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カオスロワ避難所スレ2
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こちらは投下スレです。
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(あの完全催眠も、穴はあるはずだ。
少なくとも、元からか制限のせいかはわからないが、一度発動した催眠は必ずしも永続というわけではない。
ナッパがリオレウスを誤爆した直後、僕らは傷ついたリオレウスと移動していた久保帯人を見ている。
つまりあの時は一度催眠から解放されているんだ。そしておそらく、目の前で傷ついているナッパは本物のナッパだ。
視界に映る全てが催眠ではない、奴が同士討ちを優先的に考えているとすれば、おそらくあれも……)
否、正確にはギムレーは一手だけ、戦局を変えられるかもしれない作戦を考えついていた。
(だが……)
しかしその作戦は、彼の器であるルフレが考えるような作戦ではない。
何も知らない第三者、いやドラゴンズの仲間やナッパからも批難されるだろうほどのものだった。
絶望と破滅を司るギムレーからすれば、本来は躊躇いもなく実行できる手段なのだが……
(くそ、僕は何を躊躇っているんだ。我はギムレー、絶対の存在。世界に絶望と破滅をもたらす邪竜、そのはずだ。
なのに、何故……?僕の中のルフレの記憶のせいか、あるいは……野球をしてしまったせいなのか?)
視線を動かせば、ナッパは今も見えない久保帯人を相手に戦っている。
全身ボロボロの状態で、しかし何かに突き動かされるように、ナッパは倒れる素振りすら見せない。
(仲間……絆……ああ、そうか)
ギムレーはナッパの行動を振りかえる。
彼は真っ先にドラゴンズとイチローチームの共同戦線を受け入れ、久保帯人の裏切りに激怒していた。
それだけではない。大魔神軍の死にも怒りを露わにしていた。
おそらく、自分と同じく冷酷で残虐な種族であったであろうナッパが。
(野球に出会って人生観が変わったと言っていたけど、どうやら本当らしいね。
まさか僕もそれと同類に……いや、こんな作戦を思いつく時点で僕とナッパは別物か)
自嘲気味に乾いた笑い声を漏らしながら、しかしギムレーの掌には闇の力が既に集まっていた。
(だが、こんな絶望的な状況下で『仲間』を助けるには……これしかない)
掌を地面に押し付ける。
完全催眠と言えども天地の認識をひっくり返すことまではされていないのは確認済み。
確実に地面であると断言できるその場所に、邪竜ギムレーの力が染み込み、駆け巡っていく。
(おそらく、地中から『甦らせる』ことは制限状態では無理だ。だが『目の前に』あれば、きっと……)
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それはとてもとても残酷で。非道で、無慈悲で、血も涙もない所業。
心境に変化があったとはいえ、冷静な軍師の一面も持つギムレーはそれを決行した。
「――ッ!」
びくりと、地面で何かが蠢いた。
(完全催眠には発動条件があるはず。『鏡花水月』が手元にある限りと奴は言っていた……
つまりおそらくは、あの刀を対象者に見せる行為こそが条件。完全催眠にかかる前に、絶対に刀を見ずに済む状況を作り出せれば……)
「――ァァァ」
蠢いたそれは、小さく不気味な唸り声を上げる。
ぎらりと輝くは、鮮血のような眼光。
(……っ、我が命ずる。両の眼を自ら潰せ。臭いで敵を捕捉せよ)
「――ア゛ア゛ッ!」
(本能に従い『人間』を襲え。それに奴にはまだ……君の血の臭いが残っている)
「――オオォ!」
蠢いていたそれは、ギムレーから送られる指令に忠実に動いた。
迷わずに赤眼を潰し、鼻を頼りに久保帯人を狙いに行く。
元は死人。鏡花水月による完全催眠の影響下にはあらず、視力を失うことで以後も催眠状態に陥ることはない。
とある世界を絶望で包み込んだギムレーが無尽蔵に生み出す生体兵器『屍兵』
その名の通り、人間の屍を材料として生み出される異形の怪物だ。
戦争で死んだ名もなき戦士達は勿論、英雄と呼ばれる程の存在でさえ、死んでいれば屍兵に変えることができる。
しかしあらゆる蘇生手段が使えなくなってしまったこの世界では、屍兵の製造も封じられていた。
殺し合いの世界、屍兵の材料など見渡す限りに転がっているにも関わらずギムレーがこれまで使用しなかったのもこれが原因である。
だが混沌の騎士がメガザルの腕輪で瀕死の仲間たちを救って見せたように、たとえこの状況下でも超強力な術や道具は多少の効果を発揮できる。
故にギムレーは実行した。
『とてつもなく新鮮な死体』に『邪竜ギムレーが直々に力を流し込む』ことで、短時間しか動けないが本来のものに遜色ない屍兵を作ったのだ。
「グルオオオォォォォォォ!」
出来たての屍兵……否、かつて『吉川ちなつ』と呼ばれた少女の怪物は釘バットを構えて猛然と走る。
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そして、釘バットはギムレーから見れば何もない空間に振り下ろされた。
だがその釘バットは『見えない何か』で防がれる。
ちなつの屍に与えた指令、見えない何か、それの正体など一つしかない。
「みんな!あの場所に攻撃するんだ!久保帯人本体はあそこにいる!」
