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変身ロワイアルその6

483時(いま)を越えろ! ◆gry038wOvE:2015/07/27(月) 03:41:58 ID:OupDhxSw0



 ──そうだ……いけない。これ以上、俺にこの夢を見せないでくれ!!



『うわああああああああッッ!!!』
『速水ぃぃぃぃぃぃっ!!!!!』



 ────誰だか知らないが、やめろッ!!! “この夢は、夢じゃない”!!!!!



『誰に向かって物を言っている!! 俺は選ばれた戦士──超光戦士シャンゼリオンだぞ!!』




『────燦然!!!』







「はぁ……はぁ……」

 ──涼村暁が目覚めた時、そこには、橘朱美や涼村探偵事務所の姿はなかった。
 眠った場所じゃない所で目覚めた事になるが、誰かが移動させたわけでもあるまい。

「ここは……」

 何せ、────目の前に広がっているのは、今の夢の中で見た戦乱の光景だ。こんな所に人間を移動させるわけがない。

 何がどうなっているのかわからなかった。
 夢の中に取り残されたわけでもないはずだった。
 今も、暁の中には、今見た夢が鮮明に──残っている。

「はぁ……はぁ……」

 体の中にアルコールの気配はなかった。いや、気分は元に戻り、ああして酔う前までと全く同じ状態だった。──お陰で、気分や精神状態は、到底お気楽にやっていられないまでに憔悴している。
 忘れかけていた三日前に引き戻された気分だ。ただ、仮に酔っていたとしても、今この光景を見れば、それが一瞬で冷めるのではないかと思った。

「……どこなんだ、ここは……」

 ──目の前は、この世の終わりの瞬間のようだった。

 そして、この世界は、そこで時間が凍り付き、全て動かなくなっている。
 まるで、全てが終わる直前、時間がここで止まっているかのように──。
 暁は、その時が止まった世界の中を立ち上がり、歩きだす。

「何がどうなってやがるんだ一体……」

 街に炎があがっているが、それも揺らめく事さえなく、止まっている。──下手をすると、風さえも止んで、本来ならば呼吸ができないかもしれない。
 空には、地上を焼き払う円盤の大軍が群れをなしているが、それもまた、全て動きを止めていた。今、まさにそこから出る光線が人々を殺している真っ最中になっている時もある。逃げ惑い苦渋に満ちた表情で止まった人間の姿。

「どこだーっ!! 朱美ぃーっ!!」

 今にも死ぬような人々。廃墟。果てのない戦火の嵐。人間を虐殺するダークザイドの怪物たち。どこかへ逃げようとしている緑の車。
 もはや、地上に希望も何も残されていない、地獄の果てのような場所だった。


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