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変身ロワイアルその6
735
:
変身─ファイナルミッション─(7)
◆gry038wOvE
:2015/12/31(木) 21:41:27 ID:GU7jrFVA0
「ん……?」
と、その呪文の声と共に、ゼロは自らの中で何かが抜け落ち、変わったような感覚に陥った。──そう、一瞬だけは「違和感」だった。
「なんか、こう……身体が軽くなったような……って、あーっ!!」
しかし、それが次の瞬間に、何が消えてなくなったのかを知らせる「確信」へと変わったのだった。
ゼロは一度、空中で立ち止まり、自らの掌の中にいる小さな赤ん坊を見下ろした。
「──こら、おまえっ!! 美希だけ先に送りやがったな!!」
「きゅあー!」
そう言って、嬉しそうに両手を挙げて喜ぶシフォン。
シフォンは、つまるところ、ゼロの中の美希を、遥か彼方で戦うノアの下に「テレポート」させたのである。
やはり、こうして止まっても、心の中から美希の文句は聞こえないので、ゼロのご明察という所だろう。
どうせなら、ゼロも纏めてベリアルのもとに飛ばしてくれれば良かったものだが、シフォンに力が足りなかったのか、それとも、美希にだけ懐いていたからなのか、とにかくゼロとシフォンだけがこの場に置いていかれてしまったらしい。
しかし、このシフォンという赤ん坊も大した物である。
まさか、ウルトラマンと同化している人間を、別の場所にテレポートさせてしまうなどとは──。
「ったく……しゃあねえなあ! でも、抜け駆けはさせねえぜ!
俺もすぐにそっちに行ってやる──待ってな、ベリアル!!」
とはいえ、ゼロも飲み込みは早い方であった。
すぐさま、再飛行を始め、青い風へと変わっていく。掌の中で感嘆するシフォンを時に見下ろしながら──彼は、ベリアルとの戦いへと赴いた。
◆
ウルトラマンノアとして戦う彼らの中に、一筋の光が転送された。
仮にもし、ウルトラマンの中が侍巨人シンケンオーのように複数の座席を持つコクピットだったならば、空いている一席に、誰かが現れたような物だろう。
「──おまたせっ!」
そして、それは、まぎれもない美希だった。
ウルトラマンノアと同化する孤門たちは、その瞬間、確かにノアの中に美希が入ったのを感じた。まるで隣にいて戦っているかのような安心感が湧きあがってくる。
声がノアの中に聞こえた時、真っ先に、佐倉杏子がそれを確認する。
「美希!?」
全員、唖然としていた。
こうしてウルトラマンノアとしての意識の中に、何の前触れもなく突然に美希が現れたのだ。──強いて言えば、孤門が呼んだからであろうか。
しかし、そんな事で至極あっさりとウルトラマンに同化できるものではない。
何故に彼女が現れたのか、それぞれ少し頭の中で疑問を沸かせたが、やはりすぐに、細かい事を気にかけるのはやめた。
「遅くなったわね……えーっと、これまでは」
美希は、ここまでの事情を順序よく説明しようとする。殺し合いが終わってからの数日間、他の仲間は一緒にいたと考えられるが、美希だけは別行動を取る形になっていた。
ましてや、こうしてそれぞれが集合しているからには、別行動を取っていて遅くなったのは自分と孤門だけだと思っても仕方が無い。やや言い訳っぽくもなってしまうが、遅れた理由を説明しようとしていた。
しかし、それを話せば当然長くなる。
今置かれている状況を忘れつつあるのは、敵よりも味方の事をまず真っ先に考えてしまったからであると言えるだろう。
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