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投句板 〜自由律俳句〜

457田中恭平:2014/12/18(木) 18:03:22
今日の自由律俳句五句。

・はてしらず、それは心のことと句を書きつづく

・冬陽受けくさはらを往く、万感

・寒月に見守られつつ仮家で眠る

・体調悪し仏のみ心のままに赦して横になる

・寒風、ここに冷えた魂が在る

458田中恭平:2014/12/18(木) 21:07:11
今日の夜の自由律俳句の話
・久しく父と母と語り私は私を肯定できた
・認められなくとも文士になる、枯葉舞い散る
・姉風邪気味にして心配なる弟として眠る
・明日デイケアクリスマスパーティ、シャンパン下げて行く
・鬱の芽萌えること宮澤賢治の活字の雨に打たれる

459田中恭平:2014/12/20(土) 19:32:44
2014年12月20日(土)。

・冬の雨いちにちつづく線路かな

・書にふけて病に痩せる若さかな

・妹の車に手を振り家へと帰る

・着込んだら鍵探すのも一苦労

・晩婚で済まそうとする吾に老女満足せず


・薬品の匂いの薫る体かな

・よく食べてよく眠っている猫の皿

・耐え難き猫三匹の走る音

・感情がなくなり穴を掘らんとする

・爪を切り又明日歩く体かな

460田中恭平:2014/12/22(月) 07:45:53
今朝の自由律俳句 五句

・唯一の悩みも失せて卓上の沈丁花

・我が家族無礼にして歳末はひとりでおる

・詩神往く海道にほら波の花

・物に惑い怒号も出るや年のくれ

・我が宝日記でありし年のくれ

461田中恭平:2014/12/22(月) 17:18:54
2014年12月22日(月)。

・デイケアにて無為なる日々と決別する

・冬陽あたたかなこと見下ろす田園

・深夜二時に目覚め星の声聞いている

・爽やか極まること万感の朝焼け

・赦されぬまま止まった時計眺めている

・古里の雪は幻の庭に出ている

・狸も出たか霜の畑に小さな足あと

・ひととき自分を信じて過ごすこと暖かな部屋

・忘れてしまうこころを怖れ書くに書く

・騒がしい心に観れば荒れた庭よ

・水依存激しくこの冬は自分の顔ばかり見つめる

・コップに水光り渇く喉は求めてしまうよ

・もう夢は見たくないと泣いて朝を迎える

・霜降りて今朝は万感の白い息

・寂しくはないしんに孤独となれば

・火を見れば怖れ水を見れば怖れ立ち尽くす

・くしゃみして紙一枚ない寝室に居る

・寒風の夜を孕みつつ代通寺

・古に倣いて過ごす寝正月

・寂しさや家族でこの傷は癒えない

・平凡に暮らすとしては寝正月

・書書くとき脚の震える辛さかな

・我が身不幸を風下として歩むかな

・いちにちは海を眺めて過ごすかな

・鬱の華咲き誇らんと冬至かな

・初雪を拝んで他郷歩むべし

・何物にも変身できず雪の宿

・山寺や酒飲む罪はなかりけり

・我が身枯れあすくさはらへ還るべし

・優しく赦され祖母の墓前に泣きにけり

462田中恭平:2014/12/25(木) 03:51:05
2014年12月25日(木)。

・寂しさに星燃えるなり星月夜

・夜の闇に眼球二つ動きけり

・不調なり句を書いてなお不調なり

・冬至より断酒断煙世界が尚も狭くなり

・文人として六畳一間で済む身かな


・午前三時の祈りの如く詩を綴る

・首の裏痛めつづけてクリスマス

・最終のバスに乗りつつソウビを抱え

・クリスマスすることもなく部屋掃除

・天罰を受け入れて尚眠るかな

463田中恭平:2014/12/26(金) 16:24:42
2014年12月26日(金)。

・孤独感じつつ本日一日誠実でいる

・悩みしつこく寂しいこと泣いている

・赦されず歩むもう頼るひともなく

・この一瞬を生きその後の一瞬を生きる

・反省しこのまま敗れつづける、冬陽


・冬陽照ること、無常であっても赦されない

・赦されないのは己の所為で寒風

・己を責めつづける、寒風吹きつづける

・緩やかに自責すること夜も年老いた

・まだ生きているから賀状を出す冬の星のもと

464田中恭平:2014/12/27(土) 18:00:50
2014年12月27日(土)。

・富岳にて失調寸前荒療治

・野に灯あり狸も詠める俳句かな

・文人志願の縁なし仮屋にて眠る

・冬苦い薬を含みよく眠る

・明日も休日今朝筆跡を強くする


・冬の野火家事かも知れずじっと視る

・こころざしだけでつづけてゆくことに

・父母に虚ろはなくて病者の息子

・被験者の棚よりキャラメルあらわれる

・原発の背も綺麗なり年のくれ

465田中恭平:2014/12/28(日) 16:14:41
2014年12月28日(日)。

・午後四時となり幽霊は出る準備する

・幽霊も身震いするかこの寒さ

・文人となるや父方祖父の命日に

・冬夕焼け隣のマンションを赤くさせて

・魂と水混じりこぼるる年のくれ


・悪徳を庭の隅にて積にけり

・赦しては赦されず往く遍路かな

・もうこれで善いのだ人生諦めて

・我が道と思えず歩む統合失調の道

・祖父いなくてあゝ仕舞われた桐箪笥

・日曜の天使の足に虹かかる

466田中恭平:2014/12/29(月) 05:31:44
2014年12月29日(月)。

・雨降りの今日はしずかに大掃除

・感情平坦男、私、アカシジアに立っており

・ガムを噛むガムに憎しみの在る如く

・我病みて水槽の底にじっとして居る

・不自由なベッドに横臥し句を成しぬ


・寂しさや一人の朝や冬の月

・外来の花咲きにけり冬の土

・内臓を痛ませ眠る孤独かな

・骨と肉そして少しの魂よ

・胃を病んでそれから永い峠かな

467田中恭平:2014/12/30(火) 12:46:02
2014年12月30日(火)。

・己宥めて草に水滴ひかる道往く

・太陽の芯を求めくさはらのなかを彷徨う 

・どうしてもひとりになりたがる未熟な果実

468田中恭平:2014/12/30(火) 20:29:14
・薬で弛緩してゆく筋肉のこのまま水母になりたい

469田中恭平:2014/12/31(水) 01:54:49


今宵の自由律俳句 2014年12月31日(水)。

・冬枯れその酷さに脚をとめる南無阿弥陀仏

・寒さ厳しく震えて文士の日記を指で追えば大晦日

・結局変われなかった一年を暖に当たって送る

470田中恭平:2014/12/31(水) 09:27:34
2014年12月31日(水)。

・死と遊びもう泳がない海を見ている

・冬陽親しくすべてのひとひに祝福を

・普通のひとには成れず只管胡桃割りつづく

・呪われた寝室、コピー用紙だけがまっしろ

・孤独を食べてこんなに痩せた私です

471田中恭平:2014/12/31(水) 21:21:26
今日の自由律俳句

・回心し露草のなかゆっくり急ぐ大晦日 恭平

・ゆっくりと死につつあゝ寝正月の明日明後日 恭平

