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変身ロワイアルその6
463
:
あたしの、いくつものアヤマチ
◆gry038wOvE
:2015/07/26(日) 18:16:12 ID:2QeaXfr60
「城二! 地上部隊は俺に任せろ!」
「わかった!」
アンドローとテッカマンとがそう確認し合うと同時に、アースラからは砲撃がワルダスター艦隊に向けて飛び交っていく。
その魔力の砲撃は確かに艦隊や戦闘機を撃墜していくが、まだ物量に敵わず、何体かのおこぼれを艦に引き寄せている状態であった。
そんな最中を悠々と飛び立って行く青いマシンと白い超人。
そして──彼の目の前に大軍を敷いていたのは、敵の大将であった。
「我こそは、宇宙帝王ドブライ! アースラを奪う為、この私が直々にやって来たぞ……」
テッカマンに向けて、そう語る奇妙な目玉の怪物。──テッカマンと同じくテックセットを果たした“それ”は、ワルダスターの首領であるドブライであった。
かのドブライは、数百の艦隊の群れの向こうでこちらを呼びかけていた。
まさか、こうしてこの怪物が直々に地球にやって来るとは、城二も思ってもいなかっただろう。──思わぬ強敵の登場にテッカマンは息を飲んだ。
「貴様が……ドブライ……!」
「会いたかったぞ、テッカマン……!」
宇宙帝王ドブライ。──それは、テッカマンもまだ会った事のない相手だが、何故か彼はその存在に対する威圧感を覚え、妙に納得した。
テッカマンがドブライに向かおうとするが、その前をワルダスター艦隊のメカが遮る。
「──テックランサー!」
双刃の槍・テックランサーを構えたテッカマンは、ドブライとの間を阻み向かってくる戦闘メカを迎え打つ。テッカマンと戦闘メカが交差した時、崩壊したのは、テックランサーの鋭い刃で紙のように引き裂かれたワルダスターメカの方であった。
真っ二つになった戦艦は空中で爆裂。──内部から炎をあげて、地上に破片が落ち、砂塵に飲み込まれて、再度爆発していく。
煙は空にもくもくとあがっていく。
「ハァッ!!」
テックランサーは、次々にドブライまでの道のりを阻むワルダスターのメカを次々と打ち破っていく。
艦隊のビームはテッカマンの鋼の身体にはほとんど効かなかった。ワルダスターのメカは、一方的に倒されていくのみだ。
だが──問題は、テッカマンの敵の数はこれまでより遥かに多いという事だ。視界を覆わんばかりの群れである。このままでは、ドブライのもとに辿り着く前に制限時間が来てしまう。37分33秒が過ぎると、テッカマンは肉体崩壊を起こしてしまう。
「くっ……これでは、キリがない……っ!」
──多勢に無勢。弱音を漏らし、テッカマンが不安に駆られたその時、地上のアースラから、何人もの魔導師が現れ、テッカマンと同じく空の部隊を迎撃し始めた。
彼らもそれぞれバリアジャケットを装着し、ワルダスター部隊からアースラを守護すべく派遣された部隊だ。──クロノやはやてから出撃命令を受け、与えられた陣形の通りに、しかし柔軟にワルダスターたちを撃墜すべく現れたのだ。
命令が少々遅れた為、今になってしまったが、テッカマンの援護も命じられている。
守護騎士≪ヴォルケンリッター≫、ナンバーズ、ウエスター、サウラーを中心に、管理局の保護下の戦士が空へ、地上へ──ワルダスターを迎え撃つ。
「──テッカマン! 我々も援護する! 同じ騎士として……共に艦を守り抜こう」
ヴォルケンリッターの一人、シグナムが空を飛び、呆気にとられるテッカマンに並んだ。テッカマンがその姿に驚きを隠せない。
言葉をかけながらも、彼女の剣型デバイス・レヴァンティンは、艦隊を斬り裂いていた。
「……これは、俺たちの世界の敵だ……! 巻き込まれて倒れても知らんぞ!」
顔や体を露出させたまま戦うシグナムに──いくらプリキュアや魔法少女を見ていたとはいえ──抵抗感のあるテッカマンは、躊躇した。そもそも、女性が前線に出るという事に、あまり良い印象のない彼だ。
しかし、そんなテッカマンへとシグナムは言う。
「世界は違えど、守りし者の為に戦うのが騎士のさだめ……。かの戦いで、魔戒の騎士が言っていた通りだ。我々はその使命に殉じるのみ!」
「……っ!」
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