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『水面鏡に映るうたかた(薮翔)』

1遥貴:★:2013/06/21(金) 15:29:51 ID:pA9spepo
こんにちは
『風の導き』というお話をスレでお世話になっている遥貴です。

今日から新し話しを書く事にしました。『風の導き』の続きのお話に
なっています。

細かい説明とかは話を書いていきながらさせていただきますので、
もしお時間がおありならお付き合い頂けたら幸いです。

ではでは、どうど!

75遥貴:★:2013/09/17(火) 15:04:12 ID:pA9spepo
Ya-Ya-yah LOVEさんコメありがとうございます。
こっちこそなかなか書きに来られなくてすみません。
でも、ちゃ〜んと書いていきますので!

というわけで早速続きスタートです!

76遥貴:★:2013/09/17(火) 15:12:00 ID:yNZhV4rk
ごめんなさい(>_<)

書きますと言ったそばから急用が入ってしまい、書けなきなっとしまいました!

なので今回は書くのをやめます!
また書きにきますので、お待ち下さい

77遥貴:★:2013/10/06(日) 22:53:28 ID:GV30i9MY
前回は書けなくて本当にかけなくて本当にすいませんでした!
でも今日は大丈夫のですでの、続きをお楽しみください。

ではでは続きスタートです!

78遥貴:★:2013/10/06(日) 22:55:14 ID:GV30i9MY
〜太陽サイド〜

明日の準備と確認が終わり、みんなと帰ろうとしている時俺のケータイが鳴った。
「みんな俺閉めとくから先に帰っていいよ」と言うと「じゃあ頼んだ!」や「明日ね!」とか言いながら帰って行った。そこでちゃんとケータイの画面を確認した

「もしもし・・・・・・。あれ切れちゃった。あれだけ鳴らしたのに」

かけなおそうとしたら教室の電気が消えた。それと同時にケータイの画面も消える。

「えっ?何で?」

ボタンを押したり画面に触ってみるけど画面は変わらない。仕方が無ないから目が暗さになれるまでじっとしてから手探りで窓の戸締りを確認。

「っ!」

教室をでようとしたら何かの気配を感じ振り返る。すると奴がいた。

79遥貴:★:2013/10/06(日) 22:57:34 ID:GV30i9MY
「どうして・・・・・・」

マズいこのままじゃ最悪引きずり込まれる。後ろは壁で下がれない。覚悟を決めて目を閉じるとバチっという電気がショートしたような大きな音とドアが開く音。
そっと目を開けると前に奴はいない。だからドアの方を向く。

「・・・・・・しょ・・・・・・」

「太陽君」

「・・・・・・玲央」

一瞬どっちかわからなかった。

「太陽君どうしました?すごい音がしましたけど」

「うん、ありがとう玲央。助かったよ」

玲央に軽く腕を引っ張られながら玲央の隣へ行くとまた大丈夫かと聞かれた。

「大丈夫だよ。玲央」

「そうですか?それならいいんですけど、ってか電気つけましょうよ」

さっき確かに切れたはずの電気がついた。少しまぶしい。

80遥貴:★:2013/10/06(日) 22:59:35 ID:GV30i9MY
「太陽君ボーっとしてますけど、どうしました?」

「ううん、何でもないよ。それより玲央どうしたの?わざわざ」

「正門に居たら太陽君の友達さんに会って、いなかったから聞いたら教室出ようとしたら太陽君のケータイ鳴ったから先に帰る事になたって。電車の時間なんかもあるからって教えてもらったんです」

そうなんだと思っていると「太陽君!」と改めて呼ばれた。

81遥貴:★:2013/10/06(日) 23:02:40 ID:GV30i9MY
「うん?」

「朝の続きですけど」

「朝?えっもしかしてそれでわざわざ?」

コクンと頷くと改めてみんなを玲央の所に連れて行くのは三時半以降にしてってお願いされちゃった。

「でも玲央今日と同じだったらどっちにしても意味ないと思うよ。それに玲央嫌がってるけど、俺も翔央も薮も光もやったことあるんだよ。別にそこまで気にしなくていいと思うけど」

「そうですけど、お願いします太陽君!」

「なんでそこまで嫌がってんの?」

あの状況で翔央たちに対応するのが嫌らしい。しかも今日俺見たけど、翔央にそっくりでつい言った「うわ!そっくり似合ってる。まさに違う色を着たらって感じだね」みたいな事他のみんなにも言われるかもしれないのが嫌らしい。

