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変身ロワイアルその6

624BRIGHT STREAM(4) ◆gry038wOvE:2015/09/02(水) 18:28:59 ID:RQpuUNRs0

 なのはは、スバルとティアナに無邪気に話しかける。
 ティアナもなのはに対しての憎しみをあの場で募らせたはずだが、どうもこうして幼いなのはを見ていると、そう憎んでもいられない。というより、やはり実際目の前にすると、なのはの姿は恐い物だった。
 スバルが、ティアナに小声で聞く。

「……ねえ、ティア。この三人にもやっぱり敬語使った方がいいのかな?」
「えっと……どうだろう。普通に顔を合わせづらいんだけど」

 そうして二人が迷っていたのを、なのはが不思議そうに首を傾げて見ていると、今度は横からアインハルトが口を開いた。

「……お久しぶりです。アインハルト・ストラトスです。ヴィヴィオさんのお母様たち、とユーノさん、それにスバルさん、ティアナさん」
「ほら、敬語必須だよ! あの子だって敬語使ってるし」
「あはは……。……あーあ、結局、今のあたしたちじゃ、なのはさんには勝てないって事か……」

 ティアナは、苦笑いしながら、またどこか嬉しそうに肩を竦めた。
 ともかく、ティアナがメモリの力などを含めて暴走した事を彼女たちは知らない。
 水に流すも流さないもなく、彼女たちは同じ世界の人間同士として結託する流れになったわけである。





「ギガララ ゴレ ゾ ワグレスバ!!」(貴様ら、俺を忘れるな!!)





 と、ゴオマが自分を忘れて話を咲かせる彼女たちに向けて、突然、大声で怒った。
 それを見て、彼女たちは数秒だけ考える。

「あっ、いけない。……あの人がいた事、すっかり忘れてた!」
「って言っても、あっちは一人だしねぇ。この数で倒すのは、卑怯というか何というか……」
「相手が怪物なら、卑怯もラッキョウもないわ。さっさと片付けましょう」
「うーん……倒してしまうと、本当に男が僕だけになってしまうから、できれば倒したくはないんだけど……」
「そんな事言いっこなし! もう君は外見が可愛いから女の子!」
「え〜〜〜〜〜っ!?」

 これが女だらけという状況でなければ、ゴオマの事を忘れるような事はなかったかもしれない。
 現にユーノはしっかり覚えていたが、彼女たちの殆どは、とにかく女同士の積もる話を盛り上げるばかりで、全くゴオマを無視していたようだ。
 しかし、ゴオマもまだ、無視されていた方が幸福であった事は間違いない。
 一人一人でゴオマに敵わないにしても、これだけ頭数を揃えれば、もはやゴオマの分が悪すぎた。──そして、個々の力が弱いとしても、力を合わせれば更なる力を発動できる彼女たちにとっては。

「──よしっ。それじゃあ、つぼみちゃん、杏子ちゃん。これ使いな!」

 と、そんな時、はやてが何かをつぼみと杏子に向けて投げた。
 ゴオマがすっかり忘れられて動かなかった内に、この場に秘蔵してあった武器を発掘していたようである。はやても感動の再会より先にそちらを優先するとは、抜け目ない話だ。
 元々、つぼみと杏子をここに誘導したのは、緊急時に使用すべきある秘蔵の武器を彼女たちに託すためだったのだろう。

 そんな彼女に動揺しながらも、つぼみと杏子はそれをキャッチする。
 それは、シプレとキュゥべえの形をしたぬいぐるみであった──それらの触り心地は、まるでセイクリッドハートやアスティオンのようだ。

「あの……何ですか? これ」
「超短期間で作った簡易デバイスや。はっきり言って、二人の使う花のパワーや魔法はこの世界の常識とは大きく違うから、これまでほどの力は使えんし、使用できるのは解除するまでの一回きり。……でも、折角、こんなスペシャルな状況やしな」

 ──つまり、今、杏子とつぼみの間に渡ったのは、ハイブリッド・インテリジェントデバイスそのものであった。


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