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変身ロワイアルその6
686
:
変身─ファイナルミッション─(3)
◆gry038wOvE
:2015/12/31(木) 20:32:58 ID:GU7jrFVA0
「──こっちも反撃っ!」
そんなヴィヴィオの掛け声とともに、三つのデバイスが彼女の意思に肯いた。
デバイスたちに頷く事が出来たのなら、おそらくその時、三つのデバイスが同時に首肯しただろう。──しかし、仕草で息を合わせる必要はなかった。
それぞれが、今は想いを一つにしているのだ。
『ヴィヴィオ……力を貸します!』
──ヴォヴィオの全身を、更に包む白いバリアジャケット。
それは、レイジングハートが変身能力でヴィヴィオの体を包むバリアジャケットへと変身した物であった。──胸元でリボンが結ばれ、その姿は完成する。
「これは……」
高町なのはが装着したバリアジャケットと同様の物であるに違いない。
そして、気づけばヴィヴィオの手には、レイジングハート・エクセリオンの杖が握られている。
レイジングハートが気を利かせてくれたのだという感慨の中、ヴィヴィオはただ、彼女に向けて頷いた。
「──うん!」
防御結界のエネルギーは、そのままヴィヴィオの身体の中へと収束していく。
時に、それはユートピアの持っていたエネルギーさえも、反対にヴィヴィオの中に吸収されていった。
「いこう……!」
桃色のオーラがヴィヴィオの身体を輝かす。
まるで全身に温かい光が雪崩れ込むようだった。
「──ディバイン」
ヴィヴィオの全身を覆った桃色のオーラ──これが、これまでに高町なのはたちが放ったディバインバスターの力だったから。
誰かとわかりあう為に、誰かと本音をぶつけあう為に、──常に誰かを傷つける以外の目的の為に使われたのが、このディバインバスターだったから。
それは、ヴィヴィオの鎧となり、剣となる。
「──ッ!!」
次の瞬間、ディバインバスターはヴィヴィオの身体から、ユートピアの方に、何の合図もなしに向かっていった。
それはまさに、一瞬の切り替えしだった。
流星のように、感知が出来ても祈る事が出来ないほどのスピードで、ユートピアの身体へと叩きこまれた桃色の魔法力。
それは、ユートピアドーパントが目にしてきたあらゆるデータとは根本的に異なっていた。
──ただの一撃ではない実感。
「──何!?」
ユートピアは、痛みを受けない魔力の放出を前に、ヴィヴィオの方を見た。
まだ、この魔法の力を最大限に開放する、呪文の最後の一声は発していない。
しかし──。
「……!!」
彼女の闘気が自らに向けて放たれている。彼女の瞳は、にらみつけるようにユートピアの身体を掴んで離さなかった。
その瞳は、何かを訴えかけるでもなく、ただ目の前の敵に食らいついていた。
それが、彼女が一人の格闘家である証だった。
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