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変身ロワイアルその6
586
:
BRIGHT STREAM(1)
◆gry038wOvE
:2015/09/02(水) 18:11:13 ID:RQpuUNRs0
全員の視線が、零に集中した。
涼邑零は、その状況の全てを知った上で、その光景が続くのが面白いから、放置して楽しんでいたのだった。
彼は、全員が一食分しか食べていない中、五皿分ほどの飯を平らげ(彼曰く、「今日は食欲がない」らしい)、食後のデザートを決めようと考えていた最中なのである。──だが、そんな中で面白い喧嘩が始まったので、そちらに数秒だけ注目していたわけだ。
零に図星を突かれた二人が固まる。すると、良牙が零に訊いた。
「……あかりちゃんの事か?」
「ああ。でも、その事で妬いてる人は、もう一人いるかもね」
『──しかも、この中にな』
零と魔導輪ザルバが悪戯っぽく笑うと、良牙は、きょろきょろと周囲を見回した。
別にあかりとの事を、誰が妬いていようが関係ないが、こう言われてしまうと少し気になったのだ。
ざっと見て、ここに集合している男は、翔太郎、暁の他には一人──零だけだ。
「……お前しかいねえじゃねえか」
「そうだったりして」
零が、にこにこと満面の笑みで返した。──いや、本気とは思えない。
だが、まるで謎かけのような言葉には裏の意図があるようにも思えた。
「……」
「……」
「ははは」
「わははははははははは……」
──だが、やはり零特有の冗談だろうと思い、良牙はにこにこと冷や汗入りの笑みを返して、気を静めた。何故か、零に弄ばれている感じがして、これ以上怒るのは恥ずかしい気がしてきたのだ。
ただ、翔太郎と暁の方をキッと人睨みすると、良牙は再び、自分の座っていた席に戻り、米一つ残さずにカレーを食べ終えた皿を返却口に返しに行った。足取りは乱暴だ。
「まあいいさ! 俺にあんなに可愛い彼女がいた事を嫉妬しちまうのは仕方ないかもしれないな!! いやあっ、もてる男はつらいぜ!! わはははははははははは」
わざと大声でそう捨て台詞のように高笑いしながら歩きだした。妙に胸を張り、心の底から自慢気にも見える。食堂の視線が良牙に集中し、ひそひそと笑いが起きている事など彼は気づいてもいないらしい。
そんな調子の良い彼の姿に食堂中が注目している中、翔太郎と暁は、ほぼ同時に、あからさまに不愉快そうな顔で舌打ちをした。
「──なんだか、こうして見ると、彼らに世界の命運がかかっているとは思えませんね」
「あはは……私もちょっと思ったかも……」
レイジングハート・エクセリオンとヴィヴィオは、そんな一連の様子を見て、一言ずつ、冷静に告げる。
レイジングハートは二皿を何とか食べきったあたりだ。──色々食べてみたかったのだが、先日、食堂のバリエーションをある限り食べようとして、「人間の腹に入る食べ物の量には限界がある」、「まだいけそうだと思っても駄目な時は駄目だ」という事実に途中で気づき、残り物を食堂にいるクルーに諸々のお裾分けした経験がある。
今日も、チャーハンと牛丼で二皿食べる事が意外とぎりぎりである事を悟り、それだけを頼み、何とか平らげたところであった。
とはいえ、我慢半分に食べている人間もいれば、流石に我慢しきれないタイプもいた。
たとえば、ここにも。
「────すみません。御馳走様です」
花咲つぼみは、両手を合わせて、申し訳なさそうにそう言った。
彼女は、オムライスを頼んだのだが、三分の一ほどの量が残ってしまっている。元々、精神的にも肉体的にもそこまで頑丈ではない彼女は、この状況下、あまり食欲も出なかったのだろう。
杏子が、その様子を目にして一言言った。
「ん? 結構残ってるじゃないか」
「……ごめんなさい。あまり食が進まなくて」
つぼみなりに、残さないように奮闘した方なのだが、胃の容量も限界となると、掻きこもうにも吐き気に負けて入らなくなる。早い内にそれくらいの段階まで来ていたので、半分以上食べてみせただけ偉いと思える。
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