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変身ロワイアルその6

511虹と太陽の丘(後編) ◆gry038wOvE:2015/07/31(金) 03:41:33 ID:didGUWPE0



 良牙がようやく追いついた右京に導かれ、正しい方向に向かって走りだしていると、そこには、白い服の男性──カンナギの姿があった。

「──逃がしはしないよ。ひとまずは、君たちの首をベリアルに捧げておきたいからね」

 彼が道を阻んでおり、右京の言う丘には辿り着かないようにしている。
 とはいえ、カンナギが待ち伏せこそすれ、雲竜あかりを直接殺害しに向かおうとしなかったのは不幸中の幸いといえようか。
 右京も、戦闘能力を有さないあかりの事は、なるべく隠そうとしているし、何よりあかりのもとには、ブタ相撲の横綱・カツ錦が護衛している為、生半可な相手ならばいずれにせよ敵わない。
 カンナギとしても、今は別段、あかりという人間には興味がなかった。人質にすれば使えるかもしれないが、立地に詳しくない為、丘と言われてもはっきりとした場所はわからなかった。

「てめえごときにやられるかっ!」

 良牙は先走って、カンナギの元に駆け出そうとするが、カンナギは、そんな良牙に向けて口から衝撃波を吐き出し、良牙の身体を吹き飛ばす。
 良牙、右京ともにその人間の身体ではありえない攻撃に口をあんぐりと開けていた。

「「!?」」
「──なんや、あいつっ!?」
「まさか、仮面ライダーみてえな改造でも受けてるのかっ!?」

 良牙が、村雨良や大道克己の事を思い出したのは言うまでもない。
 ……とはいえ、カンナギからすれば充分、良牙やムースや右京も怪物級の実力だが。
 まあ、闘気ではない力を口から吐き出した超能力に、物珍しさも感じたのだろう。

「いや、超進化兵士ミュータミットだ……。しかし、私の力はこんな物だと思われては困る。異世界や未来と繋がった機会に、良い道具を拝借させてもらったのでね」

 繋がった世界線よりも未来からやって来た仮面ライダーや戦士が、管理と戦う為に加勢している事もある現状である。お陰で、財団Xもあらゆる力を調査する事が出来た。
 ベリアルとの取引によって加頭が得た“未来のコアメダル”や、“コズミックエナジー”をカンナギは無断で拝借し、ベリアルや自分の属する組織の存じぬ所で、こうした勝手な実験をしていたのである。
 天道道場の奥に、勝手に施設の研究班を移動させ、あらゆる研究をそこでやらせていたほどの力の入れようである。本来の天道道場の管理責任者のキイマは始末済だ。

「……響良牙くん、見たまえ!」

 ──カンナギは、決して、財団Xの一端に甘んじる気はない。
 このベリアル帝国が完成した際に、全てを乗っ取る野望を胸に秘めている男だった。

「これが、いずれベリアルさえも支配し、全てを乗っ取る……銀河王の姿だっ!!」

 カンナギは、その腰に「ギンガオードライバー」を巻いていた。
 ギンガオードライバーに未来のコアメダルとSOLUスイッチを装填すると、彼の身体は、光を放ち、それを収束させて、これまで良牙が見てきたような異形の戦士へと変身する。

「なっ……!」

 鋼を身に纏ったかのような銀色の肌に、胸部や肩部だけを覆うように重なっている金色の外殻。細長く、まるで鳥籠のような仮面。夜空の色のマントには、そこを流れる星のような銀が走っていた。
 彼が名乗る名によると、それは銀河王──。
 右京も、直にその変身の瞬間を見るのは初めてだった。恐る恐る、良牙に訊く。

「良牙。あれが、仮面ライダーか!?」
「いや、違う、この世界に仮面ライダーがいるとしたら、──!」

 右京の問いを否定する良牙──。
 そんな彼もまた、いつの間にか、腰部にロストドライバーを装着していた。──これを装着するのは、だいたい三日ぶりの話になる。
 これまでは骨のある相手に出会えなかったが、目の前の敵が放つ邪悪な闘気に、今から対応しておくべきだと、反射的にドライバーを巻いていたのだ。


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