[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
変身ロワイアルその6
611
:
BRIGHT STREAM(3)
◆gry038wOvE
:2015/09/02(水) 18:24:23 ID:RQpuUNRs0
「……そうだよ、コロナ……私たちは私たちに出来る事を全力でやる! ここに帰って来られなかった人が守れなかった世界は、私たちが叶える!」
コロナと背中を合わせ、お互いに支え合うようにして、立ち上がる小さな陰はリオであった。そんなリオも目の前の怪人──ザンジオーに向けて、力なく何歩か走りだし、両掌から、重たい一撃を放った。
「絶招 織炎虎砲!」
リオも、パワーに関しては、あの響良牙に匹敵するレベルであった。──先ほど、良牙のもとで鍛錬した際も、とりわけ彼女はその才能を良牙に褒められたほどである。
魔力消費が膨大な一撃が、ショッカー怪人ザンジオーの身体をぶち抜き、彼の身体も泡へと消し去った。
それでもまだ彼女たちの前に死人のように群がる怪人たちは彼女たちに向かってくる。
「「強くなるんだ……どこまでだって!」」
──あのモニターによって、ヴィヴィオやアインハルトが巻き込まれた殺し合いを目の当りにした時、コロナとリオは何を想っただろう。
二人の痛みを分かってあげられるにはどのようにすればいいのか。こうして黙って見ている事しか出来ないなんて、友達としてそれで良いのだろうか。
──そう思ったに違いない。
だが、現実には彼女たちはあまりにも無力だった。彼女たちだけでなく、その偉大な先輩たちも。世界中の人たちも。六十六名の参加者と世界を救う術が、人々にはなかった。現場に行きつく術すらなかった。
そして、人々は今も彼女たちと共にベリアルを倒しに行く事さえできないまま管理に屈しかねない状況に陥っている。
ならば、せめて彼女たちに道を開く為に、精一杯に自分の力を振り絞ってみせようと。
二人は──いや、この艦の乗組員は、須らくそう思っていた。
だからせめて、何かヴィヴィオたちを助けられる力を学びたい。──そうして、良牙から格闘を習おうとしたコロナとリオであった。
そんな二人も結局は、その欠片も習得する事ができなかったのだが。
「このくらいの敵……ッ!」
シオマネキングを中心に群がるショッカー怪人たちの姿を、リオたちは固い意志の籠った瞳で睨んだ。幸いにもまだ味方側に死人は出ていないが、ここから先はそれさえ覚悟をしなければならないかもしれない。
自分たちに出来るのはヴィヴィオたちが辿り着くまでの時間稼ぎに過ぎないのだ。
この区域にいる残りのショッカー怪人の数は何十体か。──魔力が保たず、別の区域もそれぞれ手一杯で援護も期待できない。敵一体につき消費される魔力を考えれば、このままここで勝ち進める可能性は高いとは言えなかった。
──しかし、そう考えた直後、ある一声が彼女たちの形成を逆転させたのだ。
「────猛虎高飛車!!!」
そんな叫びが廊下に反響すると共に、廊下が不思議な光に包まれ、ショッカー怪人の断末魔がコロナたちの耳朶を打った。
いやはや、聞き取れた声は、良牙が教えようとした技の派生型と全く同じである。良牙はそれを教えなかったが、おそらくその技は滅多な事では出ないのだろう。
そんな技を使えそうなのは良牙くらいしかいないのだが、それは良牙ではない。
もう一度、技の名前と声を二人は頭の中で反芻した。
──猛虎高飛車。
あの、獅子咆哮弾と対局に位置する「強気」の技だ。気の持ちようによって変化する技ではあるものの、この技を使った男は、本来なら、あのヴィヴィオと行動していた男・ただ一人のはず──。
「誰……!?」
「味方か!?」
ショッカー怪人たちも、周囲をきょろきょろと見回し始めた。増援がやってくるはずもない。──来るとすれば、それはあの殺し合いの生還者だろう。
だとすれば彼らにとってはむしろ好都合だが、現実は違った。
「──おい、お前ら……ヴィヴィオの友だちか!?」
遠くから響いて来る男の声は、コロナとリオにそう問いかけていた。
どこか聞き覚えがある声に、二人は固まる。確かにそれが何者なのかは二人とも、察しがついていた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板