数の精霊が現れる。
あちこちに虫食いの闇を散りばめその範囲を広げていく。 相手にモロばれであろう目立つ探査魔法であった。
-
>>676
「一月ほど前だったかのう、一匹の鬼の腕を奪ったのじゃが……」
牛兎の鏡を見つめて、考える。
「もしかすると取りに来たのかも知れぬ、己の腕を……あるいはその代わりを」
クーの探査魔法を眺めながら言った。
-
>>677
「……注文したら出てきたりとかは?」 流石に緊急でないなら病院で再生治療を受けろとのこと。
「もう、駄目ですよ? しっかり事前説明をしてアフターケアを考えてから貰えないか頼まないと」
この町ではそれがまかり通るというのが恐ろしい。
-
>>678
「お、鬼ぞ!? な、なにおいうておる……」
あわわ、と震えると身を乗り出してアラタは言った。
「目が合えば命が危ういのはこちらぞっ!」
アラタもまだこの街には馴れていない、頭の中は野蛮な鬼しか知らないのだ。
-
>>679
「……? 襲われたのなら正当防衛です。 相手が手配犯とかなら正当な戦闘です。
でもそれ以外ならまずは話し合いから、そして話し合いで解決できればそれがベストじゃないですか?
相手だって痛いのよりはしっかり腕が戻る保障があって、麻酔を使って腕を渡して報酬を貰うという方を望むかもしれませんよ?」
こちらは町に染まりきっていた。
-
>>680
ポカンと口をあけて驚く。
「そなたは、鬼とて救えるのか……なんと……」
あわわ、と一歩引くと、
「なんと……そなたは聖者であったか……」
そう言って膝を着いた。
-
>>681
「え? いえただの居候です」 居候だった。
「でも沢山の種族が居ますし、種族に関係なしにいい人はいい人、悪い人は悪い人、犯罪者は犯罪者、仕事は仕事ですよー」
優しいというよりも、他人行儀な平等さ的な思考に近い物言いのようだ。
-
>>682
「いやいや、それでも彼奴らに慈しみを持てるのは素晴らしいぞ」
「我は、鬼というだけで慈悲無く刀を抜いてしもうた……」
-
>>683
「次から気をつけましょう。 今回はしっかり謝って治してあげましょう?
……あと、話し合いをするのでしたらカフェを利用するのもありですよ?
カフェで殺人をすると植物人間になるという呪いがあるようですし」
-
>>684
「その時は、せめて彼奴とも中を深められれば良いのう……
しかしヤツは我を許してくれるかのう、心配じゃ」
アラタは俯いて、考え込む。
鬼に対しても少なからず、申し訳ないと思っているようだ。
-
>>685
「んー……そうですね、不安に思うかもしれませんけど、だからといって謝らないのは駄目だって思いませんか?
『最初から許してもらおうとして謝る』というのは本当に誠意のある謝罪でしょうか? だから、相手に許されるかなんて今は関係ないと思いますよ?
もちろん相手の心を傷つけるかもという意味で謝罪するか迷うことは別ですけど、今回は相手からこちらに来てくれた、歩み寄ってくれたのですから」
既にもう相手が戦意丸出しでも戦闘になるか怪しい段階になっている。
しかし襲われたら叩きのめし話し合いを強制するかもしれない。 そんな町です。
-
>>686
「そうだな、もし次があるとすれば我は歩み寄るべきじゃ……うむ、そうしよう」
瘴気のことは忘れて、クーの言葉に感心してしまっていた。
「いや、次ではないな、よし! 我は今から謝ってくるぞ、おーっ!」
拳を突き上げてアラタは意気込んだ。
-
>>687
「ではついでに私もついて行きましょう! もしも相手が話を聞いてくれなければ縛り上げちゃいましょう」
誠意があるのか物騒なのか分からない物言いだった。
-
>>688
「いや、危険な旅路にそなたを連れてゆく訳にはいかぬ……、その誠意、決して無駄にはせぬ!」
そう言って、アラタは飛び出した。
中
すいません、落ちます。
-
>>689
「んー……では、吉報を待ちましょう」 体調を落ち着けるために、一休み。
(「お相手ありがとうございました〜戦闘回避みたいな形になってしまいましてすみません……お大事に〜」)
-
【カフェ】
毎度おなじみ最近見かける異形の少女、四肢のない体を椅子の背もたれに死人蔓の蔦で縛りつけ座る。
移動手段であるアンデッド犬は合金トランクの中でありそのトランク自体も蔦で持ち上げられている。
さて、彼女がこのカフェに入り浸っているのは別に不思議でもないが今回はカフェのマスターに相談を持ちかけているようだ。
「やっぱりライバルが多くてお客さんが全然来ないです、何か案はありませんか?」
ただでさえこの町でも早々見かけない容姿というハンデがあるため客足が思わしくないようだ。
「……食べ物ですか。 死霊術と錬金術で食べ物……?」
生体パーツの加工でも食料としての加工はあまり行っていなかった。
試すにしても素材は必要ではあるが、今ある素材や手に入れられる素材でヒット商品は作れるだろうか。
リゼッタの運命やいかに。
-
>>691
今ある素材の中でリゼッタが食材として選んだものは何であろうか。
どことなく甘い香りがするようだが、甘味だろうか。
「とりあえず即興にしては素晴らしいものができた気がします」
そういって取り出したパックに詰められていたものは――
「ミュータント蛆虫(チョコレート味)」
――おそらく、彼女の店に客足が増えることは今しばらくはないだろう。
-
【カフェ】
たまにテーブルに置いてあったりする忘れ物。 マナー違反であるにもかかわらず普通に中身を覗かれたりすることもある。
たとえば放置されているノート。 どうやら交換日記のように雑談が書かれているもののようだ。
恐らくは忘れ物であった物に勝手に誰かが書き込みそれが続いてしまったのであろう。
最新のページを見てみるとどうやら友人の被虐趣味が全然理解できないという嘆きが語られていた。
「……なんでカフェで交換日記……?」
そんな事をいいながら目を通している少女、そしてペンを取り出し何かを書き出す。
『まずはロウソクについてですがこれはまず誕生日を思い浮かべましょう。
恋人が用意してくれた誕生日ケーキ、食べようとロウソクを吹き消し抜き取ろうとしたところで火傷したとします。
その時恋人が慌てて心配して駆け寄ってくれる場面を想像しましょう。
そんなシチュエーションに憧れる気持ちを理解できれば一歩前進です。
火傷するような熱さは嫌だと思うはずなのにそこから派生する展開を望ましいと思うのですから』
「……よし」 何がよしだ。
-
【カフェ】
……(^ω|壁
(^ω^三^ω^)
(男はこっそりとペンをとり、その交換日記やらへと書き記していく)
そのロウソクで幼女にいじめられるのを想像して
ぞくぞくする気持ちも理解できればドMとして一歩前進です…と(^ω^ )
(追記:ドMについては近場のオルファオルをご参考ください。
そう締めくくって男は来た時と同じように逃げ出した)
-
【カフェ】
|∧∧
|・ω・) ダレモイナイ...
|⊂
|
(交換日記を読むと指先をペンに変えてトームの後に追記した)
世の中には臨死SMというものがあるそうです
限りなく死に近づけた状態で限界を超えて甚振ってから蘇生させるんです
Mは蘇生後に自分の体に残った痕跡で快感を得るんだそうで
(ここまで書き記してドロシーは名を残すこと無く交換日記を閉じた)
「今考えたんだけど誰か読んで実践しねーかな」
-
【臨死SMを一人で実践中】
||
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(^o^)
/ ヽ
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し| i |J
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| ノ ノ
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し' ヾゝ
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どうしてこんなになるまで放っておいたんだ! ?
三 三三
∧/;:"ゝ 三三 ∧f;:二iュ 三三三
三 ( ^ω^ ) ,.( ^ω^ )^)
/.;: .:}^( <;:::::i:::::::.::: :}:} 三三
〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
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どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
どうしてこんなになるまで放っておいたんだ!
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.(二二X二二O
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_,_,,_, ;;;;:;:;;;;:::ヽ,、
" "" """""""",, ""/;
"" ,,, """ ""/:;;
"" ,,""""" /;;;::;;
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トームよ・・・コンティニューで蘇るのです・・・
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ┃
┃ まことに ざんねんですが ┃
┃ ぼうけんのしょ は ┃
┃ 消えてしまいました。 ┃
┃ ┃
┃ ┃
┃ ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
-
【カフェ】
カフェの仮眠室を利用して宿代わりにする者達は複数いる。
だからこそ丁寧に使わなければどんどん汚れていくのだ。
無論カフェのマスターや店員は理不尽なほどに有能であるため常に快適は保たれる。
機嫌を損ね食事が食事として成り立たなくなるまでは。
使う分はある程度掃除する、そんなマナーがしっかりと根付いていた。
そんな中でもトラブルは起きる。トラブルといっても小さなものだが。
開放されている場所であるが故の質の悪い悪戯だ。
「ん? メモ帳、落し物か?」
床に落ちていたメモ帳を拾い上げる。名前は書かれていない。
ただタイトルに一言『詩集』とシンプルに書かれているだけだった。
いや、よく見ると『詩集』の文字の下の段には『日記』と書かれそれが雑に塗りつぶされている。
「誰のだ?」
メモ帳で日記かと不思議に思いながらも何気なしにページをめくる。
『赤き日の光の下で水の足音が響くのを聞いた。
見えない物に恐怖するか目の前の物に恐怖するか。
違う、存在する物に恐怖を抱くのだ。
闇が訪れたとしても赤き火の光の下何かが扉を開ける。
扉など必要としないというのに音を立てて。
知りたくないと思いながらもその音は耳を塞ぐ者にこそ近づく。
折れた心から流れる『血』こそが好物なのだから。
水の足音が本当は『血』の足音だと知ってしまう。
何を打ち鳴らしても途切れることのない足音が。
知れば知るほどに足音は近づかないのなら知らなければ。
知って、知って、戻れなくなるまで。
だというのに何故だろう、足音が近く聞こえるのだ。
光の下だというのに見えない、知ったというのに何故。
どこかで心の折れる音が聞こえた。
新しい音だ、水の足音以外の音だ。
久方ぶりの同胞なのだ、知るという事を教えてあげよう。
もしも足音が近く聞こえる理由を知るのなら教えてもらおう。
だけど始めに、水を貰おう。
喉が渇いて仕方がないから』
「――」
絶句。 思っていたのと違ったのだろう完全に硬直している。
手からメモ帳が滑り落ちる。 しばらくは、その場を動かなかった。
-
【カフェ】
「なんで味見にハンデのある俺が料理!? ってかなんで厨房じゃない場所に調理スペースあんの?」
どんな経緯からか調理台の前に立つのはこの世界では絶滅しているというマイナーな木行竜。
当人からすれば唐突に罰ゲームトラップを踏み料理勝負をさせられているという意味不明な状況。
水を飲みにきたら料理を作る側に、というのだから叫びたくもなるだろう。
無論全く料理が作れないわけでもない、誰でも作れるような料理は適当に味付けして作る、
そして植物性の甘味というものなら多少は作れる、しかし今回作る料理の具材として引いたカードには、『ラクダの瘤』と書かれていた。
「そもそも食えんの? 高級食材? ……マジ? 一応訊くけど一般的にうまい食材? ……味はあまりない? ……」
途方にくれていた。
-
「なんだここは!?何?俺様に料理を作って欲しい?
泥船に乗ったつもりで任せとけ( ^ω^)」
得意料理:プロテインかけご飯
指定具材:バナナ
「バナナ・・・?そのまま食べるだけじゃいかんのか?
そうか・・・だめか・・・」
-
>>703
「なんでだよ! 明らかにバナナの方が難易度低いじゃん! 何で俺だけ!?」
嘆いても結果は覆らない。早く料理を始めろとどこからともなく声が響く。
「くっ、仕方ねぇ。 とりあえずあまり味がないっていうけど、つまり味付けは自由なのか?
というかこれ脂肪だよな。 これ本当に食材って言っていいのか?」
まずは鍋に水と砂糖と酒とみりんを適当に入れてカットしたラクダの瘤を投入。
「なんか凄い脂が出てくる、脂肪だから当然か。 ……いやこれ失敗だろ」
作り直し、今度は大量のお湯で茹でて油を出し、キッチンペーパーとオーブントースターを使い脂を落とした。
「縮んだ。 さてここからどうするか……」 何を思ったのか先ほどの失敗作と一緒にフライパン行き。
「やばい、味が想像つかない」
-
まずは自慢のブロードソードでバナナを一刀両断
抵抗されることなくバナナは真っ二つになり、そのまま地面に落ちた
落ちたバナナを拾い上げると水で洗い、煮えた油に放り込んだ
「対戦相手の技術を盗んでやるぜ」
水と油のコラボレーションによって荒れ狂う鍋が戦士の上半身を焦がす
「うおおおおおおおお!」
戦士×98
-
>>705
「……ヤベェ、なんか言葉が見当たらないタイプの凄さだ。 どんな料理?」 お前が言うな的一言、それより自分の料理を心配すべき。
「脂肪だけど繊維はしっかりしている。 となると歯応えはあるのか。
……甘い味付けって失敗だったりするのか? ……いやでも他の味あまり分からないし」
フライパンの中身をザルに、そして水洗いし始める。 炒め物を水洗いという意味不明のことによりもう料理かすら怪しい。
水洗いしたラクダの瘤を砂糖と塩と香辛料とハーブを混入した液に漬け込み時魔法調理器で加速、漬け込んだ。
そしてとりだし熱が入らないように乾燥させた。
「自分でも何やってるのかわからない」 最終的に燻製にし始める。 これも時魔法で時間短縮。
「そもそもなんでこんな高級魔導調理器具が?」 とりあえず、『甘めの味付けがされたラクダの瘤の燻製』が出来上がる。 それも異様な工程で。
-
「そういえば緑色のバナナを地面に埋めて蒸し焼きにするといいとか聞いたな」
「緑色のバナナはあるが・・・俺は火魔法なんぞ使えん
そうだ!さっきの煮えた油を一緒に埋めよう!」
まさに天才の発想、失敗を糧に成長する精神力、なんと素晴らしきことか!
「鍋あっつい!」
おお せんしよ すででさわるとはなさけない
戦士×97
-
>>706
「さっきから便利そうな道具使ってるじゃん
俺も真似しよう」
風化したバナナが完成した
パッサパサ!
パッサパサ!
口のなかパッサパサ!
∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩
( ・x・) ・x・) ・x・) ・x・) 口の中
/ \ \ \ \ パッサパサだよ!
((⊂ ) ノ\つノ\つノ\つノ\つ)) パッサパサだよ!
(_⌒ヽ ⌒ヽ ⌒ヽ ⌒ヽ パッサパサだよどーしてくれんだ小松菜ちゃん!
ヽ ヘ } ヘ } ヘ } ヘ }
ε≡Ξ ノノ `Jノ `J ノ `J ノ `J
\\ //
\\ 口 の 中 パ ッ サ パ サ だ よ パ ッ サ パ サ//
\\ //
∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩ ∩∩
(・x・) (・x・). (・x・) (・x・). (・x・) (・x・) .(・x・) (・x・) (・x・) (・x・)
⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂⊂ ⊂
し-つし-つ し-つし-つ し-つし-つ し-つし-つ し-つし-つ
-
>>707>>708
「燻製って料理? とりあえず判定は?」 不評、脂が燻製には合わなかったらしく甘さも多すぎで酷いらしい。
「……よし」 出来上がった燻製をコンソメスープに投下した。
「たしかコンソメは結構融通が利くと聴いた記憶がある」 迷走して恐ろしい事に。
「その他の具は玉葱と、あとタケノコ入れよう。 花の形にカットした人参も」 野菜だけ妙に手際よく。 そして妙な色の燻製が目立つ。
「完成だ! きっとこれ以上はない! むしろこれ以上は味を想像できない!」 完成してしまった。
さて一品目、『燻製駝峰入りコンソメスープ』使用したコンソメスープはシンプルに市販品。
必要のない工程まで交えて作られた失敗作の燻製はなんと高級なラクダの瘤。
料理人に喧嘩を売るかのごとき料理は普通に失敗して脂の浮いたコンソメスープの味でしかないという微妙な一品。
会場のお客様も面白みに欠けるこの結果に大変失望されている様子です。
「……うるせぇ! こっちなんて脂でべっとべとだよ!
なんだったらパサパサとベトベトで中和すればいいじゃねぇか! スープ飲め!」 壊れた。 スープを指差して叫ぶ。
-
>>709
「ならオメーは風化したバナナと掘り起こしたブヨデロの油まみれのバナナとバナナシェイク(水と皮を剥いてないバナナをミキサーに突っ込んだ汁)を食え!」
なんというバナナの無駄遣い、工夫やセンスを感じられない下品な様相に観客はドン引きである
そして躊躇なくコンソメスープに口をつける
勇気あるバカなのか 学習能力がないのか
戦士×96
-
>>710
「……一応、動物性食材ないし、俺でも食えるのか……いや、でも」 律儀に物凄く悩んでいる。 そして、風化バナナを一口。
「……?」 不思議そうに他の料理も。 「……バナナシェイク以外味ない」 味覚が人間の物と異なります。
「そんなに悪くもない? あれ、俺の負け?」 何やら味覚の違いを忘れて色々考えている。
-
>>711
「なぜかわからんが勝った・・・!?」
戦士 奇跡の勝利
「もしかして俺には料理人としての才能もあるのか・・・?
でも俺には世界を平和に導くという務めがあるんだ
食卓の笑顔を作る役目は他のやつに譲るぜ」
調子に乗る乗る
-
>>712
「いや、認めん! 認めんぞ! 見た目だけなら俺のも悪くない!
二回戦! 二回戦希望! ただし今度は食材変えて!」
-
「受けて立つぜ!」
【小松菜の具材リスト】
何かの動物の肝臓
扇風機
トンボ
サメ
リンゴ
-
>>714
「食材カード、ドロー!」
16なら肝臓
27なら扇風機
38ならトンボ
49ならサメ
50なら林檎
【戦士の食材リスト】
どことなく見たことのない大型の魚の頭部
食用木屑
豚の骨
猿の脳みそ
油揚げ
-
「……トンボ、だと……?」 味覚ハンデ+動物性食材+調理法不明、膝から崩れ落ちる。
-
ドロー!モンスター食材!
01どことなく見たことのない大型の魚の頭部
23食用木屑
45豚の骨
67猿の脳みそ
89油揚げ
-
「これは・・・マンボウ・・・?いや・・・ヒゲ生えてるし違うか・・・」
戦いの火蓋が切って落とされた
-
「まずは焼いてみるか」
一部をSlash 炭火で焼くことに
結果>>小松菜任せ
-
>>718
「……とりあえず、虫は絶食させて体液を出させると臭みがなくなるとか聞いた覚えが?」 時魔法調理器の出番です。
「……これどうすんの? 食べる部分がそもそも少ないし」 から揚げだろうか。
「食虫植物の機構で液化してスープに、いやそれは流石に」 とりあえず醤油と砂糖と酒とみりんと七味を鍋でことこと、佃煮路線らしい。
-
>>719
どうやら脂の乗りはいいらしい、しかし、火が通ると少々生臭かった。 魚類としては一応普通の特徴でもある。
ただ幸いな事に寄生虫は見当たらない。 そのあたりは安全なようだ。
-
>>720
トンボの種類に制約は無いようで
原始的な巨大トンボ等も用意されているようだ
-
>>721
「魚は煮ても旨いと聞いたが・・・
たしか酒やら味噌やら酒やら醤油やら酒やら入れなければいけないので難易度は高めだな・・・
そうだ!スシにしてみよう」
調理場には都合よく酢飯が用意されている
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>>722>>723
「……え? これもトンボ? いや3mあるしなんか腐臭するし……でも調理は、しやすいかも?」
おもむろに大型肉食トンボに手をかける。 そして使えそうな部位を探す。
いやそもそもアンデットを捕食する突然変異種を食べようとするのはどうなのか。
原始トンボなどもどこから用意したというのか、クローン技術だろうか。
「外殻は、ちょっと食材として厳しいし、胸の筋肉?」 佃煮用に用意した鍋の中にシュート!
-
まず酢飯を片手で握る
指の間から酢飯が漏れ出す
「ぐぬぬ・・・握るとはどうすればいいんだ・・・っ!?」
低所得の戦士にとってスシなんて聞いたことがある程度の物
職人の技術が必要なこの料理をどこまで形を近づけることができるのか?
-
>>725
「あちらは、寿司か。 図らずも和風対決?」 というには食材と調理法が凄い。
「だが確かに、主食は必要か」 ご飯は用意されているのにお米持込で炊き始める。 これは普通に手際がいい。
「ついでにトンボの外殻を焼いてすり鉢で擦ってみるか。 案外香ばしくなるのかもしれん」 焼いてみる。 とても臭かった。
「あ゛っ!? だめだこれ……」 肉食トンボの外殻は臭かった。 即刻どける。
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>>726
「なんだこの臭いは・・・!?昨日採った食べられない草のような臭いだぞ!」
寿司は諦め魚の調理法を考える
とはいえ戦士の知ってる方法は生で食うぐらいの原始的なもの
「そうだ!細切れにしたら何か考えが浮かぶかもしれないな」
ノープランではあるものの食材の形を変えればなにか思い浮かぶのではないか
しかし血抜きをしたわけではないので生臭いままである
「あとは塩だ、塩振っておけば味はつく」
しかし手にしてしまったのは砂糖っ・・・そして味見もせずに皿に盛った
一品完成である
「さて、主食がどうとかいってたな・・・米だけじゃだめなのか?
じゃあ余った部分の骨とか炊きこんでみるか きっと出汁とかが出るはずだ」
魚の肉や目玉や骨を炊飯器に入れる
細かい骨が内部で散らばって炊飯器の中は大変なことになっている
-
【カフェ】
売れ残りのクリスマスケーキというものが何故か大量に贈られてくる。
去年まではそんなことはなかったのだが小松菜の作る苺のお礼として今年唐突に送られてきた。
幸い保管は問題なかったのだが、明らかに糖分と資質が多いことから予めダイエット用の魔法薬を作る事にした。
そう、全ては眠りが再発しクリスマスを逃したストレスをぶつけるためだ。
何故かカフェで作業しているのだが、その内息抜きがしたくなったのかカフェのモニターに目を向ける。
「サンタの誕生日は12月6日!」
ただただ無言、それがなんだというのかと言わんばかりにサンタ推しするモニターから目を背ける。 そして一言。
「ショートケーキの苺は酸っぱいくらいで丁度いいと思うのです」
全く関係のない呟きだった。 ショートケーキの甘さに嫌気が差したのだろうか。
このままでは鏡餅ならぬ鏡ケーキを飾る破目になりかねないとため息をつく。 そしてケーキを一口、悩むなら何故食べた。
-
混沌の渦巻く町は表面上はただの町でしかない。イベントにより騒ぎ立てる者達を見れば余計にそ
の印象は強くなるのでしょう。
もっとも騒ぎ立てる様子すらも本当なら普通ではないこと。ただそれに慣れてしまったというだけ
。
でもそれは他の国の文化と何が違うのだろうか。信じられない文化を持つ町もあれば技術格差だっ
てある。この町の異常というのはその範疇に収まるものでしかない。世を混沌に陥れる力の持ち主達
はお互いの力を抑止力とするから。
町に雪は降らない。どうやらクリスマスに局地的な大雪を降らせた魔法使いがいて天候操作に規制
がなされたらしい。何やら信仰が薄まったのか神社やお寺は去年よりも人々が少ないというのも手伝
い新年だというのに寂しい印象を抱かせる。何故か教会に初詣に行く猛者などがいて説教を貰ってい
る。新年早々大変なものだ。
「……減らない」
未だに消費しきれない大量のケーキから逃れるために町へと出かける。もう誰にも気付かれないこ
とには慣れてしまった。そんなにも影が薄いのだろうか。
「う〜やぁあま〜い〜ぃも〜うし〜あ〜げぇる〜」
初詣は元々は神との対話のための風習だという。初詣には行かなくても、それに因んだ歌を歌う。
誰にも気付かれない歌を歌い、通りを歩く。それだけの気分転換。足元の寒さも指先の寒さも気に
せずにただ歩く。この町も少し潜れば平和な町でしかない。静かな新年を望めば叶う。
ふと、よくお世話になるカフェへの道が目に入る。当然ながらここを行けば騒がしい場所へでるか
もしれない、その可能性を背負う。それでもその道に足が向く者は、きっと後が絶えない。神との親和性の高い魔力を持ちながら信仰系とは相性の悪い私には初詣よりは魅力的に思える。でも、何故かその騒動の中心はここではないと理解できてしまった。本能的に。
私は道を戻り市場へと足を向ける。新年といえど賑わいを見せ餅をつく光景が見えた。
「よし、重属性魔法部隊! 解放!」
ただ一般の餅つきと違う点を上げるとすれば、参加者全員が全裸であり、重属性魔法を駆使して大量の餅をこねているといったところだろうか。熱々の餅がみるみる内に肉体にへばり付き参加者たちは次々に地を転がっていく。何故か市場の地面は大規模にビニールで覆われているが人のいない店などが巻き込まれまるで雪だるまのように膨れ上がっていく。いつもは止める側である警察機関の人間すら巻き込みながら。あと服を着た警察官をどさくさに紛れて脱がすのは何故だろうか。
「流石にこの騒動に参加はしたくないですよ」
すっかりベトベトになった市場。流石に餅を剥がす魔法薬なんてものは作っていない。知らない振りをしてカフェへと足を向ける。
カフェに着くと案の定人は少なく閑散としていた。穏やかな時が流れている。何故か窓ガラスは割られているが。
「……?」
テーブルの上に忘れ物なのか花火セットが置いてあった。新年かクリスマスのために用意していたのだろうか。既に楽しむタイミングは過ぎているのだが。
私はおもむろにその花火セットを手に取り、忘れ物ボックスに放り込んだ。代わりにテーブルにもち米を置いてカフェのマスターに話をつけ転送装置を使わせてもらう。以前旅行に使われた海へと座標を設定し転移する。
「誰もいない」
寂しい日常だとは思うけど、それでもあまり心は軋まない。特別な日が特別でなくても、きっといつでも特別な日になり得ると知っているから。白い息を吐き出し、しばらくはお餅は食べなくてもいいと思いながら、すっかり飽きてしまった苺を口に含んだ。
-
【カフェ】
(忘れ物ボックスを漁る男の影一つ)
……おっと、これは花火か?
