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変身ロワイアルその6

734変身─ファイナルミッション─(7) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 21:40:02 ID:GU7jrFVA0

『ぐああああああーーーーっっ!!』

 見事に、エナジーコアに向けてデスシウム光線が命中し、彼が放った光線の最後尾まで余す事なくウルトラマンノアの胸にダメージを与える。
 全ての力の源にして、ウルトラマンの最大の急所である。
 ノアの身体は大きく揺れ、周囲を巨大な土埃が包み込んだ。
 カイザーベリアルは、砂埃に包まれたノアにまで悪戯に追い打ちをかけるつもりはないらしい。

『──くっ、強すぎます!』
『ノアの力でも敵わないなんて……! 予想外だ……!!』

 ノアのエナジーコアはデスシウムの膨大な熱量を受けて煙をあげる。
 オーバーヒートだ。この場所への直撃は手痛い。
 だが、それでもノアの中にいる彼らは、立ち上がろうとする。

「その程度か……? 失望したぜ、ウルトラマンノア!!」

 カイザーベリアルは、ニタリと笑い、爪を光らせながら言った。
 確かに、互角以上の力がある筈だというのに、今、ノアはカイザーベリアルに押され気味の状態だった。
 何故、ここまでの劣勢がいきなりノアを襲ったのか──その答えを、孤門一輝が悟り、同化する他の全員に向けて伝えた。

『いや……僕達には、まだ、力が足りないんだ。
 あと一人──美希ちゃんの力が……!』

 あらゆる参加者の想いを結集させた黄金の光を纏っているとはいえ、生きている蒼乃美希だけがこのノアには足りなかった。
 ピースが埋まっていないパズルのように、中途半端なまま戦っているのだ。
 全員が揃ってこそ、絆は真の絆となる。誰かが欠けてはならない。──それならば、美希を抜かしたまま、「絆」を語らう事は、偽りに過ぎないのだ。
 彼は今、ウルトラマンゼロと融合して、こちらに向かっている。
 そう、ゼロと美希──二人がいてこそ、ノアは本当の力を発揮出来るようになる、筈なのだ。







『──ゼロ! 急いで!』

 ゼロが空を飛んでいる最中、美希はまるで鞭を打つように言った。
 当のウルトラマンゼロは、これでも十二分に急いでいるつもりであったが、美希が急にそんな事を言い出したのは些か不思議に思った。
 空を飛びながら、ゼロは問うた。

「どうした、美希?」
『なんだかわからないけど、みんなに呼ばれている気がするの……』

 虫の報せという程でもないが、今、仲間たちの声を聞いた気がする。
 おそらく──仲間たちが助けを求める声が。
 それは只の不安から来る物ではなく、もっと超常的な思念が、美希の意識のもとへと確かに届いてきたような物であるように感じた。
 今、仲間たちが何をしているのかが薄々わかる。
 彼らは、今、ウルトラマンノアと一つになって、カイザーベリアルと戦っているに違いないのだ。

「そうは言っても、これでも全力で飛ばしてるんだぜ!」
『それでも急いで!』

 美希がそうしてゼロの中で焦燥感を募らせてのを、どうやら、シフォンが悟ったようだった。美希が何やら困っているらしい事には少し眉を顰めたが、それを置いて、すぐに呪文の言葉を唱えた。
 先ほどと、同じ呪文を。

「んー……きゅあきゅあぷりっぷー!!」

 それは、シフォンの持つ魔法を発動する一言だった。


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