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『水面鏡に映るうたかた(薮翔)』
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:
遥貴:★
:2013/12/01(日) 22:58:35 ID:MJgdWKnY
すっと健太郎が立ち上がり三樹矢から一本のペットボトルを受け取りキャップを開ける。
それと入れ替わるように大和が隣に座り、翔央を支え起こし背負う。
「……来た」
「行け二人とも!」
「なっおい!」
鏡から大量の髪の毛。それに面喰っているとグイっと腕を捕まれ引っ張られる。
「大和!」
「いいから走れ!」
二人からどんどん離れていく、そして二人の声。
「二人を見捨てるつもりかよ!」
「その二人からお前を無事に逃がすように言われてたんだよ、黙って走れ!」
絶句していると大和は全て話してくれた。
本当なら俺がここに一緒に来るとは思っていなかったらしい。ゴーディが必ず止めるだろうと。
本当なら翔央と俺連れていく役は三樹矢本人がやりたかった様子だが、それではいけない理由がある。だからしぶしぶ大和に託したと言う。
「それからこうも言っていた。ゴーディのそばにいてやって欲しい。と。俺にはできない事だから出来るお前はそうしていろ。そう言っていた」
三樹矢の言いたい事が何かを理解した様な気がした。
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