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変身ロワイアルその6

540時代 ◆gry038wOvE:2015/08/02(日) 11:35:30 ID:cMWgAZpE0
 もはや、かつての敵など、雷牙や零の敵ではない。ガルムの戦法を知らなかった翼は先に苦戦したようだが、頭一つ抜けて強い雷牙や、かつてガルムと戦った零からすれば、最早、苦戦を強いられるような敵ではないのである。
 彼女自身も全く知らなかったであろう未来の魔戒騎士と、歴史修正による零の成長が直接的な敗因となり、コダマとガルムは敗れてしまったのである。

「……やっぱり目的はメシアだったか」
『とは言うものの、結局は奴を人間界に出現させる野望は儚い夢だったな』

 メシアの再臨は、既に一度阻止された話である。──まあ、鋼牙の死によって、メシアも復活したのかもしれないが、ホラーたちと違い、そう簡単に人間界に呼び出せる存在ではない。
 ガルムにとっても、メシアをまた人間界に現出する夢は蘇っても尚叶えたいものだったのかもしれないが、メシアを呼ぶゲートを作る準備時間など、元々そうないはずだ。
 何にせよ、メシアは人間界にはやって来られない運命らしい。

「零さん……」

 鎧を解除した雷牙が、絶狼を見つめた。
 そんな雷牙の視界で、絶狼の鎧もまた、魔界へと返還される。

 ──それを見て、雷牙は、鋼牙そっくりのお辞儀を零に向けた。

『おいおい』
「……実はそっくりかもな、この親子も」

 零は半ば呆れるようにして雷牙を見たが、雷牙はそんな零に微笑みかけていた。
 言葉もなく礼をして終えるところなど、全く持って、冴島家のそれである。
 兎にも角にも、未来には頼もしい奴がいるらしいと、零は思った。


【コダマ@牙狼 死亡】
【ガルム@牙狼 死亡】







 外には、確かに青空と平和が広がっていた。
 ホラーのゲートは、かつてより限られ、そう簡単には人間界を侵攻できないようになっている。──ようやく、ホラーの活動範囲は元に戻ったわけだ。
 この人間界の騒動を収束させ、記憶を削除するのは魔戒法師たちに一任する事にしよう。
 ……いや、その前に、あのモニターが存在する以上、零がベリアルを倒し、管理を終えなければならないか。

『しかし、奴らも随分あっけなかったな』
「俺たちの成長に、奴はついていけなかったんだな」
『コダマとガルムは、あれでも一応、相当な実力者なんだぜ? あの雷牙って奴の素質は桁外れだ。流石は鋼牙の息子ってところだな』
「……おいおい、俺もちゃんと活躍したのに雷牙ばっかり褒めるなよ」

 魔戒騎士は、その想いや精神力によってソウルメタルを操り、戦う。
 ゆえに、その時のパワーはそれぞれの置かれている状況などによって大きく変わってくる物なのである。成長してやって来た絶狼や、未来からやって来たサラブレッドの牙狼からすれば、敵の内に入らないような相手だったわけである。
 零も、自分自身では、この世界に帰って来ただけであそこまで強くなっていたのは全く予想もつかない話だったが、ガルムはかつても一度倒した記憶のある相手だ──。
 それより後の零はもっと強くなっている。彼女が簡単に勝てる相手ではないという事だ。

「……ただ、ベリアルって奴は、今のところ、誰も知らない敵だからな。コダマやガルムのように俺たちを甘く見てはくれないだろう」
『ここまでの敵のようにはいかないっていうわけか。……もしかすると、奴は最初からそれを狙って、自分を知らない人間ばっかり集めたってのか?』
「おそらくな。自分の事を全く知らない奴らばっかり殺し合いに呼んだって事だ。あるいは、奴には相対する敵がいなかったか……」

 ホラーや暗黒騎士ならまだ何とかなるが、相手が異世界の怪物ではデータもなく、どうしようもない。
 殺し合いの映像の続きを見た限りでは、ウルトラマンやダークザギに近いと思ったが、今の零の情報では、それが何者なのかはわからぬままだった。


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