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変身ロワイアルその6
845
:
80 YEARS AFTER(4)
◆gry038wOvE
:2018/02/20(火) 02:46:13 ID:gooP8PFs0
などと、噛み合わない会話を続けていると、一番先頭の猫がこちらを向いた。
『――騒がしいわね。私からあなたたちに危害を加えるつもりはないから。……ただ、危害を加えるかもしれない相手と会わせに行くだけ』
彼女はさらっと云う。
なるほど、特別な手当が出て然るべき危険な話におれたちを乗せようというわけである。
花華もどうかと思うが、この少女の方がおかしいと云える。
彼女が危害を加えないとしても、おれたちには関係ないのだ。「お前が危険人物かどうか」ではなく、「おれたちが危険な目に遭うかどうか」――それが問題である。
さて、おれは再び花華に振る。
「――と、この子猫ちゃんは言っているが、花華。引き返す準備は?」
「ありません。事情を聞きましょう」
「なるほど……。だとするなら、悪いがおれひとりで、引き返す事にする」
おれは、もはや花華を放る事にして反対を向いた。義理の追いつく相手ではなかった。ここから先は自己責任だ。
おれは、広がるオーロラの向こうをたどれば、きっと元の希望ヶ花市植物園に戻れるだろうと思った。
しかし、そういう風に甘い考えを浮かべた矢先、背中に声がかかった。
『……戻れないわよ。ここに来たからには、私の望む行先にしか行けない』
「――じゃあ、行先を変えてくれ。さっきの希望ヶ花市、もしくは、おれの世界の風都へ」
『残念だけど、変えるつもりがないもの。ここに来た時点で、あなたはもうこの話に乗ったものとしてもらうわ。電車の車掌が一人の乗客の意見で行先を変える事なんてないでしょう。――それに、あなたも探偵なんでしょう?』
「悪いが鳴海探偵事務所は臨時休業中だ。それに、きみから依頼を受けた覚えがない」
『それなら依頼として受けてもらう形にするわ。依頼料は弾む。ただし成功報酬よ』
「……いくらだ?」
金の事をいわれると、つい聞いてしまうおれだった。
成功できる見込みがあるのなら、おれはその依頼に乗ってしまう。達成するだけ給料が弾むのだから、おれに乗らない理由はない。
黒猫が口を開ける。
『――「あなたがこれから生きる未来」、そして「世界の命運」でどうかしら?』
……冗談だろ。
◆
『――そう。あなたたちに今から頼みたいのは、「世界の命運」に関わる事よ。あなたにとっても悪い話ばかりではないわ。というか、もう乗らざるを得なくなる』
彼女は、おもむろに切り出した。
やはり、花華を追うべきではなかった。彼女の場合は、世界の命運を託されてもおかしくない出生だが、おれは違う。ただの探偵だ。
唯一、鳴海探偵事務所という特別な探偵事務所と雇用契約を結んだ件だけが、こうした超常的事象とおれとを結び付けてくれるかもしれないが、少なくともおれはヒーローではないし、特別な力を持たない。
多少、普通の人より喧嘩が強いだけ。……そう、それはあくまで、“普通の人”より、だ。
しかしだが、ひとつ残念な事がある。今回は別に巻き込まれたのではない。
花華の背中を追ったとはいえ、それは自分の意志で追ってしまった。そして、引き返せないらしい。文句を言わず、潔く諦めるしかなかった。
あとは、もう彼女の話を聞いて、どういう形であれ生きて元の場所に帰ってみせるだけだった。それしかない。
彼女は続けた。
『申し遅れたけど、私の名前は魔法少女、HARUNA<ハルナ>。インキュベーターとの契約により、魔法少女となり――今はとある勢力によって与えられた任務を果たす為に、あらゆる時代、あらゆる世界を渡り歩いている』
「とある勢力とは?」
『――ただ、私には、契約する前から長らく「実体」がない。あるのはHARUNAとしての情報だけ。だから、こうしたアバターを使っているけど、別にさっきの姿もこの姿も本当の姿というわけではないわ』
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