・halleluiahと呟いた唇が十字架にかけられる 恭平

・人それぞれの世界で一輪の花となりはつはる 恭平

・自分の動かなくなってゆく頭に向いてゆく興味 恭平

472田中恭平:2015/01/01(木) 19:35:42
2015年1月1日(木)。

・火の前で父と語らう御元日

・日記初めの掃除初めや荷風に倣い

・断煙をつづけて年を越しにけり

・心臓を大事に歩む初春の道

・素直になって日々是好日、白い畑


・不安となりデパスを含む就寝前

・元日にゾンビ映画をぼうっと眺め

・人生はつづいて元日という区切

・病永くて今年も参る雑煮哉

・真剣に素直になろう御元日

473田中恭平:2015/01/01(木) 19:36:19
2015年1月1日(木)。

・火の前で父と語らう御元日

・日記初めの掃除初めや荷風に倣い

・断煙をつづけて年を越しにけり

・心臓を大事に歩む初春の道

・素直になって日々是好日、白い畑


・不安となりデパスを含む就寝前

・元日にゾンビ映画をぼうっと眺め

・人生はつづいて元日という区切

・病永くて今年も参る雑煮哉

・真剣に素直になろう御元日

474田中恭平:2015/01/03(土) 18:05:01
2015年1月3日(土)。

・白い空青い空よりよき眠り

・午後五時の鐘鳴り母はゆっくり急ぐ

・ソナタ聞くカーディガンのあなた初春のくさはら

・小鳥囀り椿蹴り落とす初春がやってきました

・初夢に観た富士山のオレンジ色であったこと


・冬、柳のもと女は狐に変わりけり

・初春を暗い部屋目を光らせて過ごしけり

・脳病も愛には勝てず冬枯れの道

・魂の救済に初湯に遊んでいる

・非俗しかし聖(ひじり)でもなき病者かな

475田中恭平:2015/01/04(日) 06:32:39
2015年1月4日(日)。

・初春の病み深くなり寝室に吐血する

・寂しがらせるな嗚呼みんな自分のことを考えている

・眠りたがる頭を支えてチーズバーガーに食らいつく

・夜に問う

・涙乾かして夕闇の道を帰ってきた

476田中恭平:2015/01/05(月) 02:51:11
2015年1月5日(月)。

・寒風も吹かない只しんしんと垂直に冷える初春

・ひとり正しくなって正しさの非力なこと、蟲

・陽は出ようとしつつ私は眠り直そうとしつつ夢が怖い

・真夜中水を飲みつづくこと水母になってゆく

・幻覚にやられてひとり吐くことの静か真夜中


・初鶯のその声聞けず来た道を戻る

・くさはらここがさいわいと体操座りして目を閉じる

・どれほど寂しい今朝も富士によく雪降っとる

・胃の痛むこと孤独つのらせて屋根も漏ったか

・薬含むこと万感の今朝は囚われずゆく

477田中恭平:2015/01/06(火) 20:24:47
2015年1月6日(火)。

・鴉を見ない冬の燃えるゴミの日

・寒さ極まってひとり筆をとること何も浮かばず

・弧寒極まることくさはらに白い花となる

・青空のぞむことどうにもならない筆のゆきかた

・薬効くこと多幸感じつつ草を抜く


・どうして寂しい今朝の米を頂く

・汗かいて体冷えること益々冬を嫌ってゆく

・体温めて眠りに就くこと安心のデイケア

・新年の小唄愉しく御茶を頂く

・体温めて横になっていると餅を焼く匂い

478田中恭平:2015/01/06(火) 22:16:49
2015年1月6日(火)。

・蟲を殺した手で合掌して念仏唱えている

・山下さんより黒いコート頂き詩人に近づく

・夜の散歩の愉しきかな父母に黙ってゆけば

・善い月が出て歯に沁みる光だったよ

・書くこと愉しい今日は沢山書いてしあわせ


・私には中身がない、猫に優しくしつづける

・土地神参りてそこに生きていることの重みを背負う

・デイケア愉しいみんな真面目の頑張り屋さん

・私は病んでいたけれど寒ン空にそんなこと忘れる

・ときに悪と化す私を閉じ込めよ夜の精神科病院

479田中恭平:2015/01/06(火) 22:54:28
2015年1月6日(火)。

・紅葉且つ散り赤い絨毯を敷いたような我が庭よ

・眠れない、から、惰性で句を書いている

・口内苦くなってゾピクロン錠がじわじわ効いて多幸する

・寂しく痩せつづける、あたらしい病気かも知れず不安がる

・嗚呼ゆるされて百合のビニールハウスに眠りたい


・積み上げても積み上げても尽きないひとひ

・寝室を音楽で色付けして寝室掃除はじめる夜更け

・そして生き返る自由律俳句書きつづく

・松も闇のなか

・椅子軋ませてアカシジアに悩みつつ書くに書いている

480田中恭平:2015/01/07(水) 06:15:45
2015年1月7日(水)。

・筋肉だるく重たくしんじつ水母になりたい

・午前六時まだ陽の昇らず闇に抱かれた窓

・薬疑いつつ薬飲む朝の多幸感訪れる

・薬の副作用にて古椅子軋ませて雑煮頂く

・思い通りにならない体、猫が羨ましく走る


・音もなく朝か

・風もない冬の静かな支度

・些事に過ぎない悪夢書きおこして疲れて

・体疲れているのだここらが峠

・峠越えれば又あたらしい白い道

481田中恭平:2015/01/07(水) 17:30:04
・「いいよ全然信じ無いから、僕」白菊となって凍っている

482田中恭平:2015/01/08(木) 08:48:50

・デイケアへとお休みの電話入れて冷えたままの世界で 

・寝室に自ら閉じ篭りことば書く、たのしい

・気疲れ起こして寝室に眠ること必死だった

483田中恭平:2015/01/08(木) 17:17:52

・書き残しても詠み人知らず風邪のひとひ 恭平

・冬の川訪ねては富士より俳味ながれくる 恭平

・白桃の種の燃え立つ薪ストーヴ 恭平

484田中恭平:2015/01/09(金) 08:15:58
2015年1月9日(金)。

・すっかり冬めく庭の花ぜんぶ枯れちゃった

・だるい体にこころ軽くストレンジ・ストリート

・松明や薬品苦し父厳し

・ジョージ・ハリスン聞きつつ薪ストーヴに指先温め

・今朝も陽にあたった草の匂い

485田中恭平:2015/01/10(土) 20:42:14
2015年1月10日(土)。
*晩の自由律俳句

・腹充ちて日向に菊となる

・尻の穴火事、小火とのことと文に書く

・少しずつ弱りゆく体、寺の鐘の音響く

・神経の海に漂う薬瓶かな

・水依存症にして水不足の夏を今から心配しとる

486田中恭平:2015/01/10(土) 20:51:04
田中恭平*筆者近況
正月は、家でひたすら寝正月。
マア、睡眠薬がないと眠れない体質になっているので、横になっても意識はあり
薬の副作用であるアカシジアに悩まされ、ずっと楽な姿勢を探す、手探りの寝正月でした。
抗不安剤デパスへの依存が強く、それは必死に抑えておりました。
以前のように幻聴や、妄想に苛まれることなく、寧ろ
抗不安剤の多幸感で、人生の時期で言えば、収穫の秋さえ感じている冬でありました。
何より皆様の一年のご多幸をお祈り申し上げます。

