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変身ロワイアルその6

748変身─ファイナルミッション─(8) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 21:58:46 ID:GU7jrFVA0

 ノア・クウガも少し怯み、右腕で身体を隠すように仰け反りながら、後方へと倒れかける。
 しかし、バランスを取り戻し、ルシフェルの放った邪悪な風を、そのまま胸部のアマダムで吸収していった。
 アマダムが徐々に回転し、だんだんとその姿を、最初の仮面ライダーが使っていたタイフーンへと変えて行った。

『ライダーの真骨頂は、クウガとダブルだけじゃない!!』
「──トォォォォォッ!!!」

 仮面ライダー新1号。
 飛蝗の改造人間にして、人間の自由と平和を守り続けた伝説の仮面ライダーの姿が、ここに顕現する。

 マフラーをなびかせ、仮面ライダーはダークルシフェルの肩にチョップを叩きこみ、更に胸部に向けてパンチを叩きこむ。
 元祖にして、最強の仮面ライダーの一撃は、ダークルシフェルの身体を、更に後方にまで吹き飛ばしていく。

「ぐっ……!!」

 ダークルシフェルが転がった所に向けて、巨大なノア・仮面ライダーは身体を揺らしながら、駆けだしていった。
 ダークルシフェルの瞳に見えたのは、一人の仮面ライダーが向かい来る姿ではなかった。彼と並び、合流しようとするように、その両脇から現れる二人の仮面ライダーの影。
 それは、先ほど自らに一撃ずつ与えた、仮面ライダークウガと仮面ライダーダブルの姿に他ならなかった。

 仮面ライダーダブル サイクロンジョーカーエクストリーム。
 仮面ライダークウガ ライジングアルティメットフォーム。
 仮面ライダー新1号。
 三つの仮面ライダーの姿が重なり、飛び上がる。



 ──そして。



「──ライダァァァァァァァァキィィィィィィィィィィィック!!!!!」



 ライダーキック。
 数々の敵を葬って来た、仮面ライダー最強の必殺技が、ダークルシフェルに向けて降り立って来ようとしていたのである。
 それは、さながら流星を描くようにして、ダークルシフェルの頭部に激突する。
 電流を頭に受けたような強い衝撃が、ダークルシフェルを襲った。

「ぐっ……ぐあああああああああああああああああああっっっ!!!!!!!!!」

 全身に電流の光を浮かばせたまま、ダークルシフェルは雄叫びをあげる。
 ダークルシフェルへと進化したというのに、能力はむしろ──低まっているという実感が、カイザーベリアルとしての彼の中には在った。
 彼の周囲は、ライダーキックのエネルギーを受けて燃え上がり、ダークルシフェルが生きているのはむしろ奇跡とも言えるシチュエーションを作り上げている。

「──なっ……一体、何故が……どうなってやがるッ!!?」

 ルシフェルは蠢きながら、考えた。──確かにノアは強いが、それだけではない。
 今の自分の出せる実力は、先ほどまでよりもむしろ劣化しているという実感が、ベリアルの中には湧いている。
 しかし、その疑問の答えが返って来るより前に、ノアは更なる変身を遂げる。

『──Dボゥイ!! 相羽タカヤ、力を貸してくれ……!!』
「──ブラスターテッカマン!!」

 ブラスターテッカマンブレード。
 自分の記憶さえも引き換えにして、ラダムたちと──己の家族たちと戦い続ける道を選び続けた宇宙の騎士の姿を、借りる。
 彼ら……相羽一家やモロトフの力を借りて、ブラスター化を許された巨大なノアは、そのエネルギーを充填する。


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