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変身ロワイアルその6

648BRIGHT STREAM(5) ◆gry038wOvE:2015/09/02(水) 18:39:32 ID:RQpuUNRs0

 暁はまた、口を開いた。
 それから、また目をきょろきょろさせて、少し躊躇ったが、口を開いた。

「──俺も、あいつらみたいに……このゲームが終わったら消えるかもしれないらしいんだ」
「えっ!?」

 今度の言葉は、そこにいた人間全員を驚かせた。
 暁が、消える──?
 それは、どういう事なのだろう。だが、暁はその理由を話そうとまではしなかった。

「ベリアルを倒したら、今度は俺も消えちまう。……あっ、だけど、ベリアルの野郎を叩き潰すのに遠慮はいらないからな」

 それから、すぐにまた、いつもの暁のような調子で、軽く、笑みが含まれているようにさえ感じられる言葉で、付け加えたのだった。
 だが、それにつられて笑える者などいない。
 暁は仲間だ。──ベリアルを倒す事が、暁を消してしまう事に繋がるというなら、それは
 それで、また、暁は少し声のトーンを落とした。

「こういう事は、あらかじめ言っておいたほうが、後味悪くなくて済むだろ?」
「お前……それをずっと隠してたのか! なんでもっと早く俺たちに言わなかったんだよ……!」
「それはいいだろ? 言うなら、俺の気まぐれだ」

 声のトーンは低かったが、そこだけは何故か普段の暁の調子のように聞こえた。
 誰もがじっと彼を見つめていた。その視線が統一されている中、暁はじっと、目の前の一人一人の顔を見つめた。
 すると、ある想いが湧きあがり、柄にもなく、目頭が熱くなりかけそうになる。
 ──消えたくない。
 いや、しかし、瞼に力を籠め、一度だけ瞳を閉じると、再び彼らに言った。

「──じゃあ、そういうわけだからさ。言った通りだ。……こう言っちゃなんだけど、俺はもう充分人生を楽しんだし、太く短くが俺のモットー。ふんわか行こうよ、ふんわか……」

 そして、暁が、叫ぶように言った。

「……そう、ふんわか行って、最後に世界を変えて見ちゃったりしようぜ!」

 そんな時に──艦内に、キュゥべえの指示が流れる。





『ガイアセイバーズ、出撃!!』





【────次回、変身ロワイアル 最終回!】


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