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変身ロワイアルその6
452
:
あたしの、世界中の友達
◆gry038wOvE
:2015/07/26(日) 18:10:07 ID:2QeaXfr60
彼女は、敢えて冷徹に、まるで歓迎をしていないかのように、形式的に言ったのだった。
もしかすると、悔い改めるという意味で、丁寧に言葉を変えているのかもしれない。
だが、杏子にはそんな無感情にも見える態度の方が不安の種だったのだが、ともかく、力を持たないながらも、警戒して構える杏子に、織莉子は告げた。
「ゲームからの生還……おめでとう。佐倉さん」
◆
気づけば、元の世界を離れ、時空管理局の時空移動戦艦アースラの内部に、杏子はいた。
結局、織莉子とキュゥべえを信じるほかなかったのである。
そもそも、杏子には今、戦闘能力がなく、抵抗が出来ない状態だった。どうすればいいのか、頭では考えが付いた。
……しかし、その巨大な戦艦の登場には、杏子も驚いていた。
言ってしまえば、それはもう、杏子の世界の人類がどれほど時を重ねれば作れるのかわからない規模の物だったからだ。
入ってみると、内部には、生活スペースまであり、もはやアニメの中の超巨大秘密基地のようである。
「……まずは、とりあえず、この艦の艦長より前に、この部屋にいる“彼女”に挨拶して貰いましょう」
──と、壁と同色の無数の部屋の一つが、織莉子の簡単な認証で開く。
アニメというより、この辺りはまるでハリウッドのSF映画のようであった。まあ、現代技術でも可能なのだろうが、杏子の生活圏では応用されていない。
何故だか病院や寮のような空気で、杏子にはどこか合わない所がある。
だが、ともかく、その“彼女”というのが何者なのか、杏子は緊張した。
その人物が敵か味方かによって、──怪しいか怪しくないかによって、杏子は織莉子たちに信頼を置けるかどうか変わる。
杏子は、織莉子とキュゥべえに続いて、おそるおそる、その一室に入った。中は貸しホテルの一室のようになっていた。
しかし、中は思った以上に広く、一人部屋にも関わらず、二人か三人が住む部屋のようである。奥に広く白いベッドがあり、そこに誰かが寝ていた。
その上半身だけが、こちらを向いている。キュゥべえは、そこにいる“彼女”に駆けて行った。
「嘘だろ……?」
杏子の知っている顔だった。
金髪と青いリボン、古代ベルカ特有の碧と赤とのオッドアイ──“彼女”と呼ぶべき対象なのは間違いないが、それにはまだ幼いような気がする体型。
杏子は、確かに殺し合いの中でこの少女と共に過ごした。
一緒に風呂にも入ったし、一緒に警察署で夜を過ごした。──杏子よりも年が若く、時折、死んだ妹を思い出させるその娘。
「あっ……杏子さん」
「ヴィヴィオ……生きてたのか!?」
しかしそれは、確かに、「死んだ」と報告されたはずの──高町ヴィヴィオだ。
思わぬ現実にたじろぎ、一瞬、判断がつかなくなった。彼女の周囲には、セイクリッドハートやらアスティオンやら、彼女と共に消えたデバイスたちもいる。
そこにキュゥべえまで加わって一緒にじゃれとり、軽い動物園と化している。
「えへへ……。実はゴハットさんに助けられて」
ヴィヴィオは、ベッドの上に乗ったキュゥべえを撫でながら、もう片方の手でどこかばつが悪そうに頭を掻いて、愛想笑いした。
あまりキュゥべえについて詳しい事を知らないヴィヴィオは、兎の仲間だと思って戯れているようだ。……まあいい。今のところは気にしないでおこう。
まさか、キュゥべえも、魔法少女を魔法少女にしようとするほどバカではあるまい。
「誰だよ、ヴィヴィオが死んだとか言ったのは!? ──」
と、杏子が呆気にとられて言う。……それから後で、すぐに杏子はヴィヴィオが死んだと言い出したのが誰なのかを思い出した。
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