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変身ロワイアルその6
596
:
BRIGHT STREAM(2)
◆gry038wOvE
:2015/09/02(水) 18:17:03 ID:RQpuUNRs0
女性の部屋に勝手に侵入した罪は重いが、先ほど「安心したまえ」という声をかけている。
何やら用事があるようなので、その用事とやらが一体何なのか──という事を知りたかった。それさえ済めば、この不気味な男も消えてくれると思ったからだ。
とにかく、それを聞いて鳴滝は、咳払いをしてから話し始めた。
「……蒼乃美希の所在がわかった。まずは、ここの艦長よりも先に、君たちに報告しておこうと思ってね」
「え!? 本当か!?」
「ああ。──彼女は、今、歴代ウルトラマンたちの故郷がある世界にいる」
蒼乃美希──つまり、彼女たちの仲間であるもう一人の生還者の足取りがようやく掴めたという事だ。故郷の世界にもいないので、誰もが心配していたくらいなのだが、どうやら生存していたらしい。
そして、鳴滝の計らいにより、ここの艦長よりも先に二人はそれを知る事になった。
「──生きているんですね!?」
「彼女は元気だ。ウルトラマンゼロと融合し、アースラとは別ルートでベリアルの元に向かい、一足先に孤門一輝の救出をしようとしている。だから、彼女の事も、……そして、孤門一輝の事も、心配する事はない」
そう言う鳴滝の顔は、豆粒ほどの大きさだが真剣だ。
美希がゼロなるウルトラマンと融合したという事実がさらっと語られているが、もし本当ならば──それは、非常に心強い話でもある。
カイザーベリアルという黒幕は、元々はウルトラ戦士で、ウルトラマンノアやダークザギを恐れていたという。そんな彼に対抗できる存在として、別のウルトラ戦士と協力する事ができる事実は、大きな鍵となる。
ただ、ひとまずは、美希が生存しており、アースラと同じくベリアルの世界に向かっているという事に安心していた。
再度、つぼみが確認する。
「……間違いないんですね?」
「ああ。いずれ、ここの艦長たちにも報告するつもりだ。君たちとは初対面だが、私もクロノたちとはベリアルの管理が始まって以来、情報を提供し合う関係になっている。……信頼してくれ」
確かに現状での鳴滝は、不審者でしかない。ゆえに、絶対の信頼を置いていい相手かはまだわからないのだが、クロノやはやてのお墨付きであるならば、また話は変わってくる。
それを確認する術は、今はないものの、このような嘘をついて意味があるとは思えない。──この状況下で意味もなく情報を攪乱させる愉快犯がいるとすれば別だが、まあそういうわけでもないのだろう。
それに、このアースラがなかなか美希を見つけられなかった理由についても、現在の彼女がウルトラマンとして活動している事を考えれば説明が付く。美希としての姿を見た者がいないというわけだ。
アースラと別ルートという事は、既に別宇宙に辿り着いている可能性も少なくはないし、辻褄は合ってくる。
「サンキュー、おっさん。不審者かと思ったら、良いとこあるじゃん」
「フッ……言っただろう、私は全てのライダーの味方であり、プリキュアの味方だ」
そう答える鳴滝は嫌に上機嫌である。若い少女に褒められて、悪い気はしていないようだった。
とにかく、この鳴滝の男は、ただひたすらに仮面ライダーが好きらしい。
「──……おのれディケイドォッ! 仮面ライダーも良いが、プリキュアもまた……素晴らしい物だな!!」
そして、彼はそれだけ言うと、また彼は満面の笑みを浮かべ、突如現れた小さなオーロラの中に身体を溶かして消えていった。
杏子とつぼみは呆然としながら、湯呑の淵をじっと眺めている。──まるで手品のような光景であったし、要件以外は言いたい事がさっぱりわからなかったのだが、少なくとも、今は敵ではなかったわけだ。
もしかすると、ああしてこちらに来たのだろうか。
──杏子が平然とその湯呑で残ったお茶を飲み始めたのを見て、つぼみは引き気味に顔を青くした。
だが、杏子は全く構わずに続ける。
「で、あのおっさんは、一体何者なんだ……?」
「さあ……。でも、とにかく美希が無事らしい事はわかりましたし……結果オーライですよね」
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