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変身ロワイアルその6

669変身─ファイナルミッション─(1) ◆gry038wOvE:2015/12/31(木) 20:06:41 ID:GU7jrFVA0

(届け……届け……!!)

 彼らは、祈った。
 人が祈れば風が吹くわけでもないが、かつて、左翔太郎はそんな経験をした事がある。人々の祈りは時として黄金の風を巻き起こす事もある。
 せめてこの先にある世界に自分たちを届けてほしいと。

(届け……届け!!)

 そう思いながら──

 八人は、ただ祈った。
 彼らと同化している魂や、共に戦ったデバイスたちも祈り続けた。
 このままでは、数々の人々が、数々の死者が、美国織莉子が、吉良沢優が、インキュベーターが、動かしてくれたこの船が沈んでしまう。

 運命は、彼らだけの力では不足だというのか。
 このまま辿り着かなければ、その全てが無駄になり、同時に、全てが終わる。
 ここにいる者たちが最期を迎えた時、遂に世界の希望は潰えてしまう──。

(──届け!!!!!!)

 ──そして、その時である。



『──』

『──!』

『──!!』



 彼らの耳に、幾つもの────「声」が聞こえた。



 この時空の狭間には、無数の世界や宇宙──あるいは時空に繋がる扉が存在している。
 それらの扉から、無数の声と、そして力が一陣の黄金の風となり、彼らのもとへと寄り集まっていったのである。
 彼らに力を貸す意図もなく──ただ、混ざり合って風となって。

『──蒸着!』

 なにものか、の声。

『赤射!』
『ムーン・プリズムパワー・メイク・アーーーップ!!』

 ……それは、無数の時空に存在する彼ら以外の変身者の声に違いなかった。
 遠き日、その変身者たちの姿を見守った子供たちならば、その声を聞き分け、それが誰の言葉であるかも、きっと思い出す事も出来るだろう。

『焼結!』
『デュアル・オーロラ・ウェーーーブ!!』

 その変身者たちが発した魔法、科学、超能力など……あらゆる形で発現された変身エネルギーの塊。ベリアルさえも利用の方法を模索し、首輪という媒体を使わなければ得る事が出来なかった膨大な力たち──。
 それが、彼らの船を包み、巨大な追い風へと変わっていったのである。

「!?」



 ──この戦いの為に利用された、「変身エネルギー」たちである。



「これは……」


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