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変身ロワイアルその6

623BRIGHT STREAM(4) ◆gry038wOvE:2015/09/02(水) 18:28:34 ID:RQpuUNRs0

 はやては、ヴィヴィオの肩を借りて、その部屋のもっと奥に避難しようとしていた。
 そんな中でも、なのはやフェイトやユーノの闇の欠片が出現した時には、彼女の顔色も随分と良くなったような気がした。
 ゴオマは、ここにいる何名もの全てが敵である事を解したのか、少々、驚嘆している。
 これまでのゴオマの戦いで、最も多くの敵が同時に責めてきている。──それも、リントとはくらべものにならない力を持つ強敵たちが。

「……サンキュー、助かったぜ! ──フェイト、ユーノ……また会えてよかった!」

 彼女たちの後ろに向かった杏子たち──動じていないわけではない。
 だが、はやてやつぼみに比べればまだ、闇の欠片の性質を割り切って考えて、落ち着いている部類だった。そんな言葉がかけられるほどだ。
 キュアマリン、キュアピーチ、キュアパイン、キュアパッション、鹿目まどか、美樹さやか、巴マミ、暁美ほむら、高町なのは、フェイト・テスタロッサ、ユーノ・スクライア……そこに集った少女たちは、いずれも欠片に過ぎない。
 だが、少なくとも──友達の為に協力するくらいの魂はその中に残されている。

「まだまだいるよ〜!!」

 戦慄するゴオマの元に、更に数名の戦士が転送される。
 ──新たにそこにデータが送られた闇の欠片は六つ。
 キュアサンシャイン、キュアムーンライト、ダークプリキュア、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター、アインハルト・ストラトス。
 少しばかり、業が深かった者もいるだろう。──だが、それでも、助けが必要とされている状況だった。そんな時に立ち上がらない彼女たちではない。

「いつき、ゆりさん、なのはさん……!」
「アインハルトさん……!」

 それらが現れた事にゴオマが更に驚いたのだが、他の闇の欠片たちは、──それを誰より驚くはずの生者でさえも、至極冷静であった。
 とにかく、これにて、ゴオマの敵は十九名になったわけだ。
 はやてたちの危機に、闇の欠片たちは続々とこの場へと転送される。まるで因果が彼女たちをこの場に近づけているかのように。

「まったくもぉ〜。みんな遅いよ〜、名乗り損なっちゃったじゃん」
「なんだか……色々あった割には元気だよね、マリン」
「逆に怖いわ。……本当に私を許してくれるの?」

 キュアマリンのあまりにも軽い態度に、キュアサンシャイン、キュアムーンライトと順に驚いている。それというのも、やはり、三人とも、えりかの死に何かしら関わり、ムーンライトに至っては加害者そのものであったからだろう。
 自分を殺した相手を許すというのはなかなか出来ない。そんな機会は滅多にないのだが。

「そんな事言ったって、過ぎた事をとやかく言っても仕方ないし。あたしの心は海より広いんだからね〜っ!」

 と、キュアマリンは言うが、はっと一つの事に気づいたように振り返った。
 彼女の視線の先にいたのは、黒い片翼の戦士──ダークプリキュアである。

「……っていうか、こっちこそ疑問なんだけど、なんでアンタがこっちにいるわけぇ?」
「あっ、それなんだけど、マリン。……ダークプリキュアは、もうダークプリキュアじゃないんだよ。一応、姿はダークプリキュアのまま召喚されたみたいだけど、ゆりさんが一緒だからね。わかりやすくしてあるんだよ、きっと」

 答えたのはキュアサンシャイン──またの名を、明堂院いつきである。
 最も深く関わり、彼女の事情を知っているのは彼女である。

「はぇ?」
「……彼女の名前は、月影なのは。えっと、この状況だと、名前も含めて紛らわしいけどそういう事だから」
「うーん……なんだかわかんないけど、まあいいや! とにかく今はもう味方っと。……んじゃま、そういう事ならよろしく〜」
「ああ、うん。……なんだか軽いな。でも、こちらこそよろしく。キュアマリン……えりかだね」

 とまあ、そんなやり取りがプリキュア同士で行われていた時、なのはも、新しく現れたスバルたちと会話を交わしていた。

「……えっと、スバルさんにティアナさん?」


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