「あれ褒めてたんだけど」

「別に翔央とそっくりって言われるのが嫌なんじゃないんです!チャイナドレスかぶり嫌なんです!
だから太陽君本当にお願いします」

82遥貴:★:2013/10/06(日) 23:03:20 ID:GV30i9MY

パチンと手を合わせてお願いされちゃった。どうしようかなって思ってたらケータイが鳴る。玲央のだ。
玲央は「ちょっと出ます」といって話を始めた。
なんとなく俺もケータイを確認すると、画面が元に戻ってる。

「おかしいなぁ」

「ごめんって、はいすぐに行くよ。太陽君、翔央来ちゃいましたし、行きましょう。翔央には言っておいたので家まで送ります」

それから鍵閉めて、職員室にかぎ返してから急いで翔央が待っている正門に向かう。

83遥貴:★:2013/10/06(日) 23:06:44 ID:GV30i9MY
〜翔央サイド〜

電話を切って今日の事明日の事を考えていた。

「マズいよなぁ」

いや色々と・・・・・・。なんて考えているとコンコンと窓を叩く音。窓をコンコンしているのはもちろん玲央でその隣には太陽もいる。

「遅いよ二人共!ほら乗って」

「ごめんね、翔央。それよりさっき何で電話してきたの?今でもよかったのに」

「太陽と一緒って知ったのがさっきだったんだよ。で、電話したのはクリスとゴーディの二人が太陽の出演した映画のDVDみたいらしくてさ、どうせなら明日会うから持ってきてもらおうと思って電話したんだ」

84遥貴:★:2013/10/06(日) 23:08:41 ID:GV30i9MY
のんびりと「そうなんだ」と呟いたと思ったら今度は大きな声で「あっ!」と叫ぶ。

「ごめん翔央そのDVDなんだけど、今光に貸しちゃってるんだよね」

「光に?」

「光だけ観れなかったでしょ、だから貸してるの」

俺もちょっと見たかったから残念に思っていると、家に帰れば台本があるから送ってくれるお礼に台本貸してくれると言い出した。

「えっ?いやでも・・・・・・」

「太陽君がいいならいいんじゃない?二人共パンフレットや台本も読んでたし。まあ台本読んでたのは主にゴーディの方だけどね」

「うん俺は構わないよ」

結局太陽の提案に乗っからせてもらう事になった。

85遥貴:★:2013/10/06(日) 23:09:25 ID:GV30i9MY


しばらく車を走らせ太陽の家に着く。

「じゃあ取ってくる。そうだ翔央ちょっと一緒に来てくれないかな」

「うんいいよ。じゃあ玲央ちょっと待ってて」

「うんわかった」

もう一度玲央に行ってくると伝え、一緒にアパートの中に入る。

「・・・・・・それで太陽何合った?話があるから呼んだんだろ?」

「うん、正解。あのね翔央電話してきた時にね電気が消えたの。教室の電気もケータイも」

「停電と電池切れ?じゃないよな」

首を横にふり「うん違うと思う」と言った。そう思った理由は玲央が何も気づいていなかった事とその後玲央の電話が繋がった上に太陽のケータイが元に戻ったかららしい。

「それにね奴がいたんだ」

「奴?もしかして前に言ってた?」

「うんもし翔央がこれ貸してくれてなかったら引きずりこまれたよ」

86遥貴:★:2013/10/06(日) 23:10:15 ID:GV30i9MY

ついうっかり想像してると、台本と一緒にペンダントも渡される。

「太陽?」

「ペンダントは返しておくよ。もし何か合ったら大変だしそれに何かあったら翔央が持ってた方がちゃんと対処出来るでしょ?」

「ダ〜メ!お前が持ってろ!大学内で出たんならまた出てくる可能性がある。もし明日俺たちが行く前に何か合ったらどうするんだよ。だから太陽が持っておいて」

一瞬渋い顔をしたもののすぐに元に戻る。

「・・・・・・・じゃあ台本ね」

「うんじゃあ帰るよ。台本ありがとう。太陽、気をつけろよ」

「うん、翔央も安全運転ね」

一回頷いてから太陽の家を出た。

87遥貴:★:2013/10/07(月) 00:58:52 ID:yNZhV4rk
今ちょっと気になって見にきて気づいたのですが、ID変わってましたね(・_・;)
全然気づきませんでしたが、遥貴ですのでご心配なさらないで下さい。はい

