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変身ロワイアルその6

723変身─ファイナルミッション─(6) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 21:25:15 ID:GU7jrFVA0
 確かに、温和な孤門の声だ。
 だが、何故、この時になって別の場所に向かわせようとするのか、美希にはすぐに理解する事ができなかった。
 確かに、リーダーである彼の指示に従うのが道理だが。

『え……!? 何故ですか……!?』
『君には、もう一人、救うべき相手が残っているはずだ……!』

 と──孤門にそう言われた時、美希は、思わず自分が忘れかけていた大事な事に気づく。
 自分が助けなければならない仲間は、ベリアルと共にはいないのだ。

『シフォン……!』

 ベリアルが貯蓄したFUKOの力と共にあるはずだ──。
 ラブと、祈里と、せつなと……みんなで育てた、あの子。

 円らな瞳の赤ん坊、シフォン。

 インフィニティのメモリと呼ばれている、美希のもう一人の仲間。
 彼女を、支配の力ではなく、再び、ただの一人の子供として、自由を与えたい。
 それが、プリキュアとしての彼女の使命だ──。

 美希は、ゆっくりと頷く。

『わかりました!』
「──よし、さっさと助けて、加勢してやるぜ!」

 ……目の前には、地球を模した青い星があった。
 その星こそが、ノアが辿り着いた場所。
 銀色の流星が、消えていった場所。
 そして、ついこの間まで、自分たちが戦っていた場所。
 やっとたどり着いた……。


 この星に──。







 ────震!!!!!!


「シャアッ……!!」


 杏子たちのもとに、ウルトラマンノアが土埃をあげて舞い降りたのは、その直後の事であった。
 ──大地が打ち震え、一瞬だけ、強風が吹いた。
 しかし、誰もがそれを浴びて、ただノアの姿を見上げていた。
 その姿を見上げながら、どこか安心してそれぞれが頷き、杏子が言った。


「来た……──ウルトラマン!!」


 銀色の羽を持つ、光の戦士。
 カイザーベリアルでさえも恐れた、伝説のウルトラマンが、今、杏子たちの前に再び現れている。
 そして、そのウルトラマンの正体は、彼らの仲間であり、リーダーである孤門一輝に違いなかった。


『────みんな……遅くなって、ごめん!』


 孤門の声が、それを見上げる者たちの脳裏に響いた。
 それは、ウルトラマンノアというよりも、孤門一輝という一人の男にも見えた。
 カイザーベリアルも、目の前に再び現れたウルトラマンノアの姿に、僅かながら息を飲んだようだ。


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