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カオスロワ避難所スレ3

1管理人 ◆WI16BozYZw★:2015/07/08(水) 21:45:14 ID:???0
前スレッドが1000間近のため新規スレッドを用意いたしました。

69都庁に散る:2016/03/17(木) 02:13:59 ID:YNo4ru7o0

『にしゃにしゃにしゃーーー!』
<ああ そこはらめえええええ!
「……」

サクヤは、口をもごもごさせているフォレスト・セルを見やる。
そして、セルの口の中で治療を受けている愛する主人のレストに向けてこう言った。

「……いってきます、レスト様。私も必ず帰ってきますからね」

その言葉は、おそらくセルの中にいるレストには届いていないだろう。
それでもサクヤにはレストには言っておく必要がある、そう思ったのである。


『さあ! 時間が惜しい。
そろそろ出発するぞ! 地上の者達は吉報を待っていてくれ!』

ウォークライの催促により、まどか達一同はダンジョンに入っていった。
そしてまどかの「みんな! 行ってくるね!」という言葉を最後に四者はダンジョンの闇の中へと溶けていった。

◆◆◆

――世界樹地下、中央部。

地上を後にした二人と二匹は、世界樹とリンクしている巫女まどかの誘導に従って貴虎達がいるであろう現場に向かっていた。
世界樹と同盟軍の仲間の被害をより減らすべく奔走するまどか達。

「まどかさん、この方角で合っているのですか?」
「ええ、戦いの気配は地下のあっちこっちにあったみたいだけど、ほとんどが地上の狂信者軍団がやっつけた前後に消えている」
『地下も攻撃を受けたようだが、リーダー格の人間をやられて退却したのか』
「でもほんの数箇所だけ、戦い終わっていないところがあるんだ……そこに貴虎って人がいると思う」

まどかの知覚を頼りに現地に急行する一行。
巫女の示した数箇所こそ、貴虎のいる場所なのだろう。
死闘になると予測される、迫る戦いに一行は身を引き締める。

「ゴドー?」

その最中であった。
メガボスゴドラが何かを感じ取ったのは。

『どうしたメガボスゴドラ?
……なに? 向こうから異臭がするだと?』
「異臭?」

メガボスゴドラが東方向から何やら異臭を感じ取ったらしい。
メガボスゴドラが指を指した方角を一行が見ると、その数10m先には見慣れた影がいくつか見えた。



『まどか……ガハッ!!』
「氷竜さん!? ロックオンさん!?」

東の方角から現れたのは深手を負った氷竜達である。

『氷竜達は確か地下の東部を見張っていたハズ……それがどうしてここに?』
「何があったのでしょうか?」
「ウォークライさん、サクヤさん、メガボスゴドラちゃん、とにかく氷竜さんを助けないと!」

まどか達はすぐに仲間である氷竜とロックオンの元へ駆け寄った。
遠目でわかるだけでも見るからにボロボロで、氷竜は三つある内の一つ・左側の首がちぎれ飛び、ロックオンはバイザーが割れて右目が潰れてしまっている。
……なぜかトリンだけ姿が見えないのが気になるところだったが、すぐにでも手当しないといけないのは明白であった。
まどかは巫女の力を使って急いで氷竜達を治療しようとした。

70都庁に散る:2016/03/17(木) 02:14:27 ID:YNo4ru7o0



「来るな! “奴”はまだ近くにいる!!」
「え!?」



まどか、サクヤ、ウォークライ、メガボスゴドラが氷竜達に駆け寄った瞬間であった。

“何か”が物凄いスピードでまどかを背後から襲いかかってきた。
ちょうどその時、まどかは仲間を治療すべく力を行使しようとしていて、それが致命的な隙となり、奇襲に対応できなかった。
絶大な力を持った世界樹の巫女と言えども、この奇襲を避ける術はなかった……

そして巨大な“何か”によってまどかを貫かんとする。


「危ない! まどかさん!!」
「サクヤさん?!」


何かがまどかを貫かんとする寸前で、奇襲に唯一対応できたサクヤがまどかを庇った。
そして。

「レ、レスト様ッ――」



まどかの身代わりに   サクヤの身が貫かれた。



◆◆◆





「……サクヤ?」




その瞬間。フォレスト・セルの舌による治療を受け続けていたレストの背筋に悪寒が走った。
この場にいないハズのサクヤの悲鳴が聞こえたような気がしたからである……

◆◆◆

71都庁に散る:2016/03/17(木) 02:15:09 ID:YNo4ru7o0

「あ…ああ……」

まどかはただ、目を見開いて愕然とするしかなかった。
動けなくなっていた自分を庇って信頼する仲間の一人、サクヤが巨大な“何か”に体を貫かれたからだ。
仲間達も同様に動揺の色を隠せなかった。

「う……レスト様ッ……」

サクヤ自身も動揺していた。
貫かれた幹部からポタポタと血が地面に落ちる。
そして、内側からグングンとこみ上げてくるもの……激痛、恐怖、絶望。




「こ、この……身と心はレスト様に捧げたかったのに……こんなのって――」




サクヤの瞳の色が絶望に染まり、光を消していった。





「――でも感じちゃうのあぉおおおおおおおお! ふぁあああああ!!」




だが、サクヤが上げた絶叫は、どこか艶っぽい嬌声であった。
その表情は絶望と悦楽を交えた形容しがたいものになっており、悲しみのものとも喜びのものともつかぬ涙を流していた。
愕然としていたまどか達は更に唖然とする。
そして……サクヤの体から巨大な“何か”が外れ、サクヤの身体がボトリッとダンジョンの床に落ちた。

「サ、サクヤさーーーんッ!」

我に返ったまどかは悲鳴をあげる。

『いかん、反撃だ!』
「ボスゴドォォォーーーッ!!」

次に我に返ったウォークライとメガボスゴドラが、サクヤを貫いた“何か”いや“敵”に向けてブレス攻撃とステルスロックでそれぞれ攻撃に移った。
怒りと憎しみを交えた渾身の一撃である。

72都庁に散る:2016/03/17(木) 02:15:34 ID:YNo4ru7o0

「……悪いが、炎はワシには効きが悪いんじゃ、そっちのゴツイのの岩攻撃も威力がまるで足りんな」
『なんだと!?』

だが二匹の渾身の攻撃は“敵”にほとんど通用しなかった。
せいぜい後退させて、地面に倒れているサクヤから引き離すのが関の山であった。

「サクヤさん!」

二匹が“敵”を引きつけている内に、まどかは倒れたサクヤを助けようとする。
しかし……それは手遅れであった。まどかの顔が青ざめる。

「……そんな、し、死んじゃってる……」

この時、サクヤの脳の方は過大な電気信号でも流されたのか、脳細胞が焼ききれていた。完全なる死である。
世界樹の巫女と言えども、死を治療する術はもたなかった。
仮に出来ていたとしても、何らかの理由で死者蘇生ができなくなったこの世界ではサクヤを取り戻す方法は、ない。
聖煌天の麒麟・サクヤはここで果てたのであった……


「ゴドォーーーッ!!」
『おのれェェェ!! よくもサクヤを!!』

かけがえのない仲間の死に怒りに打ち震える、メガボスゴドラとウォークライ。
あまり効かないとわかっていても“敵”に火炎攻撃と岩石攻撃を繰り出す。
そうすると薄暗かったダンジョンが火炎の残り火によって明るくなっていき、視界不良で見えづらかった“敵”の全景が見えた。
サクヤを殺害した“敵”の正体、それは














           /´ ̄`ヽ            , --、
          /  人   l             /    \
        / /爻ヽ  ヽ      , ---、 | く⌒ヽ ヽ , -─‐-、
        { /∠⌒ヽ }  }       / ,--、ヾ> ヽ } レ'  , ---、 ヽ    ____,
        レ'彡イ {Uj }ヾミイ       {  \ } }|  V /  /     `! |  t´r'⌒
    ⌒)ノ  |  ドこzン八三}     ,ィ\/⌒ヾ ̄ヾノ_ノ  ァ'-─-、 ゞL__,〃
     (ソ⌒ヽ! ト--イ ⌒__,ハ  ,ィシvく}了ミy'´7´l}_, -‐┴-、   `ヽ  ̄ ′
      レ)   ! ト--イ (  ノ `ーべ⌒ヽ>y' 〃, -┴┴ミ、_}_}_}_j ヽ⌒) j
      ヽ)、___,>、ト--イ ))〈     ト㍉チrく    // ̄ヽ、_) / /  _..._
  '⌒>‐ミ、 \)こZヾ--ヘ{{ l|  y' ゝ ヾミ゙)'}|≧>、 / /バ⌒ヽn V/ 〃⌒ヽ
  (⌒ヾ>ニKド、⌒Yく_/ヽj} 人_ゝ__>==1 r彡"´/ / | |   /y'}[__//    `     「我、参上!」
    ,ィ  ゙̄Vソ,イノ \__ム丁了)ノr'ン´フノ ィ彡/| | ヽヽ. // ヽVソ´
   / / r‐ヘ `Y {    [二[| ,勹77´ ̄ シ三彡'/| |\ ヽV/ミ、_} Kミ、
  { {   トZべ.」 |   [三}〒ラ77 (_)(_) r三/ / | |> \f⌒l/l | L }
 ヾl |  l三ィ∧ l __. [三}⊥.イ工===ァべ/ /,ィ| |/>l{ l>}X.| |゙)レ′
  ヾ, ヽ  {三N>} Y二ヽ」ニ/l⌒ヾ´  /  {O}___」 |/rくゝ _ソ\l |(
   >、 \ 缶jfハ >n' fy' l ⌒y} //⌒\/rヘ l/ /7㌦\j j
  /∧>、_/フイ/7-Vきy'/1 |(⌒)|}./|ト、   \j.ハ ヽ. //) l| //
  !{ニ///,イ///∠7/Zl{ |ィ^トl|\.j| ノへ.____}へ. V/´ ヽV./
  ゞ〃'Tヽ 〃´ ̄ ̄〃⌒l  VハVj  }ソ       ヽ \  //
  ケミ三彡"     /   ゝ ゞ= 'ノ二/         \ ゝ" /


5期を代表する大量殺戮マーダー ご立派様 もとい マーラ様のご顕現である!!

73都庁に散る:2016/03/17(木) 02:16:29 ID:YNo4ru7o0


「キャッ!!」
「ゴ」
『くッ……なんて大きさだ、巨根と言われた俺よりも遥かに大きいぞ!』


そのご立派にどストレートすぎる姿に、まどかは顔を真っ赤にして思わず両手で目を覆った。セルのような異形を可愛いと言ったまどかでもコレは流石に無理らしい。
メガボスゴドラはドン引きし、ウォークライは思わず息を飲んで悔しさを覚えた。

そんな仲間達に氷竜とロックオンはツッコミと警告を発した。

『気をつけろみんな! 特にウォークライは悔しがっている場合かァーーーーー!』
「ふざけた見てくれにだまされるな! こいつは恐ろしく強ぇぞ!
俺達はこいつ一匹にボコボコにされてやむを得ず東部からここまで撤退させられた!」
『撤退の途中でキョウリュウシルバー……賢神トリンも殺された』
「そんな! トリンさんまで……」

氷竜達の口から伝えられた賢神トリンの死にまどか達は更にショックを受ける。

「クソッ…トリンのあんな死に様なんて見たくなかったぜ……」


◆◆◆

撤退途中でマーラ様に捕まり、餌食となったキョウリュウシルバーことトリンの最期↓

「ロックオン……すまないが私はここまでだ。
世界の平和と、空蝉丸の仇討ちは他の皆に任せたぞ」
「トリーーーンッ!!」
「……しかし、このご立派なモノにズボズボやられてるとブレイブとかどうでもよくな……アーッ!!」
「トリーーーンッ!!(ドン引き)」

◆◆◆

『言え! 貴様は何者だ!
貴虎の仲間か? それともDMC狂信者か!
何者であれ、仲間を傷つけ殺した貴様を許す気は毛頭ないがな!!』

仲間を辱めて殺したマーラ様に対し、ウォークライは烈火の如く怒りの咆哮を放つ。
常人なら失禁もしくは失神しかねないほど迫力であった。
だが、その気迫を前にしてもマーラ様は、眉一つ微動だにすることなく、質問に淡々と答える。

「貴虎? 誰じゃそれは?
それと惜しいが、ワシはまだ狂信者に協力こそしておるが、狂信者集団には入団してはおらん」
『なに?』
「ウィツァルネミテア……DMC狂信者のリーダーじゃな。
そやつがワシDMC狂信者に入るために条件をつけてきたんじゃ」

DMC狂信者は基本的にクラウザーさんを信仰しているなら誰でも入団を許可するような組織だが、ビッグサイトにて大神ウィツァルネミテアもとい池上彰ボイスの翼人ディーはマーラ様にだけ入団するための特別条件を出していた。

「都庁の軍勢もしくはそれに連なる、名だたる者達の首を五つ持って来いだそうだ」

都庁同盟軍の名だたるもの五名の死。
それがディーがマーラ様に課した入団の条件であった。
ちなみにマーラ様が貴虎を知らないのは、貴虎の持っているN2爆弾で地下から世界樹を吹き飛ばす計画をディーが知らせてないからである。
実はマーラ様の目的がクラウザーさんを掘ることだと気づいたディーが、マーラ様には都庁同盟軍の戦力を削りつつ爆弾の大爆発で死んでもらうために鉄砲玉として利用するための方便として世界樹地下に必要な情報を隠して送り込んだ……のかもしない。

「既に二人殺したから、ワシが入団するにはあと三人絶頂させる必要があるワケじゃな」
「貴様……ッ!!」

マーラ様は先に殺したトリンの生首(アヘ顔)を馬車から取り出して、まどか達に見せびらかした
普段は冷静なロックオンすら怒りを覚えていた。無論、その怒りは他の同盟軍の者達も同じである。
そして。

74都庁に散る:2016/03/17(木) 02:17:05 ID:YNo4ru7o0

「許さない……!」

あの温厚なまどかさえも、強い怒気を放っていた。
仲間の純潔を奪い殺したマーラ様への怒り、何より仲間に助けられ、仲間を助けられなかった自分への怒りが、彼女の力を増大させていた。
怒りによる膨大な魔力によって、足場周辺がひび割れ、埃や砂、小石が宙を舞う。
その様子も見て、マーラ様は何かに気づいたように。

「……なるほどのぉ、『巫女』になり得る魔力を秘めた器の一人か」
「?」
「いや、なんでもない。忘れてくれ。
ふむ、どうやらお主はこの中で一番強いようだのう」

マーラ様の言ったとおり、まどかはこの一行において最強の戦力であることには間違いなかった。
世界樹の巫女と化したことによって得られた膨大な魔力は、ウォークライ、メガボスゴドラ、氷竜、キョウリュウブラックを圧倒できるものであろう。

「……いくよ、みんな!」
『サクヤとトリンへの弔い合戦だ!』
「ボスゴドーラッ!!」

そして最高戦力であるまどかを筆頭に、彼女の点呼に応じて一行は攻撃態勢に入った。
マーラ様への、総攻撃が放たれる。





「だが、まだ青いの」
「……な、早い!?」

まどか達の総攻撃を、マーラ様はスイスイと躱し、一行に急接近した。

そして、ぶちりッと何かが引きちぎられる音とともに、鮮血が周囲を染め上げた。
誰の血だ?
まどかか、ウォークライか、メガボスゴドラか、氷竜か、ロックオンか。
いや、その五者の誰でもなかった。

マーラ様はサクヤの生首をその手に握っており、残されたサクヤの骸の方からは首から先がなくなっていた。

「これで首は二つ目、残り三つじゃなあ」
「サクヤさんをよくも……」

サクヤの死体から首をもぎ取ったマーラ様の残酷な所業に更なる憤りを覚えるまどか。
だが、それ以上に留意する点が一行にはあった。

『それより、なんて速さなんだ?! まともに捕捉できなかった……』

驚くウォークライにマーラ様は答える。

「ああ、血と汗と精が滲むような修行の成果じゃよ。魔界でのな」


しばらくカオスロワにそのご立派な姿を見せていなかったマーラ様は、この10期に登場するまでに遊んでいたわけではない。
魔界に帰り、修行していたのである。
時にはイチローのレーザービームに敗れ、時には南春香に絞り尽くされて、ペルソナになったりもしたが、マーラ様はこのままではダメだと思い奮起し、ずっと魔界に籠って修行していたのだ。
結果、HPもMPも力も体力も速さも魔力も運も、硬さも持続時間も白濁液の濃さや量も相手を喜ばせて殺すテクニックも全てが格段にパワーアップしていた。
能力値はだいたいカンスト、もしくはそれ以上の能力値をたたき出しているかもしれないほど、強くなっていた。
更にマーラ様は女神転生シリーズによっては氷竜のアイスシールドのようなガードを無効化するたたり生唾やメギドラ、物理攻撃を反射するテトラカーン、炎系最強技マララギダイン、強化魔法をリセットするデカジャ、その他地獄突きなどの強力な技を持っていたり、間違いなくロワ全体で見ても強者の部類であろう。
実際、攻撃力だけでもレストの魔物と化していることで装備の恩恵によって被ダメージ半減の能力を持っていたのサクヤさえ、背後からだったとはいえ一撃で仕留めてしまった点から察するに絶大なものであろう。
その実力は世界樹の巫女まどかでさえ油断すればすぐに餌食となるだろう。


制限能力のある首輪は?→マーラ様の放つヌルヌルの液体(カウパー腺液という)によって途中で外れてしまった。

「どうした? そそり立つワシを前にして怖気づいたか?」
「……」


マーラ様の戦闘力は地上で暴れまわった狭間、そして味方であるダオスかレスト並、もしくはそれ以上かもしれない、その事実にまどか達は戦慄する。
こちらはまどかを除けば放つ攻撃がほとんど効果を見せないウォークライとメガボスゴドラ、手負いの氷竜とロックオン。
都庁で最強クラスの力を持つセル、ダオス、レストは救援に回れない。
更にマーラ様の後には貴虎も控えている。
正直に言えば部が悪いと言えよう。

75都庁に散る:2016/03/17(木) 02:17:37 ID:YNo4ru7o0

しかし……

「それでも、私は逃げない!
ここであなたを逃がしたら、都庁の皆の誰かが死ぬ。そんなの私が許せない!」

ここで退けば、マーラ様は都庁の深部に入り込んで多大な被害を及ぼすだろう。
被害が拡大した分だけ貴虎は都庁に近づきやすくなり、世界樹は爆弾によって壊滅する。
それを阻止するためにもまどかは恐れを振り払い、勇気を持って戦う必要があった。

「ゴドラ!!」
『そうだ! どんな強敵が相手でも我々は逃げはしないぞ!』
『頭部が一つ潰されたが……まだいける!』
「俺も、右目の一個くらいで怯みやしねえぞ」

まどかの勇気に鼓舞されるが如く、四人の戦士達も立ち上がった。

「死んでいったトリンさんやサクヤさんのためにも、あなたはここで倒す!」
「いいだろう、その勇気に敬意と愛液を込めて、全力を持ってワシのテクニックで昇天させてやろう!」


死闘、開幕。

都庁地下に現れた驚異、ご立派な邪神マーラにまどか達は打ち勝つことができるのか?


【二日目・10時00分/東京都・世界樹地下中央部】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(小)、世界樹の巫女、左脚に怪我、激しい怒り
【装備】世界樹の衣
【道具】支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
【思考】基本:自分も戦い、みんなで生き残る
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:クラウザーさんのためにも、DMC狂信者の暴走を止める
3:サクヤさん……
※巫女の祈りにより、魔法少女に近い存在へとなりました
※ソウルジェムなどはないので、肉体が致命傷を負えば普通に死亡します
※衣装はアルティメットまどかのものを2Pカラーにした感じです。戦闘力もそれの劣化版
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です


【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】疲労(小)、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
【装備】無し
【道具】支給品一式、余った真竜ニアラ
【思考】
基本:世界樹の防衛
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:レストを信頼
3:サクヤをよくも!
4:俺を超える巨根など認めるものかあ!!
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています


【メガボスゴドラ@ポケモン】
【状態】疲労(小)
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の土と樹
【思考】
基本:ダオスに着いていく
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:縄張り以外でも自然環境を破壊する奴は容赦なく頭突く
3:ダオス達のサポートを行う
4:せっかく植林したのに何度も壊すのはやめれ(切実)
※現段階で判明している所持技はアイアンヘッドとステルスロック。その他不名


【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、左側の首喪失
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:都庁同盟軍と共に生き残る。DMC信者は殺す
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:鹿目まどかは必ず守る
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能



【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、右目失明、弾丸の勇者
【装備】ハロ×2@ガンダムOO、ガブリボルバー、ガブリカリバー
【道具】支給品一式、ドラグノフ狙撃銃@現実、獣電池(パラサガン)×6
【思考】 基本:都庁同盟軍の仲間として殺し合いを止める
0:マーラを倒す
1:マーラを倒し次第、貴虎を探す
2:トリン……アンタのブレイブは引き継ぐ!
※キョウリュウジャーとして認められました。キョウリュウブラックに変身可能となり、竜と話せます。


【賢神トリン@獣電戦隊キョウリュウジャー 死亡確認】
【聖煌天の麒麟・サクヤ@パズドラ 死亡確認】

76都庁に散る:2016/03/17(木) 02:18:18 ID:YNo4ru7o0


【マーラ様@女神転生シリーズ】
【状態】とっても健康、首輪解除
【装備】己のご立派様
【道具】支給品一式、トリンの生首、サクヤの生首
【思考】
0:まどか達を昇天させる
1:DMC狂信者入りして男女種族問わずヤりまくる
2:復活したクラウザーさんともヤる
3:誰かが混沌の神を召喚した様じゃの…まあいい
※ディーによってDMC入団のための特別条件・都庁の名だたる者の首を五つ集める(残り3つ)を課されました
※貴虎が世界樹を爆破しようとしていることを知りません
※魔界で修行した結果、ものすごく強くなっています


【二日目・10時00分/東京都・世界樹地上部分】

【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【状態】上機嫌、小ダメージ(再生中)ポケモン状態、首輪解除、神樹とドッキング中
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本思考: マドカ マイ ゴッデス 
0:まどかの命令通り、レストを舐めまわして治療する
※巫女の祈りにより、固定思考の呪縛から解放されました
※体質により、テラカオス化ナノマシンも浄化、その影響も受けません
※他者の穢れなども浄化可能ですが、満腹状態では不可
※まどか以外には何を言っているか理解できませんが、まどかの手で言葉を教えることはできるようです
※常人にはセルの表情変化はわかりません


【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】中ダメージ(再生中)、中魔力消費、精神大ダメージ、各種超耐性、テラカオス化治療中、エーテルリンク中、首輪解除 【装備】最大錬成世界樹ノ剣、最大錬成防具、草原のペンダント
【道具】支給品一式、不明品、封じられた闇核
【思考】
基本:都庁同盟軍を守りつつ星の自然環境改善
0:サクヤ……?
1:影薄三人と同盟軍の味方は助ける
2:謎の物質への対抗策を早く見つけたい
3:機械っぽい外見の奴とDMC信者は問答無用で潰す
4:鬼灯を警戒。協力はするが、狸組も一応警戒
5:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
6:天魔王軍とDMC狂信者、拳王連合軍は絶対に許さない
7:能力低下攻撃への対抗策を手に入れたい
※ブリーフ博士の技を覚え、首輪解除が可能となりました
※候補者の一人となりました。現在はその肉体と竜の力でテラカオスの力を制御していますが、なんらかの要因で抑えきれなくなる可能性もあります
※進行を抑えているため、テラカオス化が進むことによる新たな能力取得はできません
※治療が済むまで(セルが満足するまで)自力で外に出ることができません
※サクヤの死を直感で感じ取りました


【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
【道具】基本支給品一式、不明支給品
【思考】基本:マミさんの為にも、殺し合いを止める。
0:負傷した魔物の手当をする
1:まどかを守る
2:都庁同盟軍の仲間なら魔物でもいちおう信頼する
3:天魔王軍とDMC狂信者、拳王連合軍は絶対に許さない
4:本当はまどかについていきたいけど……
※8期、9期とは関係ありません
※放送の内容をラブ達から聞きましたが、上条恭介の死を知りません
※フェイ・イェンの話より天魔王軍の存在を知り、都庁の軍勢への誤解が解けました
※フォレスト・セルがいる限り汚れを浄化できるため、ソウルジェムに汚れがたまりません


【フェイ・イェンHD@スーパーロボット大戦UX】
【状態】ダメージなし、等身大、ミクジャナイヨーフェイダヨー
【装備】ジェイド・フォーキー 、ミクダヨーさんの着ぐるみ@現実
【道具】支給品一式、ドラムセット、獣電池(トバスピノ) 、ガブリチェンジャー、ザンダーサンダー 、獣電池(プテラゴードン×2)
【思考】基本:都庁の仲間と共に殺し合いを止める
1:ラゴンと共にさやかを手伝う
2:アニキたちの身の安全が心配
3:アニキと共に自分の歌をみんなに届ける
4:死んだ『あの子』のためにも必ず殺し合いを終わらせる
5:SATSUGAIとか言ってる人達は必ず止める
6:あの歌は一体……?
7:この着ぐるみ、諸事情で脱ぎたくとも脱げないです!
※アニキの持ち歌はほぼマスター済みです
※獣電池にブレイブインできるかは不明です
※キルコたちや天魔王軍に死んだものと誤解されています
※都庁軍を偽る天魔王軍の存在に気づきました
※獣電池から太古の祈り歌を聞きました。半覚醒なのでまだ1番までしか聞けません。
※さやかの治癒魔法で傷を回復させました

77都庁に散る:2016/03/17(木) 02:18:40 ID:YNo4ru7o0


【海底原人ラゴン@ウルトラQ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、メカ救急箱@ドラえもん、冷凍マグロ
【思考】基本:シャアア!
1:フェイと共にさやかを手伝う
2:いい歌が聞きたい
※雌です

78悪夢のゴリッパーティ:2016/03/18(金) 23:46:59 ID:TrESMWm60
東京都庁の地下に広がる、かつての世界樹の名残たる真朱ノ窟。
生物の体内を彷彿とさせるような、おどろおどろしい広大な迷宮。
それは地下へと蓄積され続けた長年の穢れが原因だ。
そんな迷宮に、新たな穢れが生まれ続けていた。
その穢れの名は――猛毒――

「うおぇっぷ、ですぞwwwwwwww」
「くっ……!」

霞龍オオナズチの口から、汚らしい猛毒が吐き出される。
それを寸でのところでかわすのは、仮面ライダー斬月。

「……」

その回避場所に冷静に弾丸を撃ち込むのは、魔法少女のほむらだ。

真朱ノ窟にて発生した、世界樹を守ろうとする者と破壊しようとする者の戦い。
その戦いはもう、1時間以上にも及んでいた。

「はぁっ!」

斬月の持つ弓から超速で放たれる矢が、撃ち込まれる弾丸のほとんどを叩き落とす。
撃ち落としそびれても、弓を剣のように振るって弾き飛ばす。

(この距離でも反応できるというの!?)

仮面ライダー斬月こと、呉島貴虎の戦闘能力は驚異的なものであった。
ライダーとしての強化を抜きにして、呉島貴虎という男が持つそもそもの耐久力と反応速度が明らかに人間の域を超えている。
崖から叩き落とそうが、海の底に沈めてやろうが死にそうな感じがまるでしない。
魔法少女となり、純粋な人間ではなくなったほむらさえもが、そう評価せざるを得なかった。

「ぴきー!」
「いつまで、ちょこまかと動くつもりだ! 漢なら拳で勝負をせんかぁ!」

そして貴虎が引き連れていた魔物もまた強者揃いであった。
弱そうな外見ながら驚異的なスピードで灼熱の炎を吐くスライムと、光の闘気を纏った双拳を振るう黄龍。
そしておそらく、この攻撃をかわした先には究極邪龍とグレイトドラゴンのブレスが待ち構えているのだろう。

――カシャン――

その瞬間、世界の時は止まった。ほむらが持つ魔法、時間停止だ。

「オオナズチ、ステルスの用意。霧ももう一度張り巡らせなさい」
「いい加減しんどくなってきたんですぞwwwww
 というか、なんであのメロンはステルス+時間停止からの弾幕射撃を捌けるのか理解不能wwwwwww」

戦力的に劣るほむら達がここまで斬月達を相手に戦うことができたのは、二人の能力によるところが大きい。
時間停止と完全ステルス。凶悪な組み合わせであり、本来であれば敵対者は何がおきたか理解できぬままに死ぬ筈なのだが。
先にも言った通り、とにかく斬月が謎の超反応をしてきて仕留めきれないのである。
ほむらの武器は魔力強化が付与されたとはいえ通常火器、オオナズチの攻撃もいやらしいが一撃必殺の大技は所持していない。
せめてもう一人、誰か火力担当がいればこうはならなかっただろう。

79ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:47:54 ID:TrESMWm60
「今ので分隊支援火器の弾も底をついたわ。これ以上となると……」

既に拳銃弾は残りわずか。散弾も撃ち尽くし、今の攻撃で分隊支援火器まで打ち止めとなってしまった。
ほむらは知る由もないが、彼女の強化された弾丸が決定打足りえないのにも実は理由がある。
究極邪龍が常時展開しているという防壁だ。ヘルヘイムの持つその能力は、闇属性ダメージの半減の効果を持つ。
パズドラ界隈においては服や髪の色で大体の属性が決定づけられているようであり、黒と紫を基調としたほむらは彼の中で闇属性認定をされている。
つまり放つ攻撃が全て半減されていたのである。

「――こいつしかないわね」
「迫撃砲wwwwwwこんなところで撃って大丈夫なんですかなwwwwwwww」
「これが駄目なら対艦ミサイルしか残ってないのよ」

流石に世界樹の地下で対艦ミサイルを撃とうものなら、まどかにダメージが行ってしまう。
仮にまどかが無事でも、ダオス達からは激怒されるのは想像に容易い。
5門の迫撃砲は、現状でほむらが行使可能な最大火力というわけだ。

「……やはり、待ち伏せていたわね」

時間停止の中で少し移動すれば、柱の陰には究極邪龍とグレイトドラゴンがやはり大口を開けて待ち構えていた。
あの場で時間停止を使わず回避行動をとっていれば、確実に二匹のブレスの餌食となっていただろう。

「狙いは、外さない。外すわけにはいかないのよ」

そう言ってほむらの迫撃砲が狙うのは、二匹のドラゴンの口の中だ。
幸いにして、ブレスの構えに入っている二匹の口は大きく開かれている。


――そして時は動き出す――


「ゴッドヘルブレ――!?」「グォウウ!?」

直後、ブレスの発射よりも早く、ドラゴンの口内で迫撃砲は炸裂した。
防壁があるとはいえ、流石に口内、つまりは体内側からの爆破はいかなドラゴンといえども耐えられるものではない。
爆風と共に血と肉片を撒き散らせて、二匹のドラゴンは真朱ノ窟を彩る朱の一部となった。

【究極邪龍・ヘルヘイム@パズドラ】
【シーザー@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】

それぞれL16 81mm迫撃砲の爆撃により、死亡

80ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:48:37 ID:TrESMWm60
「何っ!?」
「ぴ、ぴきぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「おのれぃ!?」

オオナズチが発生させた濃霧の中でも、ヘルヘイムとシーザーの死を残された斬月達は理解した。
それと同時に、さらなる怒りが沸き起こる。
特に純粋であり、仲間の死を誰よりも嫌うスラリンの怒りは凄まじい。

「ぴきぴきぴきぴきぴきぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」

濃霧を吹き飛ばすように、でたらめに灼熱の炎を吐きまくる。
敵の姿を頻繁に見失うのであれば、隠れられる場所も自分たちの周囲も何もかも焼き尽くしてしまえばいい。

「くぅぅぅ!?」

スラリンのがむしゃらなその戦い方はある種で正解であった。
いくら時止めステルスが使えるほむら達であっても、今現在はこの階層から移動が出来ない状態。
逃げ隠れする場所を潰し、全方位を焼き払えばいつかは炎は命中する。
悲しいことに、仲間の数が減ってしまったことが、無差別攻撃とも言えるそれを可能としたのだ。

「ぐふ……炎弱点でサーセンですぞ……」
「オオナズチ!?」

そして、ほむらは盾に魔力を集中させることでワルプルギスの夜の放つ火炎弾を防ぐだけの防御能力を持つが、オオナズチはそうもいかない。
どころか、霞龍オオナズチにとって炎は最も苦手とする属性なのだ。

「そこかっ!」
「うぐ!?」

そしてダメージにより動きが鈍ったオオナズチとほむらに、斬月の容赦のない射撃が飛んでくる。
霧が晴れれば、黄龍の拳も飛んでくるだろう。

(ああ……世界樹が、燃えていく……)

射抜かれた肩を押さえながら、ほむらは目の前の光景を眺めていた。
ほむらにとっては、まだ世界樹への思い入れなど無いに等しい。
だが、ここの魔物達の反応、それに大気の浄化のためにも欠かせないものだということは理解した。
そしてそれよりなにより――まどかの願い。
彼女は祈りにより世界樹の巫女となった。人と魔物を繋ぐ巫女の力は、魔法少女に近しいものがあった。
もし、魔法少女と同じように、ソウルジェムと同じような存在があるのだとすれば。
それはきっと――この世界樹だろう。

「ま、まどかっ……」

立ち上がらねば。そう思えども、もはやほむらにはどうすることもできなかった。
武器は底を尽き、オオナズチも既に瀕死の状態。
この階層に住んでいた魔物達も、主戦力である免疫細胞と蟹のほとんどが殺害されていては増援としては期待できないだろう。
せめて、地上に逃げることができれば。あるいは、地上からの援軍が来てくれたならば。
だが少し前に発生した大地震。それの落盤によりダンジョンの構造は変化してしまい、階段も埋もれてしまった。
この事件さえなければ、こんな事態にはならなかっただろうにと、ほむらは歯を噛みしめる。

81ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:49:11 ID:TrESMWm60
せめて最後に一矢報いる――対艦ミサイルをぶつけるという最終手段はあるにはある。
だが万が一これを失敗すると、よくて自分自身が世界樹崩壊を招いたテロリスト。最悪の場合は最愛のまどかを殺した女となってしまう。



「また爆音が聞こえてきたぞ。どうやら近いらしいな」
「今、助けに行くゼーット!」


そんな考えすら打ち砕くような、絶望の声がほむらの耳に届く。

(そん、な……ここにきて、相手側に増援ですって……)

これでは対艦ミサイル一発で全員を仕留めることは難しい。声の聞こえた方向は斬月とは別のものだからだ。
そしてその声は都庁の魔物でもなければ、同盟を組んでいる仲間のものでもない。つまりは――敵だ。

「む、新手のインベスか!?」
(だからインベスってなんなのよ?)