487田中恭平:2015/01/11(日) 18:52:50
2015年1月11日(日)。
*晩の自由律俳句

・人間は考える管足穂の忌

・はつはるのコーラ尽きけり冷蔵庫

・壊滅世相闊歩してゆくダンディズム

・かれはらに肥しの匂い陽の匂い

・美少女人形指の先より茶を出して


・迷惑の種を埋めては育てゆく

・時々は力を抜いて水母となり

・寂しさにふっと被せる藁帽子

・母不機嫌に私の病みを酷くさせ

・チョコを食べチョコになりゆく脚の親指──秘密

488田中恭平:2015/01/13(火) 06:28:10

2015年1月13日(火)、今朝の自由律俳句

・冬銀河その星のひとつになる日も近くなったか

・爽やかな朝に選ばれこの日は起きた

・体のなかで煙の騒ぐ

・風が吹いている、淘汰されるべきもの集っている

・水たらふく飲み水母となりたいよ

489田中恭平:2015/01/14(水) 07:31:56
2015年1月14日(水)。今朝の自由律俳句

 ・デイケア休日無為にして眠れない頭よ

 ・永すぎる一日に困惑しつつしっかりと墓まで歩む

 ・冬菊活けて線香は折って供える南無阿弥陀仏

 ・こころがやっと帰ってきて街に冬陽照る

 ・無用な者よゴー野菜食ってゴー

490田中恭平:2015/01/15(木) 19:42:46
2015年1月15日(木)。

晩の自由律俳句五句

・薬で酔っちまって焼き芋の匂い嗅いで満足だ

・己の頭を叩いてみれば何処か寂しい音のする

・雨上がりの道を歩く幻聴と二手に別れつつ

・薬で多幸しつつ冴えない夜に音楽を薄くかけて

・機械と化した体横にしつつ歳月がはやく進む

491田中恭平:2015/01/16(金) 03:57:25
2015年1月16日(金)。

○朝の自由律俳句

・哀しみは箱のなかの箱のなかの箱・・・否何もない

・チョコレット齧って歩む帰り道空気晴れ上がっている夜

・覚めない夢のひとり歌えば

・薬品が引力を持ち断薬できずにいる、冬、冬、ふゆ

・寂しさ窓を開ければ幻聴の雨おと

492田中恭平:2015/01/17(土) 20:31:39
2015年1月17日(土)。

・急がずいこう花はまだ凍っている

・洗面所に笑顔を忘れた、黙して青空を仰ぐ

・寒くなるという四枚着て眠る

・泣きたいのに愉しいふりをするのは簡単だね

・愉しいものばかり集めた部屋にみのむし


・親指出血している気にせず歩む

・あなたと出会って完成する宇宙が在る

・痛みが優しさになるまで傍にいてねとくさはらで

・人間は考える管胃に錠剤を三錠通して

・小さな目を持って小さな力を見てみたい

493田中恭平:2015/01/18(日) 06:27:07

・寝不足さえ連れて往こう枯原をゆく

・私の一日に雀が寒椿を落としていく

・寒過ぎる夜が朝になるころ目を覚ます

・苦痛な日々をつづける抗不安剤にも飽きちまって

・暗い夜を暗い色のコートで歩む

494田中恭平:2015/01/18(日) 18:45:26
2015年1月18日(日)。
晩の自由律俳句

・顔の冷たく不安なまま壁にもたれて座っている

・やっと善人になれました囀る小鳥もなく

・回心の日曜日あらたな息吹と緑の萌えている

・どこまでも青空それは希望か絶望か

・薬を飲んで吐くに吐く何ひとつ正しくもなく


・わかってもらえなくて冷たい水を飲む

・今日も必死で生きて冷たい水に又薬飲んで寝るだけ

・寂しかったなぁ風呂場で野良猫洗っている

・ひょろひょろ歩けば吐きそうで薬漬けでした

・失くしたもの全部帰ってこいと神頼み

495田中恭平:2015/01/20(火) 07:46:47
2015年1月19日(火)。

・凍りし花の寄り添うように二輪かな

・まだ眠りたいもう眠れないデイケアがある

・夢の中で夢辞典をめくっていた

・朝はコーンポタージュ頂けて庭のプランターに花

・時代がめぐり詩は歴史性に対し垂直に立つ


・雲を数える

・こころ落ち着かない寝室のこうもり傘

・ごみだらけの部屋にごみと化している

・本のみ綺麗に片付けられた部屋です

・そろそろ今日は今日の旅ゆく

496田中恭平:2015/01/20(火) 17:24:55
>495 
×2015年1月19日(火)。→○2015年1月20日(火)。

2015年1月20日(火)。

・陽を風が押している枯原

・ひとり蜜柑齧るこの蜜柑は死んでいる

・夢を次々見てはやっと朝の青空

・淋しい森を抜けてきた風がいまここらに

・頭のなか冷たくなって夜は明けない

497田中恭平:2015/01/22(木) 19:51:08
2015年1月22日(木)。

・ツイてない日はひたすら眠る霧の夜

・インヴェガという新しい薬しずかな唇に入れる

・愛の裂け目に何か入れたり出したりしている

・久々に鳥囀るや宮沢賢治の偉業に啼くや

・自己人体実験開始、文系と理系の境なしくさはらに


・雪を舐め私正しく生きてゆく

・さっきの私、別段憎からずじっと手を見る

・寺に立ち作法もなく弥勒菩薩を待つ

・繰り返す私は正しく生きてゆく

・母親の無関心寂しい統合失調症者の夕

498田中恭平:2015/01/23(金) 06:56:26

2015年1月23日(金)。・朝の五句

・曇天の朝雲の黒さが目にかすむ

・洗顔して言いたいこと洗面所に置いてきた

・今日も「賢治コート」で往く、腰に手をあてて歩む

・星空のひとつとなってあなたを照らす

・冬の今朝のコーラ、机の上には薬のタブレット

499田中恭平:2015/01/24(土) 08:26:02
2015年1月24日(土)。