ふふ、季節外れとはいえ、こういうのを見ると火を点けたくなるんだよな(^ω^ )カチッ
ヽ`
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-
カフェに帰ると妙なアルコール臭が漂ってきた。何事かと目を向けると、餅を水着のように着こなした集団がお酒を浴びていた。何が起こっているのかは理解できなくてもよくわからないことが起こるのはいつものことであった。とりあえず床を汚した者は掃除を言い渡されている。もち米をここに置いたのは間違いだったのだろうか。飛んできたお餅が砂のオートガードに叩き落される光景を見てため息をつく。
何も起こらないなどとは思っていなかった。だけどカフェという物は、全然平和が長続きしない物だなと苦笑いする。しばらく眺めながら、お餅は案外カロリーが高いということを思い出す。カロリーカット用の魔法薬の需要があるかもしれない。少数の冷静な人と話しをして渡しておこう。
「こんにちは」
「ちゃおっす」
話しかけた人が横合いから投げられた餅に弾き飛ばされ何人かともつれ合い団子になる。私は一人取り残された。もう何でもいい。
既にカフェは餅による作品作りの会場と化していた。何故か私の名前も参加者名簿に記載されているらしい。いつの間にというよりも気付いていたのなら声をかけてくれればよかったのに。そもそも何故材質餅で行おうと思ったのか。検定と思って参加はしてみようとは思うけど。
「エントリーナンバー1!」
もう完成させている人もいるし。何やらお餅で作ったとは思えないほどにメタリックな色をしているのですが。何やら光線を出して窓ガラスに反射されて他の参加者の体についた餅を焼いて膨らませ悶絶させている。
私は何を作りましょうか。とりあえず天秤でも作って両方の皿にクリスマスの残りケーキでも乗せておこう。そう考えてふと思う。もしかしてこれは夢の中の世界なのでは。オートガードにより普段から痛みを感じない生活をしているから夢オチでもわからない。うむむと考えている内に餅を型に押し込んで錬金術で水分を抜いて天秤を組み立てる。とにかく作品を提出してから餅が飛んでこないようにカフェの端へと避難する。
「……」
すっかり騒がしいのにも慣れてしまった。先生に拾われ育てられ、でもここにくるまではそう騒がしいことなど起こらなかった。いいか悪いかでは言えないけど、自分が変わった事を自覚できる。
このままの時が流れればいいのになどと勝手な事を考えてしまう。未来がどうなるかはわからないものなのだけど。
ふと横を見ると何やら焦げ臭い、というよりは火薬臭い何かが転がっていた。爆発でも起こしたかのように床が焦げ付いている。人型であり、どう考えても事故を起こしたとしか思えなかった。回復用の魔法薬を置いて適当に祈りを捧げておく。既にお餅でベタベタの状況で飲めるかどうかまでは保障できなかったけど、他に何もいえなかった。
そして私はカフェのテーブル席に伏せて何も考えない時間を過ごす。新年であってもやることは全然変わらなかった。人が少なくなっても、変わらなかった。だから大丈夫、そう自分に言い聞かせ、カフェ内で行われる餅合戦を見物していた。
もうそろそろ日付も変わる。それでも欠片も寂しさを感じさせない喧騒は、きっと私以外の誰かの心も救っている。カフェのマスターの雷が落ちるまで、静かに、静かに眺める事にした。
-
【カフェ】
「何か記憶が飛んでいる気がするが気のせいか?」
カフェの仮眠室を利用する者達は時に奇妙な目覚めを経験する。
そうたとえば寝具ではなくテーブル席で目が覚めるといった具合に。
そして目を覚ましたすぐ目の前に、また忘れ物と思わしき紙片が。
「ん、ゴミか?」
紙片に目を通す、そこには酸化した鉄のような茶色く滲んだ文字で文章が書かれていた。
『何かの音が響く。 何の音? どんな音? 高い音、低い音、何に似ている音? それはどんな音?
それは何も思い出せない私にもわかる音? もう何も聞こえない私にもわかる音?
また同じように音が響いて肌を振るわせる。 同じ音が響いたの? それとも別の音?
一体どんなものが出している音なんだろう。
私を救ってくれるものが出していたらいいのに。 私を殺してくれるものが出していたらいいのに。
私はいつまでこの音の中で待てばいいの? そもそもこれは音なのかな? わからないけどきっとそう。
だって音じゃなかったらこれがなんなのかわからない。 だからきっとこれは音。
また同じように音が響いて肌を振るわせる。 次はどこの肌を震わせるんだろう?
なんでこの音は私を救ってくれないのだろう? なんでこの音は私を殺してくれないのだろう?
早くこの痛みから逃れたい。 もう痛まない肌なんてどこにもない。
もう手についた血も乾いてしまいそう。 もう手元のノートだけを照らす仄かな明かりも消えてしまいそう。
そうなったらもう何も書けない。 唯一動かせる右手も痺れてきた。 また何もできないだけの暗がりに戻ってしまう。
痛くて音が響くだけの闇に戻ってしまう。開放されたくても死ねない場所に戻ってしまう。
誰か早くきて。 たすけて。』
パリパリと文字の書かれている紙が固まった状態であることも、気付いてしまう。
起きて早々悪趣味な悪戯に引っかかった反応は、またもや地味であった。
現実から目を背けまずはストレッチをしようと背伸びして窓を開け放ち飛び出した。
実に平和なリアクションであった。
-
【カフェ】
〝たすけて〟…ねぇ。こんな紙がここにある時点でもう手遅れなんじゃないかなぁ…
(落ちていた紙片を片手に、少年はそう独りごちる。
然程興味も無さそうな顔で、次の瞬間には注文したお茶へと視線を移していたが)
-
>>733
「こんにちは〜」 いた、いつの間にかいた。 相変わらず影の薄い少女。
そして興味なさそうに放置された紙片に目を向ける。
「……偽物、悪戯ですね」 あっさり見破った。
-
>>734
ん〜…? そうだねぇ、悪戯だねぇ
(指摘されたこと自体にも、事実に対しても然して興味無さそうに少年は応答する)
あれ?どこかで会ったことあるっけ…君
(しかしどうやら、人物には興味が湧いたご様子)
-
>>735
「クオンと申します!」 無駄に堂々と自己紹介。
「錬金魔術師的な何かです。 魔法薬専攻です」 だれもそこまで聞いていない。
-
>>736
…僕はリート。ただのリートだよ、よろしく
(こちらは素っ気ない挨拶)
ふーん……随分前に闘技場で会った人と似ているかと思ったんだけど、違うみたいだねぇ
(思い違いだったことを再確認し、少年は一人で納得していた)
-
>>737
(検索したのに確認が取れないです……ごめんなさい)
「? もしかしたらクーちゃんに会ったのですかね?」 心当たりはあるらしい。
-
>>738
ああ、確か一人はそんな名前の子だったかな
もう一人は……名前は聞けず仕舞いだったから、分からないけどね
-
>>739
「最近頑張って訓練しているみたいでしたからね〜」 クオンはある程度完成したため訓練ではなく新規の勉強段階。
「カフェの利用者ですからどこかしらで出会っていてもおかしくないですしね」
-
>>740
とは言っても、会ったのは一度きりだったけどね
今も元気そうならそれは何より。もう一人も元気そうなら良いんだけどね
…さてと、僕はもう行くとしようかな
(飲み干したカップを置くと、少年は硬貨を取り出し勘定を済ませる)
ほんの少しだったけど話せて楽しかったよ、それじゃあね
(そう言って微かに笑うと、少年はゆっくりとした足取りでカフェから姿を消していった)
-
>>741
「そうですね、でも、また会う機会もありますよきっと。 さようなら〜」 物凄く穏やかに、見送る。
-
【カフェ】
「初動は通常状態から地を……」 抜刀術の心得という本を読んでいる。 そんな本が何故カフェにあるのだろうか。
-
【カフェ】
「あ、マスターこんばんは…!…えへへ、最近すっかり寒くなりましたね…お店、あったかいなあ」
いつもどおり、という雰囲気で入店してくる。
たぶん、サザエさん時空的なふいんきな感じで、なんか、生きていたんだろう。
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( \/ / ̄\ <./| /| /\___
ヽ/ /^o^/⌒ヽ / .| / / / //
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し' \_/ i />  ̄ ̄ ̄ ̄
i⌒ヽ ./  ̄>__ .|| |::
/⌒ヽ i i \( .|/ / /\ .|| |::
i | /ヽ ヽ ∠__/  ̄ .|| |::
ヽ ヽ| |、 \_ノ > <> || |:: (いつもどおりという顔で入店した人その2)
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____ .ノ ./⌒)∧ / ...____[__||__]___||___
/ し'.ヽ ( .∨ /\________|__|
// し' / /\  ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(この後マスターにもがれました)
-
>>744
「こんばんは」
か細い声が響きカフェに入店する影、明らかに人型ではないものの少女の声と何かが強く地を這う音。
目を向ければそこには生きているかすら怪しい犬が合金製のトランクから前半身だけだし這っている。 後半身はそもそもあるのだろうか。
しかし声を出したのはこの犬ではない。 寄生植物を操りその犬に巻きつけぶら下がる四肢のない少女こそが声の主。
四肢も無ければ背中側にもう一つ垂れる頭部があり首もマフラー越しではあるが異様に細く見える。 まさに異形。
だがなんということでもないと自然に振舞う彼女の態度は年相応の子供のようにしか見えない。 そんな奇妙なお客さんだ。
「マスターさん、新製品売れませんでした……」
なにやら相談事の結果報告に訪れたらしい。
-
>>746
「………………(◉□◉)」←こんな顔でものすごいリゼッタを見てる
と、その時であった!
>>745
「Σわああああああーっ!?ああっマスター!!マスターだめです!!」
大慌てで落ちたガラスのかけら拾ったり、もごうとしてるマスターにおろおろしたり慌てふためいている!
窓割りはやはり日常のはずなので、慌ててるのはただの本人の性分だろう!
-
>>745>>747
「……賑やかびっくり」 リゼッタはまだカフェのノリに慣れていない。 物凄く大人しいリアクション。 当然大声など出せない。
-
>>747
【2分後】
お陰で九死に一生を得たわ(^ω^ )
(エリンの説得のお陰か、許してもらえました)
もう窓割りなんてしないZE!(^ω^ )
(その後、元気に窓を割るトームの姿が見られるのは別のお話)
>>748
ははは、こんなのまだ序の口さ(^ω^ )
-
>>749
「窓が序の口、では最終的には建物が……?」 カフェ爆発フラグが立ちました。
「凄いんですね、やっぱり医療が発展しすぎてこのような風習が?」 風習?
-
>>748
「あっ、えっとっそのっあなたはだいじょうぶですかっ?びっくりしなくてだいじょうbΣわあっ指切っちゃったああ」
カフェにはまだ馴染んでいないらしいのに冷静なリゼッタに対して、こっちは落ち着きのない常連である。
>>749
「よ、よかったぁ〜……」
ほっと胸を撫で下ろす
「そ、そうですよ〜…あんまり窓を割ったり、……と、とつぜん裸になったりするのはあの、やっぱり、その……」
一部トーム様がやっていないことも含まれてしまっているぞ!
記憶が何か混ざってるのかな!
-
>>750
………(^ω^ )ニコッ
(前半笑って誤魔化し)
いやなに、もっと単純な話だ。命知らずが多いのさ、ここは
(よく分からない言葉で後半をにごす)
>>751
おっといかん。切った指を消毒しよう。さぁ、俺の口の中に(ry (^ω^ )
(マスターに頭を物理的に冷やされました)
(――この子に俺の裸見せたことあったっけ…)(^ω^ )
(特に否定もしない男)
-
>>751
「はい、私は大丈夫です、けど、大丈夫ですか……?」
単に人付き合いの経験があまり無くリアクションに困っているだけなのだが、結果的には落ち着いている。
か細い声で心配しているようだが細かい仕事はできないので手伝うことはできない。 何せ四肢がない。
>>752
「、いいえ、きっと誰だって命の大切さは知ってますよ。 ただもっと譲れないことがあるだけです」
何故窓割りからこんないい話になろうとしているのか。
-
>>753
…そうかもしれねぇな(^ω^ )フッ
(とりあえずかっこつけて笑ってみた。特に何も考えていないらしい)
-
>>752
「Σへっ?えっ?く、くt……っっっΣマスター!!」
本日のマスターは容赦がないッ!
>>753
「あっ、だいじょうぶ!だいじょうぶですよ!あはは〜うっかりしちゃって…」
「な、なんだかご心配おかけしてしまってすみません…、ぜんぜん平気ですよっほらっ」
ヾ(`・ω・)ノシ!と、両腕をぶんぶん振って心配しなくてだいじょうぶアピールをしている。
-
>>754
「そういえば、なんで窓を割るのですか?」 しかし踏み込む。 踏み込んだ。
何を考えているのだろう。 そこに窓があるからとでも答えればいいのだろうか。
少し疑問に思うという程度の表情を浮かべる彼女は普通に訊ねている。
背中側のもう一つの頭部は相変わらず暗い表情。 薄い人格しかないはずがどうにも意思表示をしそうにも見える。
>>755
「大丈夫でしたか」 なんでそんなに慌てて否定するのだろうといぶかしむ。
実は結構深かった? いやでも実際見ればわかる、深くは無いと、だから嘘ではない。
何に慌てた? 他に不都合でも? と何やら余計に不安になってきている様子。
-
>>755
(^ω^ )←水をためた洗面台で頭を冷やされる図
【2分後】
ああ、容赦ねぇな。三途の川を見たのは久しぶりだ(^ω^ )
(解放された)
……ほれ、傷薬だ。折角だから塗っとけ
(懐から取り出したのは小瓶。どうやら舐めるのは諦めたらしい)
>>756
いなくなっちまったダチをな……思い出すのさ。窓を割る度によ
だからか知らないが、それを繰り返しているうちに癖になっちまってな(^ω^ )
(※そのダチがいなくなる前から普通に何度も割ってました)
-
>>757
「大切な、人だったのですね」 しんみりとした雰囲気。
「私も、友達とお父さんを置いてこの町にきました。 本当なら帰ってまた一緒にいるべきだとは私も思ってます……」
何やらこちらも語り始めた。
-
>>756
「はい!」
不安が深まる相手とはこれまた対照的に、こちらはもう全然平気そう。
にこにこ平和そうな笑顔をしている。
>>757
「Σマスター!!マスターだめですよおおおおほんとに死んじゃいますよおおっ!!」
「ああ、よかった……」
トーム様が開放されて、やっと胸を撫で下ろす。
「……えっ?……あ、い、いいんですか……?……ありがとうございます……!」
ぱすっと両手で受け取った小瓶を、ぎゅっと握りしめてぱぁっと微笑んだ。
-
>>758
故郷が懐かしいって事か?(^ω^ )
…ま、今すぐが良いかは分からんがな。会える内には会った方が良い
そうすりゃ、後悔は少なくて済むさ
>>759
…(――結婚したい)(^ω^ )
(微笑みを見て即これである。明らかに飢えている)
-
>>759
「……」 何故か自然と睨めっこ。 といっても首が疲れるからかすぐに目がそれてしまう。
>>760
「でも、最近になってようやくその友達が私のお母さんになることに気持ちの整理がつきそうだったのに、
送られてきた手紙に、体調不良を妊娠と勘違いしてという騒動が書かれてて……どう反応していいかわからなくて」
家出原因、家庭の事情。 しかも割りとアレな。
-
>>761
……なるほど(^ω^ )
(――……しかし友達がママって何か禁断的な物を感じなくもなくも…(^ω^ )
(ぼやきは多分聞こえなかっただろう、うん)
-
>>760
こちらは、とてもにこにこしています。
窓割ってきたことも忘れて、(いい人だなぁ…)と書かれた文字をしょったオーラを出しています。
>>761
「?」
「……あ、もうこんな時間……。
あの、心配して下さって、ありがとうございました。
ここにきたばかりの方ですか?どうか、ゆっくりしていってくださいね」
すい、と席を立ち上がって微笑みかけた。
-
>>763
…くっ(^ω^;)
(あまりに邪気がなさ過ぎる所為で、トームは何も言えなかった!)
あ、ああ…もう行くのか?じゃ、じゃあ気をつけてな
(せめてこれぐらいしか言えない)
-
>>762
「納得済みですけど、それでもなんだか気持ちに整理がつかなくて……
私もこんな体ですし、ただでさえ年の差でご近所さんから変な目で見られているみたいなのに」
差別問題もあるようだが、真剣は真剣でも明後日の方向を向いたシリアスとはずれた事情だった。
>>763
「、いえいえそんな。 はい、私最近この街にきまして、名前はリゼッタといいます。
今後機会があればよろしくお願いします。 お気をつけて〜」
-
>>765
なぁに、そんな時は身も心も解き放てば良いのさ(^ω^ )
自分の衝動に身を任せ、行動すればおのずと何かが見えてくる……
(するすると上着を脱ぎ始め)
そう、この俺のように!!
( \/ / ̄\ <./| /| /\___
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// し' / /\  ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
(半裸で飛び出したところでマスターにはねられました)
-
>>766
唖然、唖然としか言いようの無い表情。 そして一言。
「痛く、ないのかな」 まず言うべきことはそこではない。
-
【広場】
「物凄く久しぶりの紙芝居だぁ!」 雪の中で騒いでいる人影。 バレンタイン用だったのか多種多様のチョコが入った紙袋も傍らにある。
「それでは始めよう、今回の物語は赤頭巾!」 この雪の中で人が全然いないのに迷い無く開始した。
「その狼はとても賢かった。獲物を喰らうとその記憶を得てより賢い生き物となり山のどの狼よりも狩りのうまい存在へ至るのにそう時間はかからなかった――」
赤頭巾にしては何やら不穏な冒頭。いつものことだが今回は最初から随分と変な方向に進んでいる。
「だが賢さとは時に愚かさと隣り合わせ。人を喰らい多くの記憶と感情を得た狼は、やがて命を奪うことを躊躇うようになった。当然ながら山の狼達はそれを蔑み狼は群を追い出された。人の知識により食せる植物を見つけて食い繋ぐも体が少しずつ弱っていくことは避けられなかった」
赤頭巾どこいった。狼の絵が描かれてた場面が2枚続きという赤頭巾に有るまじき始まり方。
-
>>768
「ふと、食欲を刺激する香りが狼の鼻に届いた。久しく見ていない人間の姿、それも今まで見たことの無い、人の知識で知るだけである少女の姿。命を奪う選択はないが、もし人里から離れて暮らす家があるのなら何か食べるものがあるかもしれない。空腹でぼやけた思考の中狼は気付かれぬよう赤い頭巾を被った少女の後をつける。耳に届く音が少女の歌声だと人の知識が教えてくれる」
ようやく赤頭巾の登場なのだが、元となった赤頭巾の事情やらがオールカットされている。
もう完全に狼が主役で赤頭巾は主役とは言いがたい流れだ。
「まるで歌声に誘われるかのように足を動かしていると嗅ぎ慣れない臭いを感じた。知識でしか知らない、人の家だ。しかし狼は人の家には近づけない。人にとって狼は恐怖の象徴でしかない。やがて少女が家を出て元来た道を帰っていくが、既に狼は動く気力をなくしていた。その家は周囲に畑も無く果物の樹も無く食べるものなど見当たらなかった」
人の家を前に地に伏せる狼が描かれる。今のところ4枚の絵の内3枚が赤頭巾不在で全てに狼が描かれている。
-
>>769
「目が覚めると目の前に少量ながら果物が置いてある。考えることもままならず林檎を噛み砕き腹に納めていく。林檎の入った手持ち籠にはあの少女の臭いと、嗅ぎ慣れない人間の臭いがした。いや、嗅ぎ慣れないといってもそれに覚えはあった。目の前の人の家から漂う臭いだ。目を向けていると都合よく家の扉が開いた。一人の老婆が狼を見やる。狼は手持ち籠を銜え狼と老婆の中間地点に置き、また元の場所へと戻った。怖がらせぬように狼は語りかける。「何故このような狼を助けた」と問いかければ言葉を話す狼に目を見開き「老い先短い身でも誰かを助けたいと思ったのよ」と驚きながらも狼を話し相手と認め返答した」
とうとう赤頭巾よりも後に登場したおばあさんの方が赤頭巾よりも先に台詞を貰う。明らかにもう赤頭巾の物語ではない。
-
>>770
「いつしか狼はその家の番をするようになった。あの時の少女が運ぶ果物も狼の分が増えた。獣から追い出された狼は人の領域で命をつないだ。だがそれも終わりを告げる。狼を助けた老婆はもう生きられない」
安楽椅子に座るおばあさんの傍らで伏せる狼の絵。むしろおばあさんと狼が仲良くなっているというのはどういったことなのだろうか。
「狼はあの日のように老婆に語りかける。『このような狼でも貴女の力になりたい、何か望みは無いか』そう問いかける狼に老婆は、初めて狼を頼る言葉を告げる。『あの娘を悲しませたくない』老婆の最初で最後の願いを叶える術は、狼の持つ中ではただの一つだけだった。その日狼は、自らに課した禁忌を破り、人に化ける力を手に入れた。肉を口にするのはこれで最後でありたいと願いながら咀嚼するそれは、狼が今まで口にしたことが無いほどに不味かった」
子供向けという言葉が迷子になった感のある物凄く嫌な展開。何故紙芝居でこのストーリーを作ったのか。
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>>771
「その家から番の獣が消え老婆は床に伏せるようになった。老婆が床に伏せても少女は変わらず家に足を運び果物を届けた。老婆はその度に気付かれてはならないと自分を戒め少女を決して悲しませないように精一杯の努力をした。それを少女が幸せに死ぬまで続けようと当然のように思っていた。変わらず存在し続けるということがどれだけ難しいのかを理解しないままに」
明らかに赤頭巾ではないがまだ平然と続けている。よくやるものだ。
「少女が家に来ない。それは微かに残る野性の勘がもたらす焦燥。老婆は先ほどまで床に伏せていたとは思えない速さで森を駆ける。いつしか老婆の姿は狼の特徴を色濃く残す姿へと変貌していた。嗅ぎ慣れない臭いとどこか懐かしい臭いが流れてくる方へと走り続け、その場所で足を止めた」
クライマックスが近づいてきたようだが、相変わらずの嫌な展開っぽい流れ。
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>>772
「その少女は血を流していた。一目でわかる。衣服は刃物で切り捨てられ、いつも少女のみにつけていた赤い頭巾だけが残るのみであり、少女の肌が打撲で紫色に変色している様すらはっきりと確認できる。脚のあたりは酷い雄の臭いが血の臭いすら覆い隠すほどに立ち上り、それ以上にその腹部に突き刺さった刃が流させる血の臭いが強烈な雄の臭いに負けないほどに漂っていた。獣としての本能が、もうこの少女は助からないと狼に教える。狼は老婆の願いを叶えられなかった」
雪が積もり人が全然いなくてよかったと思える内容になってきた。絵については明確な描写は避けられているが……
「少女が微かに目を開き、狼に問いかける。「おばあちゃん、なんでそんなに脚が大きいの?」狼は少女に駆け寄り答える。「それは、お前が困った時速く駆け寄ってやるためだ」と。再び少女は問いかける。「おばあちゃん、なんでそんなに腕が大きいの?」狼は跪き震える腕で少女を抱き上げ答える。「それは、お前を強く抱きしめるためだ」と。息を途切れさせながらも少女はまた問いかける。「おばあちゃん、なんでそんなに耳が大きいの?」狼は少女に顔を寄せて耳を澄ませながら答える。「それは、お前の声をよく聞く為だ」と。もう言葉を発さなくとも命が尽きてもおかしくないというのに、少女は問いかける事をやめない。「おばあちゃん、なんでそんなに目が大きいの?」狼は目から涙を流し少女の瞳を覗き込み答える。「それは、お前の姿をよく見るためだ」と。少女が、最後の問いかけをする。「おばあちゃん、なんでそんなに歯が大きいの?」狼は、再び禁忌を破るため、口を開く。「それは、お前を食べるためだ」と。最後の瞬間、狼の耳は少女の最後の言葉を聞いた。「おおかみさん、おばあちゃん、私は幸せだったよ、ありがとう」少女の言葉は、老婆と狼の約束を守った」
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>>773
「その森には魔女が住む。だからその森では嘘をついてはいけない。だからその森では約束を違えてはいけない。心優しい女性を不幸にしてはいけない。魔女の使役する狼が罪を犯した咎人を不幸にするだろう。赤い頭巾を被った魔女は、何かの義務であるかのように楽しげに果物を齧り、涙を流す」
元の話を改造してとんでもない話にしてこの終わり方、赤頭巾ファンの誰かが見ていたら間違いなく怒られていただろう。しかも何故この時期にやったのだろうか。
「さて紙芝居も終わったしチョコでも食べよう」 観客がいないと見てチョコを食べ始める。この雪の中で自由にも程がある。
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時計塔の上に、人影一つ。
其処から流れる声は独白か、懺悔か、それはきっと誰にも解らない。
「―――まあ結局、一人では何も出来なかった男が生み出せる結果はこんなものだろう」
「アスールやギルティアを始めとした友人達には助けられ続けた、庇って貰っていた」
「護ってあげたいと願ったツヴァイにもマリシアにも逆に護られていた」
「ずっと、誰かが居てくれたから俺は辛うじて歩けていた―――それにすら気付けなかったんだ、今更、上手く事が進む筈がない」