少々相手側の反応もおかしいが、増援が顔も知らないDMC連中であればその反応はわからないでもない。
また呟いたインベスという単語が気になりはするが、既にほむらの心は折られかけ、心の中でツッコミをいれるのが精いっぱい。

「だが、どれだけのインベスが来ようと、私は立ち止まるわけにはいかない!」

そんなほむらに対して、斬月の弓が向けられる。
メタルシザースの群れをまとめて貫いた、ソニックボレーの構えだ。

(ごめんなさい……まどか……)

収束していくエネルギーを見、ほむらは己の最期を知る。


「あ、あれは!?」


最後に耳に届いたのは、何故か聞いたことのない女性のものであった。

82ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:49:41 ID:TrESMWm60
「ちょ、ちょっと待ったぁ!?」
「ぬおっ!?」

女性の一喝。
直後呉島主任に、オリハルコンのトンファーブレードが振り下ろされる。
主任は辛くもこれを回避するが、事態の混乱はさらに加速することとなった。

「こ、こんな小さな女の子に弓を向けるとか何考えているんですか!?」
「むぅ、なんという凶暴な女だ!? やはり人型は全てインベスで、私を惑わそうという魂胆か!?」
「会話が噛み合わない……つまり奴は、間違いなくDMC信者だ!  工 作 し て や る  ! 」

新たな仮面ライダーと婦警が斬月を警戒しにかかる。
この乱入者達こそ、DMC信者や主任組とはまた違った理由から都庁へと潜入しようとしていた警察組である。
何も知らない彼らが見れば、斬月の行為はぼろぼろの中学生に弓引く変質者だ。
ちょっと普通ではないが、婦警のキルコからすれば止めざるを得ないし、ゴロリからすればいかれた殺人者は全てDMC信者=殺すの方程式が完成している。

「これは、どういうことなんだゼーット!?」
「まきょ〜……」

比較的常識人な残りの仲間達は、二人のように斬月に襲い掛かるような真似はせず、状況の把握を急ぐ。
とりあえずわかっているのは、ここが都庁の地下、魔物の巣窟であるという点だ。

「なるほど、わからん」

そしてチェイスは最終的にその結論に達した。
そもそも何故こんなやばいダンジョンに中学生がいて、かつ魔物同士で争っているのか?
状況から判断するに、ぼろぼろの中学生とブサイクは仲間なのだろう。
それに対して弓をひくメロンとちいさなプルプルもやはり仲間なのだろう。
双方ともに、魔物を仲間として引き連れているということは、つまりどういうことなのか。
情報があまりにも少ない。そもそも都庁の地下がダンジョンになっていることからして予想外な事態だったのだ。
ここは冷静になって状況を整理しないと、何か取り返しのつかないことをしでかしてしまうのではないかと――




―――ふぁあああああ!!



「「?!」」

そんな緊張感ただよう空気の中、場違いな少女の嬌声がどこからともなく響いてきた。

「サクヤッ!?」

そんな中、黄龍ファガンだけはそれが娘の断末魔であることを瞬時に理解した。

「いま、パパが助けにいくぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ――――ッ!」

そして理解と同時に、凄まじい脚力で悲鳴が聞こえてきた方角へ駆け出していく。
彼の頭には既に娘の事しか頭になく、もはやオオナズチとほむら、新たな第三勢力のことなど二の次だ。

「待て、ファガン! インベスだらけのこの場で単独行動は危険だ!」
「あ、待ちなさい! まだこの子になんで弓を……こらー!」
「逃さんぞ、DMC信者め!」

そしてファガンが駆け出すと同時に、主任も駆け出す。
主任が駆け出すと同時に、警察組もその後を追う。

「なにがなんだかわからないけど……助かったのかしら……」
「んんwwwwしかし先程のエロボイスはあの時もっと堪能したかったキリン娘のものですぞwwwwwww……あちらもピンチの可能性wwww」

そして混乱の現場の中で奇跡的に一命をとりとめたほむら達すら、その後を追わざるを得なかった。
先程の悲鳴は仲間のもの。あのメロン達を向かわせては、さらなる被害がでてしまうことだろう。




――そして――

83ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:51:38 ID:TrESMWm60
ファガンを追った主任とスラリン

それを追った警察組

さらにそれを追ったほむらとオオナズチ


彼ら彼女らが目にした、驚きの光景とは……





「オシリ負けひゃうぅうぅぅぅっ♥♥♥ ドラゴンアナ○らめになっちゃうぅううっ♥♥♥」
 悪魔チ○ポの味覚えさせられて……しゅきになっちゃうのほぉぉぉおっ♥♥♥
 も、もうどうしようもなくしゅきなんれすううっ♥♥♥ 悪魔○ンポらいこうぶつなんれすうぅうっ♥♥♥
 娘なんてもうどうでもいいぃぃぃ♥♥♥ ワシをこの極太チン○で肉便○にしへぇぇぇぇぇぇぇ♥♥♥」



白目を剥いて全身を何かしらの液体でぐっちゃぐちゃに汚しアへった、聖獣――否、性獣黄龍の姿であった。

「ふむ、ワシの一撃に耐えるまではみごとじゃが、所詮はそこまでよのぉ」

下手人は勿論ご立派――マーラ様だ。
ファガンとて最強の聖獣、彼は娘の生首を弄ぶマーラ様の姿を見つけるやいなや果敢に挑んだ。
しかし圧倒的な素早さにより背後に回り込まれ、一突き。これを食いしばって耐えたが、そこからが本当の地獄であった。
魔界仕込みのマーラ様の超速高等テクニックは、一瞬にしてファガンの心さえも凌辱し、肉欲に狂うケダモノに作り替えてしまったのだ。

「――――」
「――――」

そして犠牲者はファガンだけではない。
人の生首で遊び他者を凌辱するという悪魔のような所業(悪魔なのだが)を見たゴロリもまた激昂し、マーラ様に挑んだのである。
かつてDMC信者に、敬愛するワクワクさんの死体を辱められたゴロリにとっては、見過ごすことができなかったのだろう。
無謀に突っ込むゴロリを止めようとチェイスが止めに入ったが……
哀れ、二人もご立派様の餌食となってしまっただけでは飽き足らず、お互いを69の体勢で固定された状態で殺害されたのだ。
これ以上ない、屈辱的な死に方だろう。

「アヘェ――」

そしてその上に、白濁液で染まりきったファガンがついにこときれて覆いかぶさるように落下した。


【ゴロリ@つくってあそぼ】
【チェイス@仮面ライダードライブ】

それぞれマーラ様の一撃により、絶頂死

84ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:52:37 ID:TrESMWm60
しかしその時、ファガンの穴からぽこっと金色の卵が転がり落ちた。
パズドラ界隈のダンジョン産モンスターは戦闘で敗け、心の底から屈服すると卵をドロップするのだ。
ドロップした卵は、その卵を産んだモンスターと同一の存在ではあるが、別個体として再臨する。それはつまり――

「 フ ァ ガ ン 復 活 ! 覚悟しん ほ お お お お ぉ ぉ お ぉ ぉ ん !?」

――凌辱の再開である。ドロップモンスターはレベルが初期値に戻る時点で、どう足掻いてもマーラ様に勝てるわけがない。

「ん お お お ぉ お ぉ――アヘェ」 ぽこっ 「復活! ひ ぎ ぃ ぃ ぃ ぃ ん !?――アヘェ」

ぽこっ 「なんの、まだま っへぇぇぇぇ♥♥♥ まだゃいっへるのほほほほぉぉぉぉぉ♥♥♥――アヘェ」 ぽこっ

「き、気持ち良くて死んじゃぅぅぅぅ♥♥♥ か、神様ぁ! ア○ルの神様っ! ア、ア○ルしゅごいぃ〜ん♥♥♥」 

ぽこっ――ビクンビクン

ついにマーラ様の超絶技巧がファガンの産卵ループすら上回り、破壊した。
マーラ様の絶技は、もはや生まれる前の状態であっても絶頂を味あわせるほどに極悪なものへと昇華していたのだ。
これはつまり、無限に再生を繰り返すような強者であっても、いつかはマーラ様の前に屈することを意味している。

「なんじゃ、もう終わりか。突然突っ込んできたわりにはあっけなかったのぅ」

【星輝の黄龍帝・ファガン@パズドラ】

超多重絶頂死&完全再起不能

つまらなそうに、とりあえず痙攣する卵を手中に収めるマーラ様。

「やはりこちらの方が――ヤりがいがありそうじゃ」


「な、なんなんだこの醜悪にして凶悪なインベスは……!?」
「ぴきぃぃぃぃ……」
「こ、こんなのって……そんな……」
「まきょぉぉぉ……」
「み、みんな落ち着くんだゼーット!?」

おぞましい嬌声と、マーラ様の超絶技巧を目の当たりにしてしまった生き残りの強者達は恐怖のあまり震えあがる。
見れば、マーラ様の視線の先には桃色の髪の少女と巨大な魔物、それに隻眼の男がいる。
やはり状況がわからないが、魔物が少女を守るように陣形を取っている以上、彼女が都庁に属するものだというのは間違いないだろう。
都庁と敵対するとなると、対主催かDMC信者か?
だが目の前で繰り広げられた仲間の凌辱ショーは、DMCの凶行よりもさらにおぞましい。
なにしろ信者の言うレイ○はつまり相手を殺すことだが、この悪魔がやっていることはまさにガチレ○プそのもの。

「はぁ……はぁ……ま、まどか!?」
「こ、こいつはあのガチホモアカムの奴が神と崇めていた最悪の魔王、マーラですぞ!?やばいってレベルじゃないwwwwww」

遅れてほむらとオオナズチが、それぞれ親友とマーラ様の存在に気がつく。
そうオオナズチの言うとおり、マーラ様は最悪の魔王と言っても過言ではない。まだルシファーの方がましだ。
マーラ様の思考はただひとつ。そこには善も悪も中立も関係ない。人も魔も機械も関係ない。
ただ、ご立派なそれをぶち込む。それだけだ。

あらゆる種族、派閥を巻き込み無差別に行われる魔王の凌辱宴は、まだまだ始まったばかりである。

85ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:53:03 ID:TrESMWm60
【二日目・10時05分/東京都・世界樹地下中央部】

【マーラ様@女神転生シリーズ】
【状態】とっても健康、首輪解除
【装備】己のご立派様
【道具】支給品一式、トリンの生首、サクヤの生首、連結したゴロリとチェイス、ファガンの卵
【思考】
0:まどか達及び主任組、警察組を昇天させる
1:DMC狂信者入りして男女種族問わずヤりまくる
2:復活したクラウザーさんともヤる
3:誰かが混沌の神を召喚した様じゃの…まあいい
4:こいつらは都庁の者じゃないから首をとっても意味はないが、ヤりたいからヤる
※ディーによってDMC入団のための特別条件・都庁の名だたる者の首を五つ集める(残り3つ)を課されました
※貴虎が世界樹を爆破しようとしていることを知りません
※魔界で修行した結果、ものすごく強くなっています
※たとえ相手が再生を繰り返すような不死に近い存在であっても、超絶テクで昇天させることが可能です


【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
【状態】ダメージ小、斬月・真に変身中、財布と貯金が素寒貧 混乱
【装備】ゲネシスドライバー、メロンエナジーロックシード
【道具】支給品一式、夕張メロン×55、N2爆弾@新世紀エヴァンゲリオン×3
【思考】基本:人類種を守るため、危険な存在を倒す
0:色々と気になることはあるが、まずはとにかくマーラ様に対処
1:DMC狂信者による二度目の都庁攻撃によって、内部が手薄になっている内に地下から潜入しN2爆弾を起爆させて都庁を吹き飛ばす
2:都庁が破壊できるまではDMC狂信者と組むが、いずれはこちらも滅ぼす
3:パソコンは……今は諦めるしかないか
※都庁の変貌をヘルヘイムの森の侵食だと思っています
※ベジータが所有しているパソコンの本来の持ち主です。パソコン内に何かしらのデータが保存されているかもしれません
※現時点でほむらやキルコなど人間のほとんどをインベスとして誤認しています

【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
【状態】ダメージ中、LV99 悲しみと混乱
【装備】無し
【道具】支給品一式、ナイフ
【思考】基本:殺し合いを終わらせる
0:マーラ様に対してミルドラース以上の恐怖を感じている
1:主であるグランバニア国王とその家族と同僚の仲間モンスター達を探し、それ以外の仲間も探す
2:マーダーは可能な限り倒す
3:本能的に強大な何かが都庁の真下に埋まっていることを感じている
※人間の言葉は聞けば理解できますし、(出身世界の)人間の文化や常識も理解できますが、人間の言葉は全く喋れませんし読めません。
※現時点で人間のほとんどをインベスとして誤認しています。主任が考えを変えない限りスラリンも変わりません


【音無キルコ@新米婦警キルコさん】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、強い悲しみと怒り 混乱
【装備】トンファーブレイド(オリハルコン製)
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催を成敗して殺し合いを止める
1:な、なにが起きてるんですか……?
2:都庁軍は必ず倒す、都庁軍と戦える仲間を探す
3:ジバンさんとウッチーさん、フェイ・イェンちゃんの仇は必ず取ります……!
4:ビックサイトのDMC狂信者も気になるが、危険な都庁の魔物を倒すのが先
5:主催者の本拠地を探す
6:ハル先輩達、無事かなぁ?
※オルゴ・デミーラ率いる天魔王軍を都庁軍の一派だと誤解しています
※主任組をマーダーと誤認しています

86ターバンのガキ:2016/03/18(金) 23:53:36 ID:TrESMWm60
【まこちー@ぷちます!】
【状態】ダメージ(小)、とても深い悲しみ  混乱
【装備】きあいのタスキ
【道具】支給品一式
【思考】基本:まきょー
0:感情の処理がおいつかない
1:キルコについていく
2:ウッチー、ジバンさん、緑色のロボットさん(フェイ・イェン)を悼んでいる
3:真とちひゃー、765プロの面々、はるかさんの死に深い悲しみ
4:襲われたら全力で戦う

【水木一郎@現実】
【状態】ダメージ(中)、本調子じゃないゼーット! 混乱
【装備】赤いマフラー、マイク、ライオアタッシュ
【道具】支給品一式
【思考】基本:俺の歌で殺し合いを止めるゼーット!
1:とにかくこいつに対処するゼーット!
2:早く回復したいゼーット! 
※スタンド『ザ・アニキング』を呼び出す事が可能です。
アニキの歴代の持ち歌のヒーロー達をヴィジョンとして呼び出し能力を行使できます。
※まだ本調子ではないため、あまり絶叫しすぎると傷口が開きます。

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ大、混乱
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ50パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾25)、レミントンM870(残弾0)、ミニミM249(残弾0)、M16クレイモア×10、M84 閃光手榴弾×20、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:まどか!?
1:貴虎一行も気になるが、まずはマーラ様に対処

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ大、角破壊 
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたい
1:掘られたくないwwwwwww ……本気で
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います
※マーラ様の情報をアカムトルム経由である程度知っているようです

※眼前にまどか組がいますが、消耗具合は不明

87タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:57:47 ID:lrDo9O.A0
世界樹地下で勃発した都庁同盟軍、マーラ様、主任組、警察組の戦いは膠着状態に陥っていた……

「体当たり!!」
「千樹の祈り!!」

マーラ様の体当たりがまどかに迫る。
しかし、体当たり攻撃をまどかは物理攻撃を阻害する魔力の防壁で防いだ。

「むっ……」
「防けた! サイクロンルーツ!!」

反撃にまどかは足技・サイクロンルーツを放つ。

「甘いわ! テトラカーン!!」
「あう!」

だが、技が物理攻撃だったのが災いし、マーラ様の繰り出した物理反射障壁によって跳ね返され、反射した物理ダメージが自分で吹き飛ぶハメになった。
その隙をマーラ様が見逃しはしない。

「いまじゃ! 地獄突き!!」

吹き飛ぶまどかの秘部に向けて照準を合わせたマーラ様のご立派様が、必殺の地獄突きを放たんとする。
この一撃が秘部に直撃すれば最後、ご立派様の絶技の虜になって脳が沸騰して死んでしまう、言わば即死耐性を貫通する即死攻撃も同然である。


「まどかをやらせはしない!!」
「なに!?」

まどかがご立派様に貫かれる寸前で、ほむらが時間停止の魔法を発動。
吹き飛んで無防備状態だったまどかの手を引っ張り、助け出す。
マーラ様の地獄突きは空振りに終わったのだ。

「ほむらちゃん、ありがとう」

危うく終わりかけた貞操と命を救ったほむらにまどかは礼を言う。

「礼は良いわ、まどか。
それよりもあなたは都庁やセルのためにも死ぬわけにはいかないでしょう。
奴は強いわ。不用意な突出は控えて。受けた傷もすぐに回復して」
「うん、わかった。エタニティツリー!」

ほむらの指示を受け、リジェネ回復技であるエタニティツリーで回復するまどか。
それを面白くないように見やるマーラ様は攻撃モーションに入る。

「おのれ、今一歩のところを邪魔してくれたのぅ。
喰らうが良い、メギド――」
『うおおおおおおおおおお!! まどかをやらせるものかああああ!!』
「ぬお!? こやつめ、邪魔を!」

ウォークライのアギトから炎のブレスが吐き出され、マーラ様の魔法攻撃を妨害する。

「ゴッドーラァァァ!!」
「まどかとほむらだけじゃなく、俺達も忘れんなよ!!」
「!?」

畳み掛けるようにメガボスゴドラのストーンエッジとロックオンの銃撃がマーラ様に炸裂する。
マーラ様に与えるダメージはほとんど微々たるものだが、それでも身動きを封じるには十分であった。
そして。

「これはどう? サウザンドネイル!!」
「ぬふうおおお!」

まどかの放った技が今度こそマーラ様に直撃する。
この一撃で与えたダメージはそれほど大きくないものだが、確実に打撃は与えていた。

88タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:58:15 ID:lrDo9O.A0




このように都庁側が戦いを膠着状態に持ち込めたのは理由があった。

一つは都庁同盟軍のチームワークにある。
都庁側の戦力はまどかを除いて、ほとんだがマーラ様に対して有効打を待たない者達ばかりだったが、味方同士で助け合い、敵に攻撃を許さない連携によって受ける被害を最小限に留めていた。
これはお互い仲間同士で信頼しあってるからこそできる戦法である。
反対にマーラ様はまどかを含めた都庁側の者達を上回る戦闘力を秘めた魔王だが、多勢に無勢。攻撃も防御もカバーしてくれる味方がいないのである。
せめて最初に東部を守っていた氷竜達のように少人数だったら攻め切れたかもしれないが、今の都庁側の人数は倍以上になっており、マーラ様の攻勢を削ぐには十分であった。

そして、戦いを膠着状態まで持ち込めた理由としてもう1つの理由があった。

「おせおせーwwwなるべく奴に攻撃や回復をさせる隙を作ってはいけないwww!
でも即死系やバットステータス系の攻撃は厳禁ですぞww十中八九効かないか最悪反射されるのがオチですからw」

都庁の面子の中で唯一マーラ様の情報を知っているオオナズチの指揮である。
オオナズチの持っている猛毒などの技ではマーラ様にまともな攻撃を与えられないが、その代わりにマーラ様を神と崇めていたガチホモアカムトルムからマーラ様の技や癖などの情報を持っていたので、透明になって姿を隠しつつ情報面でのカバーに回っていた。

「お互いの下の口とシリアナは絶対に守りあうのですぞww!」

なんともおバカで下品な指示に見えるが、実際にマーラ様は相手にトドメを刺す時はご立派なモノを秘部陰部にブチ込む習性を持っている。
すなわち、味方同士で下の口とシリアナをカバーしあえば、トドメは刺されにくくなるということだ。

そのような理由で戦いは膠着状態になり、ファガン以来ご立派様をブチ込めてないマーラ様を苛立たせた。

「ええい、小賢しいわい! 満足に行為に及べぬわ!」

都庁側としてもマーラ様に与えるダメージはまどかを除いて薄皮を剥がすような程度しか与えられないが、それでも確実にダメージを蓄積させていた。
ダメージを与え続ければやがて勝利は見えてくる……一歩間違えれば押し切られて全滅を招きかねない余談を許せぬ戦況だったが、希望も見える戦況でもあった。


都庁側からすればもっと味方がいればより一層、戦況はこちらに傾くだろう。
誰かがそう願った時、幸運は飛んでやってきた。

「プリキュア・ラブサンシャイン!」
『インフェルノ!』
「こんなの握りたくないが……ティラノ・ハンド!」
「ぬう!?」

突如、西側からハート型の光線と火炎攻撃、その後に巨大な恐竜の腕がマーラ様に襲いかかった。
マーラ様は光線と火炎攻撃は躱すも、恐竜の腕には握られ(ちょっと気持ちいいと思いつつ)すぐに振り払った。
今、西側から放たれた技全てが、全て都庁同盟軍の仲間のものであった。
まどか達が西側を見ると、そこには頼れる四人の仲間達の姿があった。
世界樹地下の西側を守っていた桃園ラブ(キュアピーチ)、偉大なる赤竜、スニゲーター、渚カヲルの到着である。

「ラブちゃん、赤竜さん、スニゲーターさん、カヲルくん!」
「ラブ……救援は嬉しいけど遅いわよ、何してたの」
「ゴメン、ほむほむ。地震でダンジョンの構造が変わっていて迷子になっていたの」
『すまない、だが遅れた分は戦って取り戻す!』

騒ぎを聞きつけ、西から現れた都庁側の援軍。
都庁側の戦力は一気に10人以上にまで増え、都庁軍の勝率は上がったと言え、まどか達に希望を与えた。
これによりマーラ様は苦い顔をしつつも、同時に喜んでもいた。

「ここで数を増やしたか……だが嬉しいぞ!
ヤリがいのある相手が増えたということでもあるからのお!
さあ、皆みんなワシのご立派で愛でてあげよう!」

マーラ様は喜々として、都庁同盟軍の者達に向かっていた。
同盟軍はそれぞれが持つ技や銃などで応戦する。
泥沼の戦いはまだまだ続きそうである……

89タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:58:47 ID:lrDo9O.A0



さて、ここにいる勢力は都庁同盟軍とDMC側のマーラ様だけではない。
忘れてはならない集団が2つ。この場にはいるのである。

1つは呉島貴虎とスラリンで構成された主任組である。
とある目的より世界樹爆破を目論む主任組であったが、その主任組は――

『まどかと仲間はやらせはせんぞ!』
「このドラゴン型インベスめ、邪魔をするな!」
「ぴきーーー!」

氷嵐の支配者こと氷竜によって足止めを食らっていた。
氷竜の持つシールドのスキルは攻撃手段が矢と火炎である貴虎とスラリンの攻撃を弾き、なおかつ、氷竜自身が持っている自己再生能力『氷河の再生』によって傷を癒しながら戦うことで長期的な足止め要員にはうってつけだった。
(なお、氷河の再生でマーラ様から受けた傷はだいぶ治ったが、首の再生には時間がかかるのか首はまだ2つだけの模様)

「これではこの場から逃げることもできん!」
『世界樹のためにも貴様をここから逃がしはせん!』

貴虎は都庁の魔物達がマーラ様と戦っているうちに、逃走して別の経路からN2爆弾を仕掛けようとしたが、それを都庁軍に悟られ、貴虎相手にはもっとも相性が良いと思われる氷竜が足止めに入ったのである。
そして主任組はマーラ様を倒した後にでも都庁の残りの戦力で捕縛もしくは殲滅するつもりなのだ。

(まずいぞ……このままでは!)

仮面の下で貴虎は冷や汗を流す。
このまま氷竜による足止めを喰らい続ければ、インベスである(と思っている)マーラ様と都庁同盟軍の勝ったどちらかを相手にしなければいけなくなる。
明らかに自分以上の戦闘力を持つマーラ様、純粋に数が多く厄介なスキル持ちの多い同盟軍。
一方でファガンら戦力を失った主任組の戦力は貴虎とスラリンの一人と一匹のみで、どちらが勝っても敵に回るだけなので面白くない展開であった。
そして自分たちが敗れれば、世界樹を爆弾で吹き飛ばす計画は水の泡になり、世界はヘルヘイムの侵食によって滅びるであろう。そのようなことになるのは貴虎は許せなかった。

(しかし、妙だな……)

氷竜と戦っている一方で貴虎は奇妙なことに気づいていた。



(なぜインベス同士が戦っているんだ?)

貴虎の視点では異形であるマーラ様も同盟軍の者達も全てインベスに見える。
しかし、インベスが仲間同士であるインベスと戦っているのは果たしてどういうことなのだろうか?

(!! そうか、そういうことか!)

ふと、貴虎の頭脳に電気が走る。
なぜインベス同士が争っているのか、その答えがわかった気がしたからである。

その時である。

「氷竜、退けーーーッ!
マーラがそっちにいったぞーーー!!
全力でシリアナを守れーーーwww!!」
『なにッ!?』

オオナズチの警告通り、マーラ様がターゲットを氷竜と主任組に変えて襲いかかってきた。
マーラ様によって既に痛い目に遭わされている氷竜は貴虎の足止めを一時中断して撤退。
――そして、残された主任組の前にマーラ様が突撃してきた。

「蚊帳の外というのも寂しかろう!
おまえたちも宴を楽しもうではないか!」
「ぴきぃーーー!!?」
「……」

眼前に迫る最凶の魔王マーラ様。
思わず泣き叫ぶスラリンと沈黙する貴虎、一人と一匹はどうなるのか?!

90タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 14:59:58 ID:lrDo9O.A0




マーラ様、都庁同盟軍、主任組が戦闘をしている一方。
音無キルコ、まこちー、水木一郎の警察組三人は岩陰に隠れて戦闘を傍観していた。

「いったい全体、何がどうなってるんでしょうか!」
「まきょー……」
「俺たちは誰の味方につけばいいんだ?」

警察組は酷く混乱していた。
警察組もかつて自分たちを攻撃し、ジバン、空蝉丸、フェイ・イェンといった仲間を殺した凶悪な都庁の魔物たちを討伐するために世界樹地下にやってきたのだ。
だがそこにいたのは、魔物を引き連れた2つの勢力・桃色の髪の少女を中心に人間と共に戦う魔物で構成された都庁同盟軍とスライムを連れた仮面ライダーの主任組とゴロリとチェイスを殺したご立派な魔王だった。
都庁の魔物は人間を襲う凶悪な敵……ネットでもそう囁かれている、にも関わらずその事実と食い違うように同盟軍も主任組も魔物を引き連れ、双方人間と共に戦っているとはどういうことだろうか?

なによりも誰の味方をすればいいのか?
ご立派様はどう考えても敵だとして、同盟軍と主任組のどちらが敵なのか?
同盟軍はこちらが貴虎やマーラ様の敵ではないとわかると、こちらを攻撃してこなくなった。
ただし、あくまで戦力に乏しく手負いのいる警察組を後回しにしているだけで、後で襲いかかっている可能性も十分ある。
同盟軍に狙われる主任組は中学生に弓を引こうとし、こちらもインベス呼ばわりしてきたが、双方になんらかの誤解があっただけで本来は敵ではないのかもしれない。
真実はどうなっているのか……とにかく警察組には情報が少なすぎるのであった。

(私たちはどうすれば……?)

ジバンの戦死以降、警察組のリーダーとなっているキルコは大いに悩む。
選択を間違えれば警察組の全滅そして悪党の味方をしてしまう可能性もある以上、軽はずみな決断はできなかった。
だが、いつまでもこうして岩陰には隠れてられまい。
いずれはここを出て戦わねばいけない時がくるだろう。
キルコがそのように思っていた時だった。

「緑の髪に眼帯…‥あなたはキルコさんですね?」
「え? どうして私の名前を知っているんですか?!」

同盟軍の側から、こちらに気づいた白髪の少年が振り返り声をかけてきた。
少年はなぜかこちらを知っているかのように、キルコの名前を言い当てた。
そして敵意がない素振りを見せながら岩陰に入ってくる。

「初めまして、僕は渚カヲル。
小さなぬいぐるみのような生き物、まこちー。
真っ赤なマフラーの熱そうな男の人、水木さん。
……良かった、彼女の仲間はみんな無事だったんですね」
「少年、なんで俺たちのことを知ってるんだゼッート?」

残る警察組の面子の名前も言い当てたカヲルにどうしたことかと首を傾げる警察組。
元々有名人である水木はまだしも、キルコとまこちーのことは仲間内でしかしらないハズだ。
だが、仲間内でなら……そこでキルコの脳裏に死んだハズの仲間の少女の姿がよぎった。

「!! いま、あなたが言った彼女ってまさか……!」
「ええ、フェイ・イェンは僕らの仲間です」
「まきょ!?」
「生きてるのか、フェイ・イェンは!」
「ええ、諸事情でヘンテコな着ぐるみは着てるけど、この都庁で生きてるよ」

魔物達に殺されたと思われたフェイ・イェンは生きていた。
カヲルの口から告げられた事実に警察組の仲間達は大いに喜んだ。
しかし、同時にキルコたちの混乱も余計にひどくなった。
カヲルの口ぶりからして、彼及び彼の仲間である都庁同盟軍はフェイ・イェンを保護した味方である。
だが同時に、人を襲う都庁の魔物達にカヲルとフェイ・イェンが力を貸しているということでもある。
そもそもフェイ・イェンは都庁の魔物に襲われ、殺されかけたのではないのか?
実際に都庁の魔物に襲われた警察組にとってはそれは不可解極まりないものであった。

「どういうことなんです?
フェイ・イェンちゃんが都庁の魔物に味方しているって……?
都庁の魔物に殺されかけて、ジバンさんたちは殺されて……!」
「……!
そうか、君たちはまだ真実を知らないんだね?」
「真実……?」
「キルコさん、僕の口から本当のことを教えてあげるよ」

91タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:00:32 ID:lrDo9O.A0


そして、戦闘の最中だったので多少手短であるが、カヲルの口から警察組に向けて真実は明かされた。
都庁の軍勢の魔物が迎撃以外では人間たちを襲っていないということ。
ネットの書き込みは天魔王軍なる魔族の集団による情報操作による偽りのものであり、都庁の軍勢の悪行だと思われたものは全て天魔王軍の悪行のなすりつけによるもの。
ジバンら警察組を襲ったのは都庁の軍勢ではなく、天魔王軍だったということ。
主催がばら撒いた参加者をバケモノに変える物質。
その物質に侵された大気を浄化するためにはこの都庁に生えた世界樹とフォレスト・セルが必要不可欠であるということ。
そして、それに対処するために都庁の軍勢は人間たちとも休戦して同盟を組み、巨大な対主催組織になった。
その都庁同盟軍と世界樹を滅ぼそうと、貴虎すなわち中学生に弓を引こうとした仮面ライダーが爆弾を仕掛けようとしている。
そのようにキルコたちはカヲルに伝えられたのだった……


「……そういうことだったんですね。
どうりでさっき見た魔物の死体と私たちが戦った魔物と質感が違うと思ったんですよ」
「都庁の魔物は敵じゃなかったのか……
そんな彼らに罪をなすりつける天魔王軍は絶対に許せんものだゼーット!」
「まきょまきょまきょーーー!!」

カヲルからもたらされた情報に警察組一同は納得し、ようやく混乱を納めた。
そして都庁の軍勢もとい都庁同盟軍が敵ではないとわかった今、警察組の取るべき行動は1つだった。

「よし、私たちも都庁に加勢します」
「まきょ!」
「ああ、都庁は俺たちにとって味方であり、都庁の世界樹は主催がばら撒いた危ない物質をなくすためにも必要不可欠だ。
そんな君たちの味方をしないわけにはいかないゼーーーット!!」
「みんな……ありがとう」

警察組が対主催組織である都庁同盟軍の仲間になった瞬間である。


(……これで良いんですよね、ジバンさん)

キルコの中に都庁の魔物に対する憎しみはもうない。
偽りと真実がわかり、真に討つべき敵は他にいるとわかったからである。
仲間を失った憎しみで我を忘れて敵ではない都庁の魔物を殺す間違いを危うく犯すところだったが、それも真実知ったことで踏みとどまることができた。
ジバンもキルコが都庁同盟軍に組することを良しとするだろう。
警察官は罪なき人々の安全と平和のために行動すべきなのだから。

「さて、主催に天魔王軍にDMC狂信者に……戦うべき敵は色々いますが、まずは爆弾を仕掛けようとしているテロリストと猥褻物の取締からですね!」
「ゴロリとチェイスの仇討ちだ!
俺たちが来たからには誰ひとり殺させやしないゼット!」
「まきょ!」

キルコは亡きゴロリが作ったオリハルコンのトンファーブレイドを構え、水木はマイクを手に持ち、まこちーは気合のタスキを引き締める。
警察組の加勢の準備は整った。
おそらく警察組の加入によって都庁とマーラ様のパワーバランスは都庁側に傾くだろう。
都庁同盟軍に所属するカヲルにとっては嬉しい情報だった。

「いきましょうカヲルくん!」
「ええ!」

最初に岩陰から水木が飛び出した。

「キルコ!
援護は俺がするゼーット!」

水木は歌をヴィジョンとして投影するスタンド能力、ザ・アニキングを使用してキルコたちを強力に援護するつもりなのだ。
天魔王軍につけられた傷がズキズキ痛むが、マーラ様相手に中途半端な攻撃は逆効果だろう。
傷口が開くリスクを負おうとも、より強力な攻撃を放つべく、水木は魂を込めて力強く歌おうとする。



