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変身ロワイアルその6

84980 YEARS AFTER(4) ◆gry038wOvE:2018/02/20(火) 02:48:02 ID:gooP8PFs0

『――そして、そこであなたたちが殺すべき死神は、かつて――ベリアルにトドメを刺して爆発する時、エターナルメモリの過剰適合によって「永遠」の身体を得てしまった少年――』

 おれの導き出した結論を裏付けるように、彼女はそう告げた。
 そして、その名前を出すよりも前に、おれは呟いていた。

「響、良牙……!」

 それが本当ならば――おれは、八十年間島に残り続けていた迷子と、ガイアメモリという化石に同時に出会う事になる。
 花咲つぼみの確信通りに響良牙は生きており、そして、おそらく確信を超えたところでずっと――八十年も、生きていた。
 恐ろしいほど、タフな男でもないと生きられない歴史を背負いながら。

 しかし、それを殺せとは、あまりに残酷だ。
 おれが殺し屋だったとして、受ける気にならないような依頼だった。
 ましてや、二人の人間が八十年願い続けた再会を無粋な介入で消し去ろうとしている。何より――花咲つぼみの曾孫の手で。

「――本当に、響良牙さんは生きているんですか!?」
『……とにかく、そちらのオマケは、参加者の遺伝子情報を持たないから、変身ロワイアルの世界に入る時には私が憑依する事で一時的に特異点の力を授けるわ。かつてもその方法で非参加者が入った事例があるようだけれど』
「――――本当に、その人は世界のリセットを望んでいるんですか?」
『それからもう一つ。死神はいま、エターナルの力を強めて、かつてより手ごわくなっているわ。それでも、花咲つぼみと瓜二つの顔をしている桜井花華が前に出れば、確実に油断する――その時にもう一人の“彼”に戦わせて、メモリブレイク。生身になったところで息の根を止めてもらう。憑依すれば私もあなたという実体を動かせるから、しくじっても私が何とかするわ』
「――――――本当に、そんな事に協力しろって言うんですか!? あんまりじゃないですか!? これがもし……もし、おばあちゃんも同じ願いを持っていたなら? 八十年間の歴史を戻すことを、おばあちゃんが望んだなら、今度はおばあちゃんを殺すつもりだったんですよね!?」
『いざという時は、あなたもプリキュアの力をぶつけてメモリを排出してくれれば良い。そうすれば、生身になるし、もう少し彼の殺害が現実的になる』
「――私、堪忍袋の緒が切れました!!!!!! 質問に答えてください!!!!!!!」

 花華も、この時ついに、曾祖母同様に堪忍袋の緒を切らしたのだった。







 ……ここから、おれは、あの『死神の花』事件に関わっていく事になる。
 オルゴール箱を探すという依頼の答えが提示された直後に、不可能と結論づけたはずのその答えの先におれたちは辿り着いてしまった。
 だが、それはこういう話へと続いていく。

 この変身ロワイアルの参加者は――残り二人だ。
 花咲つぼみと、響良牙。
 二人は、「つながった世界」と「孤立した世界」で、それぞれ最後の一人として分かたれ、孤独に生きてきたのだろう。……そして、お互い出会う事を望みながら、しかし出会う事がないまま、盤面に残った最後の駒となってしまった。
 確かにお互いが殺し合う事はないが、どちらかが生きている限り、殺し合いは続いてしまう。花咲つぼみがもし、この後で息を引き取れば、その時に響良牙に願いを叶える権利が与えられるだろう。
 HARUNAの勢力が求めるのは、響良牙が叶える願いの阻止だ。
 それは、おれたちの世界を守るためだと言われている。



とにかく、これまでのキーワードを纏めよう。
・オルゴール
・変身ロワイアルの世界
・エターナルメモリ
・優勝者の願い
・HARUNA<ハルナ>
・“彼”



 生きていた響良牙が、本当にこの世界を破壊してしまう……というのなら、おれは……。







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