「けれど『みんなと一緒に居たい』と強く願った結果が『誰も隣にいなくなる』んだ―――本当に、世界は上手く出来ているよな」
普段よりも、幾分か寂しさを増した時計塔、その頂点に腰掛けて、物憂げな眼で街を眺めるのは一人の動屍人。
もう、誰がこの街に居るのかも解らない、友人達も大切な人も何処に行ったのか解らない、賑やかな毎日を覚えているから、日々が苦痛で仕方なかった。
けれど、思い出が強過ぎて、此処から離れる事も出来ない、そんな日常をどれだけ繰り返してきたのだろうか。
「……そんな空虚な日々を思い出す事なんて出来ないな、俺の中に残っているのは、あの日々だけなんだから」
自嘲気味に笑い、身体を横たえて夜空を見上げる、あの日々から何も変わっていないそれは、精魂が腐り果てた自分にとって、好きだと思える数少ないものだった。
「―――……逢いたいよ、また、みんなに」
その声は、夜空に吸い込まれて消えて、きっと誰にも届かない。
けれど、それでも口にしたかった、それは嘘偽りのない本心で、何よりも欲しかった未来で、未だに捨てきれない夢だったから。
//絡みたい方が居たらレスを下さい、ゆっくり絡みましょう。
//ただ、返信速度は遅くなると思いますのでご了承下さい。
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>>775
「おっ…やっぱりいたか」
彼の腰掛けた時計塔の頂より、少し下方。幽き青年に呼び掛ける声、有り。
「元気にしてたか…なんて、お前に言うのは少しおかしいかな?」
夜闇が作り出すシルエットを塔の僅かな光が照らし、現れたものは。下方から彼を覗き込む漆黒の瞳と月明かりを反射して星の様に煌めく、白銀色の長髪。
そして其処に予想していた者がいたことへの──喜びと憂いが混じった、複雑な微笑だった。
「久し振りだな、ベルン。」
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>>776
「いや、最悪の気分だったよ、とてもじゃないが元気とは程遠かった……だから助かるよ、ホレイト」
逢った回数はさほど多くないが、その声は未だに忘れてはいない、自分を気遣ってくれた相手の声だ、忘れやしない。
声のした方向に視線をやれば、想像通りの姿の人影、それを見て、青年は小さく笑んでみせる。
「ああ、久し振り―――本当に久し振りだ、だが、嬉しいよ」
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>>777
「ん、そう言って貰えると嬉しいな。」
"屍人"と"半天使"。二人の青年の間に緩やかに流れる夜風。ある意味対極の二人の道が、また少し、交差する。
「しかし、暇を見つけてまた来る…なんて言っときながら、またこんなに時間が空いてしまったな…あ、いや、忘れてた訳じゃないんだ本当に。この街に来るの自体久々なんだよ。それでもまあ…ごめんな」
ベルンを見上げたまま、少し焦って弁解する。彼の立場からして、そこまで嘘は言ってはいないのだが…ベルンがホレイトの立場を知っていなければ、あまり説得力は無いのかも知れない。
「取り敢えず、そっち行っていいか?」
ベルンの返事を聞くよりも早く、時計塔の中に頭が引っ込んだ。少し待てば、時計塔を駆け上がり、ベルンの側にまで歩み寄っているだろう。
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>>778
「……何だ、そんな事は一々気にする必要無いだろうに、約束を破った訳じゃないんだ」
「器の小ささには自信が有るが、そんな俺でも、忙しい中無理して俺の暇潰しに付き合わせようなんて思わないよ」
拍子抜けしたような、呆れたような、そんな声色での返答。
関わった時間が長い訳でもない、特別に気が合ったりした訳でもないが、それでも。
青年はホレイトの事を、友人、或いは親しい知人として認識している―――当然、一方通行で相手がそう思ってはいない可能性も考えはしたが。
兎も角、そんな些事で気分を害する程の“他人”な関係ではないと認識しているのだ。
「雑談に付き合ってくれるなら喜んで、どうせ暇を持て余している訳だし、隣に居てくれた人は―――いや、余計か」
「まあ、俺が拒む理由は無いよ、好きにしてくれ」
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>>779
時計塔の最上。青年は身軽な動きで其処へと辿り着き、ベルンの隣へと、腰掛ける。
「…ん、分かった。けどな、"付き合わされて"るんじゃなくて、"俺が好きで"やってるんだ、俺がお前と話したいから此処に居るんだよ。お前の友人としてさ。」
ベルンと再会し、ベルンの後悔や未練の片鱗を垣間見たあの日に抱いた、歩を共にしたいという想いは、今でも揺るがず、消えてはいない。
──其は憐れみと思われるだろうか。
──其は偽善だと思われるだろうか。
──其は押し付けがましいと思われるだろうか。
──喩えそうだったとして、そう思われたとして、彼のやることは、きっと変わらない。
「隣に居てくれた人…か、その様子じゃ、まだお前の未練は晴れてない…みたいだな」
余り踏み込んで欲しくない話題なのかも知れないが、敢えて、聞いてみる。
「な、ベルン。お前の周りには、どんな人達がいたんだ?」
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>>780
「そうか……なら、さっきの俺の応対は最悪だったかもしれないな、侮辱してるようなものじゃないか――」
「――っと、これもまた同じだな、わざわざ話に来てくれたのに、自虐していても仕方がない」
彼の思いは自分への憐れみだと思わない事はない。
彼の行動は只の偽善だと感じない事もない。
ただ、それでも、それよりも。
その彼の言動も思いも、自分にとって、確かに“嬉しい”と思えるものだった。
「……晴れないさ、こればかりは、身内を殺されたから復讐したい、みたいな分かり易いものじゃない」
それならば、加害者を追い詰めて殺せば未練は晴れたのだろう。
誰かを傷つける事で満たされるような生温い未練なら、それだけで良かったのに。
「ただ、この街で過ごしていたホレイトなら、多分知っている人達だとも思うんだよな……」
「まあ良いか、だから、何となく検討がつく人が居たら『多分彼奴だな』とでも思っておいてくれ」
「スキマな召喚師が居て、俺が思い人を“邪魔だから”と殺したのに、俺を心配してくれた旅人がいて、我が儘なのか親切なのか良く解らない女の子が居て……」
「……そんな印象的な連中の他にも、良い人達が沢山居たよ、本当に沢山居た……それに、何よりも、俺が道を間違えても、それでも信じ続けてくれていて」
「俺が死んで、こっちから半ば消え去った時にも、一人だけ泣いてくれて、忘れないでいてくれた―――俺が気付かないだけで、誰よりも俺を助けてくれていた、妹みたいな女の子が居た」
忘れられる訳がない、この未練は消せる訳がない―――否、消させない、と、語る声は、半ば嘆くような声。
輝かしかった日々は消えるもの、変わらない事なんて存在しない、そう知っていたけれど。
それでも、捨てられない思いは確かに存在し続けていた。
そしてそれが、誰よりも何よりも自分を縛る鎖となる。
それは理解していても拭えない、離れない、壊れない、限りなき完全な呪縛。
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>>781
「っはは、その点では俺も同じだったから…お相子ってことで。」
そう言って少し笑った後、また、真剣にベルンの話を聞く表情に、戻り。
彼が挙げる人々の特徴は、分かる者もあれば、分からない者もあった。
──最も、名前を聞けば理解出来た者も居たのだが、少なくとも今は、それは青年の知るよしではない。
それでも、ベルンの隣には。沢山の心を許せる仲間がいたのだと、十分に分かった。
「本当に、本当に良い人達が一緒に居てくれたんだな。けど…それが優しければ優しいほど、過去は美しすぎるように映ってしまうもんな…」
──皆が今でも"いて"くれたのなら、彼も少しは救われたのだろうか。
ホレイトがベルンを支え、導き、共に歩んできた人達の様になれるとしても──それには長い時間が、必要になるのだろう。
「お前を縛る未練(くさり)を解くという事は、お前の中に残った大切なものを完全に捨て去る…そういう訳だ、難しいよな」
けれど、けれどきっと。このままではあまりにも
ベルンは、救われない
幸せに、なれない
そう、言葉を続けた。
-
>>782
「ああ、思い出として美化されている部分も多々有るんだろうが、それを含めて考えても……矢張り綺麗だったと思うよ」
「だから、捨てられないんだ、所詮は思い出だと解っても、俺が拘り続けた所で今更何も変わらないと知っていても」
「それを捨てれば、俺は俺じゃなくなってしまうから、俺が死んだ筈なのに“今”此処に存在するのは、その日々が有ったから、皆の居る場所に居たいと願ったからだから」
何度自問自答を繰り返したのか解らない、その答えは自分でも導く事は出来た。
だが、解答が解っていても、其処に進めるかどうか、その道を選べるかは解らない。
「それに、敢えて言わなかったけど、一番の理由も有る」
「―――あの子は皆の記憶から消えていったんだ、あの子は矛盾した存在だったから」
「人を観察するのか、見守るのか、調停するのか、解らないが、そういう立場に選ばれてしまったから」
「でも、俺はこの世界にもう居ない人間だから、記憶を失わなかった、あの子が、あの子が大好きな街に居た事を覚えていられた」
「だから、肉体が朽ちても、魂が磨耗しても―――俺は、忘れない、何が有っても“絶対”に忘れない」
「そう、誓ったんだ、あの子が万が一此処に顔を出した時に、好きだった世界の事と、積み重ねた思い出を語る位は出来るようになろうと」
「ずっと、ずっと、ずっと救って貰っていたから、せめて―――この世界での居場所になってやろうと、誓ったから」
「だから、忘れられないんだ、忘れる訳にはいかないんだ、それが俺の止まる理由、無様に生きながらえた理由だから」
今の俺の全てはあの子の為に有るんだ―――そう言い切る青年は、ある意味では既に理性を失っているのかもしれない。
その思いが純粋過ぎる故に、その祈りが真実故に、その親愛が本物故に、救えない程に歪んでいる。
「……嘲笑ってくれて構わない、俺が蘇った事を喜んでくれたあの子は、俺がこんな形で第二の人生を潰そうとしている事を望まないのは……解って、いるんだ……」
-
>>783
「…俺がもし、お前の立場だとしても、それを受け入れるのは簡単じゃないと思う。"次"があっても、それが幸せだとは限らないし、自分が消えてしまうのはとても、とても怖いよ」
「軽々しく捨てられる程度の、なんてことはないつもりだ。けどさ、どんな物語にもピリオドはやってくるものだから」
それがそもそも、仮定の話であるから、もしかするとこのような意見になるのかも知れない。
「俺は死んでもきっと、"終われない"から。昔は自ら命を投げ出すようなこともしたけどさ、本当、人なんてどうなるか分からないものだ。」
其の魂に、其の存在に、深く深く突き刺さった"呪"は、未だ、解けぬままで。
そして再び、口を開こうとしたが──ベルンの此処に居る"最たる理由"に、直ぐには、言葉が出なかった。
「なら、俺はきっとその子が居たことすら、思い出せないんだろうな…仲がよかったのか、話したことすら少ないのか、そもそも知らなかったのか分からない、その子を」
「笑わないさベルン、今のお前の全ては…その子の為にあると言うんだな。」
-
>>784
「友人でも結局、俺とお前は他人だ、どんな気持ちで何をしたいのか、何を願うのか、解らない事は有る――だから、ありがとう」
「俺の語った言葉を、軽々しく否定も肯定もしないで、自分の思いを語ってくれる、その解答は本当に嬉しく思うよ」
仮定の話を元にして、自分だったらどう思うかを語ったホレイトの解答は、青年にとってとても有り難いものだった。
もし“その気持ちは分かる”なんて言葉を返された場合、それをベルン=ベルクという人間は赦さないだろう。
この痛みの重さも、抱えた無念も、簡単に語られて良い物ではない、それに何より、痛みを知るならそんな言葉は放てない。
この思いを否定された場合は言わずもがな、全てを否定される事を青年は赦す筈も無く、怒りを隠す事無く、敵意をホレイトに叩き付けただろう。
「……終われない、か、良かったらそっちの話も聞かせてくれないか、思えば俺の話を聞いてくれた事は有ったが、そっちの話は何も聞いていない」
「それじゃあ、友人と呼ぶにはあまりにも寂しすぎるから、今でも、また別の気が向いた時でも構わない、語って貰えたら嬉しいと思う」
だが、そうはならず、青年の口から出た言葉は、ホレイトの抱えた何かに興味を――好奇心とはまた異なる、彼が抱えた何かに関わりたいと思った言葉。
ホレイトという友人に対して、何かを感じた事を示す言葉。
そしてそれは、今日始めて放たれた、青年の過去とは無縁の事に、青年が意識を向けた言葉でもあった。
「ああ、そうだ、俺はあの子に救われた、あの子が、この世界で只一人、俺の死を思ってくれたから」
「だから、俺は魂の最期を孤独で終えずに済んだばかりか、側に居たいと思えて―――この街に帰ってこれた」
「なんて、大層な理由は要らないかもしれないな、結局俺は、自分を慕ってくれたあの子が可愛かったから、その側の居心地が良かったから」
「だから、其処に居たかった、暖かい時間が欲しくて、それを求めていただけかもしれないからな」
血なんて繋がっている訳も無いのに、酷いシスコンだった、と、今更苦笑いしたくなる。
今更気付いた所で、何も変わらないのに―――帰ってくるかどうかはあの子次第だというのに。
-
【時計塔】
壁│<…。
(こ、こっそり夜の風景とか見えるかな〜と思って来てみたら人がいらっしゃった…)
(と思いながら、なぜか柱の陰にコソコソ隠れて先客の様子を伺っている…)
(よくよく見ると帽子がぴょこんと飛び出ているので、傍から見たらバレバレかもしれない)
-
【時計塔】
Torm
≪よかろう、蹴り落とせるものなら落として見ろ≫
────────=i〒i=────────
∠ニエニヽ◎ニ⊃、
. / . | )ニニニ=ー-. /|
/ (^ω^ ) | r‐ュ r‐ュ `ー--、/ .|
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ |「「| |「「| /ニニニニコ
. ( ⊆ ○ ⊇ ノ__ノノ__ノ ,___,,ノ
\_______:::::::―''''"( ()
(;;() (;;() バリバリバリバリ
-
>>785
「お前の想いはお前のものだよ。俺が軽々しく意見して見直す程度なら、お前はきっとこんなにも苦しんでないだろう?」
とは言え、その言葉を聞いてホッとした自分が居るのも確かである。相談に乗っていると思わず少し説教臭くなってしまうという悩みも、ほんの僅かに抱えていたから。
「いいじゃないか、その子がとても大切だから。そんな誰かを想う根元的な気持ち。その子もきっと、お前の想いに幸せを感じてくれてたはずさ」
ベルンの話を聞いて、少し微笑ましくなった。これがきっと、ベルンの着飾らない姿の一つなんだなと想う。
「そう、だな。俺ばっかり質問してばっかりで少し不公平だよな」
けど、この"呪"の話をするからには、自分の"本来の姿"をベルンに教える必要があるということである。
少しの間、眼を閉じて悩み。やがて、ゆっくりと開く。
「なあ、ベルン。ひとつだけ約束してくれないかな」
「俺のどんな姿を見ても、俺は今のままで、決してお前を裏切りはしないってこと、信じてほしいんだ。」
嘘を交えて誤魔化してもよかった。だけど、ベルンにそんなことをしたら、きっともう、自分を許せない。
-
「Σわあああーーーーっ!?なななな何あれーーー!?」
(突如現れたヘリコプターに腰を抜かしている!めちゃくちゃビビっている!)
「ま、まさかあれが幻の古代兵器…!?」
(ちがうぞ!)
-
>>786
二人の青年が並んで、話をしている中で、一人がふと、後ろを向く。
「誰か、いるのか?」
その口調には、警戒というよりは、語り掛ける様に。
そして次の言葉を紡ごうとした、瞬間
>>787
「え、トーム様?」
自分が思ったよりも落ち着いてることに、一番驚いた
-
>>789
「その通り…これぞ幻の古代兵器だ!!(^ω^ )」
(※トームの勘違い)
>>790
慣れとは恐ろしい
「この俺がいないと思ってシリアスに浸るとは笑止千万(^ω^ )
貴様等を涅槃の彼方まで逝かせてやろう」
恐らく言っていることの殆どは、本人すらよく分かっていない。
-
>>787
「畜生、世界の理とか長々と語った俺を冒涜するかの如く、極々自然にイレギュラーな登場をしやがる……」
「……だが、負ける訳にはいかない、お前に屈する事は、世界観の崩壊を意味するから」
「だから……消えろ、イレギュラー!」
時計塔の端から跳躍、脚から紫炎を吹き出しながら虚空を駆け抜けて、空を踏み台に放たれるのは必殺の“閃光魔術”。
ヘリコプターの横腹に食らいつくのは、死を内包する紫炎を纏った、理不尽な“絶対死”の膝蹴り。
それは、ギャグ時空を打ち抜けるのか―――まあ、結果は兎も角、膝蹴りの反動で青年は吹き飛び、時計塔に舞い戻って。
>>788
「……嗚呼、そうだな、仮にどう言われても、悩みはそう簡単に消えはしなかっただろう」
「だから、第三者にそう言って貰えるのは助かるよ、俺は、俺の出来る限りをやったけれど、多くの人を不幸にした」
「だから、彼女に喜んで貰えたかどうか、一人では確かめる事も、都合良く考える事も出来なかったから」
何事も無かったようにシリアストークを再会した。
「……何を阿呆な事を、どんな姿だろうと今更信じる事は止められない――何よりそもそも、今の俺自体が“くさったしたい”の一歩手前なんだぞ?」
他人の事を言える立場じゃない、寧ろ、自分の方が遙かに酷い気すらする位だ。
今更、そんな事は気にしようとも思えなかった。
>>789
「―――昔話をし過ぎて幻聴が聞こえるようになったか、酷く懐かしい声があっちからした気がするんだけど……」
声だけで何が居るのか、何となく解った気がするが、それでも確認せずには居られない。
自分の感覚が間違っていなければ、其処には友人が居るのだから。
-
>>790 >>792
(ヘリコプターにびっくりした拍子に、壁からどべっと姿を現す)
(尻もちをつきながら呆然とした顔をしている少女はたしか、ずっと昔に名を交わし合っただろうか)
「Σはいっ!!あ、あ、え、えっと、そ、その、…こ、こんばんは〜…」
(語りかけてくれるようなその口調に思わず、銀髪を揺らしながらにへらと笑った)
>>791
「Σえええええ!?ほ、ほんとうに…っ!?うわああ、すごい、うわああ!」
(違 う ぞ !)
「って、あ、あなたはまさかこの間カフェで出会った…!」
(勝手にガァーンとしている)
-
>>793
「ふふ、いつぶりだったかな(^ω^ )
そう俺だよ、トームだよ!」
「確かエリンと言ったな。
今日この場にいる事を不運と思いながら、涅槃の彼方へ逝(ry」
(男の手が、トリガーをまさぐったかと思った瞬間、紫炎を纏う閃光とも言うべき何かが…)
>>793
「これは酷い(^ω^ )」
台詞の後には1秒も要していない。暗闇を大きく照らす光を伴い、それは爆散した。
幻の古代兵器(勘違い)、その残骸たちは纏う紫炎によって溶けながら、夜の闇に降り注いでは消えて行った。
それはまるで、一瞬花咲かせた花火の如く、見えないものとなった。
そんな意味不明な解説と残骸に混じり、一人の男が時計塔の真下へと落下していくのが見えたのはどうでもいいことだ。
-
おっと、下のレスは>>792宛てだった
-
>>791
「トーム様、一体なんで」
此処に。と続けようとしたのだが、それよりも早くベルンの一撃がトームへと向かうのが見え
「(あぁ、でもまあトーム様なら大丈夫かなぁ)」
とか思っていた。
>>792
「何も知らない俺が言うのもなんだけどさ、心からそう思うよ。立場上色んな人に関わってるからさ、ちょっとは信用してもらってもいいかな…なんて。」
そう続けた後、一呼吸置いて
「そう言って貰えて助かるよ…じゃあ」
刹那、ホレイトを取り巻いたのは光の奔流。其が彼を完全に隠した後──光の繭を破った"それ"は
背中より広がった一対の光翼と、頭上に輝く光の輪。
豪──と時計塔に風が靡き。"聖"の神力を纏った青年が、其処に居た。
「見ての通り、俺は本当は人間じゃあ、ないんだ。」
その姿はきっと、誰もが知っている"神の御使"そのものに、映るだろう。
>>793
「えっと、お前は──」
その姿のまま、目の前の銀の髪を靡かせる彼女をじっと見て、何かを考え込んだ後。
「エ…リン。そうだ、エリン。」
青年の頭の中で、ぱっと彼女に関する思い出が、蘇る。
「今晩は──そして、久し振り。」
本当に、何年ぶりだろうか。
-
>>794
「そ、そうだトームさん…!!
え?ね、ねはん?な、なn……Σうわあああ!?」
(目の前で繰り広げられる死闘(?)にただ声を上げるばかりだ!)
「と、トームさん!!トームさん!!あああ……なんてこと……」
(墜落した先を時計塔の上から見下ろしながら、己の無力に嘆き顔を覆うばかりであった…)
>>796
「あ……名前、覚えていて下さったんですね……!
えへへ、はい、そうです、エリンです……っ、あなたは、ホレイトさんですよねっ。確か、アシュレイさんのお知り合いの……」
(名前を呼ばれて、嬉しそうににこにこと無邪気な笑顔を向ける)
「はい、本当に……お久しぶりです。お元気でしたか?もう、すっかりご無沙汰してしまって……。
……お会いできて、ほんとうに、嬉しいです」
-
>>796
「馬鹿め……ヘリ越しにこの俺が仕留められると思ったか…!?(^ω^#)」
ヘリの中身は見事に風を操ることで地上への衝突を避けていた。ホレイトの考える通り、心配する必要すらないゴキブリ並の生命力。
軽く一息吐くように、地面へと緩やかに降り立つ。しかし、その表情は、先程とは打って変わって穏やかなものとなっていた。
「…………やれやれ」
そうして見上げれば、時計塔上部に光が覗いているのが分かった。
微苦笑すらその顔に刻んで、微かに細めた目でその光を見据えていた。正しくは、その光の中心にいるであろう
男を〝視ていた〟のだ。
「相変わらず不器用な奴だな、あいつは。…まぁ〝お前〟程じゃねぇだろうが」
何かを思い懐かしむような、そんな笑みはすぐに見えなくなってしまった。
「俺の出る幕じゃあなさそうだ。だとするならさっさと去るのが吉ってね」
「――ま、精々頑張りな。ホレイト、ベルン」
いつもの快活とも、不敵とも言える笑みを浮かべて聞こえぬエールを送る。
そんな台詞は、男の翻した身と共に夜の闇へと姿を消していた。
>>797
(^ω^ )(――また、会えるさ…)
こいつ直接脳内に語りかけてきたぞ
-
>>794
「よし、蹴り落とした!」
片手をぐっ、とガッツポーズ
その時の青年の表情は、やり遂げたというよりも、誓いを果たした、というような表情だったとか。
>>793
「……エリン、だよな、本当に懐かしい、というか、何時ぶりか解らない位久しいのに、変わらないなぁ……」
相変わらずの調子に、思わず笑いがこみ上げてくる。
彼女が覚えているかどうかは解らないが、マリシアと―――あの子と一緒にいた時にも、彼女はこんな感じだった。
>>794
「信用していなければ、こんな身の上ばなしはしないさ、話し相手に飢えているのは事実だけど、まだ分別は失っていない……と、思う」
そんな言葉を紡ぎながら、眼前で起こるホレイトの変化を見届ける、人としての姿から、明らかに其れと異なる姿への変容。
それを目の当たりにして、青年は、ゆっくりと口を開いて。
「―――……あれ、それだけ、か?」
-
>>798
「は…っ!?」
(頭に響く不思議な声。
-
(うわあ途中送信してしまいました申し訳ない…!>>800はミスです)
-
>>797
「思い出すのにちょっとだけ時間掛かっちゃったけどな…それはごめんな。」
彼女の柔らかな笑みを見るたびに、決して多くはないものの、少しずつ、少しずつ、思い出す。
「ん、そっちも覚えててくれて何よりだ。アシュレイ…その名前も、懐かしいよ。」
青年の人生を変え、導き、そして離れていった、最も尊敬し、そして、青年が乗り越え──亡き者にしてしまった騎士の名前。
彼の後を立派に継げているのだろうか──そんな考えは未だに、途切れることはなかった。
だから少しだけ、ほんの少しだけ、表情に陰りが、見えたかも知れない。
>>798
「やっぱりなぁ…」
なんというか、改めてトームへの尊敬の様な畏怖の様な呆れの様な、よく分からない思いが増していくばかりであった。取り敢えず手を振って。
──彼の激励は、ホレイトには聞こえることはなかったけれど。応援してくれることは、彼にとってとても幸せなこと、なのだ。
>>799
「よかった。それだけの信用は得られてるって事だよな、ありがとう。」
改めてベルンに例を言った後、光翼を少し、揺らして。
「あぁ、"これだけ"だよ。けどさ、あんまりこの姿、見られたくないんだよ…あくまで普通の人間として、接して欲しいから。それとも、もっと凄い化物になるの、想像してたか?」
そんな風に戯けて喋るその姿は、殆ど人間のそれと、変わりはない。
「そんなわけで…俺は人間と天使の間に生まれた"半天使"、考えてみると俺って中々よく分からないよな、人間と天使の間に子が生まれる事自体、おかしなもんだしさ。」
「つまりだな…ええと、俺は天使としてお前を"還したい"とかそういうことじゃあなくて、あくまで友人として、お前を少しでも楽にしてあげたいと…そういうこと、で。」
少々しどろもどろになってしまったが、確かに今伝えたいことは、伝えられた。
-
【自宅】
(^ω^ ) <さて…俺の役割は済んだ…
((=====)) 後はなるようになるさ。そうだろう、アシュレイ?
