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変身ロワイアルその6
634
:
BRIGHT STREAM(5)
◆gry038wOvE
:2015/09/02(水) 18:33:15 ID:RQpuUNRs0
可憐なフリルの衣装に身を包んだ少女。
悪魔に乗っ取られた心に再び光に灯せた怪人。
この世界の科学が得ていない「魔術」で装甲を作りだした男女。
文字を操る侍。
不幸な偶然により望まぬ戦いを行う宿命を追った超人。
ただの格闘少年。
────そう、それは殺し合いの参加者たちだ。
その音を鳴らしているのは、この艦内に乗り戦い抜いてきた者たち、この艦に放たれた闇の欠片たち。そして、いずれも──味方であった。
「──みなさん、少し遅れてしまいました。すみません」
ジョーカーたちの元に辿り着いたその群れの中央にて、そう告げたのは高町ヴィヴィオであった。
ヴィヴィオ、ブロッサム、杏子、はやては勿論の事──そこには、プリキュアも、魔法少女も、魔導師も、仮面ライダーアクセルも、仮面ライダーエターナルも、ドーパントたちも……皆、揃っていた。
ヴォルケンリッターや、元ナンバーズの人員らも、格闘家も、仮面ライダーも、テッカマンも、シンケンジャーも、それに続いている。
戦死者は、ない。
「──再会の挨拶もしたいけど、どうやら後にしなきゃですね」
この艦を守り抜いた軍勢は、誰一人欠ける事なく、この場へと揃ったわけだ。
その中で強いて欠けたといえるなら、ノーザと、アクマロと、ゴオマと、井坂と、十臓ほどだろうか。どうやっても相容れない者が若干名現れるのもまた致し方ない話であろう。
外道シンケンレッドとして生きている志葉丈瑠や、ニードルにとっても厄介だった三影英介なども除外されている。
──が、参加者の大半は、彼らの味方となったのであった。
大道克己、泉京水、バラゴ、黒岩省吾、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、月影ゆり、ダークプリキュア、パンスト太郎、溝呂木眞也、相羽シンヤ、モロトフ……そんな、これまで肩を並べて戦う可能性が薄かった参加者までもだ。
単純に心を入れ替えた者もいれば、ベリアルに敵対する意思が強い者、戦う相手としてより強い側と推定される「ベリアル」を選択し快い戦いを求めた者もいる。
ニードルは、眼鏡の奥で瞳を光らせる。
「なるほど……。やはり、闇の欠片をばら撒いたのは正解だったようですね。贋作といえど、これだけ強い生命力があるならば、後は──」
「何? この状況で何を言ってやがる?」
「──まあ気にしないでください」
だが、そんな時、闇の欠片たちの中から、一人が前に出て、声をかけた。
それは、赤いマスクの仮面ライダーである。──忍者の仮面ライダーゼクロスだ。
少しばかりエターナルよりも大型に見えるゼクロスに一度は威圧される。──考えてみれば、彼にとって「仮面ライダーエターナル」とは、最後に命を削り合った敵対者の姿だ。
どんな言葉をかけられるかと思ったが、彼は中が良牙だと気づいているようだった。
「おい、ニードル……いや、ヤマアラシロイド。そろそろ観念した方がいいと思うぜ。──な? 良牙」
「お前……まさか、良か?」
「ああ、俺の名は村雨良──又の名を、仮面ライダーゼクロス!」
ニードルの属するBADANと戦うはずだったのが彼だ。
記憶喪失で感情が薄かった良は、今ではすっかり記憶を取り戻し、陰のない陽気な好青年となっている。僅かに良牙のイメージする彼とは違っていたが──いや、これこそ本当の彼なのだ。
そして、たとえ姿は変わったとしても、根底は同じだ。
ニードルたちを絶対に倒すという意志が彼にはある。
いや──それを言うなら、「彼らには」か。
「──ガイアセイバーズを甘く見るなよ!」
ゼクロスのその言葉を合図に、総勢、八十名以上の戦士が身構えた。ある者は変身のポーズを、ある者は名を名乗る時のポーズを、ある者はただ純粋に銃の照準を合わせ、ある者は自分流の格闘技の構えをした。
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