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変身譚

167名無しさん:2022/02/07(月) 21:26:06
中学生の武流は、
水泳教室のインストラクターの実菜に恋心を抱いており、
思い切って告白してみたのだが、

「ごめんなさい、恋愛ごっこをやる程、暇じゃないの。」

武流が泣くのを堪えながら雑貨店の前を通りかかると、
店先に置いてある奇妙な置物に興味を抱き、
置物を手に取って触ってみると、店長らしき女性が現われ、
武流は慌てて置物を元の場所に置こうとすると、

「折角だから願い箱に願い事を書いた紙を入れても良いわよ。」

店長に勧められるまま用意された紙に、
「実菜より大きくなりたい。」と書いて箱に入れると、

「あなたの願い、叶うと良いわね。」

翌日、プールから出た武流に実菜が声をかけるが、

「武流君、背が高くなったかな。」
「そ、そうですか。」
「気のせいかな・・・どれだけ泳げるようになったか計測するわね。」

武流が勢い良くプールに飛び込むと、そのまま泳いでいくのだが、

「ちょっと速過ぎるわ・・・」

すると実菜の胸やお尻が小さくなり、
背丈が縮んできた事で水着が少し緩くなり始め、
急激に筋肉が落ちて腕や脚が細くなって、
筋肉だけでなく脂肪が落ちていく事で、
体つきが中性的なものへと変わっていく。

しばらくして武流がプールから上がってくるのだが、

「あれ君、実菜さんに・・・」

ふと鏡を見ると、張り出してきたばかりの肩はだいぶ広がって、
平らだった胸は厚みを増した胸板となり、
腕や脚は硬く引き締まった筋肉で太く逞しいものとなって、
少しきつく感じていた水着が、
布地を小さくなりながら競パンへと形を変えて、
緩くなっていた実菜の水着も子供用に変わっていった。

「ど、どうしよう。」
「ま、まさか・・・」

武流と実菜は姿だけでなく立場も交換してしまったようで、

「実菜ちゃん、泳げるようになったね。」
「きっと武流先生の指導がよろしいからでしょうね。」

慌てて実菜を連れて雑貨店へと向かうと、店長が、

「あら、願いが叶ったようね。」

武流が今すぐ自分と実菜を元に戻して欲しいと頼んでみるが、

「白い紙だから数日もすれば効力が消えるわよ。」
「だいたい実菜さんを子供にしてくれって頼んでないのに。」

実菜まで巻き込んでしまった事を気に揉んでいると、

「武流君はどうして大きくなりたかったのかな。」

武流は実菜が自分の告白を断ったのは、
自分をまだ子供だと思っているからで、
実菜と釣り合うだけの男になれば、
実菜が振り向いてくれると思ったからだと説明すると、
実菜はそっと抱き締め、

「もう少しあなたの気持ちを考えて上げれば良かったわ。」

数日後、武流と実菜はすっかり元に戻ったが、
武流がプールから上がると、

「ど、どうしました、実菜さん。」

すると武流の腹を触りながら、

「腹筋が硬くなっているみたいね。危うく見逃がすとこだった。」


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