__ ((⌒(⌒ ))@))
/\ ̄ ̄し' ̄ ̄ ̄\
 ̄ ̄ ̄ ̄| | ̄ ̄ ̄ ̄
| |
/ \
-
>>798
「は…っ!?」
(頭に響く不思議な声…それは幻聴だったのだろうか…いや…違う…)
(このあと、少女とトーム様の再会の約束を遂げる壮大な物語が始まりそうで始まらなかった)
>>799
「はいっ、本当に、本当にお久しぶりです…!」
(見知った人物との再会に、思わず目元を潤ませて)
「…あ、やだ、えへへ、つ、つい…、
ベルンさんも、本当にお変わりなくて…、ぼ、ボクも変わってないですか?」
(おっぱいの大きさは相変わらずちっさいのが残念である)
「あ、そうだ、マリシアちゃんは元気ですか?お花屋さん、まだあるのかな…最近、そっちの方にも行っていなくて。」
-
>>802
「いいえ!」
(名前を呼んでくれたこと、ただそれだけでぱっと花が咲いたような笑顔を見せて)
「そうですね…、お話しできたときが、もうほんとうに昔のことのようで…、まだ、お元気なんでしょうか…」
(彼の騎士に何があって、どういう結末を迎えたのか、彼女はその内実を知らぬ者だった)
(だからこそたまたま最近姿を見ない知人を思い懐かしむような表情で)
「アシュレイさんにもまた…会えたら嬉しいですね。ボク、ホレイトさんといつもいっしょに、アシュレイさんを思い出せるんです。」
(彼の不安と陰りを、知ってか知らずかは定かではない)
(ただ、その笑顔は暖かく包みこむ毛布のようだった)
-
>>802
「信用を得られてる、って言い方は微妙な気がするな、お前の言動を見て信用してもいい、と思ったんだ」
「信用させたのはそっちだし、俺は俺の意志で信用したいと思ったからこうしてる、礼なんて必要ないさ」
寧ろ、そうすることで楽になれた此方が礼を言いたいくらいだ。
「……んー、何と言えばいいのか、思っていたよりも普通だったな、と言うべきか」
「異世界の人間やら、半霊やら、吸血鬼やら、この街で沢山出逢ったよ、だから、今更知り合いに天使が増えても……なあ?」
驚ける要素が既に無かった、この街での様々な出会いはそれだけ色濃く、この青年の心を塗っている。
それが、その色達が一気に欠けた結果が、今の青年なのだが。
「……安心してくれ、何度も言うが、信用しているんだ」
>>804
「ああ、うん、何も変わっていない、良い意味で相変わらずだ……あと、外見的にも」
ぼそり、と何か付け足した気がする。
けれど、ベルンのそんな調子も、エリンの最後の言葉を引き金に、砕け散る。
「―――エリン、まだ、マリシアを覚えているんだな……そうか、それは、本当に良かった」
-
>>885
彼女の暖かな笑顔を見て、けして少なくない躊躇いが、生まれる。
けど、それでも、エリンには──そして、ベルンには知る権利が、あると思った。
「…残念だけどさ、彼奴にはもう──会えないと思う。」
「俺は彼奴の、アシュレイの最期に見あったから…いや、彼奴に止めを刺したのは、俺だから。」
喩え必要だったことだとしても。責められる覚悟も罵られる覚悟も、ある
けれど、その表情は本当に、辛そうなものであった。
>>886
「今度は此方が失礼をしてしまったみたいだな…分かったよ。」
陰りは未だに見え隠れするものの、ベルンに再び向き合った青年は、微笑を浮かべて。
「まぁ、そうだよな。この街で過ごせばこれくらいじゃ驚くこともないと思うが…驚かせる事が目的じゃないから、問題無いよ。ただ、俺の"呪"を話すには、俺の存在を知っていることが、前提だからさ」
本当に色々な存在が混じりあった場所だった。そんな事を思い、一息吐いてから、話を続ける。
「取り敢えずこの姿は解くよ、あまりベルンには良いものじゃないと思うし、今は特にこの姿を維持する必要も無いしさ。」
所謂"天使形態"は、常に聖光を纏い、辺りを照らす。
屍人にはその力は、毒になり得ると、判断した。
「ええと、結論から言うとだな…俺の存在は"彼岸"に縛られてるんだよ、そういう"呪"。"神殺し"、だったかな」
本人にもあまり詳細はよく分かっていない──が、存在で、魂で、それはよく思い知らされた。
-
>>807追記
「マリ…シア?ええとそれが…ベルンの大切な"あの子"の名前?」
残念ながら──その名前を聞いても思い出すことは出来なかった。
元々、殆ど関わっていないというのもあるのだが。
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>>806
(なぜマリシアの記憶がまだ残っているのか、理由はわからない)
(特殊な何かが起きたのかもしれないし、ただの偶然の産物かもしれない)
(細かいことは、わからないけれど)
「うん?はい、もちろん覚えていますよ!
お花屋さんの子で、お母さんは確かリリアさん…お母さんは、お洋服が好きな人でしたね。
マリシアちゃんは大人しくて、とても礼儀正しい子で…」
(目の前の少女は、ただ懐かしそうな眼で)
(やわらかい思い出を語った)
>>807
「 え?」
(人の頭は、あまりに突飛な現実を突きつけられると、理解するのにしばらく時間がかかる)
(しかし、告げた相手の表情が決して嘘でも冗談でもないことを切に伝えていた)
(ゆっくりと、じわじわと言葉の意味を咀嚼して、何か言わなくてはいけないことを思い出して)
(ようやくつぶやけた、かすれ声)
「… …どう して … …?」
-
>>807
「そうだな、光に晒されたら灰になる……って程脆くはないが、息苦しいのは確かだからな」
質問に対しては肯定、彼が纏う光によって、彼を嫌悪する事は無いが、出来れば無い方が良い事は間違いない。
「彼岸に縛られる呪い……か、本当に、俺は彼岸やら幽世やら、あっち側の世界に縁が有るみたいだな」
「……一応、無駄を承知で聞くが、手伝える事はないか教えてくれないか」
「尤も、お前にも仲間は沢山居るみたいだし、それでその呪いが健在って事は、そういう事なんだろうとは思うが」
そんな事情を抱えていながら、周りの人間が手を貸さない訳がない、友人が居ない孤独な人間ならそれも解るが。
どうみても、眼前の彼はそんな人間には見えなかった。
>>808
「……はは、ははは、ははははははははっ、そうか、君はまだ覚えているんだね――彼女の、マリシアの事を」
―――良かった、と、安堵しきったような表情を見せる、何故そうなったのかは解らないが、それは有り難い事この上無い。
彼女に素質が有るのか、彼女がスキマな召喚師の影響で幽世のような異界に馴染んでいるからか、彼女がマリシアを知る切っ掛けが“自分”というイレギュラーを経由したからか。
何かは解らないが、今はどうでも良い、覚えていてくれるならそれは、本当に素晴らしい事だ。
「だったら、俺からお願いが有るんだ、あの子の事を絶対に忘れないでくれないか……きっと、そうなら、帰ってきた時にあの子は喜ぶだろうから」
「きっと、街のみんなも、母親であるリリアさんすらももうマリシアの事を覚えているか解らないから―――頼んだよ、エリン」
「彼女は、立場が変わってしまって気軽に此処に来れなくなってしまった、けど、中身は優しいマリシアのままなんだ」
「……だから、頼むよ、エリン」
-
>>809
「もう5年くらい前になるかな…エリンはさ、セントナード王国の"神々の委員会"襲撃騒動って、覚えてるか?」
王家の秘宝を目的に、委員会地の四天王ナイト・アースの大隊がセントナード王国を襲撃した出来事──当時も大きく報道されていたので、直接関係したことのない人でも、名前くらいは知っているかもしれない。
「SCも警護に向かってさ、俺は代表として、"ヒーローズ"として、指揮官である地の四天王を叩きに行ったんだけどさ…その四天王、ナイト・アースの正体が、行方不明になった元SCトップのアシュレイだった…なんて言ったら、エリンは信じてくれるか?」
突拍子もない事を淡々と話す彼のその瞳は、夜闇よりも黒く暗く。まるでそれが昨日の事であったかの様に、今でもあの日の事は、鮮明に思い出せる。
>>810
ベルンの返答を聞き終えると共に、硝子が砕けるかの如く、光の翼と輪が、空に散る。キラキラと闇に輝いていた其も、すぐに、闇に溶けた。
「俺も自分なりに調べてみたつもりなんだけどな…色々な大陸や街の文献や知り合いに話を聞いてみて、漸く分かったのは"神殺し"の名前と"呪"の簡単な詳細だけだった。」
「解呪しようとも試みたけど、流石は神を対象にした物と言うか…生半可なものじゃ、"触れる"ことすら敵わなかった」
自分の胸に手を当てて、伏し目がちにそう答える。唯一この"呪"に関わっていたことが明らかな者の足取りも掴むことが出来ず──途切れてしまった。
「だから、俺からは何をどうしてもらったらいいのか分からないんだ…けど、手伝ってくれる意思を見せてくれただけでもとても、嬉しい。」
そう言って微笑む彼に少しだけ、諦念の陰りが差していたのはきっと、気のせいではない。
「"天使"には寿命なんて概念はないが俺は"半天使"だから、一応のタイムリミットはあるけど、それでも人よりはずっとずっと永い時間があるから、それまでには必ず解いてみせるよ。」
彼が二十歳程の見た目から変わっていくのも、遥かな時間を掛けるだろう。
その存在を隠し通すのにも、限界がある。
-
>>810
「……覚えているか、わからない……?」
(母親でさえ、と、今この青年は言っただろうか?)
(ごく当たり前に、記憶にある幼い女の子を語っていただけだったのに)
(一体何が、起きてしまったのか)
「絶対に…、忘れない…」
(あとに続いた、繰り返される『頼む』という言葉に)
(只事ではないということと、何か重大な約束事が結ばれようとしていることだけは理解できた)
(ずっと忘れないということは、素敵なことだと思う)
(ゆっくりベルンの眼を見据えて、少女は意を決した)
「それは、ボクには、できません」
「……ごめん、なさい。あなたの願いは、叶えてあげたい、
けれど、それは、ボクには、できません。」
-
>>811
(少女の蒼い瞳は、受け止め切れない事実を前に硬直している)
(途方もない大きさの話が淡々と紡がれていることが、逆に真実味を帯びていた)
(SCという立場がある者であり、アシュレイの友人であるホレイト)
(対して、あまりに小さき者である少女は、しばらく言葉を発することができなかった)
(それでも この話は 最後まで 聞かなくては)
「……討たなくては……命を落とさなければ、ならないこと、だったんですか……?」
(声は震えている)
-
>>811
「……そうか、解ったよ、流石に本人が何をどうしたら良いか解らない事を、数回会っただけの俺には解決出来る気がしない」
「それと同じように、諦めか絶望か、何か解らないが抱えている感情に触れる事も出来る気がしないんだ」
「もう少しホレイトの事を知っていたら話は別だろうが―――今の俺が知っている事は、今お前自身から語られた事くらい、とてもじゃないが、お前の為に何か出来る状態じゃない」
「―――けれど、そうだな、気分か状況が変わって、其れをどうにかして解決したい日が来てしまうか、俺を本当が意味での友人に成れる日が来たなら、その時には力を貸すよ」
「森羅万象、有象無象、全てにに死を与える紫色の焔――紫炎剣ストラトキャスター、誰かを救うには不釣り合いな武器だが、力は間違いなく一級品だ、何かに転用する事も無理ではないだろう」
「だから、もしも、助けが欲しくなった時には声を掛けてくれ、友人の頼みなら、その時には二つ返事で応じるからさ」
>>812
「ああ、確かにそう言ったよ、流石に怖くて真偽は確認出来ていないけれど、マリシア本人がそう言っていた」
「……冗談だと思いたいけれど、そんな事は無いだろうね、あの子が嘘を吐くとは考えにくいし―――あの表情は、嘘偽りを並べてる顔には見えなかったよ」
自分はあの少女の事を信頼している、もしかしたら、それを通り越して心酔しているのかもしれない。
だが、その内容は信じるには余りにも残酷すぎる話で、自分でも容易には信用出来なかった、したくなかった。
「……出来ない、か、いや、文句を言うつもりは無いよ、その気が無くても都合の良い返事は出来る」
「けれど、それをしなかったのは、出来ないと此処で明言してくれたのは、エリンが誠実な人間の証拠だろうからね」
「だから、理由を教えて貰っても良いかな――――文句はないし、考えを改めろなんて台詞を吐く気も無いけれど……」
「……その言葉だけで“納得”する事は、とてもじゃないが俺には出来ないから」
-
>>814
「…忘れない、ということは、美しいことだと思います」
「ボクも、もちろんマリシアちゃんのことを忘れたいわけではありません。あの女の子のことは、大切な思い出です」
「でも…、でも、『ずっと』忘れないということは、なにか、なにかが閉ざされてしまっていませんか?
本当にそれはよいことですか?本当に?
だって、ベルンさん、何かがおかしくありませんか?
あなたに最後に会ってからすごく時間が経っているはずなのに、ボクもあなたも『何も変わっていない』んですよ!
どうして!?いなくなった人がたくさんいるはずなのに、ボクたちは『何も変わっていない』!
ただマリシアちゃんを忘れないことを約束できないわけじゃ、ないんです!
何かが確かに変わっているはずなのに、ボクたちは変 わ っ て い な い!」
「ベルン、さん、あなた、あなたの時間は、本当に進んでいますか?それとも――」
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【カフェ】
( \/ / ̄\ <./| /| /\___
ヽ/ /^o^/⌒ヽ / .| / / / //
/ /\/ ,ヘ i  ̄ > \_/ /____//
し' \_/ i />  ̄ ̄ ̄ ̄
i⌒ヽ ./  ̄>__ .|| |::
/⌒ヽ i i \( .|/ / /\ .|| |::
i | /ヽ ヽ ∠__/  ̄ .|| |::
ヽ ヽ| |、 \_ノ > <> || |:: (――思ったよりもやる事がなかったので
\| )  ̄ ./V ___ ..|| |:: お茶を飲みに来ました!全裸で!)
____ .ノ ./⌒)∧ / ...____[__||__]___||___
/ し'.ヽ ( .∨ /\________|__|
// し' / /\  ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
それなら普通に入店しろとマスターに首を180度回転させられました。
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>>813
「…俺だって止めるだけにしたかったさ!だけど彼奴は本気だった!本気で王国を、皆を、俺達を倒しに来ていた!甘えた考えで止められる相手じゃあ、なかった!」
俯きがちな表情から、一転。其は感情を吐き捨てる様に、荒々しく。
「俺はSCのトップとして皆を護る責任があって!決断を迫られれば最善の選択をしなけりゃいけなくて…っ!」
有り得ないほど、辛かった。その時まで…いや、今までで見ても、最も、辛い"選択"であった。
「…けどさ、彼奴最期に教えてくれたんだ。自分は"委員会"からせかいを」
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中:オウフ途中送信
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>>813
「…俺だって止めるだけにしたかったさ!だけど彼奴は本気だった!本気で王国を、皆を、俺達を倒しに来ていた!甘えた考えで止められる相手じゃあ、なかった!」
俯きがちな表情から、一転。其は感情を吐き捨てる様に、荒々しく。
「俺はSCのトップとして皆を護る責任があって!決断を迫られれば最善の選択をしなけりゃいけなくて…っ!」
有り得ないほど、辛かった。その時まで…いや、今までで見ても、最も、辛い"選択"であった。
「…けどさ、彼奴最期に教えてくれたんだ。自分は"委員会"から世界を護るために蘇ったんだと。なんにも変わっちゃ、いなかった。」
「"四天王"が欠けた穴はきっと小さくはないから。だからさ…俺はその意思を受け継いで、此処に居る。自分では吹っ切れたつもりだったんだけども、口に出すとダメだな、怒鳴ってごめんな、エリン。」
そう言って微笑をエリンへと向ける彼に、もうすっかりと、陰りは見えなかった。
>>814
「ん…悪いな、気を使わせてしまって。これからお互いに、本当の信頼関係を結べているって言える様になれるといいな。」
屈託の無い笑顔を向ける彼は、先程の陰りはどこへやらと言った風で。
表情や感情をコントロールしているのか、出来ていないのか、傍目からはあまり、分からないかもしらない。
「"紫炎剣"ストラトキャスター…って確か、前に会ったときに携えてた、あの」
初めて見た時の事を思い出す。表現し難い冷たい雰囲気を纏っていた、その剣を。
「へぇ…やっぱり幽世の物だけあって、おっかない力を秘めているもんだな。」
「けど、味方となると心強いよ。本当にどうしようもないときは、有り難く頼らせてもらうな。」
-
【街中】
「…はっ!」
夜闇の中、ふぁさりと黄色い髪が靡く。脈絡もなく振り向いた彼女の目線は、遠く。
「今…今っ!確かに感じたっ!あのうすら汚らわしい気配、間違いないっ!」
ぴょこんと飛び出たアホ毛がゆんゆんと揺れる。意味はきっと、無い。
「待っていろ…忌々しき変態神王ッ!」
バチリ──そんな空気の震える音と共に、彼女は駆け出した。
数秒後──躓いて井戸に落ちた。
-
【カフェ】
(^ω^ )。。(待っているが来ねぇ…)
( つ旦O
と_)_)
(ユクシアの殺気を受信済みの男は素直にカフェで待ち続けていた。
こうして変態ハンターと変態の決着は再び次回に引き延ばされたのである)
-
【町上空】
それは高く空を飛ぶ。 犠牲の杖の鍵の役割を与えられた竜の唯一の生き残りは空を舞う。
犠牲の杖の物語は完結していないが、それでも解決はしたのだ。 もう彼の宿命は無いに等しい。
何のために世界に生きるのか、永い余生ともいえるこれからをどう過ごすのか、悩んでいた。
ただただ、悲劇を繰り返さない使命感に似た感情は、しかし全てに向けるには諦めと現実を知っていた。
「……もうこんな時間か」
懐から懐中時計を取り出し時間を確認する。 時間に追われる用事すらないのだが。
時を刻む花は大きい花弁が時間を表し大きく細い花弁が分を刻み小さい花弁が秒を数えていた。
時を示しては魔力として散りまた新たな花弁となるその懐中時計の中は停滞していた。
それ以上進むことも無く同じ事を繰り返すだけ、ただ時を重ねるだけ。
枯れ木はもう燃え尽きるのを待つだけなのだろうか。 混沌とした世界の中で自分は何をなすのか。
考えても答えの出ない問題に頭を悩ませながら空を舞う
――近所迷惑じゃと怒鳴られ爆発魔法を叩き込まれカフェへと墜落するまで8秒前。
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>>822
「おや、空で爆発音? 季節外れの花火かn…」
と、興味が湧いて窓辺に寄ろうとした男。
きっかり8秒、その後には轟音を鳴らしてカフェの屋根がぶち破られた。
男が意識する間もなく、男は見事に人肉クッションとなって、降り注いだ小松菜と床の間へと挟まれた。
-
>>823
爆発によるダメージは木行竜の特性により再生していく。
カフェの床なども木材を使えるので治せる。 しかし、人的被害だ。
無論血液が霊薬に近いので回復させることも可能だが、それでも人的被害だ。
「……これ、不可抗力だよな?」
-
>>824
【病院へ搬送中】
三 三三
/;:"ゝ 三三 f;:二iュ 三三三
三 _ゞ::.ニ! ,..'´ ̄`ヽノン
/.;: .:}^( <;:::::i:::::::.::: :}:} 三三
〈::::.´ .:;.へに)二/.::i :::::::,.イ ト ヽ__
,へ;:ヾ-、ll__/.:::::、:::::f=ー'==、`ー-="⌒ヽ←トーム
. 〈::ミ/;;;iー゙ii====|:::::::.` Y ̄ ̄ ̄,.シ'=llー一'";;;ド'
};;;};;;;;! ̄ll ̄ ̄|:::::::::.ヽ\-‐'"´ ̄ ̄ll
(いつもの)
-
>>825
「しかしインターセプト」
自分の血液と魔法植物の薬草を使用しテキパキと治療する。
不可抗力とはいえ自分が原因の一端なのだから。
-
>>826
『救護班は仕事を横取りされた事をぼやきながら通常業務へと戻って行った…』
―――
「やれやれ…俺でなければ即死……や、他の奴でも生きてるか…」
カフェの人間なら人体がぶつかったくらいでは死なないものだ。検定者は一般人より硬い。
男も例に漏れず見事に復活を果たしていた。それも小松菜の治療のお陰が大きい訳だが。
「…ま、とにかく助けてくれたことを差し引いて±0とするかね」
どうやら遠まわしにぶつかったことを許す、と上から目線で物を申しているらしい。
-
>>827
「こっちの医療ならギリギリ蘇生できたかもだが危なかった」
この居候である竜は検定者といっていいのだろうか。
「とにかく迷惑かけた。 飛んでたら撃ち落されてな」
-
>>828
「飛んでいたら撃ち落とされただと!?」
大仰に驚いて見せるが、すぐさま考えるように表情を戻すと、一呼吸置いて
「……まぁ、いつものことだな」
と一人納得したように頷いた。
-
>>829
「いつものことであってたまるか、おちおち考え事もできん」
それなりの悩みを抱えて飛んでいた方からすれば堪ったことではない。
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>>830
「とは言えそれがこの街だ。諦めな」
俺はもう諦めた。と言わんばかりの面で応じる。
「…ま、どんなことが考えてるかは知らんが、気ぃつけた方が身の為だぜ?
よっぽど頑丈でない限りはよ。あんたなら見る限り大丈夫そうではあるがな」
が、男なりに心配している様子は見せる
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>>831
「ん、そうだな」
頑丈ではある。 それでもこの世界では自分以上の存在など数え切れない。
平行世界の存在としては上位でもこの世界では中位もいいところなのだから。
「……なぁ、もう自分の役目はほとんど残ってねぇ。 そんな時ってどうすりゃいいかな?」
悩んでも答えは出ない。 そして悩めない。 シンプルにそれを訊ねる。
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>>832
唐突な質問に少し面食らった顔をしたようだったが、この手の質問には慣れているかそうでないのか
特に質問を質問で返すこともなく思考する。
男は小松菜が何を考えているかも分からないし、元々人の考えなぞあまり分からない性質だ。
そんな男には、どんな答えが正解なんてのは解る筈もない。
「わかんねぇなら好きに生きろよ、あんたの人生だろ?」
だからこそ、思ったことを言うまでと判断したのか、男はそう返したものだ。
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>>833
「好きに、か……よくわかんねぇな」
狭い世界で育った者に、その選択は難しいものだった。
単純であるというのに、知らないからこそその道が見えない。
「わかんねぇな……誰か、誰かの人生見てりゃ俺の人生ってわかるかね? 沢山比較すれば……」
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>>834
「はは、俺にも分からんさ」
適当に答えた訳ではない。男はただ素直に感じたことを言ったまでだ。
「だが、それならダチを沢山つくりゃ良いのさ。
そうすりゃ、そのうち自分が何なのか、きっと分かるだろうぜ」
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>>835
「なるほど、じゃあダチ作ってその人生に首突っ込みまくってみるかな」
何か傍迷惑な方向に進もうとしているかもしれない。
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>>836
「ま、それも一つの人生ってな」
軽く喉を鳴らして、それに応じる。
「そんじゃ俺はそろそろ行かせてもらうか。
機会がありゃ、また会おうぜ」
そんな捨て台詞を言い、口の端を吊り上げて笑うと男は特に惜しむ事もなく
小松菜と別れた。今度はきちんと出入り口から。
-
>>837
「あぁ、じゃあまた会おうぜ」 こちらは、カフェに少しの間留まるようだ。
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>>819
(荒々しい声に、思わず身をすくめて怯えた)
(もともとこの少女は、かなり臆病なところがあった)
(しかし心境を吐露する彼から目を逸すことはなかった)
(ずっと抱え込まれていた真実と事実の重たさ)
(その重みを、怖がらずにすこしでも触れたいと思えた)
(最後に笑ってくれたホレイトを見て)
「……ホレイトさん……。
……教えてくれて、伝えてくれて、ありがとうございます」
(笑おうとして、うまくできなくて)
「そんな……、そんなことが、あった、なんて……。
でも、いま……今聞けて、良かった……」
(少女は、滑稽な泣き笑い顔を晒していた)
-
>>815
「……そうだね、なら、改めよう、マリシアの事を出来るだけでいいから覚えていてあげてくれ」
「記憶の山の中で風化させても構わない、ただ、彼女の顔を見た時に少しは思い出せる程度には、覚えていてほしい」
「君の言葉は間違っていない、それに俺に君の未来を閉ざす権利は無い……だからこれを強制しようとは思わない、ただの小さな“お願い”だ」
「それに、彼女もきっとそんな無理矢理な事は望まないと思う、あの子の性格は君も知っての通りだから、ね」
彼女についての話は、それで構わない、エリンについても同様だ、問題は―――自分の話だ。
「……ただ、エリン、俺は彼女を忘れるつもりは無いよ、未来に進む事が、変化する事が、彼女を忘れる事なら、未来なんて捨ててやる」
>>819
「ああ、宜しく頼むよ、友人と呼びながらこんな事を言わないとならない自分が情けないが、それでも、耳に心地よいだけの嘘は吐きたくなかったんだ」
それは、ベルンという青年なりのけじめ、友人と認めたが故の責任の取り方なのだろう。
その遣り方が正しいかどうかまでは、解らないが。
「ああ、そうしてくれ、俺も、既に朽ちた身体が人の役に立つのなら本望だ」
「それに、何よりも―――もう、周りから人が消えるのはごめんだからな」
-
>>839
「お前も、俺を責めないんだな。偉そうな事を言ってても、結局は力に頼るしかなかったんだ…情けないよ。けど、聞いてくれて、ありがとう。」
そう言った後、エリンの表情を見た途端、青年の顔に生まれたのは焦りだ。
「え、ちょ、エリン?涙が…っああ本当にごめんな!大丈夫か!?」
突如、彼女の泣き笑い顔を見ながら一人大慌てする青年の、右の人差し指にあるアクアマリンの指輪から、"水色"の光が、零れて、光り。
『あーあーあー、これやっばいんじゃないの?私の"契約者(マスター)"が女の子を怒鳴って泣かせてるんですけどー?』
「なっ!?い、いやっ違っ…いや違わないのか!?」
アクアマリンの指輪から飛び出した"水色"の光は、同色の羽衣と水流を帯びた小さな人型の精霊の姿へと変わり、笑い声と共に、青年の周囲を飛び回る。
「とっ、兎に角、本当にすまなかった!」
>>840
「ん、分かった。ちゃんと覚えとくよ、ベルン。」
「大丈夫、俺はそう簡単にはくたばらないさ。幸か不幸か、この体は中々に頑丈ってことが嫌でも分かったからな。」
そう言って自嘲気味に笑う。SCの任務には危険なものもあるに加え、カフェを中心とした人々との関わりの中での激戦や検定も、幾度となく経験してきたからこその、自信でもあった。
「ああ、そうだ、ベルンに聞きたいことがあったんだ。お前ってさ──」
と、次の言葉を紡ごうとした時、ホレイトの目にはエリンの泣き笑い顔が映っていて。慌て始めた彼を尻目に、ホレイトの携えた刀の鞘から、"朱色"の光がぼんやりと、ベルンの前に人型を作る。
光の色と同色の、朱の長髪に着物、瞳を持った、ホレイトより少し高いくらいの背を持った精霊が、ベルンの前に完全な姿を現した。
『"契約者(マスター)"に変わって貴方に質問させて貰うわ…貴方は、ずっとこの時計塔に居るのかしら。もしくは…時計塔にしか"居られない"のかしら。』
今現在、ホレイトの周りを飛び回っている精霊と比べると、こちらはベルンの方に"近い"という印象を、持つかもしれない。
-
>>840
(少女は、ベルンの言葉を終始真剣な面持ちで聞いていた)
「……はい。それは、もちろんです。そのお願いなら……ボクも願うものです。
いなくなってしまった人たちのこと、ときどきでいいから……思い出したいから……。」
「……。はい。わかり、ました」
(短い返答)
(少女は、それ以上自分の意見をはさむことは無かった)
>>841
(----もしかして 彼は 責めてほしかったんだろうか)
(そんな考えが過ったが)
(こみ上げてきた感情と相手の狼狽に、自分でもてんやわんや)
「へ?あれ?あれ?Σわ、わあっななななんで……っ
いっいえっむしろっボクがっあやまらなきゃ……っ
……っ わぁ〜〜〜〜……」
(ぶわっ)
「……あれ!?ひ、ヒトがホレイトさんの手から!?
