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変身ロワイアルその6

697変身─ファイナルミッション─(3) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 20:46:16 ID:GU7jrFVA0

『僕達が教えたんだよ……。
 次にお前が時間停止やトライアルを使って一斉攻撃を仕掛けた時──!!』

 真後ろを見る。──そこにいたのは、仮面ライダーダブルだ。金色に光り輝くボディを見ても、それを見紛うはずがない。
 彼らもまた、何故かこの閉鎖された時空の中で平然と動いていた。
 何故か……。



「ロッソ・ファンタズマの分身を消して、一気に飛び込もうぜってな!!」



 翔太郎の、自信に満ちた声が反響した。

「──!」

 そうか、その手があったか──と、ユートピアは、驚きながらも納得する。
 少なくとも、先ほど倒したはずのダブルと杏子に関しては「幻術」により生まれた存在だったのである。

 ロッソ・ファンタズマ。
 把握していたはずの能力だった。加頭自身も、ついさっきまで──コアを破壊される瞬間までは、使用が可能であった技の一つだ。
 ドーパントに喩えるならば、ルナドーパントに近いあの幻惑に近い。

「ロッソ・ファンタズマだと……!」

 しかし、彼女たちにそれを使う隙がどこかにあったとは到底思えなかった……。
 彼女たちは、かなりの長時間──シャンゼリオンが戦う前の時点で幻影と化し、本体はユートピアの死角に隠れていたはずである。
 最近、ロッソ・ファンタズマを取り戻したはずの彼女が、そんな長時間、魔力を行使できるはずがない。

 いつからか、と言われれば──かなり前から使用していなければ計算が合わない。
 だから、加頭はその可能性はあらかじめ除去していた。
 これまでも、伏兵として使われていた事は殆どなかったはずだ。

「貴様ら……この瞬間を、ずっと……!」
「その通り──。この時を、ずっと待ってたのさ!」

 よもや、杏子がそれだけ上手にその技を使いこなしているとは予想がつかなかった。
 そ加頭順がここで主催を代行した時点でも、「ロッソ・ファンタズマ」という技は、杏子が使う事の出来ない技であったからだ。彼女は既にその技の使い方を忘れている。
 彼女の精神が既に使用を拒んでいる状態にあったはずだ。

「……なんというッ……!」

 綿密な下準備を行って殺し合いを開いた中でも、杏子の「ロッソ・ファンタズマ」の再習得は在りえない話だったのである。
 そして、それをこんなにも上手く、ユートピアの目を欺いて利用するとは思えなかった。
 彼女は──自分の命を捨てる事さえも恐れずに、技を使っているわけだ。──いや、もしかすれば、既に“そのリスクがない”のか?
 結局、彼には何もわからなかった。

「はあああああーーーーッッ!!」

 そんな最中、仮面ライダーエターナルも飛び込んでくる。
 そう、こうしている間にも、時間は動いている。

 制限が切れた今、自分の周囲の特殊能力を無効化するエターナルのエターナルローブは厄介な代物に違いない。
 こんな一瞬の隙があれば、彼にもエターナルローブを纏う時間がやってくる。

「くっ! ユートピアが負けるはずはない……こんな未来がありうるはずがない!!」

 ──この逆境を越えられるのは、ベリアルの力のみ!

 しかし、ドーパントたちのコアも、魔法少女のコアも既に砕かれ、トリッキーな時間停止が利用できなくなっている。


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