朝の自由律俳句
・図書館へ行こうとする壮大な夢のさなか

・降りそうな空、模型飛行機を寝室に眺めている

・綺麗な部屋のバイクの鍵が見つからず

・星めぐりの歌を聞きつつ薬効いてきて目を閉じる

・鬼のように柔らかに土手を歩く病者であろう

500田中恭平:2015/01/24(土) 11:49:58
・服薬し弥勒待とうか路地の影 恭平

501田中恭平:2015/01/24(土) 12:48:56
2015年1月24日(土)。

・脳冷えてエアコンの音煩くて切る

・雲厚し、二段のカステラにザクッとフォーク刺す

・牛乳を温めて飲んで牛の子となる

・うどんほくほく大根に汁が滲んでいるね

・冬の月に触れて頭がおかしいのは元々だ

502田中恭平:2015/01/24(土) 15:11:17

・今宵の月は重いと空が嘆いて雨

・風のつきぬけている空を捜してひょうひょうと

・星空に惚れて真っ赤な葉

・大寒の今宵何に酔い眠るのか

・鶴が来てその白さで私の翳を笑う

503田中恭平:2015/01/24(土) 19:19:51
・ほくほくとキャベツ焼き食べ畜生と化す 恭平

・哲学を好まぬひとの印刷機 恭平

・白鳥を見たことある?と猫に問う 恭平

・幼児転んだ白梅のあと紅梅のころ 恭平

・剪定のあと枝を集める父の作業着 恭平

504田中恭平:2015/01/24(土) 23:04:59
2015年1月24日(土)。

・修羅の私に恋愛する資格などなし

・いま鴎がとおく飛んだ──私は時間を掛けた自殺していた

・石の声聞こうとして無言だから放る

・夜の散歩のしんとして静かで愉しい

・眠れない夜の様々な要因を想いペン握る


・淋しいことなんかないと月を指さす

・天上への還り道捜し本日も路傍の草となり

・想えば崩れてゆく天候に笑っちゃう

・私は普通ですよという嘘が行き交う駅前

・私に明日なし自由律俳句書きつつくしゃみする

505田中恭平:2015/01/24(土) 23:15:46
2015年1月24日(土)。

・睡眠薬の効かない敗因を考えて冬銀河

・やっぱり何か欠損している冬薔薇咲いていた

・狂いはじめているのだろうか瞼

・悪路もやはりうきうきする夜の散歩

・淋しいが答えはないだろう仏壇に花


・動かなければ確かに眠いみのむしとして

・昨日の今日で違う夜をオール漕いでゆく

・きちんと無となって椅子も鳴らさず深夜十一時

・夢の川辺を往こう冬に咲く花を見よう

・すると善も悪もないが後悔こころから拭えない

506田中恭平:2015/01/25(日) 13:26:01
*昼、自由律俳句五句
 
・ひとり線路を歩いていくんだよ冬銀河

・さびしさは石を磨いて誤魔化す噴水前

・断捨離の中途読み耽る俳本かな

・抗不安剤二錠含んで晴れた枯原

・夢にみたこと骸骨島を踏めばパキパキ鳴る

507田中恭平:2015/01/26(月) 18:47:23
○本日の自由律俳句三句

・私は私のこころのなかに浮いている 恭平

・このひとには大切なこと指を使って伝えよう 恭平

・短髪となり頭の上で小人がサッカーしている冬 恭平

508田中恭平:2015/01/27(火) 20:36:01
2015年1月27日(火)。

・初心者呼ばわりされて後々傷つくデイケアに翳

・Nさんに本貸して頂けて明日は俳句三昧になるでしょう

・Aさんの原付と私の原付がすれ違う路にたんぽぽ

・インヴェガ含んで頭明晰─クリア─になって芋煮ている

・住んでいた町を辿る脚が水たまりに二本浸かる


・ぽっと梅咲き流れる河

・星一つへたゆまず歩むに汗一滴

・ちょっと多幸しているとさっと風に時間は吹かれる

・嗚呼、友は先に灰になったか

・澄んだ青空に澄んだこころで動く

509田中恭平:2015/01/28(水) 19:16:55
2015年1月28日(水)。

・もう凩は吹かない心のなかを歩いてゆく

・しんじつ金なく病気は酷くしかし今朝も善い日で

・風流でゆく判断は風に任せて

・のっぱらやさしく微熱でいた

・ひとりの夢でたらふく食べていた


・病気のことも詠めばよいと諭され青空

・今宵は幻聴もなくしんじつ静かな寝室です

・「死」というタイトルの本正座して読む

・急がず散歩しよう落としてきた脳の欠片を捜そう

・多幸しつつそれは終焉の感覚に充ちております

510田中恭平:2015/01/29(木) 20:29:48
2015年1月29日(木)。

・夜──、モーツァルト聞きつつ機械人間は畦道を往く

・闇を二つ抱えて参る

・痩せた体で畑(はた)も打てない

・お菓子以外に囚われず私は自由に書く指

・風鈴の音もない仏間に安心している


・薬と仏と安心して眠る

・陽が射して不安はどこにも落ちてはいない

・アブラカタブラ星が一つ落ちましたよね

・こんなに兎が血の涙を出し──、私の友は何処にいる

・チェロが先導するが何故この道を往くか知らない

511田中恭平:2015/01/30(金) 19:41:51
2015年1月30日(金)。

・難あって人生止まる一夜です

・寂しさの冷たい窓にハート書く

・祈りあり千の鴉が夜を成す

・ピアノの音降り来る空が紫に

・朝八時家の全ての鍵を掛け


・母不徳しかし叱れず眠ります

・鬱酷く総てが詩へのレールかと

・手招いて来る犬もなく大柳

・冬の夢うどんを外で食べたいよ

・昼休み雨の中行き安心する

512田中恭平:2015/01/30(金) 22:50:21
2015年1月30日(金)。
詩誌空想用原稿

・月となり背中が寒い、抗不安剤

・ねぇ水が歩いてくるよ枯原を

・地球に飽きて正座を崩す傍に模型飛行機

