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変身ロワイアルその6
850
:
80 YEARS AFTER(4)
◆gry038wOvE
:2018/02/20(火) 02:48:40 ID:gooP8PFs0
【『死神』――響良牙/変身ロワイアルの世界】
……おれは、空を見つめた。
今日が、その時だ。
――遂に、奴らが来る。
――ここに連れ去られ殺し合いをさせられてから今日までの長い出来事を、おれはずっと思い出していた。
かつて、おれは、ベリアルを倒した爆炎の中からこの地に落ちた時、すべての記憶を失った。
そのままわけもわからず、ふらふらと彷徨い、歩いた先の街で――おれは、男の死体を見つけた。
早乙女乱馬……というよく知った男の死体だったが、その時に思い出す事はなかった。
おれはその時は、ひたすら逃げて……森に辿り着いた。
そこで、おれは冷静に考え――自分こそがその死体を作り上げた殺人犯だという結論に至った。
おれは、気が狂いそうになっていた。
やがて、おれは怪物たちと出会う事になった。
怪物たちの名前はニア・スペースビースト――ダークザギの情報や遺伝子を受けて異常進化し、スペースビーストのように巨大化した微生物たちだったらしい。ただ、おれはずっとわけもわからないままそいつらから逃げ、自分自身の持つ馬鹿力で戦い続けた。
ほとんどの怪物を、おれはなんとか倒す事ができた。ちょっとの損傷ではおれは死なない。必ずしも簡単な戦いばかりではなかったが、なんとか戦い抜いた。
そして、ある日――そんな怪物と戦うさなか、おれは頭を打ち、偶然にも、記憶を取り戻す事になった。
やがて、おれはいくつかの亡骸を見つけて、それを次々と埋葬していった。
最初に埋葬したのは、乱馬の遺体だった。すっかり朽ち果てていたが、おれはあいつを運び、あかねさんのいる傍に、埋めた。
いくつもの墓が出来た後、おれは、この世界で守るべきものも何もなく――強いて言えば、ただ墓守りとして、ただ明日が来るのを信じて、その怪物たちと戦った。
おれには簡単だった。
ロストドライバーを使わなくてもエターナルの力を発揮できるようになったおれは、死ぬ事もなければ、老ける事もない。元々、頑丈な体だ。ただ毎日、相手もいないのに強くなっていくだけだった。
島の中を彷徨い、誰かが落とした支給品や残した支給品なんかも手に入れた。
暇つぶしにはなった。
そんな風に、地獄のような――しかしまだこれより後の地獄を考えれば短いほどの三十日が経った時、あるものがおれの近くで囁いた。
インテリジェントデバイス――クロスミラージュだ。アクマロたちとの戦いで破壊されかけたデバイスだったらしい。
クロスミラージュも、砂に埋もれながら、孤独な状況を嘆き続け、そんな折におれが現れて声をかけたらしい。
それから、しばらくはクロスミラージュとともに二人で、おれは彷徨い続けた。
会話の相手がいるのは信じがたいほどに嬉しい事だった。
それから、時間をかけてイカダを作って外に出て、いくつかの島を見つけた。
そこもまた、無人だった。かつてそこでも殺し合いが行われたように、あらゆる建物や武器の残骸、骨となった人間の跡が残っていた。
果実の実る島を見つけたが、永遠の力を得たおれには、もはや必要がなかった。
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