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変身ロワイアルその6
566
:
帰ってきた外道衆 特別幕
◆gry038wOvE
:2015/08/09(日) 04:21:50 ID:yTeAA/4M0
先ほど、人間界で戦っていた真っ最中に、死に損ないの左翔太郎たちが空を飛ぶ奇妙な船に乗り、ドウコクをベリアルとの戦いにスカウトしようとしたわけだが、結局、彼らの勧誘はドウコクの「断る」の一言で徒労に終わった。
何でも、ドウコクのような生還者でなければ倒す事が出来ないらしいが、彼も神風特攻隊の数合わせに志願するつもりはない。──まあ、わざわざここから出向いてやる必要はないと思っていた。
それよか、ここでしばらく自由に酒を味わい、シタリと会話でも交わしていた方が良い。
「あの銀ピカに言われてたじゃないかい。あんな程度の相手に勝てないようじゃ、シンケンジャーどもにも勝てないって。……まあ、あいつもそんな事言いながら死んじゃったけどネェ」
「──シタリ。俺が潰すのは、目の前に立ちはだかる障害だけだ。俺がこうして脱出した以上、“奴ら”とはお互い、しばらく障らねえのが上手な生き方じゃねえのか」
「まっ、そうだよねェ。あいつらが異常なんだ。……てっきり、アタシゃ、アンタも少しは連中に感化されちまったのかと思ったよ」
「俺が? ……馬鹿言うんじゃねえよ」
ドウコクたち外道に感情などあるはずもない。いわば欲望の隙間の産物であるドウコクには、人間に感化される余地などどこにもないのだ。最初からそういう構造なのである。
ただ、沖一也の言葉はあの時、確かに真に近かった。石堀光彦を倒さなければ脱出への道は遠ざかるだろうし、主催者を倒さなければならないと思ったのだ。だから、彼の言葉に考えを改め、彼の思索に乗った。
結果的に、一応脱出は叶ったので、結果オーライであるといえよう。
しかし、今は、わざわざドウコクが出向いて殺し合いに参戦する意味はない気がした。
ドウコクは、酒を一杯ばかり喉に通した。
「ただ……“奴ら”の考えてる事は俺にも少し気になるな……一体、この後は何をするつもりでいやがるんだ?」
「アタシには理解する気にもなれないよ。揃いも揃って、ベリアルを潰そうなんて無茶な事言ってくれてネェ……お互い潰し合ってくれれば御の字だけどサ」
「“奴ら”、死ぬぜ」
「そうだろうネェ……。若い女の子まで戦に志願して、無茶な特攻する時代だよ。人間ってのはバカげてるね」
シタリはあきれ顔で溜息をついた。
全く、花咲つぼみや高町ヴィヴィオのように年端もいかない少女までもがベリアルを討伐しに行こうとしている現実が信じられなかった。──シンケンジャーにも何人か女はいたが、どうして人間はああも命を捨てたがるのだろう。
変な洗脳でもされたのだろうか。
まあ、そんなのはシタリの知った事ではないが、彼らの常識からすれば、あんな行動は爆弾を背負って歩く真似を繰り返しているようにしか思えなかった。
ドウコクは、シタリの方をじっと見て、酒をもう少し啜って、言った。
「──いや、俺が言う“奴ら”ってのは、ベリアルたちの方だ」
「何だって?」
思わず、シタリも驚き、強い語調でドウコクに訊き返す。世間話でもする軽い気持ちでドウコクと話していたシタリのペースが変わった。
「何言ってんだい、死ぬのはあの人間どもの方さ。いくら力があったって、あのデカい奴に全然勝てそうもないよ」
そんなドウコクは、憮然とした態度のまま、答えた。
「見てりゃわかる」
「そんなもんかね?」
「お前が言う“奴ら”の方は、ベリアルを倒して、必ずまた俺に会いに来るだろう。──まあ、何人かは屍になるかもしれねえが、何人かは残って、此処に来るように言っておいた」
「どうしちゃったのサ? あの形勢で奴らを信じるなんてのは、アンタらしくないよ!」
「……かもな」
シタリは首を傾げる。──やはり、それは、ドウコクらしからぬ物言いだ。
シタリの目から見ても、あの画面に映った巨大な怪物にあの生存者連中が勝てるとは思えない。折角繋いだ命をまた捨てに行くような物だ。
ドウコクがここに残っているのも、そんな惜しい真似をしない為だと思っていた。
「だが、あの殺し合いに巻き込まれて、人間どもと俺たちとの決定的な違いってのが一つだけわかった。……奴らの“情”ってやつは、時に奴らが持ってる異常な潜在能力を引きだす」
「──なあ、あんたも、ちょっとアクマロに似てきたんじゃないかい。そうして人間の情に付け込もうとしたあいつは、十臓に斬られたじゃないか」
「……十臓は人間の中でも特殊だ。奴は選ぶべき人間を見誤ったに違えねえ」
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