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変身ロワイアルその6
583
:
BRIGHT STREAM(1)
◆gry038wOvE
:2015/09/02(水) 18:09:44 ID:RQpuUNRs0
【序】
戦いを終えた参加者たちを、再び宴に誘う船──時空管理局艦船アースラ。
現在、世界の命運をかけ、再び「変身ロワイアル」を始めようとする数名の参加者たちを乗せ出航したこの船は、侍たちが戦う世界で血祭ドウコクの説得に失敗し、蒼乃美希を探して時空を彷徨っていた頃だった。
話は、変身ロワイアル終了から、四日目の正午──。
─────────────ゲームは、再び動き出す。
◆
アースラ内部にある食堂で、生還者一同は卓を囲っていた。
長方形の長い机の片隅で、世界の運命をかけて殺し合いに行く者たちは、各々が呑気に好きな食べ物を注文して胃の中に掻きこんでいる。気に留めず、飯を食べている者もいれば、決戦前の緊張であまり食が進まない者もいる。
まあ、実際のところ、腹が減っては戦ができない──という以前に、何かを食べなければ彼らは生きられない。これまで三日間、それぞれの動向があったが、今は何となく、好きな物に対する食欲くらいは生まれていた。
食堂で食べる白米の料理の味は、あの殺し合いの最中に支給されていた簡素なパンとは大違いだった。やはりまともな料理は美味い。
こうして、このメンバーでまともな食事をしている時に彼らが、ふと思い出すのは、翠屋のケーキをここにいるみんなで食べた時の事であった。──ただ、あの時にいたのに、今はいない人間もいるという事実も、同時に思い出されてしまうのだった。
救出された生還者は、ミーティングを兼ねて共に飯を食べているが、結局そのミーティングとやらも手がかりなしでは進まないまま、何となく、一緒に生還した残りの血祭ドウコクや蒼乃美希の事ばかり、話すようになっていた。
共通の話題として出てくるのは、主にそんなところだ。
ベリアルの名前が彼らの口から出てくる事はほとんどなかった。──もし名前を出した時、それぞれの食を止めるのが目に見えたからだろう。逃避にしかならないとしても、食事時くらいはまともな会話をしたかった。
「はぁ〜〜〜、結局失敗か〜〜〜ドウコクさんは不参加〜〜〜」
高町ヴィヴィオは、その場にいる大勢の前で、体全体から溜息を吐いた。
今日は軽食で済ませたので他と違い皿は片付いている。上半身を伸ばすようにして、机に凭れかかっている彼女の顔は、どこか気疲れに塗れていた。
それというのも、つい数時間ほど前、血祭ドウコクの説得の為に左翔太郎が地上に向かって、それがようやくこうして帰って来たのを見たせいである。──ドウコクに対して怖い印象を持たない参加者はいない。とりわけ、関わりの薄いヴィヴィオなどはその傾向が強い。
何せ、ドウコクは一時的に組んだとしても、ここにいる面子と相いれない存在なのである。
そして、あの離島とは違い、彼らを縛る首輪はもうない。元々、首輪がなくなって以来、ドウコクが彼らを生かす理由はほとんどなくなっていたはずだった。
もしかすれば翔太郎が……という疑念が湧くのも無理はない話だ。
──それでも、当の翔太郎は説得前、妙な自信を持っていたように見えたが。
「まあ、いいじゃねえか。……あんな奴いなくても、俺たちだけでやってやればいいだ」
今も、左翔太郎が、チャーシュー麺の卵を割り箸で半分に割りながらそう語っていた。これまた、誰もが絶句するような陽気さだ。羨ましく思う者もいただろう。
それにしても、チャーシュー麺を頼んで、最初に卵を割る人間というのは初めて見た気がする。──彼の腕は今や義手だ。リハビリも兼ねているのだろうか。
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