「いくぜ! 歌うのはもちろん十八番のマジンガー――」














水木が歌おうとした、その時である。

92タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:01:04 ID:lrDo9O.A0

一本の矢が水木の脳天を貫き、血と脳漿を辺りに四散させた。

「――ぜっと」
「アニキさん? アニキさん!?」

水木の頭がはじけ飛ぶ瞬間。
それを眼にしたキルコ、カヲルの顔は青ざめた。

巨匠、水木一郎は倒れた。最後に魂を込めた一曲も歌うことができぬまま……


【水木一郎@現実 死亡確認】


悲劇はこれで終わりではなかった。

「ま…きょ……」

今度はキルコとカヲルの背後からまこちーのうめき声が聞こえたかと思い、二人が振り返ってみると、そこには喉元から噴水のように赤い血を噴出していた、まこちーの姿があった。

「まこちーちゃん!?」
「ぴきー!」
「こいつは貴虎の味方のスライムじゃないか!?」

まこちーの喉元を切り裂いたのはナイフを口元でくわえたスラリンだった。
スラリンは四人に気づかれぬように忍び寄り、背後からまこちーの喉をナイフで裂いたのである。

「ぴっきーーー!!」
「うわ!」
「くっ……A.Tフィールド!」

キルコ達がアクションを起こしてくるより早く、口から灼熱の火炎を吐いて攻撃。
幸いにもカヲルによるA.Tフィールドによる防御が間に合って二人は事なきを得るが、その隙にスラリンには逃げられてしまった。

「あのスライム、よくも……まこちーちゃんは!?」

仲間を傷つけたスライム憤るキルコだったが、まこちーの身も心配であった。
カヲルが床に倒れたまこちーを診るが……

「……ダメだ、もう死んでいる」
「そんな、そんなああああああ!!」

まこちーは首を裂かれたことによる失血でショック死していた。
僅かな瞬間の間に水木、まこちーというかけがえのない仲間が死んでしまったことにキルコは慟哭するしかなかった。


【まこちー@ぷちます! 死亡確認】


そして逃げ出したスラリンの行く先は仮面ライダー斬月・真――貴虎の肩の上である。

「ようやったぞスラリン、これでインベスの数が減った」
「あなたは……貴虎!?」

93タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:01:44 ID:lrDo9O.A0

貴虎の腕は弓が構えられていた。
その弓の方角は、キルコたちが隠れていた岩陰の辺り。
すなわち貴虎が水木を射殺したのである。
スラリンにまこちーを殺害させるよう命じたのも貴虎だろう。
それを理解した時、キルコは怒りで手を震わせた。

「よくも仲間を……よくもォーーーーーっ!!」

キルコの怒りが頂点に達した時、本人でも気づかない内に貴虎に向けて突撃していた。

「ダメだキルコさん、戻って!!」

カヲルが必死に呼びかけるがキルコは聞く耳持たなかった。

「チッ……」

貴虎は接近してくるキルコに弓を引く、しかし、キルコの持つオリハルコン性のトンファーブレイドが矢を弾いた。

「!?」
「オリハルコンを舐めないでください!
そんな矢なんて弾きとばしちゃいますから!」

斬月・真の弓矢すら弾くトンファーブレイドを盾に、なおも突撃を続けるキルコ。
貴虎は弓を引き続けるが、オリハルコンの前には効果がない。
そうして貴虎はキルコに接近を許し、キルコは怒りのままにトンファーブレイドを振り下ろさんとする。

「アニキさんとまこちーちゃんの仇ィィィーーーッ!」



「……フッ、かかったな」
「な……はうッ!?」

トンファーブレイドが振り下ろされる寸前、貴虎は仮面の下でほくそ笑んだ。
そしてキルコの身体が何者かに横からかっさらわれた。

「えっ……何が?!」
「これは中々の美乳の持ち主じゃのう」
「!!」

いきなり何が起こったのかわからないキルコが首を左右に振ると、そこには自分の身体を握っている濃い緑色の腕と黄金の馬車、そして巨大でご立派なモノ……マーラ様だった。
その時、キルコは理解した。
自分はマーラ様に捕まってしまったのだと。

「は、離して、このぉ!」

すぐに脱出を図ろうとするキルコは、マーラ様に向けてトンファーブレイドで斬りつけようとする。

「たたり生唾!!」
「あっ!!」

だが、マーラ様から放たれた謎の白い液体――たたり生唾によって両腕のトンファーブレイドは弾かれて地面に刺さった。
こうしてキルコはマーラ様に対する防衛手段を失った。

「ぐふふ、さて、オヌシを涅槃に連れてっいってやろうかのう」
「や、やめて……」

これからマーラ様にナニされるか理解した時、キルコはこのカオスロワで初めて恐怖で震えた。
残った両手両足でジタバタと暴れて脱出を図ろうとするが、すぐに手足も触手によって縛られて身動きが完全に取れなくなってしまった。

「あの女の人が危ない! みんな、あの人を守って!!」
「了解!!」

まどかたちもただ傍観しているわけにはいかない。
マーラ様に貫かれることは死を意味する、それを阻止するために都庁同盟軍の者たちはキルコを救うために動こうとした。

「おっと、そうはいかないな」
「ぴきー!」

その矢先、貴虎の放った矢とスラリンの火炎がまどかたちの進撃を遮る。

「邪魔しないで!!」
「おまえたちはそこで指を加えて見ていろ」

キルコを何とかして助け出そうとする都庁同盟軍の者たちだったが、貴虎・スラリンによる妨害で誰もマーラ様の場所まで辿りつけない。
これから起こる惨劇に対し、まどかたちは貴虎が言ったように、指を加えて見ているしかなかったのだ。

94タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:02:21 ID:lrDo9O.A0



震えるキルコに対し、マーラ様は背面に生えた触手でビリビリとキルコの制服や衣服を切り裂いていく。
キルコはあっという間に一糸まとわぬ姿になり、たわわな胸と豊満な尻があらわになる。

「いやあーっ!」

悲鳴をあげるキルコ。
だが、彼女を救える者はこの場にはいない。
ただ魔王を喜ばせるだけであった。

「そそるのお、ではとっておきの技で天国へ連れていってあげよう」
「いや、やめて……入れないで!」

マーラ様のご立派様がキルコの大事な場所を向く。
キルコはただ恐怖し、泣いて懇願するだけであった。
元傭兵であるキルコさえも震え上がらせるモノがご立派様にはあったのである。
そして――

「刹那! 五月雨撃ち!」
「い、いやああああああああ!! 死んじゃうううううううう!!!」

キルコの中にご立派様はぶち込まれた。
それも高速ピストンで。
キルコの肉体が弓なりに曲がり、胸が上下する。

「こんなのって、こんなのって!」

キルコはただ悔しかった。
正義のおまわりさんが悪に屈したくはなかった。
だが、下の口から昇ってくる快感にはとても抗えるものではなかった。

「私は警察官として、アンッ!
人々を守らなきゃいけないのに ンッ!
誰も、ハアッ! 守れてない……」

ジバンのように尊い正義の意志を持って人々のために戦いたかった。
だが実際には、仲間を一人たりとも守ることができず、屈辱と後悔の中でその生を終わらせようとしている。
彼女の中の正義の意志もまた、快楽という名の白濁色にだんだん染まっていく。
その白濁色はキルコにとって絶望の色だった。

「さあーて、フィニッシュじゃ」

マーラ様は最後にキルコに最大の快楽を与えるべく、出し入れのスピードをあげる。
絶望と快楽でショート寸前だったキルコの脳に更に苛烈な電気が流れた。
いよいよ、凌辱劇は終わりを迎える。キルコの死を持ってして……


「逝クッ 逝クッ 逝クッ 逝クッ 逝っちゃうのおぅぅぅんん!!!
…んああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


最大級の絶望と快楽を味わいながら桃色の悲鳴をあげ、キルコはとうとう絶頂を迎えてしまった。
自分とマーラ様の体液でドロドロになり、白く染まった肉体がズルリと床に落ちる。
ビクンビクンと痙攣した身体はやがてピクリとも動かなくなった。
無情にも警察の正義は魔王の性技の前に敗れ去ったのであった。


【音無キルコ@新米婦警キルコさん 死亡確認】
【警察組 全滅】

95タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:03:02 ID:lrDo9O.A0


「キルコさん、そんな……」

カヲルは目の前で起きた新たなる仲間になるハズだったキルコと警察組の全滅を嘆くしかなかった。
カヲルだけでなく、都庁同盟軍の者たちも救えなかったことに歯噛みしていた。

そして、都庁同盟軍の悲しみはすぐに憎しみと怒りに変わり、その矛先はマーラ様と手を組んだ主任組に向けられた。


「呉島貴虎、貴様ァーーー!!」
「どういうつもりなの!?」

スニゲーターとラブが貴虎に喰ってかかる。
貴虎たちが邪魔さえしなければ、キルコは助けられたのかもしれないのだから。
そんな怒れる者たちに対して貴虎はほくそ笑みながら答える。

「悪いが、そういう契約なんでな」
「契約……まさかあなたたち、あのマーラの仲間に!?」

貴虎がマーラの仲間になった……その事実にほむらは戦慄する。
純粋にただひたすらに強い男と、わけがわからないくらい強いご立派様が手を組んだのだから、それだけで都庁側としては驚異であるのだ。
キルコとの行為を終えたマーラ様がご満悦の様子で貴虎の横に並ぶ。

「そうじゃ。
ワシはおまえたちの連携のおかげでなかなかご立派をぶち込めず、イライラしておったところをこの男が契約を持ちかけてきたんじゃ。
ワシがご立派をブチ込む手伝いをしてくれる変わりに、仲魔になれとな。
そして、貴虎は人間してはかなりの強者だったし、使える人間と思ったから契約したんだわい。
結果は見ての通り上出来以上、契約して損はなかったわい」
「俺としてはおまえたちインベスを滅ぼせるならどんな手でも使うだけだがな……例え悪魔と契約してでもな」

マーラ様は貴虎を己が欲望を叶えてくれる戦士として見込んで仲間……いや仲魔になったのである。

(まあ、こやつらもいずれ掘るがな。
だが戦士としては本当に使える奴らじゃし、しばらく後でも良かろう)

仲魔になっても主任組のシリアナは狙われている……が、マーラ様としても利用価値を見出している貴虎を本格的に襲うのは後になるであろう。


一方、貴虎の思惑は――

(ククク、いいぞ。このインベスの『奇行種』は利用できる。
こいつを使ってこの都庁のインベスとヘルヘイムを滅ぼしてやる)

――未だに都庁同盟軍をインベスと勘違いしっぱなし、それどころか悪魔であるマーラ様も同じインベスを共食いするかの如く犯して殺すインベスの奇行種であると誤解していた。
貴虎の目線では都庁同盟軍とDMC狂信者(入団希望者)の戦いは、インベス同士の抗争にしか映らなかったようだ。
人類種を守るためならば悪魔とも、本来は討つべきインベスとも手を組む……それが貴虎の決断であった。

「ぴきいー?」
(わかっているスラリン。
こいつはファガンを犯して殺した下手人だ)

スラリンはマーラを仲魔にしたことに納得できない様子だった。
マーラには仲間を殺されているのだ、不満を持つのは無理もない話であろう。

(だが、こいつを利用しなければ、強力なインベスまみれのこの局面をとても突破できないぞ。
もちろん、最終的にマーラも討つつもりだ。
敵の数が減り次第、隙を見て逃げ出し爆弾でヘルヘイム諸共吹っ飛ばしてやる。
それまで我慢するんだ)
「ぴき……」
(シーザーとヘルヘイムの仇も討ちたいだろ?)
「!!」

貴虎は最終的にはマーラも討つつもりであること、そして相対する都庁同盟軍は長年の付き添いであるシーザーとこのロワで友となったヘルヘイムを殺した憎き仇敵だ。
貴虎の諭しによって復讐心を刺激されたスラリンから不満の心を消え、シーザーとヘルヘイムを奪った都庁の者たちに罰を与える復讐心だけが心の中で燃え上がった。
今、貴虎とスラリンの心にあるのは、『インベス殲滅』の文字だけである。
そうして二人は相手がインベスではないという致命的な誤解に気づかぬまま、自分たちの正義のために突っ走るのだった。

96タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:03:43 ID:lrDo9O.A0


「クッ、数はこちらが遥かに上だ! 連携をうまく使って倒すぞ!!」
「「オオ!!」」

都庁同盟軍もいつまでも呆けてる場合ではなく、攻勢にでる必要があった。
スニゲーターが筆頭に立ち、同盟軍はそれぞれの技と武器を持ってマーラ様と主任組に仕掛けようとする。
それに対しマーラ様は不敵に微笑む。

「連携か……それならワシらもできるかもしれないのお。
貴虎、スラリン! ありったけのパワーを一点に集中するんじゃ!!」

突撃してくる都庁同盟軍の群れにマーラ様、貴虎、スラリンの三人は迎撃体勢をとる。
そして、マーラ様の指示どうり、三人は一点に向けてなるべく強力な攻撃を放った。

「ぴきー!(しゃくねつ!)」
「ソニックボレー」
「マララギダイン!」

するとどうだろうか、スラリンの放った灼熱の炎が、貴虎の放った強力なエネルギーの矢、マーラ様の放った怪しい色の炎が一点集まって融合し、燃え上がる物凄いエネルギーの塊となった。

「これは……」
「合体技じゃよ。
即席にしてはよくできている。
……名づけて『マラ灼熱のソニックダイン』じゃ!!!」

マラ灼熱のソニックダイン――そう名付けられたエネルギー体が都庁同盟軍に高速で襲いかかる。

「まずい! 回避……間に合わない、防御を!!」

見るからに喰らったら危なそうな物体に同盟軍は攻撃を中断する。
エネルギー体の接近が早すぎて回避は間に合わない。それぞれが防御行動をとり始める。
その中で一行の壁となるべく、あえてエネルギー体に向かっている者達がいた。
まどか、氷竜、カヲルの三人である。

「千樹の祈り!」
『アイスシールド!』
「A.Tフィールド全開!」

三人はそれぞれの持つ防壁を合わせてでエネルギー体を防ごうとした。
そしてエネルギー体が防壁に衝突した。
物理攻撃を無効化する祈り、炎攻撃を無効化する氷の盾、あらゆる攻撃を弾く障壁、この三つが合わされば並みの攻撃どころか、チート級の攻撃すら弾かれるだろう。


「……そんな!?」
『火力が高すぎて……盾が溶け出している…だと……!?』
「ダメだ、強すぎる!」


……だがマラ灼熱のソニックダインはチート級をも超えた理不尽級の攻撃。
純粋にパワーがありすぎて、物理・火炎無効化効果すらも貫通してしまっていた。
そして防壁は叩き割られ、殺しきれなかったエネルギーは大爆発を起こした。


「うわあ!!」
「痛っ!!」
「ぐは!!」


都庁同盟軍の全員が爆炎によって吹き飛ばされ、ある者は宙を舞い、ある者は壁面や床に叩きつけられた。

……爆煙が晴れた所で、同盟軍に手傷を負ってない者は誰ひとりいなかった。
多くの者が痛みでうめき声を上げていた。
だが、これでも被害は最小限に済んだ方であろう。
この攻撃による死人はいない。
まどかたちが防御に回らなければ、半数、下手をすれば全員が消し炭になっていた可能性もある、それだけ強力な技であった。

97タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:04:21 ID:lrDo9O.A0

「クソッ、なんてパワーをもってやがるんだ……」

起き上がったスニゲーターはマーラ様、主任組の実力の前に震え上がっていた。

「あいつらを倒すには本当にレストかダオス、フォレスト・セル、もしくはあの『お方』をお呼びするしか……」
「スニゲーターさん! 危ない!!」
「え? グハッ……アッー!!」

呆然としていたスニゲーターに、まどかが注意を呼びかけるも間に合わず、スニゲーターの胸に数本のエネルギーの矢が刺さり、そのシリアナにはご立派様が突き刺さった。
この同時攻撃により、スニゲーターは二つの意味で昇天した。


【スニゲーター@キン肉マン 死亡確認】


「首はもいどいてくれ、後で必要になるからの」
「了解だ、スラリン」
「ぴき」
「さて、これであと2人……!」

マーラ様は昇天したスニゲーターからご立派を引き抜き、スラリンはナイフでスニゲーターの首を切り落として渡した。


「なんてことですかねコレwww!」

オオナズチはセリフに草を生やしながら現状に絶望していた。
たった今、トリン、サクヤ、警察組に続いてスニゲーターも死に、かけがえのない仲間が目の前で死んでしまった。
それだけでなく、これまでは仲間との連携とマーラ様に仲間がいない点をついて優位とまではいかずとも互角の戦いができた。
だが、主任組がマーラ様についたことで事態は一変した。
マーラ様側に連携できる強力な味方がついたことで、マーラ様の攻撃と防御はカバーされ、反対に同盟軍の攻勢は削がれるだろう。
おまけに向こうはほとんど軽傷なのに対し、こちらは中〜大程度のダメージを受けたものがほとんどだ。
特にほむら、ロックオン、そしてオオナズチ自身も傷が深く、立っているのがやっとなレベルである。
マーラ様相手に対し、光明が見えていた戦いが、一瞬にして絶望的なものになった。
事態は最悪の方向に向かっていた。

「あらら勝てるんですかねえコレwwww
つか、魔王とかチート仮面ライダーとかレベル最大のスライムとかやりすぎにもほどがあるっしょwwww
マジぱねえっすwマwジwぱwねwえwっwすw
wwwwwwww

wwww…………

……………………

……クソッタレがああああああああああああああああああああ!!!」


オオナズチはしばらくヤケクソで笑っていたのちに、怒りのままに吠えた。
どうしようもない現状にただ吠えるしかなかった。

「そう、吠えるな。
おまえもすぐに仲間のいる極楽浄土に連れて行ってやろう」
「おまえたちが行きつく先のはおそらく地獄だがな」
「ぴききききき」

怒れるオオナズチや同盟軍を嘲笑いつつ、マーラ様、貴虎、スラリンがゆっくりと同盟軍に向かっていった。


――これより都庁同盟軍にとって絶望的な戦いが始まる。
そんな予感をこの場にいるものたちに抱かせながら。


【二日目・10時30分/東京都・世界樹地下中央部】

98タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:06:53 ID:lrDo9O.A0

【ご立派な強者たち】

【マーラ様@女神転生シリーズ】
【状態】ダメージ(小)、首輪解除
【装備】己のご立派様
【道具】支給品一式、トリンの生首、サクヤの生首、スニゲーターの生首、連結したゴロリとチェイス、ファガンの卵
【思考】
0:主任組と手を組んでまどか達を昇天させる
1:DMC狂信者入りして男女種族問わずヤりまくる
2:復活したクラウザーさんともヤる
3:誰かが混沌の神を召喚した様じゃの…まあいい
4:主任組もいずれ掘る
※ディーによってDMC入団のための特別条件・都庁の名だたる者の首を五つ集める(残り2つ)を課されました
※貴虎が世界樹を爆破しようとしていることを知りません
※魔界で修行した結果、ものすごく強くなっています
※たとえ相手が再生を繰り返すような不死に近い存在であっても、超絶テクで昇天させることが可能です


【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】
【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、斬月・真に変身中、財布と貯金が素寒貧
【装備】ゲネシスドライバー、メロンエナジーロックシード
【道具】支給品一式、夕張メロン×55、N2爆弾@新世紀エヴァンゲリオン×3
【思考】基本:人類種を守るため、危険な存在を倒す
0:マーラを利用してインベス(都庁同盟軍)を殲滅する
1:DMC狂信者による二度目の都庁攻撃によって、内部が手薄になっている内に地下から潜入しN2爆弾を起爆させて都庁を吹き飛ばす
2:都庁が破壊できるまではDMC狂信者と組むが、いずれはこちらも滅ぼす
3:パソコンは……今は諦めるしかないか
4:隙を見て逃げ出し都庁に爆弾を仕掛け、マーラ諸共吹き飛ばす
※都庁の変貌をヘルヘイムの森の侵食だと思っています
※ベジータが所有しているパソコンの本来の持ち主です。パソコン内に何かしらのデータが保存されているかもしれません
※マーラ様をインベスの奇行種であると誤解しています


【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、LV99 悲しみ
【装備】無し
【道具】支給品一式、ナイフ
【思考】基本:殺し合いを終わらせる
0:マーラを利用してインベス(都庁同盟軍)を殲滅する
1:主であるグランバニア国王とその家族と同僚の仲間モンスター達を探し、それ以外の仲間も探す
2:マーダーは可能な限り倒す
3:本能的に強大な何かが都庁の真下に埋まっていることを感じている
4:マーラ怖い、掘られたくない
※人間の言葉は聞けば理解できますし、(出身世界の)人間の文化や常識も理解できますが、人間の言葉は全く喋れませんし読めません。
※現時点で人間のほとんどをインベスとして誤認しています。主任が考えを変えない限りスラリンも変わりません




【都庁同盟軍 】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(中)、世界樹の巫女、左脚に怪我、首輪解除、激しい怒り
【装備】世界樹の衣
【道具】支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
【思考】基本:自分も戦い、みんなで生き残る
0:マーラと主任を倒す
1:クラウザーさんのためにも、DMC狂信者の暴走を止める
2:警察組と同盟軍の皆をよくも!
※巫女の祈りにより、魔法少女に近い存在へとなりました
※ソウルジェムなどはないので、肉体が致命傷を負えば普通に死亡します
※衣装はアルティメットまどかのものを2Pカラーにした感じです。戦闘力もそれの劣化版
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です


【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(特大)、首輪解除
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ70パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾10)、レミントンM870(残弾0)、ミニミM249(残弾0)、M16クレイモア×5、M84 閃光手榴弾×15、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:マーラと主任を倒す
1:まどかは命にかえても守る
2:マーラの仲間になった主任はもう絶対に殺す


【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(小)
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたい
0:マーラと主任を倒したいが、勝てるのかコレ……
1:正直、友や仲間の死には心を痛めている
2:今は草を生やしてる場合じゃねえ!
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います
※マーラ様の情報をアカムトルム経由である程度知っているようです

99タチアガレ セイギ:2016/03/24(木) 15:07:20 ID:lrDo9O.A0


【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
【装備】無し
【道具】支給品一式、余った真竜ニアラ
【思考】
基本:世界樹の防衛
0:マーラと主任を倒す
1:レストを信頼
2:サクヤたちをよくも!
3:俺を超える巨根など認めるものかあ!!
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています


【メガボスゴドラ@ポケモン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除
【装備】不明
【道具】支給品一式、大量の土と樹
【思考】
基本:ダオスに着いていく
0:マーラと主任を倒す
1:縄張り以外でも自然環境を破壊する奴は容赦なく頭突く
2:ダオス達のサポートを行う
3:せっかく植林したのに何度も壊すのはやめれ(切実)
※現段階で判明している所持技はアイアンヘッドとステルスロック。その他不名


【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大)、疲労(大)、左側の首喪失、首輪解除、怒りと悲しみ
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:都庁同盟軍と共に生き残る。DMC信者は殺す
0:マーラと主任を倒す
1:鹿目まどかは必ず守る
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能


【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)、右目失明、弾丸の勇者、首輪解除、キョウリュウブラックに変身中
【装備】ハロ×2@ガンダムOO、ガブリボルバー、ガブリカリバー
【道具】支給品一式、ドラグノフ狙撃銃@現実、獣電池(パラサガン)×6
【思考】 基本:都庁同盟軍の仲間として殺し合いを止める
0:マーラと主任を倒す
1:トリン……アンタのブレイブは引き継ぐ!
2:警察組の全滅についてフェイ・イェンになんて伝えればいいんだ……
※キョウリュウジャーとして認められました。キョウリュウブラックに変身可能となり、竜と話せます。


【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、首輪解除、怒り、キュアピーチに変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
0:マーラと主任を倒す
1:都庁同盟軍のみんなと一緒に殺し合いを止める
2:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
3:仲間を殺したマーラと主任は絶対に許さない
※9期とは関係ありません。


【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(中)、傷心
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える
0:マーラと主任を倒す
1:都庁の仲間達、カヲル達を守る
2:仇であるDMC狂信者は確実に根絶やしにする
3:許すまじ天魔王軍!!
4:拳王連合軍も滅ぼす


【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、傷心、怒りと悲しみ
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラの遺志を継ぎ、彼の歌を届けて殺し合いを終わらせる
0:マーラと主任を倒す
1:シンジ君を探して一緒に歌う
2:DMC狂信者や天魔王軍は許さない
3:しかし僕にバサラの代わりが務まるのか……?
4:スニゲーター……!
※使徒だからか、竜と会話が可能です。

100Each Justice:2016/03/30(水) 15:19:22 ID:k.6a5Ls.0
『邪魔を、するなぁぁぁぁ!』
「ぴきぃ!」

世界樹地下での血みどろの死合は続いていた。

氷竜が怒号と共に足を踏み鳴らせば、氷の盾が出現してスライムの炎を遮断する。
アイスシールドの耐久力は、敵の連携攻撃を許さなければ相変わらずの高性能であった。

(おのれ、やはり先刻不意打ちで首を一つもっていかれたのが痛すぎる……!)

だが、氷竜はその盾の出来栄えにただただ歯噛みする。
圧倒的な防御力を持つ盾の何が不満なのか?
共に奮戦するほむらと、長年苦楽を共にしてきた偉大なる赤竜だけは、氷竜の苦悶の表情の理由がわかった。

(おかしい、私と戦った時はもっと純度の高い氷……それこそ鏡のような盾だったはずなのに!)
(その通りだほむら。だがあいつの技は、三つの首が揃った三位一体でこそ真価を発揮するのだ!
 あの傷ではミラーシールドは生成できず、ブレスの威力も減衰する……!)

本来であれば、氷竜が生み出すミラーシールドは超速で生み出される最強の盾。
万能属性を含めたあらゆる攻撃を完全反射するというチートカウンタースキルなのだが……
赤竜の言葉通り、首を失い氷の力が弱まってしまった現在では、ただ頑丈なアイスシールドの生成が限界であった。

「相変わらず邪魔なヤツじゃなぁ。そんなに冷気を吹き出して、この滾りが萎えてしまったらどうするつもりじゃ?
 ――まあこの程度でギンギンのワシが萎えることはないんじゃがなぁ!」
『ぬぐおおおおおぉぉぉぉぉ……!』

暴れ狂う魔王マーラの弱点は氷だというオオナズチ。
理由は冷えて縮こまって萎えるから。もう外見通りの弱点だ。
さらに再生能力とアイスシールドにより、貴虎とスラリンの攻撃を遮断できる氷竜は残された同盟軍の戦力の要であった。
しかし、さしもの三竜も首を一つ失う重傷を負った状態で『魔』そのものを司る魔王と仮面ライダーにスライムを一人で抑え込むことはできない。
そして彼の背後には、守るべき巫女まどかがいる。
盾を張り巡らせ、複数の眼で周囲を警戒しても、どうしてもまどかの防御と敵の足止めが優先されてしまう。

「そこだっ!」
「危ない! 千樹の守りっ!」
『すまないまどか、助かった!』

氷竜の僅かな死角から放たれる矢を、どこからともなく伸びてきた世界樹の枝が遮断する。
絶望的な都庁同盟軍の戦線は、まどかと氷竜の守りの布陣でなんとか崩壊を免れているのだ。

ほんの僅かな時間、二枚の盾が同時に使用された。

「ふっ……かかったな」
「なっ――」

直後、マーラが猛進する。

「くっ、僕のA.Tフィールドだけで耐えきれるのか……!」

ここで三枚目の盾、最終防衛ラインとしてカヲルのA.Tフィールドがまどかを包み込む。

「あまいのぉ、お主」

だがマーラが狙うはまどかではなかった。
盾は確かに面倒ではあるが、三人の連携があれば打ち破れるのはすでにわかっているのだ。
現状マーラ達にとって邪魔なのは、盾の隙間から援護射撃をしてくる連中である。


つまり

101Each Justice:2016/03/30(水) 15:20:25 ID:k.6a5Ls.0
「ア――――ッ!?」

「ロ、ロックオォォォォォォォンッ!!!」

打ちつけられるご立派。
引き裂かれる肛門。
滴る鮮血。
思わず漏れてしまう喘ぎ声。

「お、俺は……トリンのためにも……ブレイブ……ぉほっ……」

無慈悲な一撃を受け、ロックオンの死は確定した。
だが彼は最後の力を振り絞り、マーラへと銃を向ける。
本人の意思とは無関係に漏れてしまいそうな嬌声も噛み殺し、引き金に手をかけ――

「やらせん」「大人しく昇天するがよい」

それよりも早く、貴虎が放った矢がロックオンの心臓を射抜き、ご立派がより深くへ捻じ込まれる。
ブレイブを引き継いだキョウリュウブラックの意思を笑うかのような、あまりにも冷酷な一撃。
その体はご立派を引き抜かれると同時に、力なく地面へと崩れ落ちた。

【ロックオン・ストラトス@機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】 死亡確認

『貴様ァァァァァァァァァァ!』

赤竜が咆哮をあげ、ファイアブレスを吐き出す。

「ぴきーぃ!」

だがスラリンの灼熱の炎の妨害により威力を下げられたそれは、貴虎の連続射撃でダメージを与える前にかき消された。
氷竜同様、彼も傷により満足のいくブレスが吐けなくなっているのだ。

「何を怒る? 戦いにおいて、遠距離攻撃を得意とするものや手負いの者を優先して潰すことは基本だろう。
 ましてや貴様ら(インベス)なぞにかける情などというものは、存在しないっ!」

貴虎の言うとおり、数で劣る彼らが戦況をより有利なものにするには敵の頭数を減らしていくのが定石だ。
ロックオンは既に瀕死の重傷を負っていた。それでありながら遠距離からの攻撃を止めない彼は、邪魔以外の何物でもない。
弱った人間を蹂躙するなど、忌み嫌う者も多いだろう。
だが貴虎にも信念がある。その信念のためには手段は選ばないし、周りからの罵声を浴びる覚悟も出来ている。

「次は――」
「っ!?」

そして、次の獲物に狙いを定める。つい先程まで戦っていた、黒髪の少女だ。

「危ない、ほむほむっ!」

だが、貴虎が放った矢はラブによって弾かれる。
目の前でロックオンが惨殺され、先程の貴虎の言葉から次に狙われるのはほむらだと彼女は気がついていたのだ。

「ラブ……守ってもらってすまないのだけど……私はもう足手まといにしかならないわ……」
「何を言ってるの! こいつら倒して、みんなで一緒に地上に戻るんだよ!」
「ごめんなさい……もう、武器も底をついて、これ以上魔法を使えば……あなた達にさらに迷惑をかけることになる……」

ほむらは息も絶え絶えな様子でラブに詫びた。
彼女の手に持つ銃は既に弾が底を尽き、手の甲に宿るソウルジェムの濁りは既に限界寸前であることを示している。
屈強なマーラと貴虎には肉弾戦では敵わないし、小さくて動き回るスライムにも効果は薄いだろう。
武器と魔法が使えなくなった時点で、ほむらは生きながらにこの場では死人同然となっていた。

102Each Justice:2016/03/30(水) 15:21:43 ID:k.6a5Ls.0
「ラブちゃん、ほむらちゃんを抱えて後ろに下がって!」
「わかった!」
「これ以上……これ以上みんなを傷つけるのはやめて!」
「うぐぁ!?」

怒りのままに、まどかは世界樹の力を行使する。
世界樹の枝で切り裂くサウザントネイルと、世界樹の根を振り回して薙ぎ払うサイクロンルーツの同時使用。
本来の世界樹の王たる存在でも真似ができないような力の発現に貴虎は吹き飛ばされ、そしてマーラは僅かに驚いた表情を浮かべた。


(ふぅむ……時間経過と共に巫女の器の力が増しておるのか?
 まだまだ青く、力に振り回されてると言っていいが……場所が場所なだけに、ちと不味いかもしれんのぉ)


まどかは世界樹の巫女となり、一時的とはいえ世界樹との融合も可能だ。
それはつまり、まどかの怒りはそのまま世界樹の怒りということになる。
この戦場となっているダンジョンも世界樹の一部であり、いわばマーラ達は怒りを向けてくる存在から360度を包囲されているということになる。

(こやつら、中々に粘るからのぉ……一人一人、暴れるのを屈服させてから昇天させてやりたいところなんじゃが。
 必要な首はあと二つ――いやさっきの男の首をちぎれば一つか。惜しいが、ここはやはりクラウザーをヤることを優先するとしよう)

「スラリン、その男の首もワシに寄越すんじゃ」
「ぴきぃ!」

倒れ伏したロックオンの首を、スラリンが切り落とす。
もう何度目になるかもわからない惨い光景に誰もかれもが短く悔しさを滲ませた声を漏らした。

『貴様らだけは、断じて生かして帰さん!』
「おおっ!? ふむ、お主もなかなかのモノを持っているようじゃが、ワシには遠く及ばんのぉ!」

ロックオンの首を受け取ろうとしていたマーラの身体に、ウォークライが激しくぶつかる。
叫帝竜の巨体による突進を受けても、マーラはびくともしない。
だがこの戦いの最中にウォークライもそれを十分に理解しており、驚くことなく次の本当の攻撃の構えに入った。

『我が爪で八つ裂きにされて、滅びろ巨根ッ!』

雄叫びと共に、ウォークライの両腕の爪が振り下ろされる。
これまで数多くの竜を狩る者を血の海に沈めてきた、必殺のギガブレイクだ。

「ぬふぉふぉふぉふぉ! そのパワーは見事じゃが、昂ぶってきたワシのご立派にはその手の攻撃は通じぬわ!」
『なんだとっ!? うぐ、なんだこの汚らしい粘液は!?』

しかしギガブレイクは不発に終わった。
荒ぶりそのご立派をさらに怒張させたマーラの身体は謎の粘液で覆われており、爪を受け流したのだ。

これまでに多くの男女を貫き、時には激しい攻撃にさらされたマーラはとにかく現在も非常に興奮状態。
興奮した身体は先走った液体を垂れ流し、誰かを貫けばその誰かの愛液や腸液を浴びる。
そして相手を昇天させるために、マーラは己の身体から特濃の白濁液をぶちまける。
二重三重に粘液で覆われたマーラには、物理攻撃に対する耐性が勝手にでき始めていたのである。