88遥貴:★:2013/10/10(木) 20:07:40 ID:MJgdWKnY
〜光サイド〜

朝と同じく薮に送ってもらって帰ってきて駐車場から自分の部屋を見る。

「三樹矢まだ帰ってないのか?」

自分の部屋前まで行って鍵をさしこんでみると、鍵が開いている。

「ま、まさか泥棒」

そんなバカなとは思うけど、念のため用心しながら中に入り、玄関先にある電気をつける。するとパタパタと誰からの足音。

「あっ、光お帰り」

「み、三樹矢!お前いるなら電気つけろよ!ビビるじゃん!」

「あ〜ごめん、ごめん。ほらやっぱりホラー映画はやっぱ暗い部屋の中で見なきゃね」

その意見半分呆れながらテレビの画面を見ると写っているのはもちろん太陽が出演した映画。

89遥貴:★:2013/10/10(木) 20:09:38 ID:MJgdWKnY
「どうする?光も一緒に見る?何なら最初まで戻すけど、まだあんまり見てないしね」

「ううん、一回見てるから。ただ電気はつける」

部屋の電気をつけ飲み物を用意して座る。横で三樹矢が電気をつけた事に文句を言っていたが、無視して再生ボタンを押すと「仕方ないな」と言いイスに座る。



映画も終盤少しホッと出来るシーン。お茶を飲みながらなんとなく三樹矢を見るとすごく真剣に見ていた。
お茶も全く飲んでない。いや別にいいんだけどそういう風に見る人もいる。藪とは違う見方するんだって思った。薮は前半でほとんど飲みきるから。
何となく三樹矢を観察していたら静かで不気味な声がTVから聞こえてきてそちらに目を戻すと、さっきまで意識が削がれていたせいか、ゾッとして身体が一瞬震えてしまった。

エンドロールも終わって、メニュー画面になって、コップの中のお茶もすっかり冷えた頃もう一度三樹矢を見るとさっき見た態勢と全く変わっていなかった。よっぽど見たかったんだな。

90遥貴:★:2013/10/10(木) 20:11:34 ID:MJgdWKnY
「三樹矢!」

「えっ!あっ・・・・・・。な、何?」

「何って映画終わったのに全く動かないから」

ハッとした様にTVに向き直り「あちゃ〜」と残念そうな声を出す。
ま、まさか全然見てなかったのかこいつ。

「おい三樹矢・・・・・・」

「あ〜何かごめん。ちょっと考え事してた」

本当に見てなかったみたいだな。

「全く。で、どうすんの?」

「どうするって?」

あぁこれは全く俺の言いたい事がわかってないな。だって顔がそういう時の薮と一緒だもん。

「だ〜か〜ら〜もう一回見るのか、また今度にするか」

「光は?」

「俺は風呂の準備して入る」

そう言うと三樹矢は「じゃあ見ようかな」と言いリモコンに手を伸ばす。
俺は風呂へ行きもう一度戻って来てから、三樹矢の分だけお茶をいれて、お湯がたまるのを待ちつつ冒頭部分を一緒に見ていた。

91遥貴:★:2013/10/10(木) 20:13:03 ID:MJgdWKnY
〜ゴーディサイド〜

クリスが風呂から出てきた頃外で車の止める音。

「ただいま〜」

「あっ、二人共お帰り」

俺の隣でクリスも「お帰り」って言ってる。それが何か嬉しい。

「ただいま。何か今日はずっと二人にしてごめんな。そのお詫びってわけじゃないけど、太陽から借りてきたよ」

「まあ今DVDは光君が持ってるらしいから、台本だけどね」

92遥貴:★:2013/10/10(木) 20:14:20 ID:MJgdWKnY

多分ここにいるのがクリスじゃなかったら多分文句タラタラだったと思うけど、俺もクリスも台本や原作の本でも楽しめるし、個人的にはちょっと読んでみたいなって思ってたからラッキーかも。

「ありがとう翔央」

「ううん、俺は頼んだけだもん。お礼は明日太陽に言えよ。・・・・・・・クリス何?俺の顔に何かついてる?」

不思議そうな顔をして俺と玲央を交互に見てくる翔央。
どうしたんだろうクリス。何かイラついているような気がしないでもない。そういえば翔央が夕方に帰って来た時からそんな感じだったかも。