・天体を家へと入れたい意地に泣く

・湧き水が全部毒だと鬼が吐く


・竹槍をいま何故創る躁総理

・寒さより逃れはできず御花散り

・箱庭の猿が俺なり独りなり

・祭とて死の哀しみは癒されず

・落下する林檎に学ぶことはなし

513田中恭平:2015/02/05(木) 19:57:44
・苦しみもなく一句も得られず春

514田中恭平:2015/02/05(木) 22:34:21
2015年2月5日(木)。

・降りしきる雪もなく枯草している

・夕飯の魚が善かったそんなこともどんどん忘れる

・書庫に姉の部屋の光が入って逃げ道を捜している

・不思議な水を飲む心の芥、浮いてはまた沈んで

・風に白い砂かけていて老人


・あたらしい印刷用の紙が届いて万感である

・はためく黒い旗下げる方法は知らない

・今日も不安定であって仮面が取れないように必死でした

・素敵な水の青空を眺めて飲む

・句があって善かった、句に救われていた

515田中恭平:2015/02/05(木) 22:47:34
2015年2月5日(木)。

・死と遊ぶ今宵野良猫が過ぎ行く

・骸骨となり誰も入ってこない寝室に眠る

・やっと薬が効いてきて安堵する

・疲れすぎた体は眠り動かない

・ひとそれぞれ闘っている、笑えやしない


・どろっとした血巡りして今宵も星を嗜好します

・しんじつ静かになって私は句作する理由忘れた

・天に届くまで句作する毎日が大望

・自殺念慮烈しく硝子に映る私をみていた

・風吹いて爽やかな夜にペン握っている

516田中恭平:2015/02/06(金) 19:43:29
・酔う位旨い水飲める富士の麓で

517田中恭平:2015/02/07(土) 20:49:47
2015年2月7日(土)。
今日の自由律俳句十句

・白い樹の下で白い本開く

・一日を酒で潰した男が歩いている

・妹の寝室にデパス、不穏

・これが幸せなのでしょう句を書きつづく

・前進できているのか、デイケアに西日射す


・世界がなくなれば私がなくなれば信仰のお祈りはできない

・ひとのことばかり熱心でしんじつ御金がない

・ふわっとふくらんだ枯原にポツポツ青い花

・夜空を叩けば星の降る

・酒に強い身の亡き祖父の血を感じた

518田中恭平:2015/02/08(日) 20:41:33
・星を眺めようと出たベランダの板が雨に濡れ冷たい 

・今朝もヒトリの食パンをボソボソ頂く

・書きに書き積み上げた紙にまだ充たされず書く

519田中恭平:2015/02/10(火) 18:06:38
2015年2月10日(火)。

・青い夜の明かりぽつんと消えた

・硝子に写る私を嫌ってカーテン閉じていた

・鴉ににらまれて傘ふりまわす

・かなしみをちからに一輪咲いた

・かなしみをちからに一人歩いた


・何かで埋め合わせたいだけ、心の隙間

・きっと頭も良くなるから、社会の闇も知っているから

・苦吟の日々が続く、それは平穏な日々で雪

・私の、いてもいなくてもよい人間の寝室だ

・頭中に泥色の雪降る

520田中恭平:2015/02/11(水) 13:28:32
今日の自由律俳句

・ひとつふたつ忘れ物しつつ原付を飛ばす
・春の陽、干された掛布団が少し揺れている
・飴が大好き、小さなメロディー大好き、春を散策

521田中恭平:2015/02/12(木) 20:04:02
2015年2月12日(木)。

・熱いこころが謝って謝って鉄となった

・「それでは善い日を」と砂の建物を去った

・箸一膳巧く握れず二十八歳になる

・眼前にちらつく死を肴に晩酌しとる

・できないことばかり己励まそうと月観る


・宇宙の塵のなかに宇宙あり、春

・約束できず家族で拉麵がとおくなる

・春の雨降る山だちょっと休んだ

・もう春という春が近く又歩きはじめる

・白梅の花薫って目は直線に青空へ

522田中恭平:2015/02/13(金) 21:23:53
2015年2月13日(金)。

・魂が硬化したまま春の浜

・のっぱらのっぱら、さよならを告げる相手もいない

・真に書斎に落ちつきつつも夜の散歩をしたい

・弥勒菩薩待ちつつ私はあたらしい眼鏡を選ぶ

・よく書いてまだ足らない、頭のなかに詩神が座る


・薬が睾丸にじわりと効いてもう去勢された猫です

・雨降らずの春にあなたの匂いがする

・この峠は永いと薬に酔いつつ句を書いていた

・断捨離します、私のこころも軽くなります

・よく食べてよく眠るのは物の少ない部屋です

523田中恭平:2015/02/13(金) 22:17:12
2015年2月13日(金)。

・死んだ枝が星を実らせている

・今日も新聞が読めなかった、寒風吹きすさぶ

・冬に青い花咲く、私の目がじっと濡れた

・山を分け入るとぶちまけられてのり弁

・濡れすぎた私を母は急いで迎えてくれる


・やっぱり酒か、山頭火のいそうな昼ののっぱら

・不治の病持ち私も一人

・生きる態度の今日は酔い潰れたい、圧倒した冬

・枯葉舞う、思い詰める

・野良猫最近よく観る、他人の罪に罰が悪くなる

524田中恭平:2015/02/14(土) 14:15:34
2015年2月14日(土)。

・書を待ちつつ薬を含む影の薄く在るキッチン

・梅にうぐいす、悟ったことを明かせないまま昼休み

・ときは充ちてきらめき苛々して刃物を入れる

・春の陽が夕暮となり復讐してくる

・血の味がして席に過呼吸しとる


・まだ無色なる明日に青い心持ちで往く

・長いお別れになるまで帰路手を繋いで行く

・なかなか溶けないこころのまま風呂に入(い)る

・あなたのことは私のこころと同じでわからないんだ