自身もトロンの雷を極限までチャージした状態でギムレーが叫ぶ。
「わ、わかったぜ!火達磨になって無様に前転繰り返しやがれ!」
「オチン○野郎になんか絶対に負けない!裁きを下してくれるわ!」
それに合わせるように、リオレウスの炎の球とソウルセイバーの光の球が放たれる。
確実に致命傷たりえるドラゴンズ渾身の一撃だ。
そんなものを放てば、久保帯人に襲いかかったちなつの屍も跡形もなく吹き飛ぶ。
それをわかっていながらも、ギムレーは雷の砲撃を解き放った。
いくら屍兵とはいえ、素体は戦闘力を持たないちなつ。久保帯人の気をひけるのは一瞬であり、チャンスはこの一度しかないからだ。
「縛道の八十一『断空』」
「なん……だと……!?」
そんな一度きりの逆転のチャンスを。
仲間の屍を弄繰り回し、眼を潰させ、挙句捨て駒にするという非道な作戦をとったというのに。
たった一言、久保帯人の声が響いただけで。
全てが無へと還った。
「なるほど、この俺の催眠空間内で増援を作った上で眼を潰させるとは……なかなか恐ろしい真似をしてくれる。
だが詰めが甘かったなギムレー。お前の雷もそこの気持ち悪い女の光も霊術や魔術の類、チキンの火球も赤火砲と変わらない。
この八十九番以下の破道やそれに準ずるものを完全に防ぐ俺の断空の前じゃ……何発撃とうが無意味なんだよ」
ゆらりと、久保帯人が姿を現す。
ちなつの屍をなんなく撥ね退け、愕然とするギムレーを見下すかのような笑みを浮かべながら。
「だからいったろ?俺は、完全催眠に頼るだけの男じゃないってよぉ?」
「く……!?」
「でもちょっとだけ驚いたぞ。褒美にお前から殺してやるよ。
破道の九十……黒ひっっぎいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!?」
「!?」
今まさにギムレーを葬ろうとしていたシリアスな久保帯人から、非常に情けない声が漏れた。
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それの理由は、すぐにわかった。
「ち、ちなつ!?」
あっという間に久保帯人に返り討ちにされ、地面に転がされていたちなつの屍が釘バットを久保帯人の股間へ振り上げたのだ。
断空はドラゴンズの猛攻から久保帯人を救ったが、同時に彼の側にいたちなつも救っていたのである。
そしていくらさほど強くはないとはいえ、屍兵の一撃を人体の急所に、しかもとびきりえげつない武器で強打されたともなれば。
「あひ、あひぃぃぃん!?」
どれだけ残酷で絶対な力を持つとはいえ、人間の男であれば悶絶しないわけがない。
さらにいえば、今の一撃はタマだけでなくホモには欠かせない大事な竿にすらも致命的なダメージを与えていた。
野望のためだったとはいえ、野球チームの監督が男の誇りをバットにより打ち砕かれるのはなんという皮肉だろうか。
「うおおおおおおお! くらえ久保帯人ォォォォォォ――――――ッ!!!!!!」
そんな悶絶する男に、絶叫しながらナッパが殴りかかる。
最高の技で跡形もなく消し飛ばすことも考えたが、彼の中には純粋な怒りがあった。
仲間を裏切った男を、この手でぶん殴りたいという強い怒りが。
そして戦闘民族サイヤ人の本能が、断空が気による攻撃も防ぐ可能性を見出していた。
この一瞬の戦闘、刹那の時ながらも視界に映った元ちなつと思われる少女には、手を出したくないという思いも。
「ひぎっ、ば、縛道の八『斥』……!」
結果として、ナッパの選択は正しかったと言える。
もし強力な技で攻撃して、倒し損ねてしまえば相手は土煙に乗じて退避、完全催眠で安全圏まで逃げてしまうだろう。
そして久保帯人の操る鬼道は強力ではあるが、接近戦で純粋な物理攻撃を防御する盾を生み出す術は断空よりも遥かに弱い。
ナッパの剛腕が、防御に使用された鏡花水月を粉々に粉砕する。
その勢いのまま鬼道で生成された盾も貫き、久保帯人の腕を破壊した。
「――ッ」
鬼道を唱えようとしたのか、それともなっさけない悲鳴でもあげようとしたのか。
しかしそのどちらも実現する前に、ナッパのもう一方の拳が久保帯人の顔面へ叩き込まれる。
ボッ!という音が響くと同時に、裏切りの監督はこの世を去るのであった。
「はぁ……はぁ……や、やったぜ……!」
「霊圧も感じないし、あのゲス○チンポが起き上がる気配もない。どうやら倒せたとみていいようですね」
「おい、伏せる位置ちがくね!?」
肩で息をするナッパに、ドラゴンズの面々が駆け寄る。
鏡花水月が破壊され、久保帯人が死んだことで完全催眠も解かれたのだ。
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「……」
そんなメンバーを、倒れ伏した屍が見つめていた。
眼は潰しているためその姿を見ることは叶わないが、臭いで判断しているのだろう。
そんな屍も、時間制限か或いは久保帯人の攻撃によるせいか、崩れて霧になっていく。
言葉も遺品も、何も残すことなく、消えていく。
「……」
「なあ、ギムレー。さっきのあれはやっぱり……」
「……そうだ。吉川ちなつ、彼女の屍を僕が兵にした」
消えていく屍を見ていたナッパは、先ほどよりは落ち着いた様子でギムレーに問いを投げかける。
ギムレーもそれに誤魔化すことなく答えて見せた。
リオレウスとソウルセイバーは僅かに驚きの表情を浮かべるが、以外にもナッパは激昂することはなかった。
「あいつ、さっきは助けてくれたんだよな。あれも、お前が命じたのか?」
