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変身ロワイアルその6

512虹と太陽の丘(後編) ◆gry038wOvE:2015/07/31(金) 03:41:50 ID:didGUWPE0

「──そいつは、俺だけだっ! あんな奴に名乗らせる名前じゃねえ!」

──Eternal!!──

「変身!!」

 良牙の身体に、久々に変身の感覚が湧きだす。
 大道克己との戦いの果てに、何故か運命的に良牙の元に渡ったそのロストドライバーとエターナルメモリ。それは、亡き克己に代わり、どういうわけか響良牙の物となって彼の運命を変えていた。
 乱馬や良牙でさえ敵わない相手に向けて、その能力値の補填を行うドーピングという所だが、こうでもしなければ、ドーピング済の相手には敵わない。
 白い死神の仮面ライダー──仮面ライダーエターナルは、青い炎を両手に纏い、背中に真っ黒なローブをはためかせた。黄色の複眼が輝き、それが再び消える。変身のエネルギーの影響か、後方で巨大な竜巻が発生する。右京がエターナルを見て目を輝かせる。
 未だ、彼を認めているブルーフレアの姿であった。

「地獄に迷った一本の牙、仮面ライダー……エターナル! こうなったからには、貴様を一瞬で地獄に送ってやるぜっ!」

 中指を突きたてて、以前、花咲つぼみに触発された名乗りを叫んだ。
 後方の竜巻の姿もあり、非常にそれは映えた物になっている。──いや待て。今まで、エターナルに変身して竜巻が出てきた事なんてあったか? まあいっか。

「おおっ。良牙、ちゃんとかっこええやんっ! ──」

 右京はエターナルに変身する良牙に対して、素直な感想を口にする。江戸っ子気質の右京はこうした見栄も気に入りやすかったのだろう。
 よりにもよって、目の前の相手は響良牙なのだが、それにしても、顔が見えなければ、彼も随分と輝いて見える物である。
 考えてみると、変身という物の利点だろうか──。右京はこの戦いまで、乱馬以外の変身体質を一切知らなかったが、「性別が入れ替わる」よりもずっと凄まじい光景であった。

「──まあ、上から怪物が降って来なければやけど……」

 次の瞬間、縄で縛られたサドンダスが、「ごちん」と音を立ててエターナルの頭の上に降りかかり、エターナルが潰され、全てが台無しになる。
 おそらく、エターナルの変身の瞬間に発生した竜巻に巻き込まれ、そこからこのサドンダスも落ちてきたのだ。
 もうかなりボロボロで、目が「×」になって小さく涙が出ている状態のサドンダスが、エターナルの上で圧し掛かっている。

「……人が折角決めているのに、何をするんでいっ!」

 エターナルがサドンダスを片手で引きははがし、超銀河王に向けて放り投げる。超銀河王の一歩手前の地面にサドンダスが叩きつけられ、衝撃音が鳴った。サドンダスも、予想外の出来事の連続で、すっかり伸びたようである。
 超銀河王が一瞬ひるみ、サドンダスが誰も存じぬところで何者かによって倒された事に驚いていた。
 果たして、一体何者が──と、超銀河王は恐る恐る、エターナルたちの方を見る。

「はぁ……はぁ……良牙。そのバケモンはおらが倒したぞ……」
「ムース!」

 そう言って、彼らの前に現れたのは、かなり疲労の激しい様子のムースであった。
 サドンダスとの直接対決をしていたようだが、一体、どのようにして倒したのだろうか。
 ふと、そんな時、エターナルの方が、ある事に気づいたようだ。──いかにムースであろうとも、敵をこのようにあっさりと倒せるはずがない。

「お前、まさか……飛竜昇天破を……!?」
「ああ……おらも、あのばあさんに一週間修行をしてもらったからな……」

 先ほどの竜巻は、エターナルの変身による物ではなく、ムースが放った飛竜昇天破によって発生する物だったのである。
 元々、乱馬が修得した飛竜昇天破も、コロンの教えによる技だ。──それは、敵が強ければ強いほど意味を成す為、ムースとサドンダスの間の実力差など簡単にひっくりかえる事になる。
 そのうえ、闘気の際に発生する熱を利用した技であった以上、熱線を吐き出すサドンダスを相手には非常に使いやすい技であった。
 つまるところ、変身前でも倒せるような連中の仲間に負けるエターナルではないという事である。


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