103Each Justice:2016/03/30(水) 15:22:53 ID:k.6a5Ls.0
『くっ……!』

たまらずウォークライは飛び退いた。
自分の爪が通らないのであれば、おそらく自分と同タイプの赤竜の攻撃も通用しないだろう。
タイフーンハウルであればおそらく少なからずダメージを与えられるだろうが……
オオナズチの言葉通り、万が一自身のブレスの状態異常が跳ね返されると不味い。
この最悪の魔王を前にしてスキル使用不可と麻痺などという状況は、イコール死でしかない。

「よし、今じゃ首を投げとくれ」
「ぴき」

そしてウォークライが退いたタイミングで、ロックオンの首が投げられ――

「ゴドォォォォォォォォッ!!!」
「ぴぎぃっ!!?」

それと同時に、岩陰に潜んでいたメガボスゴドラがスラリンに奇襲をしかけた。
魅せる技ではない。無骨な、しかしメガボスゴドラの身体から繰り出されるそれはまさに鉄槌――アイアンヘッド。
スラリンは軟体ではあるが、首を投げるために身体を捻り、その瞬間に軸となる部分が生まれて僅かに硬くなっていた。
そのタイミングを見計らってのふりおろしアイアンヘッドは、スラリンの身体の一部を飛び散らせるには十分な威力があった。

「スラリン!? くそ!」
「オオオ……!」

予想外の一撃に、貴虎がメガボスゴドラに矢を放つが、頑強な身体はそれを受け止めてみせる。
まだ、倒れるわけにはいかないという信念が、メガボスゴドラに力を与えていた。

「ぴ……ぎぃ……!」
「ドォォォォォ!」

まだ、この仲間の首を刎ねてまわる小さな悪魔は生きているのだから。
メガボスゴドラは、こんな時に己の攻撃力の低さを嘆いていた。
こんな小さな奴一人渾身の一撃でも殺しきれないなんて、と。
だが飛び散り容量が明らかに減ったスライムは半死半生。このまま放置してもいずれは死ぬだろう。
そういった意味では、一応当初の目的は達せたのかもしれないと、頭を振り上げ追撃のアイアンヘッドの構えに入りながらも考えていた。


『に、逃げろメガボスゴドラ! マーラがお前に狙いを変えているっ!』


――そんなことは覚悟のうえだ。
最初から、このスライムを道連れに死ぬつもりだったのだ。
結果としてそれさえできていないが、少なくとも大きなダメージは与えられた。
愚鈍な自分がマーラの攻撃をかわしきれるわけがない。ならば動かず大人しくしていた方が、マーラが余計な方向に突進せずに済む。
僅かな時間でも仲間達から攻撃をそらすことができれば、その間に氷河の再生とエタニティツリーで微々たるものでも回復できるだろう。
連続で公園を破壊されたのだけはちょっと凹んだけれども、それでもダオスは信用に足る人物だった。そしてこうして一緒に戦った仲間たちも。
後は、頼んだ――あえて、仲間たちに言葉は伝えない。

「スラリンを殺したかったようじゃが、おかげでお主の*が丸見えじゃぞ?」
「ゴドォォア―――――ッ!?」

回避行動もとらなかったため、猛突進してきたマーラのご立派は深々とメガボスゴドラを貫いた。
来ると覚悟をしていたにもかかわらず、メガボスゴドラは断末魔の嬌声をあげてしまう。
それだけを悔いながら、やがてメガボスゴドラはぴくりとも動かなくなった。


【メガボスゴドラ@ポケモン】 死亡確認

104Each Justice:2016/03/30(水) 15:24:09 ID:k.6a5Ls.0
「フハハハハハハ! これで、五人目じゃ!」

硬いメガボスゴドラの首を、マーラはなんなく自分の手でちぎって見せた。
彼が仲間のためにあえて捨て身の行動を取ったということなど、きっと理解していないしする気もないだろう。
己の手元に、狂信者入りの条件である五つの首が揃ったのだ。それ以上に大切なことなど存在しない。

「う……うぅ……!」
『おのれ……』

笑うマーラに対して、同盟軍の誰もが、涙を零していた。
勝ち誇ったように、マーラはその触手で仲間たちの首を掲げているのだ。
その光景に、特にまどかの怒りと悲しみが混ざった感情は爆発しそうになる。

「みんな……!」

知的であった筈のトリンの首は、見るも無残なアへ顔になってしまっている。
その想いを伝えることも叶わなかったサクヤの首は、絶望と悲しみの表情を浮かべている。
あまりに一瞬、不意をつかれたスニゲーターの首は、何が起きたのかと混乱したままだ。
遺志を継ごうと奮戦し、それでも討たれたロックオンの首は、ただ悔しさを全面に滲ませている。
そしてまさに今もがれたメガボスゴドラの首は、どこか悲壮な覚悟を決めていたように見えた。

この僅かな時間で、かけがえのない5人の仲間が魔王に殺された。
ゴロリ、チェイス、水木、まこちー、そしてキルコ……
誤解が解け、共に戦おうとカヲルの手を握った警察組も仲間に含めるならば、さらに5人の犠牲者。
いや、この後のことを考えれば、自分たちを含めてまだまだ沢山の仲間が殺されるかもしれない。

「ゆる……さない……!」

世界樹全体が僅かに震える。
まどかの怒りに呼応するかのように、既に世界樹の根はサイクロンルーツを放つ寸前だ。


「貴虎、首は集まった。それにこの位置ならば問題あるまいて――再び連携じゃ」
「わかった。……いけるか、スラリン?」
「ぴ、ぴぎぃ!」


「――っ!?」

しかし、その怒りがいけなかった。
怒りの矛先をマーラ達に向けた世界樹は、既に攻撃準備が完了――防御に回るまで僅かな時間を要してしまう。
しかもいつのまにか、自分たちは一か所に固められてしまっている。
三重の盾が破られ、多大なダメージを受けたマラ灼熱のソニックダイン。
まどかの千樹の守りが遅れ、さらに今度は大ダメージを負っている状況で、耐えられるのか?

「さらばじゃ。本当は残ったお主たちも昇天させてやりたかったんじゃがな」

答えは――否。


「「連携攻撃―― マ ラ 灼 熱 の ソ ニ ッ ク ダ イ ン ッ ! ! 」」


凄まじいエネルギーが、既にキャンセルのできなくなったサイクロンルーツの根をあっさりと焼き払い……
同盟軍へと迫った。

105Each Justice:2016/03/30(水) 15:24:53 ID:k.6a5Ls.0
「ふっ……」

貴虎は、自分の勝利を確信した。
この一撃で確実に半数以上は消し飛ぶ。万が一生き延びたとしても、もはや抵抗する力は残っていないだろう。
そいつらはマーラに処理してもらい、後はどさくさに紛れてどこかに爆弾をしかける。
そしてマーラ諸共ヘルヘイムの森を爆破してやれば、晴れてヘルヘイム問題は解決。
次はそれを手土産にビッグサイトへ向かい、ビッグサイトも爆破してやる――












『ゲネシスドライバー』を盗まれた!









「!!!???」









「ざまあみろwwwwwwwwwwwこの腐れメロンwwwwwwwwwwwww」








何が、起きた?
その場の誰もが、状況を理解できていなかった。
あまりにも一瞬のできごとであり、変身が解けて初めてその素顔を晒した貴虎も、マーラさえもが固まった。
唯一動けていたのは……その舌でベルトをからめ捕り、不味そうに咀嚼しているオオナズチだけであった。

106Each Justice:2016/03/30(水) 15:26:39 ID:k.6a5Ls.0
「な……!?」
「古龍なめんなよ……これでもお前みたいな人間よりも、ずっと長く生きてるし、死線だって越えてきたんだ。
 戦場で、最後まで油断するんじゃない。油断したハンターから、我の舌の餌食になっていくのは昔から変わらない……」
「オオナズチ!?」

いつの間にか、オオナズチは前へと出ていた。

『いかん!』
「っ!」

あわててオオナズチの前方に、アイスシールドとA.Tフィールドが展開される。
しかしそれでもオオナズチはその場から動こうとはせず、そのいびつな翼を広げて仲間の前で仁王立ちをしていた。

「オオナズチあなた何をしてるの!? 炎が弱点だってさっき言ってたでしょう!?」
「ほむほむ……我は確かに変態だ。今も頭のどこかでみんなにエロ同人誌みたいなことしたいとか思ってる……
 でもね、我が望む同人誌展開は、仲間と馬鹿みたいなこと話して、好みの女の子を見つけて、襲って……」

氷の盾が、熱に耐えきれず溶けて消えていく。

「我のテクニックで女の子をメロメロにしたら、一緒に巣に帰って、またエロエロする……そんな穏やかな生活がしたかった」

A.Tフィールドにヒビが入る。

「間に合って! 千樹の守りっ!」
「自然に囲まれて、美少女が一杯いて、色々な面白い人間が集まって……この世界樹は我にとってグンマ―以上の楽園だった。
 それをあんな、たった一瞬の快楽を与えただけで誰もかれも使い捨てるような、女の子どころか生物に対しての感謝の念すら持たない……
 あんな、あんなイカレチン○連中に、これ以上壊されてたまるかくそったれがああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!」

世界樹の防壁が軋む。
オオナズチの絶叫を飲み込むかのように、破滅のエネルギーはすぐそこまで迫っていた。

「……とか言っちゃったりしてwwwwwwwこれで皆を守りきれたら我はヒーローでモテモテ間違いなしですなwwwwww」
『オオナズチ、やめろ! お前ではあの攻撃を受けきれん!』
「……あのスライムは瀕死だ。そしてあの腐れメロンはベルトが無ければ変身できないただの人間、残るは最初通りマーラのみ。
 この攻撃さえ凌げば、きっと何かしらの活路が見えてくるはずだ。
 んんwwwwwww我は古龍の中でも特にタフな種族なんですぞwwwwwシールドで威力が減衰してるこんな攻撃wwwww
 それも一発だけwwwwwww耐えきれないwwwwwwwわけがないwwwwwwwwwwwwwww
 安心してwwwwwwwできる限りみんな後ろに下がってwwwwwwwwそしてwwwwwwww
 我の分までwwwwwwwww楽しい世界樹ライフをwwwwwwww堪能して欲しいんですぞwwwwwwwwwwwwwww」
「オオナズチ!」

最後の防壁が突破され、吐き出されるオオナズチの霞ブレスも蒸発していく。



(ここまでですかな……ああ、せめてさやかちゃんにも別れの言葉くらいは……)












『ヨク頑張ったネ、オオナズチ――君が死ぬ必要はナイよ』

107Each Justice:2016/03/30(水) 15:27:30 ID:k.6a5Ls.0
「wwwww……え?」



『  ハ  ル  マ  ゲ  ド  ン  』


謎の声。直後に『世界樹の怒り』が炸裂した。


「ぬおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「ぐああああああぁぁぁぁぁぁあ!?」
「ぴぎぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!?」

マラ灼熱のソニックダインを一瞬にして相殺したそれの余波は、後ろにいた三人すら大きく吹き飛ばして壁に叩きつける。

『死ぬべきなのは、サクヤや他のみんなを殺しテマドカサエ殺そうとシタ、コノケガレドモだ』

「な、何者じゃお主!?」

マーラ達さえ吹き飛ばしたそれは、異形の怪物であった。
形のことなる龍の足に翼はまだいい。6本の赤い竜鱗で覆われた禍々しい触手と、黒い眼の中でこちらを睨みつける金色の光はなんなのか。
あからさまな怪物でありながら、それが人の型を完全には崩していないというのが、その場にいた誰をも恐怖させた。

「ま、まさか……」

ただ一人、まどかだけはその正体に心当たりがあった。

『マドカハワタシヲユルシ、救ってくれタ。ユイイツ私のナゲキに耳を傾けてクレタ女神にして、新たな世界樹のカンリシャ。
 私はまどかヲこのサイキョウのアメダマと共に守る者……』
「なんだと……」

『イワバ――フォレスト・レスト……オイアメダマ、同じコトバが連続ではシマリガな「エーテルリンク解除ッ!」にしゃっ!?」

眩い閃光と共に、異形の人型は消し飛んだ。
代わりに現れたのは、今は亡きスニゲーターが待ち望んでいた存在。

「あ……危なかった。危うく完全に意識乗っ取られるところだったよ全く……!」
『あ、主!?』
「にしゃにしゃーしゃ! にしゃしゃーん!」
「セルちゃん!? ……もう少し頑張れよ飴玉、折角なんだから名乗りぐらいは終えてからって……?」

ウォークライの現在の主にして、ダオスと双璧をなす世界樹の守護者レスト。

「にしゃああああああああああああ――――――――ッ!!!!!!!」

そして眼を見開き、誰から見ても明らかに殺意に満ち満ちている世界樹の核、フォレスト・セル。

「ほっほっ……まさか、まさかここにきてこのような大物と出くわすとはのぉ……思わず滾ってしまうわい!」
「ば、ばかな……」
「ぴ、ぴぃぃ……」

ご立派をギンギンにさせるマーラとは対照的に、貴虎とスラリンは完全に戦意を喪失していた。
この巨体で一度地上に出てしまえば、世界樹を倒さずに地下に潜るのは至難の技のはずだ。
一体どうして、この規格外の怪物が地下までやってこられたのか?

ほんの少しだけ、時を遡ろう



108Each Justice:2016/03/30(水) 15:28:47 ID:k.6a5Ls.0
「……サクヤ? っ……! サクヤッ!」

フォレスト・セルに舐めまわされていたレストは、悪寒を感じていた。
全身を余すことなく舐めつくされるおぞましさからくるものではない、もっとおぞましい寒気。

「フォレスト・セル! 聞こえるかっ!? いますぐ、僕を、舐めるのを、中止、してくれぇ……!」

舌で転がされながら、レストは必死で叫んだ。
今の悪寒は普通ではなかった。暗く密閉されたこの口内において、確かに従者の悲鳴が聞こえたのだ。
早く行かねば、彼女が殺されてしまうかもしれない。もしかしたら、既に殺されてしまっているかもしれない。

「行かなきゃ……サクヤの声が……聞こえたんだ……!
 こんな駄目な主人に……愛想を尽かさないでいてくれたあの子の、悲鳴が……っ!」

知ったことではない――正確には、まどかの命令通り治療が済むまでは外に出すわけにはいかない。フォレスト・セルはそう判断した。

「頼むよ……! これ以上、手が届く範囲だったのに、誰も守れないのは、嫌なんだ……うわっ!
 くっ……! こうなったら、まどかやみんなに怒られてでもフォレスト・セルの一部を切り開いて……
 そうだっ、サクヤの身に危険が迫っているってことは、一緒にいるはずのまどかも――」

「にしゃああああああああああああああああ――――ッ!!!」

その言葉で、フォレスト・セルはおぞましい雄叫びを関東中に放った。

「ぐあああああああ! 口内に僕がいるのに叫ばないでくれぇ! と、とにかくわかっただろう!?
 これはまどかの危機でもあるかもしれないんだ! 頼むから僕を……
 いや――そうだ。君も来ればいい。治療しつつ地下に移動すれば、まどかのいいつけを破ったことにはならないよ」

「にしゃ?」

「ああ、君が僕を地下に向かわせる見返りに、僕は君をまどかの元へ連れて行こう。
 正直かなり危険な賭けではあるけど、このまま何もできずに地上にいるよりはましだ。
 地価は君の方が詳しいし、まどかの気配も察知できるんだろう? 僕の身体、一時的に君に貸そう。
 ――エーテルリンク! 対象、フォレスト・セルッ!」

こうして融合を果たしたフォレスト・セルは、まどかの匂いを追って地下へと潜ったのである。




「レストさん……ご、ごめんなさい、サクヤさんは……」
「……わかっている。それよりまどか、フォレスト・セルに命令を。
 エーテルリンク中にフォレスト・セルのスキル内容は理解できた。あれは絶対の障壁を持っている――セルメンブレンだ」
「わ、わかった。セルちゃん、セルメンブレン!」
「にしゃーん!」

フォレスト・セルが叫ぶと同時に、極薄の膜の防壁がまどかや同盟軍を包み込んだ。
フォレスト・セルが持つこの障壁は、氷竜のミラーシールドさえ上回る。
ありとあらゆる攻撃全てを威力を何倍にも跳ね上げた上で、敵対者全員に跳ね返すのだ。

「まどか、君もこの障壁から外へは出ずにみんなは体力の回復に専念してくれ。いくらなんでもみんな、これ以上戦闘ができる状態じゃない」
「で、でも……」
「まどっち、ここは大人しく言うことを聞くべきですなwwwwwwwかっこつけたけど、やっぱり我も死にそうですしwwwww
 それにこいつならwwwwwww我の角と同じようにあのイカレチン○も蹴り折れそうですからなwwwwwww」
「……あれは君がサクヤにあんな真似するからだよ」
「サーセンwwwww……さっきは助かったよ。でもあいつは魔王マーラ、お前でも厳しい相手だ。気をつけるんですぞ……」
「誰だよ君!?」
「wwwwwwwwwwwww」

109Each Justice:2016/03/30(水) 15:29:45 ID:k.6a5Ls.0
オオナズチの笑い声をバックに、レストは振り向く。
先程のまどかの言葉、そしてぼろぼろな状態で明らかに人数が減っている仲間たち。
この場で何があったのかは、考えるまでもない。

「ほほう、そこの世界樹の化身の前にお主が先に昇天したいのかの?」
「……昇天?」
「ああ、そうじゃ。このワシのご立派で貫いて、天に昇るような極上の快楽を与えてあげよう。
 そうじゃな……まずは見てもらった方が早いか」
「なっ!?」
「ぴき!?」

そう言ってマーラは触手を伸ばす。
だがそれに捉えられたのはレストではなく――貴虎とスラリンであった。

「な、何をするマーラ!?」

「……残念じゃが、お主たちはもう戦えんよ。即席のワシらよりも、こやつらの連携と信念は上じゃ。
 たとえ自分が死のうともワシらに臆さず向かってきた者、リスクを背負ってでもこちらにやってきたこやつら。
 そして世界樹の化身すらも手懐け、本当に巫女となりえそうなあの娘……そしてその娘の殺意に、お主らはその身体で立ち向かえるか?」

貴虎は思わず、まどかの顔を見る。
どう見ても幼さの残る顔立ちでありながら、その眼には確かにマーラの言う信念と、そして揺るぎ無い殺意が宿っている。
本来は温厚であったであろう少女をあのような眼にさせてしまったのは、何が原因か――自分達ではないか。

「くっ……だが、私はインベスどもを――


「インベス、か……悲しいのぉ貴虎。お主は確かに戦士としては優秀であったが、余りにも冷静さが足りぬよ。
 ――あの娘は、インベスではなく人間だぞ? お前とワシで昇天させたあのムチムチの婦警も、キョウリュウジャーもな」
「「――ッ!!?」」

魔王から告げられた、遅すぎた真実に貴虎とスラリンの顔は一気に絶望色に染まった。
自分たちが守ろうとしていた人間を、自分たちの手で殺してまわり、挙句それを喜んでいた……?

「哀れじゃな……一時とはいえ、仲魔になったよしみじゃ。
 ――その絶望をすぐ忘れてしまえるような、黄龍に施した快楽以上の快楽で――昇天させてやろう」
「ま――








(この項目は、あまりに不適切な表現があったため、検閲削除されました)











【呉島貴虎@仮面ライダー鎧武】 死亡確認
【スラリン@ドラゴンクエストV 天空の花嫁】 死亡確認

110Each Justice:2016/03/30(水) 15:30:46 ID:k.6a5Ls.0
「うっ……くっ……惨すぎるわ、こんなの……」

あまりにも凄惨な光景に、貴虎たちを必ず殺すと決意していたほむらさえもが、口元を抑えて涙を零す。

「あんなん同人誌でも出した瞬間コミケ永久出禁どころか即逮捕もんですぞ……」

凌辱にはある程度耐性があるはずのオオナズチですら、嘔吐してしまっている。
彼がセルメンブレン障壁の中で霧を張らなければ、もっと多くの同盟軍が一生もののトラウマを背負うこととなっていただろう。
それでも、音までは防げない。
あれほど恐ろしかった貴虎の、あまりにも酷すぎる嬌声の数々は、確実に多くの者の耳にこびりついて離れることはないだろう。


「……サクヤにも、こんなことをしたのか」

一番至近距離で貴虎とスラリンの凌辱劇を見せられたレストは、片膝をつきつつも必死で嘔吐を堪えていた。
今の行為で確信した。この目の前の悪魔の思考には、仲間だとか成し遂げるべき目的だとか大層なものは存在しない。
ただヤるだけ、下半身脳というか、脳が下半身なのだろう。いやそもそも身体が下半身のご立派な時点で当たり前か。
とにかく、目を背けて背後を見せた瞬間――ヤられる。

(痛いところついてくるな。いくら身体が丈夫でも、こんな精神的にクる攻撃をしかけてくるなんて。
 フォレスト・セルを戦わせるのは本当に最終手段だ。ここは、僕が冷静になってこいつに対処しないと……)

「サクヤ? ああ、 こ の 娘 の こ と か の ? 」

貴虎とスラリンを完膚なきまでに凌辱し、上機嫌となったマーラは戦車から生首を一つ取り出した。

「安心せい、急な割り込みじゃったから軽い絶頂死コースで――

言い終える前に、マーラのご立派――マーラの顔面に、強烈な蹴りが放たれていた。
これが(|)、こう(く)なったのだ。

『ぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ! や、やめてくれ主ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!』
「本気で蹴りやがりましたよwwwwwwwだがザマァイカレチン○wwwwwww」

ウォークライが何故か絶叫し、オオナズチが笑い、残る面々は絶句していた。

「ち……本当に叩き折ってやろうと思ったのに、なんて硬いんだよこの猥褻物……っ!」
「ぬほぉぉぉぉ……いかんいかん、危うくこの痛みだけでイってしまうとこじゃった。
 ふぅむ、お主の身体もワシ程じゃないにしても、相当ギンギンみたいじゃのう……」

一瞬折れ曲がったマーラは、しかしなんでもないと言った様子で、頭部から白濁液を撒き散らしながらも立ち上がって見せたのだ。
普通の相手であれば、間違いなく今の一撃で即死だったであろう。
一体魔界でどのような修行をすれば、あそこまで屈強なご立派になれるのであろうか。
この場にもっと男が多く存在していたならば、誰もがマーラに憧れたことだろう。

「じゃが……貴様ごとき若造、このワシのギンギンのバッキバキの突きで、すぐに昇天させてくれるわ!」
「そんなに『突く』のが好きなら乗ってあげるよ……
 ――錬成! 『グングニル』!! さあ魔王マーラ――懺悔の用意は出来ているか?」

自分のご立派を傷つけた男に対して、マーラは静かに本気の構えに入る。
対するレストもまた、マーラの心も折らんと世界樹の根から槍を作り出して身構える。

「「いくぞっ!」」

二本の槍が、激しくぶつかり合った。




111Each Justice:2016/03/30(水) 15:33:23 ID:k.6a5Ls.0
「はあああああぁぁぁぁぁぁっ!」
「グフォフォッ……なかなかやるが、そんな手数勝負ではこのご立派には敵わんぞぉ!?」

暴風を纏う神速の突きを次々に浴び、粘液の防壁をひっぺがされても、マーラはひるむことはしない。
身体を切り裂かれ興奮からか白濁液を飛び散らせても、さらに前へ前へとぐいぐいと進む。

「チャージ……からの体当たりを喰らえぃ!」
「ぐ……ごほっ……!」

速さと技を圧倒的な力がねじ伏せ、暴力的なご立派がレストの腹部へとめり込む。
槍と言う武器は接近を許しすぎては、その長所を生かせなくなってしまう。
懐までマーラの侵入を許した時点で、勝敗は一瞬で決まったかに見えた。

「……この程度! チェストォォォォォォッ!!!」
「ぬごばぁ!?」

しかし、今度は接近しすぎたマーラがそのご立派に凶悪な拳を受け、大きく仰け反った。

「正拳『突き』も突き技だからね。騙してはいないだろう?」
「フォッフォッ……うむ、その通りじゃな。しかしお主、本当にギンギンな身体をしておるのぉ……生物とは思えん硬さじゃ」
「それはこっちの台詞だよ。今の力で殴った冥竜や狂信者は一撃で消し飛んだのに、普通に耐えられるとはね……」

お互いがお互いの攻撃をその身に受け、相手の力量を理解する。
そしてその強さの裏にある、弛まぬ努力の成果を。
くしくも二人には共通点があった。
長年の努力の末に手に入れた、至高の肉体。そこから放たれる、悶絶必至な攻撃。
片やこれまで多くの者をその肉体で『天へ昇らせ』てきた魔王。
片やこれまで多くの狂信者をその肉体で『地へ還し』てきた人間。
二人の共通思考――それは。


「「相手が硬い? も っ と レ ベ ル を 上 げ て ! 物 理 で ヤ (殺) れ ば い い ! 」」


そう、二人は誰が言ったか『レベルを上げて物理で殴ればいい』を地で行っている存在。
マーラは、自己強化魔法をかけたあとにひたすら物理攻撃しか行わない程に雄々しい時期もあった。
レストも本職は観光大使でありながら、トチ狂ったレベル上限の持ち主。
両者叫ぶと同時に、再び肉体と肉体をぶつけ合う。
もはや本能的に理解していた。魔法攻撃をしたところで、お互い効かないか吸収されるか反射されるかのどれかでしかないと。
ならば残った武器はただ一つ、極限まで鍛え上げられた己の肉体のみ。

「これならばどうじゃ!」
「甘い!」

マーラの突進を、槍を突き立てたレストが棒高跳びの要領でかわして背後へと回り込む。

「一撃で折れないなら、何発でも打ちこんでやる!」
「そうはさせぬわ!」

凄まじい反応速度で振り向いたマーラが、薙ぎ払うようにそのご立派を主張させる。
合わせるように振るわれた槍とそれはぶつかり合い、両者が僅かに弾かれた。
そして再び距離をとってはまたぶつかり合う。
いつ終わるかもわからない、物理の宴が幕を開けた。





112Each Justice:2016/03/30(水) 15:34:03 ID:k.6a5Ls.0
「でああああああぁぁぁぁっ!」
「ぬっ、ほぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

突進を受け流し担ぎ上げ、レストがマーラを地面へと突き刺す。
どれだけぶつかり合ったかはもはや両者数えていない。
二人の激しい攻防と拮抗状態は続いていた。

「はぁ……はぁ……」

しかし、ここにきてレストには明らかな疲労の色が見える。
無理もないだろう。彼は大量の狂信者との戦闘を終えてから、十分には回復しきれていないのだから。

「ふぉぉぉぉぉぉぉ!」

めり込んだご立派を引き抜き、マーラが滾る。
見ての通り逆にマーラは疲労の色が薄い。
当然だろう。誰かをぶち抜いて昇天させて喜び、戦えば戦う程に昂ぶっていく存在なのだから。

「ぬふぅ……前言を撤回しようレストよ。お主のギンギンなパワーとそのバッキバキの硬さは……悔しいがワシ以上じゃ!
 まだまだワシも修業が足りんのぉ……」

自身のご立派に対して絶対の自信を持つマーラが他人を認めることは非常に珍しい。
だが負けを認めたにしては、実に愉しげにマーラは笑う。

「じゃが――まだまだ若い」
「っ!」

次の瞬間、マーラの姿が消えた。

「ワシの熟年のテクニック、スピード、そして最も大切な持久力! こればかりは何者も敵うまいてぇ!」

マーラは既にレストの背後に回り込んでいた。
疲労し動きが鈍った獲物を、絶対の狩人が仕留めにかかる。






そして――









「天に昇るがいい! 地 獄 突 き ! 」
「――――ッ!!!!」


ご立派が、レストの穴にぶち込まれた。

113Each Justice:2016/03/30(水) 15:34:43 ID:k.6a5Ls.0
「あ……あぁぁぁ……!」

都庁同盟軍の誰もが、その瞬間に崩れ落ちる。
レストですら、マーラには勝つことができなかった。
まだこちらには最後の砦としてフォレスト・セルがいるが、もはやそれでも安心はできない。

「ぐ……ぅぅ……!」
「さすがじゃな。ワシのご立派を受けてなおまだ普通に息があるか。よいぞよいぞ、これからこそが本当のお楽しみじゃからなぁ……」

まだ息はあるようだが、今の状況ではそれは逆に余計な地獄を見てしまうだけだろう。
それこそ、あのトラウマ確定のファガンや貴虎と同じようになってしまうかもしれない。
誰もが、その凄惨な最期から目を背けようとする。






「……んっ、く……―――――かかったね、マーラ」
「な、なんじゃと!?」
「事前にフォレスト・セルに解されてなきゃ、危ないところだったよ……アビリティ、鋼心之構ッ!」
「「え゛っ!?」」





その場の全員が、思わずフォレスト・セルに視線を向ける。

「セ、セルちゃんが……ドヤ顔をしてる……!?」
『まるで意味がわからんぞ!?』

一体自分達の知らない場所でレストの身に何があり、フォレスト・セルが何をしたのか。
あえて誰もそれには言及をしなかった。今はする時ではない。

「ば、馬鹿な……まさか、あやつにワシのご立派を上回るほどのテクニックがあああぁぁぁぁぁぁぁ!?」

フォレスト・セルの表情を見たマーラは、これまでにないほど狼狽していた。
そしてレストもその隙を逃すような真似はしない。身体を仰け反らせ、連結したまま勢いをつけて身体を振り下ろし、しっかりと大地を踏みしめる。
さらにそのまま片足を軸に180度回転。
これまで、レストは同盟軍に見せつけられるように貫かれていたのだ。
それが回転したということは……

                          ( * )

『……マーラにも、穴はあるのだな』

今度は同盟軍の目の前に、マーラの大切な穴が晒されることとなる。

「ひ、ひいいいいぃぃぃぃぃ!? は、恥ずかしい! 穴があったら入りたいわい! いや、もう入ってるんじゃけども!?
 ど、どうしてじゃ……抜くことも、これ以上深く挿すこともできぬ……!?」
「……鋼心之構は、僕の身体を超鋼体(ハイパーアーマー)状態にする技だ。僕が自ら動こうとしない限り、僕は絶対に微動だにしない。
 お前のスピードが僕より上なのはすぐにわかったさ。だから『確実に捉えるため』には、こんな方法しか思いつかなかった……」
「じゃ、じゃがこの状態では、ワシもお主も互いに攻撃はできぬぞ……あ、いい締め付け――」

「まどか――こいつに全力の怒りをぶつけるんだ。僕ごと、一切の容赦なくやってくれ」

衝撃的な言葉に、同盟軍だけでなくマーラも固まった。

114Each Justice:2016/03/30(水) 15:35:30 ID:k.6a5Ls.0
「で、でもそれじゃあ!」
『いかん、レスト! いくらお前でも、その傷では巫女の一撃を受けるのは無理だ!』
「僕の耐久力は、多分この中だとまどかが一番知ってるんじゃないかな? 大丈夫だって、あれだけメギドラオン受けて生きているんだから。
 それにこんな奴と心中する気はないよ。まどか以外も、赤竜さんと氷竜さんにそれからウォークライとフォレスト・セルにも手伝ってもらおう」

仲間たちを諭すようにレストが話す最中も、マーラはさらにもがいていた。
彼は誰よりも早く、この悪魔じみた作戦の内容を理解してしまったのである。

「僕にあって、マーラにないもの……それは『属性攻撃の吸収』だ。みんなは僕ごとマーラを焼いたり凍らせてくれればそれでいい。
 それで僕はこんな状態でも体力を回復し続けられるし、逆にマーラにはダメージが蓄積され続けるからね」
『な、なるほど! では早速失礼して……アイスブレス!』
「うーん、涼しい」「ぬあああああ、やめろぉぉぉ! ワシの肛門を冷やすんじゃあないぃぃぃぃぃぃ!」

対照的な反応が返ってきたため、氷竜はにやりと笑みを浮かべた。
やっと状況を理解したのか、属性攻撃が可能な面々も次々に構えに入る。

「レストさん……」
「大丈夫さ。遠慮なくやってくれ。僕一人の怒りがマーラに届かないなら、みんなの怒りもぶつけてやればいいだけってことさ」
「……うん!」

きっ、とまどかの表情が引き締まる。
眼前には、多くの仲間を辱め殺害した、憎き魔王マーラの肛門。

「……」

あまりに直視には耐えがたい光景なので、目を閉じつつまどかはダオスの教えを思い出していた。


――なに、自分も前線で戦いたいだと? 悪いが、それは却下する。
――まどかよ、確かにお前は世界樹の巫女となった。その秘めたる魔力は、私やレストを遥かに超えるものだろう。
――だがお前はまだ、私たちに勝つことなど到底できはしない。何故だかわかるか?
――簡単なこと。私たちとお前とで決定的に違うのは、戦闘経験だ。
――どれだけ強力な力であっても、それを戦いの中で最大限生かすには、あらゆる戦局を知らねばならない。
――相手の動きから、次にどのような攻撃がくるのか。自分はその時、どう動けばいいのか。
――雑魚ならば世界樹の圧倒的な力で強引にねじ伏せられるが、相手が実力者だった場合……お前は、満足に力も振るえずに敗れるだろう。
――戦闘経験は一朝一夕で身に付くものではない。お前や世界樹を守るために、私たちが存在するのだ。大人しく後衛で……
――……わかった、そんな顔をするな。ならば一つだけ、お前に奥義を教えてやろう。他の技は魔物から聞くか、見て盗むのだな。


「魔王マーラ……あなただけは、絶対に許さない……! 私の……世界樹の……みんなの怒りを……思い知って!!!」


――この技は、威力は絶大だが隙も大きい。故にまどかよ、ただでさえ戦闘経験の少ないお前は、必ず相手が動けない状態で使え。
――目を閉じ、大気中の魔力を全身で感じるのだ。それを両の掌に集め、練り上げ、収束させよ。あとはそれを相手に放つだけでいい。
――シンプルだが、これは強力な技だ。お前でも扱えるだろう。
――なに、技名? ティロ・フィナーレみたいなかっこいい感じで……?
――むう、そうだな……私は二択だった。真にするか、スーパーにするかで3か月ほど悩んだことがある。