「……最初はね。だが、倒されてから起き上がり、凶器で急所攻撃なんて追加命令はしていない筈なんだ。
おかげで僕は命拾いしたわけだけど、まさか偶に見られた自我の残った屍兵……?だが強固な精神を持つ英雄でもない彼女が……」
「理由はなんだってかまわねえよ。確かなのは、俺達のチームにはちなつが確かにいて、そいつに救われたってことだ」
「……」
それぞれ思うところはあるだろう。
しかし、彼らには休む間も悩む間もない。
久保帯人の裏切りは予定外のことであり、本来の倒すべき強敵はまだ残っているのだから。
「よし、とにかくイチロー達も早く助けて……っおぉ?」
「無茶をすんなナッパ!お前が一番ダメージ受けてるんだぞ!?」
「私達も少なからずダメージを受けています。あの触手オ○ンポが気になるところですが……」
「心の底から認めたくないが、今の僕らじゃ足手まといだ。まずは傷を癒す手段を探さないといけない」
「チ、チクショウ……!みんなが危険な目にあってるってのに……!」
ぎりぎりと歯噛みするナッパだが、その足取りはふらついている。
常人であればとっくに死に絶えているであろう程の傷なのだ。立って喋っていることすら奇跡である。
「俺が、ワールドツアーで何か探してくるか?」
「待てリオレウス、もはや飛ぶことすら控えた方がいい。この関東周辺は僕から見ても化物のような連中がうじゃうじゃいる。
回復しきる前にうかつに空を飛べば、最悪モブの狂信者にすら撃ち落されかねないぞ……」
ナッパ達のもとから、ひとまずの危機は去った。
しかし失った代償は大きく、決して軽視できない傷も受けた。
そして久保帯人が倒れ、彼の野望が潰えたとしても、彼の目的がはからずも遂行されてしまう危険はまだ在る。
狂信者と触手男の襲撃により、既にドラゴンズは野球を行えない状態。
霊夢とちなつが犠牲となり、イチローチームも存続の危機。
そして彼らは知らないが、あの拳王チームも次々にスタメンを失い、超人チームは既に崩壊。
ウルフハリケーンズは狂信者の手により壊滅し、聖帝軍も続いて狙われている。
久保帯人の暗躍だけでなく、野球選手はいつでもどこでも命を狙われているのだ。
全てのチームが機能しなくなった時、救いの予言は果たしてどうなってしまうのであろうか……
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【二日目・9時00分/千葉県木更津市から南側】
【イチローチーム+ドラゴンズ B】
【ソウルセイバー・ドラゴン@ヴァンガード】
【状態】大ダメージ、巨乳
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:世界を救うためにも、オシリスについていく
0:ドラゴンズAチームが気がかり
1:人間のオチ○ポには絶対に負けたりしない
2:都庁軍討伐は後
3:都庁軍は絶対に信用しない
※♀です
【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】
【状態】大ダメージ、中魔力消耗、人間形態
【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜の鱗
【道具】支給品一式、不明品
【思考】基本:野球で優勝して、自分の信者を増やす
0:傷を癒す手段を確保したいが……
1:ドラゴンズAチームが気がかり
2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい
※外見はデフォルト設定の銀髪青年です
※制限により、しばらく邪竜形態でいることはできません
※首輪を外したとしても、屍兵は簡単には生み出せません
【リオレウス@モンスターハンターシリーズ】
【状態】ダメージ(大)
【装備】不明
【道具】支給品一式
【思考】基本:へたれイメージ払拭のために野球で優勝する
0:ドラゴンズAチームが気がかり
1:オシリスに着いて行く
2:実はレイアと仲直りしたい
【ナッパ様@ドラゴンボールZ】
【状態】特大ダメージ、野球脳、激しい怒り
【装備】なし
【道具】一人用のポッド
【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、イチローチームを優勝させる
0:早く傷を治して仲間を助けに行きたい
1:あの触手男も倒す
2:野球を邪魔するDMCは許さない
3:バーダック生きてたのか
4:あのガキ(光熱斗)にはいつか報復する、野球で
5:ベジータはそのうち探す
6:無事でいてくれよみんな……
※回復した場合、戦闘力が大幅に上昇します
【久保帯人@現実?】死亡確認
※鏡花水月以外の支給品は放置されています
※ちなつの遺体と支給品が消滅しました
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時刻は9時前。
ここは巨大な世界樹と化した東京都庁の地下北部。
影薄組がセルベリア・トキを中心としたDMC狂信者の陽動部隊と戦闘を繰り広げていた頃、こちらでもDMC狂信者の一団による襲撃を受けていた。
地下から侵入した部隊はセルベリア・トキの一つだけではなかったのである。
「「「SATUGAIセヨ!! SATUGAIセヨ!!」」」
ざっと見て50人以上は確実にいるであろう人数の狂信者達が地下北部に侵攻してきていた。
