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変身ロワイアルその6

702変身─ファイナルミッション─(4) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 20:52:17 ID:GU7jrFVA0

 蒼乃美希、それから、孤門一輝だ。
 まだ直接会ったわけではないが、美希に声を届かせようとしているその男の名を──。
 ゼロは、自分とベリアルを再び会わせてくれる男の名として──そして、いかなる時も諦めない男の名として刻んだ。

「──」

 周囲の景色はめまぐるしく変化している。
 幾光年はるか彼方までも、ゼロは飛び続ける。
 美希が声を聞いた所まで……。

『──もうすぐ……』



 ──諦めるな!──



『うん……!』

 美希の中に聞こえる声は次第に大きくなっていく。
 地上では、遂にユートピアドーパントに向けて一斉攻撃が放たれた頃だった。
 その頃には既に美希の中で、孤門一輝の心の声が巨大に膨らんでいる。

『私は諦めない……!! ここに希望がある限り──』

 諦めるな……。
 美希がここに来て──仲間が死ぬかもしれない恐怖に挫けそうになった時、孤門がかけてくれた言葉だ。
 結局、桃園ラブも、山吹祈里も、東せつなも……たくさんの友人は死んでしまった。
 そして、そんな美希を常に支えるのは、孤門が放った言葉なのである。
 単純ゆえに。
 その言葉は、決して重圧にもならず、美希に追い風を吹かせている。

 今も、どこかで──ラブの両親や、祈里の両親や、せつなの仲間や、学校の友達が……きっと悲しんでいるのだろう。
 立ち直る事は出来ないかもしれない。
 だが、後を追う事だけは絶対にしてほしくない。
 ──希望は、必ず、どこでも失われないのだから!

『──来た!!』



 ──瞬間。





「!?」





 ──白い光が周囲を包んだ。



 無限の暗闇の中にあるはずの宇宙に、星々の煌めきではない、何か神々しいとさえ思える白い光が広がっていく。
 それは、ウルトラ戦士の中でも神と言われるような存在が放つ光であった。

「あれは……!!」

 そこには、ただ……ウルトラマンゼロと、その中にある蒼乃美希と、視認するのが難しいほどの小さな人形だけがあるのだった。
 しかし、それがウルトラマンノアの形をしたスパークドールズであるのが、すぐにわかった──。

「見つけたのか! 美希!!」


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