あ、せ、精霊さん……!?」
(泣いたり謝ったりびっくりしたりしている!)
-
【街中】
普段柔らかな笑みを絶やさないその表情が曇り天を仰ぐ。
彼女もまた、犠牲の杖に連なる者でありその宿命を終わらせた者。
しかし同じ杖に振り回され同じような境遇となった竜に投げかけられた言葉が脳裏に焼きついている。
「種が滅びるということの意味……」
小松菜の名を与えられた竜は最近より力をつけてきていた。
そしてその力は元の世界では少々の衰えを見せる。
「金狐……」
犠牲の杖の物語、新たな伝説の為に滅びへ向かった獣達。
銅狐と銀狐という種が滅びる事により一個体へと収束した力。
そしてそれは、この世界では滅びているにも関わらず平行世界からやってきた木行竜の状況と近しい。
無論、それは滅びた吸血鬼とエルフの血を引く、自分にも言えることで――
「……」
――いや、違う。 擬似的にそうなった木行竜と違い自分のそれは完全に一致している。
それも吸血鬼としてもエルフとしてもだ。 さらにはそのどちらもが平行世界と現行世界の両方で滅びている。
後に聞いた金狐すらも上回るかもしれない、最後の生き残りなのだ。
「……私……」
この体の拒絶反応も、あるいはその弊害なのかもしれない。
滅びにより力を与えられたエルフの血は犠牲の杖を使う者として闇を焼く方向へ、
滅びにより力を与えられた吸血鬼の血は犠牲の杖を使われる者として火を拒絶する方向へ。
しかし、その犠牲の杖の物語は完結せずとも解決している。
『その存在は何者にも望まれていない』
何も知らない自分が何故こんなにも空虚なのだろう。
ただただ自分のことが分からない。 こんな時、私に家族というものを教えてくれたあの子ならどうするのだろう。
当ても無く歩き続けながら、時折顔を見せるリュウグウノツカイの姿をした火の精霊に力ない笑みを向けていた。
-
>>841
「それは良かった、せっかく作った友人を喪うのは勘弁だからな」
「まあ、そう簡単に死ぬとは始めから思ってはいなかったけれど」
「聞きたいこと、か、返答出来るか解らないがそれで良いなら―――って、エリンが、エリンが!」
一緒になって大慌て、女の子のそんな様子に上手く対処する方法なんて自分も知らない。
どうしようか悩んでいた時に、横合いから聞こえる知らない声、ふと、そちらに視線を向けてみる。
「気が利く精霊だな、ああ、嫌味とか差別の意思はないぞ?」
「取り敢えず質問に答えると、此処に来ているのは俺の意思だ、特に強制はされていない」
「されてはいないんだが、ある意味ではそうかもしれない、俺は死者だからな、生前の未練に、最期の思いに、今も縛られているだろうから」
>>442
「悪いね、エリン、俺は馬鹿だから、こんな道しか選べない、感情でしか動けないんだ」
「――でも、ありがとうな、感謝はしているよ、俺を正しい道に運ぼうとしてくれたこと、しっかりと記憶に留めとく」
だから、君は君なりの道を往ってくれと、青年は付け加える。
「俺は、此処で、あの子を待ち続ける、もう、きっと、先には進めないから」
-
>>842>>844
「いっいやいや!此方こそ謝られるひつよう」
-
中:うーむ途中送信
申し訳無い
-
>>842>>844
「いっいやいや!此方こそ謝られる必要はないっていうか…ちょっ!えっと、そっそうだえびせんでも食べて落ち着こう、な!?」
ぶわっとなった辺りで焦りがエスカレートした様子。何処に隠していたのやらえびせんがどんどん沸いてくる。
そんなホレイトを尻目に、水色の光纏った精霊が、エリンの元へと飛んでいき。
エリンの目元を駆ける様なごく小規模の水流が、エリンの涙を、浚って行った。
『ま、泣きたい気持ちは分からないでもないけど。取り敢えず落ち着きなさいって、可愛い顔が台無しになっちゃうわよ?』
そうエリンに呟いた後、再びホレイトの元へと、精霊は戻る。
『…あら、訂正なんてわざわざしなくてもいいのよ。私は貴方からどう思われようと気にしないから』
微笑を浮かべたままベルンに対峙する精霊は、ただ、淡々と続ける。
『そう、ありがとう。なら、私から貴方にもう用は無いわ…』
そう言い、朱の精霊はベルンに背中を、向けてホレイトの元へと進み、ベルンの"答え"を契約者へと伝える。
「ええっと、そうだな…二人にもちゃんと紹介しといた方がいいよな。こいつらは俺の契約精霊の──」
『はいはーい!私が"水の古代精霊"アクエリアよ!ホレイトには勿体無いくらいの"高位精霊"なんだからね!あああと、今の姿は所謂"省エネ"モードだから、これがホントの姿とは思わないこと!』
ホレイトの言葉を遮る様に答えた拳大ほどの人型の精霊は、相変わらず契約者の周りを飛び回っていて。
『私は"剣の精霊"天月。貴方達とははじめましてかも知れないけれど、私の方はホレイトと一緒に貴方達を見ていたから、彼と同程度のことは知っているわ…』
間髪入れずに答えた朱の精霊は、そう言ったのを最後に、微笑を浮かべたまま、ただ静かに、其処に佇む。
「お前らな…ええと、取り敢えずまあそんなとこだ。それからこれは提案なんだが、皆でちょっと街を歩いてみないか?気晴らしというか、俺が此処に来るの久々だから、少し見て回りたいんだけども…」
-
>>844 >>847
「……はい、ごめんなさい、はい……わかりました……」
(ベルンの言葉に、なんとか答えようとするものの、涙とかなしさでうまく答えられない)
(そしてほとばしるえびせん)
「……あ、あれ?これは、おせんべい……?どこから……あっおいしい……」
(ぱりぱり)
(思わぬえびせんに、すこし気持ちが落ち着いたようだ。えびせんってすごい!)
(すっかり腫れぼったくなった眼が、精霊の姿と小さな水流を前に、驚いたように開かれた)
「ひゃっ……!わ、わあ、はい、はじめまして!よろしくお願いします!」
(アクエリアと天月の姿をぱちくり見ながら、慌ててぺこりとお辞儀した)
「すごいなあ、ふたりも精霊さんが……とっても、お綺麗ですね……」
(見惚れたように、ふたつの精霊を眺めている)
「……あ、はい、ボクはもちろんいいですよ……っ。
もしかしたら、他のいろんな方にもお会いできるかもしれないですし……!」
-
>>847>>848
「そうか、けれど俺はそう思わない、好意を
抱かれたいとも思わないが、これからも関わる人間の相方に悪く思われたら、色々とやりにくいからな」
「だから、最低限の気遣いくらいは許して貰えるとありがたい」
まるで興味が無さそうな精霊に思わず苦笑してしまう、だが、きっと自分もこんな感じなのだろう。
その対象が主か友人かの違いだけだ。
「えびせんって凄いな」
「兎も角、ごめんな、エリン、俺はこの生き方しか選べない、馬鹿だと思って構わないから、この道を許してほしい」
「ああ、散歩なら付き合うよ、まだ話足りないしな」
-
>>848>>849
「うんうん、えびせんが美味しいのは至極当然のことだからな!」
『あっは、綺麗だなんてそんなの至極当然のことよ!』
青年と水色の精霊は似たような感想と、似たような自慢気な表情を、エリンへと向ける。
朱の精霊は表情を変えることなく、ベルンへと再び顔を向けて。
『そんなことで貴方のことを悪くなんて思わないわ…少なくとも現時点では、ね。けれど、ふふ…分かったわ。』
「…悪いな、天月はベルンにだけこうって訳じゃないんだ、大体いつもこんな無愛想だから、気に病まないでほしい。」
『あら、酷いことを言うのね…』
そんな朱の精霊の呟きを軽く流して、二人の了承を確認した後。
「ありがとな二人とも。とは言えこんな夜更けじゃ殆ど人通りも活気もないだろうけど…」
夜闇が既に街を覆うこの時刻。開いている店や出歩いている人も徐々に少なくなっているだろう。
「もし暴漢とか夜盗に遭ったとしてもSC代表の名に懸けて二人とも絶対に護ってみせるから、そこは安心してほしいかな。
…特にエリンを護るのは本当は"どっかのだれかさん"の役目なんだろうけど…今夜は俺達がエリンを借りるんだ、その役目は俺が果たすさ。」
『まっ、私達にお任せあれってやつー?』
なんて、そもそも襲われる心配もないであろうベルンにも向けて言う青年の瞳はなんだか懐かしいものを思い出すように、どこか遠く。
「あとはそうだな…お化けとか幽霊とか?は、とっておき怖いのがもう一緒にいるから平気だろ?」
冗談混じりな口調と共に、ベルンへと悪戯っぽい笑みを送り。先に降りてるからと言い、朱と水色と白銀は、一足先に時計塔を降り出した。
-
>>849 >>850
(ぐしぐしと慌てて泣き顔をぬぐいながら、ベルンを見る)
「そんな…、許すだなんて、それは、ベルンさんがお選びになったことですから…。…あれこれとやかく言えません。
…ただ、あなたが…その、とても、強くて」
(…おいしい…)
(背景にお花のエフェクトを浮かべている)
(と、ホレイトが強調した"どっかの誰かさん"という言葉に…)
「…うん? ん? ……、……、……??」
(…鈍感すぎて勘付くことができなかった!)
「お、おば……、ダ、ダイジョウブデスヨ!ゼンゼン!
Σあっホレイトさん!先に行っちゃった、…ボクたちも行きましょうかっ」
(慌ててベルンに向き直り、元気を出すような声で言った)
-
(――もし彼女が)
(色彩が抜け落ちた世界ではなく、普通の目をしていたなら)
(朱と水色の精霊を見て、心からいとおしく懐かしんだだろう)
(ちょうど同じ色の、紅蒼を宿したあの瞳を)
-
【カフェ】
「皆様お久しぶりでございます、クオンです」 何やら唐突に奇妙な口調。
「さてそろそろ温かい季節になってきましてカフェでは早くも冷たいメニューがピックアップされています。
その中でも現在惨劇の引き金となったメニューがランダムシロップカキ氷でございます」
目の前に置かれたカキ氷には、何故か熱々のチョコレートソースがかかっており既にもうカキ氷でなくなってしまっていた。
そして周囲では鰹出汁や豚骨スープに始まり番茶やカレーと出されて項垂れるお客さん達がいた。
ランダムにしてもせめてカキ氷には冷たいものをかけましょう。
メニューの「ランダムシロップカキ氷」の横に(ホット)と書き足してクオンはメニューを閉じた。
-
【カフェ】
がらがらがら、ひとりでに開く窓
その窓から入って来たのは長い茶髪に魔女帽、ローブ着こんだもうあからさまな魔女が箒に乗って入って来ました
「よっと、ひっさしぶりねー、ここにくるのもー」
と、箒から飛び降りてパチンと指を鳴らすと先程の窓が締まります
「とりあえずあったかい紅茶でも頂こうかな?あ、砂糖は10個入れてねー」
なんて注文
-
>>854
「カキ氷はいかがですか? ランダムシロップカキ氷(ホット)が大ブームですよ〜」
周囲がそのホットカキ氷のせいでとんでもない事になっているが食べられなくは無い。
そして熱々のチョコレートソースに成り果てたカキ氷にスライスバナナをつけて食べていた。
この状態では、流石に甘党どうこうという発言はできそうに無い。
-
「ランダムシロップかき氷??」
と、きょとんとします
「なにそれ、美味しいの?ま、そこまで言うなら一個たのんでみようかな?」
と、人差し指立ててウインクして言います
-
>>856
「美味しいかどうかで言えば決して悪い味ではありませんが、料理自体はとても悪い代物です」
注文を受けて出てきたのは、コーンポタージュがかけられたカキ氷だった。
当然その場でカキ氷は溶けていく。 このままでは温かく、甘い、絶品コーンポタージュのみが残るだろう。
カキ氷である意味など、全く無かった。
-
「……………………これ………………かき氷のせいでコーンポタージュ冷え冷えじゃない?」
固まって、そんなこと言ってる魔法使い
「うーん………………これはさ、かき氷出してる意味、あるのかな?」
等と考えてるうちに氷で薄められた、冷えたコーンポタージュがカップに残る
「ま、いっかー、あ、砂糖貰うね〜」
こいつ、コーンポタージュに砂糖どばどば入れとる
-
>>858
コーンの自然な甘さが武器であるポタージュが砂糖に蹂躙されていく。
しかも温度の関係で中々砂糖が溶けず粘度の中にザラザラとした粒子が混ざる。
「あぁ、更に大惨事に……」
せめて砂糖ではなくもっと味のある別の甘味ならチョイ足しで済ませられたものを。
-
「ん?どしたの?」
きょとんとしますね
「とりあえず、なんでも砂糖入れときゃ間違いないんだから」
こんなことを笑顔でいいながらコーンポタージュ飲み干して
「ごちそうさま」
約10秒で完食
-
>>860
「何にでも砂糖を入れる行為自体はどうなのでしょう」
「いえ個人の趣向でしょうけど、お砂糖がそんなに好きですか」
少なくともこの少女は砂糖自体よりもお菓子という分類の味の方が好みであった。
-
「そうね〜………」
ふと思考すると
「だって、甘い=砂糖じゃない?ほら、クッキーとかケーキとかにも砂糖は使うじゃない」
こんな事言い出して
「だから砂糖は甘さの基本だって、源よ源」
めっちゃ変な持論持ち出した
-
>>862
「例えば醤油好きな人は料理の基本に醤油を用いることが多いです。
でも飲み物にもデザートにも醤油を使うかといえばそれは少数派です。
何事も応用とバランスを抜いて考えるとそれは基本ではなく、特化なのではないでしょうか」
何やら妙に色々な事を言っているが結局個人の趣向は変わらない。
「あと、砂糖を使わない製法のお菓子もありますよ?
果物や発芽小麦粉等を使用したり、あとは芋などですかね。
蜂蜜も砂糖ではないですし、メイプルシロップもですね」
そういった問題でもないのだが、話がそれていく。
-
「ふーん……そういえばそうね〜………スイートポテトとかもそんな感じよね〜…」
と、感心するように言います
「ヤバい、お菓子作り興味深いかも…………でもダメね、私料理できないんだ〜…昔っからね」
と、苦笑します
-
>>864
「カフェのマスターなら注文すれば出してくれますよ?
実際に食べ比べてみてどれが一番美味しく感じるか試してみればいいじゃないですか」
言うが早く色々と商品をリストアップしてメモに書いていく。
中には「ザラメ煎餅」や「チョコスコーン」のようなものから「羅漢果のスープ」やら「クラムジャムン」といった不吉な名前まで。
-
「うーん…………大好きなお菓子……確かにマスターに頼めば作ってくれるけど…………家でゴロゴロしてるときも欲しいんだよね〜……」
と、考えに考えてます、すると
「…………そーだ、魔法!魔法でお菓子作れないかな?」
なんか言っとる
-
>>866
「……市販のクラッカーにつけるとアップルパイみたいな味になる魔法薬とかならありますけど、
魔法薬買うのとアップルパイ買うので手間は変わりませんし、作るにしても材料買う必要ありますし。
直接魔法そのものでお菓子作るなら料理学んだ方が断然早いです」
駄目だ、クオンは真面目に考えた上で現実を突きつけにきている。
-
「うーん…………ほら、完全な無からお菓子を産み出すとか……できないかなー?」
と、それでも諦めない
「私こー見えてもスッゴい魔法使いなんだよ?もう超天才ってレベルの、だから行けると思うんだけどな〜…」
なんて言っとる
-
>>868
「完全な無からとなるともうその時点で現実的じゃないですね。
錬金術で原子変換にしても触媒は結構必要ですしやはり現実的じゃないです。
そうまでするならいっそ自己催眠型の幻術で味覚を刺激する、とかが現実的です」
お菓子創造という前提をひっくり返してしまった。おそらく正しい方向でお菓子創造にはたどり着かないであろう話し方だった。
-
「そうかな〜………ほら、魔力とかを形にしてお菓子に……とか……」
まだ言うか
「魔力なら私無限に使えるから…………」
まだ諦めないみたい
-
>>870
「一時的な具現でしたら可能かもしれませんがそれなら幻術のほうが遥かに効率がいいです。
できてプレーンのクラッカーを単純に甘くするとかが関の山でしょう。
そもそも味の仕組み研究して魔法で再現するならその時点でお菓子作れるようになってます」
勉強とお菓子作りの壁が立ちふさがっている。
若干別アプローチの案も出しているところ、この少女なりに考えて答えを出しているようだが。
-
「あう……やっぱ無理かー…………」
がっくしと肩を落として
「うーん…………それじゃ自分で料理するしかないのね……」
と、タメイキです
「料金ほんっと苦手なのよねー、私、お酒と料理だけは克服できる気がしないわ……300年、料理練習してもぜんっぜん上手くならないのよ…………」
と、落ち込んでる様子
-
>>872
「ふむ、ならばそこを魔法で解決したらどうですか?
使い魔でも作って料理覚えさせればいいんじゃないですかね」
新説、料理が駄目なら使い魔に任せればいいじゃない。
-
「………………その手があったか!!」
手をぽんっとしました
「使い魔……いいね、どっかでかわいい竜でも拾ってくるかな……」
竜をかわいいとか言いましたよ
-
>>874
「料理を覚えさせるのですからね? お菓子作りには熱気と冷気がつき物です。
変温動物ベースは避けた方がいいですよ? あと羽毛系なども混ざるといけないので駄目です」
別のところで駄目だしするあたりこの少女もどこかおかしい。
-
「了解、確かにそれもそうね」
とかいって
「ま、色々ありがとね。それじゃ私そろそろ帰るわ〜…またね。」
と手をふりふりすると、魔法使って消えました
中//お疲れ様でしたー、ありますねーです。眠気ヤバいので寝ますー
-
>>876
「いえいえ〜さようなら〜また、機会があれば。 その時は使い魔さんも紹介してくださいね?」
こちらは、未だに残るチョコレートソースを消費しにかかる様子。
(「お疲れ様でした〜お相手ありがとうございます、楽しかったです。 おやすみなさ〜い」)
-
『闘技場』
(場内に、トレーニング用の人形を前にする男)
(眼を閉じたまま、淡々とステップを踏んでおり)
(一呼吸の後)
(水面蹴り、人形が足を掬われ)
(回し蹴り、人形の腹部に深々と突き刺さり)
(人形が地に落ちる前に、拳が顔面をカチ上げて)
(跳ね上がる人形の横を、さして素早くもなく通り過ぎる)
(すれ違った男の手には、いつの間にか鞭が握られており)
(ふぅ、と男が一息吐くと)
(人形の肩から袈裟状に亀裂が生まれ、音を立てて崩れ落ちた)
んー…
うまいこと真っ二つとはいかんなぁ(;^^ω)
(途端、男は脱力した表情で頭を掻き)
(唸りつつ、煙草に火を点けた)
-
ぱちぱちぱちぱち
拍手の音がします
「やっほー、おにーさんなかなかやるねー」
と、なんか浮いとる魔女が着地してきました
長い茶髪に青目の女性といった見た目ですね
-
>>879
む…( ^^ω)
今のが見えるとは、なかなか出来る嬢さんじゃないか
(つい先ほどまでの、出来栄えに納得いかない風が打って変わり)
(煙草をくわえてふふん、とありがちなドヤ顔をしてみせた)
(みえっぱりと言うか、何というか)
-
「お、お嬢さんとか呼んでくれるなんてあなた良いお兄さんだね〜♪」
上機嫌な表情になって近付いてきます
いわゆる修行ってやつかな?
-
>>881
ふふん、あんたこそ俺をおにーさんとは、嬉しい呼び方をしてくれるじゃないか( ^^ω)
(昔、おじさんやらおっさんやら呼ばれたことでもあるのか)
(気を良くしているのか、近づかれても特に警戒はしていない)
…修行ってほどのもんでもないがね?
なんつーの?反復練習?
-
「まぁまぁ、お互い様って感じかな〜」
なんてニッコリして
「私こー見えてももうババア言われても仕方ない歳だからねー」
なんて言ってます
「へー、反復練習かー、そいや私も魔法の修行とか久しくしてないね〜」
とかいってなんか考えてる
「ま、もう必要無いし」
なんて言っとる
-
>>883
………(;^^ω)
べ、ベテランさんでしたか…
(年長への敬意か、年齢への配慮か)
(男なりに精一杯、言葉を選んだ結果の一言である)
しかし、修行が必要ないとは大きく出たね( ^^ω)
俺なんて体を使えば使うほど、足りないとこばかり見えてくるよ
-
「いいよいいよ、もうさ、100越えた辺りからそんなの気にしてないし」
さらっとこんなこと言う魔女
「一応20代の時はさ、せっかくこんな可愛く産まれたんだからずっと可愛いままでいたい!不老の魔法完成させる!!
なーんて必死だったけど、いざ不老になって長生きするとねー、疲れるわー」
なんて言ってます
「あ、こー見えて若い頃は可愛いかったんだよ私」
自分で言うか
「ただ、20代なっても幼く見られる事が多かったわねー」
と、ぼやく
「必要無いしやる気もないもん〜、そもそも私、精霊なっちゃったしさ」
等と言ってます
-
>>885
(自分で言うか…)(;^^ω)
(自慢か?自慢なのか?)
(人様が汗水足らしてる最中にこいつは自慢しに来たのか?)
(俺なんてあーでもない、こうでもないなんて今現在思考錯誤しているというのに!)
(なによなによ!イヤミか貴様ッッ!!)
(などと思わなかった訳でもないが)
…ならさ
なんか新しいことでも始めりゃいいんじゃね?( ^^ω)
(率直な感想である)
(少なくとも自分ならば、耐えられそうにない境遇に思えた)
(彼女ほどひとつの物事を自信を持って「極めた」と思える自分を想像すらできないが)
(打ち込んだ物事に先が見えないということは、とてもやるせない事に思えた)
-
「新しい事か〜、確かにいいかも〜」
と、手をぽんとして言って
「一応、探し物はしてるんだけどねー、何処にあるのか検討もつかないって感じね〜」
と、何かを探してる様子
「ま、めんどくさいからゴロゴロしながら情報入ってくるの待ってるだけなんだけどー」
と、女性は言ってます
-
>>887
(ただのものぐさやないか…)(;^^ω)
(長生きするのも考え物かな、とちょっとだけ思ってみたり)
いやいや、探せばいいじゃないの
見た感じ、相当ヒマしてるんじゃねぇの?
(これまた。率直な感想である)
-
>>888
「うん、だってニートだし暇ねー」
なんてハッキリと言います
「だからまぁ、カフェってかこの街なら情報いっぱい有りそうじゃないの、適当にぶらぶらして、情報入って来るのを待ってる感じね〜」
なんと言う受動的な
-
>>889
そりゃまぁ、たくさん情報は入るけどもな?