「いや何でもない。悪い先に休ませてもらう」

「あっク、クリス!ごめん俺も行く。クリス!クリス待ってよ!」

93遥貴:★:2013/10/10(木) 20:15:28 ID:MJgdWKnY


俺たちの寝室用に宛がわれている部屋に入ると、クリスは布団に包まって小さくなっている。

「クリスどうしたの?」

「・・・・・・いや本当に何でもないんだ。俺がただ過剰に反応しちゃってるだけなんだ」

小さな声で元が「一緒だからって」とか言っているって事は翔央に関する何かだよね。


「本当に対した事じゃないから。気にするなゴーディ。二人聞かれたら「気にしないで」って言っておいて」

俺は何も言わずベッドサイドに座った。

94遥貴:★:2013/10/10(木) 20:25:34 ID:yNZhV4rk
一応同じパソコンで言っているのですが、何故かIDが変わってます。今は携帯でうっているのでそこは変わってないのですが、変わってて本人なので変に気にしないで下さいね(・_・;)

95Ya-Ya-yah LOVE:2013/10/12(土) 07:45:59 ID:RuIWDDD6
遥貴さん!お久しぶりですね!
更新されているのは知っていたけど、なかなかコメント出来ませんでした囧rzこれからも応援していますから、頑張ってください!

96遥貴:★:2013/10/12(土) 20:03:41 ID:yNZhV4rk
Ya-Ya-yah LOVEさんコメントありがとうございます(^O^)

それよりなかなか更新出来なくてすいません、私も早く更新したいんですがなかなかタイミングあわなくて…( ̄○ ̄A;)
私もあげたいんですけどねぇ。

次回更新時はやっとこすっとこ聖夜祭に入ります!


ここで改めて聖夜祭の説明を!
聖夜祭とはこの話に出てくる玲央君&太陽通う大学の冬版の文化祭だと思って下さい(`∇´ゞ(大学あげてのクリスマスイベントです)
普通の文化祭と違うのは最後の締めがキャンドルサービス&ダンスパーティーで、次の週に丸1日かけお片付けをするという設定にしております。

97遥貴:★:2013/10/19(土) 01:23:40 ID:MJgdWKnY
〜大和サイド〜

俺がこっちの次元に来て早二日今日は太陽と翔央の弟の玲央って奴が通っている大学の学祭の日。


遅めの昼食を終えた俺たちは薮と光と三樹矢を拾ってから大学近くの駐車場へ向かう。

「星野たちもう来ているかな?」

「どうだろう?あっ!来てるみたいだよ。星野の車だ」

「じゃあ急いで合流しないとね。あんまり待たせちゃ悪いし。あっ、空いてる場所発見!」

車を止めた所で薮のケータイに翔央から電話があり、駐車場の出入口で合流することになった。

98遥貴:★:2013/10/19(土) 01:25:24 ID:MJgdWKnY
「あっ、みんな!」

「よっ!」

「じゃあみんな揃ったし行こうか。確か正門で太陽が待っているんだよね?」

星野が薮に確認すると「そうだよ」と道案内を始める。
大学へ行くまでの間に車中での続きというようにまだ顔を合わせていなかった星野やクリスたちとの自己紹介タイム。しかし、クリスのこの沈み具合何かあったんだろうか。
それに・・・・・・。これは聞くべきか聞かざるべきか。こういうのはお客さん相手なら完全に放置するんだがな。

「大和?」

「えっな、何だ翔央」

「いや何か難しい顔してたけどどうかした?」

多分いや絶対に気づいてないんだろうな。

「あっ、いや何でもない。それより襟ショルダーバックに巻き込まれてるぞ。正しておいた方がいいんじゃないか?見栄えもいい」

「本当だ、サンキュー大和」

「いや」

本当に気づいてないんだな。まあ、鏡でみたとしても気づきづらい位置ではあるか。

99遥貴:★:2013/10/19(土) 01:26:05 ID:MJgdWKnY
それから歩いていると大学に着いた。

「あっ!お〜いみんなこっちこっち!」

「太陽!」

元気いっぱい手を振ってくるもんだからでかい身体がさらにでかい。って身長一緒か・・・・・・。

「みんないっらっしゃい!先に人数分もらっといたよ。パンフレットと校内マップ」

「サンキュー太陽。まずはどこから行く?」

「太陽のオススメとかある?」

薮と光がマップとパンフレットを開きながら聞くと、二人の上から「えっとね」と覗き込む。

100遥貴:★:2013/10/19(土) 01:26:58 ID:MJgdWKnY
「そういえば翔央今頃玲央は何やってんの?迎えが太陽だけって事は当番の時間なんだろう?」