それぞれが武装した銃、もしくは死に物狂いで鍛錬を積んで覚えた魔法や格闘技でダンジョンに破壊をもたらしている。
だが、これに対して黙って見過ごす都庁の軍勢ではない。
世界樹に爆弾を仕掛けんとする貴虎捜索に出ていた者達の中である三匹が騒ぎを聞きつけ、狂信者討伐のために北部に現れたのだ。
『シャアアアアア!! ブラインドブレード!!』
「目が、目が〜!?」
FOEの一角にして、都庁の守護者の一匹、アイスシザース。
デスマンティス達につけられた傷もとうに癒え、万全の状態でモブ狂信者達を死に誘う大鎌を振るう。
『力溜め……からの荒れ狂う爪牙だクマッ!!』
「うおおおおお!? クラウザーさん万〜歳!!」
さらにFOEの一角であり、かつて都庁の門番であった熊、魂の裁断者。
風鳴翼とぼのぼのに深手を負わされ一時的に戦線を引いていたが、レストの治療の甲斐もあり、つい先ほど復活を果たす。
門番の役目こそレストに譲ったが、世界樹を守る役目は現在も同じであり、世界樹を侵さんとする狂信者達をその爪で容赦なく裁断していく。
そして。
『我が吐息で灰になるがいい! サンダーブレスッ!!』
「「「ぎゃああああああああああ」」」
大量の狂信者を雷撃のブレスで宣言通りに灰にしたのは、都庁の軍勢の元リーダーである雷竜。
雷鳴と共に現る者、雷竜クランヴァリネである。
今でこそ純粋な実力や指揮能力の差、そして信頼に値する者としてリーダーの座をダオスに譲ったが、その実力は今でも都庁の軍勢上位クラスである。
少なくとも、メギドを覚えた程度のモブ狂信者に敗れることはないであろう。
雷竜、アイスシザース、裁断者。
この三匹が現場に駆けつけ、狂信者達の進軍を押し止めていた。
『こいつら、クマを喰おうとした貧乳の女やラッコほど強い奴はいないみたいクマ! いけるクマー!!』
『油断するな裁断者! おまえは復帰したての病み上がりなんだからな』
『だが、我々にとって大切な住処である世界樹である都庁に土足で足を踏み入れたこやつらの罪は重い。
この中にはどうやら貴虎に該当する輩はいないようだが、破壊工作を手伝おうとしているのは明らかだ。
みすみす見逃して被害を拡大するわけにもいかん。
アイスシザース! 裁断者! 必ずや、こやつらを皆殺しにするぞ!!』
『『応ッ!!』』
長の声に応じ、二匹のFOEは士気を上げた。
それに比例して地下の一角に狂信者の死体が次々と積み重なっていった。
狂信者側は数こそ圧倒的に多いが、三匹の実力に及ぶ戦力は持っていないようだ。
こちらには南部側に出現したセルベリアやトキのような実力者はいないようであり、三匹による駆逐は容易に可能と見られていた。
そう……何事も起こらなければ。
それは、彼らと狂信者との戦闘中……唐突にやってきた。
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『次は呪縛の円……なに!? こんな時に地震だと!?』
突然に、彼らのいる世界樹の地下が揺れだした。
知らぬ者、魔力の動きがわからぬ者にはただの地震と思うかもしれない。
実際には同時刻に大和の召喚した龍が世界樹に攻撃を仕掛け、世界樹そのものが攻撃を受けたことによる余波が地下に響いているのである。
『……いや、違う。これは地上が攻撃を受けているのか!?』
『わかるのですか雷竜様?!』
『地上が攻撃を受けているですとクマ?!』
『この魔力の大きさ……まずい!! これは果たして地上に戻るべきか?』
地上から磁波もしくは多大な魔力の動きを読み取り、雷竜は地上が攻撃を受けていると結論づけた。
フォレスト・セルに結界やミザールなど、二重三重の防衛手段があるにも関わらず世界樹が打撃を受けた事実は、三匹を戦慄させるには十分であった。
狂信者側もこの地震に対して何か思い当たる節があるのか、退却を始めだした。
それを踏まえて、雷竜の脳裏に地上に引き返すべきであろうか、という疑問符が頭をよぎる。
しかし、彼らが行動を起こすより早く、ダンジョンの天井から大量の土砂と落石が三匹の頭上に降り注いできた。
『危ない!! 落盤だ!!』
『うおおおおおおお!!』
『クマァーーーーーーーーーーー!?』
防御手段を持たない三匹と、逃げ遅れた狂信者が落石と土砂に飲み込まれていった……
『……ようやく収まったか』
やがて大地震は収まり、土砂と落石の雨が止んだ。
その雨を雷竜はその身に受けたが、命に別状はなく、大したダメージは受けなかった。
落石によってダメージは受けはしたものの雷竜の防御力と耐久力でこれを凌いだのである。
土砂崩れや落盤程度で命を落とさなかった点は流石は都庁の軍勢を率いていただけの存在であると言えよう。
『くッ、怪我は大したことはないが……身動きがとれん……!』
しかし、ダメージこそ少ないものの、完全に無事で済んだとは言えなかった。
頭を除いた全ての部位が、不運にも土砂に巻き込まれて埋もれてしまったのだ。
今の雷竜は首以外は動かすことができないでいる。
『せめて私にも氷嵐の支配者のようなミラーシールドが使えれば……こんなことにはならなかっただろうに……
たらればを吐いてもしょうがないが……フンッこのッ動けッ! ……ダメか』
必死にもがいて脱出を図ろうとするも、爪一つ動かすこともできない。
相当な量と重さの土砂が積もっているのか、雷竜の力をもってしても自力脱出は不可能であり、抜け出すには他者の手を借りる必要がありそうだ。
『うむ、一緒にいたアイスシザースと裁断者は無事だろうか?