・バスに乗ってとおく行くきみ、空をのぞいている

525田中恭平:2015/02/15(日) 13:51:26

・春めいてコロン沢山並べている

・クスリやっと効いてきて陽を愛せる

・酒に溶けて小便として出る脳みそか

526刹那 ◆GbvohmL8bU:2015/05/08(金) 11:11:02
蝉時雨儚い命恋模様

527yuri.:2015/06/06(土) 17:38:10
アザレア枯れて葉に重たし

528yuri.:2015/06/09(火) 15:48:01
曇り空にアザミ曇れり

529yuri.:2015/06/15(月) 19:28:28
すれちがう人に死の匂いしたる

530yuri.:2015/06/21(日) 20:43:12
あぢさゐに蝶咲いている

531yuri.:2015/06/23(火) 23:29:51
階段に星の止まり木

水たまりの地図広がる雨上がり

闇の中から雨降りぬ

532yuri.:2015/06/24(水) 00:26:40
闇の中から雨落ちて来る

533yuri.:2015/06/24(水) 10:46:43
水たまりの地図に広がる雨の王国

534yuri.:2015/06/24(水) 17:40:35
文字と話す女

535yuri.:2015/07/01(水) 22:00:32
紫陽花の枯れ花に一つ青

自転車止めたら蜘蛛乗っていた夕暮れ

536yuri.:2015/07/03(金) 21:42:29
闇雨に降っている

537yuri.:2015/07/04(土) 17:11:59
雨の糸に絡まる心

闇に雨の音降っている

538yuri.:2015/07/05(日) 14:42:49
小熊座届いて開く星空

539yuri.:2015/07/06(月) 20:51:17
石ころみたいに蹴られる平和

540yuri.:2015/07/08(水) 18:43:42
蝉のモールス信号聞こえた夏の朝

541yuri.:2015/07/11(土) 19:00:36
蝉降る前のしづけさ

影も蒸発する炎天

542田中恭平:2015/07/11(土) 20:31:11

 あじさい崩れて半日すうすう寝ていたようだ  恭平

543田中恭平:2015/07/12(日) 05:53:19
 梅雨空マスカット実る道へあなたと逃避する 恭平

544yuri.:2015/07/12(日) 13:11:22
「復帰したんですね。よろしく。自由に発表出来る場にしましょう」。

545田中恭平:2015/07/12(日) 17:46:27
「宜しくお願い致します。」

546田中恭平:2015/07/12(日) 19:05:10
風鈴ほのかすゝしく葉のおと 恭平

547田中恭平:2015/07/13(月) 17:13:40
(福)と旗に画かれた船は雲峯のむこうひかりへ  恭平

548田中恭平:2015/07/14(火) 08:15:01
夕栄そして月もでていて雲峯  恭平

549田中恭平:2015/07/14(火) 19:56:54
大鍋のしろいけむり届いたのは雲峯  恭平

550田中恭平:2015/07/15(水) 11:30:57
焼砂に中也の御墓雲の峰  恭平

551yuri.:2015/07/15(水) 19:07:11
炎天に影を探しているのか蟻

星のように言葉を置く夜空に

552yuri.:2015/07/15(水) 21:15:29
舵を切つた空が泣いている

553田中恭平:2015/07/17(金) 01:08:42

夏の夜の明けはじめへと社あり  恭平

554田中恭平:2015/07/17(金) 21:56:52
夕立や煙草の煙押さへこむ  恭平

555田中恭平:2015/07/18(土) 08:51:35
夕立とおいあなたを思うはだかにて  恭平

556田中恭平:2015/07/18(土) 19:28:16
夕立雀がともだち夏の内  恭平

557田中恭平:2015/07/20(月) 09:15:46
短夜明ければ軍手落ちているみち  恭平

558yuri.:2015/07/20(月) 19:11:51
夕焼け歩いて来る

559田中恭平:2015/07/20(月) 19:55:31
短夜明けかねこのままとまれと腕時計にぎる  恭平

560_:2015/07/21(火) 00:54:43
友の鼻を笑う他愛もない日

561_:2015/07/21(火) 00:55:51
憂鬱が夏の風に炙り出される

562_:2015/07/21(火) 00:57:35
寝苦しい夜 空き缶が転がる

563_:2015/07/21(火) 00:59:19
頭を抱える 友の名を呼ぶ

564_:2015/07/21(火) 01:05:06
覚醒剤に溺れ 誰とでも寝る君

565_:2015/07/21(火) 01:07:43
思いだせない君の名を呼ぶ

566_:2015/07/21(火) 01:11:33
君は自由と言う名

567yuri.:2015/07/21(火) 09:33:43
これ以上ここに俳句を投稿すると何かと誤解を受けそうなので、止めることに致します。いちいち説明するのも、馬鹿馬鹿しいですが。

568田中恭平:2015/07/21(火) 16:52:56
わたしももう投稿はしないようにします。Twitterやっておりますので、そちらで作品発表行います。

569yuri.:2015/08/21(金) 11:56:01
自分がトットちゃん並みにそそっかしいと、この年になって気が付きました。名無しの方の投稿があったんですね。いつの間にか。でもやはり何か名前を名乗って欲しいです。