「それが何度聞いても教えてくれないんだよね。太陽知ってるか?」

「うん知ってるよ。昨日も行ったしね。ここにいるよ」

指した先には南校舎・喫茶店と書かれている。ただ何故かその前に書かれている何かを隠している。

「喫茶店?隠すことないじゃん玲央の奴!」

「まあまあ翔央。じゃあとりあえず玲央の所でお茶でも飲みつつ回る順番でも考えようか。みんなもそれでいい?」

星野の案に全員が賛同する。

「じゃあ太陽案内頼んだ!」

「OK!」

101遥貴:★:2013/10/19(土) 01:28:28 ID:MJgdWKnY
「OK!」


太陽の案内で玲央がいるという教室に着き、「いらっしゃいませ〜」と出迎えてくれる店員役の生徒たち。その中に一人パキーンという音が聞こえてきそうな程の勢いで固まっている奴が一人。
おかげであいつが翔央の弟という事と太陽がさり気なく指で隠していた部分に何て書いてあるのかが同時にわかった。

「・・・・・・。翔央、太陽君みんな・・・・・・・。た、太陽〜く〜ん!」

一部の男子生徒が玲央色んな眼差しで見ているのは気のせいではないだろう。そう思っていると執事の格好をした女子生徒が「お席へどうぞ、マイロード」そう言って案内してくれる。
俺たちが席に着くと玲央も寄って来て、注文を取り、そそくさと戻っていく。
それから少しすると注文の品を持ってみんなに配り自分も空いている席についた。

102遥貴:★:2013/10/19(土) 01:28:59 ID:MJgdWKnY
「戻らなくていいのか玲央」

「あと30分くらいで交代だからその時に戻ればいいってさ。小休止もなかったし。それより何で翔央たち連れて着ちゃったんですか?」

「怒るなよ。似合ってるよ!」

光がフォローというか茶々をいれる。

「そうだよ玲央。それにちゃんと働いてる姿も見てもらわなきゃって思ったんだよ」

太陽の方は純粋にそう思ってるみたいだな。

103遥貴:★:2013/10/19(土) 01:29:59 ID:MJgdWKnY
「せっかくのチャイナドレス姿なのに、そんなにほっぺ膨らませないで。ねっ。翔央ちゃんも着てみない?きっと似合うよ」

「えっ・・・・・・あっと・・・・・・」

「誰が着させるか!特にお前には見せん!」

そりゃあ確かに学祭とかみたいな状況じゃないとチャイナドレスひいては男女逆転喫茶はないだろう。
しかし翔央の奴薮が割り込んだらあからさまに安心したような表情になったな。
最初はとまどっているだけかとも思ったけど、ちょっと違う気もする。かと言ってチャイナドレス着るのが心底嫌という感じでもない。
光たちの話だと過去に着た事があるらしいうえに映像にまで残っているらしい。それを見せてあげようかと、言っているのに笑っている。絶対見せたくない感じなのにどちらかというと薮の方だ。まあ見せたくない相手は主に三樹矢みたいだが・・・・・。

104遥貴:★:2013/10/19(土) 01:30:52 ID:MJgdWKnY
「大和」

「えっ?」

「どうかした?黙り込んじゃって」

直哉が聞いてきたがうまくかわし、話を次どこに行くかという話に戻す。


話が一段落した所で玲央の当番の時間が終わり一度奥に戻った玲央を待ってから逆転喫茶を出た。

105遥貴:★:2013/10/19(土) 01:32:57 ID:MJgdWKnY
「でも玲央ちゃんがチャイナドレス姿のままで俺は嬉しいよ、本当に!」

「・・・・・・・何でです三樹矢君」

玲央の声が嫌に低くなっている事に三樹矢は気づいているのか。

「だって記念写真撮れるじゃん!」

「絶対に嫌です!ってか後でみんなで撮りますし。ちょっと翔央三樹矢君を止めてよー!」

「えっ、あ〜それなら太陽も止めた方がいいんじゃないか?」

太陽を見るともうデジカメを準備している。多分こいつは絶対に残したいんだろう。記念写真。
翔央は「これも経験だよ」なんて宥めてはいるが、まあどちらかといえば嫌だよな。
兎にも角にも無事玲央のチャイナドレス姿も写真に収め、色々満喫していると、いつの間にか太陽が戻らなければならない時間が迫っていた。

