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変身ロワイアルその6
621
:
BRIGHT STREAM(4)
◆gry038wOvE
:2015/09/02(水) 18:27:48 ID:RQpuUNRs0
だが、効果はゼロに等しかった。それどころか、その固い体表によって、逆に彼女たちが衝撃を受けて倒れているほどだ。
「──二人とも、離れてッ! アクセルスマッシュ! はぁっ!!」
ヴィヴィオがクリスの力を借りて、ゴオマの背中に向けて何発もの魔力を込めた打撃を与えた。
──それにより、空気の波が振動する。打音は心地良くも聞こえる。
しかし、効果はいまひとつというしかなかった。ヴィヴィオの手にも手ごたえがなく、彼女は険しい表情で冷や汗を流した。
「…………っ!!」
そうこうしている内に、はやての顔がだんだんと青ざめてきた。
呼吸が出来ない上に、ゴオマの力が強すぎて圧迫される首の部分にも相当な負担がかかっているのだろう。
その様子を見上げながら、つぼみと杏子は焦燥感を募らせる。
「八神さん……っ!」
「に…………げ、て…………」
そう言われるが、彼女たちも逃げる気はない。
一刻も早く助けなければならないが、その為の力がなく、その上、このままだと自分たちがゴオマに狙われる事まで時間の問題だ。ヴィヴィオですらゴオマに対したダメージを与えられていない。
はやての顔が苦しんでいくたびに、つぼみと杏子は、恐怖より前にそれを助けなければならない気持ちでいっぱいになる。ヴィヴィオもだんだんと焦り始めていた。
「っ……! どうしたら……っ!」
「くそっ……!」
──二人は、打開策もないのに、思わず、再び立ち上がった。
何もできる事はない。それどころか、また立ち向かったところで、危険かもしれない。
無謀であった。何か奇跡的な偶然が起こらなければ、彼女たちが勇気を奮って立ち上がった意味は瞬時になくなり、二人の命も消えるかもしれない。
「誰か……っ!」
つぼみは手を合わせて祈った。
それは咄嗟の出来事であったが、やはり奇跡的な偶然や神頼みしか方法が浮かばなかったのだ。
だが、そんな時である。
「──!」
──その「奇跡的な偶然」は、起こったのだ。
「──プリキュア・ブルーフォルテウェイブ!!」
その部屋の隅から、どこか懐かしい叫びが聞こえ、ゴオマの背中から青白い光が飲み込んだ。はやてやヴィヴィオさえも巻き込んで、それは、ドアの前にまで波打って行く。
高波が襲い掛かるような衝撃に、ゴオマの手は思わずはやての首元から離れた。
「グッ……グァッ…………ッッ!!」
ゴオマはどうやら苦しんでいるようだが、はやてとヴィヴィオには一切、その攻撃によるダメージがなかった。──邪心を持つ者にしか、その攻撃は効かないのである。
つぼみは、驚きながらも、その攻撃の主の姿を部屋の中で見つけ出した。振り返れば、そこに“彼女”がいる──。
二度と会えないはずの彼女だ。
「まさか……」
──水色のウェーブの髪。
──白い生地に青い飾りを拵えた衣装。
──少しばかり小柄な体躯。
そして、ここまでの出来事を全く気にしていないかのような陽気な笑みと、どこか照れ隠しのように後頭を掻く姿。
全く同じ名前の技を放つ知り合いを、つぼみは一人知っていたが、彼女を確信させたのはその愛しい姿を見つけた時であった。
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