死んでるとは思いたくはないが……ん?』
するとそこへ、ダンジョンの闇の奥から一匹の熊が現れた……裁断者だ。
どうやらあの落盤の中で雷竜同様生き残れたらしい。
『魂の裁断者! 無事でだったか!』
『……』
『すまぬが助けてくれまいか? この通り身動きがとれんのだ』
雷竜は部下である魔物に助けを請う。
何をするにしても埋もれた体を出す必要があり、そのためには裁断者の協力が必要であるからだ。
『……』
『裁断者……?』
しかし、助けを求められた裁断者は返事をしない。
そして、僅かな間の後に、雷竜は裁断者の異常にいよいよ気がつくのであった。
『!!?』
よく見ると裁断者の頭部が凹の形にヘコんでいた。
二つの目からは眼球と脳漿が飛び出している。
裁断者は既に死んでいた……
【魂の裁断者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡確認】
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「やったDEATH! クラウザーさんに生贄を更に一匹捧げることができたDEATH!」
裁断者の巨体がズシンと前のめりに倒れると、そこから血のついたギターを抱えた黒髪ツインテールの女子高生が現れた。
ギターによる48の殺人技の使い手にして狂信者の一人、中野梓だ。
ギターに真新しい血糊がついているところからして、裁断者を殺害した下手人は彼女であることを示していた。
更に先ほど雷竜達と戦っていたモブ狂信者達が数人ほど梓のバックについていた。
『狂信者共……まだ残っていたか!』
「おや、首から下が埋まっているようDEATHね。
都庁の軍勢のリーダーらしい竜を討ち取ったあらば、大功績DEATH!
逃げ道が塞がった時はヤバイと思いましたが、怪我の功名って奴DEATHね!」
この北部に現れた狂信者の部隊も、セルベリアが率いていた部隊同様、ディーから与えられた任務は陽動であった。
本当ならば、狭間と大和が配置についた時点で退却する手筈だったが、梓と数人のモブ狂信者達は逃げ遅れてしまった。
しかし、引き返してみれば傷ついたFOEと動けなくなった雷竜を討ち取るまたとない機会に遭遇したのだ。
雷竜にとっての不運は、梓ら狂信者達にとっての僥倖であった。
『おのれ! よくも裁断者を! サンダーブレスで灰燼に帰すがいい!!』
雷竜は首以外身動きが取れない状態でも臆すことなく、狂信者達に雷のブレスを吹きつけようとする。
しかし……それより早く、梓のギターが雷竜の顎に強烈な一撃を放って口を強引に閉じさせ、ブレスを阻止した。
『グガアアアッ!!』
「ふう……危ない危ない。
事前にモブ狂信者の人にタルカジャとスクカジャを目一杯かけてもらって正解でした」
『こ、これだからロリは嫌いだ……!』
梓やモブ狂信者は狭間から教わった攻撃力を上げる魔法・タルカジャと、素早さを上げる魔法・スクカジャによって肉体を強化していた。
機動力は雷竜がブレスを吐くより早くなり、一撃一撃が雷竜に通用するほどの威力を獲得していた。
逆に雷竜は埋もれていて身動きができず、敵の攻撃を一切回避することができず、首以外の部位に依存する「竜の鉄槌」や「呪縛の円舞」などの技で反撃することができないでいた。
首があれば「サンダーブレス」と「古龍の呪撃」は使えるが、攻撃する前に梓達に阻止されてしまうのだ。
雷竜が万全あれば、梓+モブ狂信者のひと束程度など苦もなく駆逐できるだろう。
しかし今の雷竜は本来の実力を発揮できない不利な状態で戦わなければいけないのだ。
それからの展開は至極一方的であった。
「さあ皆さん! クラウザーさんのためにこの雷竜を生贄に捧ぐのDEATH!!」
拳や蹴りなどの狂信者の鍛えられた格闘技が雷竜の頭部にクリーンヒットする。
『ぐがッ!』
マシンガンやライフルなどで武装した狂信者より放たれた銃弾が雷竜の頭部に降り注ぐ。
『ふぐッ!!』
「アギダイン」「ブフダイン」「メギド」という狂信者の詠唱と同時に魔法による一斉射撃が雷龍に襲いかかる。
『があッ!!』
一方的に攻撃を受け続けた雷竜は苦くるしい顔で狂信者達を睨みつけ、諦めずにサンダーブレスで反撃を試みる。
「お口は閉じてなさい!!」
『ぐああああああああッ!!』
だが、反撃は許さんとばかりに、攻撃をしようものなら梓のギターが叩きつけられる。
もはや、これは戦いではない。リンチか拷問と言った方が正しいだろう。
一撃一撃を食らうたび、雷竜の体力がゴリゴリと削られていった。
『この私がこの程度の輩に何もできないだと? おのれぇ!!』
「さて、そろそろトドメといきますか」
最後に梓が雷竜の頭に向けてギターを振り上げ、腕一杯に力を込めた。
そして、振り下ろす直前にボソボソと呟く。
「……唯先輩も澪先輩も死んじゃって、ムギ先輩は悪い奴らとつるんじゃって……
こんな最悪な世界、クラウザーさん無しじゃもう私、生きていける気がしないんですよ。
だから……クラウザーさん復活のために死んでください!! DEATHゥッーーーーー!!」
『うぐああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁ……』
タルカジャで強化され、なお威力を増した梓の最大限の一撃が、雷竜の脳天に振り下ろされた。
その一撃が、雷竜の中で切れてはいけない糸を、プッツリと切ってしまった……
雷竜の目から生気が急速に失われ、その長い首がぐったりと地面に横たわった……