106遥貴:★:2013/10/19(土) 01:33:28 ID:MJgdWKnY
「じゃあ予定通り太陽送っていくか」

「太陽は確かミラーラビリンスだったよね?ここから近いの?」

翔央がマップを広げると、玲央が「ここだよ」と指す。

「結構近いよ。この校舎の四階だから」

「玲央は昨日も来てくれたもんね。でも昨日よりも難しくしといたからね」

太陽にミラーラビリンスの簡単なレクチャーを受けながら階段を上がっているといつの間にかその教室着いていた。

「あっ、鮎川君!」

「ただいま。今お客さんいないんだね。今のうちに交代しよ。何組くらい入ってるの?」

太陽が聞くと二人は微妙な顔をする。

「どうしたのか?」

「それが……」

107遥貴:★:2013/10/19(土) 01:34:41 ID:MJgdWKnY
二人の話によると先ほど中に入った二組が30分以上出て来ないらしい。不審に思いギブアップゾーンを担当していた佐々田という男子が入って行ったがそいつもやっぱり出て来ずこれから先生に報告しに行こうとしていた所だったらしい。

「そうなんだ。確かにそれはちょっとへんだね。どんなに迷っても10分から15分くらいには出れるようにしてあるもんね。わかった桜田さん知らせて来て。俺が入口にいるから」

108遥貴:★:2013/10/19(土) 01:35:13 ID:MJgdWKnY
一つ頷くと桜田は行った。そして、もう一人雪野はもしかしたら出て来るかもしれないという事で出口側へ戻る事で話が落ち着いた。

「太陽。ちょっと気になるから俺中に入ってみてくるよ」

「えっ、それなら俺が言って来るよ」

「いいから。太陽たいがここ離れるのはマズいだろう?お客さん来ちゃったらマズいし、もしかしたら迷ったあげる入口に戻ってきたりする事もあるかもしれないだろ?」

隣で玲央が深いため息と共に頷いた。何実体験とか?

「う〜ん一度そういうのした事ないけどな」

「とにかく!一応みてくるから」

「わかった。じゃあ念のためこれ持って行って」

翔央に渡したのはラビリンス内のマップと懐中電灯。

「そういえば盛り上がるために間接照明だけでしたね」

「うん、本当はお化け屋敷にしたかったんだけど、季節柄合わないって事でダメだったの」

まあ確かに今は冬でクリスマス前だもんな。お化け屋敷といえば夏だ。あとは秋の学祭。一応大学あげてのクリスマスイベントなわけだしさすがにお化け屋敷はないか。
なんて事を考えていたら玲央も一緒になったみたいだな。

109遥貴:★:2013/10/19(土) 01:35:58 ID:MJgdWKnY
「俺も一緒に行く!」

「クリス!」

「ちょっと待ったクリスお前は残れ。すぐみつかった場合に言い訳が面倒だろ?それだけそっくりな顔三人揃って行ったら。さっきは俺らもいたし、他のお客さんとかいたからまだ楽だったけど、ちょっと中に入った時の人数が少なくてちょっと険しい」

確かに星野言うとおり。こいつらはもちろん俺たちも本人たちが顔がソックリという事でかなり人目を引いたからな。

「というわけで、俺と直哉が一緒に行くよ。マップ通りなら結構長いわき道もあるみただし、太陽この赤い線で引いてあるのが正しいルートでいいんだよね?」

「うん、そうだよ。それより……」

「いいんだって、じゃあ早く行こう。太陽だれか出て来たとか、桜田さんや担当の先生が来たら電話な。雪野君も中に入ってる人たちが出て来たら太陽に連絡いれてね」

雪野が出口に戻ったという報告を受けると、四人は中へ入って行った。
そして俺たちは太陽たちに落ち着いたら連絡を入れるから回ってていいと言われたが、乗りかかった船という事もあり入口で一緒に待つことにした。

