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変身ロワイアルその6
687
:
変身─ファイナルミッション─(3)
◆gry038wOvE
:2015/12/31(木) 20:34:21 ID:GU7jrFVA0
(……そう、大丈夫……! 私の後ろには、みんながいるんだ……!)
ヴィヴィオは、その時、あらゆる人の事を思い返していた。
二人の母の事を。
共に戦ったライバルの事を。
ここで助けてくれた人々の事を。
『大丈夫だよ、ヴィヴィオ……』
そんな人々が、ヴィヴィオの身体と精神を支えていく。そして、次の一声に至るエネルギーを貸してくれる気がした。
そっと、微笑みかけながら……。
ヴィヴィオの体を包んでいる温かさは、レイジングハートだけではなく、母のなのはから齎されているような気がした。
魔力杖を彼女の真横で支える、なのは、フェイト、アインハルト、スバル、ティアナの姿……。
「──バスター!!!!!」
──────炸裂!
「ぐっ……!!」
ユートピアの全身を飲み込みながら、爆ぜるようにして威力を増すディバインバスターの魔力。それが、彼の全身の自由を奪った。
彼の身体に確かに駆け巡った痛み。
だが、この程度ならばユートピアも耐えられた。──データにないトリッキーな「ディバインバスター」の使い方であったが、彼の肉体も魔力に屈服するレベルではない。
それでも、絶対の力を得たはずの自分の中に湧きあがる不安のような感情に、ユートピアは襲われつつあった。
「……何──だとッ!!」
──負けるのではないか?
この瞬間、再び、ユートピアの中にそんな考えが浮かび、打ち消した。
「はあああああああああああああああああーーーーーーー!!!!!!!!!」
そして、そんな桃色の粒子の中を駆け巡る一つの影。
いや……一つ、には見えなかった。
「……うぐっ……! バカな……!? がはぁッ……!!」
ユートピアの目は、何人もの、「死んだはず」の幻影が自らを襲う姿が見えていたのだろう。──これが、ただのコピーの技と、本当の技との決定的な違い。
「この程度の攻撃……ッ!」
高町なのは。
フェイト・テスタロッサ。
アインハルト・ストラトス。
スバル・ナカジマ。
ティアナ・ランスター。
プレシア・テスタロッサ。
利用してきたはずのこの殺し合いの駒たちの姿が……。
「一閃必中──ッッッ!」
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