むしろ入りすぎて自分から絞りこんでかにゃとてもじゃないが…(;^^ω)
(超古代文明の遺産やら、異世界人の夕飯のおかずやら、ありとあらゆる情報が流れる界隈である)
(果報を寝て待つとして、どれだけ眠ればよいのやら)
…ところで、そもそも何を探してんのさ?( ^^ω)
-
>>890
「何探してるかって??」
と、きょとん顔になり
「あー、あれよあれ、地の四天王のナイト・アースもといアシュレイ・ルングヴェイトが持ってたってゆうあれ」
と
なんか勿体ぶった後に
「精霊殺しの短剣ってやつ、ほら精霊を殺す力を持った剣よ
彼の死後に委員会に回収されちゃったのかなー、セントナードめっちゃ探したんだけどねー」
と、そう答えた
「まぁ、同じ力があるものならそれ以外でもいいんだけどー」
等とも付け加えて
-
>>891
………ふぅん
(街中でも聞かなくなり、久しい名であった)
(だと言うに、男はしばし眼を閉じ顔を伏せ)
(深く煙草を吸った後、煙と共に一言だけ返した)
……そりゃ見付かるか怪しいモンだな
きっと本人が後生大事に持ち歩いて、どっかで細々とやってんだろ( ^^ω)
(僅かな沈黙の後、先程通りの様子で続ける男)
(けけけ、と笑いながらの言葉ではあるが)
(その中には、「そうあってほしい」と)
(そんな願望が込められていた)
…しっかし、何だか物騒なモン探してんのな、あんた
(聞き間違いでなければ、先程彼女は自身を精霊だと言った )
(同族を守るために確保しようとしているのなら、思いの外大した心掛けではないか)
(…些かやる気が欠けているように見えなくもないのだが)
-
>>892
「本人が持って……って事はないと思うよー」
と、そう返す女
「ほら、死後にって言ったじゃないー、彼は死んだのよ。そんとき私もセントナード居たし間違いないわ」
と、ハッキリばっさりこんな事言います
「まあねー、それで自殺しよーと思ってさ」
これまたハッキリばっさり言います
-
>>893
どうかねー、アレがそう易々とくた
-
>>893
どうかねー、アレがそう易々とくたばるとは思えんがねえ( ^^ω)ニヤニヤ
こう、都市伝説的なオカルトみたいにだな……
(と、軽口で返し始めた矢先である)
…は?
なんだそりゃ、これまたろくでもねえ理由だな
(途端、表情が苦虫を噛み潰した風に変わる)
(笑えん冗談だ、嘘をつくなら少しは内容を考えろ)
(そういった想いを隠そうともせず、くわえた煙草がぴくぴくと上下した)
-
>>895
「ま、生きてるなら生きてるでもいいんだけどー、その場合精霊殺し、手にいれるの面倒そう……」
と、椿広い魔女帽子の椿持っていう
「いい加減そろそろ、疲れてきたのよ、昔の友達とかはとっくに死んじゃってるしさー」
なんて言ってます
「おまけにほら、不老なったって言ったでしょー?他の皆が老けてく中私だけ27のままよ、外見的にはずーっと」
と、ため息です
「ま、美人でしょ」
なんか言った
「まぁあんまり長生きし過ぎるのも良くないのよー」
-
>>896
あぁ、少なくともそんな理由のために貸し出すヤツじゃあないな(#^^ω)
(チビた煙草を吐き捨て、苦々しげに踏み潰す)
(ぐりぐりと念入りに火を消す様は、明らかに不満げである)
大体だな、ダチとの人生やら何やら犠牲にすんの覚悟しての不死じゃあねえのかよ?
んで自分で完成させたんだろ?
で?飽きたら自分の人生ごとポイか?
(潰した煙草を顎で指し、新たな煙草に火を点ける)
(不死に至り、その後の苦境もあったのだろうが)
(それでも、彼女の自殺願望は男にとって理解難いものである)
-
>>897
「だよねー、まだ委員会に回収されちゃってた方が手に入れるの楽だわ」
と、そんな事言う
「実は言うとね、不死の魔法研究はしてたけど、完成させたわけじゃないのよー」
と、そう言って
「とある禁術を習得したんだけどー、そんときに太陽の紋章ってのに選ばれちゃって、その太陽の紋章の持つ呪いが不老ってわけ、んで体成長しないぶん超長生きなんのー」
と、指立てて説明します
「だからまぁ、偶然にもそーなっちゃったって感じでさー」
と、ため息です
「因みに精霊なったのは最近ね、その紋章の持つもう一つの呪いが宿主に破壊の衝動与えるってやつなんだけどー、それずーっと魔力で抑えてたんだけど抑え切れなくなってさ」
と、説明します
「でもこの紋章は宿主死ぬと魂取り込んでまた新しい宿主探すって厄介な代物なのー、だからそんとき1回自殺して私の魂取り込もうとした所、逆に取り込んでやったら私精霊なっちゃった」
と、頭かきながらてへって笑ってます
-
>>898
(ぎちり、と煙草を噛み切れんばかりに噛み締めた後)
(ふぅ、と落ち着いた様子で煙を吐き出した)
……なんでぇ、取り込んだっつーわりにはもて余してんじゃねーの?
くたばる云々言い出す前に、取り込んだまま人間に戻る方法でも考えてみたら?
(魔術方面には疎いこの男が、先の話をどこまで理解しているのかは怪しいところではあるが)
(可能かどうかはさておいて、彼なりに前向きな意見を口にした)
-
>>899
「…………人間に戻る…………か、それもありかもねー」
と、手をぽんとして言ってます
「お兄さんありがとー、なんか新しい発想だわー……そしたらもう紋章もないから不老不死でもないしー」
と、ちょっと嬉しそうに言ってます
-
>>900
…見ず知らずの俺に言われて気付く前に、そんぐらい自分で思い付けってんだ
(照れ隠しなのか、それとも本心か)
(踏み潰した吸殻を拾い、先程破壊しかけた人形へと歩き出す)
やっぱくたばる前に、色々やる事ありそうだな?
ちゃんとココ使え、ココ( ^^ω)
(彼女に背を向け、頭を指差す)
(こんな脳筋に言われたくはないだろうが、彼なりのエールなのかもしれない)
(億劫そうに、人形と吸殻をゴミ箱に放り棄て)
(首をコキコキ鳴らしつつ、後ろ手を振り、男はその場を後にした)
-
「ま、目から鱗だったわー、んじゃそっち方面の研究もしてこかなー、今後は」
と、ニッコリして言って
「お兄さんまったねー」
と手をふりふりして見送ります
「さて、私も帰りますか」
と言うと、豪勢な飾りついた杖を出して、それに乗って上へ上へ、上空へと飛んで行きました
-
850>>851
「特別嫌われてる訳じゃないんなら安心だ、
やっぱり、嫌われるのは色々と辛いしな」
「エリンもありがとう、我が儘を貫いたんだ、罵詈雑言の一つ二つくらいは覚悟していたよ……それと、買い被り過ぎだ、俺はきっとエリンよりも、彼女よりも弱いから」
好かれたい訳ではないが嫌われたくない、その言葉は本心だったのだろう、二人の対応に小さく笑んで安心した様子を見せる。
思えば―――こんな気分に成れたのは何時以来だろうか、そう考え、慌てて思考を断ち切る。
今は、今だけは、この時間を見なければいけないから。
「誰が怖いのかは後でじっくり話すとして、格好いい役を独占されるのは勘弁だな、何かあったら俺も動くよ」
「仕事の現場じゃないんだ、一人で気負いすぎる必要は無いだろう?」
-
>>851>>903
『私は兎も角、天月もお化けみたいなもんだけどねぇ』
『…っふふ、そうね』
エリンの狼狽っぷりを見て、二人の精霊のクスクスといった笑い声が、時計塔の中で、姿無き声として響く。
「…ん、そうだな、お前の力を侮ってる訳じゃないんだ、ごめんな。頼りにしてるよ、ベルン」
後ろを振り返りつつ返答した青年の表情は、その口調に反して、少し強張っていた。
「(…後が怖いな、あれ)」
時計塔の入口。少し前に語らっていた頂上は頭上高く、街に聳えるそれを照らす灯りは、下までも届いて、彼らをも照らす。
「さって、それじゃ歩きますかね。行こうか、二人とも」
気ままに街を歩き出す、"人間"と"屍人"と"半天使"と、それから精霊。
この奇妙な組み合わせが、最初に向かったのは──?
1〜3なら【大通り】
4〜6なら【噴水広場】
7〜9なら【商店街】
0なら【ここ…どこなんですかね…】
-
>>903 >>904
(奇妙な組み合わせの人間担当は、にこにこと嬉しそうにしながら歩いております)
(行き着いた先の大通りを歩きながら、周りに並んだ店舗や民家をゆっくり眺める)
(改めて見ると懐かしいような気持ちになる、さまざまな店ぶれ)
「ここは、魔道具屋さん…ここは、本屋さん…ここは、銭湯で…、
ここは…らー、めん屋さん?…、……??」
(『龍鼓軒』と書かれた看板を見かけて、どう読むのかと首をひねったりしている)
0:アッ!いかにもチンピラっぽい奴とエンカウントだ!
-
男は、そう言って口の端を三日月に吊り上げた。
愉悦。憧憬。そして狂気。
「小僧が随分と言う様になったものだ」
全ての種は蒔かれた。
しかし、収穫に至はごく僅か。
可能性。可能性。可能性。
必ず何れかが辿り着き、答えを出す。
「では、どれほど“使える”様になったのか?」
私の与えた“カタチ”
私の与えた“チカラ”
そして、お前が強く望んだ“ネガイ”
「そろそろ魅せてもらおうか。本物の、お前が扱う、お前だけの――」
赤黒いスーツの右手が握られ“――が舞う”
「来い、“絶壊四炎”」
その炎に、その剣に
「グラルダ」
あろうことか、男は娘の名を付けた。
-
>>904>>905
「気にするなって、嫌味じゃないのは承知しているさ“そっちに関しては”な」
「言いたい事が伝わってくれたなら、何も詫びる事はないよ」
微妙に根に持っている気がしなくもないが、その敵意が冗談の範疇から出ないものなのは口調から察する事が出来るだろう。
「らーめん、でいいんじゃないか、何か中華な雰囲気だし間違ってはいない、と思う」
「しかし、こうして見ると、此処は何も変わって―――」
紡ぐ言葉は途切れ、足が止まる、青年の眼に映るのは極々普通な花屋の小さな看板。
だが、きっと、青年にはそれだけでは無かったのだろう、何かに囚われるように、暫し、其を見つめ続けて。
「――どうも、駄目だなあ、やっぱり意識してしまうよ」
-
>>905>>907
「あっはは…了解」
苦笑いを浮かべつつも、ベルンへと返事をして夜の大通りの風景へと、眼を向ける。
──ふと、こうやって誰かに軽口を叩いたのがとてもとても久しぶりだと気付く。
そうすると急に懐かしさが込み上げてきて。カフェで出逢った友人達の顔がぽつぽつと、記憶の水底から沸き上がってきて。
その中でも特に"彼"は、強くて優しくてお互い多忙で再会のタイミングの合わない"彼"は、元気にしてるのかと、強く思った。
それでも、今隣を歩いてるのは彼らではなく、自身の新しい友人で。今は彼らとの時間を大切にしようと、懐かしさを振り払うように、エリンが示した街並みへと、再び眼を向けた。
「お、龍鼓軒だ。二人とも知ってるか、ここはえびせんラーメンを出してくれる超優良店なんだぞ!」
読み方を知っているということは、ある程度馴染みがあるのだろう。えびせんラーメンの件は嘘のような本当の話であるが、それが好印象に繋がるのは少数派なのではないだろうか。
「銭湯かぁ…そういやグレストさんのとこには世話になったなぁ、色々とトラブルもあったけども…」
『男湯と女湯の仕切りなくなったりとか媚薬流されたりとかね』
今現在ホレイトの肩の辺りに止まっているアクエリアが言葉を続けるが、ホレイト自身はあまり浮かない顔。
「嬉しい云々とか言ってる場合じゃなかったようなそうでもないような…」
と、ベルンが足を止め、眼を向けている花屋の方向に、此方も眼を向けて。
「んん…?何処にでもありそうな花屋だな。流石にこの時間にはやってないみたいだけど、彼処は馴染みの店だったとか?」
彼は、知らない。
知らないから、分からない。
-
>>905>>907-908
「何してやがんだこのクソバイトォォォォォォォ!!!!!」
絶叫。咆哮。3人の少ししんみりした雰囲気をぶち壊すかのように、『龍鼓軒』と書かれた店の中から怒鳴り声と轟音が響き渡る。
『クソバイトって!俺はただ頼まれたものを出しただけでだな!!』
「ラーメンの中にハンバーガーぶち込むバカがどこに居るってんだよ!!」
『ハンバーガーラーメンって注文だったんだよ話し聞いてろチビ店長!!!』
「誰がミジンコゾウリムシドチビだこの金もやしがァ!!」
『そこまで言ってなばるろぐっ!?』
ガシャン、と。
ガラスが割れる音が響いたかと思えば、金髪痩身の青年が店内から吹き飛ばされる。
『痛――本気でやりゃあがったなクソ店長!』
「本気だァ?この程度が本気だと思ってんのか、おめでてぇ頭だなナナフシ野郎!」
後を追うように、ゆっくりと踏み出してきたのは白髪の少年。
みしり、と音がしたかと思えば、両腕が異形の――漆黒の龍のそれへと変貌していく。
『んなろ、ナナフシだのもやしだの好き勝手言いやがって!』
「なら棒人間とでも言ってやろうか、あァ!?」
ばちり。金の青年の前髪から紫電が弾ければ、
劫、と。白の少年の口の端から灼炎が漏れる。
高まる一触即発の空気に、店内ではいつものことかと呆れたように見る者も有り、声援を飛ばす者有り、果てはどちらが勝つか賭ける者有り。
あっという間に、即席闘技場の完成である。
-
「バイトが勝っても負けても煮玉子」
店の片隅、ラーメンをすする二人。糸目の青年は黙って咀嚼するだけ。
-
>>907-
「ええ、えびせんラーメンなんてあるんですね、初めて聞きました!
えびせんがしなっとしてそうでちょっとおいしそうですね!」
(超ほがらか)
(ふと、足を止めたベルンの視線の先を見る)
「あ…、お花屋さんですね、久しぶりに見たなあ…。
…リリアさんはまだお元気でいr(ガシャーン)」
「(** )」
(こういう顔で固まってる)
「…えっ あっ 人が えっ…」
(きょどってる)
(賭けますか?賭けませんか?)
-
>>みんな
「馴染みの店だったよ、此処で色々と会話したり、戦争したり、懐かしい思い出が沢山有る」
「そう、沢山有るんだ、絶対に忘れられない思い出が……だから、今は顔を出しにくくてね」
そうしたら、彼女が消えた世界に、それでも廻る世界に一歩近付いてしまうから。
そして、自分はそれを受け入れられないと理解できるから。
「まあ、それは置いといて、折角の乱闘だ、エリン、ホレイト、あの馬鹿二匹のどっちが勝つか賭けないか?」
知らない二人を馬鹿扱いである、これで彼等が此方に敵意を向けてきたら――それはそれで面白い。
-
>>909-912
『え、アンタそこはドン引きしてもいいトコよ?ぶっちゃけ気持ち悪いわよねぇ、えびせんラーメンもホレイトのどうしようもない嗜好もさ』
「おいコラ」
現在、エリンの近くを浮遊している蒼の精霊のさらっと吐く毒に、主はあからさまな不機嫌顔を作る。
とはいえ、もう慣れたものである。すぐに元通りの表情に戻り、ベルンの方へと顔を向ける。
「なんかさらっと物騒な単語が紛れてた気がしたんだが…まあいいや、兎に角、お前にとって大切な場所、なんだな」
自分にとってのSC本部のようなものなのだろうか、そう思考を動かす。
「いつかまた、胸を張って顔を出せるようになればいいな。その時はきっと、お前が全てのしがらみから開放された時なんだろうからさ」
と、その時。龍鼓軒から響く怒声と轟音がその一帯を支配する。それに対して二人と同じようなタイミングで、目を向けて。
「あー…またやってる…本当蟒蛇さんもバイト君もしょうがないな」
以前にも似たような光景は見たことがある。しかしホレイトは未だに宗魔の名前を知らなかった。もしくは、忘れてしまっていた。
続けて、ベルンの提案に、苦笑を浮かべて。
「俺もああいうのは嫌いじゃないし、まあよくあることなんだけど、悪いなベルン、ちょっとその誘いには乗れないな」
挙動不審な身振りを見せるエリンと何かを期待するようなベルンを尻目に、ホレイトは一触即発は二人の方へ、足を向ける。
「はい、お二人ともそこまで。」
蟒蛇と宗魔の間に、突如聳え立つのは水の障壁。それは二人を別つ様に。
「時間も時間ですし、近所迷惑になります。それに正直貴方がたの"それ"は遊びでも洒落にならないのは存じてますので。ぶつかり合いたいなら闘技場にでも行かれては如何ですか、蟒蛇さん」
それは先に言った通り、"いつものこと"であるし、常連客にとってもそれは当然のことであろう。だからこそ青年の行動は随分と無粋に映るかもしれない。
「皆さんも下手に煽ろうとするのは自重していただきたい、何度も言いますが迷惑です」
-
【闘技場】
闘技場の一角で青年と動物が向かい合う。 宿命を解決した竜は今、新しい道を学ぶため自分を磨いていた。
この世界で生きていくには、この世界の力が強すぎる。 少しでも力を磨かなければならない。
その中で様々な手段を考え、今こうしてここに立っている。 その竜にとって少しだけ特別な、しかしこれから幾度と体感するであろう経験の一つとして。
「……いくぞ!」 掛け声と共に青年が駆ける。 竜の翼すら広げ一直線に。
『甘いぞ!』 その文字が空中に浮かび上がるのと同時に動物は空へと弾き飛ばされていった。
「……だよな、そうだよな」
『うむ』
竜である青年は空も飛べる。 しかし大型のタヌキであるとはいえ質量差による機動力が違いすぎる。
推進力も魔法による電磁加速と素の飛行とでは違いすぎ、また空中戦で相手の機動力を削ぐ手段を青年は持ち合わせていなかった。
「……一撃あてられれば絶対勝てるのに」
『幻術で撹乱するから早々あたる気はないがな』
この青年はどうしても「小柄」「高機動」「幻術」「空戦」と相性が悪いらしい。
攻撃手段が優秀な身体能力と植物操作と水の砲撃しかなく、それ以外で特筆すべきは回復力と飛行可能なことくらい。
明らかに相性の悪い者を相手にする武器を何一つ持ち合わせていなかった。
近づこうにも相手の機動力をどうすることもできない。 遠隔攻撃や設置攻撃も空中に置くのは難しい。
逆に相手はこちらの回復力を突破できないかもしれないが、麻痺による拘束など可能性はある。
今、ほとんど時間をかけずに、竜がタヌキに敗北する瞬間が訪れてしまった。
「――」
『……あれだ、まずはもっと然るべき相手を探し出そう』
世界の力の差の壁以前に何かがおかしい対決は終わり、タヌキはカフェへ新たな対戦者を探しに行った。
-
>>914
「そして連れてこられたのが俺だ!」
「事情は説明したとおり、適当に戦ってみて欲しい」
改めて対峙する竜とランナー。 一方は槍を構え一方は底が銃口になった消火器のような水大砲を構える。
そして何の合図もなく、地面が爆ぜ戦いが始まった。
「ドライ!」 爆発魔法による急加速で接近、迎撃のため打たれた水の砲撃は地属性の紙飛行機を投げつけられ吸収される。
二人の距離が一気に縮まる。 ランナーは舞う紙を追い越し槍を突き出そうとし、その槍に絡みつく蔦に気付いた。
水の砲撃に仕込まれていた植物の種。 咄嗟に槍から氷の棘を生み出し蔦を切断し、その場から飛びのく。
一瞬の拘束時間を狙った竜の拳を間一髪で回避するが、間一髪の回避だけでは足りない。
飛びのいたその状態から風の魔法により自分を吹き飛ばし更に距離を開けると、その鼻先を鋭利な植物の刃が掠めていく。
――仕切り直しだ。 お互いの手の内が入り乱れた攻防は戦闘の緊張感をより高めていく。
-
>>915
次に動いたのは竜の青年。 先ほどの先制攻撃をある程度余裕を持って捌けたことから次は自分の番ということだろう。
先ほどの攻防で切断された蔦だが、少々切断された程度では蔦は死なない。 再び水を吸収した紙から伸びる蔦が蠢く。
「スパイク! ヒートラン!」 しかしその紙は元々ランナーが作り出した紙、ランナーの魔法基点に成り得る。
紙から無数の氷の刃が発生し蔦を切断、その後紙が小規模の爆発を起こし炎上。
蔦に対処するだけでなく氷の刃を撒き散らす。 だがそれらは本人から離れた場所に発生させた魔法だ。
本職の魔法使いでもないランナーが、ただ魔法名を発音するだけでは少々効力が弱まることを避け得ない。
そして離れた場所に魔法を発現させるために二度魔法名を発音することは、隙に成り得る。
「捕まえたぞ!」 竜の翼を盾にそのまま水大砲を構え突進、氷の刃は翼に突き刺さるのみに留まった。
突進を避けなければ、流石にこの身体能力の相手に大ダメージは避けられず、また植物により拘束される可能性が高い。
だがここまで近づかれたなら咄嗟に逃げようにも水大砲を避けられず植物に拘束されるだろう。
かといって白兵戦を仕掛けるには脚力以外の身体能力で負けているため分が悪い。
が、ランナーは進む。 槍から氷の刃を伸ばし槍を振るい、水大砲の銃口を逸らし逆方向へ転がる。
竜は突進の勢いのまま通り過ぎ、蔦を地面に突き刺しアンカーのように使い無理やり動きを止め方向転換し追撃に迫る。
「捕まらねぇ! 俺の脚は止まらねぇ!」 無理に体の動きを止めるということは瞬時には行えない。 その瞬間を狙い氷の刃を伸ばした。
竜は翼に氷の刃が刺さっており翼を使った無理な軌道修正はできない。 そのまま蔦を縮め地を這うような機動に変更し追撃を続行。
「今度は俺が王手だ、スパイク!」 しかし、頭上を過ぎた氷の刃からさらに氷の刃が伸び、背中から腹部を貫き竜を磔にする。
「この程度は王手じゃねぇ!」
「ッ!?」
木行竜の生命力はその程度では致命傷となりえない。 新たに現れた竜の尻尾が氷の刃を叩き折り竜が駆ける。
一瞬意表を突かれたランナーは、それでも今までの経験故に反応して見せた。
氷の刃と槍を切り離し、ただ魔力を籠めただけの槍を突き出す。 その槍は竜の肩を貫くが、その程度でも竜は止まらない。
竜が、至近距離から蔦を生み出し槍から肩までを拘束する。 そして――
「……」
「……」
竜の青年は体の内側から無数の氷の刃が突き出た状態で、ランナーは体の前面に植物の刃を突きつけられた状態で、停止していた。
このまま槍を基点に内部から氷の刃を生み出し続けられれば流石の木行竜といえども致命傷となっただろう。
しかし竜の体から突き出る無数の植物の刃も、人間であるランナーにとっては致命傷になりえる。
――勝負は何故か、引き分けに終わった。
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>>916
「病院ってスゲェ」
あれほどの戦いの後であるというのにお互いに完全回復している。 医療の発展とは素晴らしい。
お互いに健闘を称えるがこの戦いで多くを学んだのはやはり竜の青年であろう。
ランナーは旅の間に多くの経験を積んでいるが故にこの戦いで改めて得たものは少なかった。
しかし竜は、身体能力の劣る人間が、回復力をもってしても、様々な魔法を用いて互角に戦う様を見てそれぞれに関心を抱く。
「ありがとうよ、でも次は負けないからな」
「竜というのは強いな、もう俺はあまり戦いたくないけど」
竜はこうしてまた新たな経験を積んだ。 しかしそれを見ているタヌキはこうも思った。
戦闘が本職でない人間相手に引き分けに終わる竜というのは、流石にどうなのだろう、と。
木行竜の修行はまだまだ続きそうである。 目標は、打倒クオン。
アルカリ金属による爆破と銃弾の雨と砂のオートガードと自己修復による一方的な試合でのトラウマを克服できるのだろうか。
-
【闘技場】
今再びの闘技場イン木行竜。 今回の相手は共に宿命へと立ち向かった、同じ宿命を背負っていた者。
どこか吹っ切れたような雰囲気の青年に対して、その少女は笑顔ながらもどこか表情を曇らせていた。
「……同じような立場だったから言っておくけどよ、今は無理でも嫌でも折り合いってつくもんだぜ」
「そう、でしょうか? そうなのですかねー」
苦笑いを浮かべる二人。 これより模擬戦が始まるというのに、二人は戦いのことなど考えていなかった。
些細なことなのかもしれない。 力を得るために戦うということ自体が。
そう思わせるほどに二人は自然体であり、またその戦いの始まりも唐突に思えるほどに自然であった。
「闇よ!」
少女の声により二人の間の空間が虫食いのように球体状の闇に包まれ視界を遮る。
竜の青年はその闇から離れるように翼を出して飛び上がる。 その音を追いかけるようにして闇から飛び出す炎の線を水大砲で撃ち消しながら。
羽ばたく音を気にし滑空でその場を離れると大雑把に闇の中へと水大砲を撃ちこむ。
すぐさまその軌道をなぞるように炎の線が空を走ってくるが、避けるだけの距離があるためそれも滑空で避ける。
空を飛べる竜に対して少女は明らかに不利、に思える。
今も水大砲に仕込んだ植物の種が闇の中を暴れまわっているのだから。
「……やっぱり飛ぶと勝負にならないんじゃ」
「捕まえました」
声が、竜の青年の真下から聞こえた。
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>>918
まずいと青年が思う間にその体が炎に包まれる。 相手の影と自分の影を重ねることで使用する対象指定型の着火魔法。
