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変身ロワイアルその6

682変身─ファイナルミッション─(2) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 20:27:02 ID:GU7jrFVA0

「この体にコアがある限り、お前たちは私には勝てない……! 諦めるんだな……!」

 絶対的な自信とともに、ユートピアが、宣言する。
 まるで、自分だけにスポットライトが当たっているつもりのように、高らかに。
 喝采が返ってくるはずもない。彼が望む喝采は、ただ一人からの物だ。有象無象の拍手など何の意味も成さない。

「……くっ!」

 しかし、挑発的にそう言われた時に、先ほどまで地面に伏していた誰もが、立ち上がろうとした。
 今しがた、攻撃を受けたばかりのエターナルとブロッサムもだ。

(諦めるわけがない……!)

 諦めろ──と。
 その一言を聞いた時、彼らの中で、目の前の敵への対処法が生まれたのだ。
 そう、これまで自分たちがどうやって勝ち抜いてきたのか──その理由を反芻する。



『────諦めるな!』



 ──どんな相手を前にしても、誰も諦観などしなかった事だ。

「……だったら……要するにコアをぶちのめせばいいんだろ……!?」
「攻略法としては、簡単だな……! さっさと倒しちまおう……!!」

 ダブルとエターナルが、歯を食いしばりながら告げた。
 それからは、彼らのみならず、誰もそれから、ユートピアの脅威を前にも唾一つ飲み込む様子がなかった。

 全員が立ち上がっていた。
 ユートピアの能力は、本来ならば絶対的に相手にしたくないような能力に違いない。力の強さもわかっている。彼に攻撃された時の痛みも、反射的にユートピアを避けたくなる程に染みているはずだ。

 確かに、一人一人の力で勝てる相手ではないかもしれない……。
 しかしながら、こう言われた時、彼らにはそれと同等の力を得たという確証があったのである。──それは、理屈の上にはない物だった。
 彼らの力を受けたユートピアと違い、自分たちは彼らの想いを受け継いでいる。

 ──そうだ。

 彼らにとっての脅威はベリアルだ。
 この虚栄に満ちた門番ではないのだ。

「──っ!!」

 ……誰より先に、構えて前に出たのは、先ほどと同じく、高町ヴィヴィオという一人の格闘少女だった。






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