115Each Justice:2016/03/30(水) 15:36:12 ID:k.6a5Ls.0
――よし……私以上の魔力を持つお前が放つ奥義なのだ。ならばこの奥義の名は……



















「 ハ イ パ ー ま ど か ビ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ィ ッ ッ ッ ム ッ ! ! ! ! ! ! 」
















まどかの叫びと共に、無数の魔法陣が彼女の背後に現れる。
そしてその魔法陣から、まどかの両手から、極大の光が降り注ぐ。
光の中から漏れる絶叫は、果たしてどちらのものか。
しかしまどかは仲間を信じ、光を弱めるようなことはしない。

『受けよマーラ! 我らの怒りも!』
「にしゃしゃしゃしゃ―――ッ!」

さらに爆炎と吹雪が途切れることなく放たれ続けた。
仲間には癒しを、敵には滅びをもたらす氷炎。
ボロボロの身体に鞭打ち、まどかに負けじと彼らも全力で攻撃を続ける。

「ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

世界樹の魔物と巫女の総攻撃、世界樹の怒りはそうそう治まるものではない。
まどかは涙を零しつつも、ひたすらに攻撃を続けた。
ここで喪った、仲間達の顔を思い浮かべながら……




116Each Justice:2016/03/30(水) 15:36:47 ID:k.6a5Ls.0
「はぁ……はぁ……」

どれだけビームを撃ち続けただろうか。ようやく世界樹の怒りが一段落を迎える。
思っていたよりは世界樹の損傷が少ないのは、それだけあの二人が浴びていたということなのだろうか。

「マ、マーラは!? 倒せたの!?」
『それよりも、我が主は無事なのか!?』

精根尽き果てた同盟軍の面々が、煙が立ち込める中心部の様子を伺う。

「っ!」

黒焦げた何かが、抉れた地面の端を掴んだ。



「……げほっ……まったく……
 まどか……さすがに限度ってものが……あると思うよ……途中から喰らってるの僕だけだったんだよ……?」
「っレストさん!」


這いずり出てきたのは、煙をあげながらも意識ははっきりしている世界樹の守護者の方であった。
それはつまり――

「勝った! 勝ったんですなwwwwwwあの魔王マーラにwwwwwwwやったですぞおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉwwwww」


魔王マーラが、討伐されたことを示していた。
オオナズチの歓声から遅れて、ようやく残る面々もその勝利を実感する。
魔物も人も抱き合い、共に労いあい、生きていることを噛みしめる。



多くの犠牲を出した世界樹の地下での死闘は、ようやく終わりを迎えたのだ。



【マーラ様@女神転生シリーズ】 死亡確認





117Each Justice:2016/03/30(水) 15:37:27 ID:k.6a5Ls.0
「ほむほむ、大丈夫……?」
「ええ、ソウルジェムの穢れはフォレスト・セルが地下に来てくれたおかげでなんとかなったから……
 あとはこの傷をさやかに治してもらうだけよ」
「んんwwwwwやはりさやかちゃんは大天使ですなwwwww我も早く癒されたいwwwwww」
『しかしオオナズチよ……草を生やさないお前は随分久々に見た気がするぞ』
「けれど、地上に戻ったら……みんなになんて言えばいいんだろうね……」
『……今はとにかく地上を目指すぞ。俺だって、主が本当に大丈夫か心配で地下に残りたかったんだからな』
『しかし、これ以上本来の地上の守りを疎かにするわけにもいかん。……それにしても雷竜達はどこへいったんだ?』
『む……確かに妙だ。それに影薄達も……』

マーラが倒れても、それは束の間の安息にすぎない。
身動きのとれる生き残りの同盟軍は、それぞれの思いを胸に再び地上へと戻るのであった。

【二日目・11時00分/東京都・世界樹地下】

【暁美ほむら@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)首輪解除
【装備】ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ(穢れ0パーセント)
【道具】支給品一式、ベレッタM92(残弾0)、レミントンM870(残弾0)、ミニミM249(残弾0)、M16クレイモア×5、M84 閃光手榴弾×15、88式地対艦誘導弾、長ドス、ゴルフクラブ
【思考】基本:まどかを守りつつ、主催者を倒す
0:まずは仲間や自分たちの治療
1:まどかは命にかえても守る
2:武器を補充したいけれど……
3:ビームはすごかったけど、まどかのネーミングセンスはちょっと……

【オオナズチ@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(特大)、疲労(大)
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:美少女とエロ同人誌みたいなことしつつ都庁で暮らしたい
0:大天使さやかに手当してもらう
1:正直、友や仲間の死には心を痛めている
2:やっぱり草を生やしてこそ我ですなwwwwww
※尻尾も破壊された場合、ステルス能力を失います

【ウォークライ@セブンスドラゴン2020】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、首輪解除、攻撃力1.5倍、被ダメージ半減
【装備】無し
【道具】支給品一式、余った真竜ニアラ
【思考】
基本:世界樹の防衛
0:主人の容体が気になるが、まずは地上に戻る
1:レストを信頼
2:これで巨根ランキングはまた俺が一位だな……
※レスト直属の魔物のため、装備の恩恵によりステータスが上がっています

【氷嵐の支配者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大・再生中)、疲労(大)、左側の首再生中、首輪解除、怒りと悲しみ
【装備】無し
【道具】とけないこおり@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:都庁同盟軍と共に生き残る。DMC信者は殺す
0:雷竜と影薄組が心配だが……
1:鹿目まどかは必ず守る
※一定の魔力を有する相手であれば、テレパシーで会話可能
※首が再生すれば、再びミラーシールドが使用可能になります

118Each Justice:2016/03/30(水) 15:38:04 ID:k.6a5Ls.0
【桃園ラブ@フレッシュプリキュア!】
【状態】ダメージ(大)、疲労(中)、首輪解除、怒り、キュアピーチに変身中
【装備】リンクルン@フレッシュプリキュア!、キュアスティック・ピーチロッド@フレッシュプリキュア!
【道具】基本支給品一式、大量のドーナツ
【思考】
基本:絶対に殺し合いを止めて、みんなが助かる方法を探す。
0:みんなが死んじゃったのは辛いけど、前を見ないと……
1:都庁同盟軍のみんなと一緒に殺し合いを止める
2:ほむらはまだ少し怖いが、仲良くしたい
※9期とは関係ありません。

【偉大なる赤竜@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(大)疲労(大)、傷心
【装備】無し
【道具】もくたん@ポケットモンスター、支給品一式
【思考】基本:歌で自然環境の保護を世界に訴える
0:傷が癒え次第、雷竜達を捜索したい
1:都庁の仲間達、カヲル達を守る
2:仇であるDMC狂信者は確実に根絶やしにする
3:許すまじ天魔王軍!!
4:拳王連合軍も滅ぼす

【渚カヲル@新世紀エヴァンゲリオン】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、傷心、怒りと悲しみ
【装備】キーボード@楽器
【道具】支給品一式
【思考】基本:バサラの遺志を継ぎ、彼の歌を届けて殺し合いを終わらせる
0:警察組のことを、どう伝えればいいんだ……
1:シンジ君を探して一緒に歌う
2:DMC狂信者や天魔王軍は許さない
3:しかし僕にバサラの代わりが務まるのか……?
4:死んだ仲間たちのためにも、レクイエムを歌いたい
※使徒だからか、竜と会話が可能です。





その頃、地下中心部では……

「よいしょ……」

まどかは羽を展開しながら、何かを運んでいた。

「これで……全員だよ……」

その顔は、マーラを倒したというのに今にも泣きだしそうなものであった。

「にしゃーん……」

彼女を手伝っていたフォレスト・セルもまたどこか落ち込んだ様子だ。

「ごめんよ……そんな役目を任せちゃって……」

壁にもたれかかっていたレストは、ゆっくりと起き上がると二人が運んできたものに近づく。
それは――トリン、サクヤ、スニゲーター、ロックオン、メガボスゴドラ、世界樹の仲間達。それから警察組の遺体であった。
さらには、貴虎とスラリンであったであろうモノまで。

119Each Justice:2016/03/30(水) 15:39:37 ID:k.6a5Ls.0
「マーラと戦ってる最中……投げ技しかけた時とかにね、一応みんなの首は取り戻してたからさ……」

レストはデイパックから仲間の首を取り出すと、それを遺体へと近づける。
そして、回復の力が行使された。自身が切断された腕をくっつけたように、遺体の修復を試みているのだ。

「せめて……ちゃんとした姿で埋葬してあげないと……そう思ったんだ」
「うん、そうだね……」

首と胴体は、あっさりと繋がった。
しかし彼らが動くことは、もう二度とない。
まどかはぼろぼろと泣きながら、フォレスト・セルが掘った穴へと仲間達を埋葬していく。
少し前まで、一緒に食事をして会話をしていたはずの仲間達が、土の中へ消えていく光景は……あまりにも悲しすぎた。
カヲルからの強い願いで、ほんの僅かな間とはいえ仲間となった警察組も、その傍へ埋葬されていく。
せめて、もう少し早く出会えていたなら……そう思わずにはいられなかった。

「にしゃ」
「次で最後……? あ……っ!」

泣いていたまどかの表情は、さらに崩れてしまった。

「ごめんよ……サクヤ……ごめんよ……」

修復された従者の頭を、レストは静かに泣きながら撫で続けていた。
体内に吐き出された穢れを全て掻き出してやっても、彼女が凌辱された事実は消せない。
どれだけ修復し頭を撫でたところで、もう彼女が尻尾をゆらすことはないと、わかっていても。

「ごめん、なさい……サクヤさんっ、私を、庇って……っ!」
「まどかのせいじゃないさ……僕が、もっとちゃんとしていて、僕が最初から地下に向かってさえいれば……
 でもあの時、サクヤが止めてくれたからこそ、僕は今もこうしてまだ人間でいられている。
 君のおかげで、風鳴翼と同類にならなくて済んだんだよ。ちゃんとお礼を、言いたかったなぁ……」

サクヤの目論見通り、レストのテラカオス化はフォレスト・セルの浄化の力で治療されていた。
代わりに彼は色々と大切なモノをなくしたわけだが、風鳴翼と同類となり狂い果てるのとどちらが幸せだったのだろうか。

「堕ちても、僕についてきてくれる……だっけ。あれ、実は結構嬉しかったんだよ……あの言葉は、まだ有効かい?
 君を守ることも、仲間を守ることもできなかった本当に駄目な主人だけど……もう少し、君の傍にいることを許して欲しい。
 ――エーテルリンク」

小さく呟かれた禁呪と共に、サクヤの身体がレストへと吸い込まれていく。
光が収まれば、そこには従者の角を生やした主人がいた。

「レストさん……」
「君に救われた命だ。もう、二度とあんな混沌の力には呑まれない。人間として生きて、この世界を平和にしてみせる。約束するよ……」

レストは涙を拭い、己にも回復魔法を施す。
散って行った従者や仲間のためにも、ここで挫けるわけにはいかないのだから。

「……私も、もっともっと頑張る。みんなに守ってもらったこの命を絶対に無駄にしたりなんてしない。
 マーラの言葉通りなら、まだ私は巫女見習い……必ず本物の世界樹の巫女になって、人も魔物も共存できるような世界にしてみせる」

それはまどかも同じ気持ちであった。

「……そういえばマーラの奴、消し飛ぶ直前にも巫女がどうこう言ってたな。他にも、予言とか……」
「え?」

120Each Justice:2016/03/30(水) 15:40:16 ID:k.6a5Ls.0
――んほおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ♪ ワ、ワシの全身、特にシリに次々に熱いのがぶち込まれてくるぅぅぅぅぅぅぅ♪ 目覚めそううううぅぅぅぅ♪
――ぐうぅぅぅぅぅぅ……! と、とっとと消えろこの猥褻物ぅぅぅぅ!
――おひょおおぉぉぉぉぉ……! こ、この威力、まさか本当にあの娘が予言の巫女なのかのぉぉぉぉぉぉぉ!
――ぬふぅぅぅぅぅぅぅ……! ワシを破ったお主らの行く末が気になるがもう……イ、イかされてしま……あ、ア―――――――ッ♪♪♪」
――うわあああぁぁぁぁ!? ぼ、僕の中に気持ち悪い白濁液がぁぁぁぁ!?

「……そうだ、僕のも掻き出さないと」
「予言の……巫女? 世界樹の巫女とは違うのかな?」

マーラの最期の言葉を思い出し、青ざめるレストと首を傾げるまどか。
何かを知っているようであったマーラではあるが、少なくともこの戦いの最中はもう復活することはないだろう。
新たな謎をもたらされたが、まどかたちの目的は変わらない。

「うん、レストさんの治療が終わったら私たちも地上に戻って皆に相談してみよう」
「そうだね。……ちょっと待っててもらえるかな、そこの陰でマーラの置き土産捨ててくるから……」
「う、うわぁ……レストさん大丈夫!? お尻からピンク色の液体がなんかすごい出てるよ!?」
「……正直、君のビームのダメージと合わせて死にそうなほど痛い。でもこの程度、白濁液を掻き出して僕の魔法を使えばすぐに元に――」


RPが足りない!


「……しまった、フォレスト・セルとのリンクやマーラとの戦い、みんなの身体を元に戻してたらいつの間にか魔力が枯渇してる」
「た、大変! 待ってて、私は世界樹のおかげで魔力供給の恩恵大きいし、すぐに回復するからね!」
「待って、流石に尻は不味いって。○学生の君に尻穴を見せつけるとかそれもう社会的に即死だからね!?」
「お、お尻……そういえば、本当に男の人でもお尻にその……ア、アレを入れられたら気持ちいいの?」
「あぁー! 右腕が特に痛いなぁ! 誰か治してくれないかなぁ!」
「わ、わかった! すぐに治すね!」

しかし、暴れ回ったマーラの爪痕はいろいろな意味であまりにも深いものであった。

121Each Justice:2016/03/30(水) 15:40:47 ID:k.6a5Ls.0
【二日目・11時00分/東京都・世界樹地下中央部】

【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】ダメージ(中・再生中)、魔力消費(小・再生中)世界樹の巫女、首輪解除
【装備】世界樹の衣
【道具】支給品一式 その他不明、モンスターボール(フォレスト・セル)
【思考】基本:自分も戦い、みんなで生き残る
0:損傷した世界樹とレストを治療した後、地上に戻る
1:クラウザーさんのためにも、DMC狂信者の暴走を止める
2:マーラの残した巫女と予言の言葉が気になる
3:……お尻にアレを入れられるのって気持ちいいのかな?
※巫女の祈りにより、魔法少女に近い存在へとなりました
※ソウルジェムなどはないので、肉体が致命傷を負えば普通に死亡します
※衣装はアルティメットまどかのものを2Pカラーにした感じです。戦闘力もそれの劣化版
※世界樹の王@世界樹の迷宮と同じスキルが使用可能です
※ダオス直伝のハイパーまどかビームを習得しました

【レスト@ルーンファクトリー4】
【状態】ダメージ(特大・再生中)、魔力枯渇(再生中)、肛門大裂傷、各種超耐性、エーテルリンク(サクヤ)、首輪解除
【装備】最大錬成世界樹ノ剣、最大錬成防具、草原のペンダント、グングニル
【道具】支給品一式、不明品、封じられた闇核、三竜の逆鱗、ニアラの逆鱗
【思考】
基本:サクヤのためにも、人間としてこの殺し合いを終わらせる
0:マーラの言葉は気になるが、今はとにかく動けるようになるまで回復に専念。尻だけは自分で治す
1:影薄三人と同盟軍の味方は助ける
2:謎の物質への対抗策を早く見つけたい
3:機械っぽい外見の奴とDMC信者は問答無用で潰す
4:鬼灯を警戒。協力はするが、狸組も一応警戒
5:あわよくば竜と結婚できる世界を作りたい
6:天魔王軍とDMC狂信者、拳王連合軍は絶対に許さない
7:能力低下攻撃への対抗策を手に入れたい
※ブリーフ博士の技を覚え、首輪解除が可能となりました
※フォレスト・セルの力により、テラカオスの力が浄化されました
※現時点で、フォレスト・セルとの長時間のリンクは不可能です

【フォレスト・セル@新・世界樹の迷宮】
【状態】健康、ポケモン状態、首輪解除、アクティベイトモード
【装備】不明
【道具】不明
【思考】基本思考: マドカ マイ ゴッデス 
0:まどかの護衛を最優先
※巫女の祈りにより、固定思考の呪縛から解放されました
※体質により、テラカオス化ナノマシンも浄化、その影響も受けません
※他者の穢れなども浄化可能ですが、満腹状態では不可
※まどか以外には何を言っているか理解できませんが、まどかの手で言葉を教えることはできるようです
※常人にはセルの表情変化はわかりません
※完全なテラカオスになりきる前(候補者)までなら舐めまわしなどで浄化可能ですが、何かしらを犠牲にすることとなります
※サーシェス、きらりなども浄化可能ですが、聖帝軍は別物なので浄化できません
※すごいテクニックをもっているようです

※貴虎とスラリンの遺体だけ埋葬されていません
※ファガンの卵もその辺に転がされてます

122光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:44:10 ID:hz/s/mLA0

「ここまで来れば、一先ずは……」
「安全ですか……?」
「安全ではない、カオスロワで安全地帯など基本存在しない」
「それにしてもなんで野球場……?」
「球場には医務室がある、それだけだ」

 大阪のとあるドーム球場。
 今のところ野球をやっているチームはいない。
 だが、それは逆に彼らに安息するにはラッキーであった。 
 気絶した熱斗を寝かせて、二人とロックマンは話し込む。
 ついでにシグナムは着替えた、懐かしの赤いジャージに。

『パパやみんなは大丈夫だろうか……』
「もし放送で呼ばれたら……」
「いや、放送はまだ流れないだろう」
「何故ですか?」
「主催者側の対応がいくら何でも遅すぎる」

 超人血盟軍が奇襲を仕掛けてもう結構な時間が経つ。
 成功にしても失敗したにせよ、そろそろ何らかアクションを起こすに違いない。
 何期もカオスロワに出ているシグナムが言っているのだ、多分そういうことなんだろう。 

「……主催者側も一枚岩ではない、というのは飛竜さんから聞いた」
「『ユウキ=テルミ』ですか?」
「ああ、私にはさっぱりわからんが、そいつが大体悪いらしい」

 名前だけを使者スレの崩壊間際に聞いたが……。
 どんな奴なのか彼女たちにはさっぱり見当がつかない。

『その飛竜さんって強かったんですか?』
「ああ、主催者を殺すことに関しては奴以上に過激な奴は私は知らない。
 ……だが、その飛竜さんを殺すとなると……間違いなくそいつは『バケモノ』の類だ」
「そんな……シグナムさんでも勝てないってことですか?」
「さぁな……だが、一つ言えるのは、勝てても何か裏があるってことだ」



「―――ほう……『奴』がいるのか」



 背後から凄まじいまで殺気を二人(+PET内のロックマン)は感じた。
 それでも熱斗は起きない。

「ハ、ハクメンさん……?」
「貴様、知っていることを全て話せ、全てだ……!」

 明らかなまでに殺意。
 殺気でその空間の大気が震える。
 そこにいたのは白い鎧に白い仮面の侍・ハクメンがいた。

「まあ待て、順をおって話す、まず武器を収めろ。
 ……それに貴様がここにいるということは『死国』で何かあったのか?」

123光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:45:03 ID:hz/s/mLA0

 ◆ 

「なるほどな、あの同性愛者たちが裏切ったか」
「『テルミ』が裏で手を引いてるのであれば……あの総理とやらが道化となっているのは納得がいく」
『悪いやつなんですね』
「奴は必ず滅ぼさねばならぬ……!」
「で、そのテルミっていうのはセイバーですか?」
「多分違うが」
「提督や他の皆さんは……?」
「それは……わからんな」
「そんな……」
「だが……奴らならば……」
「で、その中には剣を使うセイバーはいますか?」
「いないな」

 気絶した熱斗をよそにして4人とロックマンは情報交換をする。
 ……4人?

『ちょっと待ってください、貴女は誰ですか!』
「むっ、セイバー忍法気配遮断をしていたのですが、バレてしまいましたか」
「ハクメンさんの知り合いですか?」
「知らんな」
「私は気づいていたんだがな、あえてスルーしてた」
『なんでですか!?』
「最初に言ったろ私は『面白いことは大好きだ』からな」

 三人から距離を取ったその少女。
 青い帽子を突き抜けた金髪のアホ毛。
 青いジャージにその手には見事なまでに聖剣。
  
「さぁ、覚悟しなさい! ピンクのセイバーに白のセイバー!!
 最優のセイバーである私が今この場で最優であることを証明しましょう!!」
「待て、セイバーはそっちのハクメンしかいない、どちらかといえば私はアーチャーだ!」
「貴様……何者だ、というかセイバーとは何だ?」
「名乗るほどの者ではない!
 が、強いて言うならセイバーの中のセイバー!
 コードネームは『ヒロインX』、セイバーの中のセイバー『ヒロインX』です!!!!」
『いや、なんで戦うんですか!?』
「セイバーには戦わなければならない時があるんです!
 そこの白いアーチャーは少年とそのおもちゃと一緒に少し離れててください!
 ……あなた方のセイバーとしての実力を図らせていただきます。
 さあ、勝負です! 私が勝ったら私に手伝ってもらいます。
 もし私が負けた場合はなんでも……とは言いませんが、何かします」
「え、えぇーっ…」
『誰がおもちゃだ!』
「仕方ない、二人は離れていろ……このニート臭がする青ジャージは私が……「そんなことを言ってるときが隙だらけだカリバー!!」

 光の聖剣が不意打ち気味で放たれた。
 光の速度は光速である。
 速いよ、光速なんて言ったって光速だからね。

124光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:46:01 ID:hz/s/mLA0

「ズェア!!!!」 

 だが、それでもハクメンはその不意打ちカリバーを叩き斬った。
 切断した光はドーム状に拡散し、大阪ドームに開放的な穴を開ける。
 
 その間に素早くXはハクメンに接近。
 それと同時に斬りにかかる。

「ふっ! やっ! セイバーっ!!!」
「フン!!」

 だが、すぐさまに斬り返される。
 
「ちっ、マーダーなのか、貴様は!」
「マーダーではないです!! セイバーです!!!」

 シグナムの竹刀をXの聖剣が受け流す。
 それとほぼ同時にハクメンはXに攻撃を仕掛けるが……。
 いつのまにか現れていた左手に持った黒い聖剣でガードされる。
 竹刀はシグナムの念能力で強化してあるので折れることはない。
 凄まじいまでの三者の撃ち合いで起きる風圧で大阪ドームの屋根が飛ぶ。 

「す、すごい……あのシグナムさんとハクメンさんの二人相手に互角に……」
「うーん、おはよー……なんか騒がしいけど何かあったの?」
「熱斗さん!」
『熱斗くん! 今ちょっと大変なことが!』
「まさかまたデカオが死んだの!?」
「いえ、デカオさんは生きてます……多分。
 そんなことよりもしっかり捕まってください!」
「えっ、翔鶴さんのどこに捕まってもいいの!?」
「どこでもいいです!」
「やったぜ」
『熱斗君、最低だよ……』

 光兄妹の最低な会話を他所に闘いは激化の一手を辿る。
 剣圧でありとあらゆるものが文字通りに吹っ飛ぶ。
 最優のセイバーを名乗るだけあってヒロインXの技量は凄まじいの一言に尽きる。
 紛れもなくトップクラスの実力者二人を同時にするくらいの強者である。

(ヒロインX……一体、何トリア・ペンドラゴンなんだ)

 シグナムのそんな思考を遮るように聖剣は振られる。
 しかし、シグナムは紙一重で回避し、すぐさまに反撃に移る。
 
 上段、中断、下段の三段をほぼ同時に攻撃する。
 
「踏み込みが甘いですね!!」
「ああ、わざとだ……そこに誘い込むためのな」

 避けた先にはハクメンが構えている。
 しかし、Xの持つ直感スキルでそれは読んでいた。

(打たれる前に打つ! 私以外のセイバーぶっ飛ばす!)

 体を素早く反転。
 その勢いのまま斬りに行く。
 だが、それがX唯一の悪手だった

「せぇぇぇぇい!!!」
「!?」

 ワンハンド・ブレーンバスター。
 ハクメンの超反応での当身投げ。
 Xの顔面が地面に叩きつけられる。 
 
 そのまま、シグナムにマウントポジションを取られた。
 で、そのまま首元に竹刀を突き付けられた。
 これが決まり手となった。

「……私の負けというわけですか」
「世間一般的に言えば、そうらしいな……」
「さて、貴様の目的を教えてもらおうか?」
「……その前にどいて貰えませんか?」
「やだ」

 仕方ないのでヒロインXはシグナムにマウントポジションを取られた状態で語り始めた。

125光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:47:00 ID:hz/s/mLA0

 ◆

 あれは私がいつも通りに私以外のセイバーを狩る仕事をしている時でした。

「何!? 貴様はニートではないのか!? 定職に着いていたのか!?」
「シグナムさん、落ち着いてください」
『回想シーンの邪魔しちゃだめですよ』

 ……続けていいですか?

 その時、とある噂を耳にしたのです。
 
 【まもなく世界が滅びる】

 流石にそんな馬鹿な話があるわけないとその時は思ったのですが……。

 そして、独自調査を続けていたのですか……。

 なんやかんやで、私はここの星に辿り着きました。

 そこで私が見たのは最悪の状況でした。

 この土地(日本)しか残っていない状況ですよ?

 信じられますか? 

 恐らくは何かあると思って来てみれば殺し合いですよ。

 私としてはセイバーを合法的に処理できると最初は喜々として数々のセイバー倒していました。

「貴様……殺し合いに乗っているのか?」

 乗ってはいません、私は自分の仕事をしていただけです。

 私は対主催です。誰がなんと言おうと私は対主催です。

 と、途中までそんな感じでやってたのですが……

 私はまたある噂を耳にしました。

【DMC狂信者とか狂った連中の中にセイバーを名乗る奴がいる】

 これは私としては見逃せない事実なので一先ず大阪でライブをしていたというこの地に来ました。

 しかし、その後の調査で分かったのはそいつらの本拠地は東京にあるということでした。

 だが、流石に私一人で叩き潰すのは無理が生じるということは明白でした。

 愛機『ドゥ・スタリオンⅡ号』も途中で壊れてしまいましたね。

 そこで私はまずこの地でDMC狂信者のセイバーを倒すために仲間を集めることにしました。

 出来ればセイバー属性以外の人たちがよかったのですが……。

 ええ、セイバーは私一人でいいですからね。

 妥協に妥協を重ねて、仕方なく私は貴方たちに声を掛けました。

 以上です。
 
 ◆

126光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:47:46 ID:hz/s/mLA0

「お願いします。一緒に東京に来てDMC狂信者を叩き潰してください!」
「……断る、我はこの地に来るとらしい『風鳴翼』を滅せねばならぬ」
「私はどっちでもいいかな……基本戦いたくないし」
『熱斗君、翔鶴さん、僕たちはどうする?』
「私はお二方の判断にお任せします」
「うーん……」
「お願いします、DMC狂信者を抹殺した後なら主催者でもぶっ飛ばしますから」

 未だにマウントポジションを取られた状態で懇願する。
 己の手でセイバーを殺すためならプライドは投げ捨てる。
 それくらい安いプライドは持ち合わせている。

「じゃあ、俺たちも東京に行こう!」
『熱斗君……でも、パパたちやデカオ君たちがまだ……』
「兄さん、皆を信じよう……!
 それで、セ……Xさん、東京に行く何か方法は?」
「ふっ……ノープランだ」
「……死国にある祐一郎たちが作ったという高速艇を使え」
「よし、そうしよう」

 そして、熱斗、ロックマン、翔鶴、シグナム、ヒロインXは死国に向かって移動し始めた。

「あれ、ハクメンさんは?」
「あの白いセイバーならもう行きましたよ」

 いつの間にかハクメンはいなくなっていた。

『うーん……』
「どうしたんだ、ロックマン?」
『ハクメンさんとそのユウキ=テルミってどんな関係なんだろう?』
「因縁関係と一言でいうには浅はかならぬ関係ということは言える」

【二日目・10時30分/大阪ドーム跡地】
【光熱斗@ロックマンエグゼ】
【状態】ダメージ(中)、首輪解除
【装備】自分のPET(ロックマン入り)
【道具】支給品一式×2、デカオ(ロックマンエグゼ3)が作ったおべんとう(腐っている)、チップトレーダー@ロックマンエグゼ、
    大量のガッツマンのチップとバグのかけら、ガンデルソル3(実物)ネオバリアブル(実物)
    各種ナビカスタマイザーパーツ、大量の金、シンクロチップ、他不明
【思考】基本:主催者たちにネットバトルを挑んで勝つ!
0:死国に戻る
1:プリズムとフォレストボムのチップを探す
2:その為に色んな人にネットバトルを挑む
3:大災害で死んだネットバトラーやネットナビ達のためにも、早く殺し合いを終わらせて世界を平和にし、ネットバトルの面白さを再び世界に広めたい
4:新たな家族として翔鶴は大切にしたい
※スタメン落ち確定です。野球の公式試合には一軍では参加できません。
※大山デカオ@ロックマンエグゼ、ロックマンエグゼ2、ロックマンエグゼ3(BLACK版)、ロックマンエグゼ5チームオブブルースは死国にいるようです
※熱斗やヒノケンなど一部を除く多くのネットバトラーが大災害で命を落としているようです。
 まだ生存しているネットバトラーの面子については次の書き手氏にお任せします。

【ロックマン(光彩斗)@ロックマンエグゼ】
【状態】HP70%
【装備】ロックバスター、サイトパッチ&試製甲板カタパルトのデータ
【道具】なし
【思考】基本;熱斗をサポートする
0:僕に妹が出来たぞォ!
1:主催者たちがネットバトルを受けてくれるか、心配。
2:新たな家族として翔鶴さんは大切にしたい
3:シグナムさん……こんなに強かったんだ。
※PETの中にいます

127光熱斗の奇妙な冒険 Part8:2016/04/04(月) 12:48:04 ID:hz/s/mLA0

【翔鶴(光翔鶴)@艦これ】
【状態】ダメージ(中)
【装備】彩雲、紫電改二、流星改、 零式艦戦62型
【道具】なし
【思考】基本:提督(祐一郎)に従う、妹として熱斗達と共に戦う
1:襲い掛かる者たちを殲滅する
2:二人の妹として彩斗さん(ロックマン)と熱斗さんはお守りする
3:二人に何かあった場合は二人の願いを引き継ぐ
※熱斗とロックマンより、二人の過去についての話を聞き、自身を光翔鶴と名乗るようになりました

【シグナム@リリカルなのはシリーズ】
【状態】健康、自称フリーター、首輪解除
【装備】赤いジャージ、ストロング・ザ・武道の竹刀
【道具】なし
【思考】基本:対主催
1:熱斗たちに導く
2:主催者たちは倒す
3:本気にさせたな。
4:『ユウキ=テルミ』を殺すか
※今までとは別人ですが記憶(と一部能力)を受け継いでいます
※PSP版の技は使えませんが、念能力が使えます。
※キン肉マンの知識があります。
※首輪解除の技術を持っています。
※死者スレを破壊しました。

【謎のヒロインX@Fate/Grand Order】
【状態】健康
【装備】無銘勝利剣
【道具】ドゥ・スタリオンⅡ号(故障中)、スマホ(FGOをやってる)
【思考】基本:私以外のセイバーを殺すが、その前に対主催しておいて他の対主催者と協力関係を築いておく。
1:宇宙の平和が第一ですね
2:DMC信者にいるらしいセイバーは確実に殺す(ついでにDMC狂信者を殺す)
※彼女のクラスはアサシンです。
※謎のヒロインXです。その正体は謎って言ったら謎です。



「――――テルミがいるならば……」


「我は此の忌まわしい『力』に頼らねばならぬ使命が有る」


「……貴様の全てを滅すると謂う『使命』がな……!」


 白き侍は漆黒の蛇を滅する。
 倒すのでもなく、殺すでもなく、滅する。
 
 白きスサノオが再び、黒き地を馳せていく。

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『ユウキ=テルミ』及び『悪』を全て滅する
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます
※unlimitedモードに入りました

128急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:23:54 ID:tjxVJt0I0

先ほどまで聖帝軍とDMC狂信者の軍勢の大合戦が繰り広げられていた埼玉・西武ドーム。
その外には現在、ドームへと歩みを進める小規模の集団の姿が見られた。
50人程度の集団で構成された彼らは、案の定野球チームではなく狂信者の一団。
レジーナ・シド混合軍敗北の報をモブ信者の断末魔の通信から知らされた彼らは、疲弊しているであろう
聖帝軍を襲撃せんと近づいていたのだ。


「しかし万全の準備をしていったシドさん達が返り討ちに遭うとは……やはり報告通り野球チームというのは
 恐ろしい連中のようだ……」
「全くだ。トルーパー隊員やレジーナからの報告も『ターバンが……ターバンのガキが!』などと不明瞭な
 話ばかりで全く分からん始末。一体彼らは何にやられたっていうんだ?」

謎だらけの状況に首をひねる狂信者達だったが、それを遮るように一人の人物が話に割って入った。

「ニャガニャガニャガ、まあいいではありませんか皆さん。尊い犠牲になってしまった信者の方々も
 結果的にはクラウザーさん復活の為の力になってくれたんですから。シドさんが横流ししてくれた
 ベルトとロックシードとやらの大半もビッグサイトに上納されましたし、レジーナさんも健在。
 東京の方でも都庁爆破作戦が進行中ですし、後はこのまま順調にSATSUGAIを続ければクラウザーさん
 復活も目と鼻の先ですよ〜」