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「殺った! やりましたよクラウザーさーーーん!!」
雷竜とは対照的に狂信者側は歓声に湧く。
都庁の軍勢の元リーダー格である雷竜を、偶然が重なったとはいえこの手で討ち取ることができたのだから、当然と言えば当然であった。
しかし、その歓声もまた、一瞬の出来事であった。
『氷鎌……乱舞!!』
モブ狂信者達の首や胴がスパパパパーンと、一瞬にして宙を舞った。
「DEATH?」
仲間の歓声が突然消えたのを不思議に思い、梓は振り返った。
そこにはFOE・アイスシザースが自分に向けて鎌を向けていた。
『凍土の大鎌!!』
次の瞬間には、即死属性の一撃が梓の首を捉えた。
梓の死を理解する暇もまま、絶命した。
はねられた首がバレーボールのように宙を舞った。
【中野梓@けいおん! 死亡確認】
『雷竜様ッーーー!!』
狂信者を全て斬殺したアイスシザースは大急ぎで雷竜に元に詰め寄った。
アイスシザースは雷竜同様、土砂に埋もれていたが、自力で脱出できたのだ。
だが土砂から脱出した矢先に見たのは、殺害された裁断者と虫の息の雷竜、勝利に酔っていた狂信者達であった。
土砂に埋もれていた結果、今まで狂信者達に感知されなかったのだ。
そして自分に気が付いてない点と勝利に酔ってる最大の隙をつき、狂信者達を奇襲で全滅させたのだ。
『アイスシザース……生きていたのか……』
『申し訳ございません、私が落盤に巻き込まれず、もっと早く脱出できていればこんなことには……』
『そう…自分を責めずとも良い……』
息も絶え絶えの状態で、アイスシザースに語りかける雷竜。
アイスシザースは自分の救援が遅れたことを強く後悔していたが、雷竜はそんな彼を恨むことはせず、むしろ生きていたことを喜び、微かに微笑んでいた。
『ア、アイスシザース、私はもうダメなようだ……』
『そんな……!』
雷竜は頭部に致命傷を受け、もうすぐ己の命が限界を迎えようとしていることを悟っていた。
『すぐに怪我を治せる者をお呼びします! 世界樹の巫女やレストなら一瞬で治せるでしょう』
『間に合わんよ……それに先ほど感知した魔力の動きから察するに、巫女とレストは地上で戦っているようだ』
『なんと……』
『彼女らの戦いを……邪魔するわけにもいかんしな……』
超大な回復魔法持つまどかとレストはエリカと歪みし豊穣の神樹の回復のために地上に戻り、そのまま狂信者の大軍団との戦闘に入ってしまった。
さやかはおそらくまだ地上に残っており、地下で貴虎捜索に向かった者達の中に回復魔法を使える者もいない。
仮に使えても、周囲には雷竜とアイスシザースしかおらず、まず治療は間に合わないだろうというのが雷竜の見解だった。
『せ、せめて最期に一度くらい……美しい人妻熟女を見ながら、熟女に注がれた酒を飲みたかったが……な……』
『馬鹿なことを言わないでください!
トップの座は他者に譲ったとしても、あなたは我らが軍勢に必要な方なのですから!』
『その言葉を聞けただけでも嬉しいぞ……アイスシザース……』
雷竜の声が徐々に力をなくし、弱まっていく。
『親友たる氷竜や赤竜、ダオ…ス殿達には本、当に申し訳ないが、私はここまでだ……
……魔物と、共に生きてくれる良き人、間の未来のためにも、世界樹だけは絶対に守ってくれ……』
『雷竜様?』
『…………』
『雷竜様ァァァァァーーーーーッ!!!』
そして、人妻熟女と酒が大好きな誇り高き魔物の長、雷鳴と共に現る者は永遠の眠りについた。
【雷鳴と共に現る者@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 死亡確認】
-
『……雷竜様……この世界樹を守る役目、必ずや全うして見せます! この命に代えても!』
雷竜の死はショックではあるが、だからと言って踏みとどまっているわけにもアイスシザースはいかなかった。
今こうしている間にも、この地下ではどこかで爆弾を仕掛けようとする輩が侵入し、地上では大規模な戦闘が行われている以上、自分だけ立ち止まっているわけにもいかないであろう。
『本当は今からでも墓の一つでも建てて上げたいところですが、申し訳ありません雷竜様。
裁断者もスマン、後で必ず建てるから許してくれ』
事態が切羽詰まっている以上、雷竜と裁断者の死体は野晒しにするしかなかった。
今は単純な死体処理ですらやる時間がないのである。
死者を悼む時間すら与えられてない現状にアイスシザースは歯噛みする。
(落盤で多少のダメージは受けたが、戦う分には問題あるまい。貴虎捜しに戻ろう。
地上もとても気になるところだが、地上にはフォレスト・セルや巫女殿達もいる……きっと大丈夫、というよりフォレスト・セルですら止められないなら俺が行っても足でまといだろう、今は勝利を信じるしかない)
幸いにも落盤でダンジョンの部屋に閉じ込められてしまった影薄組とは違い、こちらには退路が残っていた。
その道からアイスシザースは貴虎捜索に戻っていった。
(仲間達は無事だろうか……特に骨竜には無事でいて欲しいが)
目の前で雷竜と裁断者が死なれたこともあり、仲間の身を案じるアイスシザース。
しかし、不幸なことに、既に地上・地下共に少なくない犠牲者が出ており、FOE仲間である死を呼ぶ骨竜は貴虎一行に既に討ち取られていることを、彼はまだ知らない。
【二日目・9時30分/東京・都庁地下南部】
【アイスシザース@新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女】