生き木は水分を多く含むから簡単に燃えず、竜として上位に属する回復力もある。 しかし強い精霊の炎を浴び続けるのは危険が過ぎる。
保存されている水の大半を一気に放出することで無理やりに日をかき消しその場から離れる。
「いつの間に真下に!? 闇の中から出てきたら見逃さないはず!」
「羽ばたきの音は消したみたいですけど水大砲の射程距離からして闇から単に遠ざかるより旋回するように移動すると思いまして、
なので羽ばたきの音が消えた方向を目指して走り抜けて、観客席に飛び込めば闇で視線が遮られて――」
「まさかの場外活用!?」 流石にそこまでされたら、闇の中に居ると思い込んだ相手に注意を向けている以上不意打ちも許すだろう。
次に観客席を活用されないように大量の種を飛ばし茨を作り出し隔離する。
茨は切り裂かれたり燃やされたりしても木行竜にはそれが伝わり、奇襲の成功率は大幅に下がる。
それを見た少女は中央部の巨大な闇を消し去り刀を構える。
「火を飛ばしてきても距離があるなら避けられるし対象指定攻撃に気をつけるだけでもう攻撃は受けないぞ?」
「はい、ですが何故あの時『昼間でもないのに真下に影ができていた』のだと思いますか?」
その言葉に反応し竜は急降下。 視線を自分の居た方向に向けるとその近くには白く輝く炎が浮いていた。
これは一度見た覚えのある色、マグネシウムが焼けるときに発する光だ。 竜の影の位置が真下であったのはこれが原因か。
「火線を飛ばした後その場で停止させる事を覚えまして、あとは精霊に制御任せてマグネシウムの粉末を乗せて飛ばせば強めの光源です」
火は水で消せばいい。 しかしそこを狙って火が飛んでくるだろう。 また撃ち消せば動きは止まりいずれ影をつかまれる。
ついに竜は空の利を捨て地上で戦うことを決心した。 地上で至近距離なら光源を用意した傍から弾き飛ばせる。
地上で距離を置き戦うなら光源を利用し影を重ねること自体が難しくなってくる。 地上で戦う方が安全だ。 水にも限りがあるのだから。
-
>>919
「その対象指定攻撃強すぎじゃね?」
「この前これ使って負けましたよ?」
なんとも軽いやり取りではあるが現に二人ともそこまでの消耗は無い。
竜は回復力により消耗を抑えており少女にいたってはまだ攻撃を受けていない。
それこそ消耗は竜の保存していた水と少女の魔力くらいなものであろう。
「なんていうか、お互い強くなったよな」
「そうですねーとってもよくしてもらってます」
距離をとったまま二人は昔を振り返るような言葉を口にする。
しかし、その二人の中にある感情にはあまりにも差がありすぎた。
「近づかせやしないぞ」
近距離では身体能力の差が武器になるだろうか火が怖い。
避けられる距離を保ちながら遠距離攻撃を続ける方が持久力に優れる竜にとっては有利だ。
だがそれでも、身体能力差を埋める何かがあれば、接近を許す可能性がある。
体を沈め自由落下状態から足を動かし少ない力で移動する、縮地。
無論慣性を無視した瞬間移動にはならないが、元より竜より慣性の小さな少女の体と合わされば、十分速い。
「ヤッ!!」
足止めにばら撒かれる蠢く蔦や刃の植物が、振るわれた刀の纏う炎に焼き斬られていく。
粘着液を出す植物の粘液を仕掛けてもその足運びで即座に対応される。
恐らくは精霊に教えてもらうことで地面すら見ずにそれを踏む事を回避しているのだろう。
半端な植物では既に少女の炎に対応できない。 攻撃手段の内植物と水を失ったなら、もう近距離戦闘を選ぶより他ない。
今、お互いがお互いの間合いに踏み込んだ。
-
>>920
「身体能力の高い、しかも自分よりリーチも質量も恵まれてる相手に、こうも執拗に近距離戦挑むのかよ!」
「はい!」 即答だった。 とにかく相手の優位性をことごとく潰すように近距離戦闘に持ち込んだ少女だが、その戦いはここからが本番。
竜の体から飛び出す無数の植物の刃は、鞘で地を叩くことで直前に避け、
翼の羽ばたきには刀を地面に突きたてることで耐え、
そこを狙い振るわれる竜の尻尾は突きたてた刀を基点に爆発を起こし飛び上がるように避け、
浮いた体目掛けて放たれる拳は鞘の爆発により自分の体を地面目掛け叩き落すように避けた。
「ヤベェ」
周囲の地面から蔦を出し、それを焼き払うなどの対処をしている間に竜は着地する。
攻撃を続ければまだ優位性は維持できるが少女はずっと防戦一方。
しかしこのまま戦闘が続けば火の仕込みはどんどん増え、いずれ飛び上がらなくても影をつかまれてしまうかもしれない。
「勝負ッ!!」
だからこそそれまでに勝負を決めたい。 竜は蔦を多数差し向けるのと同時に植物の刃を纏い突進する。
突進を避けるのに体勢を崩せば蔦に捕らえられ追撃を受ける、蔦に対処していれば突進を受ける、単純な力技。
それに対して少女は、別の選択を選ばずに突進を避ける選択をした。
「貰ったァ!」
「どうぞどうぞー」
少女の体が蔦に絡めとられる、その前に少女は刀を振るった。
突進から追撃に移るまでには流石に一瞬でとはいかない。 その間に少女は無理な体勢から刀を振るう。
蔦は薙ぎ払われるが、無理な体勢からの一撃は追撃を避ける時間を奪う。 それどころか刀が蔦に絡め取られ――
「ッ!?」
気付いたときには既にそれが完成していた。 蔦を焼くことなく絡め取られた刀、そこから流れた炎は鞘へと流れた。
青いリュウグウノツカイの姿をした精霊が姿を現したかと思えば、それは一瞬にして、爆発を起こした。
無理な体勢から、攻撃を避ける時間を削り体勢を整え、強く吹き飛ばされた少女の体はクロスカウンターのように竜を弾き飛ばす。
少女の体は蔦に絡めとられているため竜の体のみがはじき出されるが、弱い火を使い蔦を焼き少女は追撃に走る。
「まだだ!」
「いいえ、これがラストアタックです!」
少女は起き上がろうとした竜ではなくその上方に火を走らせた。
このまま光源が用意されれば対象指定攻撃で燃やされる。 竜は立ち上がるのを中断し転がる。
が、転がるのでは縮地を用いる少女から離れるには不足。 光源など関係なしに、本来の、自然にできる影を、踏まれた。
「グッ!? オオオオオオォォォッッ!!!」
燃やされながらも竜は少女に腕を振るい、尻尾を振るい、翼を振るう。
その攻撃を防ぐ術はないのかすぐに少女は後退するが、既に対象指定の炎を別の方向に向け流用していた。
「どうしますか?」
「……流石に降参だ」
竜の後方には光源となる明るい炎が、そして少女の足は竜の影を踏み既に魔法の発動条件を完成させていた。
まだ水の残りはあるが、後手に回ればまた同じように対象指定魔法により燃やされ続けるだろう。
――少女は、不利でありながらも竜の手を封じ勝利して見せた。
-
>>921
「流石に同じ世界出身の女の子に負けるのはガチで落ち込む……」
「あれ? でも幼馴染の幻術使うドラゴンの女の子に勝てたこと無いとか」
「……それ以上言わんでくれ」
お馴染みの出張治療。医療の発展とは素晴らしい。
今回はお互いに学ぶところの多い試合だったかもしれない。
お互いがお互いの弱点をギリギリ握った状態で戦っているような状態であったが。
「ついでに訊いておくけど気分転換にはなったか?」
「――わかりません」
その表情は、試合前とさほど変わったようには見えなかった。
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「かかっ。叱られてしまったな」
「其にしても魔術の精度が上がったな……」
奥の方の席にいた女の声は、不満そうな、それでも仕方ないかと言った呟きに紛れて溶ける。
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「強くなるために手札を増やしたい」
これはそんな木行竜の回想。
【クオンの場合】
「ではまず覚えるべきなのは設置攻撃という手札だと思いますね。
自分は再生能力あるのですから半端な空対空攻撃だけよりは地上に設置した植物から地対空攻撃混ぜるべきです。
というわけで魔法における遠隔操作の自動化と種族特性の擦り合わせを使って――」
結果、少々高難易度ではあったが元々の能力を生かした技術であり現在修行中。
【クーの場合】
「えっと、水大砲だけでなく武器を用いた武術を学ぶのは駄目なのですか?
身体能力に恵まれているのですからそれを活かす動きをとか」
結果、素の身体能力が高く竜の姿も考慮すると合う武術が少なく身につき辛かった。
【タートの場合】
『ふむ、植物操作というのは汎用性が高いのであろう?
確か植物から油が取れたりするそうではないか、燃えやすい植物と合わせれば火も攻撃手段になりえよう。
だから火種を持ち歩くだけでも攻撃の幅は広がるのではないか?』
結果、一番手っ取り早く身についた。
【そして現在闘技場】
「……俺も元野生、ということか」 タヌキ相手が一番わかりやすい結果が出たということにどこか複雑な表情。
-
>>910-914
「…あん?あァ、お前かホレイト」
『ごぼばがぼがぼ』
タイミング悪く、というか何というか。
踏みとどまった少年と対照的に、青年は水壁に頭から突っ込んで溺れていた。
「近所迷惑、ねぇ」
『がぼばごぼぼぼ』
くるり、と体の向きを変えて。
紫の瞳が、邪魔者たるホレイトを射抜く。
「………ま、今回は引くとするか」
溢れ出していた怒気と、龍の爪をその身の内に抑え込んで。
「宗魔、明日の昼にでも闘技場来いや」
『ごぼごぼごぼごぼ』
背を向けて店内へと去る店主と、水壁でもがくバイトと。
ようやく青年が水壁から脱出した時には、既に少年の姿は見えなくなっていて。
『えーっ、と…ごめんなさい?』
びしょ濡れの青年が、一行に向けて頭を下げた。
-
(店内乱闘と双腕の竜を前に、わあ…竜だ…スゴイなー…アスールさんも確か腕に竜が…とか冷静な回想をしながら身体は硬直している)
(が、仲裁に入ったホレイトの様子とやり取りを聞いて再起動した)
「あれ?ホレイトさん、お知り合いなんで…ああっ人が!人が何か映画の拷問シーンとかでありそうな水責めに!」
(うわあうわあと顔面蒼白でおたおた)
(ベルンの賭けに乗れるような度胸が、残念ながら微塵も持っていなかったらしい)
(助けた方がいいのか、しかし助けたら助けたでまたドンパチの火種になるまいかと優柔していた矢先)
(さっきまで溺れていた、そして今は普通にこちらに向けて謝罪している少年に、また我に返る)
「はっ…、い、いえいえっあのっええとっだっ大丈夫ですか?
あ、そっそうだここのお店ってつけ麺はありますか?!」
(気が動転し過ぎて無理してナチュラルな会話しようとして逆に不自然な文章を作っている系女子になっているッ!哀れッ!)
-
「物騒だけれど大切な思い出だからね、それに、その気になれば大騒動が有った事、俺が関わってた事は簡単に調べられる」
「なら、正直に吐いた方が誤解とか生まなくて良いだろう……ああ、何だか良い感じにエリンのSAN値が持っていかれてる!?」
一般人だなー、とか、良識人だなー、とか思うがそんな事を言ってられる状態ではなさそうだ。
どうにかしてフォローしてあげたいが、何の台詞も思い付かない―――ホレイトに全部任せようと決めるまで、時間は掛からなかった。
「……そうだな、そんな日が来たなら、成仏出来る……かは解らないが、相当救われるんだろう」
「まあ、散々やってきた俺が救われるような世界なんて、それはそれで“救えない”とも思うけどね」
自分の邪魔になる相手は問答無用で殺してきた、その可能性があれば、年端もいかない少女だって“取り敢えず”剣を向け“念の為”に貫いた。
その事に罪悪感なんて感じるほどの良識は持ち合わせていないが、こんな自分に救いが有ったなら、神様は下界に無関心過ぎると思う。
「恨まれ役を買って出るのか、正義の味方は大変だね……禿げるなよ、ホレイト、それとエリンは落ち着いて、食い意地張ってるアホの子だと思われるから!」
「ああ、店員さんはお気になさらず、少なくとも俺は楽しんでいたからね」
-
>>925-927
「お久しぶりです、蟒蛇さん。突然の無礼、お許し頂きたい」
す、と、軽く一礼。水壁に突撃した宗魔のことは、頭を冷やせと言わんばかりに一度放置しておいた。とは言え、危ない状態なら何時でも障壁を散らす用意はしているが。
ホレイトを捉えるは未だ怒気を含んだ黒龍の視線。耐性の無い者からすれば正に"蛇に睨まれた蛙"になるであろうそれを受けながらも、凛とした態度で、漆黒の瞳はそれに合わせ、退くことも無く。
…少し見下ろす風になるのは仕方ない、仕方ないんです
「お気遣い感謝します。苛つきを発散したいときは、俺で良ければ然るべき場所で、何時でもお相手致しますよ」
店の中に去り行く背中に、そう語りかけ。それから、手をゆっくりと降り下ろす様な動作をすると同時に、水壁は"還り"、宗魔の全身も、いつの間にかすっかりと乾いていた。
「いいや、今回は俺みたいなのは偶然通りかかったから…まあ運が悪かったってことで。むしろ、貴方に此方が感謝したいくらいで。」
『やっぱあんた一人じゃ、"水壁"の出来もまだまだあんなもんってよく分かったでしょ?』
「わりと本気だったんだけどなぁ」
そんなやり取りの後、ベルンとエリンの元へと再び歩みより。
「まあまあエリン、落ち着け、取り敢えず深呼吸だ、深呼吸」
原因の一人は慣れた様子で、慌てるエリンに笑いかける。それから、龍鼓軒の方を見て。
「今の人が黒乃蟒蛇。元革命軍の幹部で、なんだろうな…特攻隊長みたいな、そんな感じ。一応知り合いではあるけど、そこまで話をしたことはないんだよなぁ…で、そっちは龍鼓軒のバイトの人。」
宗魔の扱いが若干酷い気がするが、ホレイトの認識はそんなもんである。
「…その口振りからして、あんまり真っ当なことじゃないんだろうな。それはちょっとだけ悲しいよ」
ベルンの話を聞き、思ったことを包み隠さず、彼に伝える。変に擁護するのは、むしろ逆効果であるし、そんな考えもなかった。
「救われるさ。お前が以前どんなことをしていたのかはまだ分からないけど、今のお前は少なくとも無闇に"負"をばら蒔いたりしてないだろ?だから、きっと。勿論、何もしないでただ時間を費やすだけじゃダメだぞ」
それはとても都合のいい言葉に聞こえるだろう。けれども、彼ははっきりとベルンに、そう告げた。
だが、彼の放った一声により、ホレイトの表情は一変する。
「禿げる?誰が?まさか俺?いやいやベルンそれはない。断言してもいいがそれはない。禿げるってことはつまりこの俺の女神の紡ぐ羽衣の糸よりも繊細で海に煌めく{これから5分間ほど自慢話が続くので省略}そんな俺の銀髪が一部だとしても無くなるってことだろ?いやいやいやあり得ないあり得ない。だって想像できないし、きっと謎パワーでなんとかなるし、いや間違いないし、ベルンも変な冗談が好きだよな、仲良くなってる証拠だよな。ほら見ろよ地肌なんて一つも見えてないだろ?ん?兎に角そういうことだからな?次そういうこと言ったら冗談や戯れでも少し怒っちゃうかなーって思うんだ、分かった?」
ここまで真顔である。
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ちなみに。
『あーっはっは!!ひっ、ひぃーひっひ!!やっば、あいつやっぱりおっかしいわ!!ほんっとえびせんとアレに関してはビョーキよ!ビョーキ!ほんっと外側も中身も成長しないわね!あ、あいつあんなだけど一応悪いやつじゃないのよ、多分。』
アクエリアはエリンの側で大笑いしたりエリンへ一応主の擁護っぽいことをしていた。
『あら、彼はむしろ貴方の事を心配して言ってくれたのだから、その態度は良くないと思うわ。条件反射なのは考えものね』
天月はベルンの傍らに着き、主を冷ややかな目線で貫いていた。
どっちにしろこの二人がかなり手際よく主の側から離れたのは間違いなかった。
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>>926-929
「然るべき場所、か」
鼻で笑うような仕草を見せた、その後に。
「…まァ、また今回みたいに邪魔されても興が削がれるだけだかんな。カフェか闘技場にてめぇがいりゃ、頼む事もあるかもしれねぇや」
僅かばかり見上げるように、僅かばかり笑みを浮かべて。
今度こそ店主は店内へと歩み去った。
『え、俺はそりゃ大丈夫で--え、つけ麺?頼まれりゃ何だろうと出すのがウチの流儀ですぜ』
(……そういう事を、言うから…店長、が、怒る……んだろう)
『うるせぇよ幽鬼』
一片幽鬼。宗魔の片割れ、もう一つの人格だが、表に出ていない人格の声は他人には聞こえないので端から見たら完全に危ない人である。
『楽しんでくれたんなら…まあいいんですかね。今度来てくれた時は煮玉子でもおまけしましょうかい』
(そして……給料から、天引き…され、る)
『おいやめろバカシャレにならねぇだろうが』
『あー、はい。バイトの一欠宗魔です。えーっと…馬鈴薯さん?』
(馬鹿か、お前は…)
『というか銀髪って遠目から見たら--っ』
『そこまでに、して…おけ、宗魔』
(いきなり主導権持ってくんじゃねぇよ幽鬼!!)
金から、黒へ。
腰まで伸びる闇のような黒髪と、鮮血の如く赤く染まった瞳。
人格の交代である。
『放って、おくと……お前は、マトモな…事、を、言わない…から、な』
(うるせーやい)
そうして、三人に視線を向けて。
『一片…幽鬼、だ。ややこしいが……宜しく頼む』
ぺこりと、頭を下げた。
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>>927-930
(二人から落ち着けと言われ、再び我に返る)
(分かりやすく取り乱してしまったことに気付き、恥ずかしそうに頬を赤らめた)
(すーはーふー、と深呼吸したあと…)
「……はげ?」
(Ha-Ge?と首をひねる)
(一瞬だけ言葉の意味がわからなかったらしいが、すぐにああっという言葉と共にぽんと掌を打った)
(そしてそれ以上は踏み込まないでおいた)
(抱腹絶倒しているアクエリアに、何ともいえない感じのやんわり笑いで答えている)
(ホレイトの人柄や人格には、すでに十分信頼していた)
(時計塔での会話や、先の店主への対応などからその誠実さを感じたためだった)
(でもNGワードって誰にでもあるよね。ハゲとか貧乳とかね。)
(と、自己紹介をしてくれたバイトくんにこちらもお辞儀)
「あ、はいっ、宗魔さんですね、ボクはエリンといいm……?」
(口調が突然変貌した相手に、きょとん)
(……この少女は、実はいわゆる色盲のような状態で、瞳と髪色の変化がわからなかったので……)
「……幽鬼、さん?はい、よろしくお願いしますっ」
(続けられた名前も繰り返しつつ、2回目のお辞儀をすることとなった)
-
【カフェ――の炬燵が毎年置かれる畳のスペース】
涼しい……
(ぐてーん)
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>>932
「涼しくてもこの季節はやっぱり怪談だよね」 何かいた、いつの間にいたのだろうか。
「私はカマイタチの夜が好きでね、ホラーゲームはアクションでなければという人も多いけど私は断然ノベル派だね。
特に選択により全く別の設定の世界となる、複数の平行世界からなる物語、その分岐を自分が握っているという感覚もまた面白い。
これもまた一種の冒険だと思うんだ。 まるで守護霊のように人物の行動を左右する感覚と共に、ね」
ホラーゲームについて語り始めた。 怪談とはまた違う話だと思うのだが。
-
>>933
(ごろん。サングラスの女が首から上だけを向ける。)
ホラーゲーム?お化け屋敷とは違うのか?
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>>934
「お化け屋敷よりはお手軽かもね、金銭的には逆だけど。
でも怖い物語だけでもない、というのはお化け屋敷にはない特徴かな」
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>>935
ほう
(うつ伏せになって腕枕を作る。興味を持ったようだ)
なんだ?結婚エンドとかあるのか?
(何を求めている)
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>>936
「結婚エンド? あるね」 まさかの結婚エンドありだった。
「最も手早い結婚エンドは陰陽編の序盤でのとあるエンドだね。
少々のネタばれ的表現のあるエンドだったが、陰陽編での数少ないハッピーエンドだ。
陰陽編は特に好きなシナリオだったね、好き嫌いが分かれるシナリオでもあるけど」
なおこのカマイタチの夜のシナリオの話、実話である。
ホラーゲームに結婚エンドがあるかと訊かれイエスと答えられる作品は少ないだろう。
答えながら何故か熱い紅茶を注文していた。
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>>937
ホラーゲームとはなんだったのか……
(つぶれた。)
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>>938
「ホラーだよ? 本編サスペンスなのに平行世界ではちょっと洞窟の仕掛けを解き明かしたり、
推理関係ない悪霊が犯人とかあったり、主人公交代で超能力でトリック解決する超展開あったり、
主人公含む登場人物の生き残りのほぼ全てが猟奇殺人者になったり、怪獣対怪獣の戦いが始まったりするだけだよ」
残念な事に全て実話である。 実に評価と好き嫌いの分かれる作品だ。 何故そんな作品を推しているのか。
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>>939
推理になったかと思えば推理関係無くなるんかいっ!
……いやでもそれはそれで面白そうだぞ……猟奇殺人……
ちょっと買いに行く、か
(ひょい、と起き上がる。既に食べていたのであろう、会計を済ませるとまだ空いていそうなお店を探しに出た。)
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>>940
「今いったシナリオは全て『かまいたちの夜2』のシナリオだよ。
設定が別物になるくせに妙に芯はぶれずに繋がったりするのがまた面白い」
とそこで席を立たれてしまった。
「……夏といえば『蚊〜山田家の夏〜』も面白かったな〜」 ホラーですらない。
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>>みんな
「ああ、うん、そうだな、禿げない禿げない、まだ暫くは大丈夫だよ、きっと」
めっちゃ神経質になってるし、冗談抜きでこいつは禿げるんじゃないか、そう思ったが流石に黙ることにした。
「救われないさ、罪を犯した事は認めても、俺は同じ状態であればまたそれを繰り返すだろうから」
「何故なら俺にとっては真っ当なんだよ、ホレイト、世間一般から見ればおかしいのは承知している、それを承知で血を流したのだから、自分は罪を犯したって自覚も有る、けれど」
「それは俺にとって真っ当で、当たり前の行動だったんだよ、だから実行したんだ」
「あの子にちょっかいを出した“友人の愛しい人”を殺した、それに、花屋に喧嘩を売った組織の人を殺して、泣きながらその死体に寄ろうとした“健気な少女”を殺した」
「……後者はあのカフェで見かけた事もある二人だ、もしかしたらホレイトやエリンの知り合いか友人かもしれない、グライツとリエイアって言ってたかな」
興味が無かったから記憶は曖昧だがね、と、煽るように、死者を冒涜するように青年はわざと付け加える。
それが反感を買うのは承知しているが、言わずにはいられなかった。
それが誠意だから、正面から心を隠さずに踏み込んできてくれたホレイトへの誠意なのだから。
だから、反感を恐れずに此方も本性を見せると決めた、ベルンという存在は“化け物”で、彼等とは偶々気があっているだけだ、と。
そして、エリンにも聞きたかった。
このまま自分と関われるのか、と、きっと、彼女の知っていた自分は、既に死んでいるから。
闘技場で寂しそうにしていた女の子に声を掛けたような、他人を真っ当に見て、困っていたら手を伸ばしたような“人間”の自分はもういない。
今、このアルバイトの幽鬼とやらと関わっているのも、間に二人の存在が有るからだ。
そう、本人は強く思っている。
「幽鬼、か、まあ宜しくね」
「こんな身体だから、ラーメンを食べる為に出向くことは無いと思うけど、他で縁が無いとは限らないし」
-
>>930>>931>>942
『取り敢えずアンタ、皆に言うことあるでしょ?』
『…呆れたものね』
「みっともなく取り乱してホントにすみませんでした」
暴走(?)から数秒後、そこには精霊達に戒められ皆に土下座で謝罪するホレイトの姿が!