そう答えたのはオネエっぽい感じの白装束の超人、完璧超人始祖の一人・サイコホm……もといサイコマンだった。
彼もまたクラウザーさん復活の為に彼らと与した新たなDMC狂信者なのである。
もはや相当数の面子が倒されたにもかかわらず、カギ爪の男をはじめとする面々の勧誘力の高さとクラウザー
さんの歌による洗脳力も相まって狂信者は現在も着々と増える一方であった。
果たしてこのまま疲弊した聖帝軍は彼らによってSATSUGAIされてしまうのだろうか?
そう思われていた時である。


ゴゴゴゴゴ………


「おい、何か地面が揺れてないか?」
「た、確かに!」
「あ……あああ〜〜〜〜〜〜っ、あれを見ろ〜〜〜〜〜〜〜っ!!」



♪デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン デンドン

♪デーンデッデデーデデデデー デーデデーデッデデーデデデデッデー
(※脳内BGM推奨:トップをねらえ!より、ガンバスター出撃のテーマ)


狂信者一同はその光景に驚愕した。
彼らの視界に見えていた西武ドームの屋根が、真っ二つに開いたのである。
あたかもそんな機能が元から装備されていたかのように。
そしてその中から、想像を絶する物体が顔を出した。


『ニョワ―――――――――――――――――ッ!!』


それはまさに天を衝く巨大なロボットだった。
だがMSなどのようなただの兵器ではなかった。
何とも形容しづらかったが、あえて言うなら『可愛らしい』と言うべきなのだろうか。
とにかくそんな巨大ロボだった。
というかなんでこんなものが西武ドームを割って出てきたのか。

――――話は数刻前にさかのぼる。



「……以上が、俺が知る世界を救うための5つの予言の詳細だ」
「何だよ、要は野球だけじゃ駄目なんじゃねえか!」
「コラ―ッこの梨ーっ!! よくもこの俺にデタラメを教えおって―っ!!」
「ふなっしーのせいじゃないなっしー! 中途半端なお告げしかくれなかった梨の神様の責任なっしー!」

129急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:26:19 ID:tjxVJt0I0

結果的にサウザーを除いてターバンの集団と化す事でシド率いる軍勢を返り討ちにした聖帝軍は、とりあえず
一段落付いたので一端ベンチに後退し、獣王クロコダインが戦闘前に口にした世界救済の5つの予言について
教えてもらう事にした。
戦いを終えて聖帝軍+αの面々の心境は悲喜こもごも。
サウザーは右太ももをターバンのガキに刺されまくった名誉(?)の負傷を治療する必要があり、諸星きらりは
戦闘後にタバサが死亡した事に気づき魔雲天や姉帯達の横で悲しんでいた。
加賀美は無残にも試合前に惨殺されたウルフハリケーンズのチームメイト達を他の面々に頼み埋葬を手伝って
もらっていた。
一試合もできずにこの世を去った彼らの無念は計り知れないものがあるだろう。
……ちなみにその横では球界の暴れん坊・つば九郎が倒されたDMC狂信者達の無事なディパックから支給品を
これ幸いとばかりに抜け目なく漁りまくっていた。
後にチルノも一緒になって漁りだした所で亜久里に咎められて中断する事となったが……。


「しかし“九人の最良の戦士たちによる儀式の完遂、全てを虜にする歌、巫女の祈り、器たりえる巨像、不屈の
精神を持った勇者。全てが揃いし時、争いの淀みから生まれた化身は救いの神に転じる”ですか……」
「九人の戦士による儀式というのは確実に野球の事でしょうけど、残りの予言は不透明なものばかりですわね……」
「うむ、俺もこの予言は以前デルムリン島のブラス老から聞きかじっただけなので、詳しい詳細まではわからん
 のだ。大災害が起きこの殺し合いが始まった時はもしやと思いヤムチャ達と共に野球を始めたのだが……
 あまり力になれず、すまんな」
「いえ、これだけでも知れれば十分な推理の材料になりますよ。ありがとうございますクロコダインさん」

そう言って正太郎は試合前同様再び知恵を巡らせ始めた。
ICPO所属の少年探偵の本領発揮である。

「まず“全てを虜にする歌”ですが、周囲全てに影響を与えるほどの歌と考えると……」
「おいおい待ってくれよ、まさかクラウザーとかいう奴の歌じゃねえだろうな?」
「いえ、それは違うと思います。そもそも狂信者達はともかく僕達自身がDMCの歌の影響を受けていない
 以上、全てを虜にするという定義からは外れていると考えていいでしょう。もしそうならばとっくに
 日本中がクラウザーの信者と化しているでしょうからね」
「うーむ、確かに」

正太郎の推理に一同が納得して頷いた。
あれほど全国規模で活動している狂信者達がいるにも関わらず全国民がクラウザーさんの影響下にない以上、
全てを虜にしているとは言い難い。
というかあれはレジーナを見てもわかるようにもはや洗脳の類である。

「しかしだとすると、予言に記された歌とは一体……」
「ゲヒヒヒ、おい小僧。それならば俺に一人心当たりがいるぜ」
「えっ? 本当ですか?」

そこで口を開いたのは意外にも悪魔超人のザ・魔雲天だった。
先の闘いでも聖帝軍を支援してくれた頼もしい援軍の彼だったが、どう見ても歌には縁がなさそうな彼が
何を知っているのかと正太郎は驚きつつも耳を傾けた。

「何を隠そう、ここにいる諸星きらりこそその歌い手かもしれんという話だ」
「何ぃ〜っ、このでかい女がか?」
「聖帝知らないなっしか? この子はあの大手芸能プロの346プロ所属の注目アイドルなっしー!」
「知ってるのかふなっしー!?」
「ゆるキャラネットワークを通じて、この間ぴにゃこら太に教えてもらったなっしー」

ふなっしーからの説明を受け、一同の視線がきらりに集中する。
きらりの方もある程度持ち直したらしく、いつもの表情で一同に向き直った。
その後魔雲天からこの西武ドームに向かう途中に起こったワハハ部長蒲原と姉帯の雀士コンビとの戦いが
語られ、二人がきらりの歌を聞いてDMC狂信者を脱退した事を知り一同は驚きを隠せなかった。

「ワハハ、という訳で私達は彼女の歌を聞きDMCから足を洗った訳だ」
「みんなもきらりさんの歌を聞けばきっと素敵だって思うよー」

130急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:27:17 ID:tjxVJt0I0
二人が言った事が事実だとすれば、これは嬉しい収穫となる。
あのクラウザーさんの洗脳同然の歌声を押しのけて他者を虜にしたとすれば、もしかしたら本当に彼女こそが
予言の歌い手かもしれないのだから。
それでなくてもDMC狂信者達への強力なカウンターになり得る人材がいれば、それだけで心強い。
聖帝達は皆、もれなくそう考えた。


「要するに、うまくいけばDMC狂信者の連中をまとめて改心させられるかもしれんという訳だな?」
「ええ。予言の事を差し引いても、きらりさんの歌の力が本物ならばそれも可能かもしれません。とはいえ
 どこまでのレベルで通じるかは未知数ですね。蒲原さんと姉帯さんはファン歴が浅い故にたまたま洗脳を
 解く事ができた可能性もありますし……」
「それでもモブの信者共を一掃できれば、数の上で未だに有利を取っている連中を根底からひっくり返す
 事も可能だろうな。幹部連だけが残れば、あとは直接ビッグサイトに殴り込めば互角の戦いができるだろう」

クロコダインの話によると、どうやら彼らの本拠地であるビッグサイトには全国から蒐集された死者の魂が
充満している状態らしく、下手に外部から刺激を加えると大爆発を起こして東京一帯が壊滅する恐れがあるとの
ことだった。
故にビッグサイトを抑えるには白兵戦が有効打なのだが、あのゴキブリのように湧いて出るモブ信者達と
常駐しているであろう最高幹部連ら主力を同時に相手するとなると、相当な戦力を持つ聖帝軍であっても
苦戦は免れない。
何より彼らにどんな切り札があるかもわからないため、油断は禁物である。
そのためまずどうにかしたいのは、やはりモブ狂信者の軍勢という話となった。

「話をまとめると、やはり私達が優先してすべき事はDMC狂信者達の一刻も早い排除と言う事ですね」
「うむ。未だ詳細不明の予言を解読するにしても、儀式たる野球をするにしても、主催者達を倒すにしても
 まずは連中をどうにかせん事には話にならんからな」
「全くだ! 先の試合妨害にしても、この俺達の初陣を空気も読まずに邪魔した事は万死に値する!」
「聖帝の言うとおりだぜ! DMCの連中、もう絶対許さねぇ!!」
「落ち着け二人とも、憤るのは分かるが冷静さを失えば勝てる試合も勝てんぞ?」

DMCの蛮行に怒りを露わにするサウザーと紘汰を高津がなだめつつ、正太郎達は話を進めた。
全員が意見を出し合い、これから自分達が行わねばならない事はさしあたって


1:DMC狂信者の一掃および白兵戦によるビッグサイトの制圧
2:予言の一つである野球の完遂
3:残る予言の解読
4:主催陣営、拳王連合、風鳴翼といった残る陣営の討伐
5:拠点となる乗り物の製作


この5つとなった。

これらを遂行するためには無論聖帝軍だけの戦力では難しい物もあるため、他の陣営を説得して同盟関係を
気付く事が満場一致で決定となった。
特に野球は相手になるチームがいなければ成立しないため、他のチームの捜索は急務である。
イチローチームとドラゴンズは現在消息不明、他の面々も次々とDMCにSATSUGAIされている現状、下手を
すれば儀式が完遂できない恐れもあり、何より聖帝が「不戦勝とか俺のプライドが許さん!」とごねるので
球団を見つけ次第保護する事も活動内容に含まれた。
ちなみに5については、今回の戦いでかなりの大所帯となった自分達が効率よく移動するためにも必要な
事であり、今後拳王連合などと事を構える以上拠点たる戦艦などは必要不可欠であった。


「とはいえ、材料もなく天才科学者もいない我々ではそのようなものを作る事は……」
「確かに……少年探偵にプリキュアに超人レスラーに雀士にアイドル、殺し屋に魔法少女に妖精にガンプラ
 ビルダーに野球選手にゆるキャラに仮面ライダーにターバンのガキ……ぐうっ、これだけ面子が揃って
 いながらそっち方面に明るい人材がおらんではないか!! ラオウの奴が羨ましい!!」

131急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:28:10 ID:tjxVJt0I0
自分の陣営に光祐一郎のような天才科学者やメカニックがいない事に気づき、サウザーは歯噛みする。
やっぱりそういう奴もスカウトしておくべきだったかなぁと今更ながらに後悔する聖帝だった。

【あきらめるにはまだはやい】
「ん?」

背後から背中を叩かれ、ふとサウザーは後ろを振り返る。
そこにいたのは愛用のスケッチブックを持ったつば九郎だった。

「おお、貴様は確かつば九郎とかいうマスコットのペンギn――――ごはっ!?」
【ツバメだ にどとまちがえるな】
「す……スマン」

瞬時につば九郎の放ったヤクザキックが見事サウザーのみぞおちに命中。
スケッチブックを片手にすごまれ、サウザーはビビりながら謝罪した。
するとつば九郎はディパックからある物を取り出した。
見ると何やらヒゲのMSの絵が描かれたペットボトル飲料のような物が握られている。
付属していたメモ用紙を気付いたヤミが読み上げた。

「説明書が付いていますね……『万能兵器化飲料ナノラ 振りかけた物体を兵器に変化させる事ができる
 ナノマシン飲料』だそうです」
「何ぃ! つまり何か元になる物があれば、一瞬にして拠点の出来上がりというわけか! フハハハハ!
 でかしたぞつば九郎!! しかしこんな物をどこで手に入れた?」
【せんりひんのゆうこうかつよう】
「えっ……まさかさっきのDMCの奴らから漁ってたやつ?」
「流石だなつば九郎……殺し合いの場においても1ミリもブレておらん」

サムズアップ(のように見える)ポーズで肯定するつば九郎に、聖帝軍の面々は喜んでいいやら何やらであった。
特にスワローズの選手である高津はつば九郎の素行に明るかったので尚更である。

「とはいえ、何か元になる物って言っても何かあるか? そう都合よく乗り物なんて……」
「…………レイジ、とうとう僕にも活躍の機会が回ってきたようだよ!」
「お、おお……(せ、セイの奴いつになく燃えてやがる……今まで目立てなかったのを気にしてたのか?)」
「そ、そういえばセイ君の支給品は確か!!」

ここまであんまりまともな出番がなかったのでお忘れの方もいるのではなかろうか。
聖帝軍メンバー、イオリ・セイはガンプラバトル世界大会覇者にして優秀なガンプラビルダーである。
続編のトライにおいてもドムの中にビルドバーニングガンダムを隠せる謎技術の使い手なんだから相当である。
そして彼の支給品の中には、大量のガンプラ!
これが何を意味するか、聖帝軍の面々は一部⑨などを除き即座に理解した。


「皆さん手伝ってください! 作りましょう、僕らだけのガンプラを!!」



そこからは結構地味な作業ではあったが、重要な作業の始まりだった。
セイの支給品であるガンプラのパーツを元に、聖帝軍の拠点となる機体を作り出そうという提案に皆が
賛同し、それぞれが意見を出し合いながらパーツを組み立てていく。
『都庁の軍勢などとの同盟も考え、あんまり兵器兵器したデザインにならないように』『敵の意表を突けるように』
という考えのもと、セイの主導のもと作業は着々と進んでいった。
足りない材料はつば九郎が漁りまくった支給品から拝借し、全員が談笑をしつつも真剣に製作を続ける。
そんな光景が西武ドーム内で行われていた。
傍から見たら結構シュールな光景である。

132急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:29:15 ID:tjxVJt0I0

「ところでクロコダインさんは何故都庁の魔物達に機械族がいない事を?」
「うむ、実はかつて大魔王バーンの配下だった頃に秘境グンマ―の民達から連中の事を聞いた事があってな。
 直接の面識はないが彼らに機械の身体を持った者はいない事を聞いていたのだ……まあ、妙な性癖の
 ドラゴンなどはいるらしいのだが」
「ええっ、何それ……ロリコンとかはいないよね?」
『何故でしょう、イリヤさんの発言が恐ろしいくらいフラグ立ててる気がしますよ……』
「う〜ん……がんぷらって結構むずかしいよ……これどこの部品だっけ?」
「チルノ、ダメなっしー! パーツは手もぎじゃなくてニッパーを使わないと! こっちのふなっしーの
 プラモで練習するなっしー!」
「そういうお前はパーツ逆にはめてるじゃねえか! セパレーターあるから使え!」
「うわー凄いねヤミちゃん、髪の毛がヤスリやニッパーになってるよー」
「ワハハ、しかも結構なスピードで組み立ててるな」
「こういう作業は慣れてますので」
「きらりさん、もう大丈夫ですの?」
「大丈夫だよー亜久里ちゃん、きらり、死んじゃったタバサちんの分まで頑張って歌うって決めたからにぃ☆
 天ちゃんや豊音ちゃん達といれば怖くないよー☆」
「ゲヒヒヒ、その意気だぜきらり……それにしても俺はこういう細かい作業は苦手だぜ」
「……犬牟田、一応言っておくが、つば九郎の動向には注意しておけ。奴は性格上不利と見たら平気で俺達を
 切り捨てて裏切るような奴だ。今後何をしでかすかわからんぞ?」
「どれだけ危険なんですかあのマスコット……」
「………(ニヤッ)」
「ええいくそっ、ターバンのガキが気になって作業に集中できん! うおっ、ポリキャップが飛んだぁ!?」
「なんだかんだで皆頑張ってるけど、大半はセイ一人で組み上げてるんだよな……」



そして、なんやかんやあって1時間半後。

「完成です!」
「フハハハハ! 遂にわが聖帝軍の旗艦が完成だ!」
「にしても、これはちょっとデザインが異色過ぎねえか?」
「デザインしたのは大体きらりちゃんだけど、本当にその通りに作っちゃうセイ君も凄すぎるよ……」
「では早速このナノラを振りかけ……」
「待ってくれ、その前にひとつ提案がある」

いよいよ改造ガンプラを兵器化しようという時に、急にクロコダインが手を挙げた。
全員が何事かと向き直る。

「なんだクロコダイン、これからという時に!」
「すまない、だが今後の為に重要な事なのだ。俺はこれから、都庁の魔物達の所へ使者として向かおうと
 思っている」
「ええっ!? 確かに都庁の魔物達とは後で同盟を結ぶつもりですが……まさか御一人で?」
「作業の最中にも話したが、都庁の魔物達は自然環境を汚し機械を扱う人間達を嫌悪している者が大半だ。
 そんな者達と同盟を結ぶには、同じ魔物たる俺が単独で説得に向かった方が好ましい。何より犠牲は
 今後を考えて一人でも少ない方がいいからな……」

確かにクロコダインの言う事も一理あった。
ただでさえDMCの面々と戦争状態にあるというのに、ここにいる面々が全員でいきなりドカドカと押し
かけても無意味に刺激するだけで門前払いされる可能性も否定できない。
何よりカオスロワ野球では1試合で何人が血を見るかもわからないため、控え選手は多いに越したことは
ないのだ。

「待ってくれクロコダイン! だったら俺も!」
「加賀美よ、すまんが科学の力で変身するお前では事を荒立てかねん。何より俺に万一があった時、お前
 にはウルフハリケーンズの灯を守ってもらわねばならん、わかってくれ……」
「クロコダイン……」
「ちょっと待ったクロコダインのおっさん、だったら代わりに俺が行くぜ! 貴虎の奴も探さなきゃ
 ならねえしな!」

加賀美の申し出を断るクロコダインに、ならばと紘汰が名乗りをあげた。

133急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:30:09 ID:tjxVJt0I0
「むぅ……しかし紘汰よ、お前もまたベルトの力で変身する以上……」
「それに関してですが、少々面倒な事になっているようですよ」
「えっ?」
「どうやらその呉島貴虎という人物、どういうつもりか都庁を爆破しようと目論んでいるそうです。しかも
 未確認情報によれば彼はDMCとも同盟を組んだとか」
「何だって!!??」

サウザーから貸してもらったノートPCでカオスロワちゃんねるにアクセスしていた犬牟田はその伏の
文が書かれた書き込みを見せ、それを見た紘汰達は驚愕した。
確かに都庁は危険な存在として認知されているが、こうも大それた事をしでかすとはさすがの紘汰も驚きを
隠せなかった。

「マジかよ……貴虎の奴、何考えてんだ!? あいつらと手を組むなんて!!」
「その貴虎という男の思惑は知らんが、これは下手をすれば取り返しのつかん事になりかねんぞ…!」
『なんだか猛烈に悪い予感がするのう』
「ちょっとルビー! そういうフラグっぽい台詞は勘弁!」

書き込みから結構な時間が経っているため、現状都庁がどういう状況なのかは把握できない。
だが状況はかなりまずいという事はサウザー達も理解していた。
この他にも大阪で拳王連合とホワイトベース連合軍の全面戦争が始まったとか、風鳴翼が電車に乗って大阪に
向かったとか、山が空を飛んでいるとか、そんな書き込みが掲示板に踊っていた。
急がねばならない。
それが全員の見解だった。


その後、熱心な説得もありクロコダインは数名の志願者を連れていく事を了承し、数名が同行する事となった。
面々は貴虎捜索が目的の紘汰、そしてチルノとふなっしーの凸凹妖精コンビの3名。
できるだけ都庁の魔物を刺激しないメンバーを選定した結果、最終的に彼らが残ったのである。

「それじゃ皆、行ってくるぜ!」
「紘汰さん、クロコダインさん達もお気をつけて!」
「ところで行くって言っても徒歩か? ここから東京まで結構あるぜ?」
「それならふなっしーがいい物を持ってるなっしー!」

するとふなっしーがディパックに手を突っ込み、何かを取り出した。
彼の持つ不明支給品、その正体は―――

「ババーン! 『リニアモーターカーごっこ』なっしー!」
「って、電車ごっこで行くのか!?」
「大丈夫なっしー! これは地磁気を利用する事で時速300kmまで出せる道具らしいなっしー!」
「おお、すごいね! あたいが運転手やるよ!」
「待ってください、確か拳王連合軍も似たような物を以前使っていたらしいです。下手をすれば彼らに
 間違われかねませんよ?」
「フフフ……心配はいらん!」

件の電車ごっこロープの上位互換アイテムを見て、不安視する亜久里の横からサウザーが現れ、何かを
取り出した。

「この聖帝軍の旗を持っていれば、間違ってもラオウの仲間だと思われる事はあるまい、持っていけ!」
「貴方、いつの間にそんな物を!?」
「つーか色々とだせぇ!!」
「……まあ拳王連合と間違われるよりはマシだからな、とりあえず貰っていこう」

かくして、でかでかとサウザーの顔が書かれた聖帝軍の旗をクロコダインが背負い、運転手チルノ、
車掌ふなっしーによる聖帝リニアは西武ドームをひとっ走り後にしたのだった。


「うわあああああああああ、思ったより早えええええええええええええ!」
「おいチルノ、そっちじゃない! 東京は反対だ!」
「どけどけーーーっ! ひかれてもほけんおりないよーーー!!」
「これ、本当に都庁につけるなっしーーーーーーーー!?」

134急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:31:46 ID:tjxVJt0I0

【二日目・10時30分/埼玉県】

【聖帝軍先遣隊】

【ターバンのガキ(チルノ)@東方project】
【状態】健康、やる気十分、聖帝リニア運転手
【装備】アイスソード@ロマンシングサ・ガ、ターバン、リニアモーターカーごっこ@ドラえもん
【道具】支給品一式、ガイアメモリ(アイスエイジ)@仮面ライダーW
【思考】
基本:『だーすべいだー』を倒す
 1:『とうきょうとちょー』に向かうよー!
 2:みんなで予言を解いて世界を救うよ!
 3:せーてーは頼りないからさいきょーのあたいが皆を引っ張る


【ターバンのナシ(ふなっしー)@ゆるキャラ】
【状態】不安なっしー!、聖帝リニア車掌
【装備】野球のユニフォーム(背番号274)、ターバン
【道具】支給品一式
【思考】
基本:殺し合いを止めるなっしー!
  1:DMC狂信者達を成敗するなっしー!
  2:名探偵ふなっしーが予言の謎を解くなっしー!
 3:本当に都庁につけるか不安なっしー!
 4:ヒャッハー! 梨汁ブシャー!


【ターバンのガキ(葛葉紘太)@仮面ライダー鎧武】
【状態】健康、怒り、色々不安
【装備】戦極ドライバー、ロックシード(オレンジ) 、ターバン
【道具】支給品一式、ロックシード(パイン、イチゴ、スイカ) カチドキロックシード
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:DMC狂信者達、もう絶対許さねえ!!
2:救済の予言の謎を解く
3:貴虎の奴、何考えてんだ!?
4:ダースベイダー、絶対に許さねぇ!!


【ターバンのおっさん(獣王クロコダイン)@DRAGON QUEST ダイの大冒険】
【状態】ダメージ(小)、怒りと悲しみ
【装備】獣王の鎧、グレイトアックス、ターバン、聖帝軍の旗
【道具】支給品一式、不明支給品
【思考】
基本:殺し合いを止める
1:聖帝軍と協力し、DMC狂信者の軍勢を倒す、そのために都庁の魔物を説得する
2:世界救済の予言の謎を解く
3:まともに都庁につけるか不安
4:チームメイトの皆、すまない……

※何事もなければ正午までに都庁につけますが、チルノが運転手である限り無理です。


そして時間は現在に戻る。
開閉した西武ドームから現れた妙なロボットこそ、聖帝軍の手によって作られた改造ガンプラマシン。


その名も、『きらりんロボ』!!(命名:諸星きらり)


全長200m、体重5万トンを誇る驚異のスーパーロボット型戦艦である!


「フハハハハハハ! 元がガンプラとは思えぬ出来栄えだな! あえて言おう、戦艦死国とやらなどカスで
 あると!!」
「サウザーさん、それ別の中の人!」

きらりんロボ頭部に位置するブリッジ。
そこでは聖帝軍の面々が各々指定の位置に座り、ロボの出撃準備を行っていた。
言うまでもなくサウザーは偉そうに艦長席に座り高笑いしていたが。

135急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:32:43 ID:tjxVJt0I0
「空調システムオールグリーン!」
「各種兵装制御システムオールグリーン!」
「通常エンジン起動OK!」
「周囲に障害物、ありません!」
「よ〜し、では聖帝軍旗艦きらりんロボはこれより作戦通り東京スカイツリーに向かう!」
「了解! きらりんロボ、離陸します!」

聖帝軍は何故東京スカイツリーに向かうのか。
それには無論理由がある。
予言の要であり対DMCの彼らの切り札ともなったきらりの歌だが、その効果は正太郎の推理通り
未知数である。
そこで正太郎は日本最大の電波塔たる東京スカイツリーを通して、増幅したきらりの歌を関東一帯に発信
してその正確な効果を確かめようと考えたのである(東京タワーも候補にあったが、何者かにへし折られた
ので却下された)。
これでうまく狂信者達が改心してくれれば御の字、効果が薄くとも今後の判断材料になると踏んでの作戦
という訳である。

「きらりさん、現地に着き次第、ライブの用意をお願いしますね!」
「任せるにぃ☆ きらりの歌でみんなをハピハピにしちゃうよー☆」
「フハハハハハハハハ、見ていろ狂信者共! 野球の恨みと共に貴様らを瓦解させてくれるわ! フハハハ
 ハハハハハハハハハハhぐはっ!?」
【やかましい】
「な、何なのこのツバメ……」

サウザーがつば九郎に蹴り飛ばされたと同時に、スカート部分の大出力ジェットエンジン『じぇっと☆
ふりるすかーと』が火を噴き、きらりんロボは空を華麗に舞った。
対主催勢力の仲違いが続く中、果たして彼らは救世主になり得るのだろうか?
――――それは梨の神様にもわからない。


【二日目・10時40分/埼玉県上空】

【新生聖帝軍】
【サウザー@北斗の拳】
【ターバンのガキ(円亜久里)@ドキドキプリキュア!】
【ターバンのガキ(金田正太郎)@太陽の使者 鉄人28号】
【ターバンのガキ(イリヤスフィール・フォン・アインツベルン)@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
【ターバンのガキ(金色の闇)@ToLOVEるダークネス】
【ターバンのガキ(イオリ・セイ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのガキ(アリーア・フォン・レイジ・アスナ)@ガンダムビルドファイターズ】
【ターバンのガキ@北斗の拳イチゴ味】
【ターバンの青年(加賀美新)@仮面ライダーカブト】
【ターバンのおっさん(高津臣吾)@ササキ様に願いを】
【ターバンのガキ(犬牟田宝火)@キルラキル】
【ターバンのレスラー(ザ・魔雲天)@キン肉マン】
【ターバンのガキ(諸星きらり)@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【ターバンのガキ(蒲原智美)@咲-Saki-】
【ターバンのガキ(姉帯豊音)@咲-Saki-】
【ターバンのツバメ(つば九郎)@ヤクルトスワローズ】

現在の共通思考
1:DMC狂信者の完全鎮圧
2:救済の5つの予言の解読及び遂行、野球チームの保護
3:主催者及び危険勢力の討伐

※超弩級ロボット戦艦・きらりんロボを完成させました。元はガンプラですが性能は原作以上です。
※DMC鎮圧作戦の第一段階として東京スカイツリーに向かっています。何事もなければ正午までには
 到着し、きらりのライブが始まります。

136急げ聖帝軍!鋼の巨神が空を飛ぶ!?:2016/04/05(火) 01:33:20 ID:tjxVJt0I0
「ニャガ〜ッ、聖帝軍とやら、なかなか面白いものを作りましたねぇ〜」

きらりんロボの飛行時のバックファイアを回避しつつ、サイコマンはニヤニヤと笑いながらその姿を目で
追っていた。

「サイコマンさん、追跡しなくていいんスか?」
「今は放っておきましょう。彼らが何をするにしても、クラウザーさんが復活すればすべてを逆転させる事も
 可能でしょうからねぇ。地獄から生還したクラウザーさんは如何なる歌声を聞かせてくれるのやら……
 楽しみじゃありませんか、貴方も?」

そう言ってサイコマンは衣装の中から何やら小さな目玉のような形をした物体を取り出し話しかけた。
するとその目玉から声が返って来た。

『別に興味はないね。それより早く俺の身体を用意する算段を付けてくれないかなぁ? 俺は必ず蘇らないと
 いけないんだ……草加市の為にも、乾巧という薄汚いオルフェノクを始末するためにも……』
「まあお待ちなさいな、慌てる乞食は貰いが少ないと言いますからね。本部に戻ればクラウザーさんの
 蘇生の為のクローン技術のデータがありますから、それに私のマグネットパワーをプラスすればきっと
 生き返れるでしょう。それまでの辛抱ですよ」
『(チッ……胡散臭い奴め……だが今は耐えるしかない……これもすべて乾巧の仕業だ……)』


その目玉、いやその男の名は草加雅人。
しばらく前に草加市の市長になった呪縛霊である。
彼は今まで死者スレに行く事なく一人寂しく埼玉県草加市に留まっていたのだが、通りすがったサイコマン
の気まぐれで同行する事となり、彼の持っていた『眼魂(アイコン)』と呼ばれる魂を封じるアイテムに
入れられ、ここまでやってきていたのである。
DMC狂信者に協力する代わりに、肉体を再生する約束を取り付けて。

「ニャガニャガ、さて皆さん、我々もそろそろ本部に帰還するとしますか。そしてディーさん達にも伝えましょう。
『決戦の時は近い』と!!」


【二日目・10時40分/埼玉県西武ドーム前】
【サイコマン@キン肉マン】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、草加雅人眼魂
【思考】
基本:クラウザーさんを生き返らせるためSATSUGAIする
1:ニャガニャガ、そろそろ本部に戻って備えますか
2:都庁の方の様子はどうですかねぇ?
3:できればシルバーマンも勧誘したい
※狂信者です

【草加雅人@仮面ライダー555】
【状態】草加市の市長に当選した、草加雅人眼魂
【装備】カイザギア@仮面ライダー555、サイドバッシャー@仮面ライダー555
【道具】ケーキ、支給品一式
【思考】
基本:生き返る方法を探す
0:どうして俺が死んで、碌に出番もない奴らが生きてるのかなぁ?
1:とりあえず、生き返るためサイコマンには協力する
2:とりあえず、乾巧の仕業にする
3:来年のカイザの日も祝いたい
※眼魂(アイコン)に魂を封じられています。ドライバーがあればあるいは……

138光と陰:2016/04/18(月) 22:29:56 ID:kEpMQcNA0

「あの山、どこに行きやがった!」

 東京都まで飛んできた4人の屈強な男たち。
 サイヤ人の王子、ベジータ。 
 魔界のプリンス、アシュラマン。
 バッファロー一族の生き残り、バッファローマン。
 そして、キン肉マンの兄、キン肉アタル。 

「まあ、落ちつけ……と、言いたいところだが……」

 いくら冷静で的確な判断力の持ち主であるアタルを以てしてもこれにはどうしようもなかった。
 各地でドンパチが起こっている、その中心は間違いなく東京都。

「木を隠すなら森の中というが……」 
「ここに阿蘇山を隠すのはいくら何でも無理があるぜ?」
「既にこの東京都に潜伏している、阿蘇山を小さくしてな」

 恐らくあの阿蘇山は小型になる機能がある。
 ベジータの世界には『ホイホイカプセル』という技術がある。
 主催側にそういう技術者が一人やくらいいてもおかしくはない。

「それよりもベジータ?」
「どうした、アシュラマン?」
「さっきからなんで震えていやがる?」
「武者震いって奴だぜ(震え声)」

 東京都に来てからベジータの様子はおかしい。
 原因は恐らくあの『都庁』にいると思われる金髪集団。
 ベジータの心の奥底にあるトラウマが呼び起こされる。

「俺様なら大丈夫だ(震え声)」

 誰がどう見ても大丈夫ではなさそうだ。
 そんな時であった。 

「……足元……いや、地下から音が聞こえる」
「地震か?」
「いや、何かを掘り進んでいる音だな……しかし、専用機械で掘ってるような感じではないな」

 そして、4人は音の鳴る方への行き方を捜索し始めた。

 ◆ 

「東横さん、赤座さん大丈夫ですか?」
「まだまだ行ける……っす」
「あかりも大丈……夫……だよ」 
「いや、どうみても大丈夫じゃないだろ、ぞれ」
「アンタら、少し休みな」
「いえ、小町さんたちこそ、休んだ方が……」

 地下を掘り進む影薄達。
 しかし、掘り進むにしろ3人はほぼ一般人。
 小町と日之影は3人よりも先程の戦いのダメージが残っている。
 5人が一気に進むにはかなりの労力が必要となる。
 出来るだけ慎重に進まないと崩落の危険性すらある。

 昨今そういう事故も増えてきている。

「皆、大丈夫かな」

 あかりは皆を心配する。
 その時であった。

 ガン、ガン、ガンと何かが迫っている音が聞こえてきた。

「く、崩れるっす!?」
「ど、どうしよう!?」
「いえ、皆さん少し落ち着いてください」
「黒子、アンタ少し冷静すぎやしないか?」
「そうだな」

 頭上から光が差してきた。

139光と陰:2016/04/18(月) 22:30:54 ID:kEpMQcNA0

「大丈夫か!」

 顔を出したのはひとりの男。
 角に3m近い巨体。
 鍛え上げられた。
 そして、レスリングパンツ。



「ゲェ〜〜〜〜ッ! 牛の超人!!」




 小町はそうリアクションを取らざるを得なかった。
 いや、そのリアクションを取らなければならない気がした。
 すると、その牛の後方には迷彩覆面に野球のユニフォームの男。
 さらにその後ろには六本腕の男が竜巻を起こして土砂を掻き揚げている。
、さらにさらにその後ろでMハゲの男が気団を野球ボールのように投げて土砂を消滅させていく。

「アンタたちは……?」
「私はキン肉マンソルジャー……お嬢さん、1人……いや、5人か」
「どういうことだ、ソルジャー、どうみてもその赤い髪の女一人じゃねーか」
「!? アンタ、後ろの桃子たちにも気づいて……」
「ダニィ?」

