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変身ロワイアルその6

736変身─ファイナルミッション─(7) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 21:42:37 ID:GU7jrFVA0
 そんな美希の話を、杏子が横から中断させる。

「──まったく。そんなもん説明しなくたっていいよ。ウルトラマンといたんだろ?」
「え、ええ」
「話は帰ったら聞く。──そんな事より、今は、目の前の敵と戦うんだよ!」

 美希が目の前を見ると、そこには、黒い身体と赤いマントの、およそウルトラマンとは言い難い怪物が立っていた。
 M78星雲・光の国で、ウルトラ兄弟や他のウルトラ族を見た美希の眼にも、それはウルトラマンと呼ばれる星人達には見えなかった。
 真っ先に思い出したのは、殺し合いの最終日に見た巨大な怪物──美希自身が生み出してしまったといえる、あのダークザギ。
 美希は眉を顰める。

「あれが……ベリアル!」
「ああ、やるぞ、美希。あいつを倒して、世界を救う」
「わかってるわ。そう──」
「──完璧に、な!」

 ウルトラマンノアのパワーは、その時、無限大のエネルギーを伴って、最大レベルまで上昇した。同化している人間たちの絆と希望が最大限にまで達した時、ウルトラマンノアのエネルギーもまた最大限に引き上げられるのだ。
 ここに美希が現れ、共に手と手を繋いだ生還者たちが一つとなり──そして、「ガイアセイバーズ」となった変わり者たちの絆は、ウルトラマンノアを最強の戦士へと変える。
 孤門一輝が、二人の様子を見ながら、ノアに新たなる戦士の称号を与えた。



「これが本当の絆──ウルトラマン……いや、仮面ライダー、プリキュア、魔法少女、テッカマン、魔戒騎士、超光戦士、スーパー戦隊……みんなの、ガイアセイバーズ・ノア!!」







『がんばれ……ウルトラマン!!』
『行けぇっ!! 仮面ライダー!!』
『がんばれぇっ、プリキュア!!』

 絆だけではない。世界中から集ってくる声援の力が、ノアのパワーを強くしている。
 支配の力は、塔を崩す前にも既に衰えを見せており──そして、遂にその最後の一歩すらも消え去ったのである。
 それは、時空を超えた声援や希望をそのまま力に変えるノアにとっては、ベリアルを前に圧倒的優位に戦える状況を作り出していた。
 世界中の誰もが声援を送る。

「そうだ、地上のみんな、ミラクルライトをもっと振るんだ!」

 インキュベーターが配布したミラクルライトもまた、地上を照らしていく。
 ピンチだった「ウルトラマンノア」の中にいるキュアブロッサムや佐倉杏子を応援する為であったが──いやはや、この応援の心そのものが、彼らにエネルギーを与えているのである。
 そこには、もはやプリキュアであるか否かなど関係ない。

 かつて、ウルトラマンや仮面ライダーに救われた者たち。
 かつて、どこかで彼らの与えた夢を貰った子供たち。
 かつて、その夢を拾い上げて、新たなるヒーローとなっていった者たち。

 その四十年、五十年……そして、これから百年以上にも渡るであろう歴史が、世界中の人間の絶望を溶かし、希望へと変えて行く。

「さあ、血祭ドウコク! 君も、もっと元気よく振って!」

 ……と、インキュベーターの現在地を伝え忘れていたが、ここは六門船の中である。
 生還者であるものの、戦いには行かなかったドウコクに向けて、ミラクルライトを渡したインキュベーターは、彼にも応援をさせようとしていたのだ。
 しかし、流石に業を煮やしたドウコクは、インキュベーターから預かったミラクルライトを三途の川へと、叩きつけるように放り投げた。

「──振れるかっ!」






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