【状態】ダメージ(中)、疲労(中)
【装備】無し
【道具】ちりとり、支給品一式
【思考】
基本:都庁を住処にしたモンスター達と協力して生き残る
0:引き続き貴虎を探す
1:雷竜様(雷鳴と共に現る者)の意思を引き継ぎ、都庁の世界樹は死んでも守る
2:魔物を奴隷にする人間は嫌いだが、同盟の人間なら一応は信頼する
3:デスマンティス達の裏切りに未だにショックを受けてるが、戦いに私情は挟まないようにする
4:他の仲間は大丈夫だろうか?(特に死を呼ぶ骨竜)
※雷鳴と共に現る者より、地上が攻撃を受けていることを知りました
-
「RXキック!!!!」
「お、おんみょ〜ん……」
開幕必殺技に見えるが、この間にいろいろあったのだ。
そう、光太郎はちゃんと悪の波動、痛み分け、不意打ち、鬼火の対策を練り戦った。
悪の波動⇒キングストーンフラッシュで相殺。
痛み分け⇒キングストーン+太陽の光で即回復。
不意打ち⇒食らっても怯まない。
鬼火⇒……
「この身体は炎を力に変えているのか……?」
悲しみの王子・ロボライダーである。
悲しみとキングストーンが反応して、ロボライダーに変身可能になったのだ。
炎を自分の力に変えて戦う、それがロボライダーである。
そして、冒頭RXに戻り、ミカルゲにRXキックをかましたのだ。
――CLOCK OVER――
「ハッ!」
「グ……!」
超高速の中を二人のライダーが駆け抜ける。
しかし、片方はやさぐれているが戦闘経験豊富なライダー。
もう片方は変身アイテムを手に入れたてのライダー。
その経験値の差は火を見るよりも明らかであった。
立っているのはキックホッパー。
地に伏せているのはザビー。
「止めだ……!」
だが、次の瞬間ザビーの変身は解けた。
「!?」
-
――KABUTO POWER――
――THEBEE POWER――
――DRAKE POWER――
――SASWORD POWER――
――ALL ZECTER COMBINE――
大体、虫取り棒……もとい、パーフェクトゼクターが悪い。
カブトとドレイクの資格者は死亡し、サソードは存在しない。
そして、ザビーは今しがた奪った。
「そうか、この剣にはこういう使い方があったのか!」
光太郎は戦いの最中、パーフェクトゼクターの使い方を理解したのだ。
そして、パーフェクトゼクターをミカルゲにぶっ刺した。
「お、おんみょ〜ん……」
ミカルゲは四散爆散した。ナム=サン。
【ミカルゲ@ポケットモンスター 死亡確認】
「由良さん……ここは一旦引きましょう!」
「井之頭さん!」
形勢は圧倒的に不利。
ならば取るべき行動は一つ。
逃走である。
高級外車に飛び乗り、逃走する。
-
「逃すか! 来い、ジェットスライガー!!」
――3・8・2・1――
――Coming on Jet Sriger――
オーガフォンで素早く入力して、追撃のためのジェットスライガーを呼ぶ。
何故呼べるのか理由は定かではないが、きっと鴻上会長のおかげである。
,ィ〃≦ミ三≧=z、_
/ミヽ、j从リ l!i レノクミ、 実に・・・
/ム彳jハリlソハ川リノノノ、ミ彡} .! _ ! 、 、
,K≧=ヲ´─≠´ ̄ ̄`ヽK}| 三|三 L_| ヨ三 | ヽ | 、 ヽ. /
{彡'/クl ___ニ=ーィ=-- }≧} 幺 | | l二.l L__ | } | /
j、ゝ' / 'ー─‐`ヽj!Kニ=、ハ |! 小  ̄ |─j __)ゝ__ノ レ ノ o
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トヽ、j `¨ ノ !}`¨´ }|
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`.、 ;: `^ー^ハ /i!' 私のプレゼントだ!!
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r、<№№№№N/№|:::::!N} /∧___∧} ! ,'№l:::}№№№№№ヽ
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ソ№ハ№№№№№>N::::::№ハ' ,:::::::::! |NN::::::N№№№№V!N
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だが……
「来ない」
来ない。
来る気配がない。
「皇帝も地獄兄弟の資格者か……」
「矢車さん、バイクを持たないと入れるんですか?」
「ならば、私は地獄の父親になるな」
「皇帝、そういう問題じゃない」
◆
-
「響子、早く契約を!」
「待って、まずはその契約で起こりうることを全て話して頂戴……でなきゃその契約とやらは出来ないわね」
(ガード固い!?)
「何か話せない理由があるの?」
「そんなことより、響子手伝って!!」
「ほら、だから早く契約を!」
ベノスネーカーが吐く毒液を空は二人を抱えながら避ける。
陸上と対空だが、流石の空も守りながら戦うのは鳴れていない。
その時である。
バイクの走ってくる音が周囲に響く。
皇帝が呼んだジェットスライガーがやっと来たのだ。
しかし、ジェットスライガーには先客が二人も乗っていた。
「弦十郎さん、いきなりどうしたの!!」
「わかんねぇッ! 急にコントロールが効かなくなったッ!」
「ええーっ!?」
「だが、なんかヤバい所にツッコミそうだッ!
