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変身ロワイアルその6
555
:
永遠のともだち
◆gry038wOvE
:2015/08/09(日) 01:09:09 ID:yTeAA/4M0
──何でも、彼らが、ゼロの父と、その仲間たちらしい。
かつて、この世界で地球を守ったウルトラ兄弟だ。今はそれぞれが宇宙警備隊の中でも相応のポストに就いている。再三のベリアルの魔の手から、このプラズマスパークタワーを守るのも今や彼らの立派な使命の一つであった。
ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンタロウ……そこにいたのは、伝説のウルトラ6兄弟。
そして、ウルトラの父、ウルトラの母、ウルトラマンメビウス、ウルトラマンヒカリであった。
「ゼロ。その子は、もしかすると……?」
美希とゼロの前に現れたウルトラマンたちのうち、ゼロの面影を微かに持っている赤い戦士が前に出て声をかけた。彼こそ、ウルトラマンゼロの父であるウルトラセブンである。
彼もまた日本語を繰る。それは、かつてこの世界の日本で迫りくる侵略者たちから地球を守った経験による物だろう。
このウルトラマンたちの中でも、誰よりも地球という惑星を愛したのがこのウルトラセブンだ。
「ああ。あの殺し合いに参加させられていた蒼乃美希だ。──ガンQを追っていたら、路地で見つけた」
何人かのウルトラ戦士たちが、まじまじと美希の姿を見た。
怪訝そうでもあり、どこか懐かしそうでもあるその瞳。いずれも、妙な威厳を感じ、美希も恐縮する。一方で、ウルトラ戦士たちもまた、地球人の少女に対する敬意の念を心の内には抱いていた。
少なくとも、戦士としての年季は、美希やゼロとは桁違いであった。──美希は十四歳で中学二年生だが、ゼロは概ね五千九百歳で、地球人で言うならば高校一年生相当だという(地球人換算でも一応年上である事に美希は驚いていた)。
齢二万歳を超えている彼らは、そんな若者たちが相手にするには、些か貫禄がありすぎたのだろう。
「何故、こんな場所に地球人の子が……」
「ベリアルの転送が此処に誘ったとしか思えん」
「しかし、それに何の意味があるのですか、兄さん」
ウルトラ兄弟もまた、美希を見て混乱しているようだ。
美希がウルトラの星にやって来てしまった理由については、やはり殺し合いの後のブラックホールが原因だと思われているようだが、それでもまだ腑に落ちない。
「教えてくれるかい、どうして君がこんな所にいるのか」
美希にそうして直接訊いたのは、初代ウルトラマンであった。
彼もこうして美希に訊くのが最も早いと思ったのだろうが、美希自身もよくは知らないし、そもそもこうして威厳ある巨人に質問を投げかけられると、大きな責任が伴ってくる。
とにかく、それでも自分に質問が振られたからには、順序立てて話そうと意を決した。
「えっと……向こうにいた間の事情は知ってますよね?」
「ああ……辛かっただろう」
「……」
美希は少し、これまでを思い出して沈黙した。
──辛い。
確かにそうだった。あれだけ友達が死に、自らも死の恐怖に直面する中で、そんな感情が湧きおこらないはずがない。しかし、何度もそれに耐えたり、時にはあの出来事が寝覚める前の夢のように淡い他人事のように思えたりして、辛くない時もあった。
だが、改めてそう言われると、自らの心の傷が可視できるようになってしまう。だから、暫し、言葉を失った。
それを察して、ウルトラマンは一言謝る。
「……すまない」
「いえ……。でも、その後で、私たちはあのブラックホールで転送されて、それから──」
美希は、その気持ちを押し込めた。
今、自分が問われている話に思考を戻そうと努める。
順序立てて話しているかのようだったが、本人は、順序立てて思い出そうとしていた。
(何があったかしら……そうだ……!)
まず、ブラックホールで転送された後、ここに来る前にあった事を全て考えてみる。
美希自身も知らない幾つかの記憶の復元──これが自然に行われた時間軸調整が起き、それと同時に、ある夢やビジョンが美希の中に浮かんできた。
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