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変身ロワイアルその6

472あたしの、いくつものアヤマチ ◆gry038wOvE:2015/07/26(日) 18:19:12 ID:2QeaXfr60

 これまでのワルダスターのあらゆる暴挙──そして、父の死も、元を辿れば全てベリアルが原因だと知ったテッカマン。
 だが、彼にベリアルを倒す術はなかった。
 その歯がゆさを噛みしめ、しかし、ここに出来た新しい仲間たちに託し──この宇宙の平和を、ガイアセイバーズに託す。
 ──果てのなかったスペースナイツの戦いは、こうして終わりを告げた。



【ドブライ@宇宙の騎士テッカマン 死亡】







 翌日。

「……アースラの修理は、スペースナイツの協力のお陰もあって、何とか無事、予定より早い今日の内に終了しました。──スペーツナイツの皆さん、協力を感謝します」

 はやてが、そうして目の前のスペースナイツのメンバーたちに向けてお辞儀をした。
 城二、アンドロー、ペガスのほか、何名ものスペースナイツのメンバーと、管理局のメンバーが向かい合っている。──これは、旅立ちの前の儀式のようなものだった。

 ドブライとの戦いから一日経った後には、アカルンの回復と、スペースナイツとワルダスターの発展した技術によるアースラの修復が行われ、遂に時空移動の負担も軽減される事になった。今よりもっと素早く、かつ艦に負担のかからない広範囲の時空移動が出来るよう、前面アップグレードが施されたのだ。
 内装や外装はほとんど変わらないように見えるが、これによって残り生還者の保護もより迅速に行える事になるだろう。

「この星は、ここにいるワルダスターの残党とともに、クリーン・アース計画で再び元に戻して見せる。そして、今度は二度とこの美しい地球があんな風にならないよう、ここに住むたくさんの人間たちに呼びかけよう」

 城二が、これからアースラで旅立って行く人々に言った。
 彼もアースラに乗りこみ、ベリアルを倒しに行きたいくらいだが、残念ながらそれは叶わない。城二たち数人が乗りこんだ所で、ベリアルとの戦いには挑めず、艦内の食糧やエネルギーを消費するだけになってしまう。
 ──やはり杏子たちを信じ、これから先もこの場で応援するくらいしか彼らには出来ないのだ。
 それに、今は管理に屈せず、この荒れた世界をワルダスターの残党や残った地球人たちとともに立て直していくのも、彼らがすべき使命である。

「確かに宇宙は意識を持ってないかもしれない。──だが、地球人はヤオヨロズの神なんて物を信じてるんだろ? だとすると、この宇宙にも恥ずかしくないようにしねえとな」

 アンドローが言う。彼は、サンノー星人という自らの正体をここにいる全員に明かしたが、そこから先、これといって差別などを受ける事はなかった。
 元々、ラビリンスやミッドチルダなど、様々な異世界の人間が集っている集団であった為、別段、サンノー星人が珍しくもなかったのだろう。

「……君たちとも、またいずれ、どこかで会おう。ワルダスターとこうして友好を築けたのは、ここにいるみんなのお陰だ。──管理局のみんな、ガイアセイバーズのみんな……ありがとう」

 城二が、その時は、少し爽やかにそう言った。
 そして、目の前にいる杏子の手を固く握る。
 アンドローはヴィヴィオ、ペガスはレイジングハートとそれぞれ手を取り、これからの互いの健闘を誓い合った。
 この世界は一時的に寄った物で、これから先、アースラは他の仲間たちを探す為に旅に出なければならない。



 そして──アースラは旅立つ。
 今は、少しの猶予もない。残りの仲間を集める為、アースラは空へ飛び、アカルンとの連結エンジンの力で時空の波へと飛び去ろうとしていた。
 確かに、そこから感じる魔力がこれまでと違うのをレイジングハートは感じている。


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