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退魔教会『銀剣機関』 Re

2神夜〜序章〜 ◆eA7FKn/ISQ:2022/12/21(水) 22:22:06 ID:fAq3pC7k
逢魔ヶ原市。
人口30万人ほどの海に面した地方都市である。
そんな街の中心部にあるとあるビジネスホテル。
その一室のシャワー室でシャワーを浴びる一人の美しい美女がいた。
彼女―月鐘神夜は、旅路でたっぷりかいた汗を流しながらこれまでのことを思い返していた。

神夜の出身はこことは違う遠い場所。
そこに本拠を構える月鐘という退魔師の大家の家系だ。
幼きときから退魔師となるべく、そして月鐘の継承者となるべく修行を積んできた神夜。
とはいえ本格的な秘術や奥義はあくまで学業を終えてからという話であり、地元から離れた都市部の大学へと進学した。
そして今年の春、帰省した実家である事件が起きたのだ。

炎上し焼け落ちる建物…
皆殺しにされた家族一族に門弟たち…

「か、神夜様……あの方が…
龍慶様が……」

唯一瀕死の状況で、なんとか神夜が来るまで生きていた者が遺した言葉は、神夜の婚約者であった男、六堂院龍慶が、この惨事を引き起こしたことであった。

六堂院龍慶。
神夜の婚約者である男。
月鐘の秘術は女性にしか使えぬものが多くあり、それゆえに女性優位の一族だ。
それゆえ、当主は女性であり、配偶者も婿養子を取る形で行われる。
神夜自身は時期月鐘の当主であり、16の時に聞かされた自身の婿となるこの男は、退魔師としての名家である六堂院家の人物。
会ったときは巧妙に隠していたが、傲慢、好色な性格を持っていることを神夜は察していた。
そんな男が神夜の留守中に自分の家族を…そして門弟たちを全員皆殺しにしたのだ。

それから神夜はこの仇敵を探していた。
月鐘の縁ある情報屋に依頼して龍慶の居場所を探り、その居場所がこの逢魔ケ原市であることを突き止めると、大学を中退し、そこへと向かうことを決める。
自分に残されたのは借りていた部屋にあったものと愛車のバイクのみ。
月鐘の家にあった自分の退魔師としての装備も、与えられる予定であったらしい退魔衣も、将来修めるはずであった奥義や秘術も……本邸と一緒に全て灰となった。
そして借りていた部屋を引き払うと、必要な私物をバイクに積み、神夜はこの街へとやって来た。

そんなことを思い返しながら、神夜は旅路でかいた汗を流すべくシャワーを浴びていた。
いや、実際に神夜は大量の汗をかいていたのだ。
その理由はこの街が異様に蒸し暑いことが理由だ。
夏ということもあり、暑いのはわかるし、ここに来るまでの他の地域も暑かった。
だが、この街の気温や湿度は異常ともいえた。
ここだけ赤道直下の猛暑日とでもいうかのような暑さなのだ。
そのため夕暮れ時にこの街へと着いた神夜が真っ先に行ったことは、ホテルへと向かって部屋を借り、シャワーを浴びて身体を清めたことなのだ。

借りた部屋は一般的なシングルの部屋。
玄関からすぐ右手にユニットバスとトイレのある小さな部屋があり、奥にはテーブルとベッド、一番奥に窓というシンプルな作りだ。
とりあえず荷物を置き、シャワーを浴びたが、とりあえずこの後のことを考えるのは、これが終わってからでいいだろう

【では改めましてよろしくおねがいします神夜さん】
【時期的には夏で、今は夕方】
【そろそろ日没かなぁといった時間帯】


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