それを見届けたアクエリアは再びエリンの傍へ、天月はスゥと、帯刀している光長時の中へと、吸い込まれるように消える。
「…えーと、宗魔に幽鬼。よろしくな」
即座にキリッとした表情を作って、二人に挨拶する。
精霊と契約する者に囲まれてるお陰か、姿の見えない者と会話している様には慣れてしまっているため、なんの違和感もなく彼等に相対している。
「幽鬼は宗魔と違って落ち着いてそうだな、よければ蟒蛇さんと宗魔がぶつかり合いそうになるのをそうやって止めてくれるとありがたいんだけど」
冗談っぽい口調で幽鬼へとそう言い、龍鼓軒の方を見て。
「今日は食事の出来ない友人がいるからやめとくけど、次はえびせんラーメン食いに来るよ」
それがまた店主との争いの種になるのに彼は気付いていない。何故なら、本気で正式なメニューだと思っているからである。
「落ち着いたか?全くエリンはツッコミ体質だな」
『そう?私にはこの娘自体天然ボケだと思うけど』
今度はエリンの頭頂部にちょこんと乗っているアクエリアが、ホレイトの発言に半ば被せる様にさらっと言う。
『でも私、なんかこの娘の傍落ち着くわー。アンタから乗り換えようかしら』
「ちょっと待てそれは本当に困る」
『…冗談よ冗談。8割くらいは』
後の2割はなんだよ、と食い下がろうとしたが、アクエリアのニヤニヤ顔を見て、からかわれてると思い止めておいた。
それから、ベルンの方に改めて向き直り。
暫くは静かに、かつ表情を変えることなく、彼の告白を聞いていたが、ある言葉を聞くと、その表情は苦々しいものへと変わった。
「グライツに…リエイア。懐かしい名前だな…それだけに、ちょっとキツいな」
彼等とはそこまで深い関係にあった訳ではない。強いて言うなら、カフェでの知り合い程度であろう。
それでも、仲は悪くなかったし、二人とも悪者には見えなかった。
そして、いつの間にか見なくなっていた、彼等は──
「何回も言うけど、俺はお前の過去を殆ど知らない。だから本当のところの事情は分からないが…それでも、敢えて言わせてくれ。お前の行動はきっと"間違ってた"」
恐れることなく、臆することなく、ホレイトはベルンに真っ直ぐに向き合い、断定する。
「それに、俺はますますお前を見捨てられなくなったよ。どんなに時間がかかるか分からないけど、俺が絶対に救ってやる。お前はまだ、救われる。」
「お前にとっては償いを受けるべき理由なんてないと思う。だから俺を恨んでくれても、軽蔑してくれても構わない、だけど」
ベルンを見つめる漆黒の瞳は、夜闇を貫く様に、真っ直ぐに、動じることなく。
「俺がお前の友達でいる限り、お前に二度と過ちは犯させない。俺がお前を、きっと護ってやる」
-
【闘技場】
観客席に足組みしながら座り、ぼけーっとリング中央を見つめる女性一人
「…………あーあ、退屈だわ。なんかイタズラしちゃおかな…………なんのイタズラしちゃおかな…………うーん」
ろくでもないこと考えています
「よっし、決めた、こうしよう」
すると手に持った杖を構えて魔力を集中させる
「このレオナ様の手にかかれば、台風作るのなんておちゃのこさいさいなんだからね♪」
すると、突如現れて街を覆う台風!!
街は台風により雨と風に襲われる!!!
「…………やば!しまった〜…………家からやれば良かった!」
自分でやっといて必死に屋根の下まで走って雨宿りします、何かに捕まって飛ばされないように耐えてます
-
>>944
「待てぇい!」 観客席から声が響く。 見ればそこには一人の男が立っていた。
「闘技場ならまだしも町にまで被害が及ぶその行為、見過ごすわけにはいかない!
折角参加しようとしていた肝試しマラソンが中止になっただろうが!」
そのイベントは一般の子供達が参加するイベントなのでカフェメンバーは参加を止められるのだが。
しかし中止となった今、それを知らない男は怒りに燃え上がった。
「よって、この俺が正義を執行する!」 この暴風雨の中でもしっかりと仁王立ちしたまま、宣戦布告をした。
-
「ええー……ちょっとイタズラしただけじゃん」
にっこりして、てへっとしてます
「てか……私炎の精霊だから雨嫌いなの、また今度にしてくれる?」
とか自分でやっといてこんなこと言います
「ま、そのうち去るよ〜、台風だし〜、今南進中だよ〜」
悪びれて無い所が酷い
-
>>946
「何でだよぉおおおっ!? 俺凄っげぇ楽しみにしてたんだぞ! ……南進? 南に行ってるのか?」
世界を走った経験からこの場所だと北に行くのではと不思議に思っている。 怒りはどうした。
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>>947
「そっか〜……ごめんね」
てへっと
「まあまた日を改めてやるでしょ〜、ほら、台風の後ってすっごい晴れるんだよ」
とか言います
「うん、南に行ってるよ〜、そう、私の魔力でできた台風だし?天の邪鬼なの」
と、笑いながら言って
-
>>948
「人為的な台風でも次の日は快晴なのだろうか? 快晴だと良いな!」
相変わらず仁王立ちしている。
「物理現象に逆らうほどの力を籠めたのか? それとも常時そんな感じなのか、不便じゃないのか?」
-
>>949
「物理現象に逆らうようにしたよ?私にかかればおちゃのこさいさいだから」
と、ころりと言います
「まぁ、魔力なんて腐るほどあるしねー、つってもまあこの杖のおかげだけどね」
彼女の左手には豪勢な飾りがついた、しかし年代物であるだろう杖があります
-
>>950
「世にはまだまだ凄いものがあるのだな。 しかしあまり大きな迷惑をかけることは避けよう」
熱血爆走馬鹿であるのに案外普通の言い分。
「……ん? それなら今からでもこの台風を消せたりもするのか!?」
期待に満ちた目を向ける。
-
>>951
「…………消せるっちゃ消せるけど」
と、そう言ってうーんとしてる
「中止決定したマラソン大会は再開しないと思うよ?」
と、こんなこと続けて言います
-
>>952
「……そうだな」 今度はまた急激に落ち込み始める。 しかし脚の位置は動かない。 どうやら氷で固定しているらしい。
-
>>953
「…………むー、分かった分かった、それじゃ解除するよ〜、ちょっと待ってね」
と、気迫に負けたのか、杖を構えて
「そーれっと消滅魔法っと」
すると台風は、何かに吸い込まれるようにして、消えて行きました
周囲を襲っていた台風は消えて、すっかり晴れ上がった街
「はい、これで消えたよ」
とにっこり
-
>>954
「おぉ、とても素晴らしい空だ!」 そう言って見上げるが、地面は雨でぬかるんでいる。
「……仕方が無いよな、台風なんだから」 現実逃避し始めた。 風が止んだので脚を固定していた氷を砕く。
-
>>955
「ま、地面に関しちゃ明日まで待つしかないねー。季節が季節だからすぐに乾くっしょー」
と、楽観的に言います
「さすがの私も地面一瞬で乾かす事は出来ないよー、一部ならともかく広範囲を乾かすのはね」
と、そんな事言います
-
>>956
「そうだな、きっと大丈夫だろう。 だが今度からは気をつけてくれよ?
少なくとも町でイベントが無いか確認できるならなるべく確認してくれ」
諦めを受け入れられたのかある程度立ち直ったらしい。
-
>>957
「そうね〜……ごめんね?ちょっとやり過ぎたかなーって」
と、てへっと
「まぁ、気を付けるわ〜っと」
そんな事言うと
「さってと、そろそろ帰るわ〜、またね、熱血おにーさん」
箒を空間から取り出して、それに乗って飛んでいきました
//落ちます〜、ありがとうですよー
-
>>958
「おう! 気をつけて帰るといい!」 笑顔で見送る。 切り替えの早さが明らかに脳筋だった。
-
【カフェ】
「竜としての能力を生かしてスポーツ選手になろうかと思ったんだ」
「スポーツでならタートさんにも勝てますよねー」
少女と竜の青年が世間話をしている。
「でも一般競技には出場できないし異常な奴らが集まる競技では力不足だった。
結構自信があったんだけど最終的には治療能力活かした救護班扱いだな、行ってみた競技が悪かったのかもしれないが」
現実は少し厳しかった。元々スポーツは人間が生み出した人間の行うための物なのだから仕方がないのかもしれない。
「それで今度は釣りに挑戦するって言い出したんですか?」
「それも船の上で壊血病予防要因に成り果てそうだから止めた」
「……強い、ではなく便利なのですね」
-
この晩、「サテュロスの尻尾」号が駅についたのは、到着予定時刻から5時間もすぎた後の話で。
『街』の大手門前に設置された駅で降りる乗客にしこたま頭をさげた後、御者のトーマスは自分の不運を呪った。
「賊」に襲われ、馬車は傷だらけ。
しょうがないことだといって納得はしてくれたが不満を隠そうとしない乗客。
お詫びとに運賃を減らしてしまったために大幅に減った稼ぎ。
その減った稼ぎで馬車を修理しないといけないという事実。
そしてなによりも。
一番最後に馬車を降りた「お客さん」。
社交辞令的に、「賊に襲われたのなら仕方ないですから。」と御者を慰め、満額の運賃を払って雑踏に消えた『子供』
『このご時世』に『共連れもなく、一人』だけで駅馬車にのる『子供』。
街についても、だれか親しいものが迎えに来ている様子さえない『子供』。
「・・・おっかねえ。」
ぶるりと体を大きく震わせて、トーマスは「お客さん」のことを忘れようと務めた。
あっちの国にも、こっちの里にも、子供の姿のまま成長しない化け物みたいな人間が何人もいるらしいし、化け物が子供の格好をするなんてのは古今東西よく聞く話だ。
きっとあの「お客さん」もそんな化け物の一匹だと心の内決めつけ、トーマスは自分が泊まるための安宿へと足を向けた。
「・・・化け物に関わりあうなんて、ゴメンだからな。」
-
夕餉時こそ過ぎたものの、遅めの晩餐にありつこうとするものや、安くなっているであろう売れ残りを狙う者。
若い男女の二人連れや、仕事帰りの男性など。
依然として人通りの多い繁華街を、その少年は歩いていた。
肩にかけた鞄は夕餉の材料が入っているのだろう、ぽっこりと膨れ上がり。
他人からすれば、その鞄は小さい少年と比して大き過ぎるようと映るだろう。
ものを多く運ぶという観点では有利であろうそれは、また別の厄介事を引き起こすもので。
がらの悪い男性とすれちがいざま、男性がその鞄に足をぶつけ、転んでしまったのだ。
・・・通常、鞄に足をぶつけた程度で人は簡単に転びはしない。
また、周囲に人が多いとは言うものの、少年とすれ違うのに難があるほど混み合っているわけではなく。
つまるところがらのわるい男性は、少年に因縁をふっかけるため強引に少年の鞄にぶつかり、大げさに転んでみせたにすぎなかった。
・・・実際、男性が少年とすれ違うのはこれで二回目であり、一度目のすれ違いざま、品定めをした上で事に及んだのであるが、そのことを少年が知る術はない。
大声でわめきたてながら少年にくってかかる男性。
そんなことは知らない、ぶつかった貴方が悪いと抗弁する少年。
そうこうしているうちに、状況は更に悪い方向へと進む。
騒ぎを聞きつけた男性の遊び仲間が現場にやってきたのだ。
人数が増えることで気が大きくなるのは全世界のちんぴらに共通することで。
憲兵が来る前に人気のない場所で”仕事”を済ませてしまおうと、男性と遊び仲間は抵抗する少年を繁華街の路地へと連れ込もうとしている。
-
>>962
【繁華街の路地】
「屋根の上を走るのは止めた方がいい、でも人混みの中を走るのも迷惑だろう。
やはり割り切って屋根を走るか? いやこの前漫画で見た走り方なら人にぶつからないかも」
何やら繁華街の路地で建物の屋根を睨みながら考え込み独り言を呟く青年が一人。
旅人とスポーツ選手の中間のような格好で槍とリュックを背負う姿は、強いて言うなら旅人に一番近い外見。
ただ、そう広くない路地で堂々と悩んでいるその姿は、控えめに表現しても邪魔であった。
元々は人通りの多い場所に立っていたら邪魔だと注意されここに移動したのだが、ここでも邪魔だった。
少なくとも人気のない路地に用のある者からすれば邪魔以外の何物でもないだろう。
-
>>963
ちんぴらの集団から、戦闘を歩いていた男が離れ、青年の方に近寄っていく。
「よぉ兄ちゃん、考え事もいいが俺達その先に用事があるんだ、そこちょっと退イてくんな。」
その後ろから飛んでくる、同意を求める下品な笑い声と罵声と
「んむ!むむんむむー!むむ!」
口元を抑えられているのであろう少年の、言葉にならない、助けを求める声。
「兄ちゃんまで怪我ァしたくねぇだろ?な?」
そういって、ちんぴらは青年の方に手をおき、力を入れて横にどかそうとした。
(※当方遅筆のため、掛け合いになると文が雑になります。ご了承ください。)
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>>964
「ん〜む。 とりあえず世界を走った経験から言うとだ」
何か語り始めた。
「もしも後ろめたくない躾であるならば俺に対してその脅し文句を吐く必要はない。
子供を叱ることは否定しないが、その態度ではそうではないと言っている様なものだ」
脳筋かと思えば少しだけ考えはするようだ。
腕で退かされるままに抵抗せず動き、そのまま少年の近くまで歩いて近寄っていく。
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「あ?」
どうやら男は、青年の言動と行動が気に入らなかったらしい。
目を吊り上げ、こめかみに血管を浮かせ、青年に対する怒りを隠そうともしない。
「痛い目見たくなかったら引っ込んでろって言ってんだよォ!」
言いつつ、青年の方を掴んでいた手で青年の肩を手繰り寄せ、
反対側の手で、思い切り青年に殴りかかった。
素人のテレフォンパンチもいいところの大ぶりの一撃だ、青年に少しでも”殴り合い”の心得があるのならば、簡単に見切ることができるだろう。
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>>966
青年に殴り合いの心得と呼べるものがあるかと訊かれれば、その答えを出すのは難しい。
何せ彼は戦いを学ぶことはほとんどしていない。 その情熱は走ることへと向けられているからだ。
だが曲がりなりにも世界を走った経験者が戦いを一切しないまま旅を続けることができたかという問いも、否だ。
「ヒートラン!」
足元で炸裂する火の魔法は爆発を引き起こしその体を急加速させる。
肩を捕まれたまま拳を捌くよりも、拳が届くより速く体当たりで突破するほうが容易いと判断したのだろう。
高速で走る彼の動体視力なら屈むだけで避けられそうなものだが、余裕があれば走るという行動パターンが染み付いているのかもしれない。
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>>967
「ふぐおっ!」
まともにカウンターを取られた形になった男は壁にたたきつけられる形ように吹き飛ばされ、
その勢いのまま、団子になっている後続のちんぴら集団を巻き込んで倒れた。少年ごと。
人数が災いして、お互いが絡まりあい身動きがとれないまま、乱雑な言葉で罵り合いを始めるちんぴらの集団。
落ち着いて一人ずつ起き上がれば簡単にことは住むのだが、そのことに考えが及ぶような男は、誰一人としてその中にいなかった。
白目を向いて気絶している男が目を覚まさない限り、ちんぴら集団のにっちもさっちもいかない状態は続くだろう。
その男たちの体の隙間から細い手がにゅっと伸びて出た。
体の小さい少年は、円陣を組んでいた自分よりも大きい男たち同士が絡まりあったことで出来た極小さな隙間を使い、ある程度は自由に動けたらしい。
その細い手を手がかりに、やがて頭、体。そして足をと、するするとちんぴらたちの中から抜け出てくる。
自由の効かない男たちの罵声を尻目に、騒動の原因となった鞄を引っ張りだすと、その反動で少年は大きく尻もちをついた。
-
>>968
「緊急事態だし別に大丈夫だよな? 逃げるぞ! こっちにこい!」
騒ぎからして正当性は自分達にあるだろうとは思うも、それまでに被害が拡大しないとも限らない。
少年を人質に取られでもすればどうにもできないのだから。 しかし少年を抱えたまま複数を相手に無力化するのは厳しい。
そこまで考えると走ろうと結論を出し感情が燃え上がるように脳筋思考に戻った。
少年に手を差し伸べる。 槍も取り出し完全に屋根を走る気満々だ。
-
>>969
「えっ?あっ・・はい!。」
さしだされた青年の手を取り、確りと握り返す少年。
全体的にゆったりとした服装のせいかはっきりとは分からないが、立ち上がる時の動作からして、倒れた時に何処かを痛めたということはなさそうだ。
鞄もしっかりと肩からかけ逃げる準備は万全といった様子。
「でも、逃げるって・・何処へですか?」
-
>>970
「そうだな、どこへ逃げたい?」
そういいながら風の魔法で二人の体を舞い上げようとする。
成功すれば屋根に着陸できるまでに高く舞い上がり、そこから屋根の上を駆け抜けるまでをスムーズに行うだろう。
どこかの映画のワンシーンであるかのように、それは自然な動作で行われるはずだ。
……たぶんこのような状況に慣れているのだろう。 旅の最中に同じようなことが何度もあったことを感じさせるほどに鮮やかな逃走。
-
>>971
「わわっ!」
突然の上昇に戸惑う少年、だが。
「あっちの方に5区画も走れば、僕が借りている家があるんですが・・・」
下の男たちに聞こえることを恐れたのか、声ではなく指で青年に方向を示し。
「たしか、あの辺りに広めの公園が・・・あった!」といって少年が指さした先、たしかに家の屋根が途切れている区間がある。
「あそこまで逃げれば、大丈夫だと思います!」
-
>>972
「なら追われないように少しだけ大回りして進むぞ!」
少年を抱え、槍を持ちながら時に氷魔法を使って壁を走ったり再び屋根を横切ったりと器用に街を走る。
大回りといってもある程度ぐるりと別方向を走り最終的に目的地の公園に向かっただけだが。
「ホバー!」
再び風の魔法を駆使しての軟着地。 町の屋根で走ることその物にも慣れているようだ。
-
>>973
「大回りってレベルじゃ・・ああ!」
少年の手を握る青年は気がついただろうか。
逃げている間、少年が手を”引かれて”居ないという事実。
少年とその体格を顧みて、少し手加減して逃げているだろう青年の手に、少年の体重分の抵抗は”無かった”。
壁を走るとき、屋根から屋根へ屋根を飛び移る時。
少年は自分の力で壁に張り付き、また跳んだのだった。
そのことに青年が気がついたのならば。
「・・・はー、はー・・・。」
今こうやって、最後の着地のあと、つんのめって前に転んだ少年の姿がいかがわしい者に見えてくるだろう。
-
>>974
「……?」
何故疲れているのかサッパリ見当がついていない様子。 しかしその疲労の仕方はランナーのそれに近いとは理解できた。
少し悩み、ふと走っているときに自分以外の足音が聞こえたかどうかを思い出そうとする。
もしも足音があったのなら、少年が自力で走破したことに思い至るだろう。 しかし足音がなかったのなら、思い至らないだろう。
-
>>975
足音は”有った”。少年の履いたブーツが壁や屋根を蹴った音は、たしかに。
「・・・はー・・ふー・・ふぅ・・・。」
ぱんぱんと服の裾についた埃を払い、立ち上がる少年。
ひとしきり埃を払い終わると、少年は青年に向きなおり、ぺこりと頭をさげた。
「助けてくださって、有難うございました。」
少年の長い黒髪がだらりと垂れる。
再び頭を上げた少年の、丸みを帯びた緑色の目が青年を見据える。
「歩いていたら、いきなり因縁をつけられたもので・・・。ここまで来れば、大丈夫だと思います。」
見たところ、少年の年頃は10を幾つか出たばかりといったところ。
年の割に大人びた言動と態度だが、そこを気にする人はそうは居ないだろう。
「あの・・・よければお礼をしたいのですが・・・今日は、お時間とか・・・大丈夫ですか?」
-
>>976
「ん、いや。 本当に助けは必要だったか?
自力でなんとかできたのならただのお節介だったとでも思っておくといいぞ?」
ランナーとしてあのコースを走破できたのなら、と少し見る目が変わった。
少なくともただ説教を受けるだけの子供というようには、見ていない。
-
>>977
「お節介だなんて、そんなこと・・・。
お兄さんがきてくれなければ、上手くあそこから逃げられませんでした。
しっかり捕まえられちゃってて・・・。」
ちんぴらの集団が集まる前に逃げられたかどうかは、別として。
「それで・・・えっと・・・
時間がないのなら、お名前だけでも・・・。」
-
>>978
「そうか? それならいいんだが」
着地の時にバランスを崩していたところから戦闘は苦手なのかもしれないと自己完結する。
「特に時間がないというわけでもないが、とりあえずは自己紹介だな。
俺の名はウェイデン・ラフアーチ! マラソンランナーだ!」
自信満々に堂々と自己紹介をする。 赤い髪も手伝って暑苦しい。
-
「マラソンランナー・・・ですか?
・・・マラソンって、あんなところ走ったりするんです・・・」
と、少年、ここで自分が名乗っていなかったことに気づく。
「あ、すいません。名乗って頂いたのなら、名乗り返すのが筋ですよね。」
「僕はフロー、フロー・ライトです。」
「・・・それで、お時間の方は・・・。
このまま別れるのは、心苦しいので・・・。」
お忙しいのなら、これだけでも。と言って。
「少年」改めフローは、鞄のなかから買ったばかりの林檎を一つを取り出して、ウェイデンへと差し出した。
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>>980
「世界一周マラソンだからな、少なくとも水上は走れないと話にならん」
とんでもない規模の話だ。 しかし本人は大真面目。
「フローか、よろしく。 お礼なんて気にする必要もないが、貰っておく」
脳筋レベルで素直に受け取っておく。 そして槍を背負いなおし氷の魔法で小さな刃を作り半分にカット、食べ始める。
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>>981
「世界一周・・・ですか、それはまた、壮大な話ですね・・・。
ずっとお一人で走られてるんですか?」
よいしょ、と。公園に設置してある手頃な台に腰掛け。
鞄の中からもう一つ林檎とを取り出し、同じく鞄から取り出した小刀で皮を剥き始めた。
器用に、くるくると。サバイバルをやっている人間ならだれでもできることであろうが。
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>>982
「基本的にはそうだが誰とも関わらないというわけでもないからな?
規模が大きいから野宿もするし宿にも泊まる。 路銀が尽きれば働くしな。
ルートを外れればその地点に戻りまた走りなおす」
つまりは移動手段が自分の足に限定された旅のタイムアタックなのだろう。
「一度皮に近い部分に一番栄養があると教えられてな、皮ごと齧ったら腹を下したことがある。
皮ごと食べるなら洗わないと駄目だな。 そうでなければ剥かないと」
何やらアホな体験談。 そしてそれは本当にただの林檎だったのだろうか。
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>>983
「・・・んぐ。ルートまで決められてるんですか。
行き当たりばったり・・・ってわけじゃあないんですね。」
向いた林檎を飲み込みながら言う、行儀はわるいが、気にするほどのことではない。
「しかし、街から離れたところでお腹を壊したりしたら大変でしょう。
周りに頼れる人も誰も居ないでしょうし・・・。」
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>>984
「ああ、ショートマラソンだと赤道まで行って一周してスタート地点に戻る。
フルマラソンだと主要都市と陸地の外周と赤道の全てを走って戻ってくる。
ショートは完走したから今はフルの為の路銀集めだ」
走る事に完全に命をかけている。
「……周囲に誰もいないなら、羞恥心なんて捨てられるから楽だぞ」
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>>985
「はあ・・・まあ、国同士の喧嘩にだけは巻き込まれないよう注意してくださいね。」
今日の走りっぷりなら並大抵のことは大丈夫だろうが、国のトップ付近には化け物のような強さの人間がいることを鑑みて、一応の警告。
「ん、ずいぶん引き止めてしまったみたいですね、先程は本当に有難うございました。
お礼が林檎一つというのも味気ないので、これも・・・。」
といって鞄から取り出したのは繁華街にあるパン屋の名前が印刷されている小さな紙袋。
考えるまでもなく、中身はパンだろう。
「それでは、今日の所は失礼します。」
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>>986
「そこは大丈夫だ。 問題が起これば押し通る」
堂々宣言。
「ん、いや気にしなくていいのだが。 じゃあな! 縁があればまた会おう!」
そして走り去っていく。 屋根を走れたからか妙に清々しい表情を浮かべていた。
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【カフェ】
こうも日によって気温が変わると箪笥の中身に困るな……
(からりとカクテルグラスに入った氷が音を立てる)
(グラスを傾けた左手)
(右手はナツザカリマメをつまんでいる)
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【某所:箪笥の中】
(^ω^ )…ふぅ
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>>989
(カサコソ……)
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>>990
(^ω^ )………なんだただのゲジか
(意外と冷静)
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>>991
おう、新入りか?
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>>992
……!ただのゲジじゃないだと!?(^ω^;)
……はい、どうもげじさん。新入りのトームです(^ω^ )
(動揺して尚、挨拶は忘れない礼儀正しいトーム)
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>>993
おうおうおう。魔力を帯びたらなんだって喋る時代さァ
トームっつーのか。俺は毛虫のゲジ。ゲンさんちよんでくれやァ
しっかしお前さんの入り方……素人じゃァねえな?
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>>994
もうそんな時代に来ちまったんだなぁ…(^ω^ )
なぁに、簡単さゲジさん。俺は風使いだからな、潜入も楽々さ
(関係ない)
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>>995
時期に防虫剤も喋る。そうなりゃ戦争よォ
なるほど。人間の風使いってやつァ便利なもんだぜ
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>>996
ふっ…………もう訳わかんねぇな(^ω^ )
(何か台詞を言おうとしたが、とうとうぶっちゃけた)
そのうち箪笥まで喋りだしそうだな。HAHAHAHA(^ω^ )
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>>931>>942-943
「……よろしく、頼む」
再び、頭を下げる。
きょとんとした表情のエリンに、顔を向け。
「……俺達は、いわゆる--二重人格、というやつでな」
生気のない瞳で、そう言った。
「…あぁ」
ベルンに、そう返す。『こんな身体』と言うのはよく分からなかったが。
「闘技場とかで…会うことも、あるかも--しれないな」
ホレイトの方を見て。
「止めた…くらいで、どうにか--なるなら、苦労は…しないさ」
(まるで人を馬鹿のように言いやがる)
「事実、だろう…」
(んだとてめコラ)
そうして、ホレイトの発した単語に、僅かに反応して。
「…残念、だが--えびせんラーメン…は、うちの、メニューには……ない」
(頼まれたんだから出せばいいのに、店長もお前も頭固いよなー)
「そうやって…メニューに、ない物を--出すから、店長が怒る、んだろう」
踏み込んだ話には、できるだけ入らないようにした。
ほぼ初対面の自分が聞いていい話かどうか、よく分からなかったから。
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>>997
世の中わかることなんて何一つねえさ。そうだろォ?
天の声(TANSU)「そろそろ通報したいのに家主がいない」
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>>999
確かに。…今更過ぎる事だったかもしれないな……(^ω^ )
(諦観とも言える表情を浮かべながら、分かったように頷いている)
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