[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
変身ロワイアルその6
709
:
変身─ファイナルミッション─(5)
◆gry038wOvE
:2015/12/31(木) 21:03:12 ID:GU7jrFVA0
誰への敵意もない絶叫だけが、虚しく響き渡る。
ユートピアなどない。理想郷は、崩れていくのみだった。
たとえ、上面だけ、理想郷を復元していたとしても。
結局、彼が求めた場所は──一人きりの理想郷にしかならない。
──そして、それを悟った瞬間だった。
◆
「──!?」
──ふと、世界は切り替わった。
まるで消失が止まったかのような錯覚に陥り、加頭の耳元で、何かが“囁いた”。
周囲を見回すと、何もかもが……時間が止まっていた。
暁美ほむらによる時間停止が原因ではないのは判然としている。
そして、直後に、何かが「何の為に戦ってきたのか」という加頭の問いに答えた。
『──地獄に堕ちる為さ』
──白い腕が、加頭の脚を固く掴んだ。
驚いて見下ろすと、その腕はまるで地の底から生えているかのように、深い沼に加頭を引きずりこもうとしている。
見覚えのある腕だった。──いや、今も間近にいる戦士が同じ規格の物を持っているはずの腕である。
そう、それは。
「死……神……!!」
仮面ライダーエターナル。
その声は、大道克己そのものだ。──彼が地獄へと加頭を道連れにしようとしている。
「貴様ら……」
無数の腕が──ルナドーパントの腕が、メタルドーパントの腕が、ナスカドーパントの腕が、ウェザードーパントの腕が、そして……タブードーパントの腕が、加頭の身体をどこかへ引きずりこもうとしているのだ。
これまで、その死を見て来たはずの連中の腕──。
「この私を地獄の道連れにする気か……!?」
エターナルは笑った。ああ、ずっと待ってたんだ、と。お前を地獄に引きずりこむのを楽しみにしていたんだ、と。
これから加頭が向かう場所──それは、地獄に他ならなかった。
深く、永久の苦しみを味わう為の場所……。
加頭もそれを悟った時──ある感情が、脳裏に浮かんだ。
NEVERになって以来、忘れていた感情。
「嫌だ……」
そう、嫌だ。
こんな事の為に──あんな奴らの為に、地獄になど堕ちたくない。
これから、永久の苦しみが待っているのだと思うと……。
死にたくない。
また地獄に行くのか?
こんな奴らと一緒に……。
『来いよ……地獄に連れて行ってやる……』
「嫌だ……!」
『ずっと待ってたんだぜ……お前が地獄に来るのを……』
──そして、時間は、再び正しい流れに帰っていく。
◆
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板