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変身ロワイアルその6
708
:
変身─ファイナルミッション─(5)
◆gry038wOvE
:2015/12/31(木) 21:01:42 ID:GU7jrFVA0
「──……ホラーを斬るのが、俺の仕事だ!!!」
──そして、何度となく心の中で叫んできたその言葉を、確かに発した。
「おりゃああああああああああああああッッ!!」
金の二刀流が光る。
次の瞬間、冴子に憑依したホラーは、絶狼の刃によって胴を真っ二つに斬り裂かれる。
それは、飛沫だけを残して、いとも簡単に崩れ落ちた。
「ウグァァァァァァァァァァァ────!!!!」
────霧散。
断末魔と共に、ホラーの姿は消えていく。ホラーは蠢くような声をあげ、「冴子の姿をしたもの」さえもそこからいなくなった。
ホラーの返り血が加頭の顔を穢すが、それも結局、今となってはもう意味のない事だった。──加頭ももう、助からない。
銀牙騎士絶狼が斬り裂いた彼の夢は、次の瞬間には完全に自然の中に溶けた。
まるで、園咲冴子など、白昼夢のようだったかのように……。
「あっ……! ああ……」
ホラーの死地に手を伸ばす加頭の前には、もう園咲冴子の片鱗さえも見当たらなかった。肉片の一つに至るまでが、ホラーの餌となった。それが冴子の躯だった。
それは、否定のしようがない事実である。
「……」
そして、これが絶狼にとっては、一つの仕事の終わりだ。
ここに来る前から与えられた物ではないが、魔戒騎士である彼には、それが本職であった。
『──零。お前の今日の仕事は、多分、これで終わりだな。……まあ、急に入った仕事だが』
「ああ。ただ……まだ、やる事は山積みだけどな……」
いつになく乾いた口調でそう言う、ザルバと絶狼。
ホラーの幻影に取り憑かれた一人の男の姿──それは、魔戒騎士が何度も見て来た人間の姿である。
なまじ、人間の姿を模しているばかりに、こんな人間が幾人もいる。
その記憶は、普段は消さなければならない。──だが。
その必要も、なかった。
「ああ……ああ……」
園咲冴子は死んだ。
もう戻らない。
加頭順は幸せにはなれない。
──彼の理想郷は潰えたのだ。
加頭も、ようやくそれを理解したようだった……。
「……うう……くそっ……私は!」
生きる希望を全て失った加頭の身体は、心なしか、加速度的に消滅を始めたように見えた。
身体は薄くなり、周囲の何もかもが見えない状態に陥る。
絶望と後悔だけが身体の芯に残り続ける。
「私は……一体、何の為に……何の為に戦ってきたのだ……!!」
無力。
──そう、これまでの加頭の己の身体さえも裂いた戦いは全て、無駄な徒労に過ぎなかったのだ。
「クソォォォォォォォォッッ!!! 何の為に……!! 何の為に……!!!」
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