110遥貴:★:2013/11/14(木) 22:49:29 ID:MJgdWKnY
〜星野サイド〜

この四人の中でラビリンス内に一番詳しい玲央を先頭に横に翔央、後ろには直哉、俺の順で歩きつつわき道を確認しながら歩く。ただ……。

「いくらお化け屋敷が無理だったからって暗くしすぎだ太陽」

「証明の間隔空けすぎなんだよ、太陽のバカ」

「まあまあ二人とも。太陽にはあとで説教すればいいじゃん。それより玲央先頭かわろうか?ものすごく歩きにくそうだけど」

直哉が聞くと「昨日よりは大分なれましたから」と返してきた。なれてもそれはちょっとヒール高めな気がするよ、玲央。それに翔央も腕を思いっきり掴まれてるから歩きずらそうだし。

111遥貴:★:2013/11/14(木) 22:50:29 ID:NUeVR8Ds
「あっ、翔央もうすぐ折り返し地点だよ。そこ昨日と同じなら一つだけ丸い鏡があるはずなんだ」

「ふ〜ん。あっ、本当だ。じゃあこの丸印は折り返し地点のマークだったんだな」

そういえばそこらへん聞きそびれてたんだっけ。にしても……。

「本当に誰もいないね。わき道とかもちゃんと見たのに」

「そうだよな、太陽からの連絡もないし」

全員それぞれのケータイを確認してみるものの電話もメールも0。

112遥貴:★:2013/11/14(木) 22:51:19 ID:MJgdWKnY
「もしかたらもう出口の近くまで行ってるかもね」

「う〜ん、とりあえず進もうか」

「そうだねぇ、直哉。ほら星野行こう」

翔央に呼ばれあわてて追いかけようとした時後ろから誰かに呼ばれた気がした。

「えっ?」

振り返ってみるが誰もいない。

「気のせい……。ヤバッ急がないと!」

113遥貴:★:2013/11/14(木) 22:51:58 ID:MJgdWKnY

〜玲央サイド〜

「うわ!」

「ちょっと玲央大丈夫か?やっぱり少しペースおとそう」

「ごめんね、三人とも。あれ?」

鏡をしっかり覗き込んだ後後ろを振り返る。やっぱり……。

114遥貴:★:2013/11/14(木) 22:52:31 ID:MJgdWKnY
「星野君がいない」

「えっ?」

「星野!」

近くのわき道を確認してみるがいない。

「直哉あいついつからいなかったんだ?」

「……わ、わかんない。折り返しのところまでは確かにいたんだけど……」

「俺そこまで戻ってみる!二人はわき道を全部確認しながら戻ってきて!」

翔央が止める声が聞こえたけど、俺は急いで来た道を戻る。

115遥貴:★:2013/11/14(木) 22:53:42 ID:MJgdWKnY



折り返し地点まで戻ってみたけど、星野君もほかの人もいない。

「どっかで迷ってるのかな?」

注意深くあたりを見回していると誰かの声が聞こえてきた。

「……この声女の人だよね?誰かいるんですか?いたら出て来て下さい。いるんでしょ?」

声のする方へ歩きながら何度も声をかけるけど、全然出てきてくれる様子も返事に答えてくれる様子もない。

「何でだ?えっ!」

116遥貴:★:2013/11/14(木) 22:54:30 ID:MJgdWKnY
〜翔央サイド〜
玲央がサッサと行ってしまうので仕方なく全部チェックしながら折り返し地点へと戻る俺たち。

