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90's バトルロイヤル

108『誇り』のバレット  ◆TA71t/cXVo:2015/10/26(月) 21:06:16 ID:lL/hbJbs0

素早く地を蹴り、男は疾走する。
眼前に立つブチャラティの喉元を掻き切り心臓を穿つべく、距離を詰める。
ブチャラティもまた、迫り来る敵へとその防御を試みた。
スティッキー・フィンガーズの両拳で、それぞれ左右より振るわれる剣を弾く。
地を駆けるスピードでは負けたものの、接近戦での反応速度ならば軍配が上がるのはブチャラティの方だ。

しかし……当たり前の話ではあるが。
その反応速度も、肝心の反応が正常に働かなければ意味はない。


「何……!?」


ブチャラティの目が驚愕で大きく見開かれた。
スタンドで左右の剣を防いだその刹那に、男の肉体に恐るべき変化が生じたのだ。
両手を弾き上げられ無防備となったその胴体より、新たな『三本目』の剣が出現したのだ。
肉体を変化させ、新しい腕を一本丸まま生やしたのである。
スティッキー・フィンガーズが防御で両腕を使わざるを得ない状況に追い込まれた、このタイミングで……!


(瞬時にスタンドの動きを見抜いて、奇襲を……!?
ダメだ、防御が間に合わない……やられる……!!)


男の攻撃は、完全にブチャラティの虚を突いた。
これでは、どうやっても防御が間に合わない。
刺し突かれる……やられる。

自らに迫り来る凶刃を前に、ブチャラティはそう覚悟を決めるしかなかった。



しかし……その切っ先は、彼を刺し貫く事はなかった。


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