 アタル兄さんはすぐに着ていたユニフォームを桃子に着せた。
 紳士として……いや、男として当然の行為だ。

「にしても、随分とボロボロのようだが」
「まぁね……」
「それでこいつらをどうするんだ、ソルジャー!」
「黙らんか〜〜〜ベジータ! 彼女たちの怪我に響くぞ!!」
「す、すまん……」

 そのアタルの一喝が一番声量が大きかった。

「話を聞くにしてもまずは……この状況ではな」
「?」
 
 要救助者には怪我の治療が必要である。
 徐にマスクに手をかけるアタル兄さん。

「「「「「うおっ、まぶしっ(っす)!?」」」」」

 フェイスフラッシュ
 
 それはキン肉族のキセキ。
 アタル兄さんのマスクの下から放たれる暖かい光が5人を包み込む。

「なんだか暖かいっす……」
「そうだね……」
「ケガが……治っていく……?」
「本当だ……」

 影薄たちの怪我は全快した。
 首輪を外した状態でのフェイスフラッシュはそれくらい可能なのだ。

  ◆  ◆ 

「戦艦『死国』の奴らは殺し合いに乗っていない……だって?」
「ふむ、何か勘違いがあったようだな」
「ネットの風評被害って奴ですかね」

 一先ず、落ち着いたので情報交換をする。
 そこで色々な情報を行き交った。
 共に『飛竜』という男に助けられたことがあったので情報の信用性もそこそこにあった。
 (尤もこれはハクメンや悪魔将軍が近くにいたので自由に動けなかったテルミの悪手であった)

 そして、彼らは……

「我々は一先ず都庁に向かうか」
「異論はねぇぜ!」
「カ〜カッカッカ! そう言うと思ったぜ!」

 都庁に向かうことを決めた。
 道案内と上層部への介入は小町たちに頼むことにした。
 ……借りは返すものであるのだから。
 そんな中、ベジータは決意を固める

(『虎穴に入らずんば虎児を得ず』って奴か……)

 ベジータは震える足を一歩また一歩と都庁に向ける。
 サイヤ人の王子としての誇り(プライド)はまだ失われてはいない。

140光と陰:2016/04/18(月) 22:31:15 ID:kEpMQcNA0

【二日目・10時30分/東京都・都庁近く】

【影薄組】
【小野塚小町@東方Project】
【状態】健康、首輪解除
【装備】斬魄刀『神鎗』@BLEACH
【道具】舟
【思考】基本:もう仲間を誰も失わない為にカオスロワを終わらせる
0:呉島貴虎を探す
1:殺し合い打破のためにも都庁には協力する
2:もう二度と仲間を置いて行こうとしない
3:幽香と戦う事を覚悟する
4:変なの(セルベリア)に因縁つけられちまったね
※飛竜たちと情報交換して、主催達が九州ロボにいることを知りました。
※ダオスとの情報交換で、カオスロワちゃんねるの信憑性に疑問を持っています(フェイ・イェンにもたらされた情報より、少なくとも都庁の悪評は天魔王軍による仕業だと理解しました)


【日之影空洞@めだかボックス】
【状態】健康、首輪解除
【装備】己の拳
【道具】支給品一式
【思考】基本:主催者を倒す
0:呉島貴虎を探す
1:仲間を守る
2:混沌の騎士が遺した謎を解く
3:↑の全部やらなくちゃあならないのが先代生徒会長の辛いとこだな。


【東横桃子@咲-Saki-】
【状態】健康、首輪解除
【装備】猟銃@現実、斬鉄剣@ルパン三世、野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、スマホ、謎の物質考察メモ、筆記用具
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
0:さっきの揺れ……地上の人達は大丈夫っすかね?
1:加治木先輩や友人たちと生き残る
2:時間があればスマホを使ってネットで情報を探る(現在は電波の届かない地下なので不可)
3:DMCファンだけど信者の暴動にはドン引き


【黒子テツヤ@黒子のバスケ】
【状態】健康、首輪解除
【装備】ウィンチェスターM1912
【道具】死出の羽衣@幽々白書
【思考】基本:仲間と共にカオスロワを終わらせる
1:友人たちと生き残るためにも、都庁に協力する
2:空気中に漂う物質への対処法を考える(世界樹が有力?)
3:狂信者には絶対に負けません


【赤座あかり@ゆるゆり】
【状態】健康、首輪解除
【装備】エンシェントソード@Minecraft
【道具】マムルの肉@風来のシレン
【思考】基本:仲間と一緒にカオスロワを終わらせて主人公らしく大活躍!
0:戦いは怖くても、あかり負けない!
1:混沌の騎士の分も頑張る
2:まどかと同じく、人間と魔物の共存に賛成
3:オオナズチ以外の都庁のモンスターの背中に乗りたい

【超人血盟軍】
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】健康、金髪恐怖症(小)、首輪解除
【装備】野球のユニフォーム
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:死にたくないので野球をする
1:悪魔将軍様の方が怖い
2:絶対に都庁には近寄りたくないが……行くしかないようだな(震え声)
3:移動しつつツイッターはやる
※何度も瀕死状態から回復したので戦闘力が上がりました。

【キン肉アタル@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】キン肉マンソルジャーのマスク、飛竜が書いた九州ロボの地図
【道具】不明
【思考】
基本:殺し合いを止める
0:都庁にいるの者たちと情報交換をしたい
1:飛んでいった阿蘇山の情報を探す

【アシュラマン@キン肉マン】
【状態】健康、首輪解除
【装備】誰かの腕×6本にミットが5つ
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う
0:最低でも主催者の一人は倒す
1;ところでこの腕は誰の何だ?

【バッファローマン@キン肉マン】
【状態】1000万パワー、首輪解除
【装備】ロングホーン
【道具】不明
【思考】
基本:悪魔将軍様に従う

141復活の時!?:2016/04/22(金) 22:50:13 ID:SVPLOgd.0
「報告は以上になります、ディーさん!」
「ご苦労。引き続きクラウザーさんへの生贄をSATUGAIしてくれ」

慌てた様子の信者達に対して、狂信者を束ねる幹部の一人であるディーは冷静であった。
本来であれば何故彼がここまで冷静でいられるのか疑問を持つであろうが、ほとんどの狂信者達は難しいことは考えない。
頭の中の99%がクラウザーさんで埋まっているからだ。

「……三島、狭間、それに峰津院。よく頑張ってくれた」

共にDMC談義に華を咲かせた仲間達の死は、既に知っている。
だが其処に悲しみはない。彼らは一足先にクラウザーさんの礎になれたのだ。これ以上の名誉はあるまい。

「彼らが返り討ちに遭う中、よもやただの女子高生の中野があの雷竜クランヴァリネを仕留めるとは驚きだったが……
流石にこれ以上は無駄か。後はあの魔王マーラに任せるとしよう」

都庁近辺に残らせていた狂信者の偵察隊が、先程完全に死滅したというのが先程の報告だ。
もはや攻め込まずとも、異臭を感じ取られて高空からレーザーで薙ぎ払われたとのことらしい。
さらに龍脈の龍すら葬った二体の怪物の触手と鈎爪でバラバラに切り刻まれて世界樹の肥やしになったとの報告もあった。
地上から都庁を攻め落とすのはこれでは不可能であり、地下からの奇襲も協力者の貴虎が致命的なミスをやらかしたせいでもう使えない。
念のために最強の魔王を地下に送り込みはしたが……

「ヘルカイザー、準備はできたかね?」
「完了している。その魔王マーラとやらならば、あの都庁の連中をSATUGAIできるのか?」
「間違いなく、壊滅的な被害を与えられるだろう。単純な戦闘能力だけで見れば、私やセルベリアよりも上だ。
しかし都庁の連中の厄介さは、個々の強さもさることながら連携にある。マーラや呉島が討たれる可能性もゼロではないだろうな」

ビッグサイトに帰還していたヘルカイザーの質問に対しても、ディーは冷静に答える。
現存する信者や信者候補の中では、マーラが最強である。そして爆破作戦は一度失敗すれば二度と同じ手は使えないだろう。
それでいながらディーは、それが失敗する可能性すら考慮している。
ヘルカイザーが、僅かに眉をひそめた。

「もしその万が一があればどうするつもりだ?」
「だから、大丈夫なのだ。狭間は否定していたが、私は既に狭間達が敗れた場合の策も練っていたんだ。彼らには話していなかったがね。
問題あるまい。結果的にクラウザーさんの復活が大幅に近づくのであれば」
「……確かにな。どうせ聞いたところで俺になど秘策を話はしないのだろうが、それもクラウザーさん復活の前には些細なこと。
言われた通り、俺の持つ3体のサイバーダークの内の一匹の所有権をお前に移した。
あとは俺の好きにさせてもらうぞ。イチローチームとドラゴンズは俺の手でSATUGAIせねば気が済まない」
「武運を祈るよ、ヘルカイザー」

踵を返しビッグサイトを後にするヘルカイザーを見送りながら、ディーは譲られたカードを天高く掲げる。

「現れろ。サイバーダークドラゴン!」

デュエルディスクも無しに、カードの機械龍が実体化する。
非常に優れた能力を持つディーだからこそ出来る芸当である。

「効果を発動! 墓地よりドラゴン族一体を装備品として呼び戻す! 選択するのは――龍脈の龍だ!」

常闇の空間から、都庁で消え去った龍脈の龍が装備品として引きずり出された。
かつてヘルカイザーが同じ手段で呼び戻した冥竜と同じようにその眼は死んでおり、さらに引きずり出されたのは頭部一つのみ。
最も全身を引きずりだしたらビッグサイトが内部から崩壊するため、出来てもやらなかったであろう。

「ほう……なるほど、素晴らしい」

しかしディーは、その不完全な龍脈の龍を見るなり笑った。

142復活の時!?:2016/04/22(金) 22:50:57 ID:SVPLOgd.0
「龍脈とは本来、姿なき純粋な力の塊。各所に張り巡らされ、それを一点に集めるのには大変な苦労が伴う上に場所も限られる。
だが峰津院の秘術により龍の姿として都庁にて具現化し、それが生物としての死を迎えることで決闘者のカードの力で好きな場所で蘇らせることができ……
そして狭間が予め用意していたこの黄泉レイプシステムの拡張機能と併せれば――!」

黄泉レイプシステムに、サイバーダークドラゴンと龍脈の龍がエネルギーとして吸収されていく。
眩い閃光の後、ディーが再び目を開けると……

「おおおおぉぉぉぉぉぉ……!」

思わずディーは感嘆の声を漏らす。
より重厚かつ複雑、強度も増して破壊が困難となったと思われる黄泉レイプシステム。
その中心部に――死後の国への門が現れていたのだ。

「ク、クラウザーさん! 今こそ、復活の時……!」

喜びが頂点に達したディーは、普段のキャラもかなぐり捨てて満面の笑みでその門を開いた。
自分のデイバックの中に既にクラウザーさんのクローン肉体は入れてある。
後はこの死後の世界からクラウザーさんの魂を連れ戻せば、計画は完了する。
そしてクラウザーさんさえ蘇れば、自分も含めて信者達の戦意も能力も最高の状態となり、敵対勢力を滅ぼせるだろう。
仲間も連れず一人で突入してしまう程、今のディーはテンションが高かった。


「こ……これは一体……ここが、死後の世界だというのか?」


そんなディーすら、死後の世界を見た瞬間に絶句してしまう。
死後の世界、通称死者スレは異様な光景であった。

「まるで廃墟……しかしこれは、再生しているのか……?」

一度何者かの手で世界そのものを破壊されたような痕跡、そこに別の何かの力が働き自己再生を試みているような、そんな様子であった。
しかしこの様子ではすぐさま死者スレの復活は難しいだろう。
瓦礫と死者の怨念渦巻く声。恐らく崩壊に巻き込まれて魂すら磨り潰されてしまったためかとディーは考える。

「クラウザーさんは、無事なのか!?」

強固な意志を持つ存在は魂だけとなってなお頑丈ではあるが、それでもやはり肉体以上にデリケートである。
早急に、クラウザーさんの魂を見つけて現世に呼び戻さねば、もはや如何な手段を講じたところでクラウザーさんの生声を聴くことはできなくなってしまう。
そんな全宇宙の大損害になってしまうことは、断じて許さない。

「クラウザーさん!」

たまらずディーは駆け出した。
本来は冷静な神さえも突き動かす、クラウザーさんの魅力はまさに神をも超えるもの。
故にディーはこの黄泉の世界を甘く見ていた。
いくら龍脈で強化された黄泉レイプシステムとはいえ、その黄泉の世界そのものが何かしらから干渉を受けていては、安心安全に黄泉をレイプすることなどできはしない。

「……プ……イプ……」
「む、確かに今、レイプと聞こえたぞ!? クラウザーさん!?」





「誰かワシをレイプしてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!ぐっちゃぐちゃのどっろどろになるまでレイプしてぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「う、うわああああああぁぁぁぁぁぁ!?」

そこには怪物がいた。

144復活の時!?:2016/04/22(金) 22:52:10 ID:SVPLOgd.0
【二日目・10時30分/東京ビックサイト内部・死者の門前】

【ディー@うたわれるもの】
【状態】健康、小疲労、激怒
【装備】刀
【道具】支給品一式、クラウザーさんクローン×300
【思考】
基本:クラウザーさんの復活
0:シグナムとやらを探し出す
1:黄泉レ○プシステムをさらに盤石にするため、引き続きマグネタイトは回収する
2:クラウザーさんのために、いずれくる各勢力との戦争に備えて戦力を増強する
3:大災害などに疑問はあるが、後回し
4:仮にマーラが帰ってきてもビッグサイトには入れない
※制限によりウィツァルネミテアの力がある程度制限されていますが、蘇生関連の能力制限だけは首輪とは別の力が働いていると見ています。
※黄泉レイプシステムが龍脈強化され、死者スレへの突入が可能になりましたが、現時点では乗り込んでも目的の達成は困難です
崩壊した死者スレを強行突破できるだけの大戦力或いは死者スレを修復するなにかが必要です
※なんらかの要因で死者スレが復活する可能性があります


【ヘルカイザー亮@遊戯王GX】
【状態】健康、クラウザーさん欠乏症
【装備】デュエルディスク、スマホ
【道具】支給品一式、キメラテックオーバードラゴン、サイバーダークドラゴン、冥闇に堕した者(装備品)、他不明
【思考】基本:強敵をSATSUGAIして己も満たしつつクラウザーさんを復活させる
1:クラウザーさん復活は上層部に任せ、自分は各地の強敵のSATUGAIをする
2:野球チーム全てを警戒。可能であれば自分の手で殺す
※サイバーダークはロワ中に死亡したドラゴンを装備品として装備可能ですが、一度に一体までの制限あり
※サイバーダーク一体をディーに譲渡したため、使用可能なサイバーダークは2体までです
※龍脈の龍はシステム強化に使用されたためもう装備蘇生できません。またテラカオスの体内に魂を取り込まれているニアラも装備不可です

146信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:21:44 ID:BkNre/Zw0
大阪ドームにて熱斗たちと別れたハクメンは進路を名古屋方面に向けて疾走する。
この世界に災厄を振りまく「凶(マガト)」――混沌の歌姫(テラカオス・ディーヴァ)と化した風鳴翼を刈り取るために。

「……どういうわけだ? 奴の動きが止まっている?」

走っている途中で、ハクメンが翼から発せられた混沌の気を辿ってみたが、翼の動きが名古屋で止まっているのを感じた。
実は翼はどこぞのかませ犬ドラゴン軍団を倒したものの、移動するための足であった列車を破壊されてしまい、新しい乗り物を探すために名古屋で立ち往生しているのだ。

「まあいい。
理由はなんにせよ、動かず止まっているのなら都合がいい。
死国の者達の被害を気にせずに戦えるからな」

ハクメンにとっては翼が名古屋に留まってくれているのはありがたいことだった。
自分と同格の力を持つ悪魔将軍を除き、翼相手に死国及び拳王連合軍で勝てる人間はほとんどいない。
もし大阪に近づく前に自分の手で翼を討てれば、死国の者達に被害を及ばすことはなくなるからだ。
破天荒集団である死国の面子に仲間意識を抱いているかは正直微妙なところだが、彼らも来るべき主催陣やユウキ=テルミ、邪悪なマーダー、そしてテラカオス候補者を残らず駆逐するためには貴重な戦力だ。
そういう意味では失うには惜しい者達である。そんなことを考えながら、ハクメンは大阪の路上をひた走る。

名古屋で足を止めているとはいえ、翼のテラカオスたる力は参加者を屠る度に増加しているため、翼が自分の力を超えてしまう前に急いで仕留めねばならない。
それでもこの前に見せた、時を斬りながらの移動なら一時間もしないうちに名古屋につくだろう。
何かしらイレギュラーな事態さえ起こらなければ、翼を十分に殺処分できるだろう。

だが、ここで彼にとってイレギュラーな事態に直面する。

「!? この気配は……?」

ふと、周辺に強い「凶」の気配をハクメンは感じた。
風鳴翼……ではない。それよりかは弱い「凶」だ。

しかし、とても無視できない強大な「凶」の持ち主の気配をハクメンは察知した。

「現状は風鳴翼ほどではないが……これは放置すれば彼奴以上の災厄をもたらす今すぐ刈らねばならない『巨悪』だ!」

すぐにでも討たねばならぬ「巨悪」がいる故に、ハクメンはどうしても寄り道しなけばならなかった。
ハクメンは名古屋方面に向けていた足を止め、今しがた感じ取った「凶」の持ち主に向けて方向転換し、時を斬りながら高速で現場に向かった。

そして、討つべき巨悪はものの数分で見つかった。
それは大きな大きなバイクに乗っていた。




弦十郎の運転するジェットスライガーに大人数で箱乗りしていたネオ・クライシス帝国御一行は、今まさに大阪に入ろうとしていた。
以前は一つの県を移動するのに八時間以上かかった集団だったが、今度はたったの二時間半で滋賀県から奈良県をまたいで大阪まで高速移動をしていた。
これは超絶マシンであるジェットスライガーによる恩恵である。
ジェットスライガーの最高時速はなんと1300km。
これに8人以上の参加者が乗っているとはいえ、大作りな分、馬力は並のバイクを超えているので駆動には問題ない。
もちろん、音速を超える速度をだそうものなら、仮面ライダーや人外である光太郎たちはまだしも、真人間の響子と友紀の体が耐えられるわけもないため最高時速は出せない。
さらに小回りの効かないバイクなので、障害物を避けていくためには更に速度を落とす必要がある。
それでも二つの県を三時間足らずで移動できるほどのスピードは確保できていた。

彼らの目的は、危険な食人鬼としてネットで騒がれ、主催にも指名手配されるようになった弦十郎の姪である風鳴翼に会うために、彼女が狙っているらしい拳王連合軍のいる大阪への先回りであった。
風鳴翼が本当に食人鬼と化しているかの真偽を8人は知るよしもないが、真偽のどちらにせよ被害の拡大の阻止のために止めねばならず、接触は避けられなかった。

しかし、それに加えて一行が大阪に向かうのに新たな目的が生まれようとしていた。
きっかけは目的地である大阪と拳王連合軍に対して情報収集をしている時だった。

「これは……?」
「ヒドイ!」
「略奪だけに飽き足らずに破壊に虐殺……拳王連合軍め、ゴルゴム並の最悪の連中じゃないか!」

147信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:22:20 ID:BkNre/Zw0

弦十郎から借りたノートパソコンから映し出された情報に、響子と路空と光太郎は苦い顔をした。
ネットでの情報より、拳王連合軍の自重を知らない数々の所業を光太郎たちは見てしまったのである。
野球と称したデス・ゲームを仕掛け、無差別攻撃によって多くの県を破壊する様は、都庁同盟軍と同じく、光太郎たちにも拳王連合軍を最悪の破壊集団であると印象付けさせた。
更に今向かっている大阪では物資の略奪に加えて街から退避した民間人の虐殺まで行っている。

ガンダムの砲撃から無辜の民間人を守るために己の機体を盾にして散った、巨大ロボ・ロードビヤーキー。
その思いを踏みにじるように砲撃でロードビヤーキーの後方にいる民間人を焼き尽くしたガンダムの邪悪な姿を映した動画を見たときは、光太郎は思わずパソコンの画面を叩き割りたくなったが堪える。
(ちなみに、ロードビヤーキーが民間人を庇って散ったというのはネットでの評価の話であり、実情は全く違うのだが、光太郎たちは知る由もなかった)

「拳王連合軍……翼と共に止めねばならんな」
「こいつらが抱えているのは闇なんてもんじゃない……奪って壊すだけのただのケダモノだ」
「あまりにも無軌道すぎる破壊行為の数々……彼らの放置はそこらのマーダーより危険だね。
最後に残った土地である、この日本も消滅させそうな勢いだよ」

拳王連合軍の所業には弦十郎は静かに怒っていた。
さらに闇に堕ちた矢車でさえ、拳王連合軍の行いを唾棄する。
心を持たないキュゥべえでさえ危険視していた……もっとも、キュゥべえの場合は日本がなくなってしまうと任務である魔法少女からのエネルギー収集ができなくなってしまうのは困るという意味合いだったが。

「弦十郎さん、姪の翼ちゃんを止めるのは大事だと思うが……俺は……」

怒りに震える光太郎。
正義の味方である彼は拳王連合軍の所業をとても許せなかった。
故に、拳王連合軍をすぐにでも倒したいと考えていた。

「大丈夫だ、俺も今、君と似たようなことを考えていたよ」

光太郎が皆まで言わずとも、弦十郎は理解し、考えは同調していた。
ひとりのOTONAとして、彼もまた拳王連合軍を止めたいと思っていた。

「それじゃあ……」
「ああ、翼はもちろん止めるが、同時に拳王連合軍も止めよう。
俺たちならそれがそれができるはずだ」
「うつほも手伝うの!」
「フッ……妹と弟候補がそう言うなら、俺も人肌脱ぐか」
「こいつらは必ず倒そう、未来のためにも」
「珍しく気が合うわねキュゥべえ。私もそう思うわ」

光太郎に同調するように、仲間たちは次々と彼の意志に賛同していく。
その中で響子がノートパソコンのある画面を開く。
映し出されているのはカオスロワちゃんねるの掲示板だ。

「光太郎さん、この掲示板によると、拳王連合軍と戦っているホワイトベース組という名前の対主催グループがあるみたい。
戦況はホワイトベース組が押されているようだけど、私達が加勢すれば戦況は好転するかもしれないわ」

なお、ホワイトベース組にはクラスメイトの苗木や十神がいることを響子はまだ知らない。

「ならば急いでホワイトベース組に加勢しよう。
できれば翼ちゃんが到着する前に拳王連合軍に引導を渡したいところだな」

こうして(ネットの情報に踊らされているのも気づかず)、六人の中で拳王連合軍打倒の意志が固まった。

……そう、八人いる中の六人は。

148信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:22:56 ID:BkNre/Zw0


バイクの後部座席の方で姫川友紀はいじけていた。
というのも世界を救う予言の書(本物)を彼女は所持しているにも関わらず、ネオ・クライシス御一行は誰も予言を信じてくれなかったのだ。
二時間かけて説得しようとしたが、帰ってきたのは「野球で世界が救えるわけないだろ」という失笑の言葉だけであった。

(野球には世界を救えるだけの魔力があるのに、誰も信じてくれないよ……)

ぶっちゃけ、常識的に考えれば野球で世界を救うなど眉唾もいい話だった。
それでも野球の力を愚直に信じる友紀からすれば、野球を玉遊びとしか思わず、その力を信じない光太郎達の方が滑稽に思えた。
故にすっかりすねてしまった。

(この人達についていっても野球してそうにくれないよ……
予言によると世界を救うには『野球・歌・器・巫女・勇者』が全て揃わないといけないのに)

このまま予言について懐疑的な光太郎達についていっても、野球はしてくれないだろう。
それどころか『歌』の部分はアイドルである自分が補うのでまだしも、他の『器・巫女・勇者』も揃わないかもしれない。
それでは予言を達成できないと焦る友紀。
そこに友紀の目に、パソコンの画面に映る拳王連合軍の掲示板が目に入る。

(……拳王連合軍も曲がりなりにも野球チームよね?
いっそ、彼らに取り入ろうかしら?)

友紀の脳裏にマーダーのチームに寝返るという恐ろしい考えがよぎる。

(もちろん、光太郎さん達に負けるような弱いチームだったら意味がないわ。
でも、仮に光太郎さん達を倒せるような強者揃いだったら……それは間違いなく最良の戦士ね)

もちろん、ただで寝返る気はない。
あくまで実力者揃いのネオ・クライシス帝国を倒せる実力を示した場合のみである。
予言達成のためにマーダーチームに入ろうとするのはひどい考えだが、予言を達成して世界を救うためには善悪云々に拘っておられず、滅亡を回避するためには仕方のないことだと彼女は考えていた。
(もっとも、なんで世界が滅びかけているのかは彼女は知らないが)

光太郎達の影で友紀はよからぬことを考えていた。
一行が拳王連合軍に負けることがあれば、彼女は即座に一行を裏切って拳王連合軍に取り入るだろう。


さらに友紀の他によからぬことを考えていた者がもう一人いた。
パソコンに映し出された掲示板や動画を食い入るように見つめているクライシス皇帝である。

(拳王連合軍の攻撃性と残虐性……実に素晴らしい。
是非、このクライシス皇帝の臣下にしておきたいところだ)

これまでのギャグ行動とネタ言動のせいで忘れ去られがちだが、このクライシス皇帝は主催を潰し次第、人類抹殺を考えている悪の親玉である。
そんな皇帝にとって拳王連合軍の実力の高さと悪辣さは、後の人類抹殺計画にはまさにうってつけの逸材であったのだ。

(しかし、どうやって味方につけようか?
光太郎達は拳王連合軍を殺る気満々であるみたいだしな)

拳王連合軍は潰されるには惜しい連中だ。
そのためにどうにかして臣下に加えたいが、光太郎達は倒す気であるようだし、説得も難しそうだ。

(はて、どうしたものか?)

どうにかして策を考えようとするクライシス皇帝。
光太郎達はそんなクライシス皇帝の昏い計画を練っているなど知る由もなかった。

149信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:23:38 ID:BkNre/Zw0


そして一行を乗せたジェットスライガーは大阪府に入った。
遠くに見える街では空を飛ぶ木馬のような戦艦と、港に鎮座する空母、そして沢山の黒煙がモクモクと空に昇っていた。
激しい戦いが現在進行形で繰り広げられているようだった。

「もうすぐ、大阪に入るぞ!
みんな、戦いの準備をするんだ」
「ああ、わかった」
「「「変身!」」」

弦十郎の声と共にデイパックにノートパソコンはしまわれ、光太郎、クライシス皇帝、矢車の三人は仮面ライダーに変身して臨戦態勢に入った。
仮面ライダーが三人いれば拳王連合軍や翼が襲ってきても何も怖くない……一行はそう思っていた。

「……あれは?」

弦十郎が前方を見ると、500mほど先に侍風の男が立っていた。
対主催の参加者か、はたまたマーダーだろうか?

……それを考えるよりも早く、侍風の男――ハクメンはジェットスライガーを捕捉するやいなや、時を斬って高速移動し、一瞬でジェットスライガーに肉薄した。

「なっ……」
「に!?」

驚く弦十郎と光太郎、他の六人はあまりにもハクメンの動きが早すぎて肉眼での捕捉さえできなかった。
そして刀は容赦なく振るわれた。


その刃の矛先は――クライシス皇帝。
彼を刺殺さんと、切っ先はクライシス皇帝の胸元へ向かう。


「危ない! クライシス皇帝!」


ただ一人、直感でハクメンの狙いがクライシス皇帝だと気づいた光太郎が動く。
光太郎はハクメンの刃へ腕を伸ばして、刃を止めようとする。
右手のひらにハクメンの刃が深々と刺さり、光太郎の手は夥しい出血をした。

だが、それでもハクメンの刃は止まることなく、光太郎の手のひらを貫通し、クライシス皇帝の胸元に深々と刺さった。

「ぐわあああああああああああああ!!」
「く、クライシス皇帝ーーーッ!!」

クライシス皇帝は胸を刺されて悲鳴をあげる。
仲間を刺されたと見て、光太郎も悲鳴をあげ、続くように他の仲間達も悲鳴や驚きの声を上げた。

「チッ!」
「うにゅ!! よくもクライシス皇帝を!!」

矢車と空がキックや弾幕で反撃に移るが、ハクメンはそれより早く刀を引き抜き、攻撃をかわしながら距離を取った。
突然の敵の攻撃に対して、弦十郎は急いでバイクを停めて、クライシス皇帝以外の全員がバイクから降りた。
刺されたクライシス皇帝はバイクの上でぐったりとしている。

「クライシス皇帝! しっかりしろ!!」

光太郎は自分の右手にできた風穴の痛みも気にせず、動かなくなったクライシス皇帝に必死に呼びかける。
しかし皇帝からの返事はなく、光太郎を大いに焦らせた。
そこで響子とキュゥべえはクライシス皇帝を見る。

150信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:24:14 ID:BkNre/Zw0

「……大丈夫、気を失っているだけ。まだ息はあるわ」
「光太郎の咄嗟の行動と、スーツの防御力に救われたようだね」
「本当か、二人とも? それは良かった」

キュゥべえの言ったとおり、光太郎の己が傷つくことも厭わない献身的な行動と、オーガのスーツによる防御力により、クライシス皇帝は奇跡的に一命をとりとめていた。

「しかし、いきなり襲いかかってきたアイツは……!」

キッと、光太郎は仲間を殺そうとしたハクメンを睨みつける。
光太郎だけではなく、弦十郎も、矢車も、空も戦闘状態に入ろうとしていた。

「くッ……浅かったか、邪魔が入りさえしなければ!」
「貴様ッ!!」

ハクメンはクライシス皇帝を殺しきれなかったことに歯噛みし、光太郎はそんな彼に対して怒りを顕にする。

「我が名はハクメン! 全ての悪を滅する者!
他の者には用はない、その男を渡せ」
「なんだと!? なぜクライシス皇帝を狙う!」

ハクメンの狙いはどうやらクライシス皇帝だけのようだ。
その理由はハクメン自体の口から説明される。

「その男からは非常に強い「凶」の気配がするのだ」
「マガト?」
「悪の気だと思ってくれたらいい。
ともかく、その男を放置すれば世界に災いをもたらすだろう」

ハクメンがクライシス皇帝を討とうとした理由は、皇帝から発せられた悪の気を感じ取ったからである。
実際にクライシス皇帝は怪魔界の皇帝にして、己の独裁のために民を虐げる暴君である。
この上に地球侵攻のために人類抹殺を企てているところから、皇帝が凶を纏っていてもおかしくはない。
そして皇帝が災いを振りまく前に抹殺してしまおうというのが、ハクメンの考えであった。

「私はその男さえ殺せれば、他の者達に危害を加える気はない。
さあ、その男を差し出せ」
「ふざけるな!
皇帝のことを何も知らないくせに、何がマガトだ! 悪の気だ!」

しかし、光太郎はハクメンの要求を拒む。

「話を聞いていなかったのか?
その男を生かせば将来的に災いを……」
「俺はカオスロワ開始時の頃からこれまでクライシス皇帝を一緒に戦ってきた!
だが、俺は皇帝が邪悪な男とは思えない!」
「俺は光太郎ほど長くクライシス皇帝と付き合ったわけじゃないが、俺もそう思うね」
「うにゅ! 皇帝はさとり様を殺したような悪い奴じゃない!」
「俺はクライシス皇帝より、おまえの方が気に入らないな」
「仮にこの皇帝が何を企てていても、こんなオマヌケな人が大それた災いなんて起こせるわけないじゃない」

光太郎だけでなく、弦十郎に地獄兄妹、響子でさえ、クライシス皇帝の味方をし、ハクメンの要求を拒む。

(クッ……どうやら全員この男に丸め込まれてしまっているらしいな。これは厄介だぞ)

ハクメンからすれば、一つの対主催グループが丸々クライシス皇帝の味方をしている現状に頭を悩ますしかなかった。
クライシス皇帝以外のメンバーは悪の気配がしないか、微弱だったため、無闇に殺すこともできない。
※キュゥべえには心がないため、ハクメンは彼から悪の気配を感じ取れない。
 ただし、彼の所業を知ったら襲いかかる可能性大。

151信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:24:47 ID:BkNre/Zw0


「てゆうか、あなたはどこから来たの?」

唐突に友紀が質問をする。
大阪の街から来たハクメンに対して、所属するグループなどを聞きたくなったのだ。

「ひょっとして……死国?」
「……そうだが、それが何か?」
「ということはあなたは拳王連合軍の……?!」
「いちおう、ではあるが彼奴らの味方になるんだろうな」
「「「!?」」」

二人の問答の中に現れた死国、拳王連合軍の味方。
その言葉を聞いた瞬間、騒然としていた場の空気が一気に凍りつき、ネオ・クライシスの面子で戦闘ができる者は即座に武器を構える。

「響子ちゃん、キュゥべえ、友紀!
急いでクライシス皇帝を引っ張って隠れるんだ!」

光太郎の指示通り、非戦闘員の二人と一匹は急いでクライシス皇帝を引っ張り、近くに隠れようとした。

「待て! その男は!」
「マーダーは死んじゃえ!」

ハクメンはクライシス皇帝を隠そうとする三人を追おうとするが、空の制御棒から放たれたレーザーが放たれ、妨害された。
レーザー自体はハクメンの機動性なら難なく躱すことはできたが、レーザーが消えた頃にはクライシス皇帝含む四人の参加者はどこかへ雲隠れしてしまった。

「おまえ達! 邪魔をするな!」
「そういうわけにはいかないな。OTONAとして、やはりおまえは止めなくてはいかん」
「正義の味方を気取る質の悪い奴が一番いけ好かないな」
「殺す!殺す!殺す!」
「拳王連合軍の手先め! ゆ゛る゛さ゛ん゛!!」

ハクメンは光太郎達に四方を囲まれてしまう。
仲間であるクライシス皇帝が狙われている上に、ハクメンがマーダー集団(と思い込んでいる)拳王連合軍の一員であると知った以上、光太郎達が戦う理由には十分だった。
光太郎の目線ではハクメンはもう凶悪なマーダーにしか見えないのだ。