570yuri.:2015/08/22(土) 18:03:36
投句再開します。

571yuri.:2015/08/22(土) 18:05:23
白く濁る昼の月

572yuri.:2015/08/22(土) 19:09:40
月は空のタマシヒだろか

573yuri.:2015/08/22(土) 23:57:17
昼に濁る月 推敲

574yuri.:2015/08/23(日) 16:18:50
しわくちゃの手でしわくちゃの日傘たたむ老婆

575yuri.:2015/08/23(日) 16:25:01
違ふ空の色がそこまで来ている

576yuri.:2015/08/23(日) 16:42:46
違う色の空がそこまで来ている 推敲

577yuri.:2015/08/23(日) 19:39:41
空を仰げば何もない空

578yuri.:2015/08/23(日) 23:42:33
意志あるように落ちている手袋

鶏頭ぐんぐん雨をすつたようだ

579yuri.:2015/08/24(月) 18:28:51
つくつくぼうしに風暮れてゆく

580yuri.:2015/08/24(月) 22:04:22
夕焼けついて来る

581yuri.:2015/08/25(火) 00:06:44
夕焼けついて来るふりかえればもうない

582yuri.:2015/08/25(火) 00:08:54
違う色の空がそこに見えている

583yuri.:2015/08/25(火) 09:17:33
星をねだれば卑しき言葉

584yuri.:2015/08/25(火) 10:33:53
悲しい朝に悲しい色の朝顔だ

585yuri.:2015/08/25(火) 11:13:58
むかで空に投げても星にはならず

586yuri.:2015/08/25(火) 19:27:43
夕焼けついて来る坂登りきるまで

587yuri.:2015/08/25(火) 22:54:42
坂を登りきるわたしと夕焼け

588yuri.:2015/08/27(木) 15:50:52
うつむいても向日葵

589yuri.:2015/08/28(金) 08:32:10
蝉の翅が一枚秋を指している

590yuri.:2015/08/28(金) 23:39:21
ひとしきり鳴いただろう翅落ちている

591yuri.:2015/08/30(日) 23:59:53
鉦叩に秒針動いたり止まつたり

592yuri.:2015/08/31(月) 18:25:32
蝶群れ飛ぶ星のうら

593yuri.:2015/09/01(火) 20:41:47
蝶群れ飛ぶ星のうら側 推敲

594yuri.:2015/09/01(火) 22:05:21
雨ふる虫の声にふる

595yuri.:2015/09/01(火) 22:47:00
雨音虫の音にふる

596yuri.:2015/09/05(土) 22:09:48
女郎花白粉花厠に秋桜

597yuri:2015/09/07(月) 10:03:00
水鏡のひかりに遊ぶ秋の蝶

598yuri.:2015/09/07(月) 17:31:07
触れなばががんぼ人臭く

599yuri.:2015/09/07(月) 23:34:47
水鏡のひかりに群れる蝶の影    推敲

600yuri.:2015/09/09(水) 16:43:33
晴れてまた空高くなりし

601yuri.:2015/09/28(月) 22:17:24
TV時々秋の虫

602yuri.:2015/10/01(木) 16:07:18
ほおづきに灯る月

603yuri.:2015/10/02(金) 15:08:22
青空に指先踊る晴れ

604yuri.:2015/10/04(日) 16:30:46
ふらふらと教会に入りそうになつた

605yuri.:2015/10/04(日) 16:32:33
青空に指先踊る晴れの空

月灯るほおづき

606yuri.:2015/10/17(土) 21:47:45
夜に瞑る三日月

607yuri.:2015/10/26(月) 18:57:07
サイレンの音に運ばれてゆく夜

無くしたものが星になるなんて何て陳腐な銀紙の星だ

608yuri.:2015/12/25(金) 14:12:36
空かき分けて月が出ている

病院の窓が月

609yuri.:2015/12/25(金) 18:12:11
病室の窓が月 推敲

610yuri.:2016/01/12(火) 22:36:09
明日の珈琲のために眠る

611yuri.:2016/01/14(木) 20:41:53
薬かき分けて探す君を

612yuri.:2016/01/14(木) 21:07:34
闇に腫れている月

613yuri.:2016/02/10(水) 18:16:36
三日月に載るほどの空だ

614yuri.:2016/03/01(火) 21:46:40
さくらを見せてあげたかつた

615yuri.:2016/03/04(金) 18:28:56
鳥籠に大きな鴉飛び込んだ

616yuri.:2016/03/05(土) 17:51:40
浚っても浚っても薄汚い心

617yuri.:2016/03/05(土) 17:53:10
鳥籠に大きすぎる鴉が啼いてゐる 推敲

618yuri.:2016/03/05(土) 18:42:21
言葉を張り付けにしている自分を張り付けにしている

619yuri.:2016/03/05(土) 18:45:16
アドラーさん私には関係ないことだよね

620yuri.:2016/03/06(日) 21:41:51
自分という薬飲みきって人は皆死ぬのだろうか

621yuri.:2016/03/09(水) 16:47:23
僧祈るガレキの町に雪が舞う

622yuri.:2016/03/28(月) 18:33:44
さよならに一つしか意味が無いことを知る

623yuri.:2016/06/08(水) 14:45:41
青い毬も赤い毬もあぢさゐ

624yuri.:2016/06/13(月) 17:28:21
フェンスするり夏蝶

625yuri.:2016/06/14(火) 22:54:21
シャボン玉に一瞥されたり

626yuri.:2016/06/15(水) 17:59:04
抵抗されればされるほど力の入る正義だ

627yuri.:2016/06/15(水) 23:01:06
見上げれば名も無き星の涼しさよ

628yuri.:2016/06/29(水) 17:43:00
本当はため息つきたいこともある

629yuri.:2016/06/29(水) 21:36:13
ミトコンドリアも笑うらし

630yuri.:2016/07/05(火) 22:41:11
本日を持ちまして、こちらの掲示板への書き込みを終了致します。今までお読み下さりありがとうございました。