友紀ッ! 少し運転を頼むッッ!」
「あたし、リリーフカーしか運転したことないよ!!」
「それで十分だッ!」
次の瞬間、『弦十郎』と呼ばれた男はジェットスライガーから飛び降りた。
「オラァッ!!」
「!?」
「!?」
「!?」
拳。
たった一発の拳でベノスネーカーをぶっ飛ばした。
その光景はあまりにも衝撃的だった。
光太郎や皇帝、矢車さんが変身するライダーたちと大差ないインパクトであった。
こんなことができるのも彼が……
「お前たち、大丈夫か?」
OTONAだからであるッ!
【ベノスネーカー@仮面ライダー龍騎 死亡確認】
◆ ◇
-
「あたしは姫川友紀! こう見えてアイドルやってるんだ!」
大正義巨人軍に似たユニフォームを着た少女が元気に挨拶する。
彼女は野球好き畜生アイドルとして有名であった。
「光太郎、知っているか?」
「分からないな……」
「私も知らないわね……」
「ねぇねぇ、矢車、『あいどる』って?」
「アイドルか、俺達には眩しすぎる光だ……だが、お前のようなアイドルは知らん」
「……友紀、本当にお前は有名なアイドルなのか?」
「本当だよ! デビュー曲がオリコンウィークリーで5位だったんだよ!!
……ああ、もうあたしの知名度が低いのも……これも全部アライが悪い!」
「いや、これはゴルゴムの仕業だ」
結構、落ち込む友紀であったが、全てをアライとゴルゴムのせいにすることでことなきを得た。
そして、今度は先程の男の方に皆は視線を向ける。
赤いシャツのいかにも屈強そうな男である。
「俺は風鳴弦十郎……」
「風鳴? まさか、あの放送で指名手配された『風鳴翼』と何か関係あるのかしら?」
「翼は俺の……姪だ」
「なんだって!?」
「詳しく聞かせてもらおうじゃない」
弦十郎は話す。
今までのことを、特異災害対策機動部二課のことを。
そして、翼のことを。
「俺達は大阪に向かっていた」
「どうして?」
「それはッ! 勿論、野球ッ!」
「友紀、今はそんなことはどうだっていいだろう……これを見てくれ」
弦十郎は持っていたノートパソコンの画面を見せる。
主にカオスロワちゃんねるの掲示板を。
「なるほどね」
「それで大阪に行こうというのか?」
「おうよッ! もし本物の翼がやってきたらなら止める。
偽物が来たなら、そいつを止めるッ!」
右拳にグッと力を込める。
「子供が間違った道を進んでいるなら、正してやるのが大人の仕事だ」
「弦十郎さん……! 俺も手伝います! それが仮面ライダーだ!」
このことに光太郎は深く感銘を受けた。
――この人は強い。身体だけじゃない、その心が。
-
「でも、野球はやってもらうよ!」
「友紀、さっきから野球、野球ってなんなのだ?」
「ふふふ、皇帝さん! よくぞ聞いてくれました!! これを見てよ、予言の書!」
畜生な笑顔を浮かべながら、予言の書を見せびらかす。
彼女は幼少のころ、宮崎県の大正義巨人軍のキャンプ地近くで育ったのだ。
それがきっかけで彼女は大正義巨人軍の大大大ファンになったのだ。
「監督であるハラサンがいない今! 私がこの予言を完遂するしかないと思うんだ!
勿論、歌姫兼九人の最良の戦士の一人はあたし!」
声高々にそう宣言する友紀であったが……
「あの友紀ちゃん?」
「なんだい、光太郎君?」
「ふむ、そんなこと信じられるか?」
「野球ねぇ……」
「矢車、『やきゅう』って?」
「球遊びだ」
「わけがわからないよ」
「俺もそう思うッ!」
「皆ひどいなぁ……」
一先ず、友紀の話は置いといて、大阪に向かうことにした。
全員でジェットスライガーに箱乗り状態。
「狭いな」
「仕方ないな」
【二日目・8時00分/日本・三重県】
【ネオ・クライシス帝国御一行】
【南光太郎@仮面ライダーBLACK】
【状態】健康
【装備】キングストーン、パーフェクトゼクター@仮面ライダーカブト
カブトゼクター、ザビーゼクター、サソードゼクター、ドレイクゼクター
【道具】支給品一式、カラオケマイク
【思考】基本:この殺し合い、ゴルゴムの仕業だ!
0:大阪に向かう
1:クライシス皇帝と空、響子、弦十郎、ついでに友紀と共に行動する
2:あの少女(歌愛ユキ)はどこに行ったんだ?
※RXに進化しました。ロボライダーに変身可能になりました。
※バイオライダーにはまだなれません。
※パーフェクトゼクターの使い方を理解しました。
【クライシス皇帝@仮面ライダーBLACKRX】
【状態】健康
【装備】サタンサーベル オーガギア@仮面ライダー555
【道具】基本支給品一式
【思考】基本:光太郎とともに主催者とゴルゴムを潰す
0:大阪に向かう
1:戦力を集めて、『ネオ・クライシス帝国』を建国する
2:一先ず、地球人類抹殺は置いておく。(主催を潰したら取り掛かる)
3:矢車から地獄の匂いがする
4:私のカラオケマイクはどこに行ったんだ?
※参戦時期は仮面BLACKRX本編開始前です。
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