「翔央いたか?」

「全然ダメ。そっちは?」

「こっちも全然。ってもう着ちゃったね。お〜い玲央、みつかった?」

この距離なら聞こえているはずなのに返事がない。

「おかしいな?そのまま入り口行って出たのかな?」

「いやそれはないと思うよ。玲央だし」

「そっか」

117遥貴:★:2013/11/14(木) 22:55:05 ID:NUeVR8Ds

懐中電灯で照らしながら歩いていて、丸い鏡のある辺りを照らした。すると前で頭を抱え蹲っている玲央。

「れ、玲央どうした」

急いで駆け寄り玲央の隣に跪き、方に手を置いて気づいた。身体が酷く冷たい。

「玲央!」

「……翔央あれ見て!」

「えっ?あ……これは……」

鏡の中に引きずり込まれている星野の姿。そして向かいに置かれている鏡にはここに入る前太陽が見せてくれたシャメに映っていた佐々田君が映っていた。

118遥貴:★:2013/11/14(木) 22:55:07 ID:MJgdWKnY

懐中電灯で照らしながら歩いていて、丸い鏡のある辺りを照らした。すると前で頭を抱え蹲っている玲央。

「れ、玲央どうした」

急いで駆け寄り玲央の隣に跪き、方に手を置いて気づいた。身体が酷く冷たい。

「玲央!」

「……翔央あれ見て!」

「えっ?あ……これは……」

鏡の中に引きずり込まれている星野の姿。そして向かいに置かれている鏡にはここに入る前太陽が見せてくれたシャメに映っていた佐々田君が映っていた。

119遥貴:★:2013/11/14(木) 22:55:50 ID:MJgdWKnY

「どうなってんの?」

「……えっ?玲央?」

何か言ってる。口元に耳を近づけてようやく聞き取れた。「違う違うt」と何度も呟いていている。

「玲央?」

「翔央!」

「えっ?直哉!」

急いで風を操ろうとしたが、それに気づいた様俺に髪の毛を矢の様向けてきて投げ飛ばされ鏡に激突。

「翔央!くそ放せ!あっ玲央!」

「……」

直哉の声が聞こえる。動きたいのに身体が動かない。
ちくしょ……。

120遥貴:★:2013/12/01(日) 22:54:23 ID:MJgdWKnY
〜薮サイド〜
「そろそろ翔央たちが入って30分か。太陽向こうはどうだった?」

「雪野に電話してみたけど、あっちからも誰も出てきてないって」

「そっかどうする?」

電話越しに雪野訓も交えて中に入るかもう少し待ってみるか相談していると、フッと証明が消えた。

「な、何だ?えっ、雪野!」

「太陽?」

「電話がきれた。かけ直そうとしてるんだけど、画面が動かないんだ」

121遥貴:★:2013/12/01(日) 22:56:01 ID:MJgdWKnY
光がケータイを貸そうとしたが光の方は電源が入らない。いや光と太陽のケータイだけじゃない。俺やみんなのケータイも動かない。

「……光、太陽」

「うん!」

中へ入ろうとした瞬間ガシャーンという大きな音。

「えっ?ちょ、三樹矢!」

「お前らはここにいろ!」

「大和!クリス!健太郎!ちょゴーディ放せ!」

三人を追いかけようとしたが、ゴーディにこれほど静かに止められては留まらざるえなかかった。

122遥貴:★:2013/12/01(日) 22:57:02 ID:MJgdWKnY
〜クリスサイド〜
音を頼りに進んでいくと、気を失っている翔央。

「翔央!」

「下田先生頼む!」

「わかった」

健太郎が俺の隣に座る。

123遥貴:★:2013/12/01(日) 22:57:49 ID:MJgdWKnY
「大和ちょっといいか?」

「なんだ?」

二人が何かコソコソと話しているのに気付きそっちへ行こうとした時健太郎から気を失っているだけと、伝えられる。それを聞き二人もこっちへ来る。そんな時だ。
ふっと空気が変わる。
それと同時に三樹矢が素早く健太郎に何か耳打ちすると健太郎が一つ頷く。

「三樹矢さっきから何なんだ」

「まあクリスは気にしなくていいから。……ほら来るよ!クリスは絶対に翔央ちゃんから離れるな!」

124遥貴:★:2013/12/01(日) 22:58:35 ID:MJgdWKnY
すっと健太郎が立ち上がり三樹矢から一本のペットボトルを受け取りキャップを開ける。
それと入れ替わるように大和が隣に座り、翔央を支え起こし背負う。

「……来た」

「行け二人とも!」

「なっおい!」

鏡から大量の髪の毛。それに面喰っているとグイっと腕を捕まれ引っ張られる。

「大和!」

「いいから走れ!」

二人からどんどん離れていく、そして二人の声。

「二人を見捨てるつもりかよ!」

「その二人からお前を無事に逃がすように言われてたんだよ、黙って走れ!」

絶句していると大和は全て話してくれた。
本当なら俺がここに一緒に来るとは思っていなかったらしい。ゴーディが必ず止めるだろうと。
本当なら翔央と俺連れていく役は三樹矢本人がやりたかった様子だが、それではいけない理由がある。だからしぶしぶ大和に託したと言う。

「それからこうも言っていた。ゴーディのそばにいてやって欲しい。と。俺にはできない事だから出来るお前はそうしていろ。そう言っていた」

三樹矢の言いたい事が何かを理解した様な気がした。


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