631if:2016/08/10(水) 14:08:59
仮想空間に仮装する心

632if:2016/10/21(金) 22:40:57
世界が風船のように飛んでいった

633if:2016/10/21(金) 22:42:34
平和は色褪せているくらいがちょうど良い

634if:2016/10/22(土) 19:00:45
世界が風船みたいに飛んでいつた 推敲

635if:2016/10/23(日) 19:09:01
毒林檎齧らされたままの世界

636if:2016/10/23(日) 21:10:32
君は本当の砂漠を見たことがあるか

637if:2016/10/24(月) 00:11:44
話せば話すほど何も話さない

638if:2016/10/24(月) 18:33:50
死んだ言葉並べて威張っている

639if:2016/10/24(月) 23:37:45
話せば話すほど何も話していない  推敲

640if:2016/10/25(火) 09:55:09
人間は砂漠の砂じゃない

641if:2016/10/25(火) 13:39:54
もらった憎悪をまた誰かに投げる

642if:2016/10/26(水) 15:46:36
あかとんぼう風の四角

643if:2016/10/26(水) 23:30:39
今朝もまだあるみのむしアパート

644音順和 otosuna:2016/10/27(木) 08:22:35
よい日の今朝はずっとみんなについて考えちょる

645if:2016/10/28(金) 10:10:54
otosunaさん連れ句ありがとう。よろしく。

予告編みたいな空を見ている

646音順和 otosuna:2016/10/28(金) 18:10:10
いつか弥勒来ていたか時計の針がとまったか

十一月より仕事ただひたすら学ぶことの書くことの

罵りでなくうらめつらめの二十九歳あたらしい水

苦しいことの苦しいことのただ書き落とす

あなたの話がながく一虫の豊光に満たされて

いつか宮沢賢治さんいたか頭の想像の中に

はじめから書きはじめることしっかり疲れている

今朝のシャワーのこんなに緊張しても指は動く


ずっとブルーズのその中で一人欠伸している

太陽にこにこ太陽を今朝見ておれば帰り花

ドンドンドンドン進んでいく少しの幸せのため

ドンキホーテに昨日は右目だけが泣いていた

私は私のあくがれていくしかしここににこにこ

思い違いすらそのままに灯の灯る夜こえて

けものみち葉の茂り葉の茂り歩いて行った

頭のぐちゃぐちゃになっているから詩の道をいくよ

ひどく険しいこの道深く畦道

ゆったりと森林にあった白い鉄の手すりを辿る

理性でなし日の当たる朝ホットコーヒー飲む

声に酔ってまぼろしの声今朝は明るい

どこへ向かえどすべて夢のように秋は学ぶこと


人様に見せるうたでなし富士の高嶺に雪がちらほら

猫が卓状にいる親鸞上人のごとくうた書きつづく


単純な純なままここにあること頭の中をぐるりとさせる

右耳が悪い堕落したこころのもう一度立ち上がる

今朝ももの書くことすすきのひかりその風吹くこと

よしなにしなさいただあなたがうつくしかったいつかの日

これから寒くなるあなたに手紙を書いて笑えることの良し

きみを愛する未来派として後ろから風受けつつ

647if:2016/10/29(土) 08:44:36
未来の森に人間は必要ですか

本の森イマココの森

友の手紙よく晴れている

ブラックバード掴む黒い森

648if:2016/10/29(土) 20:59:12
ブラックバード掴む黒い森を羽根の下に 推敲

649if:2016/10/31(月) 16:48:29
幸福な空に雨落ちている

冷やかして冷えるのは自分の心

ぐちゃぐちゃな雨も降る時は真っ直ぐ

寒いを思い出している10月尽

650if:2016/10/31(月) 18:11:28
649を推敲

幸福な空に雨落ちている

冷やかして冷えてゆく心

ぐちゃぐちゃな雨も降る時は真っ直ぐに

寒いを思い出している10月尽

651if:2016/10/31(月) 18:14:24
>>648 推敲失敗。if

652if:2016/11/01(火) 14:15:46
疵無きものに花も無く

653if:2016/11/01(火) 18:51:05
疵無きものには花もなく 推敲

654if:2016/11/12(土) 00:08:10
小鳥鳴かなくなってひとつ目の冬

655if:2016/11/12(土) 21:37:12
本当に取り残されているのは誰なんだ

656if:2016/11/14(月) 22:31:07
闇のようにひかる月

657if:2016/11/14(月) 22:42:43
擦り切れた言葉を紡ぐ人

幸福な空に色褪せた鶴を飛ばす

658if:2016/11/15(火) 00:36:32
音も無く傷は進むヒコーキ雲

659if:2016/11/17(木) 14:01:45
ほらほらクリスマスだよとのぼり旗

660if:2016/11/19(土) 22:01:28
悲しいねと言われて悲しくなった

661if:2016/11/21(月) 23:25:42
この世はセカイで満ちている

662if:2016/11/28(月) 18:20:53
ここは地獄だから善人が増えては困るのだよ

663if:2016/11/28(月) 22:39:08
幸福な空に色褪せた折鶴

664if:2016/11/29(火) 22:19:43
仕事帰りの一杯のhot soup

黒いまあるい月が出ている

665if:2016/12/08(木) 18:36:29
いつかは最後の手紙をもらうんだ

666if:2016/12/10(土) 23:16:51
言葉は小鳥、とほくへ

667if:2016/12/11(日) 15:24:29
命懸けで言葉守っている詩人だ

668if:2016/12/16(金) 23:02:48
人の声で部屋を温める?

669if:2016/12/17(土) 22:47:05
怯むな猫

670if:2016/12/19(月) 21:37:30
自分にはよく毒が回らないな

671if:2016/12/22(木) 23:30:20
夜の窓を這う雨

672if:2016/12/25(日) 18:36:42
一枚の写真に宿る言葉をこえたもの

673if:2017/01/04(水) 15:26:08
妄想か人かどちらかが死んだ

674if:2017/01/10(火) 14:13:31
みづからを弔うやうに雪降りぬ

675if:2017/02/15(水) 18:21:59
この世界で知っているもの二人だけテキまれいたそ

676if:2017/02/15(水) 18:22:40
ネットの外は自由だね

677if:2017/02/19(日) 23:31:51
ドブ川にドブの色した春の月

678if:2017/03/10(金) 01:10:17
詩をはさんで向かい合わせの二人

679if:2017/03/10(金) 08:54:27
あれは日記なのです

680if:2017/05/04(木) 21:00:21
かたちを確めたくて何度も顔を見てしまう

681if:2017/05/24(水) 13:21:26
友達はそういうことをしないんだよ

682if:2017/06/05(月) 21:49:12
文脈は分かりすぎるほどよく分かっているのです

683if:2017/07/21(金) 11:19:32
女など止めようと思っていた矢先に

望まれるうちは女なのですか

太宰不足天ぷらどんぶり

684if:2017/08/17(木) 00:16:40
傘を開いて心を閉じた

自らを弔うやうに降る雪と

美しくなくなつたら死にたいのだよ

685if:2017/08/28(月) 23:23:30
蜩の声高くなる二月堂

今までお読み下さりありがとうございました。if

686yuri.:2021/02/15(月) 14:43:18
気配だけが住んでいる街並み

赤いマフラーに雪

戻らない友のある日を生きてみる


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