「もはや交戦は避けられないか……」

頭に説得の余地はないと感じたハクメンは、仮面の中でため息を吐く。

「しかし! ユウキ=テルミや悪を全て滅するまでは!
死ぬわけにはいかないんでな!!」

戦いを避けられないと感じたハクメンは、闘気を解放する。
放たれた強い闘気は、強者揃いであるネオ・クライシス帝国に恐怖を覚えさせた。

「クソッ!」
「うにゅにゅ」
「この気は……」
「気をつけろみんな! こいつはかなり強いぞ!」

肌で感じる闘気は矢車や空はおろか、光太郎や弦十郎でさえ冷や汗を覚えさせられた。
四対一でも油断すれば一瞬で全滅させられる……そんな強者の気配を感じさせた。

「きゅっぷい! なんて凄まじいエントロピーだ!
これはちょっと光太郎や弦十郎でもマズイかも知れない」
「なんですって!?」
「それマジなの?!」

クライシス皇帝を連れて近くの茂みに隠れていたキュゥべえ達もまた、ハクメンの闘気を感じて焦燥させられていた。

(まずいわね、何か打開策を考えないといけないかもしれない)
(これは逃げるべきかな……でも、響子と契約できれば状況は好転できるかもしれないし、う〜ん……)
(光太郎さんや弦十郎さんが負けるようなら寝返ろうそうしよう)

非戦闘員組はそれぞれの生存戦略と思惑を抱いていた。

152信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:25:23 ID:BkNre/Zw0


場面は再び、光太郎達とハクメンに戻る。

(彼らからは凶の気配は感じない。
むしろ善良な魂を持つ者もいる……殺すわけにはいかんな)

ハクメンとしては交戦に対しては乗り気ではなかった。
ボヤボヤしていると滅すべき風鳴翼も名古屋から動いてしまうので、避けられるなら避けたい戦いであり、クライシス皇帝をさっくり殺してさっさと終わらせたいところであった。
故にハクメンはあえてその気はなくとも、言葉の中に「死」のワードを含めて脅しかける。

「死にたくなければそこをどけ。
今なら誰も死なずに傷つかずに済むぞ」

……と。
それで光太郎達が退いてくれるなら御の字だったが、事はハクメンの思惑通りには進まなかった。

「確かにおまえは俺達より強いかもしれない……そう感じるよ。



だが、断る!
クライシス皇帝のためにも、人々のためにも!
ハクメン! おまえはここで倒す!!」
「……何も知らない愚か者め。
話を聞かないなら仕方あるまい。強引に押し通らせてもらう!」

光太郎達はあくまでもハクメンに徹底抗戦する構えであった。
ハクメンはクライシス皇帝を庇い立てする光太郎達との交戦やむなしと思い、腹をくくる。
ハクメンとしてはクライシス皇帝以外の面子は殺す気はないが、この戦闘以後、出会う度に邪魔立てされても面倒になるため、カオスロワの間だけでも再起不能にはなってもらおう。
そう思い、ハクメンは刀を引き抜いた。


大阪の街外れ。
今ここに、悪を滅す正義と、友を守る正義が衝突した。


【二日目・11時00分/大阪府・街外れ】

【ハクメン@BLAZBLUE】
【状態】健康、unlimitedモード
【装備】斬魔・鳴神
【道具】支給品一式
【思考】基本:『ユウキ=テルミ』及び『悪』を全て滅する
0:風鳴翼を滅する前にクライシス皇帝を刈る
1:主催及び世界に災いをもたらす者を『刈り取る』
2:風鳴翼は滅する
3:話を聞かないネオ・クライシス帝国御一行には再起不能になってもらう
※勾玉ゲージ等の状態は次の書き手に任せます
※unlimitedモードに入りました



【ネオ・クライシス帝国御一行】

【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】変身中、右手にダメージ(大)、怒り
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
    カブトゼクター、ザビーゼクター、サソードゼクター、ドレイクゼクター
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
0:ハクメンを倒す
1:クライシス皇帝と空、響子、弦十郎、ついでに友紀と共に行動する
2:人々を脅かす拳王連合軍は絶対にゆ゛る゛さ゛ん゛!!
3:俺は仲間であるクライシス皇帝を絶対に信じる!
4:あの少女(歌愛ユキ)はどこに行ったんだ?
※RXに進化しました。ロボライダーに変身可能になりました。
※バイオライダーにはまだなれません。
※パーフェクトゼクターの使い方を理解しました。


【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】大ダメージ、気絶
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
0:気絶中
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2:一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(主催を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:拳王連合軍の連中はできれば臣下にしたい
5:私のカラオケマイクはどこに行ったんだ?
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。

153信じる奴が大正義!?:2016/08/15(月) 11:25:48 ID:BkNre/Zw0


【霧切響子@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
【状態】健康、ロリ切さん
【装備】様々な資料
【道具】支給品一式、沢山の光彦関連のスイッチ、その他不明
【思考】基本:殺し合いの打開and殺し合いについて調べる
0:戦闘が終わるまで隠れてる
1:苗木くんに会いたい
2:元に戻る方法はあるのかしら……?
※めだか以上まどか未満の魔法少女になれる素質があるようです


【霊烏路空@東方Project】
【状態】悲しみ、やさぐれた……?
【装備】制御棒、地獄兄弟みたいな格好(女性用)
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】基本:さとり様殺した奴は殺す
0:ハクメンを殺す
1:光太郎たちについていく
2:矢車の妹になった!


【矢車想@仮面ライダーカブト】
【状態】変身中、やさぐれ
【装備】ライダーベルト&ホッパーゼクター@仮面ライダーカブト
【道具】支給品一式、その他不明
【思考】
0:ハクメンを倒す
1:光太郎、空を地獄兄弟の弟、妹にする
2:上記のために、光太郎たちについていく。(率先して戦うつもりはない)


【キュゥべえ@魔法少女まどか☆マギカ】
【状態】健康、他の個体が全滅
【装備】なし
【道具】支給品一式
【思考】基本:女性参加者全員を魔法少女にする。
0:身を守るためにクライシス一行に保護してもらう
1:霧切響子は黒神めだか以上の素質を持っている……なんとか契約できないだろうか
2:必ず鹿目まどかとも契約してみせる
3:母星と連絡出来るまでは生き残る
4:ハクメン相手では光太郎達でも流石にマズイかも知れない。いざという時は逃げる


【風鳴弦十郎@戦姫絶唱シンフォギア】
【状態】健康
【装備】ジェットスライガー@仮面ライダー555
【道具】支給品一式、ノートパソコン
【思考】基本:殺し合いの否定
0:ハクメンを倒す
1:翼に会うために大阪で待つ
2:戦えない者(主にKODOMO)たちの保護
3:拳王連合軍は許さない


【姫川友紀@アイドルマスターシンデレラガールズ】
【状態】健康
【装備】大正義巨人軍風のユニフォーム
【道具】支給品一式、予言の書(本物)
【思考】基本:予言の書通りに行動したいから、野球する!
0:戦闘が終わるまで隠れてる
1:野球のメンバーを集める
2:光太郎達が勝てなかったら拳王連合軍に取り入る
3:予言のことを誰も信じてくれない……
※予言の書は本物です。

154闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:40:35 ID:d4U2hlIM0

「アチョ! アチョ――ッ!」
「フン!!」

ラーメンマンの華麗なる足技をラオウの剛の拳で防ぐ。
ラーメンマンの戦い方は北斗の次男の柔の拳に酷似している。
だからこそ対処法はわかる。
一番の難敵は『トキ』であったからこそ。

……ケンシロウ? ああ、ありゃもう一つ上の次元だよ。
ラオウじゃ勝てる要素は無想転生を習得するくらいしかない。

(あのドジョウヒゲ隙がないわね)

MEIKOはラーメンマンの戦い方を観察し、何か弱点を探す。
ピッチャーとしてバッターの癖を見抜くことは重要である。
だが、鍛えられたMEIKOの観察眼をもってしても見極められない。

「ラーメンマンとやら、うぬは何故戦う?」
「――私たち正義超人の矜持は『戦いを通じてわかりあう』ということだ。
 無論、ラオウ……貴様ら拳王軍ともだ」
「ほう、それはこの拳王の心をも理解するということか?」
「そうだ!」

再び構えを取る両者。
ラオウの構えは無双の北斗神拳。
対するラーメンマンの構えは超人拳法。

「「 い く ぞ ! ! 」」

再び両者の拳が交錯する。
連打。連打。連打。
連打。連打。連打。
連打。連打。連打。
連打。連打。連打。
躱し、防ぎ、受け流す。
連撃。追撃。防御。相殺。

両者の嵐のような攻撃を共に尽く防いでいく。
ラーメンマンの華麗なる連続攻撃をラオウは己の拳一つで防ぐ。

まさに絵に描いたような【剛vs柔】。
互いに引けぬ理由がそこにはあった。
ラーメンマンの活人拳とラオウの殺人拳はほぼ互角であった。

「フン!」
「リャァーッ!!」

二度、三度……拳と脚が激突する。
その度に大気が震える。
 
(吹っ飛ばされる……ッ)

MEIKOはその場に留まるの必死だ。
デカオたちは何人かが吹っ飛ばされたが対して問題なかった。
アルベルトや美鈴の死体は軽く吹っ飛ばされ、海に落ちた。
この間に吹っ飛ばされたデカオの何人かが戻ってきた。

155闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:41:00 ID:d4U2hlIM0

(いや、ここまで揺れるのは何かおかしい!)

揺れている。
揺れているのはこの戦艦自体だ。

「二人共、無事ですか!」
「タクア……ムギちゃん監督? そんな慌ててどうしたのよ?」
「いえ、MEIKOさんほど落ち着いているのもどうかと思います!」
「エース投手だからね」

そこに大慌てで紬がやってきた。
しかし、MEIKOはそれでも動じなかった。

「で、何しに来たの?」
「祐一朗さんとシュトロハイムさんとアドラーえもんさんが……死にました」
「!? なん……だと……!」

これには流石のMEIKOも驚いた。
あの半分以上機械のボディだった男たちがこうもやられてしまうとは……
自身はボーカロイドであるが、それでもボディの頑丈さは彼らの方が断然上であった。
 
「まさか……さっきの揺れって?」
「お察しのとおりです……格納庫で大爆発が起こり……祐一朗さんたちは……」
「…………………そう」

MEIKOはあまり悲しまなかった。
いや、悲しいという感情を必死に抑えていた。
緑間の時もそうだったが……やはり、仲間の死は悲しい。 

しかし、この悲報を聞いて感情的になり、一人涙を流す男がいた。

「……この拳王にもまだ涙が残っていたとは……」
(また泣いてる……)

ラオウは号泣していた。

祐一朗……自分を信じて、紅白戦では四番に据えてくれた男。
シュトロハイム……常にやかましかったが、常に軍の士気を上げ続けた男。
アドラーえもん……よくわからない男であったが、不思議な道具を使う男。

配下であると同時に……ラオウはそれなりに信頼していた。
野球というスポーツを通じて、この男に変化が起こったのかもしれない。

「ラオウ……貴様、泣いているのか……?」

ラーメンマンの動きが止まっていた。
ラーメンマンは今でこそ正義超人、アイドル超人の一人であるが。
かって世界最強の残虐超人と呼ばれて恐れらていた。
しかし、キン肉マンたちの戦いが彼を変えた。

「……戦いを続けるぞ! ラーメンマンよッ!!」
「待て、ラオウよ! 貴様はこの殺し合いに乗っているのではないのか!!」
「愚問だな……この拳王は一度たりともあの主催者共に従ったつもりはない!」
「何……?」

涙を振り切り、ラオウはラーメンマンに迫る。

「お二方、待ってください!」
「ぬぅ、止めるな、ムギちゃんよ!」

しかし、その間に紬は割って入る。
 
(……あまりにも早い移動スピード、私じゃなきゃ見逃しちゃうね)

「確かラーメンマンさんでしたか?」
「そうだが、君は?」
「私は琴吹紬と申します……ジョンスさんと悪魔将軍さんから貴方の話は聞きました。
 貴方と殴り合いではなく、話し合いをしたいと思いここまで馳せ参じました」
「悪魔将軍だと……?」
「はい」
「呼んだか?」
「!?」

その威圧感は本物であった。
モンゴルマンの時、レフリーもやっていた。
その時と同じ……いや、今の悪魔将軍はその時以上の凄みを持っている。

正義超人。
悪魔超人。
そして、タクアン。

この三人がこの戦場に集結した。

156闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:41:27 ID:d4U2hlIM0

 ◆ ◆ ◆

しばらく話をした。
その間、飛んできた砲撃は遅れてやってきたプニキやムネリンが打ち返した。
あまりも多すぎる砲台はMEIKOの新魔球『ライジングMEIKOキャノンMk-2』で破壊した。
その際、ホワイトベースの駆動部に着弾したのをMEIKOは見逃さなかった。

「これで少しは大人しくなるといいけどね」 

MEIKOは再びぼやく。
かなりムカついていたが、そのせいもあって起動エンジンには当てられなかった。
平常心の状態だったら、ホワイトベースの指令室をも狙撃(野球ボールで)出来たであろう。

「先に仕掛けてきたのはホワイトベース側だと?」
「はい、祐一朗さんたちの話を聞いたりしたちところ……
 私の推測ではネットの悪意ある風評被害を受けてこうなったこと思います」
「フン、正義超人とはこうも騙されやすいものなのか?」
「……だが、悪魔将軍は何故ここに……?」

「『あやつ』が死者スレを統括している、私はそれを阻止せねばならぬ。
 そのためにはまずは愚かな主催者共を殺す」

「でも、ここ(大阪)は離れた方がいいですね」
「ぬぅ、何故だ、ムギちゃん」
「東京に向かいましょう『虎穴に入らずんば虎子を得ず』です」
「虎ならば殺せばよかろう!」
「一理あるわね」

脳筋二人は放っておいてムギちゃんは話を進める。

「その前に熱斗君たちを回収しないといけないですね」

やるべきことは熱斗たちを回収して東京に向かう。
東京ですべきことはさらなる戦力増強である。
そして、主催者を倒して、真の黒幕を殺す。

「我々は一旦、ホワイトベースに戻るとする」
「でも、そんなことしたら……」
「まァ、そんときゃそんときだ。
 どうなろう構いやしねぇよ……。
 拳王のオッサンや悪魔将軍とも一度やってみたかったが仕方ねェ……」
「フハハ! この拳王どんな相手だろうと戦ってやろう」
「ついでに平等院、死ぬんじゃねェぞ」
「フン……」
 
そして、ラーメンマンとジョンスはホワイトベースの方面に向かっていった。

【二日目・10時00分/大阪・死国】
【甲板】
☆【ラオウ@北斗の拳】 状態:ダメージ(中)/思考:熱斗たちを回収して東京に向かう。
☆【MEIKO@VOCALOID】 状態:ダメージ(小)、/思考:野球がしてぇ……
☆【大山デカオ@ロックマンエグゼ】 状態:全員フルボッコ/思考:やっぱり応援に回る
☆【悪魔将軍@キン肉マン】 状態:ダメージ(小)/思考:『あやつ』の抹殺の前に騒ぎを収める
☆【平等院鳳凰@新テニスの王子様】 状態:ダメージ(大)、ボッコボコ/思考:ちゃんと休みたい
☆【琴吹紬@けいおん!】 状態:左手骨折/思考:死国のシステム復旧は諦めて、高速艇の準備
☆【川崎宗則@現実?】 状態:健康/思考:とりあえずデューオを応援する
☆【プニキ@くまのプ○さんのホームランダービー】状態:健康/思考: 契約外なので戦闘はパス
☆【デューオ@ロックマンエグゼ4】 状態:HP満タン/思考:死国のシステム復旧は諦めて、高速艇の準備
 ※テラカオス・ディーヴァがカオスロワちゃんねるに書き込んだレスをまだ見ていません
 ※すっごく頑張ってました。必死でした。


○【ジョンス・リー@エアマスター】状態:ボッコボコ/思考:どうすっかな……
○【ラーメンマン@キン肉マン】状態:ダメージ(中)/思考:殺し合いを止める

157闘拳乱舞:2016/08/31(水) 10:41:52 ID:d4U2hlIM0


一方、そのころ……


「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」
「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」
「イヤーッ!!」「グワーッ!!」「イヤーッ!!」「グワーッ!!」………………

おお、ゴウランガ! 見るがいい!
これがイマジンスレイヤーの力である。
迫りくるミラーモンスターを己の右腕だけで殴っては殴る。
イマジンスレイヤーのカラテは完全に目の前のジョーカーを上回っていた。

実際強い。

(主催本部の救援は!? こんだけピンチなんだぞ!?)

新城のその願いは……届かない。届くはずがない。
届いたとしても、ユウキ=テルミが「誰がテメェら程度の奴助けるかっての?」程度であしらわれるだろう。
裏切ることに定評があるユウキ=テルミをわざわざ主催側に招いたのは果たして、それはなぜなのか……?

「『フウマ=サン、新城=サン、ハイクを詠め!』」
「くそッ!!」

捨て身のやけくそである。

「Wasshoi!」

向かってきた二人に対して、イマジンスレイヤーのカウンターだ!
イマジンスレイヤーの右足が超速度で連打される。
ブロッキングなどさせない情け容赦がない正確に、一秒間に約七発の速度で。
 
「「サ、サヨナラ!?」」

二人はしめやかに爆発四散。
こうして、イマジンスレイヤーは二人の怪しい男を撃破したのであった。
 
【新城直衛@皇国の守護者 死亡確認】
【風魔小太郎@戦国BASARAシリーズ 死亡確認】

158ターバンのガキ:2016/08/31(水) 10:42:12 ID:d4U2hlIM0

「ふぅ、なんとかなったようだな」
『そうだな』

クロスフュージョンを解いた。
疲労はしている。
戦闘後で『状態:健康』などとは許されない。

死ぬ寸前ではない。
しかし、今休むべき時ではない。
離れ離れになった仲間たちと合流を急がねばならない。
結構な時間が経過した今、仲間たちもピンチかもしれない。

その時である。

「ジョジョ、大丈夫か!?」
「あ、貴方は……ダイアーさん! とディおじさん!」
「ディおじさんではない! ディオだッッ!!!」

無事、応急処置を終えた二人が来た。
死に体からそこそこに体力を回復した二人。 
そして、それなりの治療道具を持ってきた。
二人は見事の気配遮断で激戦をこっそり避けながらも南側から北側に来たのだ。

「今から治療を早く……」
「いや、それよりも皆のところに早く……」
「ダメだ、戦いにおいては死人よりも怪我人の方が足でまといになる!
 君はまだ戦える、少しでも怪我の治療に務めるんだ!!」
「ダイアーさんの言う通りだ、ジョジョ!!」
「そ、そうですか……分かりました……」

渋々、上条さんの体力回復のために一先ず彼らは近くの繁華街に入っていた。
 

【二日目・10時30分/大阪市街地】

【上条当麻@とある魔術の禁書目録】
【状態】全身にダメージ、不幸、首輪解除、本気モード
【道具】シンクロチップ、他人のデッキ(「ぬばたま」デッキ)
【思考】基本:あのAA
0:仲間たちと合流したいが、今は体力の回復に務める。
1:ネットバトラーの一員として主催やマーダーと戦う
2:それにしてもあの怪しい二人組の正体は……?

【シャドーマン@ロックマンエグゼ】
【状態】HP半分
【装備】ムラマサ
【道具】なし
【思考】基本:新しきお館様(上条)に従う
1:敵は殺す、慈悲はない
2:ようやく乗り気になったようだな、お館様
※PETの中にいます

【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】死にかけから立ち直ったので問題ない、首輪解除
【装備】PSP(デューオ抜き) 、十徳ナイフ
【道具】支給品一式×3、シンクロチップ
【思考】基本:ネットバトルとベースボールを極める
0:主催を倒すのはラオウではない、このディオだッ!
1:ジョースター家を手に入れる
2:ジョジョより優越感を得る
3:熱斗達にネットバトルを挑むのは後回しだ!
4:デューオがいなくても、勝つのはこのディオだッ!
5:シンクロチップを手に入れたし、デューオとクロスフュージョンしたい


【ダイアー@ジョジョの奇妙な冒険】
【状態】割とダメージがあるが少し回復した、首輪解除
【装備】イカ墨とパスタ@現実
【道具】支給品一式、治療道具、その他不明
【思考】基本:主催を倒す
1:ディオとかいう奴も倒す
2:仲間との再会
3:ストレイツォ……
※ディオを『吸血鬼ディオ』と思っていません。
※何か見ましたが、別に物語とは関係ありません。

159 TCBR10第5回放送:2016/08/31(水) 16:57:25 ID:0VMOFFSA0
ピーンポーンパーンポーン♪
時刻は11時01分。少し遅れたが、第5回放送である。
そのアナウンスを務めているのは、驚くべき人物だった。

「国民の皆さん、“新”内閣総理大臣の、安倍晋三です。
それでは、死者を読み上げます。

でたらめな手話の黒人男性、浅倉威、黒神めだか、火黒、フリーザ(第一形態)、コルド大王、
ザーボンさん、ドドリアさん、ギニュー、リクーム、ジース、バータ、空蝉丸、田村直人、
ヘルクラウダー、ラージャン、デスマンティス、冥闇に堕した者、シャーロック・シェリンフォード、
殿馬一人、大魔神軍、ドラゴニック・オーバーロード“The Яe-birth”、
ヤムチャ、ウルフマン、ガゼルマン、独眼鉄、海蛇座の市、ゴッド・リー、カツ・コバヤシ、
デュデュオンシュ、野球仮面、トカゲロン、デューク渡邊、クマ吉くん、タケシ、野比玉子、
アビゲイル、ジャミラス、ムドー、緑間真太郎、久慈川りせ、小早川ゆたか、アカムトルム、始原の幼子、
鬼灯、かれん、河名コトミ、海動剣、真上遼、長井伸助、乃士勇造、出川実、蚊、ビアン・ゾルダーク、
ザ・ニンジャ、風見幽香、デウスエクスマキナ、飛竜、ジョナサン・ジョースター、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、
海のリハク、日番谷冬獅郎、レオナルド博士、リグル・ナイトバグ、ゼブラ、城茂、ダルメシマン、
ヒッポリト星人地獄のジャタール、ブロッケンJr.、ラッド・ルッソ、トレバー・フィリップス、ムートー、
スティーブン・セガール、キュイ、多木康、博麗霊夢、神体フォーマルハウト、吉川ちなつ、
火野ケンイチ、ファイアマン、ケロロ軍曹、安錠春樹、加治木ゆみ、ブルマ、リオレイア、クラウディウス、
櫂トシキ、アドラー、紅美鈴、オートバジン、カーネル、衝撃のアルベルト、大山デカオ、バーダック、
ブラックホール、ペンタゴン、美国織莉子、呉キリカ、本部以蔵、三島一八、マッスル狂信者の群れ、
ギリメカラ、セプテントリオン・ミザール、メタルシザース、ケルベロス(小)、死を呼ぶ骨竜、
トキ、久保帯人、魂の裁断者、中野梓、雷鳴と共に現る者、ミカルゲ、ベノスネーカー、ソリア、
野比玉子、高山春香、園田優、レミリア・スカーレット、十六夜咲夜、ビーストマン、大尉、
松岡修造、ヒートマン、クリフト、龍脈の龍、狭間偉出夫、峰津院大和、メタトロン、ニャルラトホテプ、
タバサ、衛宮切嗣、善野監督、錠前ディーラー・シド、避難所民№134、幻体真竜No.3、幻視竜王、
第三真竜ニアラ、99%再現ニアラ、統合世界第三真竜ニアラ、幻視竜王・影、神体ニアラ、
野比のび太、芽兎めう、烈海王、ルドル・フォン・シュトロハイム、光祐一郎、雷電、
賢神トリン、聖煌天の麒麟・サクヤ、究極邪龍・ヘルヘイム、シーザー、ゴロリ、チェイス、
星輝の黄龍帝・ファガン、水木一郎、まこちー、音無キルコ、スニゲーター、ロックオン・ストラトス、
メガボスゴドラ、呉島貴虎、スラリン、マーラ様、新城直衛、風魔小太郎

追加される禁止エリアは四国です。
では、これにて放送を終了します。」

安倍晋三が放送を行ったのには理由がある。
九州ロボに拠っていた主催陣は超人血盟軍によって奇襲され、幹部が散り散りになり、テルミの裏切りにより特務機関も壊滅。
その結果九州ロボに残った主催陣はモブのみになり、その隙を突き安倍晋三が主催陣残党(と言っても全員モブ)を粛清し、主催を乗っ取ったのだった。

【二日目・11時01分/日本・九州ロボ某所】

【安倍晋三@現実?】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】不明
【思考】
基本:とりあえずバトルロワイアルを続ける
1:ロワを主催する
※主催を乗っ取りました

166いずれ来る未来の危機:2016/09/04(日) 22:18:15 ID:7cEnzpqA0
「どおりゃあっ!」
「ぶぺぇ!?」

 桑原の放った拳が、狂った男の顔面をとらえて粉砕する。

「くそ、なんなんだよこいつら、次から次へと湧いてきやがって……」
「狂信者と言われるだけはあるね。僕らだから狙ったんじゃなくて、生きてれば誰が相手でもいいみたいだ」
「めんどくせぇ連中だよ本当に……ま、なのはが見たっていうやばい連中よりは数段マシだが」
「う、うん」

 彼らは首相官邸を拠点としていた対主催グループであったが、突如謎の全裸のオカマに襲撃され窮地を迎えていた。
 しかしメンバーの一人、なのはが所持していた千年タウクの力と、彼女自身が目にしたオカマ達の強さの情報が鍵となった。
 
 原理は不明だが、魔力の収束を妨害する濃霧。おそらくこれが原因であの歪みし豊穣の神樹すら敗れてしまったのだろうと、
 慌てて駆け込んできたなのはに対してユーノは冷静にその結論に達することができた。
 何がなんでも彼女を守る、ただそれだけの信念で、怒りの感情以上に彼はまだ冷静であることができたのだろう。
 しかしながら、冷静であるが故に彼は自身の無力さに怒り震えた。
 神樹の戦闘能力は自分達グループの中でどころか、おそらく参加者全体から見ても最上位であろうことは想像に容易い。
 その神樹が敗れ、さらに魔力を使った攻撃を封じられた状態で、未知の襲撃者に正面から挑んで勝てるのか?

 答えは否。

 力が欲しい。心の底からユーノは思った。
 しかし無いもの強請りをしている余裕などあるはずもなく、彼は一つの決断を下した。
 それすなわち敵前逃亡、戦略的撤退。
 なのはからの報告で既に瀕死の状態であった神樹とエリカを見捨てるような決断であるが、ここでただ何もできず全滅するわけにもいかない。
 幸いにして、次元刀と持つ桑原と強力な風で障害物を力づくで壊して進めるハス太がいるのだ。
 敵がいるであろう正規の階段からは逃げず、新たに作り上げた道から地上に脱出、一縷の望みで、生きていればエリカ達を助けてそのまま逃走。
 これがユーノが立てた作戦であり、それは迅速に決行された。

「やたらこっち方面から狂信者が向かってくるが、どうなってるんだ?」
「多分だが、さっきからドンパチやってた都庁で敗けて撤退でもしてんじゃないか?
 なにしろなんでか知らないが、都庁のバケモンに神樹がくっついて共闘してたんだ。あんなん勝てる奴いねえだろ……」

 ただ彼らにとって嬉しい誤算だったのは、神樹が死亡せずに離れた地で健在であったことだ。
 彼が都庁の怪物と共闘し、都庁を破壊しようとする連中を巧みに薙ぎ払っていたのは遠目でも十分に確認することができた。
 これらから判断できるのは、おそらく都庁の魔物が瀕死の神樹を救い、おそらくエリカも無事であろうこと。
 神樹が都庁の怪物と共に戦っている点からして、少なくともネット上の情報のように、出会った瞬間戦闘になるようなこともないだろう。
 神樹の仲間であることを告げれば、対話の余地は十分にある。うまくいけば、オカマ達を倒す力にもなってくれるかもしれない。
 二人と合流する目的もあり、ユーノ達は追っ手に警戒しつつ、都庁を目指している最中なのだ。

167いずれ来る未来の危機:2016/09/04(日) 22:18:50 ID:7cEnzpqA0
「もうちょいで都庁だが……ハス太、例の連中につけられたりはしてないか?」
「う、うんだいじょうぶ。邪悪な気配はかんじないよ。でもそのオカマさんからしてもきっと神樹さんがいきてたのは想定外だと思うんだ。
 ぼくたちと同じように、都庁をめざす可能性はやっぱりあるよ……」
「敵の目的が首相官邸そのものだった場合とかは追ってくる可能性は低いけど、残虐かつ極めて高い戦闘力を持っているのは間違いない。
 仮に追ってきていたとしても、戦力や情報の共有のためにもやはり神樹との合流は欠かせない。ここはとにかく都庁を目指すしかないよ」

「SATSUGAIせよ! SATSUGAIsぐわああぁぁぁ!?」

「だあああぁぁぁ! ほんっとに邪魔だなこいつら!」

 どこからでも湧いてでる狂信者を蹴り倒し、一同は都庁へと近づいていく。
 もう間もなくで大激戦区都庁、そして放送の時間だ。
 果たしてそこで彼らを待ち受ける運命とは?



 「ふふっ……」

 誰もが少なからず不安の感情を抱くなか、なのははただ一人小さく笑っていた。
 無論彼女とて不安がないわけではない。ただそれでも、最悪の未来……千年タウクが見せた悪夢が回避できたことが嬉しくて仕方がなかった。
 これまでも千年タウクはなのはに恐ろしい未来を見せてきたが、その未来はことごとく外れている。
 正確には、未来を知ったなのは達がタウクの未来を変えているのだが。
 
 もし、首相官邸で真っ向からオカマ達に挑んでいれば、勝ちこそすれユーノは謎の怪物となり犠牲者が出ていたかもしれない。
 だがこうして自分たちは戦うことを避け、都庁へ向かっている。これにより、また千年タウクの見せた未来は変わったのだ。
 もっともこの未来改変に関しては、神樹が死亡しなかったという点が大きいのだろう。
 恐ろしい外見の神樹を治療したと思われる、都庁の心優しき誰かにも、なのはは感謝していた。
 もはやネットを確認するまでもなく、DMC狂信者と戦争を繰り広げている都庁は確かに危険地帯ではあるが、
 その神樹を癒してくれた者や神樹本人がいれば、オカマ達への対抗手段ともなりうる。
 目の前の脅威さえどうにかすれば、改めて世界滅亡の危機を回避する方法を探すことができる。

「……」

 ここでなのはは、大丈夫と思いつつも千年タウクに触れた。
 もはやタウクの見せる未来に恐怖しすぎることはない。これまで変えてきたのだから、きっとこれからも変えられる。
 むしろ先を知ることで、より慎重な行動を心がけることができる。
 そんな思いから、以前よりも軽い気持ちで、この後に役立てるつもりで、そっと、触れた。








 未来がいつでもいいものだなんて、変えられるものだなんて、誰が言った?

168いずれ来る未来の危機:2016/09/04(日) 22:20:41 ID:7cEnzpqA0
□ □ □


 都庁に辿りついたなのは達を待っていたのは、あまりにも予想外の展開であった。

「君はすぐに治療する必要がある」

 都庁の地下へと連れ去られるユーノ。

「さあ、尻を出せ」
「ひいぃぃ!?」

 多くの者が見る中、ズボンを引きずり降ろされる彼の表情は怯えきっていた。
 当然晒されるのは尻だけではない。なのは専用の、ショタテングダケ改めマンモスもだ。

「や、やめてくれ! どうしてこんなことを!? う、うわあああぁぁぁぁ!?」
「暴れんな、暴れんなよ……安心しろ、私のテクニックはマーラを超えているからな」

 おぞましい触手の化け物が、ユーノの身体を拘束する。
 それを見つめる都庁の人間達は、止めようともしない。むしろ真顔で見つめている。

「ふ、やはり巨根ランキング一位は俺で不動のようだな」

 赤いドラゴンだけは何故か勝ち誇った笑みを浮かべていた。

「た、助けて……」
「……これは、君と、君の仲間を助けるために必要な行為なんだ」

 助けを求めるユーノに対して、金髪の青年は諭すようにユーノの肩に手を置く。
 しかし軽く置かれたように見えて、怪力でユーノの一切の身動きを封じている。

「あの子は、君の大切な人なんだろう? それなら今すぐ治療を受けるんだ。
 治療が遅れて、肝心な時に大切な人のそばにいられないで……守れないなんて、喪うなんて、嫌だろう!?」
「そ、それは……」

 なのはを引き合いにだされ、拒絶反応を示していたユーノの動きが一気に鈍る。
 妙に実感のこもっていた声色に、たまらずユーノは青年に向き直って質問を試みる。

 ぶしゃっ!

 力説しすぎた青年の肛門から、大量の血液が吹き出した。
 そのまま青年は崩れ落ち、尻を押さえながら悶えている。

「え……治療って、こうなるの……!?」

 倒れ伏した青年が、これは別件のせいだからと言うがもはや信用ならない。
 ガチガチと歯を鳴らしながら、ユーノは青ざめた表情で反対側にいた少女に助けを求める。
 桃色の長髪が愛らしい、優しそうな少女だ。

「大丈夫だよ。きっと貴方も、お尻で気持ち良くなれるから。初めてでも、きっと大丈夫!」

 そんな少女から告げられたのは、無慈悲な言葉。
 加えてやはりがっちりと肩を押さえつけられている。逃げ場が、ない。

「それでは、治療を開始します。特急コースで、私の超絶技巧の舌テクをご堪能ください」
「や、やめ――あ、あっ、アァァァァ―――――――――ッ!!?」

 絡め取られたユーノの肛門に、化け物の舌が捩じりこまれていく。
 そしてやがてユーノの表情は恍惚としたものへと変化し、マンモスまでもがノーズ・フェンシング状態となり――

□ □ □


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