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変身ロワイアルその6

556永遠のともだち ◆gry038wOvE:2015/08/09(日) 01:10:25 ID:yTeAA/4M0
 美希自身の未来の補完と同時に、ある少女の言葉が浮かんだのだ。



 ────お願い、世界を救って

 ────全ての世界が侵略者に狙われている

 ────急いで

 ────ウルトラマンたちと共に、侵略者を倒して



 ウルトラマン──そうだ。
 美希に誰かがそんな言葉を投げかけた記憶があった。それは、殆ど、美希たちの時間軸の補完と同時に行われた為、彼女の頭の中でそれと混濁されてしまいそうになっていたが、その中で「ウルトラマン」という単語が出てくるはずはない。
 美希は、殺し合いの脱出と、ウルトラの星への到着の間に、「謎の少女との出会い」を経験したのだ。──あれは、現実に美希を誘った実態のある存在なのだろう。

「……もしかして」

 ──まだ、自分の中で確信と言えるかどうかはわからなかったものの、思わず美希はそう口に出してしまった。
 すると、初代ウルトラマンは美希に訊いた。

「何か心当たりがあるんだね?」
「……はっきりとはわかりません。でも、途中で、変な女の子に会った記憶があります」
「女の子?」

 美希は、少しでも手がかりになればと、その特徴を思い出した。
 彼女の記憶にあるのは、やはりそのファッションだ。──あまりにも装飾のない服装であったもので、却ってその特徴は思い出しやすい。

「白いワンピースを着た、赤い靴の……」

 そう、その少女は白い無地のワンピースを纏い、赤い靴を履いていたのだ。年のほどは、10歳にも満たないかもしれないくらいで、現代人としては妙な神秘性と無垢な印象を覚えさせる姿だった。
 だからこそ、夢と混同しやすかった部分もある。
 そこまで聞いた時、一人のウルトラ戦士が声をあげた。

「兄さん! もしかすると、──僕も昔、地球で、それと同じ姿の女の子に会って、ウルトラマンのいない異世界に導かれた事があります。……正体はわかりませんが、多分、園子のウルトラマンと地球人の味方です!」

 兄弟たちの中では最も若いウルトラマンメビウスの言葉である。メビウスという言葉に良い思い出はないが、あくまで同じであるのはその名だけだ。彼もかつて地球を守り、その星の人たちと未来を勝ち取ったウルトラ戦士である。
 そんな彼もまた、どこかで美希と同じく、その「赤い靴の少女」に導かれた経験がある事を知り、美希は少し驚いた。
 しかし、あの少女がウルトラマンの名を口にしたのは、もしかすると、こうしたウルトラマンとの出会いがあったからなのではないかとも思う。

「そうか……なるほど、あの戦いから脱出してここに来るまでに、何者かの介入があったわけだ。しかし、何故この子が……?」
「この子以外にも、もしかすると、あの戦いの生還者がこの星に来ているかもしれない。……まずは、この星のウルトラ戦士たちに、地球人を探してみるように呼びかけよう!」

 ウルトラマンヒカリがそう言い、すぐにウルトラの父の許可を得て飛び立った。──こうして、一人が連絡すれば星全体に行き渡るネットワークがある。度々大きな事件が起こるせいもあり、星全体が団結している恩恵でもあるだのだろう。
 他のウルトラ戦士たちは、全てここに居残っており、まだ美希の事情について問うてみようと思っているらしい。あるいは話してみたい事が幾つかあるのだろうか。

「キュアベリー、蒼乃美希」

 次に美希に言葉をかけたのは、ウルトラ兄弟の長男であるゾフィーであった。
 宇宙警備隊の隊長であり、この中で言うならば、ウルトラの父やウルトラの母に継いで役職の高いウルトラ戦士だ。実力もまた高く、地球で一部の怪獣には遅れを取る事があっても、 弟たちには非常に信頼された身である。


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